管理対象サーバのパーティション状態が更新されたり,N+1グループにホストが追加されたりした場合に,情報更新に成功したのか失敗したのかをイベントログに出力して確認できます。イベントログに出力する項目は,オプションファイルで指定できます。
この機能は,次のバージョンが対象となります。
情報更新の契機と更新の概要を次の表に示します。
表6-2 情報更新の契機と更新の概要
項番 | 契機 | 情報更新概要 | 重要度 |
---|---|---|---|
1 | パーティション情報更新 | Blade Serverのパーティション状態が更新された場合に実行されます。OS情報がない状態でのサーバ情報の登録や,Bladeの抜去に伴う情報削除などが行われます。 N+1を利用している場合,切り替え先のサーバについて,この情報更新によりサーバ情報(MACアドレス)が登録されている必要があります。 | ○ |
2 | ノード状態の更新 | Agent起動時の情報更新などが該当します。OS情報(ホスト名やIPアドレスなど)を更新します。 一部の運用コマンドについて,対象とするサーバは,この情報更新によりOS情報(IPアドレス)が登録されている必要があります。 | ○ |
3 | N+1切り替え成功 | N+1コールドスタンバイの切り替えに成功した場合,現用系サーバで動作していたホストの情報の一部を予備系サーバに一時的に移し変えます。この後,予備系サーバでAgentが起動した段階で正しい情報に更新されます。 情報の更新に失敗した場合,コマンドの実行対象サーバを間違えるおそれがあります。 | ○ |
4 | N+1復帰成功 | N+1コールドスタンバイの復帰に成功した場合,予備系サーバで動作していたホストの情報の一部を現用系サーバに一時的に移し変えます。この後,現用系サーバでAgentが起動した段階で正しい情報に更新されます。 情報の更新に失敗した場合,コマンドの実行対象サーバを間違えるおそれがあります。 | ○ |
5 | N+1予備解除成功 | N+1コールドスタンバイで,「予備系を現用系とする」操作を実行したことに対して,N+1グループの登録情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はN_1_STATUSです。 | △ |
6 | N+1グループホスト追加 | BSMでN+1グループにホストを追加したことに対して情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はN_1_GROUPとN_1_STATUSです。 | △ |
7 | N+1グループホスト削除 | BSMでN+1グループからホストを削除したことに対して情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はN_1_GROUPとN_1_STATUSです。 | △ |
8 | N+1グループ削除 | BSMでN+1グループを削除したことに対して情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はN_1_GROUPとN_1_STATUSです。 | △ |
9 | N+1グループ名変更 | BSMでN+1グループ名を変更したことに対して情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はN_1_GROUPです。 | △ |
10 | LU割り当て完了 | LUの割り当てが完了したことに対して情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はALLOCATION_DISKです。 | △ |
11 | LU割り当て解除 | LUの割り当てが解除されたことに対して情報を更新します。 関連するjscmgetpropertyコマンドの出力項目はALLOCATION_DISKです。 | △ |
情報更新結果をイベントログに出力する項目は,オプションファイルで指定できます。オプションファイルはWindowsのINIファイル形式で,セクション名,キー名,および設定値を設定します。オプションファイルの設定内容は,Control Manager起動時に有効になります。設定を変更した場合,Control Managerを再起動してください。
ここでは,オプションファイルの格納場所,設定項目,および設定値について説明します。
オプションファイルは次に示すパスに作成してください。
C:¥Program Files¥HITACHI¥ServerConductor¥ControlManager¥conf¥EventLog.ini ※C:¥Program Filesはデフォルト設定でインストールした場合です。インストール時の設定にあわせ読み替えてください。 |
インストール時,上記のフォルダにEventLog.ini.sampleファイルが作成されます。EventLog.ini.sampleファイルをコピーおよびリネームして使用してください。なお,以前のバージョンで設定ファイルを作成していた場合は,設定ファイルの内容が引き継がれます。
オプションファイルの設定項目と設定値について次の表に示します。
表6-3 オプションファイルの設定項目と設定値
セクション名 | キー名 | 意味(設定値) |
---|---|---|
EventLog | PartitionUpdate_Success | パーティション情報更新に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) |
PartitionUpdate_Err | パーティション情報更新に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:種類を警告で出力する,2:種類をエラーで出力する) | |
PartitionNotUpdate_Info | パーティション情報更新に対する情報更新処理を実行しないのメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Startupos_Success | ノード状態の更新に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Startupos_Err | ノード状態の更新に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:種類を警告で出力する,2:種類をエラーで出力する) | |
Switch_Success | N+1切り替え成功に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Switch_Err | N+1切り替え成功に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:種類を警告で出力する,2:種類をエラーで出力する) | |
Recover_Success | N+1復帰成功に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Recover_Err | N+1復帰成功に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:種類を警告で出力する,2:種類をエラーで出力する) | |
Activate_Success | N+1予備解除成功に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Activate_Err | N+1予備解除成功に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1addhost_Success | N+1グループホスト追加に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1addhost_Err | N+1グループホスト追加に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1delhost_Success | N+1グループホスト削除に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1delhost_Err | N+1グループホスト削除に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1delgrp_Success | N+1グループ削除に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1delgrp_Err | N+1グループ削除に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1chggrp_Success | N+1グループ名変更に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
N1chggrp_Err | N+1グループ名変更に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Attach_Success | LU割り当て完了に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Attach_Err | LU割り当て完了に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Detach_Success | LU割り当て解除に対する情報更新成功のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) | |
Detach_Err | LU割り当て解除に対する情報更新失敗のメッセージを出力する/しないを設定します。 (0:出力しない,1:出力する) |
オプションファイルの設定例を次に示します。
[EventLog] |
オプションファイル(EventLog.ini)が存在しない状態での動作は,本機能の対象バージョンと対象外のバージョンで異なります。対象バージョンでの動作を対象外のバージョンと同じ動作にする場合は,次の内容でオプションファイルを作成してください。本機能の対象バージョンのデフォルト動作で問題ない場合は,オプションファイルを作成する必要はありません。
[EventLog] |
イベントログに出力されるメッセージと対処方法を次の表に示します。
表6-4 イベントログに出力されるメッセージの一覧
メッセージID | メッセージ | 対処方法 |
---|---|---|
KASN72601-I | Agent情報の更新に成功しました。 (IPアドレス=X) | XはAgentのIPアドレスを示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72602-W または KASN72604-E | Agent情報の更新に失敗しました。 (IPアドレス=X) | XはAgentのIPアドレスを示します。 次のどれかの対処を実行してください。
|
KASN72901-I | パーティション情報更新に成功しました。 (シャーシID=X, パーティション番号=Y) | XはシャーシID,Yはパーティション番号を示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72902-W または KASN72903-E | パーティション情報更新に失敗しました。 (シャーシID=X, パーティション番号=Y) | XはシャーシID,Yはパーティション番号を示します。 BSMコンソールを使用して,該当のサーバシャーシを再登録してください。このとき,該当のサーバシャーシの登録を削除する必要はありません。または,情報更新機能を利用して情報更新を実行してください。 |
KASN72904-I | 次の理由のためパーティション情報を更新しません。 (シャーシID=X, パーティション番号=Y, 理由:Z) | XはシャーシID,Yはパーティション番号,Zは更新しない理由(パーティション状態遷移中/Agent情報登録済み)を示します。 理由に示す内容のため,BSMからのパーティション情報更新通知に対しControl Managerの情報を更新しないことを示します。Zの違いにより次のように対処方法が異なります。
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KASN72E01-I | N+1コールドスタンバイ 切替に成功しました。 (切り替え先のMACアドレス=X, 切り替え元のMACアドレス=Y) | Xは切り替え先(予備系),Yは切り替え元(現用系)サーバのMACアドレスを示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72E02-W または KASN72E07-E | N+1コールドスタンバイ 切替に失敗しました。 (切り替え先のMACアドレス=X, 切り替え元のMACアドレス=Y) | Xは切り替え先(現用系),Yは切り替え元(予備系)サーバのMACアドレスを示します。 BSMではN+1コールドスタンバイに成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。このメッセージが記録された場合,切り替え元および切り替え先のサーバについて次の手順で対処を実行してください。
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KASN72E03-I | N+1コールドスタンバイ 現用復帰に成功しました。 (切り替え先のMACアドレス=X, 切り替え元のMACアドレス=Y) | Xは切り替え先(現用系),Yは切り替え元(予備系)サーバのMACアドレスを示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72E04-W または KASN72E08-E | N+1コールドスタンバイ 現用復帰に失敗しました。 (切り替え先のMACアドレス=X, 切り替え元のMACアドレス=Y) | Xは切り替え先(現用系),Yは切り替え元(予備系)サーバのMACアドレスを示します。 BSMではN+1コールドスタンバイに成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。このメッセージが記録された場合,切り替え元および切り替え先のサーバについて次の手順で対処を実行してください。
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KASN72E05-I | N+1コールドスタンバイ 予備系サーバの現用化に成功しました。 (切り替え先[現用化対象の予備系]のMACアドレス=X , 切り替え元のMACアドレス=Y) | Xは切り替え先(現用化対象の予備系),Yは切り替え元(以前のN+1コールドスタンバイで予備系に切り替わった現用系)サーバのMACアドレスを示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72E06-W | N+1コールドスタンバイ 予備系サーバの現用化に失敗しました。 (切り替え先[現用化対象の予備系]のMACアドレス=X , 切り替え元のMACアドレス=Y) | Xは切り替え先(現用化対象の予備系),Yは切り替え元(以前のN+1コールドスタンバイで予備系に切り替わった現用系)サーバのMACアドレスを示します。 BSMでは「予備系を現用系とする」に成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。このメッセージが記録された場合,現用化対象のサーバでAgentを再起動してください。※ |
KASN72A01-I | N+1グループ ホスト追加に成功しました。 | 対処は必要ありません。 |
KASN72A02-W | N+1グループ ホスト追加に失敗しました。 | BSMではN+1グループへのホスト追加に成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。 このメッセージが記録された場合,BSMで該当時間に実行した操作を調べ,BSMコンソールを使用し,該当サーバの登録を解除して再度登録してください。再登録できない場合,次の方法で情報を更新してください。
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KASN72D01-I | N+1グループ ホスト削除に成功しました。 | 対処は必要ありません。 |
KASN72D02-W | N+1グループ ホスト削除に失敗しました。 | BSMではN+1グループからのホスト削除に成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。 このメッセージが記録された場合,BSMで該当時間に実行した操作を調べ,BSMコンソールを使用し,該当サーバをN+1グループに登録して再度解除します。 解除できない場合,次の方法で情報を更新してください。
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KASN72C01-I | N+1グループ 削除に成功しました。 | 対処は必要ありません。 |
KASN72C02-W | N+1グループ 削除に失敗しました。 | BSMではN+1グループの削除に成功していますがControl Managerの情報の更新に失敗したことを示します。 このメッセージが記録された場合,BSMで該当時間に実行した操作を調べ,該当N+1グループに所属していたすべてのサーバについて,次の方法で情報を更新してください。
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KASN72B01-I | N+1グループ名の変更に成功しました。 | 対処は必要ありません。 |
KASN72B02-W | N+1グループ名の変更に失敗しました。 | BSMではN+1グループのグループ名変更に成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。 このメッセージが記録された場合,BSMで該当時間に実行した操作を調べ,該当N+1グループに所属していたすべてのサーバについて,次の方法で情報を更新してください。
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KASN72701-I | ディスクの割り当てに成功しました。 (シャーシID=X, スロット番号=Y) | XはシャーシID,Yはスロット番号を示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72702-W | ディスクの割り当てに失敗しました。 (シャーシID=X, スロット番号=Y) | XはシャーシID,Yはスロット番号を示します。BSMではディスクの割り当てに成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。 このメッセージが記録された場合,サーバの状態により次のどちらかの方法で情報を更新してください。
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KASN72801-I | ディスクの割り当て解除に成功しました。(シャーシID=X, スロット番号=Y) | XはシャーシID,Yはスロット番号を示します。 対処は必要ありません。 |
KASN72802-W | ディスクの割り当て解除に失敗しました。 (シャーシID=X, スロット番号=Y) | XはシャーシID,Yはスロット番号を示します。 BSMではディスクの割り当て解除に成功していますが,Control Managerの情報の更新に失敗したことを示します。 このメッセージが記録された場合,サーバの状態により次のどちらかの方法で情報を更新してください。
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