9.7.8 ネットワーク構成情報ファイルの作成
(1) ネットワーク構成情報ファイルの記述形式
ネットワーク構成情報ファイルは,CSV形式で記述します。1行目に「タイトル行」を記述し,2行目以降で1行ごとに各ホストの情報を記述します。
ネットワーク構成情報ファイルの記述例を次の図に示します。
図9-46 ネットワーク構成情報ファイルの記述例
![[図データ]](figure/mnt0450.gif)
タイトル行では,ホスト情報に記述する項目の順序を定義します。タイトル行は任意の順序で項目を記述できますが,タイトル行に記述する項目の順序と,ホスト情報に記述する項目の順序は,同じにする必要があります。
なお,ネットワーク構成情報ファイルは,次に示す範囲内で記述してください。
- 1行に指定できる項目数:32項目以内
- 1行当たりのデータ量:16キロバイト以内
(2) ネットワーク構成情報ファイルの項目
ネットワーク構成情報ファイルのタイトル行に記述する項目と,ホスト情報に記述する項目について説明します。
(a) タイトル行に記述する項目
タイトル行に記述する項目と,各項目の形式を次に示します。
- 「MACアドレス」(必ず記述)
「MAC」は半角大文字で,「アドレス」は全角かたかなで記述します。
- 「IPアドレス」(必ず記述)
「IP」は半角大文字で,「アドレス」は全角かたかなで記述します。
- 「サブネットマスク」
全角かたかなで記述します。
- 「ノード名称」
すべて全角で記述します。
- 「ノードの説明」
すべて全角で記述します。
- 「検出日時」
すべて全角で記述します。
- 「ノード種別」
すべて全角で記述します。
同じ項目は複数記述しないでください。「MACアドレス」と「IPアドレス」以外の項目は省略できます。
タイトル行に,形式が異なる項目や記述できない項目が含まれる場合,その項目は無視されます。また,その項目の記述位置に対応するホスト情報の項目も無視されます。例えば,タイトル行の三つ目に「機器情報」という項目を記述した場合,「機器情報」は記述できない項目なので,ネットワーク構成情報ファイル内の3列目に位置するホスト情報の項目が,すべて無視されます。
(b) ホスト情報に記述する項目
タイトル行に記述した項目,および項目の順序に対応するよう,ホストごとに次に示す項目を記述します。
- MACアドレス(必ず記述)
ホストのMACアドレスを,12~17バイトの16進数で記述します。英字の大文字と小文字は区別されません。MACアドレスを2けたずつ区切る場合は,半角の「:」(コロン),「-」(ハイフン),またはスペースのうち,どれか一つを区切り文字に使用してください。
なお,同じMACアドレスを持つホスト情報が複数記述されている場合,該当するホスト情報のうち,最後に記述されたホスト情報だけが検出の対象になります。
- IPアドレス(必ず記述)
ホストのIPアドレスを記述します。
- サブネットマスク
ホストのサブネットマスクを記述します。
- ノード名称
ホストの名称を,半角で80文字(全角で40文字)以内で記述します。通常はホスト名やコンピュータ名を記述します。
- ノードの説明
ホストの説明を,半角で255文字(全角で127文字)以内で記述します。
- 検出日時
JP1/NETM/DM未導入ホストとして初めて検出された日時です。JP1/NETM/DM未導入ホストの検出時に,自動的に設定されます。
検出日時を記述する場合は,YYYY/MM/DD hh:mm:ssの形式で記述します。「YYYY/MM/DD」と「hh:mm:ss」の間には半角スペースを記述してください。
- YYYY :西暦年(1970~2038)
- MM :月(01~12)
- DD :日(01~31)
- hh :時(00~23)※
- mm :分(00~59)※
- ss :秒(00~59)※
- 注※
- 省略できる項目です。省略した場合は,それ以降の項目も省略する必要があります。省略した項目には00が設定されます。
- ノード種別
ホストの種別を指定します。指定できる種別を次に示します。
- コンピュータ(全角かたかな)
- ルータ(全角かたかな)
- ブリッジ(全角かたかな)
- リピータ(全角かたかな)
- プリンタ(全角かたかな)
- RMON(半角英文字)
省略した場合は「コンピュータ」が設定されます。また,上記以外の項目を記述した場合,JP1/NETM/DM未導入ホストの検出時にエラーとなります。
JP1/NETM/DM未導入ホストを検出時には,種別が「コンピュータ」以外のホストは,自動的に検出対象外に指定されます。
(c) ネットワーク構成情報ファイル作成時の注意事項
- ネットワーク構成情報ファイルに,JP1/NETM/DMが管理しているネットワークの範囲外のホストが記述されている場合,該当するホストはすべてJP1/NETM/DM未導入ホストとして検出されます。
- ホスト情報に「"」(ダブルクォーテーション)および「,」(コンマ)が含まれる項目を指定する場合,次に示す方法で指定してください。
ホスト情報の項目は,「"」で囲んで指定できます。
- (例)「Windows 2000 Professional」と記述する場合
- …,"Windows 2000 Professional",…
また,ホスト情報の項目中に「,」または「"」を使用する場合は,次の規則に従って指定してください。
- ホスト情報の項目中に「,」を使用する場合
- 項目を「"」で囲んでください。
- (例)「Windows 2000, Professional」と記述する場合
- …,"Windows 2000, Professional",…
- ホスト情報の項目中に「"」を使用する場合
- 項目中の「"」は文字列と見なされるので,そのまま指定してかまいません。
- (例)「Windows "2000" Professional」と記述する場合
- …,Windows "2000" Professional,…
- ただし,項目を「"」で囲んで指定する場合は,項目中の「"」を二つ連続して記述してください。
- (例1)「Windows "2000" Professional」と記述する場合
- …,"Windows ""2000"" Professional",…
- (例2)「"Windows 2000 Professional"」と記述する場合
- …,"""Windows 2000 Professional""",…
- ホスト情報の項目中に「,」および「"」を使用する場合
- 項目を「"」で囲んでください。また,項目中の「"」を二つ連続して記述してください。
- (例)「Windows "2000", Professional」と記述する場合
- …,"Windows ""2000"", Professional",…
(3) JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する
JP1/NETM/DMシステムとJP1/NetInsight II -PortDiscoveryを同じネットワーク内で運用している場合,JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成できます。
JP1/NetInsight II -PortDiscoveryは,ネットワークに接続している機器の情報を収集し,ネットワークの構成情報の一覧を作成するプログラムです。ネットワークに接続されている機器の種別やIPアドレスなどの情報を一覧形式で確認できます。また,定期的にネットワークの構成情報を収集したり,不正な接続を監視したりすることもできます。JP1/NetInsight II -PortDiscoveryの機能および操作方法の詳細については,マニュアル「JP1/NetInsight II -PortDiscovery Advance」を参照してください。
JP1/NetInsight II -PortDiscoveryを使用してネットワーク構成情報ファイルを作成する方法について説明します。
- JP1/NetInsight II -PortDiscoveryのエクスプロ-ラを起動する。
- エクスプローラの[コントローラ]画面で,JP1/NETM/DM未導入ホストを検出したいネットワークの範囲を指定して,[探索]-[実行]を選択する。
指定した範囲内に接続されている機器の情報が取得されます。
探索結果が,JP1/NetInsight II -PortDiscoveryのエクスプローラに表示されます。
- エクスプローラで,[編集]-[検索]を選択する。
[検索]ダイアログボックスが表示されます。探索結果から,ネットワーク構成情報ファイルに記載する情報を抽出します。
[検索]ダイアログボックスでの指定方法について説明します。
- [検索条件]パネル
図9-47 [検索条件]パネル
![[図データ]](figure/mnt0460.gif)
- 検索項目
- 「クラス」を指定します。
- 比較条件
- 「=」を指定します。
- 値
- ホストの情報を抽出するので,「端末」を指定します。
- OSのルータ機能を使用しているホストや,プリンタサーバ用のソフトウェアをインストールしているホストは,クラスが「ルータ」「プリンタ」として探索されます。そのため,探索されたすべてのホストをJP1/NETM/DM未導入ホストの検出の対象にするには,「ルータ」と「プリンタ」も検索条件に加えてください。
各項目を設定したら,[OR追加]ボタンをクリックして「検索条件一覧」に検索条件を追加します。
- [出力項目]パネル
図9-48 [出力項目]パネル
![[図データ]](figure/mnt0470.gif)
- 出力対象
- ネットワーク構成情報ファイルに記載する項目を指定します。
- MACアドレス(必ず指定),IPアドレス(必ず指定),サブネットマスク,ノード名称,およびノードの説明をそれぞれ選択し,[追加]ボタンをクリックして「出力項目一覧」に追加します。
- 出力項目一覧
- ネットワーク構成情報ファイルに記載される項目が表示されます。項目の順序は任意に設定してください。
- [検索開始]ボタンをクリックする。
[検索結果表示]ダイアログボックスに,検索結果が表示されます。
図9-49 [検索結果表示]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/mnt0480.gif)
- [検索結果表示]ダイアログボックスで,[ファイル出力]ボタンをクリックする。
検索結果がCSV形式ファイルで出力されます。出力されたCSV形式ファイルは,そのまま,ネットワーク構成情報ファイルとして使用できます。