まず,ユーザー拡張が必要かどうかを検討します。ユーザー拡張しなくてもPFM - Analysisで監視できる例について説明します。
(1) サービスを監視する場合
サービスの監視は,Webサーバの種類やバージョンには依存しません。そのため,使用しているWebサーバがPFM - Analysisのサポート対象に含まれていない場合でも,HTTPの応答時間などはサービスとして監視できます。このような場合は,ユーザー拡張は不要です。
(2) サポート対象の後継バージョンまたは古いバージョンを監視する場合
監視したい機器やアプリケーションが,PFM - Analysisが標準でサポートしているバージョンと異なる場合,PFM - Analysisのサポートバージョンと互換性が保証されているか確認してください。互換性が保証されている場合は,ユーザー拡張しなくても監視できることがあります。
採取ツールがJP1/SSOの場合は,同じMIBオブジェクトをサポートしていて,かつ互換性が保証されていれば,監視できます。
(3) PFM - Analysisがサポートしていないサービスを監視する場合
PFM - Analysisは,JP1/ESPの計測項目の一部をサポートしています。PFM - Analysisがサポートしていない項目は詳細な計測項目です。PFM - Analysisがサポートしている総応答時間などには,サポートしていない詳細な項目も内数として含まれています。詳細な計測項目をPFM - Analysisで分析する必要がある場合だけ,ユーザー拡張してください。
なお,VPISの場合は,JP1/Performance Analysis - AdaptorのISアダプターで対応している測定項目はすべてPFM - Analysisでサポートしています。
(4) JP1/ESPのユーザー定義サービスを使ってサービスを監視する場合
JP1/ESPのユーザー定義サービス機能を使用する場合は,ユーザー拡張は不要です。Definerで,オブジェクトタイプとして「USERSERV」を選択してオブジェクトを追加すると,ユーザー定義サービスで定義したサービスを監視できます。
(5) データインポートする場合のユーザー拡張
データをインポートする場合は,インポート先のメトリックが,インポート対応メトリックとして定義されている必要があります。PFM - Analysisは,ホストオブジェクトの一般サーバで収集するメトリックの一部をインポート対応メトリックとして定義しています。インポート対応メトリックとして定義しているメトリックについては,「付録D.6 標準でインポートできるメトリック」を参照してください。
インポート対応メトリックをインポート先に指定する場合は,ユーザー拡張は不要です。インポート先に適したメトリックがサポートされていない場合は,ユーザー拡張が必要です。