20.2.1 セットアップやサービスの起動について
セットアップやサービスの起動に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) Performance Managementプログラムのサービスが起動しない
- (2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
- (3) Performance Managementプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
- (4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスが停止する
(1) Performance Managementプログラムのサービスが起動しない
考えられる要因およびその対処方法を次に示します。
- PFM - Managerが停止している
PFM - ManagerとPFM - Agentが同じホストにある場合,PFM - Managerが停止していると,PFM - Agentサービスは起動できません。PFM - Managerサービスが起動されているか確認してください。PFM - Managerサービスが起動されていない場合は,起動してください。サービスの起動方法については,「7. Performance Managementの起動と停止」を参照してください。
- Performance Managementプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している
Performance Managementプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合,Performance Managementプログラムのサービスは起動できません。デフォルトでは,ポート番号は自動的に割り当てられるため,ポート番号が重複することはありません。Performance Managementのセットアップ時にPerformance Managementプログラムのサービスに対して固定のポート番号を設定している場合は,ポート番号の設定を確認してください。Performance Managementプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合は,異なるポート番号を設定し直してください。ポート番号の設定については,「5.3.1 (1) (b) ポート番号を設定する」(Windowsの場合)または「6.3.1 (1) (b) ポート番号を設定する」(UNIXの場合)を参照してください。
- Storeデータベースの格納ディレクトリの設定に誤りがある
次のディレクトリを,アクセスできないディレクトリまたは存在しないディレクトリに設定していると,Agent Storeサービスは起動できません。ディレクトリ名や属性の設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
- Storeデータベースの格納先ディレクトリ
- Storeデータベースのバックアップディレクトリ
- Storeデータベースの部分バックアップディレクトリ
- Storeデータベースのエクスポート先ディレクトリ
- Storeデータベースのインポート先ディレクトリ
また,これらのディレクトリを複数のAgent Storeサービスに対して設定していると,Agent Storeサービスは起動できません。ディレクトリ設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
- 指定された方法以外の方法でマシンのホスト名を変更した
マシンのホスト名の変更方法は,「5.3.4 運用開始後のホスト名の変更」(Windowsの場合)または「6.3.4 運用開始後のホスト名の変更」(UNIXの場合)で説明しています。指定された方法以外の方法でホスト名を変更した場合,Performance Managementプログラムのサービスが起動しないことがあります。
- サービスコントロールマネージャでエラーが発生した
Windowsでjpcstartコマンドを実行した場合,「Windowsのサービスコントロールマネージャでエラーが発生しました」というエラーメッセージが出力され,サービスの起動に失敗することがあります。この現象が発生した場合,jpcstartコマンドを再実行してください。頻繁に同じ現象が発生する場合は,jpcstartコマンド実行時にサービス起動処理がリトライされる間隔および回数を,jpccomm.iniファイルを編集して変更してください。リトライ間隔およびリトライ回数を変更する方法については,「7.7.2 Windowsマシンでの起動について」を参照してください。
(2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
jpcstartコマンドを実行してから,または[サービス]アイコンでサービスを開始してから,実際にサービスが起動するまで時間が掛かることがあります。次の要因で時間が掛かっている場合,2回目の起動時からはサービスの起動までに掛かる時間が短縮されます。
- Storeデータベースをリストアしたあとサービスを起動すると,初回起動時だけStoreデータベースのインデックスが再構築されます。そのため,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
- エージェントを新規に追加したあとサービスを起動すると,初回起動時だけStoreデータベースのインデックスが作成されます。そのため,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
- 電源切断などによってStoreサービスが正常な終了処理を行えなかったときは,再起動時にStoreデータベースのインデックスが再構築されるため,Storeサービスの起動に時間が掛かることがあります。
(3) Performance Managementプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
Performance Managementプログラムのサービスを停止した直後に,このサービスが使用していたポート番号で,ほかのプログラムがサービスを開始した場合,通信が正しく実行されないことがあります。この現象を回避するために,次のどちらかの設定をしてください。
- Performance Managementプログラムのサービスのポート番号を固定する
Performance Managementプログラムの各サービスに対して,固定のポート番号を割り当てて運用してください。ポート番号の設定方法については,「5.3.1 (1) (b) ポート番号を設定する」(Windowsの場合)または「6.3.1 (1) (b) ポート番号を設定する」(UNIXの場合)を参照してください。
- TCP_TIMEWAIT値の設定をする
TCP_TIMEWAIT値で接続待ち時間を設定してください。
HP-UX,HP-UX(IPF),AIXの場合,次のように指定して,接続待ち時間を75秒以上にしてください。
- HP-UX,HP-UX(IPF)の場合:tcp_time_wait_interval:240000
- AIXの場合:tcp_timewait:5
Windows,Solarisの場合,接続待ち時間をデフォルトの設定としてください。デフォルト値は,次のとおりです。
- Solarisの場合:4分
- Windows Server 2003,Windows Server 2003(IPF)の場合:2分
- Windows Server 2008,Windows Server 2008(IPF)の場合:2分
Linuxの場合,接続待ち時間のデフォルト値(60秒)は変更できません。Performance Managementプログラムのサービスのポート番号を固定する方法で対応してください。
(4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスが停止する
Storeデータベースが使用しているディスクに十分な空き容量がない場合,Storeデータベースへのデータの格納が中断されます。この場合,「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスが停止します。
このメッセージが表示された場合,次のどちらかの対処をしてください。
これらの対処をしたあともMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスが起動されない場合,Storeデータベースに回復できない論理矛盾が発生しています。この場合,バックアップデータからStoreデータベースをリストアしたあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスを起動してください。利用できるバックアップデータが存在しない場合は,Storeデータベースを初期化したあと,Master StoreサービスまたはAgent Storeサービスを起動してください。Storeデータベースを初期化するには,Storeデータベースの格納先ディレクトリにある次のファイルをすべて削除してください。
- 拡張子が.DBであるファイル
- 拡張子が.IDXであるファイル
デフォルトのStoreデータベースの格納先ディレクトリは,次のとおりです。
- パフォーマンスデータのStoreデータベース格納先ディレクトリ
- 各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
- イベントデータのStoreデータベース格納先ディレクトリ
- Windowsの場合:
インストール先フォルダ¥mgr¥store
- UNIXの場合:
/opt/jp1pc/mgr/store