インベントリ情報を,「Asset Information Manager Limited」のデータベースに取り込んで管理するためには,JP1/NETM/DMでのクライアントと,「Asset Information Manager Limited」での管理対象を一致させて,同一の機器の情報が別の機器の情報として登録されてしまうなどの,誤登録を避ける必要があります。
JP1/NETM/DMで収集した情報を,正確に「Asset Information Manager Limited」の資産情報に引き当てるために,インベントリ情報および「Asset Information Manager Limited」の資産情報のキーとなる情報を設定します。
インベントリ情報の「Asset Information Manager Limited」の資産情報への引き当て方法は,[サーバセットアップ]ダイアログボックスで設定します。設定する項目については,「10.2.4 JP1/NETM/DM連携の設定」を参照してください。
ここでは,[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定に従って,どのようにインベントリ情報が登録されるかについて,詳しく説明します。
[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定と引き当ての流れを次の図に示します。
図10-4 [サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定と引き当ての流れ
図中の(1)~(11)の数字は,これ以降の説明の見出しと対応しています。
インベントリ情報の「Asset Information Manager Limited」の資産情報への引き当て方法は,JP1/NETM/DMの運用キーを使用する方法と,業務メニュー「インベントリ情報の引き当て」で設定した資産番号への引き当て項目を使用する方法があります。
ホスト識別子とは,JP1/NETM/DMシステム内で一意な値で,各機器を識別するキー情報です。ホスト識別子はJP1/NETM/DM Clientのインストール時に生成され,JP1/NETM/DMサーバに自動的に通知されます。したがって,ホスト識別子は,ノード識別キーに比べて,ネットワーク構成の変化による影響を受けません。
JP1/NETM/DMの設定でホスト識別子ありの運用にしている場合は,このホスト識別子を使用して引き当てます。「ホスト識別子あり」を選択していない場合は,ノード識別キーを使用して引き当てます。
ノード識別キーには,ホスト名またはIPアドレスが使用できます。どちらで管理するかはJP1/NETM/DMのセットアップ時に選択します。両方を混在して使用することはできません。
次の順序で引き当てられます。
登録,更新時には,「Asset Information Manager Limited」の資産情報の「引き当てキー」にIPアドレスが設定されます。
次の順序で引き当てられます。
登録,更新時には,「Asset Information Manager Limited」の資産情報の「引き当てキー」にホスト名が設定されます。
ホスト識別子で引き当てられなかった場合は,[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定「資産情報の引き当て1」で指定します。
なお,登録,更新時には,「Asset Information Manager Limited」の資産情報の「引き当てキー」に,ホスト識別子が設定されます。
ホスト識別子と「引き当てキー」の値が同じ「Asset Information Manager Limited」の資産情報が引き当てられます。
次の順序で引き当てられます。
次の順序で引き当てられます。
「資産情報の引き当て1」で指定した方法で引き当てられなかった場合(ホスト識別子またはMACアドレスが同じ資産がなかった場合)は,「資産情報の引き当て2」での指定に従います。ホスト識別子で引き当てられなかった場合とは,リプレースで機器が異なる場合,またはOSを再インストールした場合が該当します。
次の順序で引き当てられます。
該当する「Asset Information Manager Limited」の資産情報がない場合は,[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定「引き当たらなかった資産の新規登録」の指定に従って,登録されるかどうかが決まります。「新規登録する」を指定した場合は,新規に登録されます。「新規登録しない」を指定した場合は,登録されません。
[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定「資産情報の引き当てキー」で,「運用キーに従う」を指定した場合に,引き当てキーとなる情報が更新されたときの引き当て方法を次の表に示します。
表10-5 JP1/NETM/DMの運用キー別の引き当て方法
インベントリ情報が 更新される状況 (更新される情報) | ホスト識別子あり | ホスト識別子なし | |
---|---|---|---|
ホスト名 | IPアドレス | ||
IPアドレスの変更 (IPアドレス) | ホスト識別子で引き当てる。 | MACアドレスとホスト名で引き当てる。 | MACアドレスで引き当てる。 |
ホスト名の変更 (ホスト名) | ホスト識別子で引き当てる。 | MACアドレスで引き当てる。 | MACアドレスとIPアドレスで引き当てる。 |
OSの再インストール (ホスト識別子) | 次のどれかで引き当てる。
| MACアドレスとホスト名で引き当てる。 | MACアドレスとIPアドレスで引き当てる。 |
リプレース (ホスト識別子,MACアドレス) | 次のどれかで引き当てる。※
| ホスト名で引き当てる。 | IPアドレスで引き当てる。 |
リプレースを例に,[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定方法を説明します。なお,[サーバセットアップ]ダイアログボックスでの設定「資産情報の引き当てキー」で,「運用キーに従う」を指定して,「運用キー」で「ホスト識別子あり」を指定していることを前提とします。
リプレースすると,ホスト識別子とMACアドレスが異なるため,「資産情報の引き当て1」では引き当てられません。そのため,「資産情報の引き当て2」の設定に従って引き当てられます。
リプレースの際は,リプレース後の機器を新規機器とするか,リプレース前の資産と同一の機器とするかによって,次のように指定します。