3.1.1 インストールとセットアップの前に
PFM - Agent for JP1/AJS2をインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提OS
- (2) ネットワークの環境設定
- (3) インストールに必要なOSユーザー権限について
- (4) 前提プログラム
- (5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
- (6) 注意事項
(1) 前提OS
PFM - Agent for JP1/AJS2が動作するOSを次に示します。
- AIX
- HP-UX(IPF)
- HP-UX(PA-RISC)
- Linux (IPF)
- Linux (x86),Linux (x64)
- Solaris
(2) ネットワークの環境設定
Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。
(a) IPアドレスの設定
PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスが解決できる環境を設定してください。IPアドレスが解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。
監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。
- 監視ホスト名として実ホスト名を使用している場合
Windowsシステムではhostnameコマンドの実行結果で,UNIXシステムではuname -nコマンドの実行結果で確認できるホスト名で,IPアドレスが解決できるように環境設定をしてください。
UNIXシステムでは,hostnameコマンドで取得するホスト名を使用することもできます。詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」のPerformance Managementシステムでのホスト名の設定を説明している章を参照してください。
- 監視ホスト名としてエイリアス名を使用している場合
設定しているエイリアス名でIPアドレスが解決できるように環境設定をしてください。
監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」のPerformance Managementシステムでのホスト名の設定を説明している章を参照してください。
ホスト名と,IPアドレスの設定は,次の方法のどれかで行ってください。
- Performance Managementのホスト情報設定ファイル(jpchostsファイル)
- hostsファイル
- DNS(Domain Name System)
- 注意
- Performance Managementは,DNS環境でも運用できますが,FQDN(Fully Qualified Domain Name)形式のホスト名には対応していません。Windowsの場合はhostnameコマンド,UNIXの場合はuname -nコマンドで確認できるホスト名からドメイン名を除いたものを使用してください。
- 複数のLAN環境で使用する場合は,jpchostsファイルでIPアドレスを設定してください。詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
(b) ポート番号の設定
Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
表3-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(UNIXの場合)
サービス説明 | サービス名 | パラメーター | ポート番号 | 備考 |
---|
サービス構成情報管理機能 | Name Server | jp1pcnsvr | 22285 | PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。 |
NNM連携機能 | NNM Object Manager | jp1pcovsvr | 22292 | PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。PFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
サービス状態管理機能 | Status Server | jp1pcstatsvr | 22350 | PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。 PFM - Baseがインストールされているホストで設定される。 |
これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
PFM - Agent for JP1/AJS2をインストールするときは,必ず,スーパーユーザー権限を持つアカウントで実行してください。
(4) 前提プログラム
ここでは,PFM - Agent for JP1/AJS2をインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成図を次に示します。
図3-1 プログラムの構成図
![[図データ]](figure/zu030100.gif)
(a) 監視対象プログラム
PFM - Agent for JP1/AJS2の監視対象プログラムを次に示します。監視対象プログラムは,PFM - Agent for JP1/AJS2 08-00とPFM - Agent for JP1/AJS2 08-01以降で異なります。
- PFM - Agent for JP1/AJS2 08-00の場合
- JP1/AJS2 - Manager 08-00以降
- PFM - Agent for JP1/AJS2 08-01以降の場合
- Solaris9,AIX 5L V5.2,HP-UX11iのとき
JP1/AJS2 - Manager 07-00以降
- AIX 5L V5.3,HP-UX 11i V2(PA-RISC),HP-UX 11i V2(IPF)のとき
JP1/AJS2 - Manager 07-10以降
- Solaris10のとき
JP1/AJS2 - Manager 07-50以降
これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for JP1/AJS2と同一ホストにインストールする必要があります。
(b) Performance Managementプログラム
監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは一つだけでかまいません。
ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。
また,PFM - Agent for JP1/AJS2を使ってJP1/AJS2の稼働監視をするためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「4. クラスタシステムでの運用」を参照してください。
(6) 注意事項
ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。
(a) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項
Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。
- ポイント
- システムの性能や信頼性を向上させるため,PFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentはそれぞれ別のホストで運用することをお勧めします。
- PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。この場合,PFM - Agentの前提プログラムはPFM - Managerになるため,PFM - Managerをインストールしてから PFM - Agentをインストールしてください。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - Manager とPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
- PFM - ManagerがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールすると,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先PFM - ManagerをリモートホストのPFM - Managerに変更できません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,インストールするホストにPFM - Managerがインストールされていないことを確認してください。
- PFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールすると,PFM - Agentの接続先PFM - Managerは自ホスト名に設定し直されます。共通メッセージログに設定結果が出力されています。結果を確認してください。共通メッセージログについては「3.1.4(4) ログのファイルサイズ変更」を参照してください。
- PFM - Web Consoleがインストールされているホストに,PFM - Agentをインストールする場合は,ブラウザーの画面をすべて閉じてからインストールを実施してください。
- Performance Managementプログラムを新規にインストールした場合は,ステータス管理機能がデフォルトで有効になります。ステータス管理機能の設定を変更する場合は,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」のPerformance Managementの障害検知について説明している章を参照してください。
(b) バージョンアップの注意事項
古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。
- Performance Managementのプログラムをインストールするときは,ローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止しておいてください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management システム構築・運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
- すでにPerformance ManagementプログラムがインストールされているホストにPFM - Agentをインストールする場合,PFM - Agentのインストールパスは,すでにインストールされているPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムのインストールパスと同じになります。インストールパスを変更したい場合は,インストール済みのPFM - Web Console以外のPerformance Managementプログラムをすべて削除し,インストールし直す必要があります。
- PFM - BaseとPFM - Managerは同一ホストにインストールできません。PFM - BaseとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Managerをインストールする場合は,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Manager,PFM - Agentの順でインストールしてください。また,PFM - ManagerとPFM - AgentがインストールされているホストにPFM - Baseをインストールする場合も同様に,PFM - Web Console以外のすべてのPerformance Managementプログラムをアンインストールした後にPFM - Base,PFM - Agentの順でインストールしてください。
(c) その他の注意事項
- Performance Managementのプログラムが一つもインストールされていない環境に新規インストールする場合は,インストールディレクトリにファイルやディレクトリがないことを確認してください。
- インストール時,ステータスバーに「Install failed」と表示されてインストールが失敗した場合は,インストールログファイルを採取してください。なお,このログファイルは,次にインストールすると上書きされるため,必要に応じてバックアップを採取してください。インストールログのデフォルトのファイル名については,「8.4.1(2) Performance Managementの情報」を参照してください。
- インストールディレクトリにリンクを張りPerformance Managementのプログラムをインストールした場合,全Performance Managementのプログラムをアンインストールしても,リンク先のディレクトリに一部のファイルやディレクトリが残るときがあります。削除する場合は,手動で行ってください。また,リンク先にインストールする場合,リンク先に同名のファイルやディレクトリがあるときは,Performance Managementのプログラムのインストール時に上書きされるので,注意してください。
- /opt/jp1pc/setupディレクトリにPFM - Agent for JP1/AJS2のセットアップファイルがある場合,新規PFM - Agent for JP1/AJS2の追加セットアップが実行されます。PFM - Agent for JP1/AJS2の追加セットアップが成功した場合の実行結果は共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されます。確認してください。
- PFM - Agent for Virtual Machineがクラスタ環境の場合にバージョンアップするときは,実行系,待機系のどちらか一方で共有ディスクをオンラインにする必要があります。
- バージョンアップインストール時,既存のStoreデータベースを自動的にバージョンアップするため,一時的にStoreデータベースの格納先のディスクにStoreデータベースのサイズの2倍の容量を必要とします。バージョンアップインストールをする前に,Storeデータベースの格納先のディスク空き容量が十分かどうか確認してください。