Webの標準技術を利用してネットワーク上でサービスを公開,実行できるアプリケーションのことを,SOAPアプリケーションといいます。
SOAPアプリケーションでは,クライアントとサーバ間のメッセージ交換用のプロトコルにSOAPを利用しています。クライアント側はサーバにメッセージを送信して,サーバ側で提供されるSOAPサービスを利用します。なお,SOAPアプリケーションのクライアントとサーバ間でやり取りするメッセージをSOAPメッセージといいます。
SOAPアプリケーションの実行環境は,SOAPサービスを呼び出すクライアントと,SOAPサービスを提供するサーバで構成されます。クライアントには,SOAPサービスを呼び出すためのSOAPクライアントライブラリが必要です。サーバには,クライアントとSOAPサービスの送受信の仲介をするエンジンである,SOAPエンジンが必要です。
SOAPアプリケーションの実行環境の例を次の図に示します。
図4-12 SOAPアプリケーションの実行環境の例
SOAPアプリケーションのサーバは,アプリケーションサーバとして構築します。クライアントは,アプリケーションサーバ,またはコマンドラインで動作するJavaアプリケーションの実行環境として構築します。
図4-12の場合は,クライアントをアプリケーションサーバとして構築しています。Webクライアントからのリクエストを受け付けたアプリケーションサーバがSOAPアプリケーションのクライアントになり,サーバに当たるアプリケーションサーバ上のSOAPサービスを呼び出します。SOAPアプリケーションのクライアントでは,SOAPクライアントライブラリを使用して,サーバにメッセージを送信します。メッセージを受け取ったサーバでは,SOAPエンジンを介してSOAPサービスを実行し,レスポンスをメッセージとしてクライアントに返します。
表4-1 SOAPアプリケーションのクライアントとサーバに使用できる製品(Webサービスセキュリティの技術を使用しない場合)
構築する実行環境 | 使用できる製品 |
---|---|
SOAPアプリケーションのクライアント | Application Server Standard Application Server Enterprise Service Platform Developer Professional※ Service Architect※ uCosminexus Client |
SOAPアプリケーションのサーバ | Application Server Standard Application Server Enterprise Service Platform Developer Professional※ Service Architect※ |
注※ 開発環境でのテスト用実行環境として使用できます。
SOAPアプリケーションで実現できることの詳細については,マニュアル「Cosminexus SOAPアプリケーション開発ガイド」を参照してください。