付録A.4 PCリプレース時のデータ移行
(1) JP1/NETM/DM Manager(マネージャ)のデータを移行する
ここでは,JP1/NETM/DM ManagerのリレーショナルデータベースにMicrosoft SQL ServerまたはOracleを使用している場合の手順を説明します。Embedded RDBを使用している場合の移行手順については,「(4) Embedded RDBを使用している場合のデータ移行」を参照してください。
JP1/NETM/DM Managerをマネージャとして使用している場合の,PCリプレース時のデータ移行手順を次に示します。
- リプレース前のPCでバックアップを取得する。
必要になるバックアップ内容については,マニュアル「運用ガイド2」の「5.9.1 JP1/NETM/DM Manager(マネージャ)のバックアップ」を参照してください。
- リプレース後のPCにJP1/NETM/DM Managerをインストールする。
- 手順1.で取得したバックアップを復元する。
(2) JP1/NETM/DM Manager(中継マネージャ)のデータを移行する
JP1/NETM/DM Managerを中継マネージャとして使用している場合の,PCリプレース時のデータ移行手順を次に示します。
- リプレース前のPCでバックアップを取得する。
必要になるバックアップ内容については,マニュアル「運用ガイド2」の「5.9.2 JP1/NETM/DM Manager(中継マネージャ)のバックアップ」を参照してください。
- ホスト識別子を使用している場合,Windowsのインストールディレクトリ配下にあるnetmdmp.hidのバックアップを取得する。
- 手順2.で取得したnetmdmp.hidを,リプレース後のPCにあるWindowsのインストールディレクトリ配下にコピーする。
- リプレース後のPCにJP1/NETM/DM Managerをインストールする。
- 手順1.で取得したバックアップを復元する。
(3) JP1/NETM/DM Clientのデータを移行する
JP1/NETM/DM Client(中継システムおよびクライアント)の,PCリプレース時のデータ移行手順を次に示します。
- リプレース前のPCでバックアップを取得する。
JP1/NETM/DM Client(中継システム)で必要になるバックアップ内容については,マニュアル「運用ガイド2」の「5.9.3 JP1/NETM/DM Client(中継システム)のバックアップ」を参照してください。
JP1/NETM/DM Client(クライアント)で必要になるバックアップ内容については,マニュアル「運用ガイド2」の「5.9.4 JP1/NETM/DM Client(クライアント)のバックアップ」を参照してください。
- ホスト識別子を使用している場合,Windowsのインストールディレクトリ配下にあるnetmdmp.hidのバックアップを取得する。
- 手順2.で取得したnetmdmp.hidを,リプレース後のPCにあるWindowsのインストールディレクトリ配下にコピーする。
- リプレース後のPCにJP1/NETM/DM Clientをインストールする。
- 手順1.で取得したバックアップを手順4.のインストール先にコピーする。
(4) Embedded RDBを使用している場合のデータ移行
PCをリプレースする場合など,異なる環境にEmbedded RDBを新規に作成し直す必要があるときは,データベース移行時のバックアップにnetmdb_unload.batコマンドを,データベースの復元にnetmdb_reload.batコマンドを使用します。バックアップの取得時および復元時には,JP1/NETM/DM のサービス(Remote Install Serverサービス)を停止してください。
データベースにEmbedded RDBを使用しているPCをリプレースする手順と,各コマンドについて説明します。
なお,[操作ログ一覧]ウィンドウを使用する場合,管理する操作ログの容量によってデータベースのバックアップおよび復元に時間が掛かるときがあります。
(a) 移行手順
PCリプレース時の移行手順を次に示します。
- リプレース前のPCでデータベースの移行用バックアップを取得する。
netmdb_unload.batコマンドを使用して,データベースの移行用バックアップを取得します。
また,操作履歴退避ディレクトリのバックアップもあわせて取得してください。
- リプレース後のPCにJP1/NETM/DM Managerをインストールする。
- データベースマネージャでデータベース(Embedded RDB)を新規作成する。
データベースマネージャの操作方法については,「7.4 データベースマネージャの操作方法(Embedded RDBの場合)」を参照してください。
- データベースを復元する。
netmdb_reload.batコマンドを使用して,手順1.で取得した移行用バックアップから,データベースを復元します。
また,操作履歴退避ディレクトリのバックアップも復元してください。
次に,各コマンドを使用するときの注意事項を次に示します。
- 各コマンドのBATファイルの内容を変更しないでください。変更した場合,コマンドが実行できなくなるおそれがあります。
- コマンドを実行するときは,あらかじめ,[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,JP1/NETM/DM Managerの「Remote Install Server」サービスを停止してください。
- Administrator権限を持ったユーザでコマンドを実行してください。
(b) データベースの移行時に使用するコマンド
Embedded RDBを移行するときに使用するコマンドについて説明します。
●データベースの移行用バックアップ(netmdb_unload.batコマンド)
Embedded RDBの移行用バックアップを取得する,netmdb_unload.batコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ¥bin下に格納されています。
- 機能
- データベースを移行するためのバックアップを取得します。パッケージファイルおよび操作履歴格納ディレクトリのバックアップも自動的に取得します。
- 形式
netmdb_unload.bat ポート番号
管理者ユーザID
パスワード
/i JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ
/b 移行用バックアップファイル格納先ディレクトリ
/o 実行結果の出力先ファイル名
- オプション
- ポート番号
データベースに接続するポート番号を指定します。
- 管理者ユーザID
データベースにログオンする管理者ユーザIDを指定します。
- パスワード
データベースにログオンするためのパスワードを指定します。
- /i
JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリをフルパスで指定します。
- /b
移行用バックアップファイルの格納先ディレクトリをフルパスで指定します。格納先ディレクトリは150バイト以内で指定することをお勧めします。極端に長いパスで指定すると,ディレクトリの作成に失敗するおそれがあります。なお,格納先ディレクトリはローカルドライブを指定してください。また,格納先ディレクトリは,半角英数字,半角スペース,および次に示す記号で指定してください。
「:」,「.」,「¥」,「#」,「@」,「(」,「)」,「「」,「」」
- /o
実行結果を出力するファイル名をフルパスで指定します。
- リターンコード
- netmdb_unload.batコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
- 注意事項
- netmdb_unload.batコマンドおよびnetmdb_reload.batコマンドで設定する管理者ユーザIDは,同じ管理者ユーザIDを指定してください。
- データベースのアンロードを実行すると,格納先ディレクトリに,以下に示すファイルまたはフォルダが作成されます。
・netmdbrepleceファイル
・「RESOURCE」フォルダ
・「MONITORING」フォルダ
バックアップする場合,格納先ディレクトリに指定したパスに上記のファイルおよびフォルダがあるとき,これらは上書きされます。
- netmdb_unload.batコマンドのオプションは,形式で示した順序で設定してください。
- 実行例
- Embedded RDBを使用している場合に,移行用バックアップを取得する例を説明します。
- この実行例では,各ディレクトリを次のように指定しています。
- JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ
C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM
- 移行用バックアップファイル格納先ディレクトリ
C:¥NETMDB
- 実行結果の出力先ファイル名
C:¥NETMDB¥unload.txt
- また,コマンドを実行する前に,移行用バックアップファイル格納先ディレクトリおよび実行結果の出力先ファイルの格納先ディレクトリを作成しておいてください。
- コマンドの実行例を次に示します。
netmdb_unload.bat ポート番号 管理者ユーザID パスワード /i "C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM" /b C:¥NETMDB /o C:¥NETMDB¥unload.txt
●データベースの復元(netmdb_reload.batコマンド)
Embedded RDBを復元する,netmdb_reload.batコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ¥bin下に格納されています。
- 機能
- netmdb_unload.batコマンドで取得した移行用バックアップからデータベースを復元します。パッケージファイルおよび操作履歴格納ディレクトリのバックアップも復元されます。
- 形式
netmdb_reload.bat ポート番号
管理者ユーザID
パスワード
/i JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ
/b 移行用バックアップファイル格納先ディレクトリ
/o 実行結果の出力先ファイル名
- オプション
- ポート番号
データベースに接続するポート番号を指定します。
- 管理者ユーザID
データベースにログオンする管理者ユーザIDを指定します。
- パスワード
データベースにログオンするためのパスワードを指定します。
- /i
JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリをフルパスで指定します。
- /b
移行用バックアップファイルの格納先ディレクトリをフルパスで指定します。格納先ディレクトリは150バイト以内で指定することをお勧めします。極端に長いパスで指定すると,ディレクトリの作成に失敗するおそれがあります。格納先ディレクトリはローカルドライブを指定してください。また,格納先ディレクトリは,半角英数字,半角スペース,および次に示す記号で指定してください。
「:」,「.」,「¥」,「#」,「@」,「(」,「)」,「「」,「」」
- /o
実行結果を出力するファイル名をフルパスで指定します。
- リターンコード
- netmdb_reload.batコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
- 注意事項
- データベースをアップグレードする前に取得したバックアップファイルは,アップグレードが完了したあとはデータベースの構造が異なるため復元できません。データベースをアップグレードしたあと,再度バックアップを取得してください。
- netmdb_unload.batコマンドおよびnetmdb_reload.batコマンドで設定する管理者ユーザIDは,同じ管理者ユーザIDを指定してください。
- netmdb_reload.batコマンドのオプションは,形式で示した順序で設定してください。
- 実行例
- netmdb_unload.batコマンドで取得した移行用バックアップからEmbedded RDBを復元する例を説明します。
- この実行例では,各ディレクトリを次のように指定しています。
- JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ
C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM
- 移行用バックアップファイル格納先ディレクトリ
C:¥NETMDB
- 実行結果の出力先ファイル名
C:¥NETMDB¥unload.txt
- また,コマンドを実行する前に,実行結果の出力先ファイルの格納先ディレクトリを作成しておいてください。
- コマンドの実行例を次に示します。
netmdb_reload.bat ポート番号 管理者ユーザID パスワード /i "C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM" /b C:¥NETMDB /o C:¥NETMDB¥reload.txt
(5) Asset Information Manager Limitedを使用している場合のデータ移行
「Asset Information Manager Limited」を使用しているPCをリプレースする場合の移行手順を次に示します。
- リプレース前のPCでバックアップを取得する。
「Asset Information Manager Limited」のデータベースマネージャで,「データベースのCSVバックアップ」メニューからバックアップを取得します。データベースマネージャでの操作方法については,「10.3.3 データベースをCSV形式ファイルでバックアップする」を参照してください。
- リプレース後のPCにJP1/NETM/DM Managerをインストールする。
インストールするコンポーネントに「Asset Information Manager Limited」を選択して,JP1/NETM/DM Managerをインストールしてください。
- 「Asset Information Manager Limited」のサーバセットアップで,「データベース情報」の「ログインID」および「サービス名」を設定する。
- 「Asset Information Manager Limited」のデータベースを新規に作成する。
- バックアップを復元する。
「Asset Information Manager Limited」のデータベースマネージャで,「データベースのCSVリストア」メニューからバックアップを復元します。データベースマネージャでの操作方法については,「10.3.4 データベースをCSV形式ファイルからリストアする」を参照してください。
「Asset Information Manager Limited」のバックアップの復元後,次に示す順でサービスを起動してください。
- JP1/NETM/Client Security Control - Managerのサービス(JP1/NETM/Client Security Controlと連携している場合)
- 「Asset Information Manager Limited」のサービス,コマンドおよびタスク
- World Wide Web Publishing ServiceまたはWorld Wide Web Publishing
- IIS Admin ServiceまたはIIS Admin