2.3.6 アラームを利用して監視する
アラームを設定することで,パフォーマンスデータがあらかじめ定義したしきい値に達したとき,監視画面のランプ状のアイコン(アラームアイコン)が赤く点滅し,システム管理者に問題発生(アラーム)を知らせるなどができます。なお,アラーム発生時にログ(動作ログ)を出力することができます。動作ログについては,「付録H 動作ログの出力」を参照してください。
アラームを利用して監視するには,監視対象のエージェントとアラームテーブルを関連づけるという操作をします。この操作を「バインド」といいます。アラームテーブルのバインドでは,一つの監視エージェントに対して一つのアラームテーブルをバインドしたり,一つの監視エージェントに対して複数のアラームテーブルをバインドしたりするなどのバインド方式を選択できます。アラームテーブルのバインド方式については,「3.4.4 アラームテーブルのバインド方式の検討」を参照してください。
バインドされた時点で,Performance Managementはアラームの定義に基づいた監視を開始します。
- <この項の構成>
- (1) アラームテーブルをコピーしてカスタマイズする
- (2) アラームテーブルとエージェントをバインドする
(1) アラームテーブルをコピーしてカスタマイズする
ここでは,PFM - Agent for Platform(Windows)のソリューションセットのアラームテーブル「PFM Windows Solution Alarms 8.0」をカスタマイズして「Webサーバ監視」というアラームテーブルを作成する例を紹介します。
手順を次に示します。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[アラーム階層]タブを選択する。
[アラーム階層]画面が表示されます。
- [アラーム階層]画面のナビゲーションフレームで,「Windows」フォルダの下位の階層を展開する。
PFM - Agent for Platform(Windows)のソリューションセットのアラームテーブルが表示されます。
- ナビゲーションフレームのアラーム階層から「PFM Windows Solution Alarms 8.00」を選択する。
「PFM Windows Solution Alarms 8.00」にチェックマークが表示されます。
- メソッドフレームで[コピー]メソッドを選択する。
[コピー > 名称入力[アラームテーブル]]画面が表示されます。
- [新しいアラームテーブル名]に「Webサーバ監視」と入力する。
次のように入力します。
図2-12 [コピー > 名称入力[アラームテーブル]]画面の入力例
![[図データ]](figure/zu102360.gif)
- 注意
- アラームテーブル名は任意に命名できますが,先頭文字に「PFM」を指定することはできません。
- [OK]ボタンをクリックする。
[アラーム階層]画面のナビゲーションフレームに,作成したアラームテーブルが追加されます。
- 作成したアラームテーブルのCPUの監視条件を編集したいので,「CPU Usage」アラームを選択する。
作成したアラームテーブルの下位の階層を表示させて選択します。
図2-13 アラーム階層からアラームを選択
![[図データ]](figure/zu102365.gif)
「CPU Usage」アラームにチェックマークが表示されます。また,「CPU Usage」アラームを選択すると,メソッドフレームに[編集]メソッドが表示されます。
- メソッドフレームの[編集]メソッドを選択する。
[編集 > 基本情報]画面が表示されます。
- [高度な設定]の,次の項目の値を変更する。
[発生頻度]の設定を次のように変更します。
- 発生頻度とは
- 発生頻度とは,「何回のインターバル中に何回しきい値を超過したら通知するか」を設定する項目です。この項目を設定することで,CPUが継続的に高負荷となる状態のときだけ通知する,などの運用ができます。
- [完了]ボタンをクリックする。
次にバインドの操作をします。
(2) アラームテーブルとエージェントをバインドする
作成したアラームテーブルとエージェントをバインド(関連づけ)します。バインドされた時点で,Performance Managementはアラームの定義に基づいた監視を開始します。ここでは,一つの監視エージェントに対して一つのアラームテーブルをバインドする手順について説明します。
手順を次に示します。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[エージェント階層]タブを選択する。
[エージェント階層]画面が表示されます。
- [エージェント階層]画面のナビゲーションフレームで,作成したアラームテーブルをバインドするエージェントを選択する。
選択したエージェントにチェックマークが表示されます。
- メソッドフレームで[アラームテーブルのバインド]メソッドを選択する。
[アラームテーブルのバインド]画面が表示されます。
インフォメーションフレームにアラームテーブルの階層が表示されます。
図2-18 [アラームテーブルのバインド]画面
![[図データ]](figure/zu102395.gif)
- アラームテーブル階層からバインドしたいアラームテーブルを選択する。
選択したアラームテーブルにチェックマークが表示されます。
- [OK]ボタンをクリックする。
エージェントにアラームテーブルがバインドされると,アラームテーブルの定義に基づいた監視が開始されます。
- メソッドフレームで,[アラームの状態の表示]メソッドを選択する。
[アラームの状態の表示]画面が表示されます。
図2-19 [アラームの状態の表示]画面の表示例
![[図データ]](figure/zu102397.gif)
バインドされているアラームテーブルに定義されているアラームが表示されます。
アラームが発生した場合は,アラームアイコンがアラームの状態を示す色で表示されます。アラームアイコンをクリックすると,アラームの[プロパティ]画面が表示され,アラームの定義内容を確認できます。
また,「ヘルスチェックステータス」に表示されるメッセージによって監視エージェントの稼働状態を確認できます。
ここでは,ソリューションセットのアラームテーブルをコピーし,カスタマイズして使用する方法を紹介していますが,ソリューションセットのアラームテーブルをそのまま使用することもできます。また,ソリューションセットを使わないで固有のアラームテーブルを定義することもできます。アラームテーブルの定義方法の詳細については,「12. アラームによる稼働監視」を参照してください。