7.4.6 データベースを再編成する

Embedded RDBでは,レコードが削除された領域は再利用できない領域になります。このため,データベース領域に再利用できない領域が増えると,データベース領域の使用率を圧迫することがあります。

そこで,データベース領域の使用率が80%以上になった場合は,データベースを再編成して領域を再利用できるようにする必要があります。

データベース領域の使用率が80%以上かどうかは,イベントログに次のIDのメッセージが表示されるかどうかで判断できます。

メッセージの詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 メッセージ」を参照してください。

なお,データベースを再編成してもデータベースの容量不足を示すメッセージが表示される場合は,データベースの容量を拡張する必要があります。「データベースをアップグレードする」から,データベース領域ファイルのサイズを大きくしてください。

メッセージに出力されるRDエリア(Embedded RDBで表およびインデックスを格納する論理的なエリア)の名称,データベースを再編成する範囲,および拡張するデータベース領域ファイルの対応を次の表に示します。

表7-3 メッセージ,再編成する範囲および拡張するデータベース領域ファイルの対応

メッセージのRDエリア名称再編成する範囲拡張するデータベース領域ファイル
NETMDM_NETM_TABLES全体常駐表ファイル
NETMDM_NETM_INDEXES全体索引ファイル
NETMDM_COLLECT_SERVPATH
NETMDM_EXECUTION_SITE_SYSINF
NETMDM_EXECUTION_SYSINF
NETMDM_JOBGEN_COLLECT_DIR
NETMDM_JOBGEN_COLLECT_SCRPTF
NETMDM_JOBGEN_COLLECT_SYSINF
NETMDM_JOBGEN_PACK_ATTRINF
NETMDM_JOBGEN_PACK_SCRPTF
NETMDM_JOBGEN_SOFT_CONDF
NETMDM_JOBSCRIPT_SCRPTF
NETMDM_SYSTEMJOB_REQUESTFILE
NETMDM_SYSTEMJOB_RESULTFILE
NETMDM_MNGLIST_LIST
NETMDM_SCHEDULE_SYSINF
NETMDM_JOBGEN_MESSAGE
ジョブジョブ関連バイナリオブジェクトファイル
NETMDM_CABINET_SYSINF
NETMDM_PACKAGE_INF_SYSINF
NETMDM_PACKAGE_PACKAGE
NETMDM_PACKAGE_SCRPTF
NETMDM_INSPACKAGE_SYSINF
NETMDM_USERINVLIST_ITEMVALS
NETMDM_USERINVLIST_SYSINF
パッケージ,インベントリ資産情報関連バイナリオブジェクトファイル
NETMDM_NETM_MONITORING稼働監視履歴ソフトウェア稼働監視履歴ファイル
NETMDM_OSPATCH_FILEn
NETMDM_OSPATCH_SCRIPT
更新プログラム更新プログラム管理ファイル
NETMDM_NETM_TEMP_TABLES
NETMDM_NETM_TEMP_INDEXES
NETMDM_T6_DIRn
NETMDM_T6_SCRPTFn
NETMDM_T7_CONDFn
NETMDM_T11_ATTRINFn
NETMDM_T11_SCRPTFn
NETMDM_T12_UINVINFn
NETMDM_T14_ITEMVALSn
NETMDM_T15_ITEMVALSn
NETMDM_T30_MESSAGEn
全体一時表ファイル

注※ nには1~8の数字が入ります。


Embedded RDBを再編成するには,データベースマネージャを使用する方法と,コマンドを使用する方法があります。それぞれについて説明します。

<この項の構成>
(1) データベースマネージャを使用したデータベースの再編成
(2) コマンドを使用したデータベースの再編成

(1) データベースマネージャを使用したデータベースの再編成

データベースマネージャを使用してデータベースを再編成する手順を次に示します。

なお,データベースの再編成は,[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,「Remote Install Server」サービスを停止してから実行してください。

  1. [Welcome]ダイアログボックスで「データベースを再編成する」を選択して,[次へ]ボタンをクリックする。
    [データベースの認証情報]ダイアログボックスが表示されます。
  2. [データベースの認証情報]ダイアログボックスで管理者ユーザIDとパスワードを指定して,[次へ]ボタンをクリックする。
    [データベースの再編成]ダイアログボックスが表示されます。

    図7-20 [データベースの再編成]ダイアログボックス

    [図データ]

    再編成範囲
    データベースを再編成する範囲を選択できます。
    「全体」チェックボックスをオンにすると,ほかのすべてのチェックボックスが非活性になります。「全体」チェックボックスをオフにすると,すべてのチェックボックスが活性化します。
    また,「全体」以外のチェックボックスをオンにすると,「全体」チェックボックスが非活性になります。デフォルトは,「全体」チェックボックスがオンです。
    再編成される範囲に対応するテーブルの一覧を次の表に示します。

    表7-4 再編成される範囲に対応するテーブル一覧

    再編成範囲テーブル
    全体システム構成netmdm_nnm_management,netmdm_system,netmdm_lastupdate,netmdm_host_withoutdm,netmdm_system_delete,netmdm_systeminf,netmdm_suspend
    パッケージnetmdm_cabinet,netmdm_package,netmdm_package_inf
    あて先netmdm_id,netmdm_id_policy,netmdm_identry,netmdm_node,netmdm_node_policy,netmdm_node_policy_detail
    ジョブnetmdm_collect,netmdm_execution,netmdm_execution_site,netmdm_execution_summary,netmdm_jobgen,netmdm_jobgen_collect,netmdm_jobgen_id,netmdm_jobgen_node,netmdm_jobgen_pack,netmdm_jobgen_soft,netmdm_jobgen_system,netmdm_jobgen_userinv,netmdm_jobsch,netmdm_jobsch_site,netmdm_jobscript,netmdm_schedule,netmdm_stscnt,netmdm_jobgen_msg,netmdm_jobgen_monitoring,netmdm_stscnt_site,netmdm_stscnt_summary,netmdm_systemjob
    インベントリnetmdm_clientlist,netmdm_inspackage,netmdm_inventry,netmdm_mnglist,netmdm_registry,netmdm_reglist,netmdm_softwaredic,netmdm_softwaredel,netmdm_softwarelicence,netmdm_userinventry,netmdm_userinvlist,netmdm_oidlist,netmdm_discovery_setup,netmdm_discovery_community,netmdm_discovery_info,netmdm_discovery_options,netmdm_monitoring_filter,netmdm_monitoring_policy,netmdm_monitoring_program,netmdm_monitoring_permission,netmdm_monitoring_result,netmdm_monitoring_work,netmdm_vidlist,netmdm_activedirectory,netmdm_adproperty,netmdm_addictionary,netmdm_adupdate,netmdm_monitoring_webfilter
    稼働監視履歴netmdm_monitoring_security,netmdm_monitoring_workresult
    更新プログラムnetmdm_ospatch_patchinf,netmdm_ospatch_productref,netmdm_ospatch_classref,netmdm_ospatch_xmlinf,netmdm_ospatch_script
  3. [データベースの再編成]ダイアログボックスで再編成する範囲を設定し,[次へ]ボタンをクリックします。
    [データベース再編成の実行]ダイアログボックスが表示されます。

    図7-21 [データベース再編成の実行]ダイアログボックス

    [図データ]

  4. [実行]ボタンをクリックします。
    データベースの再編成が実行されます。

(2) コマンドを使用したデータベースの再編成

データベースを再編成する,netmdb_reorganization.batコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ¥bin下に格納されています。

機能
データベースを再編成します。再編成する範囲は「全体」になります。
形式

netmdb_reorganization.bat ポート番号
                         管理者ユーザID
                         パスワード
                         /i JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ
                         /o 実行結果の出力先ファイル名

オプション
  • ポート番号
    データベースに接続するポート番号を指定します。
  • 管理者ユーザID
    データベースにログオンする管理者ユーザIDを指定します。
  • パスワード
    データベースにログオンするためのパスワードを指定します。
  • /i
    JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリをフルパスで指定します。
  • /o
    このオプションを指定すると,データベースの再編成の結果を通知するファイルが出力されます。実行結果を出力するファイル名をフルパスで指定します。
リターンコード
netmdb_reorganization.batコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
リターンコード内容
0正常終了
-1異常終了
注意事項
  • netmdb_reorganization.batコマンドのBATファイルの内容を変更しないでください。変更した場合,データベースを再編成できなくなります。
  • データベースの再編成は,[コントロールパネル]の[管理ツール]-[サービス]で,JP1/NETM/DM Managerの「Remote Install Server」サービスを停止してから実行してください。
  • netmdb_reorganization.batコマンドを使用してデータベースを再編成する場合,コマンドを実行するユーザにAdministrator権限が必要です。
  • netmdb_reorganization.batコマンドのオプションは,形式で示した順序で設定してください。
実行例
netmdb_reorganization.batコマンドを使用して,データベースを再編成する例を説明します。
この実行例では,各ディレクトリを次のように指定しています。
  • JP1/NETM/DM Managerのインストールディレクトリ
    C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM
  • 実行結果の出力先ファイル名
    C:¥NETMDB¥reorg.txt
また,コマンドを実行する前に,実行結果の出力先ファイルの格納先ディレクトリを作成しておいてください。
コマンドの実行例を次に示します。

netmdb_reorganization.bat ポート番号 管理者ユーザID パスワード /i "C:¥Program Files¥Hitachi¥NETMDM" /o C:¥NETMDB¥reorg.txt