JP1/Performance Management - Agent Option for IBM(R) DB2(R) Universal Database(TM)
ここでは,パフォーマンスの監視例を紹介します。
- <この項の構成>
- (1) データベースマネージャーが正常に稼働しているかを監視する
- (2) カタログ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する
- (3) パッケージ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する
- (4) ソートを行うために十分な専用ソートメモリーまたは共有ソートメモリーがあるかを判断する
- (5) 実行させようとしているSQLステートメントの初期設定セクションを回避することを共有SQLワークスペースが手助けしている程度を判断する
- (6) ソートをするために十分なヒープ・スペースがあるかを判断する
(1) データベースマネージャーが正常に稼働しているかを監視する
データベースマネージャーが正常に稼働しているかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。
使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件 PD_PD DB2 Status DB2 Status = 100 DB2 Status = 100
- しきい値に対する考え方
- DB2 Statusが100のとき,データベースマネージャーが停止しています。
- 対処方法
- db2startコマンドを実行し,データベースマネージャーを起動してください。
(2) カタログ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する
カタログ・キャッシュが効果的に利用されていない場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。
カタログ・キャッシュの利用状況を監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。
使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件 PI_DCAI Catcache Hit Rate Catcache Hit Rate < 80 AND Catcache Hit Rate <> 0 Catcache Hit Rate < 70 AND Catcache Hit Rate <> 0
- しきい値に対する考え方
- Catcache Hit Rateの比率が高い(80%を超える)場合,キャッシュは効果的に利用されています。
- 対処方法
- Catcache Hit Rateの比率が低い場合,catalogcache_szカタログ・キャッシュのサイズを拡張してください。
(3) パッケージ・キャッシュが効果的に利用されているかを判断する
パッケージ・キャッシュが効果的に利用されていない場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。
パッケージ・キャッシュの利用状況を監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。
使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件 PI_DCAI Pkg Cache Hit Rate Pkg Cache Hit Rate < 80 AND Pkg Cache Hit Rate <> 0 Pkg Cache Hit Rate < 70 AND Pkg Cache Hit Rate <> 0
- しきい値に対する考え方
- Pkg Cache Hit Rateの比率が高い(80%を超える)場合,キャッシュは効果的に利用されています。
- 対処方法
- Pkg Cache Hit Rateの比率が低い場合,pckcacheszパッケージ・キャッシュのサイズを拡張してください。
(4) ソートを行うために十分な専用ソートメモリーまたは共有ソートメモリーがあるかを判断する
ソートをするための専用ソートメモリー,または共有ソートメモリーが不十分である場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。
ソートをするための専用ソートメモリー,または共有ソートメモリーが十分であるかどうかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。
使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件 PD_DSOD Sort Shrheap Allocated Rate Sort Shrheap Allocated Rate > 70 Sort Shrheap Allocated Rate > 85
- しきい値に対する考え方
- Sort Shrheap Allocated Rateの比率が低い(70%を下回る)場合,専用ソートメモリーまたは共有ソートメモリーが十分確保されています。
- 対処方法
- Sort Shrheap Allocated Rateの比率が高い場合,sheapthersまたは,sheapthres_shr の値を大きくして,データベース構成を調整してください。
- sheapthres_shrの値が0の場合は,sheapthersの値を調整してください。
(5) 実行させようとしているSQLステートメントの初期設定セクションを回避することを共有SQLワークスペースが手助けしている程度を判断する
共有SQLワークスペースで確保している実行可能セクションの作業用コピーが十分ではない場合,実行するSQLステートメントの初期設定セクションの回避が不十分になり,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。
共有SQLワークスペースで確保している実行可能セクションの作業用コピーが十分にあるかどうかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。
使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件 PD_DSQD Shr Workspace Hit Rate Shr Workspace Hit Rate < 80 AND Shr Workspace Hit Rate <> 0 Shr Workspace Hit Rate < 70 AND Shr Workspace Hit Rate <> 0
- しきい値に対する考え方
- Shr Workspace Hit Rateの比率が高い(80%を超える)場合,実行可能セクションの作業用コピーが,共有ワークスペース内に十分に保管されています。
- 対処方法
- Shr Workspace Hit Rateの比率が低い場合,共有ワークスペース(app_ctl_heap_sz)のサイズを調整してください。
(6) ソートをするために十分なヒープ・スペースがあるかを判断する
ソートをするための十分なヒープ・スペースがない場合,DB2のパフォーマンス低下を招くおそれがあります。
ソートをするための十分なヒープ・スペースが十分にあるかどうかを監視するレコードとフィールド,および異常時の対処方法を次に示します。
使用レコード 使用フィールド 警告条件 異常条件 PD_DSOD Sort Overflows Rate Sort Overflows Rate > 30 Sort Overflows Rate > 50
- しきい値に対する考え方
- Sort Overflows Rateの比率が低い(30%を下回る)場合,ソート・ヒープ・スペースが十分確保されています。
- 対処方法
- Sort Overflows Rateの比率が高い場合,sortheapの値を大きくして,データベース構成を調整してください。
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