ディスク占有量は,パフォーマンスデータを収集するレコード数によって変化します。
PFM - Agent for Platformのディスク占有量の見積もりについて説明します。
(1) システム全体のディスク占有量
表A-8 システム全体のディスク占有量
PFM - Agent for Platformの状態 | ディスク占有量(単位:メガバイト) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
HP-UX(PA-RISC) | HP-UX (IPF) | Solaris | AIX | Linux(x86),Linux(x64) | Linux(IPF) | |
インストール時※ | 10 | 20 | 15 | 15 | 10 | 15 |
初期状態での運用 | 145 | 155 | 150 | 150 | 145 | 150 |
初期状態以外での運用 | 95+W | 105+W | 100+W | 100+W | 95+W | 100+W |
Storeデータベースで使用するディスク占有量は,PIレコードタイプのレコードのディスク占有量,PDレコードタイプのレコードのディスク占有量およびPLレコードタイプのレコードのディスク占有量の合計で計算されます。
レコードタイプごとのディスク占有量の計算式については,次で説明します。
(2) Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
Storeデータベースでは,各レコードは,レコードタイプごとに一つのファイルに格納されます。Storeデータベース(Storeバージョン1.0)のディスク占有量について,レコードタイプごとに次の表に示します。
表A-9 レコードタイプごとのStoreデータベースのディスク占有量
レコードタイプ | ディスク占有量の見積もり式(単位:バイト) |
---|---|
PIレコードタイプ | (X1+.....+Xa+3,500*a) |
PDレコードタイプ | (Y1+.....+Yb+700*b) |
PLレコードタイプ | (Z1+.....+Zc+700*c) |
表A-10 各レコードのインスタンス数
レコード名 | コマンド | 説明 | |||
---|---|---|---|---|---|
HP-UX | Solaris | AIX | Linux | ||
Application Summary(PD_APP) | なし | なし | なし | なし | Agent CollectorプロパティのApplication monitoring settingに登録されている数。 |
CPU - Per Processor Detail(PI_CPUP) | sar -u -M interval count | sar -u interval count | sar -w -P ALL interval count | top -c | このコマンドによって返されるCPUの数。 |
Device Detail(PI_DEVD) | ioscan -fnC disk | iostat -x | iostat -d interval count | iostat -d | HP-UX,Solaris,AIXの場合は,このコマンドによって返されるディスクデバイスの数。 Linuxの場合は,このコマンドによって返されるパーティションを除くディスクデバイスの数。 |
Device Summary(PI_DEVS) | なし | なし | なし | なし | 単数インスタンスレコードのため「1」。 |
File System Detail - Local(PD_FSL) | df | df | df | df | このコマンドによって返されるホスト名を伴わないファイルシステムの数(bindオプションを使用してmountを行った場合は,dfコマンドとPFM - Agent for Platformのインスタンス数に差異が起こる)。 |
File System Detail - Remote(PD_FSR) | df | df | df | df | このコマンドによって返されるホスト名を伴うファイルシステムの数。 |
Logged Messages(PL_MESS) | なし | なし | なし | なし | Messages Fileプロパティまたはイベントファイルに指定したファイルに書き込まれる行の数。 ただし,Linuxの場合は,サポート対象外のため使用できない。 |
Network Interface Detail(PI_NIND) | lanscan | netstat -in | ifconfig -a | netstat -ni | HP-UXの場合は,このコマンドによって返される物理インターフェースの数+1。 Solaris,AIX,Linuxの場合は,このコマンドによって返される物理インターフェースの数。 |
Network Interface Summary(PI_NINS) | なし | なし | なし | なし | 単数インスタンスレコードのため「1」。 |
Process Detail(PD) | ps -ef | ps -ef | ps -A | ps -ef | このコマンドによって返されるプロセスの数。 |
Process Detail Interval(PD_PDI) | ps -ef | ps -ef | ps -A | ps -ef | このコマンドによって返されるプロセスの数。 |
Process Summary(PD_PDS) | なし | なし | なし | なし | 単数インスタンスレコードのため「1」。 |
Program Summary(PD_PGM) | ps -e | ps -e | ps -A | ps -e | このコマンドによって表示されるすべての異なったCMDの数。 |
System Summary Overview(PI) | なし | なし | なし | なし | 単数インスタンスレコードのため「1」。 |
Terminal Summary(PD_TERM) | ps -e | ps -e | ps -Af | ps -e | このコマンドによって表示されるすべての異なったTTYの数。 |
User Data Detail(PD_UPD) | なし | なし | なし | なし | jpcuserコマンドによって変換されたユーザー作成データの数。 |
User Data Detail - Extended(PD_UPDB) | なし | なし | なし | なし | jpcuserコマンドによって変換されたユーザー作成データの数。 |
User Data Interval(PI_UPI) | なし | なし | なし | なし | jpcuserコマンドによって変換されたユーザー作成データの数。 |
User Data Interval - Extended(PI_UPIB) | なし | なし | なし | なし | jpcuserコマンドによって変換されたユーザー作成データの数。 |
User Summary(PD_USER) | ps -ef | ps -ef | ps -ef | ps -ef | このコマンドによって表示されるすべての異なったRUIDの数。 |
Workgroup Summary(PI_WGRP) | なし | なし | なし | なし | ワークグループファイルに指定したワークグループ数+1。 |
データの種類 | 保存期間 | 保存レコード数※6 (収集間隔が1分の場合) |
---|---|---|
分単位 | 1日 | 1,440 |
時単位 | 7日 | 168 |
日単位 | 1年 | 366 |
週単位 | 1年 | 52 |
月単位 | 1年 | 12 |
年単位 | 制限なし | (収集年数)*1 |
(b) 見積もり例(Storeデータベースのディスク容量)
a=1
d=681
e=376
f=2
g=2,039
f=2
1,440+168+366+52+12+1=2,039レコード
g=2,039
X={e*f+(d+1,900)*{e*f/(65,250-d)+1}}*g*1.5
X={376*2+(681+1,900)*{376*2/(65,250-681)+1}}*2,039*1.5
={752+(2,581)*{752/64,569+1}}*3,058.5
={752+2,581*1}*3,058.5
=3,333*3,058.5
=10,285,917(バイト)
≒9.8(MB)
b=1
d=681
e=1,216
f=3
h=2,232
f=3
h=24レコード(1日分)*31(1か月)*3(fの値)=2,232レコード
h=2,232レコード
Y={e*h+(d+1,900)*{e*f/(65,250-d)+1}*(h/f)}*1.5
Y={1,216*2,232+(681+1,900)}
*{1,216*3/(65,250-681)+1*(2,232/3)}*1.5
={1,216*2,232+2,581*{3,648/64,569+1}*744}*1.5
={2,714,112+2,581*1*744}*1.5
={2,714,112+1,920,264}*1.5
=4,634,376*1.5
=6,951,564(バイト)
≒7(MB)
(3) Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量
Storeデータベース(Storeバージョン2.0)のディスク占有量について説明します。
(a) 見積もり式
ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。
●ディスク占有量
Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。
X={(e+2)*f+(d+60)*{((e+2)*f)/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1
表A-11 a,b,およびcに設定する値
レコードタイプ | 要約区分 | a | b | c |
---|---|---|---|---|
PI | 分 | 1,440 | 1+(g-1)/60※2 | 保存期間(単位:日) |
時 | 24 | 1+(g-1)/3,600※2 | 保存期間(単位:日) | |
日 | 7 | 1+(g-1)/86,400※2 | 保存期間(単位:週) | |
週 | 1 | 1+(g-1)/604,800※2 | 保存期間(単位:週) | |
月 | 1 | 1+(g-1)/2,592,000※2 | 保存期間(単位:月) | |
年 | 1 | 1+(g-1)/31,622,400※2 | 保存期間(単位:年) | |
PD | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
PL | - | 1,440 | g/60 | 保存期間(単位:日) |
表A-12 PIレコードタイプの保存期間(デフォルト値)
データの種類 | 保存期間 |
---|---|
分単位 | 1日 |
時単位 | 7日 |
日単位 | 54週 |
週単位 | 54週 |
月単位 | 12か月 |
年単位 | 制限なし |
表A-13 PDレコードタイプの保存期間(デフォルト値)
レコード名 | 保存期間(単位:日) |
---|---|
PD | 2 |
PD_FSL | 31 |
PD_FSR | 31 |
PD_IPCS | 366 |
PD_MSQD | 366 |
PD_PDI | 2 |
PD_PDS | 2 |
PD_PGM | 2 |
PD_SEMD | 366 |
PD_SHMD | 366 |
PD_TERM | 2 |
PD_UFSQ | 366 |
PD_UFSS | 366 |
PD_UPD | 10 |
PD_UPDB | 10 |
PD_USER | 10 |
PD_APP | 10 |
表A-14 PLレコードの保存期間(デフォルト値)
レコード名 | 保存期間(単位:日) |
---|---|
PL_MESS | 10 |
●ファイル数
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)+
(C1+C2+...+Co+o)
)
m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
o:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)
A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)
A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)
A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)
A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)
B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
C1~Co:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)
●ディレクトリ数
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))
A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)
A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)
A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)
Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
Cmax:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)
●Storeサービスがオープンするファイル数
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n)
l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数
m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数
n:PLレコードタイプの収集しているレコードの数
(b) 見積もり例
PFM - Agent for PlatformのStoreデータベース(Storeバージョン2.0)の見積もり例について説明します。
●ディスク占有量
PI_DEVDレコードとPD_PDIレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。
PI_DEVDレコードの見積もりについて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
d=681(バイト)
e=405(バイト)
f=4
g=60(秒)
次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。
a=1,440
b=1+(60-1)/60
=1.98...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(分)={(405+2)*4+(681+60)*{((405+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1,440/1*(3+1)*1.1
={1,628+741*1}*6,336
=2,369*6,336
=15,009,984(バイト)=約15(MB)
a=24
b=1+(60-1)/3,600
=1.01...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)
X(時)={(405+2)*4+(681+60)*{((405+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*24/1*(3+1)*1.1
={1,628+741*1}*105.6
=2,369*105.6
=250,166.4(バイト)=約0.3(MB)
a=7
b=1+(60-1)/86,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(日)={(405+2)*4+(681+60)*{((405+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*7/1*(1+1)*1.1
={1,628+741*1}*15.4
=2,369*15.4
=36,482.6(バイト)=約0.04(MB)
a=1
b=1+(60-1)/604,800
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)
X(週)={(405+2)*4+(681+60)*{((405+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(1+1)*1.1
={1,628+741*1}*2.2
=2,369*2.2
=5,211.8(バイト)=約0.005(MB)
a=1
b=1+(60-1)/2,592,000
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(月)
X(月)={(405+2)*4+(681+60)*{((405+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(1+1)*1.1
={1,628+741*1}*2.2
=2,369*2.2
=5,211.8(バイト)=約0.005(MB)
a=1
b=1+(60-1)/31,622,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)
X(年)={(405+2)*4+(681+60)*{((405+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(10+1)*1.1
={1,628+741*1}*12.1
=2,369*12.1
=28,664.9(バイト)=約0.03(MB)
以上から,PI_DEVDレコードの見積もりは次のようになります。
X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
=15.38(MB)
=約15(MB)
次にPD_PDIレコードの見積もりについて説明します。
変数を次の値とします。
a=1,400
b=60/60=1
c=10(日)
d=681(バイト)
e=966(バイト)
f=12
g=60(秒)
見積もり式を次に示します。
X={(966+2)*12+(681+60)*{((966+2)*12)/(65,250-681)+1}}
*1,440/1*(10+1)*1.1
={11,616+741*1}}*17,424
=12,357*17,424
=215,308,368(バイト)=約215(MB)
したがって,必要なディスク占有量はPI_DEVD+PD_PDI=230MBとなります。
●ファイル数
PI,PI_DEVD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
m=2
n=2
o=なし
A11~A1m=3(日)
A21~A2m=3(日)
A31~A3m=1(週)
A41~A4m=1(週)
A51~A5m=1(月)
B1~Bn=10(日)
C1~Co=不要
Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(
(A11+A12+...+A1m+m)+
(A21+A22+...+A2m+m)+
(A31+A32+...+A3m+m)+
(A41+A42+...+A4m+m)+
(A51+A52+...+A5m+m)+
(11*m)+
(B1+B2+...+Bn+n)+
(C1+C2+...+Co+o)
)
=20+2*{
[3(PI分)+3(PI_DEVD分)+2]+
[3(PI分)+3(PI_DEVD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_DEVD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_DEVD分)+2]+
[1(PI分)+1(PI_DEVD分)+2]+
[11*2]+
[10(PD分)+10(PD_PDI分)+2]
}
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}
=164
●ディレクトリ数
PI,PI_DEVD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(3)(a) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式で示した変数が次の値とします。
A1max=3(日)(考え方:PIが2日,PI_DEVDが3日の場合は3日となります)
A2max=3(日)
A3max=1(週)
A4max=1(週)
A5max=1(月)
Bmax=10(日)(考え方:PD_PDIが8日,PDが10日の場合は10日となります)
Cmax=なし
Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。
N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10+0)=85
●Storeサービスがオープンするファイル数
PI,PI_DEVD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。
「(3)(a) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。
l=2
m=2
n=0
Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。
N=20+2*(6*l+m+n)
=20+2*(6*2+2+0)=48