JP1/ServerConductorでは,Server Manager,BSMおよびDPMによって,システム内の管理対象サーバの運用管理,障害管理およびデプロイメント制御を実行します。Control Managerは,これらの管理をまとめて実行するための機能を持っています。
JP1/ServerConductorで管理しているシステム内に複数の管理サーバがある場合でも,各管理サーバで管理している管理対象サーバのIPアドレス,OSのバージョン,ファンの状態などのインベントリ情報をControl Managerで取得し,Webコンソールで参照できます。また,取得した情報を基に,Control Managerのコマンドを利用して,管理対象サーバの中から条件に合うサーバを検索できます。
Control Managerでの資産情報の統合管理を次の図に示します。
図1-2 Control Managerでの資産情報の統合管理
管理対象サーバの電源ON,電源OFF,リブート,シャットダウンをControl Managerのコマンドを利用して実行できます。管理対象サーバの電源制御は,コマンドだけでなくJP1/AJS2 - Scenario Operationのシナリオテンプレートでも実行できます。
DPMでは,サーバの導入や管理に掛かるコストや時間の低減を図るため,サービスパックの適用,バックアップとリストアなどのソフトウェア配布機能を持っています。Control ManagerはDPMと連携することで,管理対象サーバへのソフトウェア配布を一括管理できます。
Control Managerから管理対象サーバにソフトウェアを配布するには,コマンドまたはDPMシナリオを利用します。DPMシナリオとは,OSをインストールするためのコマンドやアプリケーションを設定するためのスクリプトファイルを実行する手順を定義した,DPM専用のファイルです。Control ManagerはDPMシナリオを実行することで,ソフトウェアを配布するための一連の操作を自動的に実行できます。
DPMと連携したソフトウェアの配布管理の概要を次の図に示します。
図1-3 DPMと連携したソフトウェアの配布管理の概要
SANブート構成とは,業務に必要なOSやソフトウェアなどをサーバモジュールに接続した外部のストレージサブシステム内のディスクに格納し,そこからシステムを起動する構成です。
SANブート構成のシステムのサーバに対してDPMシナリオ(デプロイ,バックアップ,およびリストア)を実行する場合,事前にサーバに割り当てられた複数のディスクを一つに制限する必要があります。また,DPMシナリオ実行後,ディスク割り当てを元の状態に戻す必要があります。
Control Managerでは,ディスク割り当て一時解除およびディスク割り当て復帰を実行するコマンド(DPM支援機能)を提供します。これらのコマンドは,BSM Plusが提供するストレージ運用支援機能を使用します。
SANブート構成に対するDPMシナリオ実行の流れを次の図に示します。
図1-4 SANブート構成に対するDPMシナリオの実行
Control Managerでは,BSM Plusが提供するSMP構成管理機能を,Control Managerのコマンドから実行できます。SMP構成管理機能は,BladeSymphonyで業務を運用している処理要件に応じて,サーバモジュールの構成を柔軟に変更できます。
Control Managerでは,SMP構成管理機能を利用するために,次に示すコマンドを用意しています。
また,JP1/AJS2 - Scenario Operationのシナリオテンプレートにシステムの運用を定義することによって,SMP構成を変更することもできます。
Control Managerでは,BSM Plusが提供するN+1コールドスタンバイ構成に対する操作をコマンドで実行できます。N+1コールドスタンバイは,BladeSymphonyを使用して業務運用を行っているサーバモジュールに障害が発生した場合,現用系サーバモジュール(業務サーバモジュール)を予備系サーバモジュールに切り替える機能です。
Control Managerでは,N+1コールドスタンバイ機能を利用するために,次に示すコマンドを用意しています。
N+1コールドスタンバイ機能の詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Blade Server Manager系 システム管理者ガイド」を参照してください。
Control Managerは,MSCS(Microsoft Cluster Service)に対応しています。Control Managerをクラスタ構成にしておくと,片方のホストで障害が発生したときにControl Managerが動作するホストを自動的に切り替えて,Control Managerのサービスを継続して利用できます。
ただし,MSCSに対応したクラスタシステムを運用する場合,次に示す制限があります。