付録A.2 ディスク占有量

ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。

PFM - Agent for OpenTP1のディスク占有量の見積もりについて説明します。

<この項の構成>
(1) システム全体のディスク占有量
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

(1) システム全体のディスク占有量

システム全体のディスク占有量の見積もり値をOSごとに記載します。

システム全体のディスク占有量の見積もり値を次の表に示します。

表A-3 システム全体のディスク占有量


PFM - Agent for OpenTP1の状態
ディスク占有量(単位:メガバイト)
Windows 2000,Windows Server 2003Windows Server 2003 (IPF)Windows Server 2008HP-UX (IPF)AIXLinux (x86),Linux (x64)Linux (IPF)
インストール時※155510555
初期状態での運用※2166176167374238208215
運用時35+4*a+(110+b)*n45+4*a+(110+b)*n36+4*a+(110+b)*n243+4*a+(110+b)*n107+4*a+(110+b)*n77+4*a+(110+b)*n84+4*a+(110+b)*n
(凡例)
a:共通メッセージログのファイルサイズの上限値
b:Storeデータベースのディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量については,「(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」,および「(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量」を参照してください。
n:PFM - Agent for OpenTP1のインスタンス数
注※1
インストール時には,プログラム本体容量の2倍分のディスク容量が必要となります。表の値はプログラム本体容量を示します。
注※2
共通メッセージログのファイルサイズの上限値がデフォルト値で,収集設定がSystem Summary(PI)レコードだけのPFM - Agent for OpenTP1のインスタンスが一つだけセットアップされている場合のことを示します。

(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量

Storeデータベース(Storeバージョン1.0)では,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。

表A-4 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量

レコードタイプディスク占有量の見積もり式(単位:バイト)
PIレコードタイプX1+.....+Xa+3,500*a
PDレコードタイプY1+.....+Yb+700*b
(凡例)
X:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
Xの算出式を次に示します。

X={d*e+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1}*f*1.5

Y:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集する各レコードのディスク占有量
Yの算出式を次に示します。

Y={d*g+(c+1,900)*{(d*e)/(65,250-c)+1}※1*(g/e)※2}*1.5

a:PIレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
b:PDレコードタイプのレコードで履歴データを収集するレコード数
c:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※3
d:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※3
e:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※4
f:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数※5
g:履歴データを収集する各レコードの保存レコード数※6
注※1
{(d*e)/(65,250-c)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
(g/e)の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
各レコードの固定部および可変部のサイズについては,「第3編 6. レコード」を参照してください。
注※4
各レコードのインスタンス数は,次の表に示すコマンドを用いて見積もることができます。

表A-5 各レコードのインスタンス数

レコード名コマンドインスタンス数
Checkpoint Dump Status(PD_CPD)jnlls -j cpdこのコマンドによって返されるサーバ名とファイルグループ名の組み合わせの数。
DAM File Status(PD_DAM)damlsこのコマンドによって返されるDAMファイルの数。
DAM Summary(PI_DAMS)dcreport -c単数インスタンスレコードのため「1」。
Journal Status(PD_JNL)jnlls -j sysこのコマンドによって返されるファイルグループの数。
Lock Status(PD_LCK)lckls -aこのコマンドによって返される排他資源の数。
MCF Connection Status(PD_MCFC)mcftlscn -c "*"このコマンドによって返されるMCFコネクションの数。
MCF Service Group Status(PD_MCFG)mcftlssg -g "*"このコマンドによって返されるMCFサービスグループの数。
MCF Logical Terminal Status(PD_MCFL)mcftlsle -l "*"このコマンドによって返されるMCF論理端末の数。
MCF Summary(PI_MCFS)dcreport -c単数インスタンスレコードのため「1」。
OpenTP1 Message(PD_MLOG)logcat -aこのコマンドによって返されるメッセージの数。
Process Status(PD_PRC)prclsこのコマンドによって返されるプロセスの数。
Schedule Status(PD_SCD)scdlsこのコマンドによって返されるサーバの数。
Shared Memory Status(PD_SHM)dcshmlsこのコマンドによって返される共用メモリプール種別の数。
System Summary(PI)dcreport -c単数インスタンスレコードのため「1」。
TAM Table Status(PD_TAM)tamls -aこのコマンドによって返されるTAMテーブルの数。
TAM Summary(PI_TAMS)dcreport -c単数インスタンスレコードのため「1」。
RTS Summary(PI_RTSS)rtsls -cこのコマンドによって返されるリアルタイム統計情報の数。
Transaction Status(PD_TRN)trnls -taこのコマンドによって返されるトランザクションブランチの数。
注※5
PIレコードタイプのレコードの場合,収集したデータがある一定の区分(時,日,週,月,および年単位)に自動的に要約されるので,分,時,日,週,月,および年の部分の保存レコード数を考慮して計算する必要があります。デフォルトの保存期間と保存レコード数を次の表に示します。
データの種類保存期間保存レコード数
(収集間隔が1分の場合)
分単位1日1,440
時単位7日168
日単位1年366
週単位1年52
月単位1年12
年単位制限なし(収集年数)*1
注※6
保存レコード数については,「付録F.1 Agent Storeサービスのプロパティ一覧」を参照してください。

(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量

Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。

レコードタイプごとのディスク占有量Xの見積もり式(単位:バイト)を次に示します。

X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1

a:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表A-6を参照してください。
b:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表A-6を参照してください。※2
c:履歴データの保存期間設定値※3です。レコードタイプ,要約区分ごとに指定する単位が異なります。単位については表A-6を参照してください。
d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※4です。
e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※4です。
f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)です。レコードのインスタンス数が2以上の場合,4の倍数に繰り上げます。例えばレコードのインスタンス数が2の場合は,f=4になります。インスタンス数が13の場合は,f=16になります。ただし,レコードのインスタンス数が1の場合は,f=1になります。※5

表A-6 a,b,およびcに設定する値

レコードタイプ要約区分abc
PI1,4401+(g-1)/60※2保存期間(単位:日)
241+(g-1)/3,600※2保存期間(単位:日)
71+(g-1)/86,400※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/604,800※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/2,592,000※2保存期間(単位:月)
11+(g-1)/31,622,400※2保存期間(単位:年)
PD1,440g/60保存期間(単位:日)
(凡例)
g:履歴データの収集インターバル設定値(単位:秒)
-:該当しない
注※1
{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
PIレコードタイプのbの計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
Storeバージョン2.0の場合のデフォルトの保存期間を表A-7および表A-8に示します。
注※4
各レコードの固定部・可変部のサイズについては,「第3編 6. レコード」のレコードサイズを参照してください。
注※5
レコードごとのインスタンス数については,「(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量」を参照してください。

 

表A-7 PIレコードタイプの保存期間(デフォルト値)

データの種類保存期間
分単位1日
時単位7日
日単位54週
週単位54週
月単位12か月
年単位制限なし

表A-8 PDレコードタイプの保存期間(デフォルト値)

レコード名保存期間(単位:日)
PD_CPD10
PD_DAM10
PD_JNL10
PD_LCK10
PD_MCFC10
PD_MCFG10
PD_MCFL10
PD_MLOG10
PD_PD10
PD_PRC10
PD_SCD10
PD_SHM10
PD_TAM10
PD_TRN10

Storeデータベース(Storeバージョン2.0)で作成されるファイル数,ディレクトリ数の見積もりについて説明します。

Storeサービスがオープンするファイル数の見積もりについて説明します。