19.5.2 ホストグループの自動割り当ての設定

ホストグループの自動割り当てを利用するには,次に示す順に設定が必要になります。

  1. ホストグループ一覧ファイルのエクスポート
  2. ホストグループ割り当て定義ファイルの作成
  3. ホストグループ割り当て定義ファイルのインポート
注意
上記設定を実施する前に,Device ManagerのサーバをBSM Plusに登録しておく必要があります。Device ManagerのサーバをBSM Plusに登録する方法については,「19.4.1 Device ManagerのBSM Plusへの登録」を参照してください。Device ManagerのサーバをBSM Plusに登録しない場合,ファイルサイズが0バイトのファイルがエクスポートされてしまいます。
また,BSM Plusへ登録したDevice ManagerにLUNセキュリティ機能が有効になっていないストレージサブシステムが登録されている場合,エクスポートに失敗します。
<この項の構成>
(1) ホストグループ一覧ファイルのエクスポート
(2) ホストグループ割り当て定義ファイルの作成
(3) ホストグループ割り当て定義ファイルのインポート

(1) ホストグループ一覧ファイルのエクスポート

ストレージサブシステム内に登録されているすべてのホストグループの一覧情報をDevice Managerから取得し,CSV形式のファイルに出力します。出力したCSV形式のファイルをホストグループ一覧ファイルといいます。ホストグループ一覧ファイルのエクスポートの概要を次に示します。

図19-6 ホストグループ一覧のエクスポート

[図データ]

(a) ホストグループ一覧ファイルの形式

ホストグループ一覧ファイルは,次の項目をコンマで区切った形式で記述されています。

ストレージサブシステムobjectID,ストレージサブシステムのname,ポートWWN,ホストグループobjectID,ホストグループのnickname

各出力項目の説明を次に示します。

表19-1 ホストグループ一覧ファイルの出力項目

項目名説明
ストレージサブシステムobjectIDストレージサブシステムで使用するDevice Managerの識別子
ストレージサブシステムのnameDevice Managerに設定するストレージサブシステムの名称
ポートWWNストレージサブシステムコントローラのポートWWN
ホストグループobjectIDホストグループで使用するDevice Managerの識別子
ホストグループのnicknameホストグループを作成するときに設定するホストグループの名称
(b) ホストグループ一覧ファイルの出力例

ホストグループ一覧ファイルの出力例を次に示します。

図19-7 ホストグループ一覧ファイルの出力例

[図データ]

(c) ホストグループ一覧ファイルのエクスポート方法
  1. [ホスト管理]ウィンドウの[設定]メニューから[マネージャサービス設定]を選択する
    [マネージャサービス設定]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [ストレージ設定]タブを選択する

    [図データ]

  3. [エクスポート]ボタンをクリックする
    [名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されます。
  4. [ファイル名]テキストボックスでホストグループ一覧ファイルの名前を指定する
    ホストグループ一覧ファイルの名前は任意設定できます。
  5. [保存]ボタンをクリックする
    [名前を付けて保存]ダイアログボックスを閉じます。
  6. [OK]ボタンをクリックする
    [マネージャサービス設定]ダイアログボックスを閉じます。

エクスポートしたホストグループ一覧ファイルは,ホストグループ割り当て定義ファイルを作成する場合に利用します。

次にホストグループ割り当て定義ファイルの作成方法について説明します。

(2) ホストグループ割り当て定義ファイルの作成

エクスポートしたホストグループ一覧ファイルを利用して,ホストグループ割り当て定義ファイルを作成します。ホストグループ割り当て定義ファイルとは,サーバモジュールへ割り当てるホストグループとサーバモジュールを挿入したスロットとの関係を定義するファイルです。

(a) ホストグループ割り当て定義ファイルの形式

ホストグループ割り当て定義ファイルは,出力されたホストグループ一覧ファイルの「ホストグループのnickname」のあとに,サーバシャーシID,サーバモジュールスロット番号などをコンマで区切って追加して作成します。

ホストグループ割り当て定義ファイルの形式を次に示します。

ストレージサブシステムobjectID,ストレージサブシステムのname,ポートWWN,ホストグループobjectID,ホストグループのnickname,サーバシャーシID,サーバモジュールスロット番号,HBA搭載PCIスロット番号,HBAポート番号,ブート識別子

各設定項目の説明を次に示します。

表19-2 ホストグループ割り当て定義ファイルの設定項目

項目名説明
ストレージサブシステムobjectIDストレージサブシステムで使用するDevice Managerの識別子を指定します。ホストグループ一覧ファイルに指定されている値を変更しないでそのまま指定してください。
ストレージサブシステムのnameDevice Managerに設定するストレージサブシステムの名称を指定します。ホストグループ一覧ファイルに指定されている値を変更しないでそのまま指定してください。
ポートWWNストレージサブシステムコントローラのポートのWWNを指定します。ホストグループ一覧ファイルに指定されている値を変更しないでそのまま指定してください。
ホストグループobjectIDホストグループで使用するDevice Managerの識別子を指定します。ホストグループ一覧ファイルに指定されている値を変更しないでそのまま指定してください。
ホストグループのnicknameホストグループ名を指定します。ホストグループ一覧ファイルに指定されている値を変更しないでそのまま指定してください。
サーバシャーシID※1BladeSymphonyのサーバシャーシIDを文字列で指定します。
サーバシャーシがBS1000およびBS320の場合は空白文字を含む16文字,サーバシャーシがBS2000の場合は空白文字を含む20文字で指定します。
サーバシャーシIDは,コンソールサービスの[ホスト管理]ウィンドウの[コンピュータ名]を指定してください。詳細については,「5.2 ホストの一覧を表示する」を参照してください。
サーバモジュールスロット番号ホストグループを割り当てる上記サーバシャーシのサーバモジュールスロット番号を指定します。
サーバシャーシがBS2000およびBS1000の場合は,0~7の半角数字で指定します。
サーバシャーシがBS320の場合は,0~9の半角数字で指定します。
HBA搭載PCIスロット番号※2ホストグループを割り当てるサーバモジュールに搭載されているHBAのPCIスロット番号を0~3の半角数字で指定します。HBA搭載PCIスロット番号の付与規則については,「(b) HBA搭載PCIスロット番号の付与規則」を参照してください。
HBAポート番号ホストグループを割り当てるHBAのポート番号を指定します。サーバシャーシがBS1000およびBS320の場合は,0~1の半角数字で指定します。サーバシャーシがBS2000の場合は,0~3の半角数字で指定します。
HBAポート番号の付与規則については,「(c) HBAポート番号の付与規則」を参照してください。
ブート識別子起動用ディスクのHBAポートの識別情報を半角数字で指定します。起動用ディスクの場合は1を指定します。それ以外は0を指定します。
起動用ディスク接続パスを冗長化したSANブート構成の場合,正系のディスク接続パスだけ1を設定してください。また,正系に障害が発生している場合は,副系のディスク接続パスだけ1を設定してください。起動用ディスク接続パスを冗長化したSANブート構成のシステム構成図については,「(d) 起動用ディスク接続パスを冗長化したSANブート構成」を参照してください。
最小のPCIスロット番号を持つ起動用ディスク接続パスが複数ある場合は,その中から最小のポート番号を持つ起動用ディスク接続パスだけ1に設定してください。それ以外の起動用ディスク接続パスは0に設定してください。
注※1
サーバシャーシIDを変更した場合,ホストグループ割り当て定義ファイルで変更したサーバシャーシIDを指定し,再インポートが必要です。サーバシャーシIDを変更した場合の手順については,「25.5 管理対象ホスト,HVM,またはサーバシャーシの設定を変更する場合の注意事項」を参照してください。
注※2
BladeSymphonyが搭載するI/Oモジュールのタイプによっては,PCIスロット番号が異なります。

(b) HBA搭載PCIスロット番号およびPCIeスロット番号の付与規則

HBA搭載のPCIスロット番号およびPCIeスロット番号の付与規則を次に示します。

表19-3 HBA搭載のPCIスロット番号の付与規則(I/Oモジュールタイプ)

サーバシャーシタイプ※1I/Oモジュールタイプ※1サーバモジュールスロット番号I/Oモジュールスロット番号HBA搭載PCIスロット番号
I/Oモジュール#0※2I/Oモジュール#1※2
BS1000ATYPE1TYPE100,10,1
12,30,1
24,50,1
36,70,1
48,90,1
510,110,1
612,130,1
714,150,1
BS1000B
(A1モデル)
TYPE1TYPE200,1,8,90,1,2,3
12,3,10,110,1,2,3
24,5,12,130,1,2,3
36,7,14,150,1,2,3
4N/AN/A
5
6
7
BS1000B
(A2モデル)
TYPE1TYPE100,1,8,90,1,2,3
12,3,10,110,1,2,3
24,5,12,130,1,2,3
36,7,14,150,1,2,3
4N/AN/A
5
6
7
TYPE3TYPE300,80,1
11,90,1
22,100,1
33,110,1
44,120,1
55,130,1
66,140,1
77,150,1
注※1
サーバシャーシタイプ,I/Oモジュールタイプについては,「6.3 インベントリ情報を参照する」を参照してください。
注※2
サーバシャーシの背面図で示すと,I/Oモジュールの位置は次の場所になります。

図19-8 IOモジュールの位置(サーバシャーシの背面図)

[図データ]

表19-4 HBA搭載のPCIスロット番号の付与規則(内蔵FCスイッチモジュールタイプ)

サーバシャーシタイプサーバモジュールスロット番号I/Oモジュールスロット番号HBA搭載PCIスロット番号
BS1000B(A2モデル)
内蔵FCスイッチモジュール
00,80,1
11,90,1
22,100,1
33,110,1
44,120,1
55,130,1
66,140,1
77,150,1

表19-5 HBA搭載のPCIスロット番号の付与規則(BS320)

サーバシャーシタイプサーバモジュールスロット番号HBA搭載PCIスロット番号
BS32000
10
20
30
40
50
60
70
80
90

表19-6 HBA搭載のPCIeスロット番号の付与規則(BS2000)

サーバシャーシタイプサーバモジュールスロット番号I/Oモジュールスロット番号HBAポート番号HBA搭載PCIスロット番号
BS200000,1(80,81)0,1,2,30,1
12,3(80,81)0,1,2,30,1
24,5(80,81)0,1,2,30,1
36,7(80,81)0,1,2,30,1
48,9(80,81)0,1,2,30,1
510,11(80,81)0,1,2,30,1
612,13(80,81)0,1,2,30,1
714,15(80,81)0,1,2,30,1

注※ ( )内は,LPAR時の割り当てです。


(c) HBAポート番号の付与規則

HBAポート番号の付与規則を次に示します。

■BS1000の場合

BS1000でHBAのポートが1個の場合は,HBAポート番号は0になります。

HBAポートが2個ある場合は,次の図に示すように,HBAをPCIスロットに挿入した状態での上段側のHBAポート番号が0,下段側のHBAポート番号が1になります。

[図データ]

■BS320の場合

HBAは内蔵になります。次の図に示すように,サーバシャーシの背面から見て右側のFCスイッチモジュールに接続する場合,HBAポート番号は0になります。サーバシャーシの背面から見て左側のFCスイッチモジュールに接続する場合,HBAポート番号は1になります。

[図データ]

■BS2000の場合

次の図に示すように,I/Oモジュールスロットの右側から0になります。

[図データ]

(d) 起動用ディスク接続パスを冗長化したSANブート構成

起動用ディスク接続パスを冗長化したSANブート構成を次に示します。

図19-9 起動用ディスク接続パスを冗長化したSANブート構成

[図データ]

(e) ホストグループ割り当て定義ファイルの作成例

ホストグループ割り当て定義ファイルの作成例を次に示します。

図19-10 ホストグループ割り当て定義ファイルの作成例

[図データ]

(f) ホストグループ割り当て定義ファイルの作成手順
  1. ホストグループ一覧ファイルをエクスポートする
    操作方法については,「(1) ホストグループ一覧ファイルのエクスポート」を参照してください。
  2. エクスポートしたホストグループ一覧ファイル(CSV形式)をテキストエディタで開く
  3. サーバモジュールに割り当てるホストグループの行の末尾に,サーバシャーシID,サーバモジュールスロット番号,HBA搭載PCIスロット番号,HBAポート番号,およびブート識別子の項目を追記する
  4. 割り当て予定のサーバモジュールと搭載HBAの物理位置情報を追記する
  5. サーバモジュールに割り当てないホストグループの行は削除する
  6. 編集したファイルに名前を付けて保存する
    ホストグループ割り当て定義ファイルが作成されます。

作成したホストグループ割り当て定義ファイルは,BSM Plusにインポートします。

次にホストグループ割り当て定義ファイルのインポート方法について説明します。

(3) ホストグループ割り当て定義ファイルのインポート

作成したホストグループ割り当て定義ファイルをBSM Plusへインポートすると,挿入されているサーバモジュールへホストグループが割り当てられます。[ホスト管理]ウィンドウにBladeSymphonyサーバシャーシが登録されていない場合は,サーバシャーシを登録してからインポートしてください。

注意
ホストグループ一覧ファイルをエクスポートしたあとに,ストレージサブシステムの構成を変更すると,BSM Plusが持っているストレージ構成情報とDevice Managerが持っているストレージ構成情報が一致しないため,インポートに失敗します。

ホストグループ割り当て定義ファイルのBSM Plusへのインポートの概要を次に示します。

図19-11 ホストグループ割り当て定義ファイルのインポート

[図データ]

(a) ホストグループ割り当て定義ファイルのインポート方法
  1. ホストグループを割り当てるサーバモジュールの電源をOFFにする
  2. [ホスト管理]ウィンドウの[設定]メニューから[マネージャサービス設定]を選択する
    [マネージャサービス設定]ダイアログボックスが表示されます。
  3. [ストレージ設定]タブを選択する

    [図データ]

  4. [ホストグループ割り当て定義ファイルのパス]テキストボックスにホストグループ割り当て定義ファイルのパスを指定する
    [参照]ボタンをクリックして表示されるダイアログボックスから選択することもできます。
  5. [インポート]ボタンをクリックする
    ホストグループ割り当て定義ファイルのインポートが実行されます。すでに挿入されているサーバモジュールに対してホストグループを割り当てる定義が記述されている場合は,インポートを実行すると定義内容に従ってホストグループが割り当てられます。
    ホストグループの割り当てに成功したかどうか確認する方法については,「19.6.2 ホストグループ割り当ての確認方法」を参照してください。
    ホストグループ割り当て定義ファイルのインポートに失敗した場合は,メッセージが表示されます。ホストグループ割り当て定義ファイルの内容を確認して,必要に応じて修正したあと,再度インポートしてください。ホストグループ割り当ての失敗および対処については,「19.5.4 ホストグループ自動割り当ての失敗例と対処方法」を参照してください。
    [インポート]ボタンをクリックした時に,ホストグループの割り当てを開始します。なお,インポートを実行するとDevice Managerおよびストレージサブシステムにアクセスします。
    [インポート]ボタンをクリックしたあとでウィンドウの[キャンセル]ボタンをクリックしても割り当ては中止できません。また,[インポート]ボタンをクリックしないで[OK]ボタンを押しても,ホストグループの割り当ては開始されません。
    インポートが開始されると,[通知アラート]ウィンドウに,アラートID 0x3728(インポート開始)が表示されます。インポートによるホストグループの割り当てがすべて終了すると,アラートID 0x3729(インポート終了)が表示されます。
    インポートが終了するまで,ホストの電源操作やN+1/N+Mコールドスタンバイを操作しないでください。