ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for Cosminexusのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Cosminexusのディスク占有量は,次のデータのファイルサイズによって変化します。
上記を踏まえ,システム全体のディスク占有量の見積もりを次の表に示します。
表A-2 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Cosminexusの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | ||||
---|---|---|---|---|---|
Windows | HP-UX (IPF) | AIX | Linux(x86),Linux(x64) | Linux (IPF) | |
インストール時※1 | 70 | 140 | 100 | 90 | 120 |
初期状態での運用時※2 | 90 | 160 | 120 | 110 | 140 |
その他の運用時 | a + b | a + b | a + b | a + b | a + b |
c + 20(メガバイト)
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-3 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | X1+.....+Xa+3,500*a |
PDレコードタイプ | Y1+.....+Yb+700*b |
X={d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1}*f*1.5
Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1*(g/e)※2}*1.5
表A-4 各レコードのインスタンス数
項番 | レコードID | インスタンス数 |
---|---|---|
1 | PD | 単数インスタンスレコードのため,1 |
2 | PD_STAT | 単数インスタンスレコードのため,1 |
3 | PI | 単数インスタンスレコードのため,1 |
4 | PI_DBC | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
5 | PI_JCAR | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
6 | PI_JTAR | 単数インスタンスレコードのため,1 |
7 | PI_JVM | 単数インスタンスレコードのため,1 |
8 | PI_MDB | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
9 | PI_OSR | 単数インスタンスレコードのため,1 |
10 | PI_SFSB | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
11 | PI_SLSB | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
12 | PI_WEBC | 単数インスタンスレコードのため,1 |
13 | PI_WEBM | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
14 | PI_WEBU | 複数インスタンスレコードのため,n(0以上の整数) |
表A-5 デフォルトの保存期間と保存レコード数
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例
a=1
c=825
d=0
e=1
f=2,039
1,440+168+366+52+12+1=2,039レコード
X=[d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}]*f*1.5
=[0*1+(825+1,900)*{0*1/(65,250-825)+1}]*2,039*1.5
=(0+2,725*1)*2,039*1.5
=8,334,413(バイト)
=約8(メガバイト)
b=1
c=820
d=0
e=1
g=744
g=24レコード(1日分)*31(1か月)*1(eの値)=744レコード
g=744レコード
Y=[d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}*(g/e)]*1.5
=[0*744+(820+1,900)*{(0*1)/(65,250-820)+1}*(744/1)]*1.5
=(0+2,720*1*744)*1.5
= 3,035,520(バイト)
= 約3(メガバイト)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,ディレクトリ数,およびStoreサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
表A-6 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 保存期間(単位:年) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-7 デフォルトの保存期間と保存レコード数(Storeバージョン2.0の場合)
レコード | データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|---|
PIレコードタイプのレコード | 分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 31日 | 744 | |
日単位 | 5週 | 35 | |
週単位 | 53週 | 53 | |
月単位 | 1年 | 12 | |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 | |
PD | - | 31日 | 744 |
PD_STAT | - | 31日 | 44,640 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)
)
m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for CosminexusのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もりについて,具体例を用いて説明します。
●ディスク占有量
PI_JVMとPDを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_JVMレコードの見積もりについて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=825(バイト)
e=0(バイト)
f=1
g=60(秒)
次に,分レコード,時レコードなどを,それぞれ計算します。
a=1,440
b=1+(60-1)/60=1.98・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=1(日)
X(分)={(0+2)*1+(825+60)*{((0+2)*1)/(65,250-825)+1}}*1,440/1*(1+1)*1.1
=(2+885*1)*1,440*2*1.1
=2,810,016(バイト)
=約2.7(メガバイト)
a=24
b=1+(60-1)/3,600=1.01・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=31(日)
X(時)={(0+2)*1+(825+60)*{((0+2)*1)/(65,250-825)+1}}*24/1*(31+1)*1.1
=(2+885*1)*24*32*1.1
=749,338(バイト)
=約0.7(メガバイト)
a=7
b=1+(60-1)/86,400=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=5(週)
X(日)={(0+2)*1+(825+60)*{((0+2)*1)/(65,250-825)+1}}*7/1*(5+1)*1.1
=(2+885*1)*7*6*1.1
=40,980(バイト)
=約0.04(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/604,800=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=53(週)
X(週)={(0+2)*1+(825+60)*{((0+2)*1)/(65,250-825)+1}}*1/1*(53+1)*1.1
=(2+885*1)*1*54*1.1
=52,688(バイト)
=約0.05(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/2,592,000=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=12(月)
X(月)={(0+2)*1+(825+60)*{((0+2)*1)/(65,250-825)+1}}*1/1*(12+1)*1.1
=(2+885*1)*1*13*1.1
=12,684(バイト)
=約0.01(メガバイト)
a=1
b=1+(60-1)/31,622,400=1.00・・・=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)
X(年)={(0+2)*1+(825+60)*{((0+2)*1)/(65,250-825)+1}}*1/1*(10+1)*1.1
=(2+885*1)*1*11*1.1
= 10,732(バイト)
= 約0.01(メガバイト)
以上から,PI_JVMの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=3.51(メガバイト)
=約4(メガバイト)
次にPDレコードの見積もりについて説明します。
変数を次の値とします。
a=1,440
b=3,600/60=60
c=31(日)
d=820(バイト)
e=0(バイト)
f=1
g=3,600(秒)
見積もり式を次に示します。
X={(0+2)*1+(820+60)*{((0+2)*1)/(65,250-820)+1}}*1,440/60*(31+1)*1.1
=(2+880*1)*24*32*1.1
=745,114(バイト)
=約0.7(メガバイト)
したがって,必要なディスク占有量はPI_JVM+PD=4.7(メガバイト)となります。
●ファイル数
PI,PI_JVM,およびPDを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
m=2
n=1
A11~A1m=1(日)
A21~A2m=31(日)
A31~A3m=5(週)
A41~A4m=53(週)
A51~A5m=12(月)
B1~Bn=31(日)
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)
)
=20+2*(
[1(PI分)+1(PI_JVM分)+2]+
[31(PI分)+31(PI_JVM分)+2]+
[5(PI分)+5(PI_JVM分)+2]+
[53(PI分)+53(PI_JVM分)+2]+
[12(PI分)+12(PI_JVM分)+2]+
[11*2]+
[31(PD分)+1]
)
=20+2*(4+64+12+108+26+22+32)=556
●ディレクトリ数
PI,PI_JVM,およびPDを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
A1max=1(日)
A2max=31(日)
A3max=5(週)
A4max=53(週)
A5max=12(月)
Bmax=31(日)
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax))
=25+2*(1+31+5+53+12+11+31)=313
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PI_JVM,およびPDを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
m=1
Storeサービスがオープンするディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m)
=20+2*(6*2+1)=46