13.5.4 クラスタソフトへのサービスの登録(PFM - Analysis Adaptor)
論理ホストサービスの起動や停止など,クラスタソフトが論理ホストのPFM - Analysisを制御できるようにするため,論理ホストに対応するPFM - Analysis Adaptorのサービスをクラスタソフトに登録します。
- <この項の構成>
- (1) Windowsの場合
- (2) UNIXの場合
(1) Windowsの場合
Windowsの場合,次に示す名称のサービスの起動,停止,動作監視をクラスタソフトから制御できるように登録する必要があります。
表13-7 クラスタソフトに登録するサービス(PFM - Analysis Adaptor)
サービス表示名 | サービス名 | 説明 |
---|
PAM - SSO Adaptor | JP1PAM_SSO_Adaptor | SSOアダプター。JP1/SSOを採取ツールとする場合に使用するサービス。 |
PAM - PFM Adaptor | JP1PAM_PFM_Adaptor | PFMアダプター。PFMを採取ツールとする場合に使用するサービス。 |
クラスタシステムへPFM - Analysis Adaptorのサービスを登録するには,クラスタアドミニストレータを使用し,PFM - Analysis Adaptorのリソースを新規に作成します。
PAM - SSO Adaptorの場合,リソースはNNMと同じグループに登録してください。PAM - SSO Adaptorは,NNMおよびJP1/SSOと同じホストで動作する必要があります。
PAM - PFM Adaptorの場合,リソースはPFMと同じグループに登録してください。PAM - PFM Adaptorは,PFMと同じホストで動作する必要があります。
各サービスで指定する項目について説明します。
(a) PAM - SSO Adaptorの登録
- 「リソースの種類」は「汎用サービス」を指定する。
- 「リソースの依存関係」にクラスタシステムで定義済みの論理IPアドレスを指定する。
- 汎用サービスパラメーターの「サービス名」には「JP1PAM_SSO_Adaptor」と入力する。
(b) PAM - PFM Adaptorの登録
- 「リソースの種類」は「汎用サービス」を指定する。
- 「リソースの依存関係」にクラスタシステムで定義済みの論理IPアドレスを指定する。
- 汎用サービスパラメーターの「サービス名」には「JP1PAM_PFM_Adaptor」と入力する。
(2) UNIXの場合
UNIXの場合,PFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターまたはPFMアダプターをクラスタシステムに登録する必要があります。クラスタシステムに登録することで,クラスタソフトからPFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターまたはPFMアダプターの起動,停止,および監視ができるようになります。
SSOアダプターをクラスタシステムに登録する場合とPFMアダプターをクラスタシステムに登録する場合に分けて説明します。
(a) SSOアダプターのクラスタシステムへの登録
UNIXの場合,NNMのプロセス制御スクリプトをカスタマイズすることで間接的にPFM - Analysis Adaptorをクラスタシステムへ登録します。NNMおよびJP1/SSOの起動,停止に合わせてPFM - Analysis Adaptorも起動,停止するようにプロセス制御スクリプトをカスタマイズし,PFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターがJP1/SSOと同じホストで動作できるようにします。また,必要に応じてプロセス制御スクリプトの監視対象プロセスにPFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターのプロセスを追加して,SSOアダプターに障害が発生したときにもフェールオーバーされるようにします。
NNMのプロセス制御スクリプトのカスタマイズは,次に示す事項を参考に行ってください。また,カスタマイズしたプロセス制御スクリプトは,十分に検証した上で適用してください。
- SSOアダプターの追加
NNMのプロセス制御スクリプトでNNM全体を起動している個所で,NNMを起動したあとにPFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターも起動するようカスタマイズしてください。NNMの起動は,ovstartコマンドで実行されます。プロセス制御スクリプト中でovstartコマンドを使用している個所のうち,NNMの起動を表す「nnm_start」などのメッセージ出力とともにovstartコマンドを実行している個所が該当します。その個所に,NNMの起動のあとにSSOアダプターを起動する処理を追加します。SSOアダプターの起動には,/opt/jp1pam/adaptor/bin/paastart -sコマンドを使用します。
- SSOアダプターの停止の追加
NNMのプロセス制御スクリプトでNNM全体を停止している個所で,NNMを停止する前にPFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターも停止するようカスタマイズしてください。NNMの停止は,ovstopコマンドで実行されます。プロセス制御スクリプト中でovstopコマンドを使用している個所のうち,NNMの停止を表す「nnm_stop」などのメッセージ出力とともにovstopコマンドを実行している個所が該当します。その個所に,NNMの停止の前にSSOアダプターを停止する処理を追加します。SSOアダプターの停止には,/opt/jp1pam/adaptor/bin/paastop -sコマンドを使用します。
- SSOアダプターの監視の追加
NNMのプロセス制御スクリプトの「監視プロセス名」に,PFM - Analysis AdaptorのSSOアダプターのプロセスである「paassoadptd」を追加してください。NNMのプロセス制御スクリプトに「データベースに影響がある監視対象プロセス名」と「データベースへの影響が少ない監視対象プロセス名」の区分がある場合,paassoadptdは「データベースへの影響が少ない監視対象プロセス名」に追加することをお勧めします。
なお,SSOアダプターを監視プロセスに追加すると,SSOアダプターの停止によってNNMおよびJP1/SSOもフェールオーバーされます。このようなフェールオーバーが運用上必要かどうか十分に検討した上で適用してください。
(b) PFMアダプターのクラスタシステムへの登録
PFMをクラスタソフトに登録した方法に準じて,PFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターをクラスタシステムに登録します。PFMが起動したり,停止したりするのに合わせて,PFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターも起動したり,停止したりするように設定します。また,必要に応じてクラスタソフトによる動作監視で,PFM - Analysis AdaptorのPFMアダプタープロセスを動作監視するようにして,PFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターに障害が発生したときにもフェールオーバーを実行するようにします。
ここでは,PFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターをクラスタシステムへ登録するときに設定する内容を説明します。
- PFMアダプターの起動
PFMの起動にあわせてPFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターも起動するように設定します。起動の順序を指定できる場合には,PFMが起動したあとでPFMアダプターが起動するよう設定します。PFMアダプターの起動には/opt/jp1pam/adaptor/bin/paastart -pコマンドを使用します。
- PFMアダプターの停止
PFMの停止にあわせてPFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターも停止するように設定します。停止の順序を指定できる場合には,PFMが停止する前にPFMアダプターが停止するよう設定します。PFMアダプターの停止には/opt/jp1pam/adaptor/bin/paastop -pコマンドを使用します。
- PFMアダプターの動作監視
PFMのプロセスの動作監視設定に加えて,PFM - Analysis AdaptorのPFMアダプターも動作監視するように設定します。psコマンドを使用して,プロセス名「paapfmadptd」が動作していることを確認します。
ps -ef | grep paapfmadptd | grep -v grep
なお,PFMアダプターのプロセスを動作監視するように設定すると,PFMアダプターの停止によってPFMもフェールオーバーされます。このようなフェールオーバーが運用として必要かどうか十分に検討した上で適用することをお勧めします。
- PFMアダプターの強制停止
PFMを強制停止する設定をしている場合でも,PFMアダプターを強制停止する設定はしないことをお勧めします。PFMアダプターを強制停止するための専用のコマンドはありません。