4.2.1 システムの運用に関する注意事項
- <この項の構成>
- (1) システム時刻の統一について
- (2) PFM - Analysisが動作するホストのホスト名またはIPアドレスの変更について
- (3) 監視対象ホストのホスト名またはIPアドレスの変更について
- (4) オブジェクトのホスト名について
- (5) ポート番号の重複について
- (6) JP1/IMと連携する場合
(1) システム時刻の統一について
PFM - Analysisを運用する場合は,システム内で時刻を統一してください。少なくとも,次のホストの時刻は統一するようにしてください。
- PFM - Analysis Managerが動作するホスト
- PFM - Analysis Viewが動作するホスト
- PFM - Analysis Adaptor(採取ツールのJP1/SSOなど)が動作するホスト
- 採取ツールのJP1/ESPが動作するホスト
- 採取ツールのVPISと連携するプローブが動作するホスト
- 採取ツールのJP1/SSOと連携するJP1/DSSOが動作するホスト
- 採取ツールのPFMと連携するPFM - Agentが動作するホスト
これらのホストの時刻が異なっていると,相関分析などの精度が低下し,正しい分析結果が得られないことがあります。また,分析結果の時刻と監視対象ホストの時刻を合わせるためには,監視対象ホストの時刻も統一してください。
時刻を統一する方法を次に示します。
(a) 手動で設定する
- PFM - Analysisのプロセスをすべて停止する。
時刻を戻す場合は,この時点のシステムの時刻を控えておきます。
- システムの時刻を変更する。
- 時刻を戻す場合,変更後のシステムの時刻が,手順1で控えた時刻を過ぎるまで待つ。
- PFM - Analysisのプロセスを起動する。
手順3で,変更前のシステム時刻を過ぎるまで待つことが難しい場合は,PAMDBのデータを削除することをお勧めします。
(b) 自動で設定する
時刻調整方法が,アプリケーションの動作に影響を与えないことを保証している場合は,PFM - Analysisのプロセスを停止させる必要はありません。アプリケーションへの影響が保証されていない場合は,PFM - Analysisのプロセスを停止させることをお勧めします。
なお,SNTPは,システムの時刻を一度に調整しようとするため,PFM - Analysisの動作中に実行しないでください。「(a) 手動で設定する」を参照して,PFM - Analysisのプロセスを停止してから実行してください。
(2) PFM - Analysisが動作するホストのホスト名またはIPアドレスの変更について
PFM - Analysisが動作するホストのホスト名またはIPアドレスを変更する場合は,PFM - Analysisのプログラムはすべて停止させてから変更してください。
なお,ホスト名またはIPアドレスを変更した場合は,次に示す定義ファイルや設定も変更してください。
- PFM - Analysis Managerが動作するホストを変更した場合
- JP1イベント発行定義ファイル(pamjp1evt.conf)の「mgr_ownhost」
- 接続先PFM - Analysis ViewのPFM - Analysis View接続先定義ファイル(pavdest.conf)
- 接続先PFM - Analysis Viewのレポート定義ファイルの[Dest Manager]セクション
- 接続先PFM - Analysis AdaptorのPFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイル(paa.conf)の[Adaptor Connection]セクション
- 接続先JP1/ESPのPFM - Analysis Managerの設定
- PFM - Analysis Viewが動作するホストを変更した場合
- 特になし
- 採取ツールが動作するホストを変更した場合
- 採取ツールがJP1/SSO,またはJP1/DSSOの場合
- PFM - Analysis Managerの採取ツール定義ファイル(pamcoltool.conf)の「tool_servname」
- 採取ツールがPFMで,PFM - Analysis Adaptorと同ホスト上のPFMがPFM - Managerの場合
- 特になし
- 採取ツールがPFMで,PFM - Analysis Adaptorと同ホスト上のPFMがPFM - Baseの場合
- 接続先PFM - Managerのホストが変更になったとき:jpcnshostnameコマンドで指定した接続先PFM - Managerホストの変更
- PFM - Baseのホスト(自ホスト)が変更になったとき:特になし
(3) 監視対象ホストのホスト名またはIPアドレスの変更について
監視対象ホストのホスト名またはIPアドレスを変更する場合は,Definerを使用して,監視システム構成定義で属性や監視条件として設定されているホスト名またはIPアドレスを変更してください。また,変更になったホストそのもののオブジェクトのほか,そのホストで動作するアプリケーションやサービスのオブジェクトなどの設定も見直してください。
なお,採取ツールがPFMの場合,変更になったホストに関連するオブジェクトのホスト名やIPアドレスに加えて,監視対象となるPFM - AgentのAgent StoreのサービスIDも見直す必要があります。
(4) オブジェクトのホスト名について
オブジェクトの属性として設定するホスト名は,外部プログラムの呼び出し,自動コマンド実行時の変数の値,JP1イベントの属性などに使用されます。そのため,ホスト名またはIPアドレスは,PFM - Analysis,採取ツール,PFM - Analysis Viewで共通の値として使用できる値を設定してください。
(5) ポート番号の重複について
PAMDBのポート番号がほかのアプリケーションと重複して障害が発生した場合の回復手順を次に示します。
- PAMDBのセットアップ中に障害が発生した場合
- PAMDBセットアップ定義ファイル(pamdbsetup.conf)の[Port Number]セクション,port_numberキーで重複しない番号に変更し,再セットアップしてください。PAMDBセットアップ定義ファイルについては「11.2.5 PAMDBセットアップ定義ファイル(pamdbsetup.conf)」を参照してください。なお,再セットアップする場合は,pamdbunsetupコマンドを実行して,セットアップ処理を取り消す必要があります。
- PAMDBのセットアップ後に障害が発生した場合
- セットアップ後にPAMDBのポート番号を変更する場合は,次に示す二つのファイルを編集してください。
- ファイル名:インストール先ディレクトリ¥manager¥db¥pamdb¥conf¥pdsys
- 編集個所:「pd_name_port」の内容を,ほかのアプリケーションと重複しないポート番号に変更してください。
- ファイル名:インストール先ディレクトリ¥manager¥db¥pamdb¥CONF¥emb¥Hirdb.ini
- 編集個所:「PDNAMEPORT」に,ほかのアプリケーションと重複しないポート番号を指定してください。
(6) JP1/IMと連携する場合
PFM - Analysisを日本語環境で運用している場合は,PFM - Analysisが発行するJP1イベントに日本語が含まれます。このようなJP1イベントを,英語環境で運用しているJP1/IMで表示すると正しく表示されないことがあるため,PFM - AnalysisとJP1/IMの運用環境を合わせることをお勧めします。