21.3.2 機器の登録,変更,削除

ラックマネージャで,管理対象となる機器を登録,変更,または削除する手順を次に示します。

<この項の構成>
(1) 機器の追加
(2) 機器の変更
(3) 機器のラックからの削除
(4) 機器の削除
(5) SNMP Trapの追加
(6) アラート通知の設定

(1) 機器の追加

機器の追加は,機器の名前などの情報と,SNMPに関する情報を設定します。各SNMP Trapをアラートの形式で通知する場合,通知するアラートの内容を設定します。なお,SNMP Trapは機器ごとに設定できます。

ブレードサーバ部およびサーバは,サービス構成表示で該当するマネージャサービスを選択したときに表示されているサーバシャーシおよびサーバだけを登録できます。

また,サーバシャーシ内のサーバ,スイッチ&マネジメントモジュールのギガビットイーサネットスイッチ,ファイバチャネルスイッチモジュールはブレードサーバ部として一元管理できます。

(a) 手順

機器を追加する手順を次に示します。

  1. [ラックマネージャ]ウィンドウのツリーでラックマネージャノードをクリックする
  2. [構成変更]メニューから[機器の追加]を選択する
    [機器の追加]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. 種別を選択する
    ドロップダウンリストで,ブレードサーバ部,ストレージ部,ネットワーク部,サーバ,ファイバチャネルスイッチ,ロードバランシングサーバ,無停電電源装置,周辺機器が表示されます。これらの中から,機器に追加する種別を選択してください。
  4. モデルを選択する(任意)
    モデルのドロップダウンリストが活性となっている場合,モデルを選択できます。選択は任意ですので,選択しなくてもかまいませんが,選択したモデルによって選択できるサイズが異なる場合があります。
    種別でブレードサーバ部を選択している場合は,自動的にモデルが選択されるため,任意に選択することはできません。
    種別がブレードサーバ部でモデルがBS2000の場合は,[拡張モジュール]から拡張モジュールを選択して,拡張モジュールに対してSNMP管理ができます。拡張モジュールの選択は任意です。拡張モジュールに対するSNMP Trapの設定については,「(b) 拡張モジュールに対するSNMP Trapの設定」を参照してください。
  5. 名前を入力する
    半角で255文字まで入力できます。全角文字は半角2文字分とします。同一種別内で同じ名前は入力しないでください。
    種別で,ブレードサーバ部またはサーバを選択した場合,[ホスト管理]ウィンドウに表示されているシャーシIDまたはホストがドロップダウンリストで表示されるので,その一覧から選択してください。
  6. サイズを入力する
    選択した種別とモデルによって,選択可能なサイズがドロップダウンリストで表示されるので,その一覧から選択してください。一度登録した機器のサイズは変更できません。
  7. 説明(任意)を入力する
    半角で255文字まで入力できます。全角文字は半角2文字分とします。入力は任意ですので,入力しなくてもかまいません。
    追加する種別がブレードサーバ部またはサーバの場合は,[OK]ボタンをクリックして追加操作を終了します。
  8. SNMP未対応モデルの場合,IPアドレス(任意)を入力する
    [OK]ボタンをクリックして追加操作を終了します。
  9. SNMP管理をする場合,[SNMP管理]チェックボックスをONにする
    追加する種別がブレードサーバ部(モデルが「BS2000」以外の場合)またはサーバの場合はONにできません。
    追加する種別がブレードサーバ部でモデルが「BS2000」の場合,[拡張モジュール]から拡張モジュールを選択しているときに,ONにできます。
  10. IPアドレスを入力する
    追加する機器のIPアドレスを入力してください。なお,複数のIPアドレスを持っていて,それぞれのIPアドレスから別々のSNMP Trapを送信する機器では入力したIPアドレスからのSNMP Trapだけ受信できます。
  11. コミュニティを選択または入力する
    デフォルトは「public」です。ドロップダウンリストには,今まで登録した機器で入力されたコミュニティが表示されるので,その中から選択するか,または入力します。入力する場合は,半角で63文字まで入力できます。
  12. SNMP Trapを追加する場合は,次のどちらかの操作をする
    • 一つ一つSNMP Trapを設定する場合は,[Trap一覧]にある[追加]ボタンをクリックする
      [SNMP Trapの追加]ダイアログボックスが表示されます。
    • MIBファイルを読み込んでSNMP Trapを追加する場合は,[Trap一覧]にある[ファイルから追加]ボタンをクリックする
    SNMP Trapの追加方法については,「(5) SNMP Trapの追加」を参照してください。
  13. SNMP Trapをアラートとして通知するかどうかを選択する
    SNMP Trapをアラートとして通知する場合,[通知]ラジオボタンをONにします。SNMP Trapをアラートとして通知しない場合,[非通知]ラジオボタンをONにします。
  14. SNMP Trapをアラートとして通知する場合,通知するアラートの内容を設定する
    アラートの設定内容については,「(6) アラート通知の設定」を参照してください。
  15. [OK]ボタンをクリックする
    [機器の追加]ダイアログボックスが閉じられ,機器が追加されます。
(b) 拡張モジュールに対するSNMP Trapの設定

種別がブレードサーバ部でモデルがBS2000の場合は,拡張モジュールに対してSNMP管理ができます。拡張モジュールに対してSNMP Trapを設定するには,[機器の追加]ダイアログボックスで次の操作をします。

  1. [種別]に「ブレードサーバ部」が,[モデル]に「BS2000」が表示されている状態で,[拡張モジュール]からSNMP Trapを設定したい拡張モジュールを選択する
  2. 「(a) 手順」の手順7.を実行する
  3. 「(a) 手順」の手順9.~14.を実行する
  4. ほかの拡張モジュールに対してSNMP Trapを設定したい場合は,上記の1.~3.を繰り返す
  5. 「(a) 手順」の手順15.を実行する

(2) 機器の変更

追加した機器の情報を変更する手順を次に示します。ただし,種別,モデルおよびサイズの変更はできません。種別,モデルおよびサイズを変更する場合は,機器をラックマネージャから削除してから追加する操作をしてください。機器をラックマネージャから削除する操作については「(3) 機器のラックからの削除」および「(4) 機器の削除」を,機器を追加する操作については「(1) 機器の追加」を参照してください。

  1. [ラックマネージャ]ウィンドウのツリーまたは未配置機器の一覧で機器をクリックする
  2. [構成変更]メニューから[変更]を選択する
    [機器の変更]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  3. 変更する情報を入力または選択する
    操作方法については,「(1) 機器の追加」を参照してください。
  4. [OK]ボタンをクリックする
    [機器の変更]ダイアログボックスが閉じられ,機器の情報が変更されます。

(3) 機器のラックからの削除

機器をラックから削除し,未配置機器とする手順を次に示します。

  1. [ラックマネージャ]ウィンドウのツリーで機器をクリックする
  2. [構成変更]メニューから[ラックから削除]を選択する
    削除を確認するメッセージが表示されます。

    [図データ]

  3. [OK]ボタンをクリックする
    メッセージが閉じられ,ラックから機器が削除されます。

(4) 機器の削除

機器をラックマネージャから削除する手順を次に示します。

  1. [ラックマネージャ]ウィンドウの未配置機器の一覧で機器をクリックする
  2. [構成変更]メニューから[削除]を選択する
    削除を確認するメッセージが表示されます。

    [図データ]

  3. [OK]ボタンをクリックする
    メッセージが閉じられ,ラックマネージャから機器が削除されます。

(5) SNMP Trapの追加

通知するSNMP Trapを追加する場合,次のどちらかの方法で追加するSNMP Trapを設定します。

次にそれぞれの方法について説明します。

(a) [SNMP Trapの追加]ダイアログボックスで設定する

[SNMP Trapの追加]ダイアログボックスでSNMP Trapを追加する場合の手順を次に示します。

  1. [機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスで,[Trap一覧]にある[追加]ボタンをクリックする
    [SNMP Trapの追加]ダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

  2. 名前を入力する
    追加するSNMP Trapの名前を入力します。半角で127文字まで入力できます。すでに登録されている名前と同じ名前は登録できません。
  3. SNMP Trapの種類を選択する
    SNMP v1のSNMP Trapを追加する場合は,[SNMPv1]ラジオボタンをONにします。SNMP v2cのSNMP Trapを追加する場合は,[SNMPv2c]ラジオボタンをONにします。
  4. SNMP v1のSNMP Trapを追加する場合,次の項目を設定する
    設定項目設定内容
    エンタープライズSNMP Trapのエンタープライズを半角数字または.(ピリオド)で入力します。.(ピリオド)は,先頭と終端,および連続して指定することはできません。半角で127文字まで入力できます。
    一般トラップ一般トラップを選択します。デフォルトは「enterpriseSpecific」です。デフォルトの「enterpriseSpecific」以外のSNMP Trapは,同じ一般トラップを登録できません。
    固有トラップ番号固有トラップ番号を入力します。入力できる範囲は,0~2,147,483,647です。
    SNMP Trapの名前に対して,エンタープライズ,一般トラップ,固有トラップ番号の組み合わせが同じにならないように設定してください。また,すでにSNMP v2cとして登録されているSNMP Trapは登録できません。SNMP v1とSNMP v2cの対応については,RFC3584を参照してください。設定する内容は,追加する機器のマニュアルを参照してください。
  5. SNMP v2cのSNMP Trapを追加する場合,次の項目を設定する
    次の項目を設定します。
    設定項目設定内容
    snmpTrapOIDトラップ識別子を半角数字および.(ピリオド)で入力します。.(ピリオド)は,先頭と終端,および連続して指定することはできません。半角で128文字まで入力できます。すでに登録されているトラップ識別子と同じ識別子は登録できません。また,SNMP v1として登録されているSNMP Trapは登録できません。SNMP v1とSNMP v2cの対応については,RFC3584を参照してください。
  6. 説明(任意)を入力する
    SNMP Trapの説明を入力します。半角で511文字まで入力できます。入力は任意ですので,入力しなくてもかまいません。
  7. [OK]ボタンをクリックする

複数のSNMP Trapを追加する場合は,各SNMP Trapについて上記の操作をしてください。

(b) MIBファイルを読み込んで設定する

MIBファイルからSNMP Trapを追加できます。MIBファイルの定義方法はSNMP Trapの種類によって次のように異なります。

SNMP v1の場合
RFC1155,RFC1215に従って定義されたMIBファイル
SNMP v2cの場合
RFC2578,RFC2579,RFC2580,RFC3584に従って定義されたMIBファイル

MIBファイルを読み込んでSNMP Trapを追加する場合の手順を次に示します。

  1. [機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスで,[Trap一覧]にある[ファイルから追加]ボタンをクリックする
  2. 該当するMIBファイルを選択する

次の場合,同一のSNMP Trapと見なされ上書きされます。

SNMP v1の場合
  • 一般トラップが「enterpriseSpecific」以外のSNMP Trapのとき,すでに同一の一般トラップが登録されている場合
  • 一般トラップが「enterpriseSpecific」のSNMP Trapのとき,エンタープライズと固有トラップの組み合わせが同じ場合
SNMP v2cの場合
  • すでに同一のsnmpTrapOIDが登録されている場合

なお,追加されたSNMP Trapは非通知の設定になります。

(c) SNMP Trap追加時の注意事項

(6) アラート通知の設定

ここでは,アラート通知を設定する場合の手順,デフォルトでサポートされている設定内容,および[通知アラート]ウィンドウに表示される項目について説明します。

(a) 設定の手順

アラート通知を設定する場合の手順を次に示します。

  1. アラートIDを選択する
    アラート通知のIDを,0x4080~0x4089から選択してください。
  2. 発生部位を選択する
    筐体,電源,ファン,ネットワーク,ディスク,今まで登録された発生部位から選択してください。入力する場合は,半角で31文字まで入力できます。
  3. アラートレベルを選択する
    インフォメーション,注意,警告,障害から選択してください。
  4. 内容(任意)を入力する
    アラート通知の内容を入力します。半角で255文字まで入力できます。入力は任意ですので,入力しなくてもかまいません。
(b) デフォルトでサポートされている設定内容

デフォルトでサポートされているSNMP Trapの設定は次のとおりです。

SNMP Trapの名前通知/非通知アラートID発生部位アラートレベル内容
coldStart通知0x4080筐体インフォメーション電源断から起動しました。
warmStart通知0x4081筐体インフォメーション管理機器がリスタートしました。
linkDown通知0x4082筐体警告回線障害を検出しました。
linkUp通知0x4083筐体インフォメーション回線障害が回復しました。
authenticationFailure非通知0x4084筐体インフォメーションコミュニティ名の一致しないSNMPメッセージを受信しました。
egpNeighborLoss非通知0x4085ネットワークインフォメーション外部ゲートウェイ・プロトコル(EGP)隣接が失われました。
(c) [通知アラート]ウィンドウに表示される項目

[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスで通知するアラートの内容を設定した場合,設定した内容が[通知アラート]ウィンドウに表示されます。[通知アラート]ウィンドウに表示される各項目と[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでの設定内容を,次の表に示します。

表21-11 [通知アラート]ウィンドウに表示される各項目と[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでの設定内容

項番[通知アラート]ウィンドウの表示項目[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでの設定内容表示形式
1発生日時
2発生ホスト
  • [名前]
  • [SNMP管理]の[IPアドレス]
名前(IPアドレス)
3アラートレベル
  • [SNMP管理]の[アラート]の[アラートレベル]
アラートレベル
4内容
  • [SNMP管理]の[アラート]の[内容]
  • [SNMP管理]の[Trap一覧]のSNMP Trap名
  • [SNMP管理]の[エンタープライズ]
  • [SNMP管理]の[固有トラップ番号]
内容(SNMP Trap名,エンタープライズ,固有トラップ番号)
5確認状態
6アラートID
  • アラートID
アラートID
7発生部位
  • 発生部位
発生部位
(凡例)
-:[機器の追加]ダイアログボックスまたは[機器の変更]ダイアログボックスでは設定しない

通知アラートについては,「7.2.1 通知アラートを表示する」を参照してください。