6.3.4 運用開始後のホスト名の変更

ここでは,Performance Managementシステムを構築したあとでPFM - Managerホスト,PFM - Agentホスト,およびPFM - Web Consoleのホスト名を変更する方法を説明します。

注意
運用開始後にPFM - ManagerホストまたはPFM - Agentをインストールしたホストのホスト名を変更した場合,データベースファイル(*.DBおよび *.IDX)を引き継ぐことはできません。ホスト名変更前のデータベースファイルを継続して使用すると,ファイルサイズが不当に大きくなることがあります。運用開始後にホスト名を変更する場合は,必ず次の(1),(2)の手順に従ってください。
<この項の構成>
(1) PFM - Managerホスト名を変更する
(2) PFM - Agentホスト名を変更する

(1) PFM - Managerホスト名を変更する

PFM - Managerホスト名を変更する場合,次のホストでの作業が必要です。

注意
PFM - Managerホスト名を変更する前に,Performance Managementシステム全体で,Performance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止してください。サービスを停止するにはjpcstopコマンドおよびjpcwstopコマンドを使用してください。

作業の流れを次の図に示します。

図6-5 PFM - Managerのホスト名を変更する流れ

[図データ]

作業手順を次に示します。

  1. ヘルスチェックエージェントの設定削除
    ヘルスチェック機能を利用している場合,ヘルスチェックエージェントのエージェント定義の削除(エージェント階層の管理フォルダからの削除,アラームテーブルの関連付けの削除)を,PFM - Web Consoleのブラウザーから行います。
    エージェントの定義を変更する手順の詳細については,「9. エージェントの監視」または「12. アラームによる稼働監視」を参照してください。
  2. PFM - Web Consoleホストでのサービスの停止
    ホスト名を変更するPFM - Managerに接続するPFM - Web ConsoleホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止します。サービスの停止にはjpcwstopコマンドを使用してください。
  3. PFM - Agentホストでのサービスの停止
    ホスト名を変更するPFM - Managerに接続するPFM - AgentホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止します。サービスの停止にはjpcstopコマンドを使用してください。
  4. PFM - Managerホストでのサービスの停止
    ホスト名を変更するPFM - ManagerホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止します。サービスの停止にはjpcstopコマンドを使用してください。
  5. イベントデータの削除
    イベントデータが格納されているMaster StoreサービスのStoreデータベースのファイル(*.DBおよび*.IDX)をすべて削除します。
    Storeデータベースの格納先ディレクトリは,次のとおりです。
    Windowsの場合
    インストール先フォルダ¥mgr¥store
    UNIXの場合
    /opt/jp1pc/mgr/store
    補足
    Performance Managementのjpcctrl clearコマンドはStoreデータベース内のデータを削除しますが,Storeデータベースのファイル(*.DBおよび*.IDX)自体は削除しません。Storeデータベースのファイル自体の削除は,rmコマンドで行ってください。
  6. ヘルスチェックエージェントのパフォーマンスデータの削除
    ヘルスチェック機能を利用している場合,ヘルスチェックエージェントのStoreデータベースのファイル(*.DBおよび*.IDX)をすべて削除します。
    Storeデータベースの格納先フォルダは,次のとおりです。
    Windowsの場合
    インストール先フォルダ¥agt0¥store
    UNIXの場合
    /opt/jp1pc/agt0/store
    補足
    Performance Managementのjpcctrl clearコマンドはStoreデータベース内のデータを削除しますが,Storeデータベースのファイル(*.DBおよび*.IDX)自体は削除しません。Storeデータベースのファイル自体の削除は,エクスプローラなどから行ってください。
  7. サービス構成情報ファイルの初期化
    サービス構成情報ファイル(jpcns.ini)を初期化します。jpcns.iniファイルの初期化は,いったんjpcns.iniを削除して,jpcns.ini.modelをjpcns.iniの名称でコピーします。次のようにコマンドを実行し,jpcns.ini.modelファイルをコピーしてください。

    cp -p jpcns.ini.model jpcns.ini
    chmod 666 jpcns.ini

    jpcns.iniファイルおよびjpcns.ini.modelファイルの格納先ディレクトリは/opt/jp1pcです。
    補足
    jpcns.iniファイルの格納先ディレクトリにjpcns_backup.iniファイルが存在する場合は,jpcns_backup.iniファイルも同時に削除してください。
  8. 監視マネージャーのホスト名変更
    PFM - Managerがインストールされている監視マネージャーホストのホスト名を変更します。また,hostsファイルおよびjpchostsファイルの変更が必要な場合はここで変更します。マシンの再起動が必要な場合は,再起動後にPerformance Managementのプログラムおよびサービスが自動起動しないように,設定を変更しておいてください。PFM - Managerホスト上での作業が完了したあと,Performance Managementのプログラムおよびサービスが自動起動するように,設定を元に戻してください。
  9. PFM - Managerホストのホスト名設定
    PFM - Managerホストのホスト名を設定するには,jpcnshostnameコマンドを使用します。次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcnshostname -u

  10. PFM - ManagerホストでのStatus Serverサービスのポート番号の設定
    PFM - Managerホストでステータス管理機能を有効にしている場合,PFM - Managerホスト上でStatus Serverサービスのポート番号を設定します。次のように指定してコマンドを実行します。
    ホスト名変更前と同じポート番号を使用するため,それぞれの問い合わせに対してリターンキーを押してください。

    jpcnsconfig port define stat

  11. PFM - Managerホストでのサービスの起動
    PFM - Managerホスト上のPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  12. PFM - Managerホストでのサービス情報の削除
    PFM - Managerホストのホスト名を変更しても,変更前のホスト名が付加されたPerformance Managementプログラムのサービス情報は変更されません。PFM - Managerホストのホスト名を変更した場合は,変更前のPFM - Managerのサービス情報を削除してください。例えば,変更前のPFM - Managerホスト名がhost02のとき,ホストhost02上にあるPFM - Managerサービスの情報をすべて削除する場合は,PFM - Managerホストで次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcctrl delete P* host=host02
    jpcctrl delete 0* host=host02

  13. PFM - Managerホストでのサービス再起動
    PFM - Managerホスト上のPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  14. PFM - Agentホストで,接続先PFM - Managerの変更
    ホスト名を変更したPFM - Managerに接続するPFM - Agentホストで,接続先PFM - Managerを変更します。接続先PFM - Managerの変更は,jpcnshostnameコマンドを使用します。例えば,接続先PFM - Managerのホスト名がhost02の場合,次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcnshostname -s host02

  15. PFM - Agentホストでのサービスの起動
    ホスト名を変更したPFM - Managerに接続するPFM - AgentホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  16. PFM - Web Consoleホストで,接続先PFM - Managerの変更
    ホスト名を変更したPFM - Managerに接続するPFM - Web Consoleホストで,接続先PFM - Managerを変更します。接続先PFM - Managerを変更するには,初期設定ファイル(config.xml)ファイルを変更します。詳細については,「6.4.6 (1) (b) 接続先PFM - Managerの設定」を参照してください。
  17. PFM - Web Consoleホストでのサービスの起動
    ホスト名を変更したPFM - Managerに接続するPFM - Web ConsoleホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  18. ヘルスチェックエージェントの設定
    ヘルスチェック機能を利用している場合,ホスト名変更後のヘルスチェックエージェントの定義を再設定します。
  19. アラームの設定を更新する
    次のような場合,PFM - Managerホストのjpcalarmコマンドを使用するかまたは監視コンソールから,アラームの設定を更新する必要があります。
    • アクションの実行先アクションハンドラにPFM - Managerホストのアクションハンドラを指定している
      アラームを編集して,アクションを実行するアクションハンドラとして"PH1<変更後のPFM - Managerホスト名>"を設定してください。
    • アクションでJP1イベントを発行している
      アクションのJP1イベントの設定を再度行ってください。
    アラームの編集方法については,「12. アラームによる稼働監視」を参照してください。
注意
ホスト名の変更後は,次の確認をしてください。
  • パフォーマンスデータの収集
    パフォーマンスデータの収集間隔(Collection Interval)に指定している時間の2倍以上の期間は,稼働させて問題なく収集できるか確認してください。
  • jpcctrl dumpコマンドの実行
    収集したパフォーマンスデータが問題なく出力できるか確認してください。
  • レポート定義およびアラーム定義の確認
    ブラウザーで作成したレポート定義およびアラームの定義が問題ないか確認してください。

(2) PFM - Agentホスト名を変更する

PFM - Agentホスト名を変更する場合,次のホストでの作業が必要です。

注意
PFM - Agentホスト名を変更する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスを停止するにはjpcstopコマンドを使用してください。

作業の流れを次の図に示します。

図6-6 PFM - Agentのホスト名を変更する流れ

[図データ]

作業手順を次に示します。

  1. PFM - Agentの設定削除
    ホスト名を変更するPFM - Agentホストのエージェント定義の削除(エージェント階層の管理フォルダからの削除,アラームテーブルの関連付けの削除)を,PFM - Web Consoleのブラウザーから行います。
    エージェントの定義を変更する手順の詳細については,「9. エージェントの監視」または「12. アラームによる稼働監視」を参照してください。
  2. PFM - Agentホストでのサービスの停止
    ホスト名を変更するPFM - AgentホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止します。サービスの停止にはjpcstopコマンドを使用してください。
  3. インスタンス環境のアンセットアップ
    インスタンス環境を構築しているPFM - Agentの場合,インスタンス環境のアンセットアップを実施します。インスタンス環境のアンセットアップ方法については,各PFM - Agentマニュアルの,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
  4. パフォーマンスデータの削除
    インスタンス環境を構築しないPFM - Agentがインストールされている場合,Storeデータベースのファイル(*.DBおよび*.IDX)をすべて削除します。Storeバージョン2.0の場合は,各レコードのフォルダ内のファイルも削除します。
    Storeデータベースの格納先フォルダについては,各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
    補足
    Performance Managementのjpcctrl clearコマンドはStoreデータベース内のデータを削除しますが,Storeデータベースのファイル(*.DBおよび*.IDX)自体は削除しません。Storeデータベースのファイル自体の削除は,rmコマンドで行ってください。
  5. サービス構成情報ファイルの初期化
    サービス構成情報ファイル(jpcns.ini)を初期化します。jpcns.iniファイルの初期化は,いったんjpcns.iniを削除して,jpcns.ini.modelをjpcns.iniの名称でコピーします。次のようにコマンドを実行し,jpcns.ini.modelファイルをコピーしてください。

    cp -p jpcns.ini.model jpcns.ini
    chmod 666 jpcns.ini

    jpcns.iniファイルおよびjpcns.ini.modelファイルの格納先ディレクトリは/opt/jp1pcです。
    補足
    jpcns.iniファイルの格納先ディレクトリにjpcns_backup.iniファイルが存在する場合は,jpcns_backup.iniファイルも同時に削除してください。
  6. 監視エージェントのホスト名変更
    PFM - Agentがインストールされている監視エージェントのホスト名を変更します。また,hostsファイルおよびjpchostsファイルの変更が必要な場合はここで変更します。マシンの再起動が必要な場合は,再起動後にPerformance Managementのプログラムおよびサービスが自動起動しないように,設定を変更しておいてください。PFM - Agentホスト上での作業が完了したあと,Performance Managementのプログラムおよびサービスが自動起動するように設定を元に戻してください。
  7. 接続先PFM - Managerの再設定
    接続先PFM - Managerを再設定するには,jpcnshostnameコマンドを使用します。例えば,接続先PFM - Managerのホスト名がhost01の場合,次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcnshostname -s host01

  8. PFM - AgentホストでのStatus Serverサービスのポート番号の設定
    PFM - Agentホストでステータス管理機能を有効にしている場合,PFM - Agentホスト上でStatus Serverサービスのポート番号を設定します。次のように指定してコマンドを実行します。
    ホスト名変更前と同じポート番号を使用するため,それぞれの問い合わせに対してリターンキーを押してください。

    jpcnsconfig port define stat

  9. インスタンス環境のセットアップ
    インスタンス環境を構築しているPFM - Agentの場合,インスタンス環境のセットアップを実施します。インスタンス環境のセットアップ方法については,各PFM - Agentマニュアルの,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
  10. PFM - Agentホストでのサービスの起動
    ホスト名を変更したPFM - AgentホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  11. PFM - Managerホストでのサービス情報の削除
    PFM - Agentホストのホスト名を変更しても,変更前のホスト名が付加されたPerformance Managementプログラムのサービス情報は変更されません。PFM - Agentホストのホスト名を変更した場合は,PFM - Managerホストで変更前のPFM - Agentのサービス情報を削除してください。例えば,ホストhost02上にあるPFM - Agent for OracleのAgent Storeサービスの情報を削除する場合は,PFM - Managerホストで次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcctrl delete OS* host=host02

  12. PFM - Managerホストでのサービス再起動
    PFM - Managerホスト上のPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  13. PFM - Web Consoleホストでのサービス再起動
    PFM - Managerに接続するPFM - Web ConsoleホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスを起動します。
  14. PFM - Agentの設定
    ホスト名変更後のエージェントの定義を再設定します。
  15. アラームの設定を更新する
    次のような場合,PFM - Managerホストのjpcalarmコマンドを使用するかまたは監視コンソールから,アラームの設定を更新する必要があります。
    • アクションの実行先アクションハンドラまたはJP1イベントの送信元に,ホスト名を変更したPFM - Agentホストのアクションハンドラを指定している
      アラームを編集して,アクションを実行するアクションハンドラとして"PH1<変更後のPFM - Agentホスト名>"を設定してください。
注意
ホスト名の変更後は,次の確認をしてください。
  • パフォーマンスデータの収集
    パフォーマンスデータの収集間隔(Collection Interval)に指定している時間の2倍以上の期間は,稼働させて問題なく収集できるか確認してください。
  • jpcctrl dumpコマンドの実行
    収集したパフォーマンスデータが問題なく出力できるか確認してください。
  • レポート定義およびアラーム定義の確認
    ブラウザーで作成したレポート定義およびアラームの定義が問題ないか確認してください。