20.8.4 ネットワークスイッチ情報の定義(ポート情報インポート設定方式)

ネットワークスイッチ連携機能を利用するには,あらかじめスイッチ情報定義ファイルを作成し,切り替え対象の情報を定義しておく必要があります。

ここでは,スイッチ情報定義ファイルの定義内容,定義例,およびスイッチ情報定義ファイルの注意事項を示します。

注意
BS2000の場合,および内蔵スイッチがBS320の場合はポート情報インポート設定方式を利用できません。
<この項の構成>
(1) スイッチ情報定義ファイルの定義内容
(2) スイッチ情報定義ファイルの定義例
(3) スイッチ情報定義ファイルの変更
(4) スイッチ情報定義ファイルの注意事項

(1) スイッチ情報定義ファイルの定義内容

スイッチ情報定義ファイルの定義内容の一覧を,次の表に示します。

表20-13 スイッチ情報定義ファイルの内容

定義項目名説明
シャーシIDBSM Plusが管理するシャーシIDです。
16バイト以下の文字列で定義します。シャーシIDが「#」で始まる場合は,項目全体を「"」で囲んで定義してください。
スロット番号BSM Plusが管理するサーバモジュールのスロット番号です。
0~7の数値で定義します。
ポート識別子ネットワークスイッチのポート識別子です。
1~63バイトの文字列で定義します。BS1000では,「NIF番号/ポート番号」の形式で定義します。
NIF番号は「0」で固定です。
VLANドメインJP1/Cm2/NCが複数のVLANをまとめて管理する単位です。
1~63バイトの文字列で定義します。
スイッチ名称JP1/Cm2/NCが管理するネットワークスイッチのホスト名(エイリアス)です。
1~255バイトの文字列で定義します。
VLAN IDVLAN IDです。
1~4063の数値で定義します。
VLAN情報VLAN情報として,ポートカテゴリを定義します。
「tagged」または「untagged」を定義します。
スイッチ情報定義ファイルの記述規則
  • 「,」含む場合や先頭が「#」で始まる場合は,項目全体を「"」で囲むこと。また,「"」で始まる,または「"」で終わる場合も,項目全体を「"」で囲むこと。
    (例)
    ・ 「,」を含む項目 : 14,EBS → "14,EBS"
    ・ 最初の項目が「#」で始まる項目 : #14-EBS → "#14-EBS"
    ・ 「"」で始まる項目 : "abc → ""abc"
    ・ 「"」で終わる項目 : abc" → "abc""
    ・ 先頭と終端以外に「"」がある項目 : ab"c → ab"c (変更なし)
  • 空行および行頭が「#」の行(「"」で囲まない場合)は,コメント行と見なす。
  • VLANドメインおよびスイッチ名称は,JP1/Cm2/NCで管理されている名称と必ず一致させること。
  • 空白文字も有効な文字として認識するため,整形のための不要な空白(コンマの前後など)を含めないこと。

(2) スイッチ情報定義ファイルの定義例

次の図に示す構成を例に,スイッチ情報定義ファイルの定義例を示します。

図20-19 スイッチ情報定義の構成例

[図データ]

この構成で,現用系1,現用系2,予備系を登録する場合の定義例は次のようになります。

EBS#1           ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged
EBS#2           ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#2-GS0,20,untagged
EBS#2           ,7,0/7,デフォルトドメイン,EBS#2-GS0,1,untagged

この例ではSVPは一つですが,SVPを二重化している場合は,両方のSVP内蔵スイッチの設定をします。

(3) スイッチ情報定義ファイルの変更

スイッチ情報定義を変更する場合は,すでに設定されているスイッチ情報定義ファイルを出力し,新たに定義する設定に編集して再設定します。

スイッチ情報定義ファイルの出力方法については,「20.7.2(2) ネットワークスイッチ連携機能を有効にする」を参照してください。

スイッチ情報定義を変更して,スイッチ情報定義ファイルの再設定とスイッチポートの設定を同時に行うと,変更前に設定されていたスイッチ情報定義ファイルとの差分が設定されます。

(例)
変更前の定義

EBS#1           ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged
EBS#1           ,7,0/7,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,1,untagged

変更後の定義

EBS#1           ,1,0/1,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged
EBS#1           ,7,0/7,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,1,untagged

この例では,1行目の定義を変更しています。変更後のスイッチ情報定義ファイルを再設定して,スイッチポートを設定すると,次の設定が反映されます。
(削除)EBS#1 ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged
(追加)EBS#1 ,1,0/1,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged
注意
スイッチ情報定義を変更して,スイッチ情報定義ファイルの再設定とスイッチポートの設定を同時に行う場合,Untaggedポートに対してVLAN IDだけを変更することはできません。
ただし,VLAN IDが1の場合は変更できます。
(例)
変更前の定義

EBS#1           ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,10,untagged

変更後の定義

EBS#1           ,0,0/0,デフォルトドメイン,EBS#1-GS0,20,untagged

この例では,VLAN IDを10から20に変更しています。しかし,どちらの定義もVLAN IDが1ではないので,スイッチポートの設定は変更できません。

(4) スイッチ情報定義ファイルの注意事項

スイッチ情報定義ファイルの注意事項を示します。