2.5 バックアップ/リストア
DPMが提供するバックアップ/リストアの機能を使うと,ターゲットのコンピュータのHDDを対象にリモート操作でバックアップを行い,またそのバックアップファイルを使用してリストアすることができます。特に,リストアではマルチキャストを使った配信を行うことができますので,ネットワークに負荷をかけず一括で複数のコンピュータに実行することができます。また,ユニキャストによるリストアもできます。
バックアップファイルは,管理サーバ側に保存します。また,パーティション単位のバックアップ/リストアも可能で,オプション設定と併用して,必要に応じて多様な設定を行うことができます。
- 【注意!】
- ActiveDirectoryサーバ(ドメインコントローラ)のバックアップ/リストアには,対応していません。
- ターゲットのOSがRed Hat Linuxの場合,ネットワーク設定ファイル名や設定内容にMACアドレス情報が含まれている場合があります。
この状態のままバックアップを行い他の管理対象コンピュータへリストアした場合は,正しくネットワークが動作しません。他の管理対象コンピュータへリストアした場合は,正しくネットワークが動作しません。他の管理対象コンピュータへリストアする場合は,バックアップを行う前に以下の手順にてMACアドレス情報を削除してください。
- 以下ファイルをテキストエディタ(vi等)で開きます。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethn(n:デバイス番号)
(例)#vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1
- 以下のようにMACアドレス情報が記載された行を削除してください。
(例)HWADDR=01:02:03:04:05:06
MACADDR=01:02:03:04:05:06
- ※ 以下のようにbondingまたはhbondingデバイスが設定されている場合も同様に修正してください。
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-bondn(n:デバイス番号)
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-hbondn(n:デバイス番号)
- /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-Hbondn(n:デバイス番号)
- <バックアップ>
- ネットワークを介して,ターゲットとなるコンピュータのHDDにある有効データを管理サーバ上にアーカイブファイルとして保存します。ディスクの未使用の部分はバックアップ対象にならないので,バックアップファイルの容量を比較的低容量に抑えることができます。また,バックアップ対象は,ディスク単位,パーティション単位から選択することができます。
- 【ヒント】
- バックアップファイルの圧縮率の目安としては,OSインストール直後のコンピュータに対しバックアップを行った場合,以下のようになります。
- Windows OSの場合,約60%
- Linux OSの場合,約40%
- <不良セクタについて>
- バックアップを行うHDDに不良セクタがあり,そこにデータが記録されていた場合はバックアップ中にエラーが発生することがあります。また,エラーが発生しない場合も,そのバックアップイメージファイルを使ってリストアするとファイルが正しく読み込めず,OSが起動しない等の問題が発生する可能性があります。
- こういった問題を避けるために,バックアップ前に対象HDDに対してOSからスキャンディスク・チェックディスクを実行されることをお勧めします。
- これにより不良セクタは修復,または未使用領域としてデータを保存されないようになります。スキャンディスク・チェックディスクの実行手順はご使用のOSのヘルプを参照してください。
- <この節の構成>
- 2.5.1 バックアップシナリオファイルの作成
- 2.5.2 バックアップシナリオ実行
- 2.5.3 リストアシナリオファイルの作成
- 2.5.4 リストアシナリオ実行
- 2.5.5 複数のサービスパック/HotFix/Linuxパッチファイルの適用,リストアの異なるシナリオを一斉実行する際の注意点
- 2.5.6 フルセクタシナリオオプションの設定
- 2.5.7 バックアップイメージファイル確認ツール