4.10.1 インポートするCSVファイルを作成する

ほかのシステムで出力したCSVファイルや,エクスポートしたデータを編集したCSVファイルなど,インポートするCSVファイルを用意します。

インポートは,「機器に関する情報」,「ソフトウェア情報」などの情報の種類(資産種別)を指定して実行します。資産種別ごとのインポートの対象となる項目については,マニュアル「設計・構築ガイド」の「13.4 業務メニューからのインポートおよびエクスポートの対象となる項目」を参照してください。

また,各項目の詳細については,マニュアル「設計・構築ガイド」の「13.2 オブジェクトクラスのプロパティ一覧」を参照してください。

<この項の構成>
(1) CSVファイルのフォーマット
(2) 資産管理データベースで管理している情報が優先される項目
(3) CSVファイルの作成方法

(1) CSVファイルのフォーマット

1行目は,項目名を,(コンマ)で区切って記述し,2行目以降に各項目の値を記述します。

項目名は任意の文字列を記述できます。CSVファイルの項目名は,管理項目との引き当てに使用するので,必ずファイル内でユニークになるように指定してください。

1台のPCに複数のIPアドレスが割り当てられている場合など,同一の資産に対して複数の情報がある場合は,複数ある情報以外を同じにして,複数行で記述します。

注意事項
CSVファイルを編集する場合,Microsoft Excelを使用して直接ファイルを開くと,コードやIDなど,先頭に0が付く数値は先頭の0が自動的に削除されてしまうため,元の情報とは異なる値で更新されてしまうことがあります。
そのため,Microsoft Excelを使用するときは,「テキストファイルのインポート」機能を使用して,列のデータ形式を「文字列」に設定したあと,ファイルを読み込んで編集してください。
参考
CSVファイルの項目名を管理項目と同じ文字列にして,インポートの条件作成を省略することもできます。条件には,サンプルで提供されている条件を指定します。サンプルの条件とは,各資産種別のデフォルトの設定で作成した条件のことです。CSVファイルの項目名に合わせて条件を作成するか,サンプルの条件を使用してCSVファイルを編集するかは,状況に応じて使い分けてください。
また,CSVファイルを編集するときは,次の手順でエクスポートしたデータを利用すると便利です。
  1. 業務メニュー「エクスポート」から,インポートしたい情報と同じ資産種別を選択して,デフォルトの設定でエクスポートする。
  2. 出力されたCSVファイルの項目名を,インポートしたいCSVファイルの項目名にする。
エクスポートを実行しない場合は,マニュアル「設計・構築ガイド」の「13.4 業務メニューからのインポートおよびエクスポートの対象となる項目」を参照して,項目名を合わせてください。

(2) 資産管理データベースで管理している情報が優先される項目

部署,ユーザ,権限および職権の情報をインポートする場合,CSVファイルに記述した「部署ID」,「ユーザID」,「権限ID」,「職権ID」の値を基に,資産管理データベースの部署情報,ユーザ管理情報,権限情報,職権管理情報から対応する「部署名」,「ユーザ名」,「権限名」,「職権名」が登録されます。

そのため,IDと名称の組み合わせが資産管理データベースと異なった場合は,IDが一致した資産管理データベースの情報が,CSVファイルの値よりも優先されます。

(3) CSVファイルの作成方法

資産管理データベースに登録されているデータを更新する場合,既存のデータとの引き当てに使用する値をCSVファイルに記述して,条件を作成するときに正しく引き当て項目を設定する必要があります。

ここでは,データを追加または更新する場合のCSVファイルの作成方法について,資産種別ごとに説明します。なお,CSVファイルを作成する際に注意する点は,インポートの条件を作成する場合と共通しています。インポートの条件を作成するときも,CSVファイルの作成方法に基づいて,各項目を設定してください。

既存のデータを更新する場合の引き当て方法
既存のデータを更新する場合,資産管理データベースのデータとの引き当て項目に注意して,条件を作成する必要があります。
インポートするCSVファイルのデータと既存のデータとの引き当てには,「資産ID」,「部署ID」などIDの値が優先されます。次に,「資産番号」や「部署名」などのIDに対応する値が優先され,最後に「部署名(英名)」のように英名がある場合は英名で引き当てられます。
機器に関する情報をインポートする場合を例に,どのように既存のデータを引き当てて更新するかを次の図に示します。

図4-24 CSVファイルのインポート時の引き当ておよび更新例

[図データ]
  1. 「資産ID:000001」で既存のデータを引き当てて,CSVファイルの値で「資産番号」が「000001」に更新されます。
  2. CSVファイルの値「部署ID:11000000」で部署情報と引き当てて,「部署ID」と対応する「部署名」の「資産管理部」で更新されます。
このように,IDと対応づけて管理している項目は,IDと名称が資産管理データベースの値と異なっていた場合,IDの値に対応している資産管理データベースの値で更新されるので注意してください。
(a) 機器に関する情報
(b) インストールソフトウェア情報
(c) インストールソフトウェアリスト
(d) ソフトウェア情報
(e) ソフトウェアリスト

既存の情報を更新する場合は,「ソフトウェアリストID」または「ソフトウェア名」と「ソフトウェア種別」の組み合わせのどちらかを必ず記述します。条件にも,CSVファイルの記述に合わせて引き当て項目を設定します。両方設定されている場合は「ソフトウェアリストID」で引き当てられて,「ソフトウェア名」はCSVファイルの値で更新されます。「ソフトウェアリストID」で引き当てる場合は,「ソフトウェア名」には変更する値だけを記述して,変更のない値を省略できます。

(f) 組織管理情報
注意事項
インポートで部署情報を削除する場合,CSVファイルに上位階層の部署を記述すると,その下位の部署とユーザがすべて削除されます。例えば,図4-25のように上位階層の部署とその下位の部署を記述すると,一度のインポートで,ゴミ箱に移動した情報も削除されます。このような場合,部署だけでなく部署に所属するユーザも完全に削除されて,復元できなくなります。
削除した部署の下位の部署とユーザがゴミ箱からも削除される例を次の図に示します。

図4-25 削除した部署の下位の部署とユーザがゴミ箱からも削除される例

[図データ]
  1. 営業部は資産管理データベースから削除され,営業部の下位の部署とユーザはゴミ箱に移動されます。
  2. 営業1課と,営業1課に所属するユーザがゴミ箱からも削除されます。
  3. 営業2課と,営業2課に所属するユーザがゴミ箱からも削除されます。
(g) ユーザ管理情報
(h) 設置場所情報
(i) 保守契約情報,レンタル契約情報,リース契約情報,ボリューム契約
(j) IPグループ情報
(k) 機器カタログ
(l) 問題点管理
(m) ライセンス割り当て
(n) パッチ情報

既存の情報を更新する場合は,「資産ID」または「資産番号」を必ず記述します。条件にも,CSVファイルの記述に合わせて引き当て項目を設定します。両方設定されている場合は「資産ID」で引き当てられます。「資産ID」で引き当てる場合は,「資産番号」を省略できます。

(o) ウィルス定義情報

既存の情報を更新する場合は,「資産ID」または「資産番号」を必ず記述します。条件にも,CSVファイルの記述に合わせて引き当て項目を設定します。両方設定されている場合は「資産ID」で引き当てられます。「資産ID」で引き当てる場合は,「資産番号」を省略できます。