7.1 Webトランザクション監視の概要

JP1/ESPを採取ツールとして使用している場合,複数のHTTP(S)のリクエスト・レスポンスから成る一連の作業を一つのWebトランザクションとして計測できます。これによって,Webサーバの監視だけでなく,ログインを必要とするWebアプリケーションの監視もできます。Webトランザクションの監視では,Webトランザクションの応答時間を計測します。また,その計測結果がPFM - Analysisのメトリックとなります。なお,計測時のエラー,タイムアウト,またはレスポンス判定エラーが発生した場合は,オブジェクトのステータスが停止になり警告メッセージが出力されます。

また,Webトランザクション全体の監視のほか,次について監視できます。

図7-1 Webトランザクション監視の概要

[図データ]

<この節の構成>
(1) 任意のページ遷移の応答性能計測
(2) レスポンス判定
(3) 埋め込みリソースの取得

(1) 任意のページ遷移の応答性能計測

任意のページ遷移の応答性能を計測できます。任意のページ遷移の応答性能を計測する場合は,ページの遷移範囲をスコープとして定義します。スコープは8個まで定義できます。スコープとして定義するページ遷移の範囲は,ほかのスコープで定義した範囲と重複してもかまいません。スコープの定義例を次の図に示します。

Webトランザクションの監視では,Webトランザクション全体の応答時間だけでなく任意のページ遷移についての応答時間についても監視できます。任意のページ遷移を監視する場合は,ページ遷移の範囲をスコープとして定義します。

図7-2 スコープの定義例

[図データ]

上記の例の場合,各スコープの監視項目は次のようになります。

このように,一つのWebトランザクションについて,スコープを定義することによって各処理の性能を計測できます。

(2) レスポンス判定

レスポンス判定情報を定義することによって,トランザクション監視中の応答内容をチェックし,監視対象の異常を検知できます。

ログインに失敗しても再度ログイン画面が表示されるなど,HTTPプロトコルレベルでは成功していても,Webトランザクションの監視は失敗と扱いたい場合は,レスポンス判定情報を定義して,応答内容をチェックしてください。

(3) 埋め込みリソースの取得

埋め込みリソースを取得するよう定義することによって,監視時に自動的に埋め込みリソースを取得できます。監視時に取得したHTMLを解析し,次の表に示すタグおよび属性名の値に指定されているリソースを取得します。

表7-1 埋め込みリソースの取得対象

タグ名属性名
appletcode
bodybackground
embedsrc
imgsrc
objectdata
scriptsrc
タグ名および属性名は,大文字・小文字を区別しません。