4.6 導入から運用までの流れ

J2EEアプリケーションを実行する環境の導入から構築・運用までの流れについて説明します。

3章で説明した流れに従って,次の工程を実施します。

また,必要に応じて運用の見直しを実施します。

それぞれの作業の概要を説明します。なお,構築・運用する環境によって固有の作業がある場合は,そのつど説明します。

<この節の構成>
(1) システムの仕様(機能)検討
(2) システム設計/運用設計
(3) システムの構築
(4) システムの日常運用/保守

(1) システムの仕様(機能)検討

システムの仕様(機能)検討では,実現したいシステムの要件に応じて,J2EEアプリケーションの実行環境で実現できる機能を確認して,どの機能を使用するかを選択・検討します。

J2EEアプリケーションの実行環境で使用できる機能の詳細については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を参照してください。

また,構築する実行環境に応じて,次のマニュアルも参照してください。

Webサービスに対応したアプリケーション実行環境を構築・運用する場合
マニュアル「Cosminexus SOAPアプリケーション開発ガイド」を参照して,CosminexusでのSOAPアプリケーション開発の概要,およびSOAPアプリケーションの形態について確認し,実現する機能やシステム構成を検討してください
メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境を構築・運用する場合(Cosminexus Reliable Messagingを使用するとき)
マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照して,メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境で実現する機能やシステム構成を検討してください。

(2) システム設計/運用設計

システム設計は,次の考え方で進めます。

  1. 使用する機能に応じてシステム構成を検討する。
  2. システムの目的に応じたセキュリティの確保の方法を検討する。
  3. システムの目的に応じたチューニング項目を検討する。

システム設計の考え方の詳細については,マニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」を参照してください。

また,構築する実行環境に応じて,次のマニュアルも参照してください。

Webサービスに対応したアプリケーション実行環境を構築・運用する場合
マニュアル「Cosminexus SOAPアプリケーション開発ガイド」を参照して,SOAPアプリケーションをどのような形態で開発するかを検討し,それに応じて,システム設計/運用設計を実施してください。クライアントとサーバのそれぞれについて,運用方法と構築方法を検討してください。
メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境を構築・運用する場合(Cosminexus Reliable Messagingを使用するとき)
マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照して,実行したい業務処理に応じた送信側,受信側のアプリケーションの形態を検討します。それに応じて,システム設計/運用設計を実施してください。クライアントとサーバのそれぞれについて,運用方法と構築方法を検討します。なお,システム構成の検討については,マニュアル「Cosminexus システム設計ガイド」のサーバ間で非同期通信をする場合の構成を検討するための説明を参照してください。

(3) システムの構築

システムの構築は,Smart Composer機能またはセットアップウィザードを使用して実施します。

システムを構築するときに参照するマニュアルを,次の表に示します。

表4-4 システムを構築するときに参照するマニュアル

マニュアル目的分類
Cosminexus 簡易構築・運用ガイドSmart Composer機能またはセットアップウィザードによってシステムを構築する手順について知りたい場合に参照してください。インストール,システム構成に応じたシステム構築方法,J2EEアプリケーションの設定および動作確認といった,一とおりの作業手順について説明しています。
また,テスト環境でチューニングした定義を基に本番環境を構築する場合も,このマニュアルを参照してください。
Cosminexus システム構築ガイドマニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」で説明している手順以外の,特定の機能を使用する場合のシステム構築方法を知りたい場合に参照してください。マニュアル「Cosminexus 機能解説」で説明している機能ごとに必要な設定について説明しています。
また,uCosminexus Client,uCosminexus Web RedirectorおよびuCosminexus Operatorといった,オプション製品の環境を構築する方法についても,このマニュアルで説明しています。これらのオプション製品を使用するシステムを構築する場合は,このマニュアルを参照してください。
Hitachi Web ServerHitachi Web Serverのコマンドや定義ファイルを使用してWebサーバを構築したい場合に参照してください。
TPBroker ユーザーズガイドCosminexus TPBrokerが使用するポート番号について知りたい場合に参照してください。

(凡例)◎:必ず参照するマニュアル ○:必要に応じて参照するマニュアル


なお,これらのマニュアルの中でほかのマニュアルを参照している場合は,必要に応じて参照先のマニュアルも確認してください。

また,構築する実行環境に応じて,次のマニュアルも参照してください。

メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境を構築する場合(Cosminexus Reliable Messagingを使用するとき)
マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照して,メッセージを利用した非同期通信を実現するために固有な環境構築を実施してください。

(4) システムの日常運用/保守

システムの日常運用のうち,システムの起動や停止,および起動状態の確認といった,基本的な運用業務については,Smart Composer機能を使用して実施します。また,稼働情報・トレースファイルを使用したシステム監視などのシステムの日常的な運用業務,J2EEアプリケーションの入れ替えやトラブルシュートなどの保守的な業務は,Smart Composer機能以外の運用管理コマンドや,出力されたファイルなどを使用して実施します。

システムを日常運用または保守するときに参照するマニュアルを,次の表に示します。

表4-5 システムを日常運用または保守するときに参照するマニュアル

マニュアル目的分類
Cosminexus 簡易構築・運用ガイドSmart Composer機能によってシステムを起動および停止する手順について知りたい場合に参照してください。また,システム内のサービスユニットの稼働状態について確認する場合も,このマニュアルを参照してください。
Cosminexus システム運用ガイド稼働情報や性能解析トレースの調査方法,J2EEアプリケーションの保守的な運用方法などについて知りたい場合に参照してください。また,トラブルが発生した場合も,このマニュアルを参照して対処してください。
Hitachi Web Server次の場合に参照してください。
  • Hitachi Web Serverのコマンドを使用してWebサーバを運用する場合
  • Hitachi Web Serverのログの詳細を確認する場合
TPBroker ユーザーズガイドCosminexus TPBrokerが使用するログについて知りたい場合に参照してください。

(凡例)◎:必ず参照するマニュアル ○:必要に応じて参照するマニュアル


なお,これらのマニュアルの中でほかのマニュアルを参照している場合は,必要に応じて参照先のマニュアルも確認してください。

また,運用する実行環境に応じて,次のマニュアルも参照してください。

メッセージを利用した非同期通信アプリケーションの実行環境を運用する場合(Cosminexus Reliable Messagingを使用するとき)
マニュアル「Cosminexus Reliable Messaging」を参照して,メッセージを利用した非同期通信を実現するために固有な運用を実施してください。