4.3.2 [上位通知]パネル

下位システムから受信した通知ファイルを,配布管理システムに送信するタイミングを設定します。

図4-26 [上位通知]パネル

[図データ]

<この項の構成>
(1) サーバ通知ファイルの送信タイミング
(2) 上位システムに対する,ジョブの受信とサーバ通知ファイルの送信を並行実行する
(3) 下位システムへのパッケージの分割配布の実行状況を上位システムに通知する
(4) 上位システムへ稼働監視履歴を中継する動作を指定する

(1) サーバ通知ファイルの送信タイミング

下位システムから受信した通知ファイルを,配布管理システムに送信するタイミングを設定します。デフォルトは「即時送信」です。

即時送信
下位システムから通知ファイルを受信した時点で,上位システムに送信します。ジョブの実行結果をすぐに確認したい場合に選択してください。
中継システムと上位システム間の接続回数が通信コストに影響するネットワーク環境の場合,通信コストが大きくなるおそれがあります。
定期送信
下位システムから受信した通知ファイルを,一定間隔で上位システムに送信します。そのため,送信が実行されるまではジョブの実行結果を確認できません。
中継システムと上位システム間の接続回数を減らし,通信コストを抑えたい場合に選択してください。

「定期送信」を選択した場合,[詳細情報の設定]ダイアログボックスの[通信リトライ]パネルで,「上位システムに送信していない通知ファイルをリトライ送信する」に設定した「リトライ回数」および「リトライ間隔」で送信します。「上位システムに送信していない通知ファイルをリトライ送信する」を設定しないで「定期送信」を選択した場合は,「リトライ回数」および「リトライ間隔」のデフォルトが自動的に設定された状態で通知ファイルを送信します。

(2) 上位システムに対する,ジョブの受信とサーバ通知ファイルの送信を並行実行する

通常,中継マネージャは上位システムへの接続を1本に制限しています。そのため,ジョブを受信中にサーバ通知ファイルを上位システムに送信したり,サーバ通知ファイルを送信している間に,ジョブを受信したりすることはできません。

自システムが接続する上位システム(マネージャまたは中継マネージャ)との間でジョブの受信(ダウンロード)と上位システムへの通知ファイルの送信(アップロード)を並行して実行したい場合に,このオプションをオンにしてください。デフォルトはチェックボックスがオフです。

このオプションを有効にすると,中継マネージャは上位システムへの接続を2本用意し,ダウンロードとアップロードを並行して実行できるようになります。しかし,上位システムへの接続数が増えるため,ネットワークの負荷は増大します。また,リレーショナルデータベースへのクライアント接続数も増加します。したがって,この運用はネットワーク環境に余裕がある場合にお勧めします。

●同時に接続できる下位システム数の見積もり

このオプションをオンに設定した場合,中継マネージャは上位システムへ最大2本の接続を用意します。そのため,上位システム(マネージャ)のセットアップの項目「同時に接続できる下位システム数」を増やしておく必要があります。見積もり方法については,下記の計算式を参考にしてください。

同時に接続できる下位システム数
=直接接続する中継システム数×2
+直接接続するクライアント数
+同時に接続するリモートインストールマネージャ数
+同時に接続するパッケージャ数×2

また同時に,上位システムでMicrosoft SQL ServerまたはOracleを使用している場合,リレーショナルデータベースのクライアント接続数を増やす必要があります。クライアント接続数の見積もり方法は,OracleとMicrosoft SQL Serverの場合で異なります。

Microsoft SQL Serverの場合
見積もり方法については,「7.3.2(2) データベース環境のチューニング」を参照してください。チューニングが必要な項目の「クライアントまたは中継システム同時接続数」の値を「同時に接続できる下位システム数」として,クライアント接続数を算出してください。
Oracleの場合
見積もり方法については,「7.3.3(2) 初期化パラメタファイルのチューニング」を参照してください。
チューニングの必要なパラメタの「クライアントまたは中継システム同時接続数」の値を「同時に接続できる下位システム数」として,クライアント接続数を算出してください。

(3) 下位システムへのパッケージの分割配布の実行状況を上位システムに通知する

パッケージを分割配布する場合に,下位システムで実行中の分割配布の進行状況を上位システムへ通知するときは,このチェックボックスをオンにしてください。デフォルトはチェックボックスがオフです。

このチェックボックスをオンにすると,中継するシステムより下位のシステムで実行中の分割配布の状況を,上位システムのリモートインストールマネージャの[ジョブ実行状況]ウィンドウで確認できるようになります。

[ジョブ実行状況]ウィンドウで,分割配布の状況を確認する方法については,マニュアル「運用ガイド1」の「8.4.3 [ジョブ実行状況]ウィンドウで表示される項目」を参照してください。

なお,このオプションを有効にすると,下位システムから分割配布の実行状況が上位システムへ通知されるため,通信量の増加によってネットワークの負荷が大きくなります。したがって,この運用はネットワーク環境に余裕がある場合にお勧めします。ただし,上位システムのバージョンが07-53以前,またはUNIXの場合,このチェックボックスをオンにしても下位システムでの分割配布の実行状況を確認できないので,この運用はしないでください。

(4) 上位システムへ稼働監視履歴を中継する動作を指定する

中継マネージャを経由して稼働監視ポリシーを適用している場合と,中継マネージャからジョブを実行して稼働監視ポリシーを適用している場合では,稼働情報の通知先が異なります。このチェックボックスでは,下位システムから通知される稼働情報を,中継マネージャで管理するか,上位システムにも通知するかを設定できます。デフォルトはチェックボックスがオフです。

(a) チェックボックスがオンの場合の動作

「中継する」または「中継しない」のそれぞれを選択した場合の動作について説明します。

中継する
クライアントからの定期的な通知または「ソフトウェア稼働情報の取得」ジョブで取得される稼働情報は,中継マネージャを経由して必ず上位システムに通知されるようになります。
上位システムからポリシーを適用している場合,稼働情報はポリシーを適用した上位システムに通知されます。中継マネージャからポリシーを適用している場合,稼働情報は中継マネージャの接続先の上位システムに通知されます。
中継しない
下位システムから通知された稼働情報は,この設定をした中継マネージャよりも上位に通知されなくなります。
例えば,上位システムから「ソフトウェア稼働情報の取得」ジョブが実行されても,下位システムの稼働情報は中継マネージャに通知されます。上位システムには通知されません。
(b) チェックボックスがオフの場合の動作

クライアントからの定期的な通知または「ソフトウェア稼働情報の取得」ジョブで取得される稼働情報は,稼働監視ポリシーの適用元(「ソフトウェア稼働監視の制御」ジョブの実行元)に通知されます。

例えば,上位システムからポリシーを適用した場合に,中継マネージャから「ソフトウェア稼働情報の取得」ジョブを実行しても,稼働情報は上位システムに通知されます。