4.8.3 一時ファイルに関する注意事項
- <この項の構成>
- (1) 一時ファイル出力先ディレクトリ
- (2) 一時ファイルサイズの見積もり
(1) 一時ファイル出力先ディレクトリ
PFM - Web Consoleでリアルタイムレポートまたは履歴レポートを表示したり,イベント履歴を表示したり,ODBCドライバーによって履歴データを取得したりした場合,Agent Collectorサービス,Agent StoreサービスおよびMaster Storeサービスは,下記のディレクトリに一時ファイルを作成します。
- Windowsの場合
- システム環境変数TMPに設定されているディレクトリ。
- UNIXの場合
- 環境変数TMPDIRに設定されているディレクトリ。
- TMPDIRが設定されていなければ,/var/tmpまたは/tmpディレクトリ。
上記のディレクトリが存在するディスクに空き容量が不足している場合,Agent Collectorサービス,Agent StoreサービスまたはMaster Storeサービスから下記のメッセージが出力されることがあります。
KAVE00105-E ディスク容量が不足しています
なお,一時ファイル保存先ディレクトリに新たな空き容量を確保することが困難な場合,下記の環境変数を設定することで,一時ファイルが作成されるディレクトリを変更できます。
環境変数名 | 説明 |
---|
JPC_TMPDIR | 一時ファイルの出力先ディレクトリパスを指定します。 |
- 注意
- Windowsの場合は,JPC_TMPDIR環境変数をシステム環境変数に設定してください。UNIXで自動起動スクリプトによる自動起動の設定をしている場合は,下記の手順に従って自動起動スクリプトファイルを編集してください。
- rootユーザーでログインする。
- 自動起動スクリプトファイルjpc_startをviなどのエディターで開き,下記のような行を見つける。
export PATH SHLIB_PATH LD_LIBRARY_PATH LIBPATH HCCLIBCNF
- 手順2で見つけた行を下記のように変更する。
JPC_TMPDIR=一時ファイル出力先ディレクトリ
export PATH SHLIB_PATH LD_LIBRARY_PATH LIBPATH HCCLIBCNF JPC_TMPDIR
注 一時ファイル出力先ディレクトリには十分な空き容量のあるディスク上のディレクトリへのパスを指定してください。
- システムを再起動する。
(2) 一時ファイルサイズの見積もり
レポート表示や,ODBCドライバーによる履歴データの取得を行う際に作成される一時ファイルのサイズは,下記の式で計算できます。一時ファイルサイズの上限は2GBであるため,下記の見積もりに従ってレポートやODBCドライバーに指定する条件を調整してください。
指定フィールドサイズの合計 * インスタンス数 * レコード数 [バイト]
(a) PAレコード以外の場合
指定フィールドサイズの合計は,レポートやODBCドライバーに指定したフィールドの合計サイズとなります。
- PFM - Agent for Platform(Windows)のPD_PDIレコードでの計算例
- 次の条件で履歴レポートを表示する場合,計算式は下記のようになります。
- "Date and Time"フィールド(char(6)型:6バイト)を指定※1
- ODBCキーフィールドを指定※1
"Program"フィールド(string型:256バイト)
"PID"フィールド(ulong型:4バイト)
- 上記以外に指定したフィールド
"CPU %"フィールド(float型:4バイト)
"User"フィールド(string型:36バイト)
"Date"フィールド(char(3)型:6バイト)※2
- 1分ごとに収集されるインスタンス数:
200インスタンス
- 収集した期間(要求するレコード数)
1日分の分単位レコードをレポート表示する場合,60分 * 24時間で1440レコードとなります。
- 計算式: ( 6 + 256 + 4 + 4 + 36 + 6 ) * 200 * 1440 = 89,856,000 [バイト]
- 注※1
- リアルタイムまたは履歴レポート表示時は,"Date and Time"フィールドとODBCキーフィールドはレポート表示に含めなくても必ず取得されます。ODBCドライバーを使用したデータ取得の場合は,条件に指定したフィールドだけが取得されます。
- 注※2
- Storeデータベースに記録されるときに自動追加される"Date "フィールドおよび"Time"フィールドは,履歴レポートの場合はそれぞれ6バイト,ODBCドライバーによるデータ取得の場合はそれぞれ3バイトとして計算してください。それ以外のフィールドは,各PFM - Agentのマニュアル記載の型に応じたサイズで計算してください。
- インスタンス数はレコード収集ごとに変動するため,上記は目安となります。各フィールドのデータ型,各データ型のサイズおよびODBCキーフィールドについては,各PFM - Agentのマニュアルのレコードについて説明している章を参照してください。
(b) PAレコードの場合
<指定フィールドサイズの合計>を4409,<インスタンス数>を1,<レコード数>を指定期間に発生したイベント数として計算してください。
- 補足
- 一時ファイルのサイズは,レポートで指定したレコードのインスタンス数やレコード数に比例します。このため,一時ファイルのサイズが2GBを超えそうな場合は,PFM - Web Consoleの履歴レポートやイベント履歴表示時に指定する[レコード数]で,表示するデータ量を調整することもできます。履歴レポートの[レコード数]には,上記の計算式の<インスタンス数> * <レコード数>に該当する値を指定してください。
- 注意
- UNIXの場合,ulimitコマンドによるファイルサイズ制限によって,一時ファイルサイズの上限が2GB未満となる場合があります。上記見積もりによって一時ファイルサイズが2GBを超えない場合でも,レポート表示中などに下記のエラーが出力された場合は,ulimitコマンドでファイルサイズの上限値を確認してください。
- KAVE00103-E 予期しないエラーが発生しました(rc=27)