リモートコントロールでエージェントの文書を編集しているとき,エージェントとコントローラで文書間のデータをやり取り(複写,移動)するには,エージェントのクリップボードとコントローラのクリップボードの間で,データを転送する必要があります。転送できるデータの種類は,テキスト,ビットマップ,メタファイル,リッチテキスト形式のファイル,カラーパレット,およびこれらを組み合わせたものです。クリップボードのデータの転送について,概要を次の図に示します。
図4-17 クリップボードのデータの転送
バージョンが05-21以降のエージェントと接続している場合は,クリップボードの自動転送機能を使用して,手動で転送する手間を省くことができます。ただし,自動転送機能を使用すると,クリップボードの内容が更新されるたびに,必要かどうかに関係なくデータが転送されるため,自マシンのクリップボードの内容を把握できなくなったり,データの容量などによっては動作が遅くなったりする場合があります。コントローラ・エージェント間で,データのカット&ペーストを頻繁に繰り返す場合など,手動転送では不便を感じる場合に自動転送機能を使用してください。
クリップボードのデータを手動で転送する場合,および自動転送する場合の操作について次に示します。
クリップボードのデータを手動で転送するには,次の2とおりの方法があります。
それぞれの方法について次に説明します。
転送種別や転送するデータの形式を指定するためのダイアログボックスを表示して転送する方法です。操作方法を次に示します。
図4-18 [クリップボード転送]ダイアログボックス
[Remote Control]ウィンドウのツールバーの[データ転送]ボタンから,メニューを選択してデータを転送する方法です。[データ転送]ボタンの矢印をクリックすると,ドロップダウン形式で次のメニューが表示されます。目的に合わせてメニューを選択してください。
図4-19 [データ転送]ボタンのドロップダウンメニューからの転送
なお,ツールバーが表示されていない場合は,次のどちらかの方法で表示できます。
エージェントのバージョンが05-21以降の場合は,クリップボードの自動転送機能を使用できます。クリップボードの自動転送機能とは,コントローラまたはエージェントでクリップボードの内容が更新されたときに,クリップボードのデータを自動的に接続先のコントローラまたはエージェントに転送する機能です。この機能によって,コントローラとエージェントのクリップボードの内容が常に同一となるため,マシンの違いを意識しないで編集操作ができます。
自動転送機能を使用する場合は,[プロパティ]ダイアログボックスの[クリップボード]パネルで,「クリップボードを自動転送する」を設定してください。転送の方向(送信,受信)や転送するデータの形式(テキスト,複合ドキュメント)を制限することもできます。また,自動転送機能を使用してエージェントのクリップボードのデータを受信する場合は,転送条件を,「常に受信する」と「コントローラウィンドウがアクティブの時だけ受信する」の2種類から選択できます。「常に受信する」を選択すると,複数のエージェントと接続している場合に,すべてのエージェントのクリップボードデータが転送されてきます。「常に受信する」で不都合を感じる場合は,「コントローラウィンドウがアクティブの時だけ受信する」を選択してください。複数のエージェントと接続していても,そのとき操作対象となっているエージェントのデータだけを受信できます。クリップボードの自動転送の設定については,「3.3.8 [クリップボード]パネル」を参照してください。
データの転送中は,[Remote Control]ウィンドウ下部のステータスバーにメッセージおよびプログレスバー(進捗状況をパーセンテージで表すバー)が表示されます。
図4-20 データ転送中に表示されるメッセージおよびプログレスバー
予想外に大きなファイルの転送が始まって,なかなか処理が終わらないようなときは,プログレスバー上を右クリックすると表示される[キャンセル]メニューで転送を中断できます。中断した場合,転送中のデータは破棄され,クリップボードの内容は元に戻ります。
図4-21 [キャンセル]メニューが表示されたプログレスバー