20.3.5 自動切り替え時の現用系の電源OFF
自動切り替えが発生したとき,障害が発生した現用系のサーバモジュールの電源OFFの方式を次の中から選択できます。
- サーバモジュールの電源を強制電源OFFする
- サーバモジュール上で動作しているOSをシャットダウンしてから,サーバモジュールを電源OFFする
サーバモジュールの電源OFFの方式は,N1Alert.datで定義されている自動切り替えの対象アラートごとに設定できます。また,設定した内容は,マネージャサービスが管理しているN+1グループの現用系のサーバモジュールすべてに適用されます。N1Alert.datで定義されている自動切り替えの対象アラートについては,「20.3.3 自動切り替えの対象となるアラートの設定」を参照してください。
自動切り替え発生時,障害が発生した現用系のサーバモジュールの電源を強制電源OFFするか,OSをシャットダウンしてから電源OFFするかは,N+1コールドスタンバイ設定ファイル(N1SwitchShutdownSet.ini)に定義されています。N1SwitchShutdownSet.iniの定義内容を編集することで,N+1コールドスタンバイ自動切り替え時の電源OFFの方式を変更できます。
N1SwitchShutdownSet.iniは次のフォルダに格納されています。
<インストール先フォルダ>¥Data
N+1コールドスタンバイ設定ファイルの記述形式,デフォルトの定義内容,定義例,定義内容を有効にする手順,および注意事項について,次に説明します。
- <この項の構成>
- (1) 記述形式
- (2) デフォルトの定義内容
- (3) 定義例
- (4) 定義内容を有効にする手順
- (5) 注意事項
(1) 記述形式
N1SwitchShutdownSet.iniの記述形式を次に示します。
[N1ShutdownSetting]
Function={0|1}
Timeout=監視時間
[AlertID]
アラートID={0|1}
:
:
アラートID={0|1} |
次に各設定項目について説明します。
- [N1ShutdownSetting]
- N+1コールドスタンバイ自動切り替え時の電源OFFの方式を設定します。
- Function={0|1}
- N+1コールドスタンバイの自動切り替え時の電源OFFの方式を0または1で指定します。N+1コールドスタンバイの自動切り替え時に強制電源OFFを実行する場合,0を指定します。N+1コールドスタンバイ自動切り替え時にOSシャットダウンをしてから電源OFFを実行する場合,1を指定します。デフォルトでは0が指定されています。
- 値は半角で入力してください。
- Timeout=監視時間
- N+1コールドスタンバイ自動切り替え時,OSシャットダウンを開始してから電源OFFが実行されるまでの監視時間を1~60で指定します。単位は分です。デフォルトでは5が指定されています。
- 値は半角で入力してください。
- Timeoutで指定した時間が経過しても電源OFFがされない場合は,強制電源OFFが実行されます。
- Timeoutの設定は,OSシャットダウンを開始してから電源OFFを実行する設定をした全アラートに対して適用されます。
- [AlertID]
- OSシャットダウンをしてから電源OFFを実行する対象となるアラートを設定します。
- アラートID={0|1}
- 自動切り替えの対象となる各アラートに対して,N+1コールドスタンバイ自動切り替え時の電源OFFの方式を設定します。
- アラートIDは,16進で最後にhを付けて指定します。例えば,「0x1417」のアラートIDを指定するときは「1417h」と指定します。
- 指定したアラートが発生した場合,OSシャットダウンを開始してから電源OFFを実行するときは,1を指定します。指定したアラートが発生した場合,強制電源OFFを実行するときは,0を指定します。デフォルトでは0が指定されています。
- 値は半角で入力してください。
「=」がない行,および先頭文字が「[」または「#」の行は,コメント行と見なされます。
(2) デフォルトの定義内容
N1SwitchShutdownSet.iniに定義されているデフォルト値を次に示します。
[N1ShutdownSetting]
Function=0
Timeout=5
[AlertID]
1417h=0
1492h=0
1493h=0
1494h=0
1470h=0
1496h=0
1497h=0
1499h=0
14A0h=0
14A5h=0
1453h=0
1451h=0
14A8h=0
1462h=0
14AAh=0
14AFh=0
1464h=0
14B0h=0
14B1h=0
1491h=0
1463h=0
14D2h=0
14D5h=0
1483h=0
1484h=0
1788h=0
1789h=0 |
なお,バージョン08-60以降にバージョンアップする場合は,バージョンアップしたあとに,N1SwitchShutdownSet.iniに「1788h=0」および「1789h=0」の2行を追加してください。
(3) 定義例
0x1417アラートによる自動切り替えが発生したとき,OSシャットダウン後に電源OFFを実行する場合のN1SwitchShutdownSet.iniの定義例を次に示します。監視時間は5分とします。
[N1ShutdownSetting]
Function=1
Timeout=5
[AlertID]
1417h=1
:
: |
(4) 定義内容を有効にする手順
N1SwitchShutdownSet.iniの設定内容を変更した場合は,次に示すどちらかの操作をしてください。この操作をしないと,変更した内容が有効になりません。
- コンソールサービスの[設定]メニューから「マネージャサービス設定」を選択し,[N+1設定]タブを選択する。[N+1コールドスタンバイ]の[有効にする]チェックボックスをONにして[OK]ボタンをクリックする
[N+1コールドスタンバイ]の[有効にする]チェックボックスが,すでにONになっている場合は,そのまま[N+1設定]タブで[OK]ボタンをクリックしてください。
- マネージャサービスを再起動する
(5) 注意事項
- N1SwitchShutdownSet.iniで定義する英字部分は,大文字と小文字を区別しません。
- N1SwitchShutdownSet.iniの設定項目はFunction,Timeout,アラートIDの順に各行に記述してください。
- N1Alert.datに定義されていないアラートは,OSシャットダウン後に電源OFFを実行する対象のアラートにできません。
- N1SwitchShutdownSet.iniでOSシャットダウン後に電源OFFを実行する対象のアラートとして設定したアラートが,一定時間経過してから自動切り替えを実行するアラートの場合,設定した時間が経過したあと,OSシャットダウンが開始されます。
- N+1冗長化構成をしている場合,OSシャットダウンから強制電源OFFまでの監視時間を考慮して,冗長化による自動切り替え待ち時間を設定する必要があります。N+1冗長化構成時の監視時間の設定については,「20.6.2(4) N+1コールドスタンバイ自動切り替え時にOSシャットダウンを実行する場合の監視時間」を参照してください。
- 次の場合,OSシャットダウン停止は実行されないで強制電源OFFされます。
- N1SwitchShutdownSet.iniファイルがない場合
- FunctionまたはTimeoutを定義する行がない場合
- アラートIDが一つも定義されていない場合
- Function,Timeout,およびAlertIDを定義する「=」のあとの数値が,指定された範囲内にない場合
- Agentがマネージャサービスに登録されていない場合
- 管理対象サーバにAgentがインストールされていない場合(ただし,VMホストの場合は,Agentがインストールされていない場合でもOSシャットダウン停止を実行できます。)
- 1行に指定できるバイト数は254バイトまでです。
- 数値文字列の途中にスペースまたはタブ文字がある場合は,エラーになります。
- 同一のアラートIDを複数定義した場合,ファイルの末尾に近い行の定義が有効になります。