4.4.6 エージェントごとの接続オプションの設定

リモートコントロール機能を利用する環境は,WAN/LAN混在であったり,ダイヤルアップ接続が必要であったりするなど,多様なネットワーク上にエージェントが存在する場合があります。このような場合,ダイヤルアップ接続の有無や高速化オプションなど,適切な接続オプション(接続に関するオプション)がエージェントごとに異なります。しかし,エージェントとの接続オプションはコントローラに設定されているため,このような環境ではエージェントと接続するたびに接続オプションを設定し直すことになります。

この手間を省略するには,[プロパティ]ダイアログボックスを利用して,エージェントごとに適切な接続オプションを設定します。こうすることで,コントローラは接続オプションを変更することなく,エージェントと接続できるようになります。

ここでは,接続オプションの項目と設定方法,および接続オプションの引き継ぎについて説明します。なお,接続オプションは,エージェントなどのアイテムの新規作成時にも,[設定]パネルで設定できます。

<この項の構成>
(1) 接続オプション
(2) 一つのエージェントに接続オプションを設定する
(3) 複数のエージェントへ接続オプションを設定する
(4) 検索エージェントに接続オプションを設定する
(5) リクエストエージェントに接続オプションを設定する
(6) 接続オプションの引き継ぎ

(1) 接続オプション

個々のエージェントに設定できる接続オプションは,コントローラの動作環境で設定した接続に関するオプションと同じです。動作環境の設定では,[プロパティ]ダイアログボックスの[接続]パネル,[高速化]パネル,[モード]パネル,および[ダイヤルアップ]パネルで,接続に関するオプションを設定しています。[エージェントマネージャ]ウィンドウでエージェントごとの接続オプションを設定しない場合は,動作環境で設定した接続に関するオプションが適用されます。

接続オプション項目と動作環境の設定との対応,およびマニュアルでの参照先を次の表に示します。接続オプション項目の詳細については,対応する動作環境の設定項目の説明を参照してください。

表4-5 接続オプションと動作環境の設定の対応

エージェントの接続オプション動作環境の設定での対応個所参照先
接続ポート番号[接続]パネル3.3.1
接続失敗時に再接続する
リブート後に再接続する
自動切断する
高速化データ転送関連転送データを圧縮する[高速化]パネル3.3.2
フロー制御する
高度な設定
  • 転送データの圧縮サイズを指定する
  • ポーリング間隔を指定する
[高速化]パネル,[高度な設定]ダイアログボックス3.3.2(5)
デスクトップ関連壁紙の表示を抑止する[高速化]パネル3.3.2
ウィンドウアニメーションなどを抑止する
アクティブデスクトップのWebページ表示を抑止する
ドラッグ時にウィンドウの内容表示を抑止する
描画処理関連ビットマップを減色する
ビットマップをキャッシュして描画する
ローカルフォントを使用する
マウス操作関連マウス移動をクリック時に送信する
リモートコントロールモード[モード]パネル3.3.3
ダイヤルアップダイヤルアップ接続を使用するリダイヤルする[ダイヤルアップ]パネル,[ダイヤルアップの詳細設定]ダイアログボックス3.3.12
リモートコントロール終了時に切断する
ログオン情報を保存する

(2) 一つのエージェントに接続オプションを設定する

一つのエージェントに接続オプションを設定する方法を次に示します。

  1. 接続オプションを設定するエージェントを選択し,メニューで[ファイル]-[プロパティ]を選択する。
    [プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-52 [プロパティ]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. [設定]パネルで「接続オプションを設定する」のチェックボックスをオンにする。
    接続オプションの設定項目が活性化され,設定できるようになります。「接続オプションを設定する」をオフにした場合は,コントローラで設定した接続オプションが使用されます。デフォルトではオフになっています。
  3. 必要なオプションを設定する。
    接続オプションの各項目については,「(1) 接続オプション」を参照してください。項目によっては,選択すると「詳細設定」欄に詳細設定項目が表示されますので,これらも設定してください。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    選択したエージェントに接続オプションが設定されます。次回以降,ここで設定した接続オプションでエージェントと接続します。

(3) 複数のエージェントへ接続オプションを設定する

複数のエージェントに同じ条件で接続したい場合,一括して接続オプションをできます。複数のエージェントに接続オプションを設定する方法を次に示します。

  1. 接続オプションを設定する複数のエージェントを選択し,メニューで[ファイル]-[プロパティ]を選択する。
    [プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
    このとき,エージェントと一緒にフォルダやネットワークを選択すると,それらのアイコン下のエージェントも設定対象になります。
  2. [設定]パネルで[設定更新]ボタンをクリックする。
    接続オプション設定用の[設定更新]ダイアログボックスが表示されます。
  3. 「接続オプションを設定する」のチェックボックスをオンにする。
    接続オプションの設定項目が活性化され,設定できるようになります。設定方法は,個別のエージェントに設定する場合と同様です。
  4. 必要な接続オプションを設定し,[OK]ボタンをクリックする。
    選択した複数のエージェントに,ここで設定した接続オプションが設定されます。

なお,フォルダ下の複数エージェントに接続オプションを一括設定する場合は,[フォルダ]アイコンを選択して同様の操作をしてください。

(4) 検索エージェントに接続オプションを設定する

ネットワーク検索で検索したエージェントに,特定の接続オプションを設定できます。この場合,検索エージェントではなく,検索に使用したネットワークに対して接続オプションを設定します。[検索エージェント]アイコンには,接続オプションを設定できません。

検索エージェントへの接続オプションの設定方法を次に示します。接続オプションは,検索実行前にも設定できます。

  1. ネットワークを選択し,メニューで[ファイル]-[プロパティ]を選択する。
    [プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [設定]パネルで[設定]ボタンをクリックする。
    [検索エージェントの設定]ダイアログボックスが表示されます。
  3. 「接続オプションを設定する」のチェックボックスをオンにする。
    接続オプションの設定項目が活性化され,設定できるようになります。設定方法は,個別のエージェントに設定する場合と同様です。
  4. 必要な接続オプションを設定し,[OK]ボタンをクリックする。
    検索エージェントに設定する接続オプションが保存されます。次回以降,ネットワーク検索で検索されたエージェントに,ここで設定した接続オプションが適用されます。

(5) リクエストエージェントに接続オプションを設定する

リクエストエージェントからリモートコントロールを開始する場合の,接続オプションを設定できます。この場合,リクエストエージェントではなく,リクエストサーバに対して接続オプションを設定します。[リクエストエージェント]アイコンには,接続オプションを設定できません。

リクエストエージェントへの接続オプションの設定方法を次に示します。接続オプションは,接続要求の受信前でも設定できます。

  1. リクエストサーバを選択し,メニューで[ファイル]-[プロパティ]を選択する。
    [プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [設定]パネルで[設定]ボタンをクリックする。
    [リクエストエージェントの設定]ダイアログボックスが表示されます。
  3. 「接続オプションを設定する」チェックボックスをオンにする。
    接続オプションの設定項目が活性化され,設定できるようになります。設定方法は,個別のエージェントに設定する場合と同様です。
  4. 接続オプションを設定し,[OK]ボタンをクリックする。
    このリクエストサーバに接続したエージェント(リクエストエージェント)に対する接続オプションが設定されます。

(6) 接続オプションの引き継ぎ

エージェントごとに設定した接続オプションは,次のように引き継がれます。