6.1.5 情報更新およびBSMとの接続監視

BSMとControl Managerとで情報の不一致を起こさないようにするため,BSM登録時およびControl Manager起動時に管理対象サーバの情報を取得します。また,定期的にBSMとの接続状況を監視し,切断時には再接続を実行することでもBSMとControl Manager間の情報の不一致を防ぎます。

情報取得およびBSMとの再接続に成功したのか失敗したのかは,イベントログに出力して確認できます。イベントログに出力する項目は,オプションファイルで指定できます。

この機能は,次のバージョンが対象となります。

<この項の構成>
(1) 情報取得の契機とBSMとの接続監視
(2) オプションファイルの設定
(3) イベントログに出力されるメッセージの一覧

(1) 情報取得の契機とBSMとの接続監視

情報取得の契機とBSMとの接続監視の概要を次の表に示します。

表6-5 情報取得の契機とBSMとの接続監視の概要

項番契機機能概要
1bsmcnfinfo -add,-chgコマンドでBSMを登録したとき
  • Agentが起動している管理対象サーバの情報を取得。
  • BladeServerのパーティション情報を取得(※)
2Control Manager起動時
  • Agentが起動している管理対象サーバの情報を取得。
  • BladeServerのパーティション情報を更新(※)
3BSMとの通信切断時
  • 10分間隔でBSMとの接続状態を確認し,切断されていた場合,自動的に接続を試みます。
注※
BSMコンソールでサーバシャーシを登録した場合と同じ動作になります。

(2) オプションファイルの設定

各契機で情報を更新するかどうか,また各処理の結果をイベントログに出力するかどうかは,オプションファイルで指定できます。オプションファイルはWindowsのINIファイル形式で,セクション名,キー名,および設定値を設定します。オプションファイルの設定内容は,Control Manager起動時に有効になります。設定を変更した場合,Control Managerを再起動してください。

ここでは,オプションファイルの格納場所,設定項目,および設定値について説明します。

(a) オプションファイル格納場所

オプションファイルは次に示すパスに作成してください。

C:¥Program Files¥HITACHI¥ServerConductor¥ControlManager¥conf¥AutoUpdate.ini

※C:¥Program Filesはデフォルト設定でインストールした場合です。インストール時の設定にあわせ読み替えてください。

インストール時,上記のフォルダにAutoUpdate.ini.sampleファイルが作成されます。AutoUpdate.ini.sampleファイルをコピーおよびリネームして使用してください。なお,以前のバージョンで設定ファイルを作成していた場合は,設定ファイルの内容が引き継がれます。

(b) オプションファイルの設定内容

オプションファイルの設定項目と設定値について次の表に示します。

表6-6 オプションファイルの設定項目と設定値

セクション名キー名意味(設定値)
bsmcnfinfoUpdateAgentInfobsmcnfinfoコマンド実行時に,稼働中のAgent情報を更新する/しないを設定します。
(0:更新しない,1:更新する
UpdatePartitionInfobsmcnfinfoコマンド実行時に,BladeServerのパーティション情報を更新する/しないを設定します。情報を更新する場合,BSMでサーバシャーシの登録を実行します。
(0:更新しない,1:更新する
ReEntChassisLogSuccessパーティション情報を更新する場合に,サーバシャーシの登録処理成功のメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
ReEntChassisLogErrorパーティション情報を更新する場合に,サーバシャーシの登録処理失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:出力する
UpdateNodeMapSuccessbsmcnfinfoコマンド実行時に,BSMの管理対象一覧取得成功を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
UpdateNodeMapErrorbsmcnfinfoコマンド実行時に,BSMの管理対象一覧取得失敗を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:出力する
cmstartUpdateAgentInfoControl Manager起動時に,稼働中のAgent情報を更新する/しないを設定します。
(0:更新しない,1:更新する
UpdatePartitionInfoControl Manager起動時に,BladeServerのパーティション情報を更新する/しないを設定します。情報を更新する場合,BSMでサーバシャーシの登録を実行します。
(0:更新しない,1:更新する
ReEntChassisLogSuccessパーティション情報を更新する場合に,サーバシャーシの登録処理成功のメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
ReEntChassisLogErrorパーティション情報を更新する場合に,サーバシャーシの登録処理失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:出力する
UpdateNodeMapSuccessControl Manager起動時に,BSMの管理対象一覧取得成功を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
UpdateNodeMapErrorControl Manager起動時に,BSMの管理対象一覧取得失敗を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:出力する
BsmLoginLogSuccessControl Manager起動時に,BSMとの接続成功を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
BsmLoginLogErrorControl Manager起動時に,BSMとの接続失敗を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:出力する
bsmcheckIsAliveBSMとの接続監視を実行する/しないを設定します。
(0:実行しない,1:実行する
IsAliveLogSuccess接続監視処理で接続中と判定したことを示すメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
IsAliveLogError接続監視処理で接続断と判定したことを示すメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:種類を警告で出力する,2:種類をエラーで出力する)
BsmLoginLogSuccess接続断と判定した場合の,BSMとの再接続処理成功を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
0:出力しない,1:出力する)
BsmLoginLogError接続断と判定した場合の,BSMとの再接続処理失敗を示すメッセージを出力する/しないを設定します。
(0:出力しない,1:出力する
(凡例)
下線:ファイルが存在しない場合や無効な値が設定された場合,下線の値(推奨設定)が設定されたものとして動作します。
設定値には数値以外を設定しないでください。意図しない動作をする原因になります。例えば,Aや0Aと指定した場合,0が指定されたものとして動作することがあります。

(c) オプションファイルの設定例

オプションファイルの設定例を次に示します。

[bsmcnfinfo]
UpdateAgentInfo        = 1
UpdatePartitionInfo    = 1
ReEntChassisLogSuccess = 0
ReEntChassisLogError   = 1
UpdateNodeMapSuccess   = 0
UpdateNodeMapError     = 1

[cmstart]
UpdateAgentInfo        = 1
UpdatePartitionInfo    = 1
ReEntChassisLogSuccess = 0
ReEntChassisLogError   = 1
UpdateNodeMapSuccess   = 0
UpdateNodeMapError     = 1
BsmLoginLogSuccess     = 0
BsmLoginLogError       = 1

[bsmcheck]
IsAlive                = 1
IsAliveLogSuccess      = 0
IsAliveLogError        = 1
BsmLoginLogSuccess     = 0
BsmLoginLogError       = 1

(d) 本機能の対象外のバージョンと同じ動作にする場合

オプションファイル(AutoUpdate.ini)が存在しない状態での動作は,本機能の対象バージョンと対象外のバージョンで異なります。対象バージョンでの動作を対象外のバージョンと同じ動作にする場合は,次の内容でオプションファイルを作成してください。本機能の対象バージョンのデフォルト動作で問題ない場合は,オプションファイルを作成する必要はありません。

[bsmcnfinfo]
UpdateAgentInfo        = 1
UpdatePartitionInfo    = 0
ReEntChassisLogSuccess = 0
ReEntChassisLogError   = 0
UpdateNodeMapSuccess   = 0
UpdateNodeMapError     = 0

[cmstart]
UpdateAgentInfo        = 0
UpdatePartitionInfo    = 0
ReEntChassisLogSuccess = 0
ReEntChassisLogError   = 0
UpdateNodeMapSuccess   = 0
UpdateNodeMapError     = 0
BsmLoginLogSuccess     = 0
BsmLoginLogError       = 0

[bsmcheck]
IsAlive                = 0
IsAliveLogSuccess      = 0
IsAliveLogError        = 0
BsmLoginLogSuccess     = 0
BsmLoginLogError       = 0

(3) イベントログに出力されるメッセージの一覧

イベントログに出力されるメッセージと対処方法を次の表に示します。

表6-7 イベントログに出力されるメッセージの一覧

メッセージIDメッセージ対処方法
KASN72301-IBSMへのログインに成功しました。
(X)
XはBSMのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN72302-WBSMへのログインに失敗しました。
(X,Y)
XはBSMのIPアドレス,Yは内部コードを示します。
BSMへの接続に失敗したことを示します。
このメッセージが記録された場合,Control ManagerがインストールされているサーバとBSMがインストールされているサーバが通信可能な状態であるか,またBSMが起動しているかを確認し,bsmcnfinfo -chgコマンドでBSMの情報を登録し直してください。
変更前のIPアドレスと変更後のIPアドレスに同じIPアドレスを指定することで,再登録が実行されます。このときコマンドがエラーになる場合や,KASN73102-Wが出力される場合は,BSMおよびControl Managerを再起動してからコマンドを実行してください。
KASN73101-IBSMの管理対象情報取得に成功しました。
(X)
XはBSMのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN73102-WBSMの管理対象情報取得に失敗しました。
(X,Y)
XはBSMのIPアドレス,Yは内部コードを示します。BSMからの管理対象情報一覧取得に失敗したことを示します。このメッセージが記録された場合,Control ManagerがインストールされているサーバとBSMがインストールされているサーバが通信可能な状態であるか,またBSMが起動しているかを確認し,bsmcnfinfo -chgコマンドでBSMの情報を登録し直してください。
変更前のIPアドレスと変更後のIPアドレスに同じIPアドレスを指定することで,再登録が実行されます。このときコマンドがエラーになる場合や,KASN73102-Wが出力される場合は,BSMおよびControl Managerを再起動してからコマンドを実行してください。
KASN73201-Iサーバシャーシの再登録に成功しました。
(X)
XはサーバシャーシのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN73202-Wサーバシャーシの再登録に失敗しました。
(X,Y)
XはサーバシャーシのIPアドレス,Yは内部コードを示します。
パーティション情報更新のためのサーバシャーシ再登録処理に失敗したことを示します。
このメッセージが記録された場合,BSMコンソールを使用して,該当のサーバシャーシを再登録してください。このとき,サーバシャーシの登録を削除する必要はありません。※1
KASN72401-IBSMの管理対象情報取得に成功しました。
(X)
XはBSMのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN72402-WBSMの管理対象情報取得に失敗しました。
(X,Y)
XはBSMのIPアドレス,Yは内部コードを示します。
BSMからの管理対象情報一覧取得に失敗したことを示します。
このメッセージが記録された場合,Control ManagerがインストールされているサーバとBSMがインストールされているサーバが通信可能な状態であるか,またBSMが起動しているかを確認し,bsmcnfinfo -chgコマンドでBSMの情報を登録し直してください。
変更前のIPアドレスと変更後のIPアドレスに同じIPアドレスを指定することで,再登録が実行されます。このときコマンドがエラーになる場合や,KASN73102-Wが出力される場合は,BSMおよびControl Managerを再起動してからコマンドを実行してください。
KASN72501-I※2サーバシャーシの再登録に成功しました。
(X)
XはサーバシャーシのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN72502-W※2サーバシャーシの再登録に失敗しました。
(X,Y)
XはサーバシャーシのIPアドレス,Yは内部コードを示します。
パーティション情報更新のためのサーバシャーシ再登録処理に失敗したことを示します。
このメッセージが記録された場合,BSMコンソールを使用して,該当のサーバシャーシを再登録してください。このとき,サーバシャーシの登録を削除する必要はありません。※1
KASN72201-IBSMの接続監視の結果,接続中と判定しました。
(X)
XはBSMのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN72202-W
または
KASN72203-E※3
BSMの接続監視の結果,接続断と判定しました。
(X,Y)
XはBSMのIPアドレス,Yは内部コードを示します。
BSMの接続監視で接続断と判定したことを示します。
このメッセージが記録された場合,Control ManagerがインストールされているサーバとBSMがインストールされているサーバが通信可能な状態であるか,またBSMが起動しているかを確認し,bsmcnfinfo -chgコマンドでBSMの情報を登録し直してください。
変更前のIPアドレスと変更後のIPアドレスに同じIPアドレスを指定することで,再登録が実行されます。このときコマンドがエラーになる場合や,KASN73102-Wが出力される場合は,BSMおよびControl Managerを再起動してからコマンドを実行してください。
KASN72F01-IBSMへのログインに成功しました。
(X)
XはBSMのIPアドレスを示します。
対処は必要ありません。
KASN72F02-WBSMへのログインに失敗しました。
(X,Y)
XはBSMのIPアドレス,Yは内部コードを示します。
BSMへの接続に失敗したことを示します。
このメッセージが記録された場合,Control ManagerがインストールされているサーバとBSMがインストールされているサーバが通信可能な状態であるか,またBSMが起動しているかを確認し,bsmcnfinfo -chgコマンドでBSMの情報を登録し直してください。
変更前のIPアドレスと変更後のIPアドレスに同じIPアドレスを指定することで,再登録が実行されます。このときコマンドがエラーになる場合や,KASN73102-Wが出力される場合は,BSMおよびControl Managerを再起動してからコマンドを実行してください。
注※1
BSMまたはAgentの操作が不可能な場合,情報更新機能を利用して情報を更新することも可能です。
注※2
パーティション情報更新アラートを受け取るために,BSMコンソールでサーバシャーシを登録した場合と同じ処理を実行します。
注※3
接続監視処理で接続断と判定した場合のイベントログ出力について,「警告」か「エラー」の種類を選択できます。