1.4.3 定義例
ここでは,PFM - Web Consoleを例として,動的セッション管理を行っているサイトでWebトランザクションを計測するための設定方法について説明します。
動的セッション管理を行っているサイトをWebトランザクションとして計測するためには,計測するごとに可変となる文字列の設定が必要です。
PFM - Web Consoleのトランザクションを計測する場合,Webサイトにログインするたびに変化するセッションIDによって,通信が管理されていることを考慮しなければなりません。また,セッションIDが含まれる部分は,「URL」や「メッセージボディ」などアクセスするサイトごとに異なる場合があることにも注意が必要です。
そのため,Webトランザクションを正常に計測するには,URLやメッセージボディに含まれているセッションIDは,PFM - Web Consoleに再度ログインしたときに与えられる新しいセッションIDへ,計測のたびに置き換える必要があります。
(1)以降で説明する例では,PFM - Web Consoleで,次に示す一連の動作をWebトランザクションとして記録し,このWebトランザクションを正常に計測するための設定を行います。
- PFM - Web Consoleへのログイン
- PFM - Web Consoleでの操作(レポート階層の表示)
- PFM - Web Consoleからのログアウト
設定手順の概要は次のとおりです。詳細手順は(1)以降で説明します。
- Webトランザクションの記録
Web Recorderを使って,Webトランザクションのステップ情報を記録します。
- 計測条件の定義
作成したWebトランザクションを計測するために必要な定義を追加します。
- 計測条件のテスト
追加した定義に誤りがないか確認します。同時に,動的セッション管理に対応した設定を行うために必要な情報を取得します。
- 動的セッション管理に対応した設定
可変文字列を代替文字列に置き換えるための設定を行います。
- 動作確認テスト
Webトランザクションが正常に計測できるか確認します。
なお,(1)以降の手順では,次の情報を使用しています。これらの値は,説明中,斜体で示しています。
設定項目 | 設定値 |
---|
Webトランザクションファイル名 | sample01.xml |
Webトランザクション名 | sample01 |
ステップ識別子のプリフィックス | SAMPLE_STEP |
タスクID | 103※ |
- 注※
- ほかのタスクのタスクIDと異なる値である必要があります。
- <この項の構成>
- (1) Webトランザクションの記録
- (2) 計測条件の定義
- (3) 計測条件のテスト
- (4) 動的セッション管理に対応した設定
- (5) 動作確認テスト
(1) Webトランザクションの記録
Webトランザクションを記録する手順を次に示します。
- [スタート]-[プログラム]-[Performance Management]-[Agent for Service Response]-[Web Recorder]をクリックする。
Web Recorder画面のメイン画面が表示されます。
- メイン画面から,[トランザクション]-[新規作成]をクリックする。
[Webトランザクションの作成]画面が表示されます。
- トランザクションを作成するために必要な情報を入力する。
[Webトランザクションファイル名]に「sample01.xml」を,[新規Webトランザクション名]に「sample01」を指定します。
[ステップ識別子を自動的に付与する]にチェックを入れ,[プリフィックス]を入力してください。ステップ識別子は,トランザクション計測時にアクセスした各サイトから取得するHTMLまたはHTTPヘッダーをファイルとして出力するために必要です。
[Webトランザクションの作成]画面の詳細については,「6.2.2 [Webトランザクションの作成]画面」を参照してください。
- [OK]ボタンをクリックする。
トランザクションが作成され,Web Recorder画面の[Webトランザクションファイル名],[Webトランザクション名]に設定値が表示されます。
- メイン画面から,[トランザクション]-[トランザクションの設定]をクリックする。
[トランザクションの設定]画面が表示されます。
- [トランザクション]タブで,HTMLおよびHTTPヘッダーをファイルに出力するよう設定する。
- [取得したHTMLおよびHTTPヘッダーをファイルに出力する]にチェックを入れます。
トランザクションファイル中の可変文字列(記録時のセッションID)を代替文字列(再度ログインした時に与えられる新しいセッションID)で置き換えるために必要な情報を取得できるようになります。また,トランザクションが正常に計測されているかを確認できるようになります。
- [文字セット]で[UTF-8]を選択します。
[トランザクションの設定]画面の詳細については,「6.2.6 [トランザクションの設定]画面」を参照してください。
- [OK]ボタンをクリックする。
[トランザクションの設定]画面が閉じます。
- メイン画面の[アドレス]に,PFM - Web Consoleのログイン画面のURLを入力して[移動]ボタンをクリックする。
IEウィンドウ内にPFM - Web Consoleのログイン画面が表示されます。
- IEウィンドウ内のログイン画面で,[ユーザ名]と[パスワード]を入力し[ログイン]ボタンをクリックする。
IEウィンドウ内にPFM - Web Console画面が表示されます。
- IEウィンドウ内で[レポート階層]に移動する。
- IEウィンドウ内で[ログアウト]をクリックする。
IEウィンドウ内にPFM - Web Consoleのログイン画面が表示されます。
- [トランザクション]-[上書き保存]をクリックする。
ファイルが保存されます。
(2) 計測条件の定義
PFM - Web Consoleを使用して,トランザクション計測のための条件を定義する手順を次に示します。
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
[メイン]画面が表示されます。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
- ナビゲーションフレームからエージェントを選択する。
[プロパティ]画面が表示されます。
- [Probe]ツリーを展開し,[ADD OR DELETE A TASK]ツリーを選択する。
- インフォメーションフレームの下部でプロパティを設定する。
New Task IDに「103」を,New Task Protocolに「WEBTRANS」を指定してください。
- インフォメーションフレームの下部の[OK]ボタンをクリックする。
[Task List]ツリーの下位に,「WEBTRANS_103」という名前のツリーが生成されます。
- [WEBTRANS_103]ツリーを選択する。
- インフォメーションフレームの下部でプロパティを設定する。
Intervalに「80」,Filenameに「sample01.xml」,Transactionに「sample01」をそれぞれ指定します。
- [OK]ボタンをクリックする。
計測条件登録ファイルに設定内容が反映されます。
- 参考
- 計測条件は,計測条件登録ファイルを直接編集することでも定義できます。この場合,計測条件登録ファイルに次の内容を追加してください。
- <TASK>
- <GEN_PARAM>
- <TASKID>103</TASKID>
- <INTERVAL>80</INTERVAL>
- <TIMEOUT>30</TIMEOUT>
- </GEN_PARAM>
- <SERV_PARAM>
- <WEBTRANS>
- <TRANSACTION_FILE>sample01.xml</TRANSACTION_FILE>
- <TRANSACTION_NAME>sample01</TRANSACTION_NAME>
- </WEBTRANS>
- </SERV_PARAM>
- </TASK>
(3) 計測条件のテスト
設定の確認手順を次に示します。この手順で,動的セッション管理に対応した設定をするために必要な情報も取得できます。
- [Task List]フォルダに追加したタスクをクリックし,[Status]が「Valid」になっていることを確認する。
- [サービス階層]にある[Probe]フォルダで,[Reload]を「Yes」にして[OK]ボタンをクリックする。
- [Task List]フォルダに追加したタスクをクリックし,[Status]が「Applied」になっていることを確認する。
- 「SAMPLE_STEP」をプリフィックスに持つhtmlファイル(SAMPLE_STEP00001.htmlなど)が,次のフォルダに出力されていることをエクスプローラなどで確認する。
インストール先フォルダ¥agtv¥probe¥probedata¥webtransフォルダ
- SAMPLE_STEP00002.htmlを開き,<frame>タグの内容から代替文字列を確認する。
次の例の下線で示す部分の文字列です。
<frameset border="0" frameborder="no" framespacing="0" rows="32,*" onUnload="baseLogout()">
<frame name="PrTitle" noresize scrolling="no" frameborder="no"
src="/PFMWebConsole/dispMainTitle.do?prSessionId=A_00E71812A672E7E3AA00385404F53228_1197249957218&launchMode=" />
<frameset cols="350,*" border="8" frameborder="yes" framespacing="4" bordercolor="silver">
- ポイント
- この例では,代替文字列(トランザクションを計測するたびに新しく与えられるセッションID)を最初に確認できるファイルはSAMPLE_STEP00002.htmlであるため,このファイルについて確認しています。
(4) 動的セッション管理に対応した設定
可変文字列を代替文字列に置き換えるための設定の手順を次に示します。
- [スタート]-[プログラム]-[Performance Management]-[Agent for Service Response]-[Web Recorder]をクリックする。
Web Recorder画面のメイン画面が表示されます。
- [トランザクション]-[開く]を選択する。
[Webトランザクションの選択]画面が表示されます。
- [Webトランザクションファイル一覧]から「sample01.xml」を選択し,[Webトランザクション一覧]から「sample01」を選択して,[OK]ボタンをクリックする。
設定した計測条件が読み込まれて[Webトランザクションの選択]画面が閉じます。
- Web Recorder画面のメイン画面に表示されている[URLリスト]からURLを選択し,[編集]-[プロパティ]をクリックする。
[プロパティ]画面が表示されます。
- [ページ情報]タブの[URL],および[リクエスト情報]タブの[メッセージボディ]に可変文字列が含まれているかを確認する。
どちらかに「(3) 計測条件のテスト」で確認した代替文字列と同じ形式の文字列(可変文字列)が含まれている場合は,次の手順に進んでください。どちらにも可変文字列が含まれていない場合,以降の手順は不要です。
[プロパティ]画面の詳細については,「6.2.7 [プロパティ]画面」を参照してください。
- [可変文字列]タブをクリックする。
[可変文字列]タブが表示されます。
- [追加]ボタンをクリックする。
[可変文字列の設定]画面が表示されます。
- [可変文字列]タブの[可変文字列の設定]で,手順5で可変文字列が含まれていた項目をチェックする。
[URL]または[メッセージボディ]にチェックしてください。
- [記録時の可変文字列]に,手順5で確認した可変文字列を入力する。
可変文字列は,[記録時の情報]に表示されている文字列で確認できます。
- [代替文字列]タブをクリックする。
[代替文字列]タブが表示されます。
- [HTMLまたはHTTPヘッダーから取得]をチェックして,[追加]ボタンをクリックする。
[代替文字列の設定]画面が表示されます。
- [代替文字列の設定]画面で代替文字列を設定する。
次のように設定してください。
設定項目 | 設定値 |
---|
[ステップ識別子] | 「SAMPLE_STEP00002」を選択する。 |
[代替文字列取得元の設定] | [代替文字列をHTMLから取得]にチェックする。 |
[要素名] | 「frame」を入力する※1。 |
[代替文字列が含まれる個所の設定] | [属性]にチェックし,[属性名]に「src」を入力する※1。 |
[代替文字列として扱わない文字列の設定] | チェックボックスをオンにし,[直前の文字列]に「prSessionId=」を,[直後の文字列]に「&」を入力する※2。 |
- 注※1
- 「(3) 計測条件のテスト」で確認した可変文字列が,<frame>タグのsrc属性に含まれているためです。
- 注※2
- 「(3) 計測条件のテスト」で確認した可変文字列の前後の文字列です。
[代替文字列の設定]画面の詳細については,「6.2.10 [代替文字列の設定]画面」を参照してください。
- [代替文字列の設定]画面で[OK]ボタンをクリックする。
[代替文字列の設定]画面が閉じます。
- [可変文字列の設定]画面で[OK]ボタンをクリックする。
[可変文字列の設定]画面が閉じます。
- [プロパティ]画面で[OK]ボタンをクリックする。
[プロパティ]画面が閉じます。
- トランザクションファイルの可変文字列を含むすべてのステップに対して,手順4から手順15を繰り返す。
設定済みの可変文字列および代替文字列は,[可変文字列の設定]画面および[代替文字列の設定]画面の[取込]ボタンを使用して取り込むことができます。
詳細については,次の項目を参照してください。
- 可変文字列の設定を取り込む場合
- 代替文字列の設定を取り込む場合
- Web Recorder画面のメイン画面で[トランザクション]-[上書き保存]をクリックする。
設定内容が保存されます。
(5) 動作確認テスト
Webトランザクションが正しく計測できるか確認する手順を次に示します。
- コントロールパネルから[管理ツール]-[サービス]をクリックし,PFM - Agent for ServiceResponseを起動(または再起動)する。
- インストール先フォルダ¥agtv¥probe¥probedata¥webtransフォルダの各HTMLファイルをテキストエディタで表示し,セッションの切断や不正な操作を示すメッセージが出力されていないことを確認する。
- メッセージの表示例を示します。
<tr class="v50pr-err-contents">
<td>Message</td>
<td class="v50pr-space-normal">
すでにログアウト済みのセッションで表示されたウィンドウが操作されました。<br/>ウィンドウを閉じて,再度ウィンドウを開き直してください。
<td>
</tr> |