2.7.2 操作ログを集計する操作ログ集計

操作ログの集計結果から,部署ごとの状況を確認します。ファイル持ち出しなどの操作がどのくらい実行されたか,検出された操作ログの件数がどのように変化しているかなどを確認できます。

なお,JP1/秘文と連携しない場合は,[サーバセットアップ]ダイアログの「JP1/秘文との連携設定」で「連携しない」を設定してください。

デフォルトの設定では,操作ログ集計は管理者だけが実行できます。

操作ログの集計結果は,業務メニュー「操作ログ集計」をクリックすると表示される操作ログ集計画面から確認します。操作ログ集計画面を次の図に示します。

図2-91 操作ログ集計画面

[図データ]

正しい集計結果を取得するために,管理対象のクライアントから正確に操作ログを収集してください。

操作ログ集計画面から集計結果を確認するには,jamOperationLogAddUpコマンドを実行して操作ログを集計しておく必要があります。jamOperationLogAddUpコマンドを実行する方法については,「(5) jamOperationLogAddUp(操作ログの集計)コマンドの実行」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 条件を指定して集計結果を表示する
(2) 部署ごとの内訳を表示する
(3) 操作ログを表示する
(4) 操作ログの集計結果をグラフで表示する
(5) jamOperationLogAddUp(操作ログの集計)コマンドの実行

(1) 条件を指定して集計結果を表示する

必要に応じて検索条件を指定して[検索]ボタンをクリックすると,操作ログの集計結果を確認できます。「検索期間」には,集計結果を確認したい期間を指定します。1年以内の期間を指定してください。検索期間の開始日は,必ず指定してください。検索期間の終了日を指定しなかった場合,検索を実行した日が検索期間の終了日に指定されます。

検索結果の見方

操作ログの集計後に,部署情報またはIPグループ情報を変更した場合は,変更した内容は集計結果に反映されません。

(2) 部署ごとの内訳を表示する

操作ログ集計画面で,検索結果の「検索パターン名」のラジオボタンを選択して,[表示]または[累計表示]ボタンをクリックすると,検索条件に指定した部署内の集計結果が表示されます。[表示]ボタンをクリックすると,該当する部署の集計結果が表示されます。[累計表示]ボタンをクリックすると,下位の部署を含んだ集計結果が表示されます。

部署ごとの内訳が表示された画面を次の図に示します。

図2-92 部署ごとの内訳が表示された画面(累計表示)

[図データ]

管理対象の機器の資産情報が資産管理データベースにない場合,「未登録機器」として集計結果が表示されます。

(3) 操作ログを表示する

部署ごとの内訳が表示された画面で,「日付」のアンカーをクリックすると,[操作ログ集計 ログ一覧]ダイアログが表示されて,クリックした日付の操作ログを確認できます。

[操作ログ集計 ログ一覧]ダイアログを次の図に示します。

図2-93 [操作ログ集計 ログ一覧]ダイアログ

[図データ]

機器ごとの操作ログの詳細は,「日時」のアンカーをクリックすると表示される[操作ログ詳細]ダイアログから確認できます。操作ログの詳細を確認する手順については,「2.7.1(3) 機器ごとの操作ログの詳細を確認する」を参照してください。

機器の詳細情報は,「ホスト名」のアンカーから確認できます。機器の詳細情報を確認する手順については,「2.7.1(4) 機器の資産情報を確認する」を参照してください。

ユーザの操作は,「ファイル名」のアンカーをクリックすると表示される[ファイル操作トレース]ダイアログから追跡できます。ユーザの操作を追跡する手順については,「2.7.3 ユーザの操作を追跡する」を参照してください。

(4) 操作ログの集計結果をグラフで表示する

部署ごとの内訳が表示された画面で,集計結果を表示したい部署のチェックボックスをチェックして[グラフ]ボタンをクリックすると,操作ログ集計 推移画面が表示されます。操作ログ集計 推移画面では,該当する操作ログの数の推移をグラフで確認できます。部署は,255個まで選択できます。

なお,操作ログの集計結果をグラフで表示するには,グラフを表示するユーザのPCにMicrosoft Officeをインストールする必要があります。

操作ログ集計 推移画面を次の図に示します。

図2-94 操作ログ集計 推移画面

[図データ]

(5) jamOperationLogAddUp(操作ログの集計)コマンドの実行

操作ログの集計を実行するjamOperationLogAddUpコマンドの機能,形式,オプション,戻り値,コマンド実行時の注意事項および実行例について説明します。また,Windowsのタスクスケジューラにタスクを登録して,定期的にjamOperationLogAddUpコマンドを実行するための設定についても説明します。

なお,コマンドの実行ファイルは次のフォルダに格納されています。

Asset Information Managerのインストールフォルダ¥exe

(a) 機能

操作ログを集計します。

(b) 形式

jamOperationLogAddUp -p "検索パターン名" [-s 集計基点日] [-d 集計日数] [-k 集計結果保持日数]

(c) オプション
-p "検索パターン名"
検索条件となる検索パターン名を指定します。登録されている検索パターンの名称を指定してください。このオプションは,必ず指定してください。検索パターンは,複数指定できます。複数指定する場合は,「-p "コピー検出" "ファイル持ち出し" "ファイル持ち出し抑止"」のように,検索パターン名の間に半角スペースを入れて指定してください。
なお,検索パターン名に「"」が含まれている場合は,二つ続けて「"」を指定してください。例えば,「"平文持ち出し"」という検索パターン名の場合は,「-p """平文持ち出し"""」のように指定します。
-s 集計基点日
操作ログを集計する基準の日(集計基点日)を「-s yyyymmdd」(yyyyは2000~9999の整数)の形式で指定します。なお,集計基点日の翌日以降の期間を集計していた場合,その集計結果は削除されます。このオプションは省略できます。省略すると,コマンドの実行日の前日が集計基点日となります。
-d 集計日数
集計基点日からx日前までを,集計期間として「-d Dx」(xは0~2,192の整数)の形式で指定します。集計基点日の操作ログも含めてx+1日分集計されます。このオプションは省略できます。省略すると,集計基点日から6日前までの期間で集計します。例えば,5月4日が集計基点日の場合,3日前の5月1日から集計したいときは,「-d D3」と指定します。
-k 集計結果保持日数
集計基点日からy日前を,集計結果を保持しておく期限として「-k Dy」(yは0~2,192の整数)の形式で指定します。なお,指定した日より過去の集計結果は削除されます。集計結果保持日数には,集計日数より大きい値を指定してください。このオプションは省略できます。省略すると,集計基点日から6日前までの集計結果は保持され,それより過去の集計結果が削除されます。
なお,集計結果保持日数に大きな値を指定すると,資産管理データベースの容量が大きくなります。集計結果を保持する期限を検討して,指定してください。
(d) 戻り値

次の戻り値を返します。

戻り値内容
0正常終了。
1正常終了(集計結果なし)。
2パラメタが不正です。
3該当する検索パターンが存在しません。
4JP1/NETM/DMとの接続でエラーが発生しました。
5JP1/秘文との接続でエラーが発生しました。
6環境不正です。
7DLLロードエラーが発生しました。
8操作ログ集計関数でエラーが発生しました。
9レジストリ情報取得時にエラーが発生しました。
10jamscript.exe実行時にエラーが発生しました。
(e) コマンド実行時の注意事項
(f) 実行例
実行例1
jamOperationLogAddUp - p "ファイル持ち出し" -d D2 -k D6
 
この例では,コマンドの実行日の前日を集計基点日として,集計基点日から2日前までの操作ログが集計されます。また,集計基点日の6日前より過去の集計結果が削除されます。
例えば,5月10日にコマンドを実行した場合,5月7日~5月9日の期間で3日分の操作ログが集計され,5月3日より過去の集計結果が削除されます。
[図データ]
実行例2
jamOperationLogAddUp - p "ファイル持ち出し" -d D2 -k D3
 
この例では,集計期間が,過去の集計期間と重複する場合について説明します。
例えば,1回目の集計として5月10日にコマンドを実行した場合,5月7日~5月9日の期間で3日間分の操作ログが集計されます。次に,2回目の集計として5月12日にコマンドを実行した場合,5月9日~5月11日の期間で3日分の操作ログが集計されます。このとき,5月9日の集計結果は上書きされます。2回目にコマンドを実行することで,5月8日より過去の集計結果が削除されるため,1回目に集計した5月7日の集計結果は削除されます。
集計結果としては,1回目に集計した5月8日の集計結果と2回目に集計した5月9日~5月11日の集計結果が保存されています。
[図データ]
(g) jamOperationLogAddUp(操作ログの集計)コマンドを定期実行するための設定

jamOperationLogAddUpコマンドは,Windowsのタスクスケジューラにタスクとして登録することで,定期的に実行することもできます。タスクを登録するには,タスクのプロパティダイアログで,「タスク」タブの「実行するファイル名」に,次の内容を追加してください。

-f Asset Information Managerのインストールフォルダ¥exe¥jamOperationLogAddUpコマンドの実行形式

「jamOperationLogAddUpコマンドの実行形式」は,(b)と同じです。