JP1/Performance Management - Agent Option for IBM(R) DB2(R) Universal Database(TM)

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1.3.3 パフォーマンスの監視例

ここでは,パフォーマンスの監視例を紹介します。

<この項の構成>
(1) データベースマネージャーが正常に稼働しているかを監視する
(2) カタログ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する
(3) パッケージ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する
(4) ソートを行うために十分な専用ソートメモリーまたは共有ソートメモリーがあるかを判断する
(5) 実行させようとしているSQLステートメントの初期設定セクションを回避することを共有SQLワークスペースが手助けしている程度を判断する
(6) ソートをするために十分なヒープ・スペースがあるかを判断する

(1) データベースマネージャーが正常に稼働しているかを監視する

データベースマネージャーが正常に稼働しているかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件
PD_PD
DB2 Status
DB2 Status = 100
DB2 Status = 100

しきい値に対する考え方
DB2 Statusが100のとき,データベースマネージャーが停止しています。

対処方法
db2startコマンドを実行し,データベースマネージャーを起動してください。

(2) カタログ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する

カタログ・キャッシュが効果的に利用されていない場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。

カタログ・キャッシュの利用状況を監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件
PI_DCAI
Catcache Hit Rate
Catcache Hit Rate < 80
AND Catcache Hit Rate <> 0
Catcache Hit Rate < 70
AND Catcache Hit Rate <> 0

しきい値に対する考え方
Catcache Hit Rateの比率が高い(80%を超える)場合,キャッシュは効果的に利用されています。

対処方法
Catcache Hit Rateの比率が低い場合,catalogcache_szカタログ・キャッシュのサイズを拡張してください。

(3) パッケージ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する

パッケージ・キャッシュが効果的に利用されていない場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。

パッケージ・キャッシュの利用状況を監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件
PI_DCAI
Pkg Cache Hit Rate
Pkg Cache Hit Rate < 80 AND Pkg Cache Hit Rate <> 0
Pkg Cache Hit Rate < 70
AND Pkg Cache Hit Rate <> 0

しきい値に対する考え方
Pkg Cache Hit Rateの比率が高い(80%を超える)場合,キャッシュは効果的に利用されています。

対処方法
Pkg Cache Hit Rateの比率が低い場合,pckcacheszパッケージ・キャッシュのサイズを拡張してください。

(4) ソートを行うために十分な専用ソートメモリーまたは共有ソートメモリーがあるかを判断する

ソートをするための専用ソートメモリー,または共有ソートメモリーが不十分である場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。

ソートをするための専用ソートメモリー,または共有ソートメモリーが十分であるかどうかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件
PD_DSOD
Sort Shrheap Allocated Rate
Sort Shrheap Allocated Rate > 70
Sort Shrheap Allocated Rate > 85

しきい値に対する考え方
Sort Shrheap Allocated Rateの比率が低い(70%を下回る)場合,専用ソートメモリーまたは共有ソートメモリーが十分確保されています。

対処方法
Sort Shrheap Allocated Rateの比率が高い場合,sheapthersまたは,sheapthres_shr の値を大きくして,データベース構成を調整してください。
sheapthres_shrの値が0の場合は,sheapthersの値を調整してください。

(5) 実行させようとしているSQLステートメントの初期設定セクションを回避することを共有SQLワークスペースが手助けしている程度を判断する

共有SQLワークスペースで確保している実行可能セクションの作業用コピーが十分ではない場合,実行するSQLステートメントの初期設定セクションの回避が不十分になり,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。

共有SQLワークスペースで確保している実行可能セクションの作業用コピーが十分にあるかどうかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件
PD_DSQD
Shr Workspace Hit Rate
Shr Workspace Hit Rate < 80
AND Shr Workspace Hit Rate <> 0
Shr Workspace Hit Rate < 70
AND Shr Workspace Hit Rate <> 0

しきい値に対する考え方
Shr Workspace Hit Rateの比率が高い(80%を超える)場合,実行可能セクションの作業用コピーが,共有ワークスペース内に十分に保管されています。

対処方法
Shr Workspace Hit Rateの比率が低い場合,共有ワークスペース(app_ctl_heap_sz)のサイズを調整してください。

(6) ソートをするために十分なヒープ・スペースがあるかを判断する

ソートをするための十分なヒープ・スペースがない場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。

ソートをするための十分なヒープ・スペースが十分にあるかどうかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。

使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件
PD_DSOD
Sort Overflows Rate
Sort Overflows Rate > 30
Sort Overflows Rate > 50

しきい値に対する考え方
Sort Overflows Rateの比率が低い(30%を下回る)場合,ソート・ヒープ・スペースが十分確保されています。

対処方法
Sort Overflows Rateの比率が高い場合,sortheapの値を大きくして,データベース構成を調整してください。

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