Cosminexusのアプリケーション開発環境での,開発環境の準備とアプリケーション開発の流れについて説明します。次の図に,アプリケーションの開発の流れと,参照するマニュアルの対応を示します。
図6-3 アプリケーション開発の流れと参照マニュアルの対応
それぞれの作業の概要を説明します。なお,作成するアプリケーションによって固有の作業がある場合は,そのつど説明します。
開発環境に必要な製品(Developer Standard,Developer ProfessionalまたはService Architect)をインストールして,開発環境およびテスト用実行環境をセットアップします。開発環境およびテスト用実行環境のセットアップには,開発環境のインスタントセットアップ機能を使用できます。この機能によって,次の環境をセットアップできます。
ただし,開発環境のインスタントセットアップ機能で構築できる環境は,アプリケーションを開発・デバッグするために必要な最小限の環境です。WebサーバやCTMなど,開発環境のインスタントセットアップ機能の対象に含まれない機能を使用したテストを実行したい場合には,Smart Composer機能を使用してシステムを構築してください。
開発環境のインスタントセットアップ機能については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」を参照してください。Smart Composer機能については,マニュアル「Cosminexus 簡易構築・運用ガイド」を参照してください。
実現したい業務の内容に応じて適切なアプリケーションの形態を検討,設計します。また,フレームワークを使用する場合は,どのフレームワークを使用するかも検討します。Webアプリケーションを開発する場合は,画面のレイアウトや画面遷移についても設計しておきます。
なお,UMLを使用してアプリケーションを設計する場合は,MyEclipseの機能を利用することもできます。
設計した内容に応じて,サーブレット,JSP,Enterprise Beanなどで処理を実装して,コンパイルします。実装やコンパイルには,Eclipseなどを使用します。
また,アプリケーションの内容に応じたDDも定義します。コンパイルで問題が発生した場合はデバッグを実施します。
Cosminexusの実行環境で動作するアプリケーションのプログラミングで留意する点については,マニュアル「Cosminexus 機能解説」を参照してください。
また,アプリケーション開発で使用する機能やアプリケーションの種類に応じて,次のマニュアルも参照してください。
実装したサーブレット,JSP,Enterprise Beanを,WARまたはEJB-JARの形式にアーカイブします。さらに,WARおよびEJB-JARをEARの形式にアーカイブします。アーカイブを作成するには,EclipseなどのIDEや,jarコマンドを使用します。
一度,J2EEサーバにデプロイしたアプリケーションは,サーバ管理コマンドというCUIを使用すると,EAR形式でアーカイブして,J2EEサーバから取り出すことができます。Eclipseの操作方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」を参照してください。サーバ管理コマンドの操作方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。
また,Cosminexusでは,アーカイブファイルを作成しないで,ディレクトリに展開されたファイル群をアプリケーション(展開ディレクトリ形式のアプリケーション)としてJ2EEサーバにインポートすることもできます。この形式を利用する場合は,アーカイブファイルの作成は不要です。
アプリケーションのテストを実行するための環境を準備します。J2EEサーバなど,アプリケーションサーバで必要なプロセスを起動します。また,必要に応じて,データベースなど連携するシステムも起動します。
テスト用実行環境で必要なサーバプロセスの起動は,MyEclipseまたはServer Plug-inで実行できます。MyEclipseを使用したアプリケーション開発の延長でテストを実施する場合は,MyEclipseから起動すると便利です。ただし,MyEclipseから起動できるプロセスは,J2EEサーバだけとなります。Webサーバなどと一緒にJ2EEサーバを起動したい場合は,Server Plug-inを使用します。
アプリケーションのデプロイ,実行,テストは,MyEclipse,Server Plug-inまたはサーバ管理コマンドで実行できます。また,開発環境のインスタントセットアップ機能で構築したシステムの場合,テストに使用する組み込みデータベースの開始・停止などの操作は,スタートメニューから実行できます。それ以外の場合は,Developerで提供するコマンドを使用して,データベースを開始できます。
MyEclipseについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」を参照してください。Server Plug-inおよびサーバ管理コマンドの操作方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。
テスト用実行環境にアプリケーションをデプロイ,実行して,テストを実施します。テストで問題があった場合はデバッグを実施します。
テスト用実行環境でのアプリケーションの実行,テストについては,MyEclipse,Server Plug-inまたはサーバ管理コマンドで実行できます。MyEclipseでのアプリケーションの実行,テストについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーション開発ガイド」を参照してください。Server Plug-inおよびサーバ管理コマンドの実行方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。
開発したアプリケーションを実行環境のJ2EEサーバにインポートして,必要な実行時属性を設定します。また,アプリケーションで利用するリソースについても必要に応じてインポートして実行時属性を設定します。
アプリケーション/リソースの実行時属性の設定は,Eclipseに組み込んだServer Plug-inまたはサーバ管理コマンドで実行できます。Server Plug-inおよびサーバ管理コマンドの操作方法については,マニュアル「Cosminexus アプリケーション設定操作ガイド」を参照してください。