4.1.4 システム導入および拡張の容易化

業務システムは,Webサーバ,J2EEサーバ,負荷分散機,運用管理用のサーバなど,複数の要素で構成されています。また,J2EEサーバ内にも,複数の機能があります。アプリケーションサーバを中心とした業務システムを,特長を生かして円滑に運用するためには,システムの用途に応じたシステム構成を検討し,それぞれの要素の多様なパラメタを,適切な関係で設定する必要があります。

ここでは,システムを導入および拡張するときの,Cosminexusの特長について説明します。機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を参照してください。

<この項の構成>
(1) システムの一括構築の実現とスケールアウトの容易化
(2) テスト環境から本番環境へのスムーズな移行
(3) 複数の構築済み実行環境の切り替えが可能

(1) システムの一括構築の実現とスケールアウトの容易化

J2EEアプリケーションを実行するシステムは,次のどちらかの方法で一括して構築できます。

構築するシステムの構成によって,これらの方法を使い分けることができます。

また,同じ業務サービスを提供するシステムは,ユニットという概念で管理できます。ユニット単位でシステム構成の変更やスケールアウトができるため,サービス提供規模などの変更に対応して,スムーズにシステムを拡張できます。

(2) テスト環境から本番環境へのスムーズな移行

システムを導入する場合,本番稼働用の実行環境(本番環境)でシステムを構築する前に,テスト用の実行環境(テスト環境)を構築して,テストおよびチューニングを実施することがあります。

Cosminexusでは,テスト環境でチューニング済みの定義をまとめてファイルに出力できます。本番環境を構築するときには,このファイルを本番環境用の定義として使用できます。これによって,テスト環境でチューニングした内容を再度本番環境で設定する必要がなくなり,構築済みのシステムのスムーズな移行を実現できます。

(3) 複数の構築済み実行環境の切り替えが可能

本番稼働している実行環境のアプリケーションサーバに対して,バージョンアップやパッチの適用が必要な場合があります。この場合,業務に支障が出ないように,作業中または作業後にトラブルが発生したときに速やかに元の実行環境を復元できるようにしておく必要があります。

Cosminexusでは,バージョンアップまたはパッチ適用の前の実行環境についての情報を,一括して退避しておくことができます。退避後には,バージョンアップまたはパッチ適用後の別の実行環境を,同じマシン内に構築できます。なお,問題が発生した場合には,退避しておいた環境を速やかに復元できます。

これによって,複数の構築済み実行環境の切り替えが,効率良く,かつ確実に実行できます。

なお,この機能は,UNIXの場合に使用できる機能です。