JP1 Version 8 JP1/NETM/Asset Information Manager 導入ガイド

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1.2.1 JP1製品と連携した統合資産管理

Asset Information Managerは,JP1/NETM/DM,JP1/秘文,Network Node Manager,JP1/IM,JP1/IM - IDM,JP1/IM - CM,NetInsight II,JP1/NETM/CSC,JP1/Lan LicenserなどのJP1製品と連携して,統合的に資産管理システムを運用できます。

例えば,連携する製品のデータベースの情報をAsset Information Managerの資産管理データベースに取り込んで利用したり,Asset Information Managerの操作画面から,連携する製品の情報を参照したりできるため,効率良く資産管理業務を実行できます。

また,JP1/NETM/DMで収集した機器の情報をNetInsight IIの位置情報と合わせて参照するなど,各製品の情報を関連づけることによって,幅広くかつきめ細かな管理が可能になります。

JP1製品と連携して統合的に資産管理システムを運用する概念を次の図に示します。

図1-1 JP1製品と連携した統合資産管理の概念

[図データ]

  1. JP1製品の情報を資産管理データベースに登録して利用する
    Asset Information Managerでは,JP1/NETM/DMと連携して,JP1/NETM/DMで収集したCPU情報,OS種別,インストールされているソフトウェアなどのインベントリ情報を一括して資産管理データベースに登録できます。
    また,Network Node Managerと連携してネットワーク機器のノード情報を,JP1/Lan Licenserと連携して,各機器にインストールされているソフトウェアの稼働情報を,一括して資産管理データベースに登録できます。
    さまざまな情報を登録し,それらを常に最新の状態に維持するためには,膨大な時間と手間が掛かります。Asset Information Managerを使用した資産管理システムでは,JP1/NETM/DMからリアルタイムにインベントリ情報を取得できるほか,Windowsのタスクスケジューラに登録されるタスクで定期的に登録および更新を実行できるため,大規模なシステムにも簡単に導入できます。
  2. JP1製品で収集した情報を管理する
    Asset Information Managerでは,JP1/NETM/DMとJP1/秘文で収集した操作ログを管理できます。同一の機器に対して異なる製品で収集した情報を統合して管理できるため,セキュリティ管理業務を効率良く実行できます。また,JP1/NETM/DMで管理しているソフトウェアの稼働時間を基に,各機器にインストールされているソフトウェアの稼働状況を確認できます。
  3. Asset Information Managerから連携するJP1製品の画面を参照する
    Asset Information ManagerからNetInsight IIおよびNetwork Node Managerを起動して,対象機器のフロアレイアウト図監視図を参照できます。
    フロアレイアウト図では,トラブルが発生した機器を画面上にビジュアルに表示することで,物理的な機器の設置位置を一目で把握できます。
    監視図では,ネットワークにある機器がマップで表示され,各構成要素の接続や,ネットワークでのトラブルなどを参照できます。
  4. JP1製品とシステム上の問題点を共有する
    JP1/IMでネットワーク,サーバ,アプリケーションなどを一元管理して,システム内で発生した事象を集中監視している場合,システムで発生した事象の情報を共有して,Asset Information Managerの操作画面からも問題点とその対処状況を確認できます。対策を実施したものについては,対策内容を登録して,対処が完了したことをJP1/IMに通知することもできます。また,JP1/IM - Managerの[イベントコンソール]画面から,Asset Information Managerから発行したJP1イベントを参照できます。
    JP1/IM - IDMを使用して,ITサービスの品質を低下させたり,システムの正常な運用を妨げたりする障害事象の単位(インシデント)を管理している場合,インシデントを問題点として登録(エスカレーション)できます。これによって,問題点の発生から対策完了までを管理できます。また,JP1/IM - IDMの[インシデントの詳細]画面からは,インシデントと関連するAsset Information Managerの資産情報を参照することもできます。
  5. Asset Information Managerの操作画面からソフトウェアを配布する
    Asset Information Managerの操作画面から,JP1/NETM/DMの機能を利用して,各機器にソフトウェアを配布(転送およびインストール)できます。また,ソフトウェアの配布状況を確認することもできます。
    ソフトウェアの配布対象となる機器は,Asset Information Managerで管理しているソフトウェアの情報を利用してきめ細やかな条件で検索できるため,大規模なシステムに対しても的確にソフトウェアを配布できます。
  6. Asset Information Managerで一元管理する資産情報を幅広い目的で活用する
    JP1/IM - CMでは,Asset Information Managerの管理する資産情報から必要な情報を取り込んで,システム構成情報の管理に使用できます。情報に変更があった場合は,Asset Information Managerから変更が通知されるため,常に実態に合った情報を基に管理できます。
    JP1/IM - Service Supportでは,サービスサポートの案件を管理する際に,Asset Information Managerの機器の情報を参照できます。
    JP1/NETM/CSCでは,Asset Information Managerの管理する資産情報を利用して,業務カテゴリ「クライアントセキュリティ管理」以下の画面でシステムのセキュリティ対策を実施できます。JP1/NETM/CSCを導入したセキュリティ管理システムでは,管理者が設定したポリシーに基づいて,自動的に機器の危険レベルが判定され,判定結果に応じたアクション(対策)が実行されます。