6.3.8 監査ログ管理サーバのデータベースをアップグレードする(クラスタシステムの場合)
監査ログ管理サーバでJP1/NETM/Audit - Managerをバージョンアップした場合,監査ログ管理サーバのデータベースをアップグレードする必要があります。
- <この項の構成>
- (1) データベースのアップグレード前の作業
- (2) データベースのアップグレード手順
(1) データベースのアップグレード前の作業
JP1/NETM/Audit - Managerをバージョンアップすると,ローカルディスク上の定義ファイルが更新されます。このため,データベースをアップグレードする前に,手動で定義ファイルをローカルディスクから共有ディスクへコピーする必要があります。
バージョンアップ前のJP1/NETM/Audit - Managerのバージョンによって,アップグレード前の作業内容が異なります。バージョンアップ前のバージョンが08-11以降の場合と08-10の場合の作業手順をそれぞれ説明します。
(a) バージョンアップ前のバージョンが08-11以降の場合(クラスタシステムの場合)
定義ファイルをコピーする作業の手順を次に示します。
- ローカルディスク上のフォルダを共有ディスクへコピーする。
ローカルディスク上のコピー元フォルダおよび共有ディスク上の格納先フォルダを次の表に示します。
表6-3 共有ディスクにコピーするフォルダ
項番 | コピー元フォルダ | 格納先フォルダ |
---|
1 | JP1/NETM/Audit - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥logdef | 共有ディスク¥conf |
2 | JP1/NETM/Audit - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥product |
3 | JP1/NETM/Audit - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥rule |
(b) バージョンアップ前のバージョンが08-10の場合(クラスタシステムの場合)
JP1/NETM/Audit - Managerのバージョンが08-10の場合と08-11以降の場合とで,定義ファイルのフォルダ構成が異なります。したがって,定義ファイルをコピーするほかに,08-11以降の環境に合わせたフォルダ構成に変更する必要があります。
フォルダ構成の変更および定義ファイルをコピーする作業の手順を次に示します。
- 引き継ぎが不要な旧バージョンからのファイルを削除する。
表6-4に示す旧バージョンからの引き継ぎが必要なファイルを除き,引き継ぎが不要なファイルを削除します。なお,正規化ルールファイル,製品定義ファイル,および動作定義ファイルについては,標準サポート外のプログラムの監査ログを取得する場合に作成したファイルが対象となります。
表6-4 アップグレード時に引き継ぎが必要なファイル
項番 | 引き継ぎが必要なファイル | 格納先フォルダ |
---|
1 | alm.conf | 共有ディスク¥conf |
2 | almdbinfo.conf |
3 | almtrapdef.ini |
4 | 正規化ルールファイル(任意.conf) |
5 | 製品定義ファイル(製品名称.conf) |
6 | 動作定義ファイル(admjevlog_製品名称.conf) | 共有ディスク¥conf¥product |
- ローカルディスク上のフォルダを共有ディスクへコピーする。
ローカルディスク上にあるコピー元フォルダと共有ディスク上の格納先フォルダの詳細については,表6-3を参照してください。
- 正規化ルールファイルと動作定義ファイルの格納先フォルダを変更する。
この作業は,標準サポート外の製品の監査ログを取得するためにファイルを作成していた場合に実施します。格納元および格納先フォルダを次の表に示します。
表6-5 正規化ルールファイルと動作定義ファイルの格納元および格納先フォルダ
項番 | 対象ファイル | 格納元フォルダ | 格納先フォルダ |
---|
1 | 正規化ルールファイル(任意.conf) | 共有ディスク¥conf | 共有ディスク¥conf¥rule |
2 | 動作定義ファイル(admjevlog_製品名称.conf) | 共有ディスク¥conf | 共有ディスク¥conf¥logdef |
- 監査ログ管理サーバの[マネージャセットアップ]ダイアログで設定値を確認し,[OK]ボタンをクリックして設定を保存する。
JP1/NETM/Audit - Managerのバージョンアップ後に,[マネージャセットアップ]ダイアログで環境設定を確認してください。内容を確認後,[OK]ボタンをクリックして設定を保存してください。環境設定の変更方法については「6.3.6 監査ログ管理サーバの環境設定をする(クラスタシステムの場合)」を参照してください。また,以前のバージョンとバージョンアップ後で変更になっている項目の環境設定値については「5.12.3 08-10からバージョンアップする場合の注意事項」を参照してください。
(2) データベースのアップグレード手順
バージョンアップ前のJP1/NETM/Audit - Managerのバージョンによって,アップグレード手順が異なります。バージョンアップ前のバージョンが08-11以降の場合と08-10の場合の手順をそれぞれ説明します。
(a) バージョンアップ前のバージョンが08-11以降の場合(クラスタシステムの場合)
実行系サーバおよび待機系サーバでデータベースをアップグレードします。手順を次に示します。
- 実行系サーバ上で,データベースのアップグレードを実施する。
データベースのアップグレード手順については「5.5.8(a) バージョンアップ前のバージョンが08-11以降の場合」を参照してください。
- 実行系サーバ上でadmdbstopコマンドを実行してデータベースを停止する。
次のコマンドを実行します。
admdbstopコマンドの詳細については「12. コマンド」の「admdbstop(データベースの停止)」を参照してください。
- 実行系サーバ上で,クラスタアドミニストレータのHiRDB/ClusterService _AL1サービスのリソースをオフラインにする。
- 実行系サーバ上で,クラスタアドミニストレータの[グループの移動]を選択し,共有ディスクを実行系から待機系に切り替える。
- 待機系サーバ上で,クラスタアドミニストレータのHiRDB/ClusterService _AL1サービスのリソースをオンラインにする。
- 待機系サーバ上で,データベースのアップグレードを実施する。
データベースのアップグレード手順については「5.5.8(a) バージョンアップ前のバージョンが08-11以降の場合」を参照してください。
- 待機系サーバ上で,admdbstopコマンドを実行してデータベースを停止する。
次のコマンドを実行します。
admdbstopコマンドの詳細については「12. コマンド」の「admdbstop(データベースの停止)」を参照してください。
- 待機系サーバ上で,クラスタアドミニストレータのHiRDB/ClusterService _AL1サービスのリソースをオフラインにする。
- 待機系サーバ上で,クラスタアドミニストレータの[グループの移動]を選択し,共有ディスクを待機系から実行系に切り替える。
- 実行系サーバ上で,クラスタアドミニストレータでフェールオーバーさせるサービスのリソースを作成する。
作成するサービスのリソースについては「6.3.9 Microsoft Cluster Serviceでリソースを作成する」を参照してください。
(b) バージョンアップ前のバージョンが08-10の場合(クラスタシステムの場合)
実行系サーバでデータベースをアップグレードし,待機系サーバでデータベースをセットアップします。手順を次に示します。
- 実行系サーバ上で,データベースのアップグレードを実施する。
データベースのアップグレード手順については「5.5.8(b) バージョンアップ前のバージョンが08-10の場合」を参照してください。
なお,バージョンアップ前のバージョンが08-10の場合,アップグレード時にデータベースのシステム定義が更新されます。このため,アップグレード後,手順5で待機系サーバのデータベースのセットアップが完了するまでは,HiRDB/ClusterService _AL1サービスのリソースはオンラインにしないでください。
- 実行系サーバ上でadmdbstopコマンドを実行してデータベースを停止する。
次のコマンドを実行します。
admdbstopコマンドの詳細については「12. コマンド」の「admdbstop(データベースの停止)」を参照してください。
- 実行系サーバ上で,クラスタアドミニストレータのHiRDB/ClusterService _AL1サービスのリソースをオフラインにする。
- 実行系サーバ上で,クラスタアドミニストレータの[グループの移動]を選択し,共有ディスクを実行系から待機系に切り替える。
- 待機系サーバ上で,データベースのセットアップを実施する。
データベースのセットアップ手順については「6.3.7 監査ログ管理サーバのデータベースをセットアップする(クラスタシステムの場合)」を参照してください。
データベースのセットアップ中にデータベースとの接続に失敗した旨のメッセージが表示されますが,そのままセットアップを実施してください。
- 待機系サーバ上で,クラスタアドミニストレータの[グループの移動]を選択し,共有ディスクを待機系から実行系に切り替える。
- 実行系サーバ上で,クラスタアドミニストレータでフェールオーバーさせるサービスのリソースを作成する。
作成するサービスのリソースについては「6.3.9 Microsoft Cluster Serviceでリソースを作成する」を参照してください。