CPU,メモリ,ネットワークなどに関するチューニング項目を設定します。このパネルは,配布管理システムがインストールされているホストでだけ表示されます。配布管理システムが動作するPCの性能やネットワーク構成,動作環境を考慮して,必要な項目を設定してください。なお,チューニングの考え方については,マニュアル「導入・設計ガイド」の「6.1.7(2) 同時に接続するホストの台数の調整」を参照してください。また,「同時に接続できる下位システム数」および「下位システムの同時実行要求数」の設定によって,ジョブがどのように実行されるかについては,マニュアル「導入・設計ガイド」の「2.9.6 実行されたジョブの流れ」を参照してください。
このパネルでは,JP1/NETM/DMがインストールされていないホスト(JP1/NETM/DM未導入ホスト)を検出する機能での,検出結果の管理方法も設定できます。JP1/NETM/DM未導入ホストを検出する機能についての詳細は,「9.7 JP1/NETM/DMがインストールされていないホストを検出する」を参照してください。
図4-7 [サーバカスタマイズオプション]パネル
![[図データ]](figure/mse0050.gif)
- 同時に接続できる下位システム数
- 同時に接続する下位システムの数を絞り込むことができます。具体的には,この値はsocketコネクションの数となります。socketコネクションの確立から解放までの間,カウントアップされています。
- 設定する値は,次の計算式に従って算出してください。
- Embedded RDBを使用している場合,最小値は4,最大値は100,デフォルトは30です。
- Microsoft SQL ServerまたはOracleを使用している場合,最小値は4,最大値は256,デフォルトは50です。
同時接続下位システム数=直接接続するシステム数+接続するパッケージャ数×2
-
- ネットワークのトラフィックが高くなり,パケットの衝突が多いときには,この指定値を小さくして下位システムの同時接続数を減らすことで,トラフィックを下げることができます。
- 指定した値を超える下位システムからの接続は拒否されますが,接続数に空きができると,再度,実行要求が送信されます。
- なお,Embedded RDBを使用している場合,設定した値を有効にするためには,セットアップ完了後に次の操作を行う必要があります。
- Remote Install Serverサービスを停止する。
- JP1/NETM/DMのインストールディレクトリ¥BIN下に格納されているnetmdb_setup.batコマンドを実行する。
netmdb_setup.batコマンドの終了時は,キー入力待ちの状態になります。キー入力なしでコマンドを終了させたい場合は,オプションに「/nopause」を指定してコマンドを実行してください。
- Remote Install Serverサービスを起動する。
- 下位システムの同時実行要求数
- ジョブを実行するときに,同時に処理する下位システムの数を指定します。具体的には,配布管理システムが,下位システムに対して起動電文を一度に送信する数,つまり,一度にジョブを実行するクライアントの数となります。ここで指定した値よりも多くのクライアントに対してジョブを実行すると,この指定値に応じて分割してジョブを実行します。
- 最小値は0,最大値は100,デフォルトは20です。0を指定すると下位システムへ起動電文を送信しなくなり,上位システム主導のジョブの実行や,クライアント制御を利用したあて先の起動ができなくなります。配布するファイルの容量が大きい(10メガバイト以上)と,少数のクライアントの接続でもLANの負荷が高くなることがありますので,ネットワークの性能に合わせた値を指定してください。「下位システムの同時実行要求数×パッケージサイズ」が,ネットワーク上に一度に流れるデータ量となります。
- この値は,「同時に接続できる下位システム数」以下としてください。また,下位システムとの接続で回線交換網を経由している場合,契約している回線数以上の数を指定しても意味がないので注意してください。
- ジョブを削除する時刻を指定する
- ジョブの定義や実行状況を削除すると,すぐには削除されないで,ここで指定した時刻に削除されます。0時0分~23時59分で指定してください。
- この設定は,正常に終了したジョブ,実行中のジョブおよびエラーになったジョブについてだけ有効です。ただし,実行待ち状態のジョブについては,ジョブ遅延実行の時間が設定されていても,削除を指示すると即時に削除されます。
- デフォルトはチェックボックスがオフです。
- 通常,配布管理システムは多数のクライアントを管理しています。このため,ジョブの定義や実行状況を削除すると,データベースの削除に時間が掛かり,操作に支障を来したり,基幹業務に負荷を掛けたりするおそれがあります。ジョブ削除の遅延実行の時間を指定すると,都合の良い時刻に一斉に削除できるため,このような問題を回避できます。
- 下位システムの起動を監視する
- 下位システムが起動していないためジョブが実行されない場合,ジョブ実行状態を「起動失敗」に変更し,それを配布管理システムに通知するかどうかを選択します。デフォルトはチェックボックスがオンになっています。なお,「起動失敗」のジョブは,次回クライアントからのポーリング時に実行されます。
- 起動失敗要因を細分化する
- 下位システムが起動に失敗した場合に,その要因を配布管理システムに細分化して通知するかどうかを選択します。デフォルトはチェックボックスがオフになっています。チェックボックスをオンにすると,ジョブ実行状態「起動失敗」が,次のように細分化表示されます。
ジョブ実行状態 | 説明 |
---|
起動失敗(JP1/NETM/DM停止状態) | JP1/NETM/DMが停止しているため起動失敗した |
起動失敗(電源オフ) | PCの電源がオフであるため起動失敗した |
起動失敗 | 上記以外の要因で起動失敗した |
- なお,起動失敗要因を細分化するには,「下位システムの起動を監視する」と「起動失敗要因を細分化する」のチェックボックスが両方ともオンである必要があります。
- 下位システムのファイル転送エラーを監視する
- 次に示すジョブ種別のジョブがファイル転送時に通信エラーになった場合,ジョブの実行状態を「通信エラー」に変更し,それを配布管理システムに通知するかどうかを選択します。デフォルトはチェックボックスがオフになっています。
- パッケージのインストール
- クライアントユーザによるインストール
- 中継までのパッケージ転送
- レジストリ取得項目の転送
- システム情報の取得
- 中継サーバからのコレクトファイル収集
- システム構成情報の取得
- 中継サーバからの結果通知保留
- 中継サーバの結果通知の保留解除
- メッセージの通知
- なお,監視される下位システムの範囲は,セットアップで設定した配布管理システムとその直下の中継するシステムおよびクライアントの間のファイル転送に限られます。さらに階層下の通信エラーを監視するには,中継マネージャまたは中継システムのセットアップで設定が必要です。したがって,通信回線の品質に応じてジョブを監視する範囲を設定することができます。
- 接続先以外からファイル転送の中断・再開ジョブを受け付ける
- 複数の上位接続先を設定している場合に,デフォルトの接続先として設定した上位システム以外から「ファイル転送の中断」ジョブおよび「ファイル転送の再開」ジョブを受け付けるかどうかを選択します。デフォルトはチェックボックスがオフです。
- チェックボックスをオンにすると,中断を指示した上位システムとは別の上位システムからファイル転送を再開できます。ただし,このとき,中断を指示した上位システムのリモートインストールマネージャでは,ファイル転送を再開した下位システムの属性「ファイル転送中断」が「中断状態」と表示されたままになるのでご注意ください。
- 新規検出結果を保留にする
- JP1/NETM/DM未導入ホストを検出する機能では,通常,JP1/NETM/DMがインストールされていないコンピュータが,すべて「JP1/NETM/DM未導入ホスト」として検出されます。
- このチェックボックスをオンにすると,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出を実行したときに,JP1/NETM/DMがインストールされていないコンピュータが,「保留」として検出されるようになります。デフォルトはチェックボックスがオフです。
- 検出されたコンピュータのうち,任意のコンピュータを手動でJP1/NETM/DM未導入ホストに指定できるため,OSがWindowsのコンピュータと,OSがUNIXのコンピュータが混在している環境で,OSがWindowsのコンピュータだけを未導入ホストとして管理したい場合などに有効です。