20.3.3 自動切り替えの対象となるアラートの設定

N+1コールドスタンバイ機能を利用する場合,BladeSymphonyに関するハードウェア障害のサーバモジュール系のアラートが,自動切り替えの対象となります。これらのアラートには,アラートごとに,障害が発生してから自動で切り替えるまでの待ち時間が設定されています。これ以外のアラートは,自動切り替えの対象にできません。

アラートの詳細については,マニュアル「JP1 Version 8 JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 メッセージ」を参照してください。

注意
自動切り替え対象アラートが発生し,自動切り替えを開始したあと(切り替え待ちの状態を含む)に,新たに発生した自動切り替え対象アラートは無視されます。

自動切り替え対象アラートは,N+1対象アラート定義ファイルN1Alert.dat)に定義されています。N1Alert.datの定義内容を編集することで,N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートの設定を変更できます。

N1Alert.datは次のフォルダに格納されています。

<インストール先フォルダ>¥Data

N+1対象アラート定義ファイルの記述形式,デフォルトの定義内容,定義例,定義内容を有効にする手順,および注意事項について,次に説明します。

<この項の構成>
(1) 記述形式
(2) デフォルトの定義内容
(3) 定義例
(4) 定義内容を有効にする手順
(5) N1Alert.dat指定時の注意事項
(6) バージョン08-60以降にバージョンアップする場合の注意事項

(1) 記述形式

N1Alert.datの記述形式を次に示します。

AlertID,ForcedExeFlag,WaitTime

AlertID,ForcedExeFlag,およびWaitTimeは,それぞれ半角コンマで区切って指定します。次に各設定項目について説明します。

AlertID
アラートIDを指定します。アラートIDは,16進で最後にhを付けて指定します。例えば,「0x1417」のアラートIDを指定するときは「1417h」と指定します。
注意
N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象のアラートは,N1Alert.datにデフォルトで定義してあるアラートだけです。これ以外のアラートは,N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象のアラートにできません。
ForcedExeFlag
N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとするかしないかを,1または0で指定します。N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとする場合,1を指定します。N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとしない場合,0を指定します。デフォルトでは,1が指定されています。
値は半角で入力してください。
注意
N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとしない場合,ForcedExeFlagとWaitTimeの両方に0を指定してください。WaitTimeに0以外の整数が指定されていた場合,ForcedExeFlagに0を指定しても,自動切り替え対象アラートとして扱われます。
WaitTime
AlertIDに指定したアラートで示される障害が発生してから,N+1コールドスタンバイの切り替えが実行されるまでの自動切り替え待ち時間を,0~2147483647の整数で指定します。単位は分です。デフォルトでは,0または60が指定されています。
値は半角で入力してください。
ForcedExeFlagに0を指定している状態で,「0」を指定した場合は,障害発生と同時に即時に自動切り替えを行います。また,「60」を指定した場合は,障害発生から1時間後に自動切り替えを行います。障害発生から1時間後に自動切り替えを行う場合の障害は,原因特定のために,障害発生時に手動でダンプを採取することを推奨します。
注意
N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとしない場合,WaitTimeに0を指定してください。WaitTimeに0以外の整数が指定されていた場合,ForcedExeFlagに0を指定しても,自動切り替え対象アラートとして扱われます。

行の先頭に,半角スペースまたは#が指定されている場合,その行はコメント行と見なされます。コメント行の入力文字の種類に制限はありません。

(2) デフォルトの定義内容

N1Alert.datに定義されている,各アラートのデフォルト値を次に示します。

表20-8 自動切り替えの対象となるアラートと設定内容のデフォルト値

アラートID(AlertID)
(変更不可)
実行フラグ(ForcedExeFlag)
(変更可)
待ち時間(WaitTime)
(分)(変更可)
1417h160
1451h※110
1453h※110
1462h10
1463h10
1464h160
1470h※2※3※5160
1483h※4※510
1484h※4※5160
1491h160
1492h160
1493h160
1494h160
1496h※1※3160
1497h160
1499h160
14A0h10
14A5h10
14A8h10
14AAh10
14AFh※110
14B0h10
14B1h160
14D2h160
14D5h160
1788h※5※610
1789h※5※6160
注※1
現在未使用(予約)のアラートIDです。
注※2
SVPコマンド(TCコマンド)を入力した場合,このアラートが通知され,N+1コールドスタンバイ自動切り替えが発生することがあります。このとき,WaitTimeを「0」に設定していると,TCコマンド経由でのダンプ取得ができなくなります。ダンプの取得が必要な場合は,ダンプを取得するのに十分な時間を設定してください。
注※3
Agentがインストールされていないホスト,またはVMホストが登録されていないホストの場合,このアラートは通知されません。
注※4
ユーザが任意のタイミングで発生させることができるN+1コールドスタンバイ構築テスト用のアラートです。発生させる方法については,マニュアル「BladeSymphony ユーザーズガイド」のRTコマンド(BS2000ではBSMコマンド)について記載されている章を参照してください。
注※5
BS2000の場合に切り替えの対象となるアラートは,1788h,1789h,1470h,1483hおよび1484hの五つになります。BS1000およびBS320で切り替えの対象としていたこのほかのアラートが通知された場合は,これら五つのうちどれかのアラートがあわせて通知されます。
注※6
BS1000およびBS320では通知されません。

なお,バージョン08-60以降にバージョンアップする場合は,バージョンアップしたあとに,N1Alert.datに「1788h,1,0」および「1789h,1,60」の2行を追加してください。

(3) 定義例

自動切り替えの対象となるアラートの設定内容を変更する場合のN1Alert.datの定義例を次に示します。

0x1417をN+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとしない場合
次のように,ForcedExeFlagおよびWaitTimeの両方に0を指定します。

1417h,0,0

次のように,行全体をコメント行にすることでも,N+1コールドスタンバイ自動切り替え対象アラートとしないようにできます。

#1417h,1,60

0x1462アラートが発生したときに,即時にN+1コールドスタンバイの切り替えを実行する場合
次のように,ForcedExeFlagに1,WaitTimeに0を指定します。

1462h,1,0

0x1463アラートが発生してから,60分後にN+1コールドスタンバイの切り替えを実行する場合
次のように,ForcedExeFlagに1,WaitTimeに60を指定します。

1463h,1,60

(4) 定義内容を有効にする手順

N1Alert.datの設定内容を変更した場合は,次に示すどちらかの操作をしてください。この操作をしないと,変更した内容が有効になりません。

(5) N1Alert.dat指定時の注意事項

(6) バージョン08-60以降にバージョンアップする場合の注意事項

バージョン08-60以降にバージョンアップする場合は,バージョンアップしたあとに,N1Alert.datおよびN1SwitchShutdownSet.iniに,1788hおよび1789hのアラートの設定を追加してください。