3.2.5 アプリケーションの稼働・非稼働情報収集の設定
アプリケーションの稼働・非稼働情報を収集するためのユーザーレコードの設定,確認,削除方法,およびアラーム運用例について説明します。
- <この項の構成>
- (1) ユーザーレコードを設定する
- (2) ユーザーレコードの設定を確認する
- (3) ユーザーレコードの設定を削除する
- (4) アラーム運用例
(1) ユーザーレコードを設定する
アプリケーションの稼働・非稼働情報を収集するためのユーザーレコードの設定方法を示します。
設定手順として,アプリケーションの監視フィールドを作成したあと,その監視フィールドのプロパティを設定する必要があります。
- アプリケーションの監視フィールドを作成する
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
- ナビゲーションフレームからエージェント(TA1ホスト名)を選択する。
[プロパティ]画面が表示されます。
- [ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーを選択する。
- インフォメーションフレームの下部の[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]にアプリケーション名を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[Application monitoring setting]ツリーの下位に,設定したアプリケーション名のツリーが生成されます。
- 注意
- [ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に入力するアプリケーション名は,ユーザーで任意に指定できます。ここで指定したアプリケーション名は,PD_APPレコードのApplication Nameフィールドに格納され,アプリケーションを特定するための識別子として利用します。
- [ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に指定できる文字は,次の文字を除く半角英数字および半角記号です。1~63バイトの範囲で指定できます。
タブ文字(¥t) ¥ : ; , * ? " ' <> |
- 設定できるアプリケーションの数は,64個までです。
- アプリケーションの監視フィールドのプロパティを設定する
- 上記手順のあと,再び[プロパティ]画面を表示し,[Application monitoring setting]ツリーの下位に生成されたアプリケーション名のツリーを選択する。
インフォメーションフレームの下部に,プロパティ情報の入力画面が表示されます。
- プロパティを設定する。
プロセスの種類,プロセス名,プロセス数の下限値と上限値を設定します。複数のプロセス情報を設定できます。プロパティを次の表に示します。
表3-2 監視フィールドのプロパティ
設定項目 | パラメーター名 | 設定内容 | 対応するPD_APPレコードのフィールド名 |
---|
プロセスの種類 | ProcessXX Kind | 次のどちらかを選択します。
- None:指定なし
- Command Line:PDレコードのProgramフィールドの値を参照
- Service Name:PD_SVCレコードのServiceNameのフィールドの値を参照
| ProcessXX Kind |
プロセス名 | ProcessXX Name | プロセス名を127バイト以内で入力します。※ | ProcessXX Name |
プロセス数のしきい値の上限値と下限値 | ProcessXX Range | プロセス数のしきい値の下限値と上限値を「1-2」のようにハイフン(-)でつないで入力します。 「1」や「10」などの単体値も指定できます。この場合は,「1-1」や「10-10」のように設定されます。 設定できる値は0~65535です。 | ProcessXX Range |
- (凡例)
- XX:01~15までの数値が入る。
- 注※
- 127バイトまで文字を入力できますが,アラームの評価やPFM - Web Consoleでの表示は32バイトまでです。32バイトまで同じ名前のProcessXX Nameがあると,アラームの評価が正しく行えませんのでご注意ください。
- また,ここで入力するプロセス名には,ワイルドカード(*と?)を使用することができます。
- [OK]ボタンをクリックする。
設定内容が有効になります。
(2) ユーザーレコードの設定を確認する
アプリケーションの稼働・非稼働情報を収集するためのユーザーレコードの設定内容を確認する方法を次に示します。
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
- ナビゲーションフレームからエージェントを選択する。
[プロパティ]画面が表示されます。
- [Application monitoring setting]ツリーを展開し,確認したいアプリケーション名のツリーを選択する。
プロパティが表示されます。
- 内容を確認し,[OK]ボタンをクリックする。
(3) ユーザーレコードの設定を削除する
アプリケーションの稼働・非稼働情報を収集するためのユーザーレコードの設定内容を削除する方法を次に示します。
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
- ナビゲーションフレームからエージェントを選択する。
[プロパティ]画面が表示されます。
- [ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーを選択する。
- 削除したいアプリケーション名を選択し,[OK]ボタンをクリックする。
設定内容が削除されます。
(4) アラーム運用例
アプリケーションの稼働・非稼働情報を収集する機能を用いたアラームの運用例について説明します。
(a) PFM - Agent for Platformの稼働状況を監視する場合
ここでは,PFM - Agent for Platformの稼働状況を監視する場合の設定内容について説明します。
次に示すPFM - Agent for Platformのプロセス数が,指定したしきい値の範囲外になった場合に,異常のアラームを通知するように設定します。
PFM - Agent for Platformのプロセスについては,「付録C プロセス一覧」を参照してください。ほかの日立製品を監視対象とする場合には,各製品のマニュアルに記載されているプロセス一覧の内容を参考にして,次に示す項目を設定してください。
アプリケーションの監視フィールド名とプロパティ,およびアラーム条件の設定内容を次に示します。
- アプリケーションの監視フィールド名
- [ADDITION OR DELETION A SETTING]ツリーの[ADD AN APPLICATION MONITORING SETTING]に設定するアプリケーション名を次に示します。
- PFM - Agent for Platform
- アプリケーションの監視フィールドのプロパティ名
- [Application monitoring setting]ツリーの下位に生成される「PFM - Agent for Platform」のプロパティで設定する内容を次に示します。
Process01 Kind:「Command Line」を選択する。
Process01 Name:「jpcagtt」を入力する。
Process01 Range:「1-1」を入力する。
Process02 Kind:「Command Line」を選択する。
Process02 Name:「jpcsto」を入力する。
Process02 Range:「1-n※」を入力する。
- 注※ jpcstoプロセスは,PFM - Manager,PFM - Agent for Platformのエージェントインスタンスごとに起動されます。PFM - Manager,および,PFM - Agentの合計を入力します。必要に応じて,大きい値(上限値:65,535)を利用します。
- アラームに設定する条件
- PD_APPレコードに対して,次の条件を異常と検知するアラームを定義します。
「Application Name」=「PFM - Agent for Platform」 &&
「Application Status」<>「NORMAL」
- なお,アプリケーションを特定しない場合は,「Application Status」<>「NORMAL」だけを指定してください。
(b) 監視対象のプロセスがすべて起動しているかどうか監視する場合
ここでは,監視対象のプロセスがすべて起動しているかどうか監視する場合の設定内容について説明します。
次に示す五つのプロセスが,すべて起動しているときはアラームを通知しないようにし,一つでも停止しているときは異常アラームを通知するように設定します。
- jpcagt1
- jpcagt2
- jpcagt3
- jpcagt4
- jpcagt5
PD_APPレコードの監視フィールドのプロパティおよびアラーム条件の設定内容を次に示します。
- PD_APPレコードの監視フィールドのプロパティ
Process01 Kind:「Command Line」を選択する。
Process01 Name:「jpcagt*」を入力する。※
Process01 Range:「0-5」を入力する。
- 注※ 通番にワイルドカード文字「*」を使用します。
- アラームに設定する条件
- PD_APPレコードに対して,次の条件を定義します。
監視フィールド:Process01 Count
条件:<
異常値:5
五つのプロセスがすべて起動していればアラームを通知しません。プロセスが一つでも停止している場合はアラームを通知します。また,アラーム条件式はANDで結合されるため,プロセスの起動数が1~5以外の場合に異常アラームを通知させるような設定はできません。