15.4.5 PFM - Managerのアンセットアップとアンインストール
クラスタシステムからPFM - Managerをアンセットアップおよびアンインストールする方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) アンセットアップとアンインストールの前に
- (2) アンセットアップとアンインストールとの流れ
- (3) アンセットアップ手順
- (4) クラスタソフトの設定手順
- (5) アンインストール手順
(1) アンセットアップとアンインストールの前に
PFM - Managerをアンセットアップおよびアンインストールする場合の注意事項を次に示します。
- アンセットアップの順序に関する注意
- PFM - Agentを実行するには,PFM - Managerが必要です。このため,PFM - Managerをアンセットアップする場合には,システム内のPFM - Agentとの関係を考慮してアンセットアップ時の作業順序を決める必要があります。アンセットアップが必要になる場合の作業手順については,非クラスタシステムと同じです。詳細については,「6.2 アンインストールとアンセットアップ」を参照してください。
- サービスの停止に関する注意
- アンセットアップする実行系ノードおよび待機系ノードで動作している,Performance Managementのプログラムおよびサービスを,すべて停止してください。また,アンセットアップするPFM - Managerに接続しているPerformance Managementシステム全体で,PFM - Agentのすべてのサービスを停止してください。サービスの停止方法については,「7. Performance Managementの起動と停止」を参照してください。
(2) アンセットアップとアンインストールとの流れ
論理ホスト運用するPFM - Managerのアンセットアップとアンインストールの流れについて説明します。
アンインストールおよびアンセットアップの流れを次の図に示します。
図15-19 論理ホスト運用するPFM - Managerのアンセットアップおよびアンインストールの流れ(UNIXの場合)
![[図データ]](figure/zu115404.gif)
次に,PFM - Managerのアンセットアップの手順,クラスタソフトの設定解除手順およびアンインストール手順について説明します。
手順名の
は実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。
(3) アンセットアップ手順
アンセットアップは,まず,実行系ノードでアンセットアップを行います。次に,実行系ノードでアンセットアップした内容を環境定義ファイルにエクスポートします。最後に,その環境定義ファイルを待機系ノードにインポートすることで,実行系ノードから待機系ノードへアンセットアップの内容を反映させます。
手順を次に示します。
(a) クラスタソフトからの停止
![[図データ]](figure/zu115920.gif)
クラスタソフトからの操作で,実行系ノードと待機系ノードで起動しているPerformance Managementのプログラムおよびサービスを停止します。停止する方法については,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
(b) 共有ディスクのマウント![[図データ]](figure/zu115910.gif)
共有ディスクがマウントされていることを確認します。共有ディスクがマウントされていない場合は,mountコマンドを実行してファイルシステムをマウントしてください。
- 注意
- 共有ディスクがアンマウントされていても,アンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにjp1pcディレクトリとそれ以下のファイルがある場合は,共有ディスクをマウントしないでセットアップしています。この場合は次の手順で対処してください。
- ローカルディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリをtarコマンドでアーカイブする。
- 共有ディスクをマウントする。
- 共有ディスク上にアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリがない場合は,環境ディレクトリを作成する。
- 共有ディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにtarファイルを展開する。
- 共有ディスクをアンマウントする。
- ローカルディスク上のアンセットアップする論理ホストの環境ディレクトリにあるjp1pcディレクトリ以下を削除する。
(c) ヘルスチェック機能の設定解除![[図データ]](figure/zu115910.gif)
実行系のPFM - Managerホスト上でヘルスチェック機能の設定を解除するコマンドを次のように実行します。
jpcstsetup hcdisable
jpcstsetup hcdisableコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。
(d) 通信ポート番号の設定解除
![[図データ]](figure/zu115920.gif)
この手順は,ファイアウォールを使用する環境で,セットアップ時にjpcnsconfig portコマンドでポート番号を設定した場合だけに必要な手順です。
手順を次に示します。
- 通信ポート番号の設定を解除する。
jpcnsconfig portコマンドを実行して,通信ポート番号の設定を解除します。
例えば,論理ホストjp1-ha1上のサービスのポート番号の設定をすべて解除する場合,次のようにコマンドを指定して実行します。
jpcnsconfig port define all -lhost jp1-ha1
jpcnsconfig portコマンドでは,論理ホストのPFM - Manager,およびその他のPerformance Managementが通信で使用するポート番号を設定します。ポート番号の入力時に,0を入力するとポート番号が解除されます。また,このコマンドを実行するとservicesファイルに定義されていたPerformance Managementのポート番号とサービス名(デフォルトではjp1pcで始まるサービス名)が削除されます。
jpcnsconfig portコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
(e) PFM - Managerの論理ホストのアンセットアップ![[図データ]](figure/zu115910.gif)
手順を次に示します。
- 論理ホスト設定を確認する。
論理ホスト環境をアンセットアップする前に,現在の設定を確認します。論理ホスト名や共有ディスクのパスなどを確認してください。
次のようにコマンドを実行します。
jpchasetup list all
コマンドの実行例を次に示します。
![[図データ]](figure/zu115403.gif)
jpchasetup listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
- PFM - Managerの論理ホスト環境を削除する。
jpchasetup deleteコマンドを実行すると,論理ホストのPFM - Managerを起動するための設定が削除されます。また,共有ディスク上の論理ホスト用のファイルが削除されます。次のようにコマンドを実行します。
jpchasetup delete mgr -lhost jp1-ha1
jpchasetup deleteコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
- 注意
- 共有ディスクがオフラインになっている場合は,論理ホストの設定だけが削除されます。共有ディスク上のディレクトリやファイルは削除されません。
- 論理ホスト設定を確認する。
次のようにコマンドを実行します。
jpchasetup list all
論理ホスト環境からPFM - Managerが削除されていることを確認してください。
jpchasetup listコマンドの詳細ついては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
(f) PFM - Agentの論理ホストのアンセットアップ
![[図データ]](figure/zu115920.gif)
PFM - Managerのほかに,同じ論理ホストからアンセットアップするPFM - Agentがある場合だけ必要な手順です。
PFM - Agentをアンセットアップしてください。アンセットアップ手順については,各PFM - Agentマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。
(g) 論理ホスト環境定義ファイルのエクスポート![[図データ]](figure/zu115910.gif)
実行系ノードでPFM - Managerをアンセットアップする論理ホスト環境が作成できたら,待機系ノードに実行系ノードの設定情報を反映します。まず,実行系ノードの論理ホスト環境定義をファイルにエクスポートします。
- 注意
- 同じ論理ホストから,ほかのPerformance Managementのプログラムをアンセットアップする場合は,アンセットアップが済んだあとにエクスポートしてください。
手順を次に示します。
- 論理ホスト環境定義をエクスポートする。
例えば,lhostexp.confファイルに論理ホスト環境定義をエクスポートする場合,次のようにコマンドを実行します。エクスポートファイル名は任意です。
jpchasetup export -f lhostexp.conf
jpchasetup exportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
(h) 論理ホスト定義ファイルの待機系ノードへのコピー
![[図データ]](figure/zu115920.gif)
(f)でエクスポートした論理ホスト環境定義ファイルを,待機系ノードに反映するために,実行系ノードから待機系ノードにコピーします。
次に,ファイルシステムをアンマウントして,作業を終了します。なお,その共有ディスクを続けて使用する場合は,ファイルシステムをアンマウントにする必要はありません。
(i) 論理ホスト環境定義ファイルのインポート![[図データ]](figure/zu115920.gif)
実行系ノードからコピーしたエクスポートファイルを,待機系ノードに反映させるためにインポートします。
実行系ノードで作成した論理ホストのPerformance Managementの設定を,待機系ノードに設定するには,jpchasetup importコマンドを使用します。一つの論理ホストに複数のPerformance Managementがセットアップされている場合は,一括してインポートされます。
手順を次に示します。
- 論理ホスト環境定義をインポートする。
jpchasetup importコマンドを実行して,実行系ノードから待機系ノードにコピーした論理ホスト環境定義のエクスポートファイルをインポートします。
例えば,エクスポートファイル名がlhostexp.confの場合,次のようにコマンドを実行します。
jpchasetup import -f lhostexp.conf
コマンドを実行すると,待機系ノードの環境を,エクスポートした実行系ノードと同じ環境になるように設定変更します。これによって,論理ホストのPFM - Managerを起動するための設定が削除されます。ほかの論理ホストのPerformance Managementをアンセットアップしている場合は,それらの設定も削除されます。
jpchasetup importコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
- 論理ホスト環境の設定を確認する。
実行系ノードと同じようにjpchasetup listコマンドを実行して,論理ホスト設定を確認します。
次のようにコマンドを実行します。
jpchasetup list all
jpchasetup listコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
(4) クラスタソフトの設定手順
(a) クラスタソフトからのPFM - Managerの登録解除
![[図データ]](figure/zu115920.gif)
クラスタソフトから,論理ホストのPFM - Managerに関する設定を削除してください。設定を削除する方法は,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
(5) アンインストール手順
![[図データ]](figure/zu115920.gif)
(a) PFM - Managerのアンインストール
アンインストールは,実行系ノードと待機系ノードで別に行います。アンインストール手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。詳細については,「6.2.2 アンインストール手順」を参照してください。
- 注意
- PFM - Managerをアンインストールする場合は,PFM - ManagerをアンインストールするノードのPerformance Managementのプログラムおよびサービスをすべて停止してください。
- 論理ホスト環境を削除しないでPerformance Managementをアンインストールした場合,環境ディレクトリが残ることがあります。その場合は,環境ディレクトリを削除してください。