4.2.4 知っておくと便利な操作

ここでは,リモートコントロール機能を利用する場合に知っておくと便利な操作について説明します。

<この項の構成>
(1) リモートコントロールデータの暗号化
(2) エージェント画面の効果的な表示
(3) エージェントの画面の保存
(4) オートスクロール
(5) ウィンドウサイズの非固定化
(6) マウススクロールホイールでのスクロール
(7) ツールバーのカスタマイズ
(8) コントローラを意識しない操作
(9) ログ出力情報の設定

(1) リモートコントロールデータの暗号化

リモートコントロール時に,エージェントと送受信するデータ(クリップボードのデータを含む)を暗号化できます。リモートコントロールデータを暗号化することで,データの漏洩を防ぐことができます。リモートコントロールデータを暗号化する場合は,[プロパティ]ダイアログボックスの[セキュリティ]パネルで,「送信データを暗号化する」および「受信データを暗号化する」を設定してください。

リモートコントロールデータの暗号化を設定すると,ステータスバーの「送受信アイコン」の表示状態が次のようになります。

なお,この機能を利用できるのは,バージョンが06-51以降のエージェントと接続している場合だけです。

(2) エージェント画面の効果的な表示

エージェントの画面を操作しやすくするため,エージェントの画面を拡大・縮小して表示したり,ツールバーやアドレスバーなどの表示/非表示を切り替えたりできます。

(a) エージェント画面の拡大・縮小
コントローラの画面に合わせエージェントの画面を縮小する
メニューの[表示]-[拡大/縮小]から[画面の範囲に合わせて縮小]を選択すると,[Remote Control]ウィンドウに収まるように,エージェントの画面が縮小して表示されます。エージェントの解像度がコントローラより大きくなった場合に使用できます。縮小表示したときの画質は,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルの「拡大/縮小の画質」の設定が適用されます。
縮小表示を解除する場合は,メニューの[表示]-[拡大/縮小]から[拡大/縮小表示を元に戻す]を選択してください。
コントローラの画面に合わせエージェントの画面を拡大・縮小する
メニューの[表示]-[拡大/縮小]から[画面に合わせて自動的に拡大/縮小]を選択すると,コントローラの画面に合わせて,エージェントの画面が自動的に拡大または縮小して表示されます。
コントローラの[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「ウィンドウサイズに合わせて自動的に拡大/縮小する」チェックボックスをオンにした場合も,同様の動作になります。チェックボックスの選択状態は,[画面に合わせて自動的に拡大/縮小]メニューの選択状態と連動しています。
また,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルでは,拡大または縮小表示をするときに,表示速度と画質のどちらを重視するか選択できます。
なお,拡大/縮小表示は,次のどちらかの操作をすると等倍表示に戻ります。
  • [画面に合わせて自動的に拡大/縮小]メニューをオフにしてから,[拡大/縮小表示を元に戻す]を選択する。
  • [プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルの「ウィンドウサイズに合わせて自動的に拡大/縮小する」チェックボックスをオフにする。
エージェントの画面をフルスクリーン表示させる
メニューで[表示]-[フルスクリーン表示]を選択すると,エージェントの画面がコントローラの画面上にフルスクリーンで表示されます。ただし,解像度が変更できないなどの理由で,フルスクリーンで表示できない場合があります。コントローラとエージェントマシンの解像度が異なる場合は,コントローラ側に解像度を変更するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスからリフレッシュレートを選択してください。
フルスクリーン表示を解除する場合は,[Alt]+[Enter]キーを押してください。コントローラの動作を指定するダイアログボックスが表示され,次の動作を選択できます。
  • フルスクリーン表示を解除する。
  • フルスクリーン表示を解除し,[Alt]+[Enter]キーを送信する。
  • フルスクリーン表示のまま,[Alt]+[Enter]キーを送信する。
(b) 複数のエージェント画面の整列

複数のエージェントをリモートコントロールする場合,操作しやすいようにエージェントの画面を並べて表示させることができます。

メニューの[ウィンドウ]から[上下に並べて表示],[左右に並べて表示],または[並べて表示]を選択してください。[上下に並べて表示]を選択した場合はエージェントの画面が上下に,[左右に並べて表示]を選択した場合はエージェントの画面が左右に並べて表示されます。[並べて表示]を選択した場合は,エージェントの画面が上下左右で均等に配置されます。

例えば,3台のエージェントと接続中にこの機能を実行すると,エージェントの画面は次のような配置になります。

図4-22 複数のエージェント画面の配置例

[図データ]

(c) コントローラバーの表示の切り替え

[Remote Control]ウィンドウのコントローラバー(ツールバー,アドレスバー,およびステータスバー)の表示/非表示を切り替えることができます。コントローラバーを非表示にすることで,エージェント画面の表示領域が拡大し,操作しやすくなります。

コントローラバーの表示の切り替えは,メニューまたはプロパティで設定できます。

メニューでの設定
  • メニューの[表示]-[ツールバー]から,[ツールバーの表示]または[アドレスバーを表示]を選択する。
  • メニューの[表示]-[ステータスバー]から[ステータスバーの表示]を選択する。
プロパティでの設定
  • [プロパティ]ダイアログボックスの[ツールバー]パネルで,「ツールバーを表示する」,「アドレスバーを表示する」,または「ステータスバーを表示する」のチェックボックスをオンまたはオフにする。

(3) エージェントの画面の保存

リモートコントロール中のエージェント画面を,ビットマップファイルに保存できます。この機能は,例えば,リモートコントロール中にエラーメッセージが表示されたときにエージェントの画面をファイル保存し,あとでエラー要因を分析したりするために利用できます。

エージェントの画面を保存するには,メニューの[ファイル]-[画面保存]を選択します。[エージェント画面保存ファイルの選択]ダイアログボックスが表示されるので,保存するファイル名と保存先を指定します。

保存時は,保存するファイルの色数を,白黒,16色,256色,16ビット,および24ビットの5種類から指定します。デフォルトはエージェント画面の色数となります。

(4) オートスクロール

オートスクロールとは,エージェントの画面を表示させている場合に,スクロールバーが表示されているとき,マウスカーソルを画面の端に近づけると,自動的に画面がスクロールされる機能です。オートスクロールを使用する場合は,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「マウスカーソルに合わせて自動的にスクロールする」をオンにし,「常にスクロールする」または「ドラッグ中のときだけ」を選択してください。「常にスクロールする」を選択すると,マウスカーソルをウィンドウの端に近づけたとき,常に自動的に画面がスクロールします。「ドラッグ中のときだけ」を選択した場合は,通常のマウスカーソルの移動では画面はスクロールしませんが,ドラッグしているときだけ自動的に画面がスクロールします。ドラッグ&ドロップをする場合に便利です。

また,エージェントのアクティブウィンドウをコントローラの表示領域に表示させるために,画面を自動的にスクロールさせる機能も提供しています。この機能を使用する場合,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「アクティブウィンドウに合わせて自動的にスクロールする」を設定してください。なお,この機能は,バージョンが06-00より前のエージェントと接続している場合は利用できません。

(5) ウィンドウサイズの非固定化

[Remote Control]ウィンドウのサイズはエージェントの解像度と一致する大きさに固定されるため,解像度の小さいエージェントの画面を表示させたとき,[Remote Control]ウィンドウのツールバーやステータスバーの一部が欠けて表示されます。

解像度の小さいエージェントと接続しても,[Remote Control]ウィンドウの表示が欠けないようにするには,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「ウィンドウサイズを固定しない」を設定してください。

(6) マウススクロールホイールでのスクロール

リモートコントロールマネージャの各種ウィンドウは,マウススクロールホイールを使用してスクロールできます。ホイールを回転させると,垂直方向にスクロールできる場合は垂直方向に,水平方向にスクロールできる場合は水平方向にスクロールされます。また,[Remote Control]ウィンドウでは,垂直・水平の両方向にスクロールできる状態のとき,[Shift]キーを押しながらホイールを回転させると,水平方向にスクロールさせることができます。

さらに,バージョンが05-21以降のエージェントと接続している場合,[Remote Control]ウィンドウに呼び出し中のエージェント画面上のウィンドウに対しても,マウススクロールホイールを使用できます。

ただし,[Remote Control]ウィンドウにも,呼び出し中のエージェントの画面にもスクロールバーが表示されているような場合,マウススクロールホイールを使用すると,両方のウィンドウが同時にスクロールされてしまい,操作しづらくなります。これを防ぐには,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「ホイールスクロールしない」を設定してください。[Remote Control]ウィンドウに対するホイール回転が無効になり,呼び出し中のエージェントの画面だけがスクロールされるようになります。

(7) ツールバーのカスタマイズ

[Remote Control]ウィンドウに表示されるツールバーのボタンの種類,またはボタンの表示順序を変更できます。ツールバーのカスタマイズ方法とツールボタンの種類について次に説明します。

(a) ツールバーのカスタマイズ方法

ツールバーをカスタマイズするには,メニューの[表示]-[ツールバー]から[カスタマイズ]を選択すると表示される,[ツールバーの変更]ダイアログボックスを使用します。

図4-23 [ツールバーの変更]ダイアログボックス

[図データ]

ツールバーにツールボタンを追加するには,「利用できるツールバーボタン」から必要なツールボタンを選択して,[追加]ボタンをクリックしてください。「現在のツールバーボタン」に選択したツールボタンが移動し,ツールバーに追加されます。ツールボタンの追加位置は,「現在のツールバーボタン」での選択位置の上となります。

反対に,ツールバー上のツールボタンを表示しないようにするには,「現在のツールバーボタン」からそのボタンを選択して,[削除]ボタンをクリックしてください。「利用できるツールバーボタン」に選択したツールボタンが戻り,ツールバーから削除されます。

並び順を変更する場合は,「現在のツールバーボタン」からツールボタンを選択し,[上へ]または[下へ]ボタンをクリックしてください。一つ上,または一つ下にツールボタンが移動します。「現在のツールバーボタン」上での並び順は,[Remote Control]ウィンドウ上では左から右への並び順となります。これらの操作は,ドラッグ&ドロップでも実行できます。ツールバーのツールボタンの設定をデフォルトに戻すには,[リセット]ボタンをクリックしてください。

また,ツールボタンの文字列(ボタンの説明文)の表示/非表示を切り替えることもできます。ボタンの文字列の表示を切り替えるには,次の2種類の方法があります。

(b) ツールボタン一覧

[Remote Control]ウィンドウのツールバーに表示できるツールボタンを次の表に示します。

表4-2 ツールボタン一覧

ボタン機能デフォルト表示
[図データ] 
[接続]ボタン
エージェントと接続します。矢印をクリックすると表示される接続履歴から,接続先を選択できます。
[図データ] 
[切断]ボタン
エージェントとの接続を終了します。
[図データ] 
[再接続]ボタン
エージェントと再接続します。
×
[図データ] 
[終了]ボタン
リモートコントロールマネージャを終了します。
×
[図データ] 
[全終了]ボタン
起動中のすべてのリモートコントロールマネージャを終了します。
×
[図データ] 
[停止]ボタン
エージェントをシャットダウンします。
エージェントのバージョンが06-71以降でエージェントのPCにパワーオフ機能が付いている場合は,シャットダウンしたあとにエージェントの電源を切ることもできます。
×
[図データ] 
[再起動]ボタン
エージェントを再起動します。
×
[図データ] 
[Ctrl+Alt+Del]ボタン
エージェントに[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを送信します。
Windows MeまたはWindows 98エージェントと接続している場合,[リモートコントロールプロセスビューア]ウィンドウが表示されます。
[図データ] 
[データ転送]ボタン
クリップボード間のデータを転送します。
矢印をクリックするとドロップダウン形式でクリップボード転送のメニューが表示されます。メニューを使用してもデータが転送できます。
[図データ] 
[ファイル転送]ボタン
[ファイル転送]ウィンドウを表示します。
[図データ] 
[最新表示]ボタン
画面の表示内容を最新にします。
[図データ] 
[等倍表示]ボタン
縮小表示したエージェントの画面を元に戻します。
[図データ] 
[範囲縮小]ボタン
[Remote Control]ウィンドウに合わせてエージェントの画面を縮小します。
×
[図データ] 
[拡大/縮小]ボタン
[Remote Control]ウィンドウに合わせてエージェントの画面を自動的に拡大または縮小します。
[図データ] 
[全画面]ボタン
コントローラの画面にエージェントの画面をフルスクリーン表示します。
[図データ] 
[プロパティ]ボタン
リモートコントロールマネージャの動作環境を設定します。
[図データ] 
[監視モード]ボタン
リモートコントロールモードが「監視」であることを示します。
×
[図データ] 
[共有モード]ボタン
リモートコントロールモードが「共有」であることを示します。
×
[図データ] 
[制御モード]ボタン
リモートコントロールモードが「制御」であることを示します。
×
[図データ] 
[ヘルプ]ボタン
JP1/NETM/Remote Controlのヘルプを表示します。
×
[図データ] 
[バージョン]ボタン
JP1/NETM/Remote Control Managerのバージョン情報を表示します。
×
[図データ] 
[画面保存]ボタン
エージェント画面を保存します。
×
[図データ] 
[上下整列]ボタン
エージェント画面を上下に並べて表示します。
×
[図データ] 
[左右整列]ボタン
エージェント画面を左右に並べて表示します。
×
[図データ] 
[整列]ボタン
エージェント画面を上下左右に均等に並べて表示します。
×
[図データ] 
[全アイコン化]ボタン
すべての[Remote Control]ウィンドウをアイコン化します。
×
[図データ] 
[検索]ボタン
エージェントを検索します。
×
[図データ] 
[記録開始]ボタン
エージェントの画面情報の記録を開始します。
×
[図データ] 
[記録一時停止/再開]ボタン
エージェントの画面情報の記録を一時停止,または再開します。
×
[図データ] 
[記録停止]ボタン
エージェントの画面情報の記録を停止します。
×
[図データ] 
[再生]ボタン
記録ファイルを再生します。
×
[図データ] 
[変換]ボタン
記録ファイルを変換します。
×
[図データ] 
[チャット]ボタン
[チャット]ウィンドウを表示します。
×
(凡例)
○:デフォルトで表示される
×:デフォルトでは表示されない

(8) コントローラを意識しない操作

(a) コントローラのマウスボタン設定の優先

コントローラとエージェントでマウスボタンの設定(左手用,または右手用の設定)が異なる場合,コントローラでのマウスボタン操作がエージェントでは異なる操作として実行されます。例えば,コントローラが右手用,エージェントが左手用の設定をしていたときに,コンテキストメニューを表示させようとしても,標準の選択として実行されてしまいます。

コントローラのマウスボタンの操作をエージェントで実行したい場合は,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「コントローラのマウスボタン設定を優先する」を設定してください。

なお,この機能を利用できるのは,バージョンが06-00以降のエージェントと接続している場合だけです。

(b) システムキーの送信

コントローラで入力したショートカットキーや機能キーをエージェントで実行するには,特殊キーとして登録し,送信する必要があります。しかし,次の4種類のキーは,プロパティの設定で,コントローラで入力するとエージェントで実行できるようになります。

これらのキーをコントローラで入力するには,[プロパティ]ダイアログボックスの[ウィンドウ]パネルで,「システムキー入力を送信する」を設定してください。

ただし,この機能を利用できるのは,コントローラがWindows Server 2008,Windows Vista,Windows Server 2003,Windows XP,Windows 2000,またはWindows NT 4.0 ServicePack3以降の場合だけです。

(9) ログ出力情報の設定

リモートコントロールマネージャでは,リモートコントロールのログを出力するかしないか,出力する場合はどのような情報を出力するのかを設定できます。また,ログ出力環境(行数および世代数)も設定できます。ログの出力については,[プロパティ]ダイアログボックスの[ログ情報]パネルで設定してください。デフォルトでは,ログ情報は出力されません。

ログを出力する場合は,出力するログの種類を次の中から選択できます。

ログの出力情報とその意味については,「付録L ログの出力形式と出力情報」を参照してください。