1.2.3 管理サーバ for DPMのインストール

管理サーバ for DPMとは,コンピュータの管理を行うものです。Webコンソールからの操作で動作します。

管理サーバ for DPMをインストールする際には,以下の点にご注意ください。

  1. 「管理サーバ for DPM」をインストールするシステムに,管理者権限のあるユーザでログオンし,インストールを行うために必要なディスク容量があることを確認してください。
    【重要!】
    ネットワークに接続している他のコンピュータの共有フォルダにバックアップファイルの保存を行いたい場合には,管理者権限の他にネットワーク先の共有フォルダにアクセス権を持たせてください。ネットワークに接続している他のコンピュータの共有フォルダにバックアップファイルの保存を行いたい場合には,管理者(Administrator)以外に管理者権限を持つユーザを作成することをお薦めします。
    【ヒント】
    以下がインストールされていることを確認してください。
    • Windows Installer 3.0以上がインストールされていること
      本製品には,Windows Installer 3.1が格納されています。
      <DPMのプログラムのCD-ROM(1/2)>:
       ¥dotNet Framework30¥WindowsInstaller-KB893803-v2-x86.exe
    • Windows 2000 Server/Advanced Serverに管理サーバ for DPMをインストールする場合は,MDAC 2.8 SP1がインストールされていること
    • 管理サーバ for DPMのインストールを行うとSQL Native Clientがインストールされます(既にSQL Native Clientがインストールされている場合は,SQL Native Clientの上書きインストールは行いません)。
  2. 管理サーバ for DPMをインストールする前に必ずデータベースをインストールしてください。
  3. DPMで管理する予定のネットワーク内に,管理サーバ for DPMがインストールされているコンピュータが存在しないことを確認してください。また,ルータを越えたネットワークにある管理サーバ for DPMから管理されていないことも確認してください。
    【重要!】
    • 管理サーバ for DPMのインストール前に,あらかじめDHCPサーバの設定を行うことを推奨します。
    • 同一ネットワーク上の複数のコンピュータに管理サーバ for DPMをインストールしないでください。バージョンが異なるものであっても同一ネットワーク内に存在していると誤動作の原因となります。
  4. 「管理サーバ for DPM」をインストールする前に,JRE(TM)をインストールしてください。JRE(TM)はSun社のWebサイト等から事前に入手してください。
  5. 管理サーバ for DPMをインストールするシステムには,「DPM」という名前のデータソースが追加されます。DPM以外のアプリケーションにより,すでに「DPM」という名前のデータソースが作成されているシステムには,管理サーバ for DPMをインストールしないでください。
<この項の構成>
(1) 管理サーバ for DPMの標準インストール

(1) 管理サーバ for DPMの標準インストール

管理サーバ for DPMの標準インストールについて説明します。

  1. DPMのプログラムのCD-ROM(1/2)をCD-ROMドライブにセットします。「JP1/ServerConductor/Deployment Manager Setup」画面から「管理サーバ for DPM」を選択します。

    [図データ]

  2. 「インストール方法の選択」画面が表示されます。「OK」ボタンをクリックしてください。「キャンセル」ボタンをクリックすると「JP1/ServerConductor/Deployment Manager Setup」画面に戻ります。

    [図データ]

    【注意!】
    「このコンピュータにはJREがインストールされていません。JREのインストールを行ってから再度実行してください」と表示される場合は,JRE(TM)のインストールがされていません。JRE(TM)をインストール後再度実行してください。
  3. 「DeploymentManagerセットアップへようこそ」ウィザードが開始されるので,「次へ」ボタンをクリックします。

    [図データ]

  4. 「インストール先の選択」画面が表示されるので,インストール先のフォルダを指定して「次へ」ボタンをクリックします。

    [図データ]

  5. 「セットアップタイプ」画面が表示されます。お使いの環境に合わせチェック対象を変更し,「次へ」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    • 「JP1/ServerConductor/Deployment Managerでパスを制御する」
      管理対象コンピュータに日立ディスクアレイサブシステムを接続しており,バックアップ/リストア/ディスク複製OSインストール時のパス制御をDPMで実施する場合は,こちらをチェックします。
      DPMでパス制御を実施する場合は,ファイバチャネルボードBIOSの設定が必要です。設定方法については,取扱説明書を参照してください。
    • 「JP1/ServerConductor/Control Managerでパスを制御する」
      上記に該当しない場合,例えばDPM以外のソフトでパスを制御する場合や,日立ディスクアレイサブシステムを使用していないためパスを制御する必要がない場合は,こちらをチェックします。
  6. 「セットアップステータス」画面が表示されインストールが開始されます。

    [図データ]

  7. インストールの途中で「管理者パスワード設定」画面が表示されるので,「パスワード入力」と「確認パスワード入力」に同じ管理者パスワードを入力し,「OK」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    【重要!】
    • 管理者パスワードとは「ガードパラメータ」の設定変更時や,「ガードパラメータ」で設定された処理実行時に入力するパスワードのことです。
    • 管理者パスワードは絶対に忘れないようにしてください。
    • 管理者パスワードを忘れた場合,管理サーバ for DPMの再インストールが必要になります。
    【ヒント】
    • パスワードは半角英数記号1文字から15文字まで入力できます。またパスワードにダブルクォーテーションは使用できません。
    • 管理者パスワードは,Webコンソールの「設定」メニュー→「管理者パスワードの設定」から変更できます。
  8. 「詳細設定」画面の「全般」タブが表示されるので設定を行います。

    [図データ]

    • 「サーバ情報」ボックスの「IPアドレス」は,以下のどちらかを選択してください。
      管理サーバに搭載のすべてのLANボードを管理サーバfor DPMで使用できるようにする場合
        :ANY
      管理サーバに搭載の特定のLANボードを管理サーバfor DPMで使用できるようにする場合
        :使用するLANボードに設定しているIPアドレス
    • 共有フォルダを変更したい場合は,「サーバ情報」ボックスの「共有フォルダ」横の「参照」ボタンをクリックして,変更したいフォルダを選択してください。
    • 「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」では,シナリオの終了判定の方法を選択します。シナリオ終了をリアルタイムに監視する場合は,チェックを入れてください。
      チェックした場合は,シナリオの完了時にクライアントサービス for DPMと管理サーバ for DPMが通信できたことをもってシナリオ完了となります。
      チェックしない場合は,シナリオ実行の最後のPXEブートをもってシナリオ完了となります(リモートアップデートで再起動を指定していない場合は適用が完了した時点でシナリオが完了となります)。
    【注意!】
    • 「IPアドレス」にANYを選択する場合は,以下に注意してください。
      マルチキャストでシナリオ(リストア,リモートアップデート)の配信を行う場合は,ANYを選択しないでください。シナリオ配信が正常に行われない場合があります。
      ネットワーク情報の変更(IPアドレスの変更や増減等)を行った場合は,以下のサービスを再起動してください。
        DeploymentManager client start
        DeploymentManager PXE Management
        DeploymentManager PXE Mtftp
    • 「IPアドレス」でANY以外を選択する場合は,以下に注意してください。
      1つのLANボードに複数IPアドレスが割り当てられている場合,OS上で先頭に見えるIPアドレスを設定してください。それ以外のIPアドレスを設定した場合,DPMが正常に動作しない場合があります。
    • 共有フォルダにはWindowsのシステムフォルダや他のアプリケーションで使用しているフォルダは指定しないでください。また,ネットワークドライブの指定もできません。
    • 共有フォルダには,DPMの操作を行うユーザ,ならびに管理サーバ上の“DeploymentManager”で始まる各種サービスが使用するアカウント(既定値ではローカルシステムアカウント(SYSTEM))がフルコントロールでアクセスできるようにアクセス許可を与えてください。
    • 「サーバ設定」ボックスの「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」のチェックボックスにチェックを入れた場合,次の点を確認してください。これらが満たされない場合はシナリオが完了しません。
      ・管理対象コンピュータにクライアントサービス for DPMがインストールされている
      ・シナリオ完了時にコンピュータと管理サーバが通信できるネットワーク設定である
      また,クライアントコンピュータが「1.1.5 DPMで管理対象となるコンピュータの設定について」に記載されているハードウェア/ソフトウェア環境を満たしているか,再度確認してください。
    • 「サーバ設定」ボックスの「クライアントサービス for DPMを用いた運用を行う」のチェックボックスは,JP1/ServerConductor/Control Managerと連携を行う場合,必ずチェックを入れてください。
    【ヒント】
    • 「サーバ情報」ボックスの「共有フォルダ」は,DPMでリモートインストールを行うOS,サービスパック等を格納するフォルダ名を指定します。十分な空き容量を確保してください。初期値は「<管理サーバインストールドライブ>:¥Deploy」です。
    • 管理サーバ for DPMのインストール後でも設定を変更することができます。
  9. 「シナリオ」タブをクリックすると「シナリオ」タブが表示されるので設定を行います。

    [図データ]

    • シナリオのタイムアウト時間の設定を行います。必要に応じて時間を変更してください。通常は変更する必要はありません。
    【ヒント】
    • シナリオタイムアウト時間とは,シナリオ実行時のタイムアウトの時間のことです。各項目で設定した時間を過ぎてもシナリオが終了しない場合は,シナリオ実行エラーとなります。
    • 管理サーバ for DPMのインストール後でも設定を変更することができます。
  10. 「ネットワーク」タブを選択すると「ネットワーク」タブが表示されるので設定を行います。

    [図データ]

    • リモート電源ONとシナリオの実行の設定ができます。必要に応じて変更してください。
    【注意!】
    • リモートアップデートのシナリオでマルチキャストによる配信を指定した場合,同時実行可能台数以上を同時にシナリオ実行すると,同時実行可能台数までシナリオ実行され,それ以上のコンピュータはシナリオ実行エラーとなります。いったん,Webコンソール上のコンピュータを右クリックして「シナリオ実行エラー解除」を選択し,シナリオ実行エラーを解除してください。その後,同時実行可能台数を適切な値に調整して,シナリオ実行エラーとなったコンピュータに再度シナリオ実行を行ってください。
      リモートアップデート以外のシナリオは同時実行台数より多くの台数を同時に実行すると,まず実行台数分が実行され,それ以外は待機状態になります。その後,実行中のものが完了すると待機状態のコンピュータが順次シナリオ実行状態になります。
    • 以下の場合は同時実行可能台数を超えてシナリオが実行されます。
      ・管理対象コンピュータからのシナリオ実行を行った場合
      ・シナリオ実行待ちとなっている管理対象コンピュータの電源を手動で投入した場合
    【ヒント】
    • リモート電源ON実行間隔とは,電源投入が一括で実行される場合の各コンピュータに対するリモート電源ONの実行間隔です。
    • リモート電源ONタイムアウトとは電源ONまたはシナリオ実行時にコンピュータからの反応を待つ時間のことです。時間内に反応がない場合はリモート電源ONエラーになります。デフォルトの設定は10分に設定されています。電源ONはするがリモート電源ONエラーが発生するという場合は,この数値を大きくしてください。また,0を指定するとコンピュータからの反応を待ち続けます(リモート電源ONタイムアウトしなくなります)。
    • 同時実行可能台数とはシナリオを同時に実行できる台数です。同時実行台数の最大値は1000台となっておりますが,同時実行するシナリオ数が増えるとネットワークの負荷が高くなります。デフォルトは5台に設定されています。5台を超えた台数を同時に実行する場合は設定を変更してください。また,操作を行っていると1000台を超えて設定できてしまうことがありますが,その場合は1000台に設定しなおしてください。
    • 管理サーバ for DPMのインストール後でも設定を変更することができます。
  11. 「DHCPサーバ」タブをクリックすると「DHCPサーバ」タブが表示されるので設定を行います。

    [図データ]

    • DHCPサーバの設置場所を確認してください。管理サーバ上にインストールされたDHCPサービスを使用する場合には,特に変更することはありません。別のコンピュータ上のDHCPサービスを使用する場合は,「DHCPサーバが別のコンピュータ上で動作している」を選択してください。
      また,「DHCPサーバを使用しない」を選択しないでください。DHCPサーバを設置した上で,「DHCPサーバを使用する」を選択してください。
    【重要!】
    管理サーバ上に構築したDHCPサービスを使用する場合は,同一ネットワークに他のDHCPサーバを設置しないでください。別のコンピュータ上に構築したDHCPサーバを使用する場合は,同一ネットワーク内にDHCPサーバが何台存在していても結構です。
    【ヒント】
    • 管理サーバ for DPMのインストール後でも設定を変更することができます。
  12. 以下画面が表示されますので,データベースサーバのIPアドレスを入力して,「次へ」ボタンをクリックしてください。

    [図データ]

    【重要!】
    管理サーバ for DPMのインストールが完了しているため,「戻る」ボタンは,無効となっています。データベースサーバをインストールしていない場合は,一時的なIPアドレスを入力して「次へ」ボタンをクリックしてください。一時的なIPアドレスを入力した場合は,12.の「次へ」ボタンをクリック後にデータベースサーバへのアクセスを試みるため,お使いの環境によっては5~10分程度応答にかかる場合があります。しばらくお待ちください。
    管理サーバ for DPMをインストール後にデータベースサーバのIPアドレスを変更する場合は,「2.18 データベースサーバのIPアドレス変更」を参照してください。
  13. 以下画面が表示されますので,管理サーバIDを入力し,「次へ」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    【注意!】
    • 既に管理サーバIDが登録されているデータベースのIPアドレスを指定したにもかかわらず,コンボボックス内に管理サーバIDが表示されていない場合は,データベースへの接続に失敗した可能性があります。画面の指示に従い,再度データベースサーバのIPアドレスを入力してください。
    • 管理サーバIDは,半角英数字と記号で,63バイト以内で入力できます。ただし以下の半角文字は入力できません。
      「`」,「~」,「!」,「@」,「#」,「$」,「^」,「&」,「*」,「(」,「)」,「+」,「[」,「[」,「{」,「}」,「¥」,「|」,「:」,「;」,「'」,「"」,「<」,「>」,「/」,「?」
  14. 「InstallShield Wizardの完了」画面が表示されますので「完了」ボタンをクリックします。

    [図データ]

    【ヒント】
    • インストール完了後,「スタート」メニューに「ServerConductor」→「DeploymentManager」が登録されます。
    • Windows Firewall/Internet Connection Sharing(ICS)サービスが起動している場合,管理サーバ for DPMに必要なポートが自動的に開放されます。開放されるポートについては,「1.1.8 ネットワーク環境の設定について」を参照してください。
  15. 「DeploymentManager CD(2/2)を挿入してください」のメッセージが表示されたら,CD-ROMドライブの媒体をDPMのプログラムのCD-ROM(2/2)に入れ替え,「OK」ボタンをクリックします。

    [図データ]

  16. 「DeploymentManager CD(1/2)を挿入してください」のメッセージが表示されたら,「OK」ボタンをクリックした後,CD-ROMドライブの媒体をDPMのプログラムのCD-ROM(1/2)に入れ替えます。入れ替え後インストーラが自動起動しない場合は,エクスプローラを使用してCD-ROM内の直下にある「Launch.exe」を起動してください。

    [図データ]

以上で「管理サーバ for DPM」の標準インストールは完了です。