サービス低下などの問題が発生した時間で分析を実行すると,問題発生の原因になっているオブジェクトを切り分けることができます。次に,PFM - Analysisが用意する分析手法について説明します。
(1) ステータス分析
指定したステータスを持つオブジェクトを一覧表示します。時刻を指定して,その時刻に停止していたオブジェクトを表示させたり,システム,グループなど指定した範囲内で停止中のオブジェクトを表示させたりできます。
(2) 危険度分析
指定した危険度に達しているオブジェクトやメトリックを一覧表示します。時刻や期間を指定したり,システムやグループを指定したりして,分析範囲を絞り込むこともできます。
(3) 相関分析
指定したメトリックと相関関係があるメトリックを表示します。一方の値が増加したとき,もう一方の値が増加または減少することを,相関が高いといいます。相関が高い場合は,二つのメトリックの間に関連性があることが考えられるため,調査の対象になります。基になるメトリックを現象メトリック,現象メトリックとの相関関係を調べるメトリックを原因候補メトリックといいます。現象メトリックには,性能低下など,稼働性能上の問題が発生しているメトリックを指定します。
PFM - Analysisでは,正の相関と負の相関のどちらも分析できます。正の相関とは,現象メトリックの値が増加したり減少したりしたときに,同じような推移で原因候補メトリックの値が増加したり減少したりすることをいいます。負の相関とは,現象メトリックの値が増加したときに原因候補メトリックの値が減少したり,現象メトリックの値が減少したときに原因候補メトリックの値が増加したりするように,逆の推移で値が変化することをいいます。正の相関と負の相関について,次の図に示します。
図2-9 正の相関と負の相関