2.2.2 OSクリアインストール(Linux)

DPMを使用することで,Linux をネットワーク経由で自動インストールすることができます。

【重要!】
OSクリアインストールがサポートするLinux OSは以下のとおりです。
  • (IA32)Red Hat Enterprise Linux AS3,ES3,AS4,ES4
  • (EM64T)Red Hat Enterprise Linux AS4,ES4 (AMD64 & Intel EM64T)
     
上記以外のOSはDPMからOSクリアインストールすることはできません。ご注意ください

ここでは,コンピュータに対してRed Hat Enterprise Linux ES3をインストールするためのDPMの設定,および操作手順を説明します。

Red Hat Enterprise Linux ES3以外の対応バージョンについても基本操作は同じです。ES3との相違点については,次の「各バージョンの設定方法」をご覧ください。

各バージョンの設定方法
ES3以外の各バージョンをインストールする場合は以下の説明からES3の記述部分を各バージョンに置き換えて操作します。
【ヒント】
インストールに必要なファイルは以下になります。
  • Red Hat Enterprise LinuxのインストールCDの内容
  • initrd.img,vmlinuzファイル(ネットワークインストール用)
  • セットアップパラメータファイル(キックスタートファイル)
  • ブートパラメータファイル(パラメータファイル)

以降の章で説明するインストール手順では,以下のCD-ROMディスクが必要になります。

NFSサービスをWindows上に構築する場合は,以下のソフトウェアも必要になります。

NFSサービスのインストール手順については,製品に添付の説明書等を参照してください。

Windows Server 2003 R2では,Windowsコンポーネントの追加により,NFSサービスをインストールできるため,Microsoft(R) Windows(R) Services for UNIXは不要です。

Windows Server 2008では,役割の追加により,NFSサービスをインストールできるため,Microsoft(R) Windows(R) Services for UNIXは不要です。

【重要!】
DPMを使用したRed Hat Enterprise Linux ES3のネットワークインストールを行うには,DPM以外に,DHCPサービス,NFSサービスが必要になります。DHCPサービス,NFSサービスは,Windows上以外に構築したものでもかまいません(例えば,Linux上に構築したものを使用することもできます)。
【注意!】
Microsoft(R) Windows(R) Services for UNIXのインストールに関しては各製品のインストール条件を満たすようにしてください。
<この項の構成>
(1) NFSサービスのセットアップ
(2) Red Hat Enterprise Linuxインストールカーネルの準備
(3) Red Hat Enterprise LinuxインストールCDのコピー
(4) Linuxインストールパラメータファイルの作成
(5) シナリオファイルの作成
(6) シナリオ実行
(7) 注意事項,その他

(1) NFSサービスのセットアップ

最初に,NFSサービスをセットアップします。NFSサーバを構築してください。

Windows 上に構築する場合は,Services for UNIXをインストールします。インストールについては製品添付の説明書等をご覧ください。インストール後に再起動が必要になります。

Windows Server 2003 R2では,Windowsコンポーネントの追加により,NFSサービスをインストールできるため,Microsoft(R) Windows(R) Services for UNIXは不要です。

Windows Server 2008では,役割の追加により,NFSサービスをインストールできるため,Microsoft(R) Windows(R) Services for UNIXは不要です。

  1. 管理サーバに「Services for UNIX」または「NFSサービス」をインストールします。
  2. 共有フォルダの下の“exports”フォルダをNFS共有フォルダに設定します。(共有名:exports)
    【注意!】
    Services for UNIX 2.0は,Windows XPおよびWindows Server 2003にはインストールできません。Services for UNIX 2.0を使用してNFSサーバを構築する場合は,Windows 2000上に構築してください。
    Service for UNIX 3.0,3.5をWindows XPにインストールするときは「標準インストール」ではNFSサーバがインストールされません。「インストールオプション」で「カスタムインストール」にチェックをいれ以降の画面で下記の設定を行ってください。
    ・「コンポーネントを選択」で下記の2つのコンポーネントを追加してください。
    Windows Services For UNIX - NFS      - NFSサーバー
                    - NFS認証ツール - NFS認証サーバー
    ・「セキュリティの設定」で「既定の動作を大文字と小文字を区別する設定に変更します」にチェックをいれてください。
    なお上記の設定を行った場合,「Service for NFS」のスタートアップの設定を変更する必要はありません。
    NFS共有フォルダ(exports)をWindows XP,Windows Server 2003,およびWindows Server 2008上で設定するには下記の設定が必要となります。
    • Windows Server 2008およびWindows Server 2003(R2含む)の場合
      (1)「スタート」メニュー(または「スタート」メニュー→「設定」)→「コントロールパネル」→「管理ツール」→「ローカルセキュリティポリシー」を選択し,「ローカルポリシー」→「セキュリティオプション」の「ネットワークアクセス:Everyoneのアクセス許可を匿名ユーザーに適用する」を「有効」にし,管理サーバを再起動してください。
      (ドメインに参加している場合は,ローカルセキュリティポリシーを有効に設定してもドメインセキュリティポリシーが無効に設定されている場合,無効になりますので注意してください。また,ドメインコントローラの場合は,ローカルセキュリティポリシーではなくドメインコントローラセキュリティポリシーを変更してください。)
      (2)exportsフォルダのプロパティの「セキュリティ」タブに“everyone”を追加してアクセス許可の“読み取りと実行”にチェックを入れてください。ただしexportsフォルダ配下のksフォルダだけアクセス許可は“読み取り”で問題ありません。
       
    • Windows XPの場合
      (1)「スタート」→「マイ コンピュータ」を選択し,「ツール」メニューの「フォルダオプション」をクリックします。「表示」タブの「詳細設定」にある「簡易ファイルの共有を使用する(推奨)」をオフにします。
      (2)Windows Server 2003の場合の(1)と同じく「ネットワークアクセス:Everyoneのアクセス許可を匿名ユーザーに適用する」を「有効」にし管理サーバを再起動してください。
      (ドメインに参加している場合は,ローカルセキュリティポリシーを有効に設定してもドメインセキュリティポリシーが無効に設定されている場合,無効になりますので注意してください。)
      (3)Windows Server 2003の場合の(2)と同じく“everyone”の追加とアクセス許可を設定してください。
【ヒント】
  • Services for UNIX2.0はインストールするだけでNFSサーバとして使用することができます。設定は特に必要ありません。Services for UNIX2.0をインストールすると,フォルダのプロパティに「NFS共有」のタブが追加されます。
  • Services for UNIX3.0,3.5に関しては,インストール完了後,「スタート」メニュー(または「スタート」メニュー→「設定」)→「コントロールパネル」→「管理ツール」→「サービス」を選択し,「Services for NFS」の「プロパティ」を開きスタートアップの種類を無効から手動もしくは自動に変更して適用後,サービスを開始させます。その後,フォルダのプロパティに「NFS共有」のタブが追加されます。
  • Services for UNIX3.0,3.5,またはWindows Server 2003 R2に付属のNFSサービスを使用してNFS共有フォルダを設定する場合は,“exports”フォルダのプロパティ画面を開き「NFS共有」タブで「このフォルダを共有する」を選択し,次に「匿名のアクセスを許可する」のチェックボックスにチェックを入れ,「アクセス権」ボタンをクリックし「ルートのアクセスを許可する」のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックして画面を終了してください。
  • Windows Server 2008に付属のNFSサービスを使用してNFS共有フォルダを設定する場合は,“exports”フォルダのプロパティ画面を開き「NFS共有」タブで「NFS共有の管理」をクリックしてください。
    次に「このフォルダを共有する」と「匿名アクセスを許可する」のチェックボックスにチェックを入れ,「アクセス権」ボタンをクリックしてください。
    さらに「ルートアクセスを許可する」のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックし画面を終了してください。

WindowsのNFSサービスを使用してRed Hat Enterprise Linuxのインストールのシナリオを同時に多数のコンピュータに実行する場合,管理サーバ側のOSのクライアントアクセスライセンス(CAL)数を確認してください。Windows 2000 Server,Windows Server 2003の場合,デフォルトではCAL数は“5”となっています。Windows 2000 Advanced ServerではデフォルトでCAL数は“25”です。このとき,シナリオ同時実行台数がCAL数を越えるとシナリオが正しく動作しない場合があります。正常にシナリオを進めるために以下の手順を行うか,実行する台数を減らしてください。

ライセンス数の確認
  1. 管理サーバで「スタート」メニュー(または「スタート」メニュー→「設定」)→「コントロールパネル」→「管理ツール」を選択し,管理ツールを起動します。
  2. 「ライセンス発行」を選択します。「エンタープライズ-ライセンス」の画面が表示されます。
  3. 「製品の表示」タブをクリックし,表示された画面で「購入した同時使用ユーザ数」を参照することで,現在接続できる最大のターゲット数が分かります。

現在のライセンス数を確認し,必要な数に満たない場合は,実行するコンピュータの台数を減らしてください。実行する台数を減らしたくないときはライセンスを購入し,以下の設定を行います。

ライセンス数の追加
  1. 「サーバ参照」タブをクリックします。表示された画面で「エンタープライズ」→「WORKGROUP」→「SERVER」→「Windows Server」(Windows 2000 ServerでWORKGROUPに属しているとき)を選択し,ダブルクリックします。「ライセンスモードの選択」画面が表示されます。
  2. 「ライセンスモードの選択」画面で「ライセンスの追加」ボタンをクリックします。「新しいクライアントアクセスライセンス」画面が表示されます。
  3. 「新しいクライアントアクセスライセンス」画面の「数量」で必要な台数を入力し「OK」ボタンをクリックします。次に表示された画面で「同意します」のチェックボックスにチェックを入れて「OK」ボタンをクリックします。
  4. 「ライセンスモードの選択」画面に戻り,同時使用ユーザ数が設定どおり増えていることを確認します。これで,設定が完了です。画面を終了してください。
Linux上でNFSサーバの起動を行うには以下のコマンドを実行してください。

# /etc/rc.d/init.d/portmap restart
# /etc/rc.d/init.d/nfs stop &> /dev/null
# /etc/rc.d/init.d/nfs start

起動時にNFSのサービスを有効化するために以下のコマンドを実行してください。

# /sbin/chkconfig --level 345 portmap on
# /sbin/chkconfig --level 345 nfs on

(2) Red Hat Enterprise Linuxインストールカーネルの準備

Red Hat Enterprise Linuxインストールカーネルの準備について説明します。

ネットワークブート時,最初にロードされるネットワークインストール用のミニカーネル(ファイル名vmlinuzおよびinitrd.img)を用意します。ミニカーネルの格納場所は,対応ハードウェア/ディストリビューションによって以下のような場所にあります。

管理サーバもしくはリモートイメージビルダーをインストールしたコンピュータに適当なフォルダを作成し,上記説明にてCD-ROMから取り出したミニカーネルを,そこにコピーしてください(フロッピーディスクを作成した場合はそのディスクをコンピュータに挿入したまま「(3) Red Hat Enterprise LinuxインストールCDのコピー」に進んでください)。

(3) Red Hat Enterprise LinuxインストールCDのコピー

Red Hat Enterprise LinuxインストールCDのコピーについて説明します。

【重要!】
NFS公開フォルダを<共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥exports以外に作成する場合は以下のツールを使用せず,手作業による登録が必要になります。詳しくは,「(7) 注意事項,その他」を参照してください。
  1. 「イメージビルダー」画面の「オペレーティングシステムの登録」をクリックする。「オペレーティングシステムの登録」画面が表示されます。

    [図データ]

  2. 下記の項目を設定します。
    オペレーティングシステム名126バイト(半角126文字,全角63文字)以内で入力できます。ただし,「¥」,「;」,「"」は使用できません。また,「Linux」,「ks」,「daemon」,「pxelinux.~」という名前は予約されています。登録できません。
    指定した名前が既にWindowsOSとして登録されている場合も(上書き)登録できません。
    Linuxの場合は英数字と「.」,「_」,「-」,「(」,「)」以外は使用できません。
    オペレーティングシステム種別▼ボタンをクリックし,リストから選択。Linuxの場合“Red Hat Linux”を選択。
    Initrd.img / vmlinuzのフォルダinitrd.img,vmlinuzが格納されている箇所を指定。
    この項目は,Linuxのインストール時だけ有効です。
    CD-ROMのソースフォルダOSが格納されているフォルダを指定。
    「参照」ボタンをクリックして指定できます。
    インストールするOSがLinuxの場合は,「CD-ROMのドライブ名:」を指定してください。
    【ヒント】
    Linuxのイメージファイル作成では,指定されたCD-ROMのソースフォルダ以下をすべてイメージファイルとしてコピーします。Red HatではCD-ROMが複数枚に分かれているので1枚目のコピー終了後に次のCD-ROMコピーを促すメッセージが表示されます。順番にCD-ROMを入れ替え,コピーを継続してください。このとき上書き確認のメッセージダイアログが表示されますが「上書き」,または「すべて上書き」を選択して続行してください。
  3. 「OK」ボタンをクリックするとコピーが開始されます。コピーの順序はvmlinuz/initrd.imgファイルをコピーしてからCD-ROMのコピーに進みます。

    [図データ]

  4. CD-ROMのコピーが完了すると「Red Hat CDイメージコピー」画面が表示されます。Red HatのインストールCDは複数枚あります。登録するインストールCDがまだある場合は,CD-ROMを入れ替えて「次へ」ボタンをクリックしてください。

    [図データ]

  5. 途中,上書き確認が表示される場合がありますが「すべて上書き」を選択してください。

    [図データ]

    [図データ]

  6. すべてのCD-ROMのコピーが完了したら「Red Hat CDイメージコピー」画面にて「完了」ボタンをクリックしてください。

(4) Linuxインストールパラメータファイルの作成

パラメータファイルとは,Linuxインストールのセットアップ時に必要な各項目をあらかじめファイルとして保存しておくことで,OSの無人インストールを可能にするものです。ここでは,そのインストールパラメータファイルの作成方法について説明します。

【重要!】
Linuxをインストールする際は,必ず設定してください。
【ヒント】
  • 大量にセットアップパラメータファイルを作成する場合は,「3.3.1(2) パラメータファイルの作成(Linux)」を参照してください。
  • 作業モードおよび作業ディレクトリは,適時切り替え変更できます。
  • Linuxインストールパラメータ設定ツールの各種ボタンでのキーボード操作は,「Enter」,または「Space」キーだけ有効です。
【注意!】
Linuxインストールパラメータ設定ツールには,作業モードとして,オンラインモードオフラインモードがあります。
  • オンラインモード:通常使用するモードです。
  • オフラインモード:NFS共有フォルダ(exports)を<共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥exports以外の場所に設定する場合に使用するモードです。
ここでは通常使用するオンラインモードを中心に説明します。
<オンラインモードの場合>
ネットワークを通して,管理サーバ上の共有フォルダ配下で,Linuxインストールパラメータファイルを作成,管理します。
【注意!】
Linuxインストールパラメータファイルは2つのファイルで構成,管理されています。
  • Linuxブートパラメータファイル(拡張子無し)
     例:localhost
  • Linuxセットアップパラメータファイル(拡張子「.cfg」)
     例:localhost.cfg
rootのパスワードはdeploymgr固定で出力されます。
[図データ]
<オフラインモードの場合>
Linuxインストールパラメータ設定ツールを起動したコンピュータ上で,任意の作業ディレクトリ配下で,Linuxインストールパラメータファイルを作成,管理します。
[図データ]
現在設定されているディスクドライブ情報の設定
インストール時の新規ディスクパーティション情報の設定
インストール作業の中で必要なLinuxディスクパーティション情報を設定します。
ディスクパーティションを追加する場合は,「追加」をクリックし,「パーティション情報設定」画面を表示し,設定します。
【重要!】
インストールするLinuxターゲットマシンのアーキテクチャがIPFの場合は,最初のパーティションには以下を作成する必要があります。
  • マウントポイント:/boot/efi
  • ファイルシステム:vfat(マウントポイントに/boot/efiを選択すると自動で設定されます)

    [図データ]

    [図データ]

【重要!】
DPMを使用してLinuxのインストールを行う場合,以下の設定を行ってください。設定しない場合はDPMからのリモートアップデートおよび,リモートシャットダウンを行うことができません。
■Red Hat Enterprise Linux ES3/AS3 update2 以前
「デフォルトのファイアウォールレベル設定」を「低」に設定してください。
インストール後にファイアウォールの設定を行う場合は,以下のポートを開けてください。
   56000:tcp,56010:tcp,56001:udp
■Red Hat Enterprise Linux ES3/AS3 update3 以降
「デフォルトのファイアウォールレベル設定」が「高」もしくは「中」レベルの場合,「ファイアウォールのルールをカスタマイズします」を選択して,「他のポート」に以下の記述を追加してください。
   56000:tcp,56010:tcp,56001:udp
[エラー]
各情報パネルで,入力した情報に不具合,またはエラーがある場合は,各情報パネルの最下段に,赤字でエラーメッセージが表示されます。
[図データ]
【注意!】
本バージョンでサポートしていないLinux OSのインストールパラメータファイルを選択した場合,上記エラーが表示される場合があります。
  1. 現在の作業ディレクトリ配下に存在するLinuxセットアップパラメータファイルの一覧リストが表示されます。

    [図データ]

  2. 対象のLinuxセットアップパラメータファイルをダブルクリックするか,Linuxセットアップパラメータファイルを選択し,「開く」ボタンをクリックすると以下のように表示されます。

    [図データ]

[エラー]
Linuxインストールパラメータファイルの読み込み時に,何等かのエラーがある場合は,次のメッセージが表示されます。Linuxセットアップパラメータファイル,およびLinuxブートパラメータファイルの内容を確認してください。
 
【注意!】
本バージョンでサポートしていないLinux OSのインストールパラメータファイルを選択した場合,上記エラーが表示される場合があります。
【重要!】
Linuxインストールパラメータ設定ツールではrootのパスワードを“deploymgr”に設定しています。パスワードを変更する場合は以下の方法で行ってください。
  1. パスワードを暗号化しない場合:
    下記に格納されているパラメータファイル(cfgファイル)の“rootpw”の行を変更してください。
    <共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥exports¥ks
    例:rootpw --iscrypted -**********...(暗号化されたパスワード)
         ↓
      rootpw deploy
  2. パスワードを暗号化する場合
    Linux標準のキックスタートファイル作成ツールでパスワードを設定し,キックスタートパラメータファイルを作成してください。作成したファイルの“rootpw”の行を,下記に格納されているLinuxインストールパラメータ設定ツールで作成したパラメータファイル(cfgファイル)の“rootpw”の行にコピーしてください。
    <共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥exports¥ks
    例:rootpw --iscrypted -**********...(暗号化されたパスワード)
         ↓
      rootpw --iscrypted XXXXXXXXXX...(暗号化されたパスワード)

(5) シナリオファイルの作成

シナリオの作成と,シナリオの割り当てを行います。

<オペレーティングシステムタブについて>
「オペレーティングシステム」タブを選択すると,以下の画面が表示されます。以下のように項目を設定してください。
[図データ]
  • オペレーティングシステム名
    イメージビルダーで作成したOSのイメージファイル名を▼ボタンをクリックして選択してください。
    Linuxを選択すると後述の「大容量記憶装置用OEMドライバ」「システムのアップデート」は設定できなくなります。
  • 装置名で割り当てる
    OSのインストールを行う時,コンピュータ名と同じセットアップパラメータファイルを自動的に割り当てます。複数のコンピュータにインストールする場合,コンピュータと同じ数だけシナリオを作成する必要がありません。ただし,セットアップパラメータファイルとコンピュータ名は,必ず同じでなければなりません。従ってセットアップパラメータファイルはインストールするコンピュータと同じ数だけ作成する必要があります。
  • ファイル名を指定
    OSのインストールを行う時,指定したセットアップパラメータファイルを使用します。セットアップパラメータファイルとコンピュータ名は,必ずしも同じである必要はありません。
【注意!】
  • OSクリアインストール(Linux)と同時に,サービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用,リストアシナリオ,ディスク構成チェックシナリオは作成できません。
  • イメージファイルの登録・削除とシナリオの作成・編集は同時には行えません。シナリオ作成・編集画面を開いている時はイメージビルダーを操作しないでください。

(6) シナリオ実行

コンピュータに対して割り当てたシナリオを実行します。操作はWebコンソールで行います。

【重要!】
シナリオを実行する時,コンピュータの電源がオン状態の時は,アップデートのシナリオの場合を除き,シナリオ実行は開始されません。「シナリオファイル」の「オプション」タブで「実行前に再起動の強制実行を行う」を選択しておくか,シナリオ実行前に,手動で電源をオフしてください。
【注意!】
シナリオを実行する場合は,インストール先のコンピュータにフロッピーディスクが挿入されていないことを確認してください。フロッピーが挿入されているとリモートインストールに失敗する場合があります。
  1. ツリービュー,またはイメージビューからシナリオを実行するコンピュータを選択する。
  2. 選択したコンピュータを右クリックし,「シナリオ」→「シナリオ実行」を選択する。シナリオの実行が開始されます。
    【ヒント】
    「コンピュータ」メニューから「シナリオ実行」を選択しても,シナリオを実行できます。グループに登録しているコンピュータに,一括してシナリオを実行する場合は,「3.6.3 実行項目を一括設定する」を参照してください。

ここまでが,シナリオ実行までの流れとなります。ここまでに記述されていない機能等については,各項目を参照してください。

(7) 注意事項,その他

注意事項とその他について説明します。

Linuxのインストールではpxelinux.binとNFSサーバを利用したネットワークインストールを行います。

DPM本体はNFS機能を有していないのでNFSサーバは別途用意する必要があります。

DPMでは共有フォルダ(詳細設定にて設定)の下に“exports”という名称のフォルダを用意し,ここをNFS共有フォルダ(共有名exports)と仮定してイメージビルダーより登録を行っています。このまま使用される場合は「(1) NFSサービスのセットアップ」に記載されているように「Services for UNIX」等でこのフォルダをNFS共有(共有名exports)にしてください。

NFSサーバを別のコンピュータに設置する場合は,インストールイメージ(Red HatのCD内容)やインストール用カーネル(vmlinuz,initrd.img),インストールパラメータファイルを手動で各フォルダにコピーする必要があります。手順について以下に記載します。

  1. インストールパラメータファイル/ブートパラメータファイルの作成
    インストールパラメータファイルの作成手順は「3.3.1(2) パラメータファイルの作成(Linux)」と同様ですが,作業モードをオフラインにして行います。作業モードをオフラインにすると任意の場所にパラメータファイルを作成することができます。
    オフラインモードの場合はブートパラメータファイルとインストールパラメータファイルが同じ場所に作成されます。ブートパラメータファイルは保存したインストールパラメータファイルの拡張子がないファイル名となります。
    例えばインストールパラメータファイルが「SampleComp1.cfg」の場合は,ブートパラメータファイルは「SampleComp1」になります。
    保存先のデフォルトは<DPMのインストール先(C:¥Program Files¥Hitachi¥ServerConductor¥DeploymentManager)>¥linux¥offlineです。
    オンラインモードで作成すると管理サーバ上の以下のフォルダに各ファイルが作成されます。
     ブートパラメータファイル:<共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥AnsFile¥Linux
     インストールパラメータファイル:<共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥exports¥ks
  2. インストールパラメータファイルの格納
    NFSサーバ上の任意の場所に“exports”フォルダを作成し,NFS共有(共有名:exports)します。
    このフォルダ配下に“ks”フォルダを作成して1.で作成したインストールパラメータファイルをコピーします。
  3. ブートパラメータファイルの格納
    管理サーバ上の<共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥AnsFile¥Linuxに1.で作成したブートパラメータファイルをコピーします。インストールパラメータファイルを作成時にオンラインモードで行った場合は既に格納されています。
  4. インストール用カーネル(vmlinuz,initrd.img)の格納
    管理サーバ上の<DPMのインストール先(C:¥Program Files¥Hitachi¥ServerConductor¥DeploymentManager)>¥PXE¥images¥pxelinuxに1.のインストールパラメータファイルを作成時に指定したブートディレクトリと同じ名前のフォルダを作成してコピーします。
  5. インストールイメージの格納
    2.で作成したNFS共有フォルダの下に1.のインストールパラメータファイルを作成時に指定したブートディレクトリと同じ名前のフォルダを作成してRed HatのインストールCDの内容をすべてコピーします。
  6. クライアントサービス(エージェント)モジュールの格納
    管理サーバ上の<共有フォルダ(C:¥Deploy)>¥expots¥daemonフォルダの内容をフォルダごと2.で作成したNFS共有フォルダの下にコピーします。

上記手順の必須条件は,以下になります。

上記手順を実行後,ファイルとフォルダの構成は以下のようになります。

この例では,DPMのインストールフォルダを“C:¥Program Files¥Hitachi¥ServerConductor¥DeploymentManager”,DPMの共有フォルダを“C:¥Deploy”,NFS共有フォルダを“C:¥exports”,ブートディレクトリ名を“RHEL4”としています。

管理サーバ
[図データ]
NFSサーバ
[図データ]