15.9.1 管理サーバをクラスタ運用する場合の注意事項

<この項の構成>
(1) マネージャサービスで障害が発生した場合
(2) フェイルオーバー中のSVPアラート通知
(3) フェイルオーバー中のアラートアクションサービス
(4) N+1/N+Mコールドスタンバイ実施中のフェイルオーバー
(5) N+1冗長化構成とクラスタシステム
(6) 管理サーバの電源を操作する場合

(1) マネージャサービスで障害が発生した場合

実行系サーバのマネージャサービスでファイル更新中やレジストリ更新中に障害が発生して,マネージャサービスが停止した場合,フェイルオーバーが発生します。このとき,ファイル情報が壊れていたり,レジストリが更新できていなかったりすると,切り替えが実施されても,マネージャサービスが起動しない場合があります。

(2) フェイルオーバー中のSVPアラート通知

フェイルオーバー中はマネージャサービスが停止します。このときにSVPで発生したアラートは,マネージャサービスとSVPが再接続した時点でマネージャサービスに通知されます。ただし,フェイルオーバーに時間が掛かった場合,マネージャサービスがSVPアラートを受け取れないことがあります。管理対象サーバのSVPログを採取し,マネージャサービス停止中にアラートが発生していないか確認してください。

(3) フェイルオーバー中のアラートアクションサービス

フェイルオーバー実行中にアラートが通知された場合,マネージャサービスが停止中のため,アラートアクションサービスで登録されたプログラムは起動できません。

(4) N+1/N+Mコールドスタンバイ実施中のフェイルオーバー

N+1/N+Mコールドスタンバイの切り替え処理または復帰処理の実施中にフェイルオーバーが発生した場合,マネージャサービスがいったん停止するため,N+1/N+Mコールドスタンバイが失敗します。N+1/N+Mコールドスタンバイに失敗した場合は,次の個所を参照して復旧してください。

(5) N+1冗長化構成とクラスタシステム

N+1冗長化構成のクラスタ構成への移行,およびクラスタ構成からN+1冗長化構成への移行はできません。また,N+1冗長化構成にしているマネージャサービスをそれぞれクラスタ構成にすることもできません。

クラスタ構成で使用していたマネージャサービスをアンインストールしないでN+1冗長化構成として使用したい場合は,クラスタ構成を解除してからN+1冗長化構成を構築してください。

(6) 管理サーバの電源を操作する場合

管理サーバの電源を操作する場合は,次の手順で操作してください。

(a) 電源をOFFにする場合
  1. 管理コンソールから[N+1コールドスタンバイ詳細設定]ウィンドウを表示し,現用系および予備系サーバモジュールが切り替え実行中またはコールドスタンバイ実行中でないことを確認する
  2. 実行系サーバのマシンにログインする
  3. クラスタアドミニストレータを起動する
  4. マネージャサービスが登録されているクラスタグループを選択する
    この例では,BSMグループを選択します。
  5. 汎用サービスリソースを選択し,[ファイル]メニューから[オフラインにする]を選択する
    この例では,BladeServerManagerをオフラインにします。
  6. 汎用サービスリソースがオフラインになったことを確認する
  7. 待機系サーバの電源をOFFにする
  8. 実行系サーバの電源をOFFにする

Windows Server 2008の場合

Windows Server 2008の場合は,次の手順に従って汎用サービスリソースをオフラインにしてください。

  1. 管理コンソールから[N+1コールドスタンバイ詳細設定]ウィンドウを表示し,現用系および予備系サーバモジュールが切り替え実行中またはコールドスタンバイ実行中でないことを確認する
  2. 実行系サーバのマシンにログインする
  3. フェールオーバークラスタ管理を起動する
  4. クラスタの下の「サービスとアプリケーション」からクラスタ名を選択する
    この例では,「BSM2008.test.local」の下の「サービスとアプリケーション」から,「BladeServerManager」を選択します。
  5. 右ペインの汎用サービスリソースを右クリックし,[このリソースをオフラインにする]を選択する
    この例では,SM_MgrSvcをオフラインにします。
  6. 汎用サービスリソースがオフラインになったことを確認する
  7. 待機系サーバの電源をOFFにする
  8. 実行系サーバの電源をOFFにする
(b) 電源をONにする場合
  1. 電源をOFFにしたときに実行系サーバだったマシンの電源をONにする
  2. 電源をOFFにしたときに待機系サーバだったマシンの電源をONにする
  3. 実行系サーバでクラスタアドミニストレータを起動する
  4. マネージャサービスが登録されているクラスタグループを選択する
    この例では,BSMグループを選択します。
  5. 汎用サービスリソースを選択し,[ファイル]メニューから[オンライン]を選択する
    この例では,BladeServerManagerをオンラインにします。

Windows Server 2008の場合

Windows Server 2008の場合は,次の手順に従って汎用サービスリソースをオンラインにしてください。

  1. 電源をOFFにしたときに実行系サーバだったマシンの電源をONにする
  2. 電源をOFFにしたときに待機系サーバだったマシンの電源をONにする
  3. 実行系サーバでフェールオーバークラスタ管理を起動する
  4. クラスタの下の「サービスとアプリケーション」からクラスタ名を選択する
    この例では,「BSM2008.test.local」の下の「サービスとアプリケーション」から,「BladeServerManager」を選択します。
  5. 右ペインの汎用サービスリソースを右クリックし,[このリソースをオンラインにする]を選択する
    この例では,SM_MgrSvcをオンラインにします。