はじめに
JP1/ServerConductor/Deployment Manager (以下,DPM)をお買い求めいただき,まことにありがとうございます。DPMは以下の機能を提供し,サーバ等の導入・管理のコストや時間を削減することができます。また,これらの作業状況は,Webコンソールから簡単に確認することができます。
- ディスク複製によるOSのインストール
- OS(Windows,Linux)のクリア(新規)インストール
- System BIOSやファームウェア等の更新
- サービスパック,HotFix,Linuxパッチファイルの適用(シナリオ方式/自動更新方式※)
- ディスクイメージのバックアップ/リストア
- ※自動更新方式は,LinuxおよびIPF(Itanium Processor Family)版Windowsをサポートしておりません。
各オペレーティングシステムでサポートされる機能を以下の表に示します。
| Windows | Linux |
---|
IA32 | EM64T | IPF※1 | IA32 | EM64T | IPF※1 |
---|
ディスク複製インストール | ○ | ○ | ○※2 | ○ | ○※5 | ○ |
OSクリアインストール | ○※3 | × | × | ○※6 | × | × |
サービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○※5 | ○ |
バックアップ/リストア/ディスク構成チェック | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
BIOS/ファームウェアのアップデート | ○※6 | ○ | × | ○※6 | × | × |
自動更新でパッケージの適用 | ○ | ○ | × | × | × | × |
電源ON/シャットダウン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○※5 | ○ |
電源ON/OFFの状態確認 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
クライアントのOS/サービスパック/HotFix情報取得 | ○ | ○※4 | ○ | - | - | - |
クライアントのOS情報取得 | - | - | - | ○ | ○ | ○ |
※1 JP1/ServerConductor/Deployment Manager Enterprise Editionだけサポートします。
※2 Windows Server 2003 SP1適用時だけサポートします。
※3 Windows 2000,Windows Server 2008のクリアインストールは未サポートです。
※4 HotFix情報取得は未サポートです。
※5 次のOSだけサポートします。
- Red Hat Enterprise Linux 4(AMD64 & Intel EM64T)
- Red Hat Enterprise Linux 5(AMD/Intel 64)
※6 HVM上で稼動するLPARに対しては未サポートです。
マニュアルの構成
本書は,以下の内容で構成されており,本書を使うことによって,セットアップから各機能を使用するまでの流れがわかるようになっています。
- 第1章 導入
- DPMをインストールするまでの各種設定について
- 第2章 基本操作
- DPMの基本的な使用方法について
- 第3章 応用
- DPMの各種機能の応用操作方法について
- 第4章 トラブルシューティング
- DPMの問題発生時の解決方法について
- 第5章 エラー情報
- DPMのエラー情報に対する原因と対処方法について
- 第6章 資料の採取方法
- 運用中に発生したトラブルの要因を調べるための資料の採取方法について
注意
本書では,特に断りがない場合,以下の意味で記載しています。
- 「管理サーバ for DPM」をインストールしたコンピュータを「管理サーバ」と呼びます。
- 「Webサーバ for DPM」をインストールしたコンピュータを「Webサーバ」と呼びます。
- 「データベース」をインストールしたコンピュータを「データベースサーバ」と呼びます。
- 「管理サーバ」から遠隔操作を行われるコンピュータを「コンピュータ」,「クライアント」または,「クライアントコンピュータ」,「管理対象コンピュータ」と呼びます。
- 指定したタイミングで管理対象コンピュータに適用必要なパッケージを自動的に選別し,適用を行う機能を「自動更新」と呼びます。パッケージの基本情報(パッチの概要,ID番号など),実行情報,適用OS情報と識別情報などの保存に用いられるファイルを「パッケージ情報ファイル」と呼びます。
- 管理サーバに緊急度=最高のパッケージが登録された時にリアルタイムに自動更新を行うために管理サーバが管理対象コンピュータへ発行する通知を「自動更新通知」と呼びます。
- 「コンピュータ」,「クライアント」,「クライアントコンピュータ」,「管理対象コンピュータ」のうち,BladeSymphonyなどのサーバモジュールを「CPUブレード」と呼びます。
- HA8000/110シリーズ,HA8000/70シリーズなどのコンピュータを「一般コンピュータ」と呼びます。
- ブラウザで表示するDPMのコンソールを「Webコンソール」と呼びます。
- BIOS/ファームウェアのアップデート,OSクリアインストール,サービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用,バックアップ/リストア等の実行に使用する設定ファイルを「シナリオ」と呼びます。
- シナリオの設定で以下の条件を満たす場合のサービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用を「リモートアップデート」と呼びます。
- 「オペレーティングシステム」タブの設定を行わない。
- 「アップデート」タブの設定を行う。
- アプリケーションのインストール,アンインストールの説明では,「スタート」メニュー(または「スタート」メニュー→「設定」)→「コントロールパネル」→「プログラムの追加と削除」と記載していますが,OSによっては「アプリケーションの追加と削除」になります。適宜読み替えてください。
- Windows Server 2003 R2については,明記していない限りWindows Server 2003の説明を適宜読み替えてください。
- 本書中の説明の「DPMに関する処理を終了してください。」とは,以下のすべてに該当することを表します。
- シナリオを実行中,または自動更新中ではないこと
(シナリオを実行中の場合は,シナリオが完了するまで待ってください。
また,自動更新中の場合は,自動更新が完了するまで待ってください。)
- Webコンソール等(DPMの各種ツール類)を起動していないこと
常用漢字以外の漢字の使用について
本書では,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。
宛て(あて) 桁(けた) 進捗(しんちょく) 揃う(そろう) 貼付(てんぷ) 必須(ひっす) 雛形(ひながた)
KB(キロバイト)などの単位表記について
1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。