1.3.4 性能情報監視の例

ここでは,性能情報監視の設定例を紹介します。

<この項の構成>
(1) メッセージキューに入っているメッセージの使用率
(2) メッセージキューにアクセスしているアプリケーションの数
(3) イベントが発生しているか
(4) 未コミットメッセージが発生しているか

(1) メッセージキューに入っているメッセージの使用率

現在ユーザーキューに入っているメッセージの最大数に対するユーザーキューの使用率とシステムキューに入っているメッセージの最大数に対するシステムキューの使用率を監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。特定のキューの使用率を監視する場合,"SYSTEM.*"を監視するキュー名に変更してください。

表1-5 メッセージキューに入っているメッセージの使用率を監視する設定例

使用レコードキューの種類使用フィールド警告条件異常条件
PD_QSユーザーキューQ Name,
Q Depth %
Q Name <> "SYSTEM.*"
AND
Q Depth % > 10
Q Name <> "SYSTEM.*"
AND
Q Depth % > 90
システムキューQ Name,
Q Depth %
Q Name = "SYSTEM.*"
AND
Q Depth % > 10
Q Name = "SYSTEM.*"
AND
Q Depth % > 90
しきい値に対する考え方
メッセージキューの運用に十分な割合を考慮して選定してください。
対処方法
メッセージキューに大量のメッセージが入っています。メッセージを処理する必要があるアプリケーションが処理をしていない,不正に大量のメッセージが送られているなどの問題が発生している可能性があります。正しくシステムが稼働しているか確認してください。正しくシステムが稼働している場合,メッセージの最大値が妥当であるか見直してください。詳細については,IBM WebSphere MQのエクスプローラー・ヘルプを参照してください。

(2) メッセージキューにアクセスしているアプリケーションの数

現在キューからメッセージを入力するためにキューにアクセスしているアプリケーションの数と,キューへメッセージを出力するためにキューにアクセスしているアプリケーションの数を監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

表1-6 メッセージキューにアクセスしているアプリケーションの数を監視する設定例

使用レコード権限使用フィールド警告条件異常条件
PD_QS書き込みOpen Input CountOpen Input Count > 10Open Input Count > 20
読み込みOpen Output CountOpen Output Count > 10Open Output Count > 20
しきい値に対する考え方
システムで同時にキューに接続するアプリケーションの数を指定してください。
対処方法
メッセージを入力するまたは出力するためにキューにアクセスしているアプリケーションの数が,しきい値より多くなっています。IBM WebSphere MQで,メッセージを入力するまたは出力するためにキューに接続しているアプリケーションの数を確認し,不当にメッセージキューにアクセスしているアプリケーションが存在していないか確認してください。メッセージキューにアクセスしているアプリケーションは,PD_QHSレコードで確認してください。
また,特定のキューについて監視する場合は,Q Nameフィールドで絞り込んでください。

(3) イベントが発生しているか

チャネルイベントが発生したか,パフォーマンスイベントが発生したか,キューマネージャーイベントが発生したかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

表1-7 イベントが発生しているかを監視する設定例

使用レコードイベントの種類使用フィールド警告条件異常条件
PD_QSチャネルイベントCurrent Q Depth,
Q Name
Q Name =
"SYSTEM.ADMIN.CHANNEL.EVENT"
AND
Current Q Depth > 0
Q Name =
"SYSTEM.ADMIN.CHANNEL.EVENT"
AND
Current Q Depth > 0
パフォーマンスイベントCurrent Q Depth,
Q Name
Q Name =
"SYSTEM.ADMIN.PERFM.EVENT"
AND
Current Q Depth > 0
Q Name =
"SYSTEM.ADMIN.PERFM.EVENT"
AND
Current Q Depth > 0
キューマネージャーイベントCurrent Q Depth,
Q Name
Q Name =
"SYSTEM.ADMIN.QMGR.EVENT"
AND
Current Q Depth > 0
Q Name =
"SYSTEM.ADMIN.QMGR.EVENT"
AND
Current Q Depth > 0
しきい値に対する考え方
イベントの存在を確認する場合には,0で判定してください。ある一定の範囲を許容できる場合には,その値を指定してください。
対処方法
各種イベントの発生に伴い,メッセージが生成されています。メッセージを確認してください。詳細については,IBM WebSphere MQのエクスプローラー・ヘルプを参照してください。

(4) 未コミットメッセージが発生しているか

未コミットメッセージが発生しているかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。特定のキューの未コミットメッセージを監視する場合,"*"を監視するキュー名に変更してください。

表1-8 未コミットメッセージが発生しているかを監視する設定例

使用レコード使用フィールド警告条件異常条件
PD_QSQ Name,
Uncommitted Msgs
Q Name = "*" AND
Uncommitted Msgs =
"MQQSUM_YES"
Q Name = "*" AND
Uncommitted Msgs =
"MQQSUM_YES"
対処方法
コミットされていないメッセージが発生しています。IBM WebSphere MQで,コミットされていないメッセージの有無を確認し,メッセージをコミットしてください。詳細については,IBM WebSphere MQのエクスプローラー・ヘルプを参照してください。