ここでは,ネットワーク設定変更時の動作,および注意事項について説明します。
ネットワークスイッチ連携機能では,N+1/N+Mコールドスタンバイでストレージの割り当てを変更すると同時に,ネットワークスイッチのポート設定を変更します。
ネットワークスイッチのポート設定変更に失敗した場合は,障害アラート(0x3725)が通知され,N+1/N+Mコールドスタンバイの処理が継続されます。
次の図に,BSM Plusが障害を検知した場合の,ネットワークスイッチのポート設定変更時の動作を示します。
図20-12 ポート設定の変更時の動作
図で示した流れについて説明します。
ネットワークスイッチ連携機能を利用するには,事前準備としてポート情報GUI設定方式,またはポート情報インポート設定方式を利用して,ネットワーク情報を設定してください。ポート情報GUI設定方式では,GUI画面を操作してスイッチ情報をBSM Plusに登録する必要があります。ポート情報インポート設定方式では,スイッチ情報定義ファイルを作成し,BSM Plusに登録する必要があります。スイッチ情報定義ファイルには,N+1/N+M対象サーバモジュールの接続ポートに関するVLANの情報を記述します。
ポート情報GUI設定方式については,「20.8.3 ネットワークスイッチ情報の定義(ポート情報GUI設定方式)」を参照してください。
ポート情報インポート設定方式については,「20.8.4 ネットワークスイッチ情報の定義(ポート情報インポート設定方式)」を参照してください。
ネットワークスイッチ連携機能では,外部スイッチを介して,異なるネットワークスイッチに接続されたサーバモジュールに切り替えることができます。
内蔵スイッチ,外付スイッチのネットワークスイッチ間の接続を有効にするには,予備系サーバモジュールを接続したネットワークスイッチと外部スイッチ間のタグポートに,あらかじめ現用系サーバモジュールと同じVLAN IDを設定します。
次の図に,ネットワークスイッチ間接続の設定例を示します。
図20-13 ネットワークスイッチ間接続の設定例
ここでは,ネットワークスイッチのポート設定を変更するときの注意事項を示します。
N+1/N+Mコールドスタンバイの切り替えをするために,ネットワークスイッチのポート設定を変更する場合は,切り替えの事前確認をするときに,切り替え後のネットワークアクセスが正常であることを確認してください。
また,予備系サーバモジュールのVLANの設定は変更しないでください。設定を変更した場合はデフォルト設定に戻してください。
SMP構成を組んだサーバモジュールに対して,N+1/N+Mコールドスタンバイの切り替えおよび復帰をする場合,パーティションを構成するすべてのサーバモジュールに対して,接続するポート情報を定義してください。
N+1/N+Mコールドスタンバイの切り替え時には,切り替え元のパーティションを構成するすべてのサーバモジュールのポート情報が,切り替え先に移行されます。
BS320搭載のサーバモジュールは2種類のLANデバイスを搭載しており,各LANデバイスには二つのLANポートがあります。そのため,合計4ポートが内蔵スイッチに接続されます。また,BS320では標準LAN構成および拡張LAN構成が設定されており,標準LAN構成には2ポート,拡張LAN構成ではすべてのLANポートが使用できます。引き継ぎ対象ポートは,標準LAN構成,拡張LAN構成のどちらの場合でもすべての接続ポートが引き継がれます。
現用系サーバモジュールと予備系のサーバモジュールのSVP数は,同じにしてください。SVP数が異なる場合は,N+1/N+Mコールドスタンバイの切り替えができません。
また,SVPを二重化した場合は,現用系サーバモジュールと予備系サーバモジュールで,切り替え対象のネットワークスイッチ情報の定義順を一致させてください。ネットワークスイッチ情報を定義した順序で,現用系サーバモジュールおよび予備系サーバモジュールのスイッチ情報が切り替えられます。
N+1/N+Mコールドスタンバイ切り替えおよび復帰を行うサーバモジュールと同一シャーシ内にN+Mコールドスタンバイ切り替えおよび復帰中のサーバモジュールがあった場合,ネットワークスイッチの設定に失敗することがあります。
このような場合,障害アラート(0x3725)が通知され,N+Mコールドスタンバイの処理が継続されます。
ネットワークスイッチの切り替え処理で警告アラートが通知された場合は,ネットワークスイッチの切り替えに失敗している可能性があるので,必ずJP1/Cm2/NCのネットワークスイッチの設定状態を確認してください。
予備系サーバモジュールが接続するネットワークスイッチのポートに,引き継ぎ対象となるネットワークスイッチ情報が設定されている場合,N+1/N+Mコールドスタンバイ切り替え・復帰時のポート設定の移行が次のようになります。