7.1.4 jamimportコマンドでインポートする情報とクラスとの対応

jamimportコマンドでインポートするCSVファイルは,クラス単位に作成します。そのため,CSVファイルを作成する前にクラス間の関連を調べて,目的の情報を登録するには,どのクラスをインポートするかを確認してください。

ハードウェア資産情報のように,複数のクラスをインポートしなければ,登録内容を資産管理業務に利用できない場合があります。

資産管理データベースで管理されているクラスの関連については,「13.1.3 クラス関連図」を参照してください。

アソシエーションクラスのインポートが必要な場合
異なるキープロパティで関連づけられているオブジェクトクラスをインポートする場合は,オブジェクトクラス同士を関連づけるアソシエーションクラスもインポートする必要があります。
Weakアソシエーションの関係にある場合
インポートするオブジェクトクラスが,「AssetInfo」に対してWeakアソシエーションの関係にある場合,「AssetInfo」の情報が先に登録されている必要があります。また,「AssetInfo」を削除すると,Weakアソシエーションの関係にあるオブジェクトクラスも削除されます。
なお,オブジェクトクラス「SoftwareInfo」,「InstalledInfo」,「SoftwareList」,「Contract」,「ContractHistory」に対してWeakアソシエーションの関係にある場合も同様です。
 

これ以降で,jamimportコマンドでインポートするときに複数のクラスをインポートする必要がある情報と,CSVファイル作成時の注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) 機器および機器に関する情報のインポート
(2) ソフトウェアおよびライセンスに関する情報のインポート
(3) 契約情報のインポート
(4) IPグループ情報のインポート
(5) 部署情報のインポート
(6) ユーザ管理情報のインポート
(7) 権限管理情報のインポート
(8) パッチ情報のインポート
(9) ウィルス定義情報のインポート
(10) ソフトウェアの稼働情報のインポート
(11) 保守履歴のインポート
(12) 移管履歴のインポート
(13) 契約履歴のインポート
(14) 契約資産履歴のインポート
(15) 職権管理情報のインポート

(1) 機器および機器に関する情報のインポート

機器の情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-2 機器の情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
AssetInfoGroupInfo部署に関する情報を指定する場合は,オブジェクトクラス「GroupInfo」の対応するプロパティと同じ値を指定します。
LocationInfo設置場所に関する情報を指定する場合は,オブジェクトクラス「LocationInfo」の対応するプロパティと同じ値を指定します。
UserInfoユーザに関する情報を指定する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」の対応するプロパティと同じ値を指定します。
HardwareInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
注※
部署,設置場所およびユーザ名は,「GroupID」,「LocationID」,「UserID」を正しく指定すれば,データメンテナンスのタスクによって,対応する名称が設定されます。
ただし,「GroupID」および「LocationID」に指定したIDがそれぞれの対応するクラスにないと,名称が操作画面に表示されません。

注意事項
  • 機器の情報を削除するときは,「AssetInfo」のプロパティ「AssetStatus」の値を「999(抹消)」に変更して,データメンテナンスのタスクで削除することをお勧めします。インポートで削除する場合は,必ず「AssetInfo」を削除して,「HardwareInfo」だけを削除しないようにしてください。
  • 「HardwareInfo」の「IPAddress」は,IPアドレス管理情報を利用したIPアドレス管理の対象外です。
(a) 機器のインストールソフトウェア情報のインポート

機器にインストールされているソフトウェアの情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

なお,インストールソフトウェア情報は,機器種別がシステム装置(コード:100~198)の機器に登録できます。

表7-3 インストールソフトウェア情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
InstalledInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
InstalledList「InstalledID」には,対応するオブジェクトクラス「InstalledList」と同じIDを指定します。
ComponentInfo「InstalledID」には,対応するオブジェクトクラス「InstalledList」と同じIDを指定します。
(b) 機器のネットワーク情報のインポート

機器のネットワーク情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

なお,ネットワーク情報は,機器種別がシステム装置(コード:100~198)またはネットワーク装置(コード:300~398)の機器に登録できます。

表7-4 ネットワーク情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
NetworkInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
IPAddress「IPAddress」を指定する場合は,指定するIPアドレスが,オブジェクトクラス「IPAddress」に登録されている必要があります。
ただし,DHCPサーバを使用する場合は,「IPAddress」をインポートしないでください。
IPAddressLink「DHCPサーバ名」を設定しない場合は,該当するIPアドレスのオブジェクトクラス「IPAddress」との関連づけを登録する必要があります。
注意事項
  • 「NetworkInfo」のプロパティ「IPAddress」の値を更新または削除する場合は,「IPAddressLink」も併せて更新または削除してください。「IPAddress」の値だけを更新または削除して「IPAddressLink」を削除しないと,削除したIPアドレスが使用中のままと認識されます。
  • IPアドレスを使用していた機器が削除された場合は,「IPAddressLink」だけを削除します。
    オブジェクトクラス「AddressGroup」に定義されている範囲外のIPアドレスは,機器で使用されていないかぎり,データメンテナンスのタスクによって削除されます。

(2) ソフトウェアおよびライセンスに関する情報のインポート

ソフトウェアの情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-5 ソフトウェアの情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
AssetInfoGroupInfo部署に関する情報を指定する場合は,オブジェクトクラス「GroupInfo」の対応するプロパティと同じ値を指定します。
SoftwareInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
SoftwareList「SoftwareListID」には,オブジェクトクラス「SoftwareList」と同じIDを指定します。
注※
部署およびユーザ名は,「GroupID」を正しく指定すれば,データメンテナンスのタスクによって,対応する名称が設定されます。
ただし,「GroupID」に指定したIDがそれぞれの対応するクラスにないと,名称が操作画面に表示されません。

注意事項
  • 無制限ライセンスの場合,「NumberOFLicense」には何も指定しないでください。指定すると,指定した数のライセンスを保有するソフトウェアとして登録されます。
  • ソフトウェアの情報を削除するときは,「AssetInfo」のプロパティ「SoftwareStatus」の値を「999(抹消)」に変更して,データメンテナンスのタスクで削除することをお勧めします。
    インポートで削除する場合は必ず「AssetInfo」を削除し「SoftwareInfo」だけを削除しないようにしてください。
(a) ソフトウェアキー情報のインポート

ソフトウェアキー情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-6 ソフトウェアキー情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
SoftwareKeyInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
SoftwareList「SoftwareListID」には,オブジェクトクラス「SoftwareList」と同じIDを指定します。
MachinePermitLinkマシン許諾のライセンスの割り当て先を登録する場合は,対象のオブジェクトクラス「AssetInfo」との関連を登録する必要があります。
UserPermitLinkユーザ許諾のライセンスの割り当て先を登録する場合は,対象のオブジェクトクラス「UserInfo」との関連を登録する必要があります。
(b) ライセンス情報のインポート

ライセンスの情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-7 ライセンス情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
LicenseInfoSoftwareList「SoftwareListID」には,オブジェクトクラス「SoftwareList」と同じIDを指定します。
(c) ボリューム契約情報のインポート

ボリューム契約情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-8 ボリューム契約情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
VolumeContractVolumeContractLinkボリュームライセンスの対象となる資産を登録する場合は,対象のオブジェクトクラス「AssetInfo」との関連を登録する必要があります。

(3) 契約情報のインポート

契約情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-9 契約の情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
ContractContractLeaseLinkリース契約の対象となる資産を登録する場合は,契約対象のオブジェクトクラス「AssetInfo」との関連を登録する必要があります。
ContractMaintenanceLink保守契約の対象となる資産を登録する場合は,契約対象のオブジェクトクラス「AssetInfo」との関連を登録する必要があります。
ContractRentalLinkレンタル契約の対象となる資産を登録する場合は,契約対象のオブジェクトクラス「AssetInfo」との関連を登録する必要があります。
注意事項
契約の情報を削除するときは,「Contract」のプロパティ「ContractStatus」の値を「999(抹消)」に変更して,データメンテナンスのタスクで削除することをお勧めします。

(4) IPグループ情報のインポート

IPグループ情報を追加,更新,削除するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-10 IPグループ情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
AddressGroupIPAddress新しいグループの定義および範囲の変更をする場合,グループとして定義した範囲のIPアドレスを,すべてオブジェクトクラス「IPAddress」に登録する必要があります。
注意事項
インポートでは,IPグループの情報は削除しないでください。インポートで削除すると利用しているIPアドレスが正しく管理できなくなります。

(5) 部署情報のインポート

部署情報を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-11 部署情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
GroupInfoUserInfo部署に所属するユーザを登録する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」をインポートします。
MemberLink各部署に所属するユーザを登録する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」との関連を登録する必要があります。

(6) ユーザ管理情報のインポート

ユーザ管理情報を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-12 ユーザ管理情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
UserInfoGroupInfoユーザの所属する部署を追加する場合は,オブジェクトクラス「GroupInfo」をインポートします。
MemberLink新規にユーザを登録する場合,またはユーザの所属する部署を変更する場合,オブジェクトクラス「GroupInfo」との関連を登録する必要があります。
部署と関連づいていないと,インポートしたユーザは,操作画面に表示されません。
RoleInfoユーザに権限を設定する場合は,オブジェクトクラス「RoleInfo」をインポートします。
権限の設定されていないユーザはAsset Information Managerにログインできません。
AuthorityLinkユーザに権限を設定する場合は,オブジェクトクラス「RoleInfo」との関連を登録する必要があります。
注意事項
「UserID」が「admin」のユーザ,およびオブジェクトクラス「AssetInfo」で使用しているユーザは削除しないでください。

(7) 権限管理情報のインポート

権限管理情報を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-13 権限管理情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
RoleInfoUserInfoユーザに権限を設定する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」をインポートします。
権限の設定されていないユーザはAsset Information Managerにログインできません。
AuthorityLinkユーザに権限を設定する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」との関連を登録する必要があります。
注意事項
  • ユーザに設定した権限を解除するには,アソシエーションクラス「AuthorityLink」を削除してください。
  • 「RoleID」が「administrator」の権限は削除しないでください。

(8) パッチ情報のインポート

パッチ情報の検索条件を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-14 パッチ情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
PatchInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
PatchList「PatchID」には,対応するパッチリストと同じIDを指定します。

(9) ウィルス定義情報のインポート

ウィルス定義情報の検索条件を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-15 ウィルス定義情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
InstalledVirusDefInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。

(10) ソフトウェアの稼働情報のインポート

ソフトウェア稼働情報を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-16 ソフトウェア稼働情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
SoftwareWorkInfoAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
FunctionInfo登録するときは,必ず「通算月」および「位置」を指定します。指定方法については,「13.2.29 SoftwareWorkInfo(ソフトウェア稼働情報)」を参照してください。
(凡例)
-:該当しない

(11) 保守履歴のインポート

保守履歴を登録するために,関連してインポートするクラスを次の表に示します。

表7-17 保守履歴に関連してインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
MaintenanceAssetInfo保守履歴を資産と関連づけて登録する場合は,「AssetID」に対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
保守履歴と資産を関連づけない場合は,不要です。

(12) 移管履歴のインポート

移管履歴を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-18 移管履歴を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
AssetUpdateRecordAssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。
注意事項
部署名,設置場所名およびユーザ名は,オブジェクトクラス「GroupInfo」,「LocationInfo」,「UserInfo」に存在するかどうかに関係なく,指定した値が登録されます。

(13) 契約履歴のインポート

移管履歴を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-19 契約履歴を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
ContractHistoryContract「ContractID」には,対応するオブジェクトクラス「Contract」と同じIDを指定します。

(14) 契約資産履歴のインポート

契約資産履歴を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-20 契約資産履歴を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
ContractAssetHistoryContractHistory「ContractID」には,対応するオブジェクトクラス「ContractHistory」と同じIDを指定します。
AssetInfo「AssetID」には,対応するオブジェクトクラス「AssetInfo」と同じIDを指定します。

(15) 職権管理情報のインポート

職権管理情報を登録するために,インポートが必要なクラスを次の表に示します。

表7-21 職権管理情報を登録するためにインポートするクラス

必ずインポート
するクラス
関連するクラス説明
JobRoleInfoUserInfo職権の対象ユーザを登録する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」をインポートします。
JobRoleLink職権の対象ユーザを登録する場合は,オブジェクトクラス「UserInfo」との関連を登録する必要があります。
注意事項
職権管理情報を削除する場合は,該当する職権を使用している案件がないことを確認してください。