8.1.3 システム構成情報を自動的に作成する

中継システムやクライアントのセットアップ終了後,上位システムへ自動的にシステム構成情報を通知して登録させるシステム構成の自動登録機能を使用して,システム構成情報を自動的に作成する方法について次に説明します。

<この項の構成>
(1) システム構成情報を自動登録する場合に必要なTCP/IP環境の設定
(2) システム構成情報の自動登録方法
(3) システム構成情報を自動登録する場合の注意事項

(1) システム構成情報を自動登録する場合に必要なTCP/IP環境の設定

配布管理システムをホスト名で設定する場合,TCP/IPの定義データベースに配布管理システムの定義が必要です。また,中継システムでは,TCP/IPの定義データベースに下位ホストの定義が必要です。

(2) システム構成情報の自動登録方法

セットアップで次の設定をしてください。中継システムとクライアントのシステム構成情報は,セットアップ終了時に自動的に上位システムに通知されます。

配布管理システム
[システム構成関連]パネルの「システム構成情報を自動反映する」のチェックボックスをオンにしてください。
中継システム
[システム構成関連]パネルの「システム構成情報を自動反映する」を選択します。また,システム構成の変更に合わせて,IDの情報も変更するには,「システム構成変更時の連携」で「システム構成の変更を連携させる」のチェックボックスをオンにしてください。
クライアント
[接続先]パネルで,「システム構成を自動登録する」のチェックボックスをオンにしてください。
 

なお,システム構成の自動登録機能を使用することで,配布管理システムからクライアントの接続先を変更し,変更結果をシステム構成情報に自動的に反映できます。その手順を次に示します。

  1. セットアップで次の設定をする。
    配布管理システム
    [システム構成関連]パネルで,次のチェックボックスをオンにしてください。
    ・「システム構成情報を自動反映する」
    ・「システム構成の変更を連携させる」
    中継システム
    [システム構成関連]パネルで,次のチェックボックスをオンにしてください。
    ・「システム構成情報を自動反映する」
    ・「システム構成の変更を連携させる」
    クライアント
    [接続先]パネルで,次のチェックボックスをオンにしてください。
    ・「実行要求を送信した上位システムを接続先に自動設定する」
    ・「システム構成を自動登録する」
  2. 接続先を変更したいクライアントに対して,新しく接続先としたい中継システムに経路を変更して,ジョブを実行する。
    なお,ジョブ実行前に[システム構成]ウィンドウでクライアントを移動させないでください。その後クライアントにジョブを実行すると接続先が変更されますが,変更前の接続先の中継システムにクライアントの情報が残ってしまいます。

(3) システム構成情報を自動登録する場合の注意事項

システム構成情報を自動登録するシステムでは,次の点に注意してください。

(a) ホスト識別子を使う場合

新規にホスト識別子を運用キーとして使用する場合,システムのバージョンアップは必ず上位システムから実行してください。

上位システムのシステム構成情報を誤って削除してしまった場合やデータベースが壊れてしまった場合は,バックアップから回復,または下位システムから再度システム構成情報ファイルを通知させてください。

(b) ホスト識別子管理ファイルの障害対策

クライアントでホスト識別子管理ファイルに障害が発生した場合,上位システムから次の手順で回復してください。

  1. リモートインストールマネージャの[システム構成]または[あて先]ウィンドウで,[ファイル]-[ファイルへ保存]を選択し,ファイルを出力する。
  2. 障害が発生したクライアントのホスト名またはIPアドレスをキーにして出力したファイル内を検索し,障害が発生したクライアントを特定する。
    ノード識別キーがホスト名の場合はホスト名を,IPアドレスの場合はIPアドレスをキーにして検索します。
  3. 障害が発生したクライアントの情報を,ホスト識別子管理ファイルとして保存する。
    ホスト識別子管理ファイルのファイル名は,「netmdmp.hid」にしてください。ホスト識別子管理ファイルのファイル形式は,システム構成情報またはあて先グループをファイルから作成する場合のファイル形式と同じです。システム構成情報のファイル形式については,「8.1.4 システム構成情報をファイルから作成する」を参照してください。あて先グループファイルのファイル形式については,「8.2.3 あて先グループをファイルから作成する」を参照してください。
  4. 作成したホスト識別子管理ファイルを障害が発生したクライアントへファイル転送しリストアする。
    ホスト識別子管理ファイルのファイルは,OSのインストールディレクトリ下に作成してください。
  5. クライアントを再起動する。

なお,あて先グループファイルからホスト識別子管理ファイルを作成する場合,誤ってほかのクライアントのあて先をホスト識別子管理ファイルとして作成したり,あて先グループファイルからカット&ペーストしたあて先の内容をユーザが変更したりすると,ホスト識別子がシステム内で一意に保てなくなります。この場合,システムの動作を保証できません。

(c) ホスト識別子を使用しない運用でホスト名が重複した場合

ノード識別キーにホスト名を使用して運用する場合,JP1/NETM/DMを使用する各ホストに,ユニークなホスト名を付ける必要があります。システム構成情報が自動的に通知され,ホスト名が重複した場合はログ情報が出力されます。ログ情報を参照して,ホスト名が重複したクライアントのTCP/IP環境の再設定をしてください。

(d) システム構築時の注意事項
(e) システム構成情報編集時の注意事項

システム構成情報を自動登録する場合,配布管理システムでシステム構成情報を編集しないでください。編集する必要がある場合はリモートインストールマネージャで,システム構成情報をファイルへ出力し,バックアップを取得してから編集してください。

特に,システム構成情報中の中継システムを削除してしまうと,この中継システムに接続しているクライアントのシステム構成情報も削除されます。システム構成情報が削除されたクライアントからシステム構成情報が通知されても配布管理システムには記録されなくなります。

システム構成情報をファイルへ出力する方法およびファイルから作成する方法については,「8.1.4 システム構成情報をファイルから作成する」を参照してください。

(f) 中継システムであて先を誤って追加した場合の削除方法

システム構成情報を自動登録した環境では,中継システムで誤ってあて先を追加した場合,次の手順で削除してください。

  1. [スタート]メニューから[クライアントマネージャ]を選択し,表示される[クライアントマネージャ]ダイアログボックスで[停止]ボタンをクリックする。
  2. 中継システムのセットアップの[システム構成関連]パネルで,「システム構成情報を自動反映する」のチェックボックスをオフに変更する。
  3. 中継システムのセットアップを終了する。
  4. [クライアントマネージャ]ダイアログボックスの[起動]ボタンをクリックする。
  5. リモートインストールマネージャを起動し,誤って追加したあて先を削除する。
  6. リモートインストールマネージャを終了し,[クライアントマネージャ]ダイアログボックスの[停止]ボタンをクリックする。
  7. 中継システムのセットアップの[システム構成関連]パネルで,「システム構成情報を自動反映する」のチェックボックスをオンに変更する。
  8. 中継システムのセットアップを終了する。
  9. [クライアントマネージャ]ダイアログボックスの[起動]ボタンをクリックする。