10.2 JP1/AJS2 - Scenario OperationとControl Managerとの連携の仕組み

Control ManagerはJP1/AJS2 - Scenario Operationに,管理対象サーバの情報を収集したり,管理対象サーバにOSやサービスパックをデプロイしたりできるシナリオテンプレートを提供しています。これによって,JP1/AJS2 - Scenario Operation側では,シナリオテンプレートにシナリオ変数を定義するだけでシナリオを実行できます。

なお,Control Managerの管理対象サーバにOSのインストール,バックアップ,リストアを実行するシナリオ,および情報収集を実行するシナリオでホットフィックスの情報を収集する場合は,DPMが必要です。DPMと連携し,OSのインストール,バックアップ,リストアを実行するために必要な設定については,「9. DPMと連携したデプロイメント制御」を参照してください。

デプロイ,バックアップ,およびリストア以外のシナリオを実行する場合は,DPMシナリオの作成および登録は必要ありません。Control Managerから実行できるシナリオの種類については,「10.3 Control Managerが提供するシナリオテンプレート」を参照してください。

さらに,Control Managerが提供するシナリオテンプレート,およびCosminexusが提供するシナリオテンプレートを組み合わせると,JP1/AJS2 - Scenario Operationで次のシナリオを作成でき,複雑なミドルウェアの環境構築や障害復旧作業を大幅に軽減できます。

アプリケーションサーバのスケールアウト,スケールイン
スケールアウトとは,システム内で同じ処理を実行するアプリケーションサーバの数を増やして,システムとしての処理性能を上げることです。スケールインとは,処理要件の変更などに応じてシステム内で同じ処理を実行しているアプリケーションサーバの数を減らして,規模を縮小することです。
これらのシナリオを実行することで,システムの処理内容や処理量の変化に柔軟に対応できるシステムを構築,運用できます。
アプリケーションサーバのローリングアップデート
ローリングアップデートとは,動作中のアプリケーションサーバに対してサービスパックやホットフィックスを適用してアップデートするときに,同じ処理を実行しているアプリケーションサーバを順番に停止してアップデートしていくことです。
このシナリオを実行することで,アプリケーションサーバがクライアントに提供しているサービスを停止しないで,サービスパックやホットフィックスを適用できるようになります。
バックアップ用ディスクイメージからの障害復旧
サーバに障害が発生した場合に,あらかじめ用意しておいたバックアップ用のディスクイメージからリストアします。
このシナリオを実行することで,障害復旧に掛かる時間を短縮できます。

シナリオテンプレートを利用してシナリオを作成し,実行するまでのデータの流れは次の図のようになります。

図10-1 JP1/AJS2 - Scenario Operationと連携したシナリオ実行の流れ

[図データ]

注意事項
シナリオテンプレートを利用する場合には,次に示すシナリオテンプレート定義ファイルを,JP1/AJS2 - Scenario Operation Managerに組み込む必要があります。なお,シナリオテンプレート定義ファイルの説明については,シナリオテンプレート定義ファイルと同一フォルダにある「Readme.txt」を参照してください。
<シナリオテンプレート定義ファイル>

<CMパス>¥ScenarioTemplate¥JP1SCControlManager.sjis.xml