(1) Storeデータベースのバックアップ
定期的に稼働監視データのバックアップを取得することで,障害時のデータ喪失のリスクを低減できます。Storeバージョン2.0では定期的なバックアップに加え,細分化した単位でバックアップを取得する部分バックアップを利用できます。
稼働監視データの部分バックアップを次の図に示します。
図4-16 稼働監視データの部分バックアップ
部分バックアップでは,特定の期間だけ,特定のレコードタイプだけ,特定の年月だけというようにバックアップ対象を部分的に特定してバックアップできます。例えば,上記に示した図のように今回バックアップする範囲として2日前から1日前のPDデータベースのPD_PDIレコードだけをバックアップしたり,2日前から1日前のPIデータベースの月レコードだけを部分的にバックアップしたりといった指定ができます。部分バックアップを活用することで,バックアップに掛かる時間を短縮できるだけでなく,データファイルの管理が効率良く行えます。
データの部分バックアップの方法については,「14.4.3 パフォーマンスデータの部分バックアップ(Storeバージョン2.0の場合)」を参照してください。
(2) 過去の稼働監視データの参照
Storeバージョン2.0を利用すると,バックアップデータをインポートして,保存期間を過ぎた過去の稼働監視データを参照できます。稼働監視データの参照を次の図に示します。
図4-17 稼働監視データの参照
この図に示したように,現在運用しているStoreデータベースの稼働監視データに加えてインポートしたデータを保持でき,Storeデータベース内のデータとインポートしたデータの両方を参照できます。また,インポートしたデータは,Storeデータベースのデータとは別に管理されるため,あらかじめStoreデータベースで設定した保存期間を過ぎても削除されません。このため,どの時点でもデータを参照できます。
バックアップデータのリストアとは,次に示す点が異なります。
インポートは,jpcdbctrl importコマンドを使用して,フルインポートと追加インポートを選択できます。
データをインポートする方法については,「10.1.8 バックアップデータをインポートする(Storeバージョン2.0の場合)」を参照してください。
インポートディレクトリは,Agent Storeサービス停止時にjpcdbctrl configコマンドによって変更できます。また,jpcdbctrl importコマンドに-clearオプションを指定することで,インポートディレクトリのデータを削除できます。
なお,プロダクトID,Storeバージョンが異なるバックアップデータはインポートできません。なお,バックアップデータのデータモデルのバージョンが現在使用しているデータモデルのバージョンよりも低い場合,jpcdbctrl dmconvertコマンドでデータモデルをバージョンアップすることでインポートできます。