(1) MSCSの設定
クラスタシステムを使用するために,現用系サーバでクラスタアドミニストレータを起動し,次の項目を作成・設定します。
(a) グループを作成する
(b) 共有ディスクをグループに登録する
共有ディスクのリソースを(a)で作成したグループに移動します。
(c) IPアドレスをMSCSに登録する
PFM - Analysis Managerがクラスタシステムで使用する論理IPアドレスを,次の手順で登録します。
(d) 論理ホスト名をMSCSに登録する
PFM - Analysis Managerが使用する論理ホスト名を,次の手順で登録します。
(e) リソースをオンラインにする
次のリソースをオンラインにします。
(2) PFM - Analysis Managerのインストール
現用系サーバにPFM - Analysis Managerをインストールします。PFM - Analysis Managerのインストールについては,「3.2.1 インストール」を参照してください。
(3) PFM - Analysis Managerのセットアップ
(a) PAMDBをセットアップする
PFM - Analysis Managerで稼働情報を管理するためにPAMDBのセットアップを実行します。クラスタシステム上でPFM - Analysis Managerを稼働させる場合には,稼働情報などを格納するPAMDBの領域を共有ディスク上に作成します。一方,PAMDBが作業用として使用する領域は,現用系と予備系それぞれのローカルディスク上に作成します。
クラスタシステム上でPAMDBのセットアップを実行する場合は,PAMDBセットアップ定義ファイル(pamdbsetup.conf)をクラスタ環境に合わせて設定したあと,pamdbsetupコマンドを実行します。クラスタシステムで現用系のセットアップを実行する場合の,pamdbsetup.confの設定項目を次に示します。
<ファイル名>
インストール先ディレクトリ¥manager¥conf¥pamdbsetup.conf
<クラスタシステム用の設定個所>
[Database Scale]
database_scale={S|M|L|LL}
[Cluster]
cluster_flag=Y
cluster_mode=ONLINE
shared_directory=PAMDBの領域を格納する共有ディスク上のディレクトリ名
表13-4 現用系のセットアップのPAMDBセットアップ定義ファイルの設定項目
セクション名 | キー名 | 説明 |
---|---|---|
[Database Scale] | database_scale ((S,M,L,LLのどれか))《M》 | PAMDBの容量をS,M,L,LLから選択します。それぞれに必要なディスク容量に関しては「4.2.4(1) PAMDBのセットアップについて」を参照してください。 |
[Cluster] | cluster_flag ((YまたはN))《N》 | PAMDBをクラスタシステム用にセットアップするかどうかを指定します。クラスタシステム用のセットアップをするので,「Y」を指定します。 |
cluster_mode ((ONLINEまたはSTANDBY)) | 現用系のセットアップをするので「ONLINE」を指定します(予備系のセットアップの場合は「STANDBY」を指定)。 | |
shared_directory ((50バイト以内の文字列)) | PAMDBの領域を格納する共有ディスク上のディレクトリ名をフルパスで指定します。空白を含んだパスを指定する場合でも,ディレクトリ名は「"(ダブルクォーテーション)」で囲まないで指定してください。 |
なお,PAMDBセットアップ定義ファイルの詳細については「11.2.5 PAMDBセットアップ定義ファイル(pamdbsetup.conf)」を,pamdbsetupコマンドの詳細については「10. コマンド」の「pamdbsetup(PAMDBをセットアップする)」を参照してください。また,PAMDBのセットアップを開始する前に「4.2.4 PAMDBの運用に関する注意事項」を参照しておいてください。
(b) PFM - Analysis Managerの動作条件を設定する
PFM - Analysis Manager動作条件定義ファイル(pam.conf)を設定します。[Command]セクションのauto_service_stopには,必ず「N」を指定してください。詳細については,「11.2.1 PFM - Analysis Manager動作条件定義ファイル(pam.conf)」を参照してください。
(c) 採取ツール定義ファイルを編集する
採取ツールとして使用するプログラムを定義します。詳細については,「11.2.2 採取ツール定義ファイル(pamcoltool.conf)」を参照してください。
(d) PAMDBにテンプレート定義,採取ツール定義を登録する
PFM - Analysisでサポートしている監視対象の種類やメトリック種別,および採取ツールをPAMDBに登録します。詳細については,「3.3.1(1)(d) テンプレート定義,採取ツール定義のPAMDB登録」および「10. コマンド」の「pamloadtmpl(テンプレート定義,採取ツール定義を登録する)」を参照してください。
(e) そのほかの設定をする
必要に応じて,自動コマンド実行の定義やJP1/IMとの連携機能などについて設定します。
(4) PAMDBの正常停止
現用系のセットアップ後,予備系のセットアップを開始する前にPAMDBを正常停止させる必要があります。クラスタシステム環境でPAMDBを正常停止させるためには,pamdbstop.batコマンドを実行します。なお,PAM - PAMDBサービスは停止させないでください。pamdbstop.batコマンドの詳細については,「10. コマンド」の「pamdbstop.bat(PAMDBを正常停止する)」を参照してください。
(5) 共有ディスクの切り替え
クラスタアドミニストレータで[グループの移動]を選択し,共有ディスクを現用系から予備系に切り替えます。