17.2.3 セットアップ
NNM連携機能を使用するためのセットアップ手順を次に示します。セットアップは,すべてNNMがインストールされているホストで実施します。
- NNM連携機能のセットアップに関する注意事項
- セットアップスクリプト(Windowsの場合はjpcovsetup.bat,UNIXの場合はjpcovsetup.sh)は,NNMのサービスが起動されている状態で,かつ,NNMの画面が閉じている状態で実行してください。
- セットアップ時のNNMコマンドのエラーは,通常,標準エラー出力に出力されます。ただし,NNMコマンドでエラーが発生しても,セットアップスクリプトがNNMコマンドの正常終了を標準出力に出力してしまう場合があります。
- NNM連携を使用する場合,固定サブマップ・レベル(オンデマンド・サブマップ)を「All Levels」で使用する必要があります。固定サブマップ・レベルは,マップのプロパティからNNMのIP Mapの設定を表示し,確認・変更してください。
- PFM - Viewに含まれる07-00以前のNNM連携機能と,PFM - ManagerまたはPFM - Baseに含まれる08-00以降のNNM連携機能の両方を同一ホストに持つことができます。ただし,両バージョンのNNM連携機能を同時にセットアップすることはできません。この場合,セットアップしているNNM連携機能をアンセットアップし,セットアップをおこなうNNM連携機能に対応するセットアップコマンドを実行することで,使用するバージョンを切り替えることができます。
- 07-00以前のNNM連携機能と,08-00以降のNNM連携機能の両方を同一ホストに持っている環境で,一方のNNM連携機能をセットアップしていて,もう一方のNNM連携機能をアンセットアップまたは製品をアンインストールした場合,セットアップしているNNM連携機能もアンセットアップされてしまいます。この場合,セットアップしていたバージョンのセットアップコマンドを再度実行してください。
- Performance Managementの監視ホスト名が実ホスト名とは異なる場合,NNMがインストールされているホストおよびManagerホストで,DNSまたはhostsファイルの設定を変更する必要があります。各変更内容は次のとおりです。
DNSの設定を変更する場合
実ホスト名をAレコードで,監視ホスト名をCNAMEレコードで登録する必要があります。
hostsファイルの設定を変更する場合
対応するIPアドレスのあとに,〈実ホスト名〉〈監視ホスト名〉の順番で記述する必要があります。また,Performance Managementでの監視ホスト名以外にも複数のホスト名が存在するときにも,実ホスト名を先頭に記述する必要があります。
hostsファイルの記述例
****.****.****.**** HostA AliasB
セットアップの流れは次のとおりです。
- エージェント追加セットアップを実行する
- SNMPトラップの送信先を設定する
- NNM連携定義ファイルを修正する
- セットアップスクリプトを実行する
- アラーム定義によるSNMPトラップ発行とレポートの定義
- <この項の構成>
- (1) エージェント追加セットアップを実行する
- (2) SNMPトラップの送信先を設定する
- (3) NNM連携定義ファイルを修正する
- (4) セットアップスクリプトを実行する
- (5) アラーム定義によるSNMPトラップ発行とレポートの定義
(1) エージェント追加セットアップを実行する
NNMと連携して監視するエージェントの追加セットアップを行います。NNMがインストールされているホストにPFM - Managerがインストールされていて,PFM - Managerのセットアップ時にすでにPFM - Agentを登録している場合はこの手順は不要です。
また,PFM - Managerのバージョンが08-50以降の場合,PFM - Agentの登録は自動で行われるため,この手順は不要です。ただし,PFM - Managerより後でリリースされたPFM - Agentについては手動で登録する必要があります。PFM - ManagerおよびPFM - Agentのリリース時期についてはリリースノートを参照してください。
NNMがインストールされているホストにPFM - Managerがインストールされておらず,PFM - Baseがインストールされている場合は,PFM - Managerのセットアップで行うPFM - Agentの登録と同様に,NNMがインストールされているホストにPFM - Agentのセットアップファイルをコピーし,セットアップコマンドを実行します。
(a) PFM - Agentのセットアップファイルをコピーする
PFM - AgentをインストールしたホストにあるセットアップファイルをPFM - Baseをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。
- PFM - Agentのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。
表17-3 コピーするセットアップファイル
プラットフォーム | ファイル |
---|
コピー元 PFM - Agent | コピー先 PFM - Base | コピー元 PFM - Agent | コピー先 PFM - Base |
---|
Windows | Windows | インストール先 フォルダ¥setup ¥jpcxxxxw.EXE | インストール先 フォルダ¥setup |
UNIX | インストール先 フォルダ¥setup ¥jpcxxxxu.Z | /opt/jp1pc/setup |
UNIX | Windows | /opt/jp1pc/setup /jpcxxxxw.EXE | インストール先 フォルダ¥setup |
UNIX | /opt/jp1pc/setup /jpcxxxxu.Z | /opt/jp1pc/setup |
- (凡例)
- 「xxxx」は,各PFM - Agent のサービスキーを示します。サービスキーの詳細は,各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
(b) PFM - Baseホストでセットアップコマンドを実行する
PFM - BaseホストでPFM - Agentをセットアップするための次のコマンドを実行します。
jpcagtsetup xxxx
「xxxx」は,各PFM - Agentのサービスキーを示します。サービスキーの詳細は各PFM - Agent のマニュアルを参照してください。
例えば,PFM - Agent for Oracleの場合,次のようにコマンドを実行します。
jpcagtsetup agto
- 注意
- コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcagtsetupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcagtsetupコマンドを実行してください。
PFM - Agentのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。
(2) SNMPトラップの送信先を設定する
NNMでネットワーク管理を行うために,PFM - Web Consoleの画面で必要なアラームを設定します。アラームの設定では,SNMPトラップの送信先を設定します。
手順を次に示します。
- 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでログインします。
PFM - Web Consoleの[メイン]画面が表示されます。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで[サービス階層]タブを選択する。
[サービス階層]画面が表示されます。
- [サービス階層]画面のナビゲーションフレームで,[PFM - Manager]フォルダを選択する。
PFM - Managerの各サービスが表示されます。
- Trap Generatorサービスを選択する。
Trap Generatorサービスは,名前の先頭が「PC」で始まるサービスです。
選択したTrap Generatorサービスにチェックマークが表示されます。
- メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択する。
Trap Generatorサービスのプロパティ画面に遷移し,プロパティが階層表示されます。
- 「ADD OR DELETE A TRAP DESTINATION」フォルダを選択する。
インフォメーションフレームの下部にプロパティが表示されます。
- [ADD A DESTINATION]の[値]に,SNMPトラップの送信先ホスト名またはIPアドレスを指定する。
- [OK]ボタンをクリックする。
「Trap Destinations」フォルダの下に,設定したSNMPトラップの送信先のフォルダが追加されます。
- 追加されたSNMPトラップの送信先のフォルダを選択する。
インフォメーションフレームの下部にプロパティが表示されます。
- 設定値を変更する。
設定できる内容を次に示します。
- [Retry Count]
- SNMPトラップを送信する回数を,0~32767の整数で指定します。デフォルト値は,1(回)です。0を指定した場合,デフォルト値が仮定されます。
- [Retry Interval]
- SNMPトラップを再送信する間隔(秒)を,0~32767の整数で指定します。デフォルト値は,5(秒)です。0を指定した場合,デフォルト値が仮定されます。
- [Trap Port]
- SNMPトラップの送信先のポート番号を,1~32767で指定します。デフォルト値は,162です。0を指定した場合,デフォルト値が仮定されます。
- [Enabled]
- SNMPトラップを送信するかどうかについて,「Yes」または「No」を選択します。デフォルト値は,「Yes」です。
- [OK]ボタンをクリックする。
設定内容が保存されます。
(3) NNM連携定義ファイルを修正する
NNMと連携するには,NNM連携定義ファイル(jpcnnm.ini)を修正する必要があります。
Performance Managementが提供するNNM連携定義ファイルは,NNMがインストールされているホストの,次のディレクトリに格納されています。
- Windowsの場合
インストール先フォルダ¥NNMEx¥jpcnnm.ini
- UNIXの場合
/opt/jp1pc/NNMEx/jpcnnm.ini
jpcnnm.iniでは,次の表に示すセクションを定義します。
表17-4 jpcnnm.iniに設定するセクションと設定内容
役割 | セクション名 | 設定内容 |
---|
PFM - Managerホスト名とPFM - Web Consoleホスト名およびポート番号の関連づけ | [Manager Definitions] | PFM - Managerのホスト名=PFM - Web Consoleのホスト名:PFM - Web Consoleのポート番号 Web Consoleのホスト名は省略できないが,ポート番号は省略できる。ポート番号を省略した場合,クライアントにデフォルトで設定されているポート番号が使用される。PFM - Managerのホスト名は大文字・小文字を区別しない。 ホスト名は複数定義できるが,同一ホストの定義はできない。 |
ブラウザーの実行パス | [Commons] | - Windowsの場合:
browserpath=ブラウザーの実行パス 省略できる。省略した場合または不正な値を設定した場合は,デフォルトブラウザーを使用する。
- UNIXの場合:
browserpath=ブラウザーの実行パス 省略できない。省略した場合または不正な値を設定した場合は,エラーとなる。
|
- 注意
- セクションまたはラベルの前に空白文字(スペースなど)を入れた場合,その行は無視されます。
- ラベルの後に”=”(イコール)がない場合,その行は無視されます。
- ポート番号の後に空白文字(スペースなど)が入っている場合,正常に動作しません。
jpcnnm.iniの設定例を次に示します。
表17-5 jpcnnm.iniの設定例
設定項目 | 設定例 |
---|
PFM - Managerのホスト名 | PFMMGR |
PFM - Web Consoleのホスト名 | PFMWEBCON |
PFM - Web Consoleのホストのポート番号 | 23015 |
NNM連携機能をインストールしたホストのブラウザーの実行パス | C:¥Program Files¥Internet Explorer¥IEXPLORE.EXE |
図17-3 jpcnnm.iniの設定例
![[図データ]](figure/zu117003.gif)
- 注意
- システム内にPFM - Managerが複数ある場合,次のようにjpcnnm.iniの[Manager Definition]セクションに複数のPFM - Managerを定義します。
![[図データ]](figure/zu117004.gif)
- 複数のPFM - Managerを定義した場合,NNMからPFM - Web Consoleの画面を起動するときに接続先のPFM - Managerを選択する画面が表示されます。その画面で接続したいPFM - Managerを選択すると,PFM - Web Consoleの[ログイン]画面が表示されます。jpcnnm.iniの[Manager Definition]セクションに一つだけPFM - Managerを設定している場合,PFM - Managerの選択画面は表示されないで,PFM - Web Consoleの[ログイン]画面が表示されます。
(4) セットアップスクリプトを実行する
Performance Managementが提供するセットアップスクリプトを実行します。スクリプトを実行すると,NNMとの連携のための環境設定を行い,NNM連携機能のサービスが起動します。
実行するスクリプトを次に示します。
- Windowsの場合
インストール先フォルダ¥NNMEx¥jpcovsetup.bat
- UNIXの場合
/opt/jp1pc/NNMEx/jpcovsetup.sh
- 注意
- jpcnnm.iniの[Manager Definition]セクションに複数のPFM - Managerを設定している場合は,次の手順でセットアップしてください。
- jpcovsetup -mkhtmlコマンドを実行する。
PFM - Manager選択画面用HTMLファイルが作成されます。
- jpcovsetupコマンドを実行する。
(5) アラーム定義によるSNMPトラップ発行とレポートの定義
PFM - Web Consoleの[アラーム階層]画面で次の項目を設定します。
- アクションとしてSNMPトラップの発行を設定する
アラームが発行されたときのアクションとして,SNMPトラップを発行するように設定します。
- アラームとレポートを関連づける
NNMから,PFM - Web Consoleの画面でレポートを表示できるようにします。
ここでは,主にSNMPトラップを発行するように設定する操作,およびアラームとレポートを関連づける操作について説明します。
手順を次に示します。
- 管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでPFM - Web Consoleにログインする。
- [メイン]画面のナビゲーションタブで[アラーム階層]タブを選択する。
[アラーム階層]画面が表示されます。
- [アラーム階層]画面のナビゲーションフレームで,SNMPトラップを発行させたいアラーム定義を選択する。
選択したアラームにチェックマークが表示されます。
- メソッドフレームで,[編集]メソッドを選択する。
[編集 > 基本情報]画面がインフォメーションフレームに表示されます。
- [次へ >]ボタンで[編集 > アクション]画面まで遷移させる。
- [実行するアクション]で,[SNMP]をチェックする。
[SNMP]の,SNMPトラップを発行させたいアラームの状態([異常],[警告],および[正常])をチェックします。
- [表示するレポート]で[参照]ボタンをクリックし,アラームに関連づけるレポートを選択する。
- [完了]ボタンをクリックする。
アラームのアクションとしてSNMPトラップが定義され,選択したレポートが関連づけられます。
アラーム定義の詳細については「12. アラームによる稼働監視」を参照してください。