15.4.1 インストールとセットアップの前に
クラスタシステムにPerformance Managementをインストールおよびセットアップする前に確認することについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 前提条件
- (2) セットアップ環境の確認
(1) 前提条件
Performance Managementをクラスタシステムで使用する場合の前提条件を次に示します。
(a) クラスタシステム
次の条件が整っていることを確認してください。
- クラスタシステムがクラスタソフトによって制御されていること。
- クラスタソフトから論理ホスト運用するPerformance Managementの起動や停止などを制御するように設定されていること。
(b) 共有ディスク
次の条件が整っていることを確認してください。
- 論理ホストごとに共有ディスクがあり,実行系ノードから待機系ノードへ引き継げること。
- 共有ディスクが,各ノードに物理的にFibre ChannelやSCSIで接続されていること。Performance Managementでは,ネットワークドライブや,ネットワーク経由でレプリケーションしたディスクを共有ディスクとして使う構成はサポートされていません。
- フェールオーバーが発生した際に,何らかの問題によって共有ディスクを使用中のプロセスが残った場合でも,クラスタソフトなどの制御によって強制的に共有ディスクをオフラインにしてフェールオーバーができること。
- 一つの論理ホストでPerformance Managementのプログラムを複数実行する場合,共有ディスクのディレクトリ名が同じであること。なお,Storeデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。
(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス
次の条件が整っていることを確認してください。
- 論理ホストごとに論理ホスト名,および論理ホスト名と対応する論理IPアドレスがあり,実行系ノードから待機系ノードに引き継げること。
- 論理ホストと論理IPアドレスが,hostsファイルやネームサーバに設定されていること。
- DNS運用している場合は,FQDN名ではなく,ドメイン名を除いたホスト名を論理ホスト名として使用していること。
- 物理ホスト名と論理ホスト名は,システムの中でユニークであること。
- 注意 論理ホスト名について
- 論理ホスト名に,物理ホスト名(hostnameコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常な通信処理がされなくなるおそれがあります。
- 論理ホスト名に使用できる文字は,1~32バイトの半角英数字だけです。
- 論理ホスト名には,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名を指定できません。
(d) その他の前提条件
次の条件が整っていることを確認してください。
(2) セットアップ環境の確認
論理ホスト運用するPerformance Managementをセットアップするには,通常のPerformance Managementのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の情報が必要です。
表15-4 論理ホスト運用のPFM - Managerのセットアップに必要な情報(UNIXの場合)
項目 | 例 |
---|
論理ホスト名 | jp1-ha1 |
論理IPアドレス | 172.16.92.100 |
共有ディスク | /jp1 |
なお,一つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。