7.3.3 Oracleの環境設定

Oracleのリレーショナルデータベースの場合,次に示す設定が必要です。

また,Asset Information Manager Limitedを使用する場合は,Asset Information Manager Limitedのリレーショナルデータベースの環境を設定する必要があります。

次に,各設定について説明します。

<この項の構成>
(1) データベースインスタンスの作成およびサービスの作成
(2) 初期化パラメタファイルのチューニング
(3) リレーショナルデータベースのアクセス権の設定

(1) データベースインスタンスの作成およびサービスの作成

リレーショナルデータベースを使用するには,リレーショナルデータベースのサーバで,データベースインスタンスを作成する必要があります。また,リレーショナルデータベースのクライアントで,サービスを作成する必要があります。それぞれの作成方法についてはOracleのマニュアルを参照してください。

(a) リレーショナルデータベースのサーバでの設定

リレーショナルデータベースのサーバで,データベースインスタンスを作成してください。作成には,Oracle Database Configuration Assistantを使用してください。

(b) リレーショナルデータベースのクライアントでの設定

リレーショナルデータベースのクライアントで,サービスを作成してください。作成には,次のプログラムを使用してください。

Oracle8iの場合
Oracle Net8 Assistant
Oracle9iの場合
Oracle Net Manager

なお,サービス名は次の形式で指定してください。

「NETM_接続先サーバ名」

「接続先サーバ」とは,JP1/NETM/DM ManagerのサーバがインストールされているPCを示します。また,接続先サーバ名はDNS名称を含まない名称で指定してください。

(例)
接続先のサーバ名が「dmp380.Hitachi.co.jp」の場合
NETM_dmp380

なお,リモートインストールマネージャの[JP1/NETM/DMログオン]ダイアログボックスで指定した接続先の「NETM/DMサーバ」にホスト名でなくIPアドレスを指定している場合,「接続先サーバ名」にIPアドレスの指定も必要です。指定する場合は,ピリオドを「_」(アンダーバー)に変更して指定してください。

(例)
接続先のサーバ名が「172.18.22.31」の場合
NETM_172_18_22_31

(2) 初期化パラメタファイルのチューニング

JP1/NETM/DMを使用する上で,チューニングを必要とするパラメタおよびチューニング方法について説明します。

(a) チューニングの必要なパラメタ
db_block_buffers
データベースブロック数を指定します。このパラメタ値は,データキャッシュのサイズを制御します。実際に割り当てられるデータキャッシュサイズは,db_block_size × db_block_buffersになります。
shared_pool_size
共用プールサイズ(単位:バイト)を指定します。共用プールには,Oracleの管理情報(SQLを解析した結果のライブラリキャッシュやディクショナリキャッシュ)が含まれます。
processes
同時に接続できるユーザ数の最大値を指定します。JP1/NETM/DMが必要とする同時に接続できるユーザ数の算出方法を次に示します。
同時接続数
=25
+リモートインストールマネージャ同時接続数×5
+パッケージャ同時接続数×2
+クライアントまたは中継システム同時接続数×2
+WWWブラウザからの同時接続数×5
+JP1/Cm2/NNMまたはHP OpenView nnmからの同時接続数×5
(b) チューニング方法
db_block_buffers
割り当ての目安となる値を示します。データベース稼働状態で,次のSQLを実行し,データキャッシュのヒット率が90%以下の場合には,バッファ数を多くしてください。
データキャッシュヒット率を求めるSQL
Select (a.value + b.value) "Log_Reads", c.value "Rhy_Reads",
Round(((1 - (c.value / (a.value + b.value))) * 100), 3) "Buffer Hit Ratio"
from v$sysstat a,v$sysstat b,v$sysstat c
where a.name = 'db block gets' and b.name = 'consistent gets'
and c.name = 'physical reads';
shared_pool_size
32メガバイト程度の値を指定してください。データベース稼働状態で,次のSQLを実行し,ライブラリキャッシュおよびディクショナリキャッシュのヒット率が90%以下の場合には,割り当てサイズを大きくしてください。
ライブラリキャッシュヒット率を求めるSQL
Select sum(pins) "Executions", sum(reloads) "Misses",
Round(100*(1-sum(reloads)/sum(pins)),3) "Hit Ratio" from v$librarycache;
ディクショナリキャッシュヒット率を求めるSQL
Select sum(gets) "Gets", sum(getmisses) "Misses",
Round(100*(1-sum(getmisses)/sum(gets)),3) "Hit Ratio"
from v$rowcache where gets <> 0;
processes
同時に接続できるユーザ数を指定してください。

(3) リレーショナルデータベースのアクセス権の設定

リレーショナルデータベースを運用するにはアクセス権の設定が必要です。次に設定方法を示します。

データベース作成後にユーザを作成する場合は,次の手順で作成してください。

  1. ロール権限に「CONNECT」「EXP_FULL_DATABASE」「INP_FULL_DATABASE」および「RESOURCE」を与える。
  2. JP1/NETM/DMの全テーブルにオブジェクト権限としてすべての権限を与える。
    SYSTEMでデータベース作成し,NETM_USER01を作成した場合の例

    GRANT ALL ON "SYSTEM"."NETMDM_CABINET" TO "NETM_USER01"

  3. JP1/NETM/DMの全テーブルをユーザから参照するためにシノニムを作成する。
    SYSTEMでデータベースを作成し,NETM_USER01を作成した場合の例

    CREATE SYNONYM "NETM_USER01"."NETMDM_CABINET" FOR "SYSTEM"."NETMDM_CABINET"