付録O 用語解説
(英字)- Agent Store
- PFM - Agentのサービスの一つです。パフォーマンスデータを格納するサービスのことです。Agent Storeサービスは,パフォーマンスデータの記録のためにデータベースを使用します。各PFM - Agentに対応して,各Agent Storeサービスがあります。
- Bottleneck Analyzer
- PFM - Analysis ViewのGUIです。この画面から,稼働性能を分析できます。
- Definer
- PFM - Analysis ViewのGUIです。この画面から,監視システム構成定義を実行できます。
- ODBCキーフィールド
- PFM - ManagerまたはPFM - Baseで,SQLを使用してStoreデータベースに格納されているレコードのデータを利用する場合に必要なODBCキーフィールドを示します。ODBCキーフィールドには,各レコード共通のものと各レコード固有のものとがあります。
- PAMDB
- PFM - Analysisが収集した稼働性能情報を格納するデータベースです。
- PFM
- システムのパフォーマンスに関する問題を監視および分析するために必要なソフトウェア群の総称です。PFMは,次の四つのプログラムプロダクトで構成されます。
- PFM - Manager
- PFM - Web Console
- PFM - Base
- PFM - Agent
- PFM - Analysisは,上記PFM - ManagerまたはPFM - Baseを採取ツールとして使用することで,PFM - Agentが収集するパフォーマンスデータをメトリックとして回収できます。
- PFM - Analysis
- Webシステムを含めたシステム全体の稼働性能状況を把握し,分析するプログラム群です。PFM - Analysis Manager,PFM - Analysis View,PFM - Analysis Adaptorの三つのプログラムで構成されます。
- PFM - Analysis Adaptor
- 監視対象から情報を収集する監視プログラム(採取ツール)と連携するプログラムです。採取ツールがJP1/SSO,またはPFMの場合に必要です。
- PFM - Analysis Manager
- PFM - Analysisのマネージャープログラムです。稼働性能情報を収集し,PAMDBに格納します。稼働性能の分析,監視システム構成の定義,データのインポートとエクスポートなどを実行します。
- PFM - Analysis View
- PFM - AnalysisのGUIを提供するプログラムです。PFM - AnalysisのGUIには,監視システム構成を定義するためのDefinerと稼働性能を分析するためのBottleneck Analyzerがあります。また,稼働性能情報や分析結果のレポート出力も実行します。
- Storeデータベース
- Agent Collectorサービスが収集したパフォーマンスデータが格納されるデータベースのことです。
- Web Recorder
- PFM - Analysis ViewのGUIです。JP1/ESPを採取ツールとして使用する場合で,かつ複数のHTTP(S)のリクエスト・レスポンスをトランザクションとして監視する場合は,この画面でWebトランザクション情報および監視システム構成を定義します。
- Webトランザクション監視
- 複数のHTTP(S)のリクエスト・レスポンスから成る一連の処理をWebトランザクションとして監視するJP1/ESPの機能です。Webトランザクション監視をする場合は,Webトランザクションファイルを作成してWebトランザクション情報を定義し,その内容に従ってHTTP(S)リクエストを発行して応答時間などを計測します。トランザクションの再生・計測は,Internet Explorerなどのブラウザーソフトでの連続した操作をシミュレーションして行われます。また,Webトランザクション監視では,Webトランザクション全体の監視のほか,任意のページ遷移の応答性能や,トランザクション監視中の応答内容をチェックして監視対象の異常検知などもできます。
(ア行)- インスタンス
- 一つのオブジェクト内で,あるメトリックを複数取得できるような場合の,それぞれの監視対象のことです。例えば,回線を四つ接続しているホストの場合,そのホストでは回線使用率の値が四つ取得できることになります。このような場合,それぞれの回線をインスタンスといいます。PFM - Analysisでは,インスタンスが複数ある場合,それぞれの値を平滑化して,一つのメトリック値として扱えます。
- インポート
- 任意の監視プログラムで収集した稼働性能情報を,PFM - Analysisで分析するためにPAMDBに取り込むことです。
- エクスポート
- PAMDB内のデータを,ほかのプログラムで利用できるように出力することです。
- オブジェクト
- PFM - Analysisで監視するシステムの構成要素の一つで,PFM - Analysisの監視対象です。
(カ行)- 稼働性能情報
- サービスの応答時間,ホストのCPU利用率,アプリケーションの受信リクエスト数など,システムの稼働性能情報を表す情報です。PFM - Analysisでは,これらの情報を収集し,稼働性能を分析します。
- 監視端末
- PFM - Analysis Viewをインストールしたマシンです。監視システム構成定義や稼働性能の分析は,監視端末から操作します。
- 監視プログラム
- 監視対象から情報を収集するプログラムのことです。監視プログラムのうち,PFM - Analysisがサポートしているものを採取ツールといいます。採取ツール以外の監視プログラムの場合は,稼働性能情報をPAMDBにインポートします。
- 危険域到達時刻予測
- メトリックの危険度が危険域に到達する時刻を,統計学的手法を用いて予測し,到達予測時刻が早いメトリックから順番に表示する手法です。
- 危険度
- メトリックの状態を示すものです。正常域,警戒域,危険域,不明,対象外の5種類があり,メトリックごとに指定されたしきい値を超えているかどうかで判定されます。
- 危険度分析
- 指定した危険度に達しているオブジェクトやメトリックを一覧表示する分析手法です。
- クラスタシステム
- クラスタシステムとは,複数のサーバシステムを連携して一つのシステムとして運用するシステムで,障害が発生しても業務を継続できるようにすることを目的としています。業務を実行中のサーバ(実行系)で障害が発生すると,待機していた別のサーバ(待機系)が業務の処理を引き継ぎます。実行「系」から待機「系」へ業務を切り替えるので,「系切り替えシステム」とも呼びます。なお,クラスタシステムという用語には,並列処理による負荷分散機能という意味もありますが,このマニュアルでは,系を切り替えて業務の中断を防ぐ機能のことだけを指します。
- グループ
- PFM - Analysisで監視するシステムの構成要素の一つで,複数のオブジェクトをまとめたものです。Webサーバグループや,DBサーバグループなど,機能で共通している複数のオブジェクトをまとめて管理できます。グループは,システムの下位,またはグループの下位に作成できます。
(サ行)- サービスID
- Performance Managementプログラムのサービスに付加された,一意のIDのことです。コマンドを使用してPerformance Managementのシステム構成を確認する場合,または個々のエージェントのパフォーマンスデータをバックアップする場合などは,Performance ManagementプログラムのサービスIDを指定してコマンドを実行します。サービスIDは,次の四つから構成されます。
- プロダクトID
- 機能ID
- インスタンス番号
- デバイスID
- 採取ツール
- 監視対象から直接情報を収集する監視プログラムのことです。PFM - Analysisでは,採取ツールとしてJP1/ESP,VPIS,JP1/SSO,およびPFMをサポートしています。
- 採取ツールサーバ
- 採取ツールをインストールしたサーバのことです。
- サマライズメトリック
- 時間粒度の粗いメトリックです。時間粒度内の詳細メトリックを平均化した値になります。
- サンプリング粒度補正
- インポートを行う際の時間粒度の補正方法の一つです。インポートデータをサンプリングしてメトリック値を決定する方法です。
- 時間粒度
- 稼働性能情報を収集する間隔のことです。PFM - Analysisは,時間粒度が異なる2種類のメトリック(詳細メトリックとサマライズメトリック)を管理します。
- しきい値連続超過回数
- しきい値が警戒域または危険域を連続で超過した回数によってメトリックの危険度を判定する場合に設定します。メトリックには,メトリックタイプごとに特有の動きがあり,一時的にしきい値を超える状態になっても問題視しなくてよいメトリックに対しては,しきい値連続超過回数を設定することによって,より的確に危険度を判定できます。
- システム
- PFM - Analysisで監視するシステムの構成要素の一つで,複数のオブジェクトまたはグループをまとめたものです。Webシステムやメールシステムなど,業務上関連がある複数のオブジェクトをまとめて管理できます。
- システム構成ツリー
- PFM - Analysisで稼働性能を監視するシステムをツリー形式で表示したものです。DefinerやBottleneck Analyzerに表示されます。
- 重要度
- メトリックごとに付与された,そのメトリックが監視・分析上重要であるかどうかを示す情報です。最重要,重要,一般の3段階に分けられ,メトリックを検索したり,分析時に対象とするメトリックをフィルタリングしたりする際の条件として指定できます。
- 詳細メトリック
- 時間粒度の細かいメトリックです。採取ツールで採取した値とほぼ同じになります。
- ステータス
- オブジェクトの動作状態を表す情報です。動作中,停止中,対象外の3種類があります。
- ステータス分析
- ステータスが,停止中など,特定のステータスになっているオブジェクトを一覧表示する手法です。
- ステータスメトリック
- オブジェクトが動作中か停止中かを表すメトリックです。PFM - Analysisが情報を収集できたときのステータスメトリックの値は100,情報を収集できなかった場合のステータスメトリックの値は0になります。
- 相関分析
- 指定したメトリックと相関関係があるメトリックを表示する手法です。
(タ行)- ツリー構成要素
- システム構成ツリーを構成する要素のことです。ビュー,システム,グループ,オブジェクトがあります。
- テンプレート定義ファイル
- ユーザー拡張用にPFM - Analysisが提供している定義ファイルです。ユーザー任意の監視対象や監視項目を追加できます。
- トレンド表示
- メトリック値が増加傾向か,減少傾向かを示すトレンド線を表示する手法です。
(ハ行)- パフォーマンスデータ
- 監視対象システムから収集したリソースの稼働状況データのことです。
- ビュー
- PFM - Analysisで監視するシステムの構成要素の一つで,DefinerやBottleneck Analyzerで表示される単位です。
- フィールド
- レコードを構成するパフォーマンスデータの集まりのことです。
- プロダクトID
- 該当するPerformance Managementプログラムのサービスが,Performance Managementのどのプログラムプロダクトのものかを示す1バイトの識別子のことです。サービスIDの一部です。
- 平滑化
- メトリックに複数のインスタンスが存在する場合に,メトリック値を算出する方法。
- メトリックごとに最大値,平均値,最小値,合計値のいずれかを選択する。
- 平均粒度補正
- インポートを行う際の時間粒度の補正方法の一つです。インポートデータの平均値をメトリック値とする方法です。
(マ行)- マネージャーサーバ
- PFM - Analysis Managerをインストールしたサーバです。稼働性能の分析を実行します。
- メトリック
- PFM - Analysisが採取ツールから回収する稼働性能情報のことです。稼働性能情報の中で,分析に使うデータ項目をメトリックといいます。メトリックには,時間粒度の違いによって,詳細メトリックとサマライズメトリックの2種類があります。
- メトリック値の予測
- 将来のメトリックの値を予測し,予測線を表示する手法です。
- メトリック値ランキング
- 複数のオブジェクトのメトリックを,値が大きい順,または小さい順に表示する手法です。
(ヤ行)- ユーザー拡張
- PFM - Analysisが標準でサポートしている監視項目のほかに,ユーザー任意の監視対象や監視項目を追加することです。
(ラ行)- レコード
- 収集したパフォーマンスデータを格納する形式のことです。レコードの種類は,Storeデータベースの各データベースによって異なります。