22.11 HVM構成管理機能の注意事項

HVM構成管理機能を使用する上での注意事項を次に示します。

<この節の構成>
(1) 仮想NICシステム番号と仮想NICのMACアドレスの変更について
(2) HVM識別子の変更について
(3) 複数のマネージャサービスからのHVMの設定変更について
(4) BSMとHVMスクリーンからのHVMの設定変更について
(5) HVMのManagement Pathの設定について

(1) 仮想NICシステム番号と仮想NICのMACアドレスの変更について

仮想NICシステム番号の変更は,HVMの初回設定時またはクローニング後の初期値変更時だけ実施することをお勧めします。仮想NICシステム番号を変更した場合は,仮想NICのMACアドレスの設定によって仮想NICのMACアドレスが次のように設定されます。

仮想NICのMACアドレスの設定がDefaultの場合
仮想NICシステム番号を変更することで,仮想NICのMACアドレスが自動的に変更されます。このため,LPAR上で稼働するサーバが使用するMACアドレスが変更されます。MACアドレスの変更がLPAR上で動作するOSやアプリケーションに影響する場合があるので,LPARの環境構築後は仮想NICシステム番号を変更しないことをお勧めします。
なお,クローニングを使用する場合,仮想NICのMACアドレスの設定をDefaultにしておくことで,仮想NICシステム番号を変更するだけで仮想NICのMACアドレスを一意に設定できるため,仮想NICのMACアドレスの設定をDefaultにすることをお勧めします。
仮想NICのMACアドレスの設定がDefault以外の場合
仮想NICシステム番号を変更しても,仮想NICのMACアドレスは変更されません。
例えば,クローニング元の仮想NICのMACアドレスがDefault以外に設定されている場合,クローニング後に仮想NICシステム番号を変更しても,仮想NICのMACアドレスが自動では変更されません。このため,仮想NICのMACアドレスを変更しないと,クローニング元とクローニング先のLPARで仮想NICのMACアドレスが同じになり,システムに支障が出る場合があります。この場合は仮想NICのMACアドレスを手動で変更してください。

なお,仮想NICのMACアドレスを変更した場合は,エージェントサービスを起動する前に,変更後のMACアドレスについてTCPセグメンテーションオフロード機能が無効になっていることを確認してください。

エージェントサービスが起動するときにTCPセグメンテーションオフロード機能が有効に設定されていると,マネージャサービスとエージェントサービス間で正しく通信できないおそれがあります。この場合は次の手順でサービスを再起動してください。

  1. エージェントサービスを停止する
  2. マネージャサービスを再起動する
  3. エージェントサービスを再起動する

(2) HVM識別子の変更について

HVM識別子を変更すると,HVMと連携するすべてのマネージャサービスに,変更前のHVMの登録情報と変更後のHVMの登録情報が登録されます。HVM識別子を変更する場合,HVM識別子を変更した後で,該当HVMを管理しているすべてのマネージャサービスに接続し,変更前のHVM情報を手動で削除してください。

なお,HVM識別子の変更は,HVMを最初に設定するとき,またはクローニング後の初期値を変更するときだけ実施することをお勧めします。

(3) 複数のマネージャサービスからのHVMの設定変更について

同時に複数のマネージャサービスからHVM構成管理機能を使用してHVM構成を設定すると,[HVM構成管理]ウィンドウの表示内容と実際の設定情報とで整合性が取れなくなることがあります。HVM構成管理機能を複数のマネージャサービスから使用しないでください。

(4) BSMとHVMスクリーンからのHVMの設定変更について

同時にBSMとHVMスクリーンとを併用してHVM構成を設定すると,BSMの[HVM構成管理]ウィンドウの表示内容と実際の設定情報とで整合性が取れなくなることがあります。BSMとHVMスクリーンとを同時に操作しないでください。

(5) HVMのManagement Pathの設定について

HVMのManagement Pathの設定は,デフォルトのまま使用することをお勧めします。HVMのManagement Pathをデフォルトのパス以外に設定している場合,LPARモードで運用中の物理パーティションのSMP構成を縮小すると,管理コンソールからHVM構成管理機能が使用できなくなることがあります。