4.2.1 エージェントのリモートコントロール

コントローラでは,呼び出したエージェントの画面に対し,基本的には,自マシンと同じように操作できます。例えば,文字の入力や,マウスでのクリック,ドラッグなどです。ただし,ショートカットキーを実行する場合など,一部で特別な操作が必要となる場合があります。ここでは,このような場合の操作方法について説明します。

<この項の構成>
(1) [Ctrl]キーおよび[Alt]キーを監視する
(2) ショートカットキーを入力する
(3) [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを入力する
(4) エージェントをシャットダウンする
(5) エージェントをリブートする
(6) クリップボードのデータを転送する

(1) [Ctrl]キーおよび[Alt]キーを監視する

リモートコントロールモードが共有の場合,エージェント側からもエージェントマシンを操作しています。両方から操作することによる問題は特にありませんが,エージェント側から[Ctrl]キーや[Alt]キーが押された状態でコントローラからキー入力をすると,別の機能が動作する場合があります。

エージェントマシンでの[Ctrl]キーおよび[Alt]キーの状態は,ステータスバーに次のアイコンで表示されています。アイコン中の矢印が下を向いているときは,エージェントで[Ctrl]キーまたは[Alt]キーが押されています。

エージェントで[Alt]キーが押されている場合のステータスバーの状態を,次の図に示します。

図4-14 エージェントで[Alt]キーが押されている場合のステータスバーの状態

[図データ]

このアイコンは,メニュー選択またはプロパティの設定で表示させるかどうかを選択できます。

(2) ショートカットキーを入力する

[PrintScreen]などの機能キーや[Alt]+[Tab]などのショートカットキーは,キーボードから入力するとコントローラ自身に対して実行されてしまうため,呼び出したエージェントに対して実行することはできません。このようなキーの機能をエージェントマシンに実行させたい場合は,特殊キーを送信してください。

特殊キーとは,機能キーやショートカットキーを,エージェントに送信できるようにリモートコントロールマネージャに登録したものです。リモートコントロールマネージャがデフォルトで提供している特殊キーのほかに,ユーザが任意のキーを登録することもできます。登録された特殊キーは,[Remote Control]ウィンドウの「特殊キー入力バー」から実行できます。

特殊キーの登録方法および送信方法については,「4.2.2 特殊キーの登録と送信」を参照してください。

また,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで「システムキー入力を送信する」をチェックすることで,エージェントでその機能を実行できるキーもあります。[ウィンドウ]パネルでの設定については,「3.3.4 [ウィンドウ]パネル」を参照してください。

(3) [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを入力する

エージェントに対して,キーボードから直接[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを入力することはできません。しかし,メニューで[ツール]-[Ctrl+Alt+Delキー送信]を選択することで,エージェントに[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーと同様の操作を実行できます。実行できる操作は,エージェントのOSによって次のように異なります。

(4) エージェントをシャットダウンする

コントローラからの指示で,エージェントをシャットダウンできます。また,コントローラとエージェントのバージョンが06-71以降で,エージェントのPCにパワーオフ機能が付いている場合は,シャットダウンしたあとにエージェントの電源を切ることもできます。手順を次に示します。

  1. メニューで[ツール]-[シャットダウン]を選択する。
    シャットダウンを確認するメッセージダイアログボックスが表示されます。
    コントローラとエージェントのバージョンが06-71以降の場合は,次のメッセージダイアログボックスが表示されます。

    [図データ]

    エージェントをシャットダウンしたあとに,エージェントのPCの電源を切りたい場合は,「シャットダウンしたあとに電源をオフする」チェックボックスをオンにしてください。デフォルトでは,オフになっています。
  2. [OK]ボタンをクリックする。
    コントローラからエージェントに,シャットダウンが指示されます。エージェントはコントローラからの指示を受けてシャットダウンします。「シャットダウンしたあとに電源をオフする」チェックボックスをオンにした場合は,エージェントのPCの電源も切れます。ただし,エージェントのPCにソフトウェアによるパワーオフ機能が付いていない場合,電源が切れないことがありますのでご注意ください。

(5) エージェントをリブートする

コントローラからの指示で,エージェントをリブートできます。リモートコントロールエージェントが自動起動するよう設定されている場合は,しばらく待ってリモートコントロールマネージャから接続を開始することで,リモートコントロールを続行できます。

エージェントをリブートし,再度接続する手順を次に示します。エージェント側で自動起動を設定する方法については,「3.4.1 起動に関するオプションの設定」を参照してください。

  1. メニューで[ツール]-[リブート]を選択する。
    [接続開始時間の設定]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-15 [接続開始時間の設定]ダイアログボックス

    [図データ]

    接続を開始する
    接続を開始する場合には,チェックボックスをオンにします。オンにした場合,[接続開始の時間]に接続までの時間を分単位で設定します。
    接続しない
    接続しない場合はチェックボックスをオンにします。
    このダイアログボックスのデフォルト値は,プロパティで設定できます。
  2. 「接続を開始する」を選択し,接続開始の時間を設定して[OK]ボタンをクリックする。
    コントローラからリブートを確認するメッセージダイアログボックスが表示されます。
  3. [OK]ボタンをクリックする。
    コントローラからエージェントに,リブートが指示されます。エージェントはコントローラからの指示を受けてリブートします。
    コントローラは,2.で指定した時間が経過したあと,自動的にエージェントとの接続を開始します。

(6) クリップボードのデータを転送する

リモートコントロール中にエージェントの文書上でカットまたはコピーしたデータは,エージェントマシンのクリップボードに格納されているため,そのままではコントローラ上の文書に貼り付けることはできません。同様に,コントローラでコピーしたデータをエージェントの文書に貼り付けることもできません。

このような場合は,エージェントのクリップボードとコントローラのクリップボードの間で,データを転送してください。ネットワークドライブを割り当てたりしなくても,異なるマシン上の文書間で,簡単にデータのカット&ペーストができます。また,プロパティの設定で,クリップボードのデータを自動的に転送させることもできます。

クリップボードのデータの転送方法については,「4.2.3 クリップボードのデータの転送」を参照してください。