3.3.5 ログ情報の採取設定
PFM - Analysisの各プログラムを使用中にトラブルが発生した場合,ログ情報が必要になることがあります。ここでは,ログを採取するための設定について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 資料採取バッチファイルの設定(Windowsの場合)
- (2) 資料採取シェルスクリプトの設定(UNIXの場合)
- (3) Windowsイベントログまたはsyslogの設定
- (4) メモリーダンプおよびクラッシュダンプの設定
(1) 資料採取バッチファイルの設定(Windowsの場合)
PFM - Analysisの各プログラムは,ログファイルの情報を採取するために,資料採取バッチファイルのサンプルを提供しています。資料採取バッチファイルを実行すると,統合トレースログ,hostsファイル,servicesファイル,ワトソン博士のログファイルなどをまとめて採取でき,トラブルの原因調査に活用できます。資料採取バッチファイルを使用するための設定手順を次に示します。
- 資料採取バッチファイルのサンプルを,任意のディレクトリにコピーする。
サンプルファイルは,次のディレクトリに格納されています。
- PFM - Analysis Manager
インストール先ディレクトリ¥manager¥usertools¥pamlog.bat
- PFM - Analysis View
インストール先ディレクトリ¥view¥usertools¥pavlog.bat
- PFM - Analysis Adaptor
インストール先ディレクトリ¥adaptor¥usertools¥paalog.bat
- エディターなどを使用して,コピーしたバッチファイルを編集し,任意のファイル名に変更する。
バッチファイルには,デフォルトとして次の値が設定されています。ご使用の環境が異なる場合は変更してください。
表3-2 バッチファイルのデフォルト値
採取するログ | デフォルト値 |
---|
PFM - Analysis Manager | @set INST_DIR_PA_M=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1PAM¥manager |
PFM - Analysis Adaptor | @set INST_DIR_PA_A=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1PAM¥adaptor |
PFM - Analysis View | @set INST_DIR_PA_V=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥JP1PAM¥view |
HNTRLib2 | @set INST_DIR_HNTRLIB2=%SystemDrive%¥Program Files¥Hitachi¥HNTRLib2※1 |
ワトソン博士のログ | Windows 2003の場合 @set LOG_DIR_DRWTSN=%USERPROFILE%¥Local Settings¥Application Data¥Microsoft¥Dr Watson※2 |
- 注※1
- デフォルトはWindows(x86)環境での値です。Windows(x64)環境を使用している場合は,次の値に変更してください。
- @set INST_DIR_HNTRLIB2=%SystemDrive%¥Program Files (x86)¥Hitachi¥HNTRLib2
- 注※2
- Windows 2003の場合のデフォルトです。Windows XPを使用している場合は,次の値に変更してください。
- Windows XPの場合:
- @set LOG_DIR_DRWTSN=%ALLUSERSPROFILE%¥Application Data¥Microsoft¥Dr Watson
- Windows 2008では,ワトソンログは取得できないので,LOG_DIR_DRWTSNの値を変更する必要はありません。
- hostsファイルまたはservicesファイルを採取しない場合は,次の行の行頭に「REM」を記述し,コメント行にする。
xcopy /C "%ETC_DIR%Hosts" "%sys_dir%" >> "%log_dir%¥NULL" 2>&1
xcopy /C "%ETC_DIR%Services" "%sys_dir%" >> "%log_dir%¥NULL" 2>&1
なお,ネットワークに関する障害の場合は,障害解析時にhostsファイルまたはservicesファイルが必要になることがあります。
(2) 資料採取シェルスクリプトの設定(UNIXの場合)
PFM - Analysis Adaptorでは,ログファイルの情報を採取するために,資料採取シェルスクリプトのサンプルを提供しています。資料採取シェルスクリプトを実行すると,統合トレースログ,syslog,hostsファイル,servicesファイルなどをまとめて採取でき,トラブルの原因調査に活用できます。資料採取シェルスクリプトを使用するための設定手順を次に示します。
- 資料採取シェルスクリプトのサンプルを,任意のディレクトリにコピーする。
サンプルファイルは,次のディレクトリに格納されています。
/opt/jp1pam/adaptor/usertools
- エディターなどを使用して,コピーしたシェルスクリプトを編集し,任意のファイル名に変更する。
シェルスクリプトには,syslogやhostsファイルの取得先ディレクトリをデフォルトの値として設定しています。ご使用の環境と異なる場合は変更してください。
- paalog.shスクリプトを利用して,ユーザー作成ファイルなど,ほかの資料を採取したい場合,paalog.shスクリプトから次に示す行を探してカスタマイズしてください。
# User Additional files. (full path name)
ADDFILE=""
}
なお,変数ADDFILEに,採取する資料を追加する場合は,必ずフルパスの前に「.(ピリオド)」を付けて指定してください。また,複数指定する場合はスペースで区切って指定してください。
(例)ADDFILE="./var/tmp/user_log ./etc/opt/sample/conf"
(3) Windowsイベントログまたはsyslogの設定
PFM - Analysisの運用中にトラブルが発生した場合は,Windowsイベントログやsyslogファイルを採取して調査する必要があります。PAMDBが出力するメッセージを除いてデフォルトでは,これらのファイルにログは出力されません。ログを出力するには,各プログラムの動作条件定義ファイルの「printlog_flag」に「Y」を指定します。なお,PAMDBが出力するメッセージに関しては,「printlog_flag」の指定によらず出力されます。定義ファイルについては,「11.2.1 PFM - Analysis Manager動作条件定義ファイル(pam.conf)」,「11.2.6 PFM - Analysis View動作条件定義ファイル(pav.conf)」,「11.2.13 PFM - Analysis Adaptor動作条件定義ファイル(paa.conf)」を参照してください。Windowsイベントログまたはsyslogに出力される情報については,「15.3 ログ情報の種類」を参照してください。
(4) メモリーダンプおよびクラッシュダンプの設定
メモリーダンプおよびクラッシュダンプを出力するための設定を次に示します。
(a) メモリーダンプの出力設定(Windows 2003,Windows 2008)
- Windowsの[コントロールパネル]で,[システム]をダブルクリックする。Windows 2008の場合は,表示された[システム]画面の[タスク]から[システムの詳細設定]をクリックする。
[システムのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
- [詳細設定]タブの[起動と回復]-「設定」ボタンをクリックする。
[起動/回復]ダイアログボックスが表示されます。
- [デバッグ情報の書き込み]でプルダウンメニューから[完全メモリダンプ]を選択し,[ダンプファイル]に出力先のファイル名を指定する。
- 注意事項
- メモリーダンプのサイズは,搭載しているメモリーサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きい場合は,メモリーダンプのサイズも大きくなるため,十分なディスク領域を確保しておいてください。
(b) クラッシュダンプの出力設定(Windows 2003)
- Windowsの[スタート]メニューから,[ファイル名を指定して実行]を選択する。
[ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスが表示されます。
- [名前]に「drwtsn32.exe」を入力して,[OK]ボタンをクリックする。
[ワトソン博士]ダイアログボックスが表示されます。
- [クラッシュダンプファイルの作成]をチェックし,[クラッシュダンプ]に出力先ファイルを指定する。
- [OK]ボタンをクリックする。
- 注意事項
- クラッシュダンプファイルには,PFM - Analysis以外のアプリケーションのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,ディスク容量が少なくなるため,十分なディスク領域を確保しておいてください。
- Windows 2008では,クラッシュダンプの出力設定を行う必要はありません。