19.2.1 ヘルスチェック機能の設定

<この項の構成>
(1) ヘルスチェック機能のセットアップ
(2) ヘルスチェックエージェントのプロパティの設定

(1) ヘルスチェック機能のセットアップ

ヘルスチェック機能を利用するには,次に示す前提条件があります。この条件が満たされない場合,ヘルスチェック機能は利用できません。

監視エージェントが稼働するホスト稼働状態監視
  • PFM - ManagerとWeb Consoleは08-11以降
  • PFM - Agentのバージョンに制限なし
監視エージェントのサービス稼働状態監視
サービスの稼働状態監視はステータス管理機能を利用します。このため,対象エージェントがステータス管理機能に対応している必要があります。利用できるバージョンは次のとおりです。
  • PFM - ManagerとPFM - Web Consoleは08-11以降
  • ステータス管理機能に対応したバージョンのAgentでステータス管理機能が有効
二つ目の条件が満たされない場合,PFM - Agentの状態が正しく認識されません。なお,ステータス管理機能に対応しているPFM - Agentのバージョンについては,「19.3 ステータス管理機能によるサービスの状態確認」を参照してください。PFM - Agentのバージョンとヘルスチェック機能の利用可否を次に示します。

表19-1 PFM - Agentのバージョンとヘルスチェック機能の利用可否

対象エージェントホストのステータス管理機能対象エージェントのバージョンヘルスチェック機能
有効07-50-01以降利用可能
有効07-50以前※1利用不可※2
無効利用不可※3
(凡例)-:該当しない
注※1
同一ホスト上に,PFM - Agent 07-50以前と,PFM - Agent 07-50-01以降またはPFM - Base 08-00以降が混在していて,対象PFM - Agentホスト上ではステータス管理機能が有効になっている場合
注※2 監視エージェントのヘルスチェック状態は「非対応」と判定されます
注※3 監視エージェントのヘルスチェック状態は「状態不明」と判定されます

ステータス管理機能の設定方法については,「19.3.1 ステータス管理機能の設定」を参照してください。

(a) ヘルスチェック機能を有効にする

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのサービスを停止する。
    物理ホスト上でPerformance Managementのサービスが起動している場合は,次のコマンドでサービスを停止します。

    jpcstop all

    論理ホスト上でPerformance Managementのサービスを停止する場合は,クラスタソフトから,サービスを停止します。
  2. jpcstsetupコマンドを実行する。
    ヘルスチェック機能を有効にするためのコマンドを次のように実行します。

    jpcstsetup hcenable

  3. ヘルスチェック機能の状態を確認する。
    次のコマンドで,ヘルスチェック機能の状態がavailableになっているか確認します。

    jpcstsetup hcdisplay

  4. Performance Managementのサービスを起動する。
    次のコマンドで,物理ホスト上のPerformance Managementのサービスをすべて起動します。

    jpcstart all

    論理ホスト上でPerformance Managementのサービスをすべて起動する場合は,クラスタソフトから,サービスを起動します。
    なお,サービスIDは「0Aホスト名」,「0Sホスト名」です。
注意
起動対象のサービスにPFM - Managerが含まれ,対象PFM - Managerホストでヘルスチェック機能が有効に設定されている場合,jpcstartコマンド実行時にPFM - Managerのサービスの一部としてヘルスチェックエージェントも起動します。また,jpcstopコマンド実行時にPFM - Managerのサービスの一部としてヘルスチェックエージェントも停止します。
jpcstart,jpcstopコマンドではサービスキーとしてagt0は指定できません。

(b) ヘルスチェック機能を無効にする

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのサービスを停止する。
    物理ホスト上でPerformance Managementのサービスが起動している場合は,次のコマンドでサービスを停止します。

    jpcstop all

    論理ホスト上でPerformance Managementのサービスを停止する場合は,クラスタソフトから,サービスを停止します。
  2. jpcstsetupコマンドを実行する。
    ヘルスチェック機能を無効にするためのコマンドを次のように実行します。

    jpcstsetup hcdisable

  3. ヘルスチェック機能の状態を確認する。
    次のコマンドで,ヘルスチェック機能の状態がunavailableになっているか確認します。

    jpcstsetup hcdisplay

    PFM - Managerが論理ホスト上にある場合は,実行系または待機系のPFM - Managerホスト上でjpcstsetup hcdisplayコマンドを実行します。
  4. Performance Managementのサービスを起動する。
    次のコマンドで,物理ホスト上のPerformance Managementのサービスをすべて起動します。

    jpcstart all

    論理ホスト上でPerformance Managementのサービスをすべて起動する場合は,クラスタソフトから,サービスを起動します。

各コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。

(c) ヘルスチェックエージェントの状態を確認する

jpcctrl listコマンドで確認できます。また,ヘルスチェック機能によって,ヘルスチェックエージェント自身の稼働状態も確認できます。ただし,ヘルスチェックエージェントのAgent Collectorサービスが異常停止した場合,以降,ヘルスチェック結果が正しく表示されないことがあります。

(2) ヘルスチェックエージェントのプロパティの設定

ヘルスチェック機能有効時に,PFM - Web Consoleのサービス階層からヘルスチェックエージェントのプロパティを設定することで,稼働監視データの収集間隔や監視レベルなどヘルスチェック機能に関する設定ができます。設定できるヘルスチェックエージェントのプロパティ一覧を次に示します。

表19-2 ヘルスチェックエージェントのプロパティ一覧

フォルダ名プロパティ名説明
Detail Records - HCDescriptionレコードの説明としてHealth Check Detailが表示される。
Log監視結果のデータを採取するかどうかを指定する。デフォルト値はNo。
 Yes:パフォーマンスデータを採取する。
 No:パフォーマンスデータを採取しない。
Collection Interval収集間隔を0~2,147,483,647の範囲で指定する。単位は秒。デフォルト値は300。なお,ここで指定した値がヘルスチェック機能のポーリング周期となる。
Collection Offset収集開始時刻オフセットを0~32,767の範囲で指定する。単位は秒。デフォルト値は0。
LOGIFログ収集条件を指定する。
Health Check Configurations※1Monitoring Level※2監視レベルを指定する。サービスの稼働状態を監視したい場合は「Service」を,エージェントホストの稼働状態を監視したい場合は「Host」を指定する。デフォルト値はHost。
Polling Intervalポーリング周期が表示される。なお,この値はPD_HCレコードのCollection Intervalに同期する。
Incl. Action Handlerサービスの稼働監視をする場合に,Action Handlerサービスを監視対象に含めるかどうかを指定する。デフォルト値はNo。
 Yes:監視対象に含める。
 No:監視対象に含めない。
Busy as Inactiveエージェントのサービス状態が長時間Busyのとき,停止として扱うかどうかを指定する。デフォルト値はNo。なお,Yesを指定したときだけTime to Busy as Inactiveの設定が有効になる。
 Yes:停止として扱う※3
 No:停止として扱わない。
なお,エージェントのサービス状態はjpcctrl listコマンドで表示される「Status」として確認できる。
Time to Busy as Inactive CollectorAgent CollectorサービスのBusyを停止と同等扱いするまでの時間※3を秒単位で指定する。デフォルト値は300(秒)。
Time to Busy as Inactive StoreAgent StoreサービスのBusyを停止と同等扱いするまでの時間※3を秒単位で指定する。デフォルト値は300(秒)。
Time to Busy as Inactive AHAction HandlerサービスのBusyを停止と同等扱いするまでの時間※3を秒単位で指定する。デフォルト値は300(秒)。
注※1
Health Check Configurationsの設定を変更した場合,次のポーリング周期から設定が反映されます。
注※2
Monitoring Levelの設定を変更した場合,ヘルスチェックエージェントのリアルタイムレポートでは,レポートの表示時点で変更後のポーリングが完了しているかどうかによって,表示されるヘルスチェック結果が異なります。
監視エージェント表示されるヘルスチェック結果
変更後の設定によるポーリングが完了している監視エージェント変更後の設定で最新のヘルスチェック結果
変更後の設定によるポーリングが行われていない監視エージェント変更前の設定で最新のヘルスチェック結果
このため,一時的に,変更前と変更後の設定が混在して表示されることがあります。
注※3
Busyの状態が継続している時間は,ポーリングを行った時刻(PFM - Managerの稼働するホストの時刻)と,サービスがBusyの状態に遷移した時刻(PFM - Agentの稼働するホストの時刻)の差から計算されます。そのため,Performance Managementを運用する各ホストで時刻が一致している必要があります。