Cosminexus サービスプラットフォームは,開発環境,運用環境,実行環境という三つの環境で構成されています。
Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境または実行環境では,Developer Professionalの開発環境の機能,またはApplication Server Enterpriseの実行環境の機能に加えて,サービス統合を実現するための機能を使用できます。
Cosminexus サービスプラットフォームでは,アプリケーションサーバやほかのシステム上で動作するサービスを統合して利用するために,アダプタを使用します。アダプタは,Cosminexus サービスプラットフォームがサービスと接続するために必要なコンポーネントです。Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で定義できます。Cosminexus サービスプラットフォームの実行環境では,クライアントからのリクエストに対応したアダプタを使用してサービスに接続し,そのサービスを利用します。アダプタなど,実行環境でサービスに接続したりサービスを利用したりするために必要な定義類を,サービスコンポーネントといいます。
サービスコンポーネントは,運用環境の機能を使用して,実行環境上に配備します。実行環境では,HCSCサーバが動作します。HCSCサーバは,Cosminexusのサービス統合の基盤である,ESBとなるコンポーネントです。
また,サービスにリクエストを送信するアプリケーションで必要な情報は,Cosminexus サービスプラットフォームの開発環境で取得できます。これによって,クライアントアプリケーションの開発者は,実際のサービスがどのように実装されているかを意識しないでアプリケーションを開発できます。なお,Cosminexus サービスプラットフォームに対してリクエストを送信するアプリケーションを,サービスリクエスタといいます。
サービスを実行する流れと,サービスコンポーネント,HCSCサーバおよびサービスリクエスタの配置について,次の図に示します。
図7-4 サービスを実行する流れと,サービスリクエスタ,サービスコンポーネント,HCSCサーバ,およびサービスの配置
Cosminexus サービスプラットフォームを構成する三つの環境を,次の表に示します。
表7-1 Cosminexus サービスプラットフォームを構成する三つの環境
環境 | 概要 |
---|---|
開発環境 | サービス統合に必要な定義をするための環境です。サービスに接続するための情報や,ビジネスプロセスのロジックを,Eclipseのプラグインを使用して定義できます。また,定義した情報をEARの形式にしてリポジトリに登録できます。 |
運用環境 | 開発環境で作成したEARをリポジトリから読み込んで,実行環境に配備し,以降の運用操作を実行する環境です。また,実行環境から情報を収集して,サービスの稼働状態を確認できます。 |
実行環境 | クライアントからの要求に応じてサービスやビジネスプロセスを呼び出して,業務を実行する環境です。HCSCサーバが動作しています。 |
これらの環境は,同じマシンに配置したり,異なるマシンに配置したりできます。
Cosminexus サービスプラットフォームのそれぞれの環境の関係を次の図に示します。また,それぞれの環境間でのデータおよび制御の流れについても示します。
図7-5 Cosminexus サービスプラットフォームのそれぞれの環境の関係
Cosminexus サービスプラットフォームの環境の詳細については,マニュアル「Cosminexus サービスプラットフォーム 概説」を参照してください。