クラスタシステムでControl Managerを運用中に物理ホストで障害が発生した場合,MSCSによってフェイルオーバーが実行されます。フェイルオーバーの実行によって物理ホストが切り替えられる例を次の図に示します。
図4-1 フェイルオーバーの実行による物理ホストの切り替え例
業務を実行中のサーバを現用系ノード,現用系の障害時に業務を引き継げるよう待機しているサーバを予備系ノードといいます。クラスタソフトによっては,現用系のことを実行系,予備系のことを待機系ということがあります。また,論理ホスト名に割り当てられるIPアドレスを論理IPアドレスといいます。
MSCSは現用系(実行系)ノード上の物理ホストAと,予備系(待機系)ノード上の物理ホストBに,仮想的なサーバである論理ホストCを割り当てます。Control Managerの機能を利用するユーザーからは,物理ホストAおよび物理ホストBは意識されないで,論理ホストCだけが意識されます。現用系(実行系)ノードおよび予備系(待機系)ノードから共有で利用されるリソースはMSCSにリソースグループとして登録して,共有ディスクに格納しておきます。
障害が発生するまでは,物理ホストA上のControl Managerが動作し,物理ホストB上のControl Managerは動作しないで待機しています。なお,動作中のControl Managerの稼働状態は,それぞれのホストで稼働しているMSCSのハートビートによって監視されています。
この構成で物理ホストAに障害が発生した場合,MSCSによって次の処理が実行されます。