jr3slget
形式
jr3slget [RFC接続情報]
[ターゲット情報]
[-lasttime タイムスタンプファイル名]
[出力先]
[-cnf 環境パラメーター設定ファイル名]
[-help]
[-v]
機能
jr3slgetコマンドは,SAPシステムのシステムログ情報を抽出します。
コマンドを実行できるホスト
PFM - Agent for Enterprise Applications
実行権限
- Windowsの場合
- なし
- UNIXの場合
- なし
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
インストール先フォルダ¥agtm¥evtrap¥
- UNIXの場合
/opt/jp1pc/agtm/evtrap/
引数
- RFC接続情報
- コマンド実行時に,SAPシステムとのRFC接続を確立するための情報を指定します。
- 環境パラメーター設定ファイルで,RFC接続情報(CONNECTセクション)が指定されている場合,これらの引数の指定を省略できます。環境パラメーター設定ファイルおよびコマンドの両方でRFC接続情報が指定された場合,コマンドでの指定が優先されます。環境パラメーター設定ファイルについては,「5.4.3 コマンドを実行してシステムログ情報を抽出する場合の環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。
- RFC情報の各引数について説明します。
- -h アプリケーションサーバホスト名
- 接続先のアプリケーションサーバホスト名を指定します。指定できる値は,1~100バイトの半角英数字です。アプリケーションサーバホスト名は,次の形式で指定できます。
- hostsファイルに指定されたホスト名
- IPアドレス
- SAPルーターアドレス
- アプリケーションサーバホスト名は,トランザクションコードSM51で確認できます。
- このオプションを指定する場合は,-sオプションも指定する必要があります。
- -s システム番号
- -hオプションで指定したアプリケーションサーバホストで識別するためのシステム番号を指定します。指定できる値は,0~99の数値です。
- このオプションを指定する場合は,-hオプションも指定する必要があります。
- -c クライアント名
- 接続に利用するユーザーのクライアント名を1~3バイトで指定します。指定できる値は,0~999の数値です。
- このオプションを指定する場合は,-u,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。
- -u ユーザー名
- 接続に利用するユーザー名を指定します。指定できる値は,1~12バイトの半角英数字です。
- このオプションを指定する場合は,-c,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。
- 指定できるSAPユーザーについては「接続に使用するSAPユーザー」を参照してください。
- -p パスワード
- -uオプションで指定したユーザーのパスワードを指定します。指定できる値は,1~8バイトの半角文字列です。
- このオプションは,-p2オプションと同時に指定できません。
- このオプションを指定する場合は,-c,および-uオプションも指定する必要があります。
- パスワードに指定できる文字については「接続に使用するSAPユーザー」を参照してください。
- -p2 拡張パスワード
- SAP NetWeaver 7.0以降をベースシステムとした拡張パスワード対応のSAPシステムへ接続する場合,-uオプションで指定したユーザーの拡張パスワードを指定します。指定できる値は,1~40バイトの半角文字列です。
- このオプションは,-pオプションと同時に指定できません。
- このオプションを指定する場合は,-c,および-uオプションも指定する必要があります。
- 拡張パスワードに指定できる文字については「接続に使用するSAPユーザー」を参照してください。
- -l 言語
- -uオプションで指定したユーザーの言語を指定します。指定できる値は,SAPシステムで使用されている,2バイトのISO IDまたは1バイトの言語キーです。例えば,次のように指定します。
- このオプションの指定を省略した場合,接続先システムで定義されているユーザーの言語が仮定されます。
- このオプションを指定する場合は,-c,-u,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。
- -codepage コードページ
- 接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換するときに使用するコードページを指定します。コードページは,-lオプションの言語と組み合わせて指定する必要があります。
- 次の組み合わせで設定してください。次の組み合わせ以外の言語とコードページを指定した場合,SAPシステムから取得した情報が文字化けする可能性があります。
表10-7 言語とコードページの指定内容の組み合わせ
接続先SAPシステム | 接続言語 | 言語(-l) | コードページ(-codepage) |
---|
Unicode版 | 日本語 | JA | 8000 |
英語 | EN | 指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。 |
非Unicode版 | 日本語 | JA | 指定する必要はありません。指定する場合は,8000を指定してください。 |
英語 | EN | 指定する必要はありません。指定する場合は,1100を指定してください。 |
- 接続先のUnicode版SAPシステムで文字コードを変換するときに使用するコードページは,SAPシステムが提供する環境変数SAP_CODEPAGEでも設定することができます。環境変数SAP_CODEPAGEとこのオプションの両方でコードページが指定された場合は,このオプションの指定が有効となります。
- このオプションの指定を省略した場合,接続先システムのデフォルトコードページが仮定されます。このオプションを指定する場合は,-c,-u,および-pまたは-p2オプションも指定する必要があります。
- ターゲット情報
- 抽出対象のシステムログ情報を特定するための情報を指定します。
- 環境パラメーター設定ファイルでターゲット情報(TARGETセクション)が指定されている場合は,この引数の指定を省略できます。環境パラメーター設定ファイルおよびコマンドの両方でターゲット接続情報が指定された場合,コマンドでの指定が優先されます。環境パラメーター設定ファイルについては,「5.4.3 コマンドを実行してシステムログ情報を抽出する場合の環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。
- ターゲット情報の引数について説明します。
- -server SAPインスタンス名
- システムログを採取しているSAPインスタンス名を指定します。指定できる値は,1~20バイトの半角英数字です。一つのSAPインスタンス名だけ指定できます。SAPインスタンス名は,トランザクションコードSM50やSM66などで確認できます。
- -lasttime タイムスタンプファイル名
- 前回のコマンド実行時以降に出力されたシステムログ情報だけを抽出する場合に,前回の抽出時刻を管理するためのタイムスタンプファイル名を指定します。
- 指定できる値は,1~255バイトです。
- 相対パスで指定する場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスを指定してください。ただし,環境パラメーター設定ファイルのCOMMANDセクションのWORKDIRラベルで,コマンドの作業ディレクトリを指定していない場合,カレントディレクトリからの相対パスを指定してください。
- このオプションの指定を省略した場合,コマンド実行日の0時0分0秒から23時59分59秒までの期間が仮定されます。
- このオプションの初回実行時に,指定したタイムスタンプファイルが存在しない場合,新規に作成されます。初回実行時は,システムログ情報が出力されません。
- 出力先
- システムログ情報の出力先を指定します。このオプションの指定を省略した場合,システムログ情報は,改行コードで区切られてコマンドの標準出力に出力されます。
- 出力先の各引数について説明します。
- -x 出力ファイル名
- システムログ情報を出力するファイル名を指定します。指定できる値は,1~255バイトです。
- 相対パスで指定する場合,コマンドの作業ディレクトリからの相対パスを指定してください。ただし,環境パラメーター設定ファイルのCOMMANDセクションのWORKDIRラベルで,コマンドの作業ディレクトリを指定していない場合,カレントディレクトリからの相対パスを指定してください。
- このファイルは,一定の容量に達すると先頭から再びデータを上書きする形式のラップアラウンドファイルであり,ファイルの先頭に管理情報として1行のヘッダーがあります。
- ファイルサイズのデフォルトは1024KBです。ファイルサイズを変更する場合は,環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのSIZEラベルで指定してください。
- なお,指定の出力ファイルと同じディレクトリに,出力ファイル名.ofsという名称で管理ファイルが作成されます。(例:出力ファイル名としてSYSLOGを指定したときSYSLOGファイルとは別にSYSLOG.ofsファイルが管理ファイルとして作成されます)出力ファイルを削除する場合は,この管理ファイルも合わせて削除してください。
- -xオプションと-x2オプションは,同時に指定できません。
- -x2
- 環境パラメーター設定ファイルのEXTRACTFILEセクションのX2PATHパラメーターで設定したファイルに,システムログ情報を出力する場合に指定します。
- -xオプションと-x2オプションは,同時に指定できません。
- -cnf 環境パラメーター設定ファイル名
- コマンドが参照する環境パラメーター設定ファイル名を指定します。指定できる値は,1~255バイトです。
- 相対パスで指定する場合,コマンドのカレントディレクトリからの相対パスを指定してください。
- このオプションの指定を省略した場合,カレントディレクトリ下のデフォルト環境パラメーター設定ファイルjr3slget.iniが仮定されます。デフォルト環境パラメーター設定ファイルが存在しない場合,PFM - Agent for Enterprise Applicationsでのデフォルトの設定値が仮定されます。
- 環境パラメーター設定ファイルおよびデフォルトの設定値については,「5.4.3 コマンドを実行してシステムログ情報を抽出する場合の環境パラメーター設定ファイル」を参照してください。
- -help
- jr3slgetコマンドの使用方法を標準出力に出力します。
- -v
- 標準出力にjr3slgetコマンドの処理状況を示すメッセージを出力します。このオプションの指定を省略した場合,コマンドの処理状況を示すメッセージは出力されません。
接続に使用するSAPユーザー
jr3slgetコマンドはシステムログ情報を収集するために,SAP社の通信プロトコルであるRFCを使用して,SAPシステム側に定義されている外部管理インターフェースを実行します。そのため,jr3slgetコマンドが接続に使用するユーザーをあらかじめSAPシステム側に用意しておく必要があります。
ここでは,SAPシステム側に作成するSAPユーザーのユーザータイプ,パスワード,権限について説明します。
- ユーザータイプ
- PFM - Agent for Enterprise Applicationsで使用するSAPユーザーには,次のタイプのユーザーが使用できます。
- ダイアログ(Dialog)
- システム(System)
- 通信(Communication)
- サービス(Service)
- パスワードに指定できる文字
- SAPユーザーのパスワードは,半角数字(0~9),半角英字(a~z, A~Z),および次の半角記号で定義してください。
-
- !"@△$%&/()=?'`*+~#-_.,;:{[]}¥<>|
- △は,空白文字を示します。
- 必要な権限
- SAPユーザーには次の権限(権限オブジェクト)を設定する必要があります。
- ユーザーが汎用モジュールにRFC接続するための権限(S_RFC)
- 外部管理インターフェースを使用するための権限(S_XMI_PROD)
- 各権限の値として,次の表に示す値またはすべての項目に「XMB」を指定したビルトイン権限値(S_RFC_ALLやS_XMI_ADMIN)を割り当ててください。
表10-8 ユーザーが汎用モジュールにRFC接続するための権限(S_RFC)
権限項目 | 説明 | 値 |
---|
RFC_TYPE | 保護されるRFCオブジェクトのタイプ | FUGR(汎用グループ) |
RFC_NAME | 保護されるRFC名 | * |
ACTVT | アクティビティ | 16(実行) |
表10-9 外部管理インターフェースを使用するための権限(S_XMI_PROD)
権限項目 | 説明 | 値 |
---|
EXTCOMPANY | 外部管理ツールの会社名 | HITACHI |
EXTPRODUCT | 外部管理ツールのプログラム名 | JP1 |
INTERFACE | インターフェースID | XMB |
出力形式および内容
SAPシステムのトランザクションコードSM21で確認できるシステムログ情報(パラメーターレコード行を含む)を抽出します。
システムログ情報は,デフォルトでは次の形式で出力されます。< >は,フィールドIDを示します。
![[図データ]](figure/zum10004.gif)
システムログ情報の各値が,各フィールドに対して決められた長さに満たない場合,半角の空白で埋められます。出力される各値について次に説明します。
表10-10 出力されるシステムログ情報の内容
フィールドID | 意味 | 長さ(単位:バイト) |
---|
<TIME> | メッセージ記録時刻(HH:MM:SS) | 8 |
<INSTANCE> | メッセージを記録したサーバ | 20 |
<USER> | メッセージを記録したユーザー | 12 |
<PROGRAM> | メッセージを記録したプログラム | 8 |
<MSGNO> | メッセージ番号 | 3 |
<MSGTEXT> | メッセージテキスト | 255 |
戻り値
使用例
SAPインスタンスo246bci_SD5_00のシステムログ情報を出力する場合のコマンド実行例を次に示します。RFC接続情報は,環境パラメーター設定ファイルで定義済みであることを前提としています。
jr3slget -server o246bci_SD5_00
このコマンドの出力例を次に示します。
![[図データ]](figure/zum10005.gif)