付録C.4 PFM - Agent 08-00以降をStoreデータベース(Storeバージョン2.0)で使用する場合のディスク占有量

PFM - Agent 08-00以降をStoreデータベース(Storeバージョン2.0)で使用する場合のディスク占有量について説明します。

<この項の構成>
(1) 見積もり式
(2) 見積もり例

(1) 見積もり式

ディスク占有量,ファイル数,およびディレクトリ数の見積もりについて説明します。

(a) ディスク占有量

Storeデータベースのディスク占有量は,レコードタイプごとのディスク占有量の総和となります。PIレコードタイプについては,さらに要約区分ごとのディスク占有量の総和となります。

注意
パフォーマンスデータがStoreデータベースに格納される際,幾つかのフィールドが追加されます。追加されるフィールドは,ディスク占有量に含まれるため,新たに容量を見積もる必要はありません。各レコードに共通して追加されるフィールドはStoreバージョン1.0と同じです。詳細については,各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
レコードタイプごとのディスク占有量Xの見積もり式(単位:バイト)

X={(e+2)*f'+(d+60)*{((e+2)*f')/(65,250-d)+1}※1}*a/b*(c+1)*1.1

a:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表C-9を参照してください。
b:レコードタイプ,要約区分ごとに値が異なります。表C-9を参照してください。※2
c:履歴データの保存期間設定値※3。レコードタイプ,要約区分ごとに指定する単位が異なります。単位については表C-9を参照してください。
d:履歴データを収集する各レコードの固定部のサイズ※4
e:履歴データを収集する各レコードの可変部のサイズ※4
f:履歴データを収集する各レコードのインスタンス数(単数インスタンスレコードの場合は1)※5
f':fが2以上の場合,4の倍数に丸め込みます。例えば,f=2の場合は,f'=4となります。f=13の場合は,f'=16となります。f=1の場合は,f'=1となります。

表C-11 a,b,およびcに設定する値

レコードタイプ要約区分abc
PI1,4401+(g-1)/60※2保存期間(単位:日)
241+(g-1)/3,600※2保存期間(単位:日)
71+(g-1)/86,400※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/604,800※2保存期間(単位:週)
11+(g-1)/2,592,000※2保存期間(単位:月)
11+(g-1)/31,622,400※2保存期間(単位:年)
PD1,440g/60保存期間(単位:日)
PL1,440g/60保存期間(単位:日)
(凡例)
g:履歴データの収集インターバル設定値(単位:秒)
-:該当しない。
注※1
{((e+2)*f')/(65,250-d)+1}の計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※2
PIレコードタイプのbの計算結果は,小数点以下を切り捨ててください。
注※3
PFM - Agent 08-00をStoreバージョン2.0で使用する場合の保存期間はStoreバージョン1.0で使用していた際の設定に依存します。詳細は「JP1/Performance Management リファレンス」の「2. コマンド jpcdbctrl setup」を参照してください。
注※4
各レコードの固定部・可変部のサイズについては,Storeバージョン1.0と同じです。詳細は各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。
注※5
レコードごとのインスタンス数については,Storeバージョン1.0と同じです。詳細は各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。

(b) ファイル数

Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(
 (A11+A12+...+A1m+m)+
 (A21+A22+...+A2m+m)+
 (A31+A32+...+A3m+m)+
 (A41+A42+...+A4m+m)+
 (A51+A52+...+A5m+m)+
 (11*m)+
 (B1+B2+...+Bn+n)+
 (C1+C2+...+Co+o)
 )

m:PIレコードタイプで収集しているレコードの数

n:PDレコードタイプで収集しているレコードの数

o:PLレコードタイプの収集しているレコードの数

A11~A1m:PIレコードタイプのレコードごとの分レコードの保存期間設定値(単位:日)

A21~A2m:PIレコードタイプのレコードごとの時レコードの保存期間設定値(単位:日)

A31~A3m:PIレコードタイプのレコードごとの日レコードの保存期間設定値(単位:週)

A41~A4m:PIレコードタイプのレコードごとの週レコードの保存期間設定値(単位:週)

A51~A5m:PIレコードタイプのレコードごとの月レコードの保存期間設定値(単位:月)

B1~Bn:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)

C1~Co:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値(単位:日)

(c) ディレクトリ数

Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。

N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))

A1max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「分」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)

A2max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「時」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:日)

A3max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「日」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)

A4max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「週」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:週)

A5max:PIレコードタイプで収集しているレコードの要約区分が「月」のデータの保存期間設定値の最大値(単位:月)

Bmax:PDレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)

Cmax:PLレコードタイプのレコードごとの保存期間設定値の最大値(単位:日)

(d) Storeサービスがオープンするファイル数

Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(6*l+m+n)

l:PIレコードタイプで収集しているレコードの数

m:PDレコードタイプで収集しているレコードの数

n:PLレコードタイプの収集しているレコードの数

(2) 見積もり例

見積もり例としてPFM - Agent for PlatformでStoreデータベース(Storeバージョン2.0)を使用した場合について説明します。

(a) ディスク占有量

PI_LOGDレコードとPDレコードを収集する設定にした場合を例に挙げて説明します。

PI_LOGDレコードの見積もりについて説明します。「(1) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。

d=681(バイト)
e=700(バイト)
f=3
f'=4
g=60(秒)

次に,分レコード,時レコードなどそれぞれの計算を行います。

分レコード
変数を次の値とします。

a=1,440
b=1+(60-1)/60
=1.98...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)

見積もり式を次に示します。

X(分)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1,440/1*(3+1)*1.1
     ={2,808+741*1}*6,336
     =3,549*6,336
     =22,486,464(バイト)=約22(MB)

時レコード
変数を次の値とします。

a=24
b=1+(60-1)/3,600
=1.01...
=1(小数点以下切り捨て)
c=3(日)

見積もり式を次に示します。

X(時)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*24/1*(3+1)*1.1
     ={2,808+741*1}*105.6
     =3,549*105.6
     =374,774.4(バイト)=約0.4(MB)

日レコード
変数を次の値とします。

a=7
b=1+(60-1)/86,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)

見積もり式を次に示します。

X(日)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*7/1*(1+1)*1.1
     ={2,808+741*1}*15.4
     =3,549*15.4
     =54,654.6(バイト)=約0.05(MB)

週レコード
変数を次の値とします。

a=1
b=1+(60-1)/604,800
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(週)

見積もり式を次に示します。

X(週)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(1+1)*1.1
     ={2,808+741*1}*2.2
     =3,549*2.2
     =7,807.8(バイト)=約0.008(MB)

月レコード
変数を次の値とします。

a=1
b=1+(60-1)/2,592,000
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=1(月)

見積もり式を次に示します。

X(月)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(1+1)*1.1
     ={2,808+741*1}*2.2
     =3,549*2.2
     =7,807.8(バイト)=約0.008(MB)

年レコード
変数を次の値とします。

a=1
b=1+(60-1)/31,622,400
=1.00...
=1(小数点以下切り捨て)
c=10(固定)

見積もり式を次に示します。

X(年)={(700+2)*4+(681+60)*{((700+2)*4)/(65,250-681)+1}}
*1/1*(10+1)*1.1
     ={2,808+741*1}*12.1
     =3,549*12.1
     =42,942.9(バイト)=約0.04(MB)

以上から,PI_LOGDレコードの見積もりは次のようになります。

X(合計)=X(分)+X(時)+X(日)+X(週)+X(月)+X(年)
        =22.506(MB)
        =約23(MB)

次にPDレコードの見積もりについて説明します。

変数を次の値とします。

a=1,400
b=60/60=1
c=10(日)
d=681(バイト)
e=472(バイト)
f=10
f'=12
g=60(秒)

見積もり式を次に示します。

X={(472+2)*12+(681+60)*{((472+2)*12)/(65,250-681)+1}
*1,400/1*(10+1)*1.1
={5,688+741*1}*17,424
=6,429*17,424
=112,018,896(バイト)=約112(MB)

したがって,必要なディスク占有量はPI_LOGD+PD=135MBとなります。

(b) ファイル数

PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。「(1) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。

m=2
n=2
o=なし
A11~A1m=3(日)
A21~A2m=3(日)
A31~A3m=1(週)
A41~A4m=1(週)
A51~A5m=1(月)
B1~Bn=10(日)
C1~Co=不要

Storeデータベースで作成されるファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(
        (A11+A12+...+A1m+m)+
        (A21+A22+...+A2m+m)+
        (A31+A32+...+A3m+m)+
        (A41+A42+...+A4m+m)+
        (A51+A52+...+A5m+m)+
        (11*m)+
        (B1+B2+...+Bn+n)+
        (C1+C2+...+Co+o)
        )
=20+2*{
        [3(PI分)+3(PI_LOGD分)+2]+
        [3(PI分)+3(PI_LOGD分)+2]+
        [1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+
        [1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+
        [1(PI分)+1(PI_LOGD分)+2]+
        [11*2]+
        [10(PD分)+10(PD_PDI分)+2]
        }
=20+2*{8+8+4+4+4+22+22}
=20+2*72=20+144=164

(c) ディレクトリ数

PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。

(1) 見積もり式」のディレクトリ数の見積もり式で示した変数が次の値とします。

A1max=3(日)(考え方:PIが2日,PI_LOGDが3日の場合は3日となります。)
A2max=3(日)
A3max=1(週)
A4max=1(週)
A5max=1(月)
Bmax=10(日)(考え方:PD_PDIが8日,PDが10日の場合は10日となります。)
Cmax=なし

Storeデータベースで作成されるディレクトリ数Nの見積もり式を次に示します。

N=25+2*((A1max)+(A2max)+(A3max)+(A4max)+(A5max)+11+(Bmax)+(Cmax))
=25+2*(3+3+1+1+1+11+10+0)=85

(d) Storeサービスがオープンするファイル数

PI,PI_LOGD,PD,およびPD_PDIレコードを収集する場合を例に挙げて説明します。

(1) 見積もり式」の見積もり式で示した変数が次の値とします。

l=2
m=2
n=0

Storeサービスがオープンするファイル数Nの見積もり式を次に示します。

N=20+2*(6*l+m+n)
=20+2*(6*2+2+0)=48