7.7.1 大規模システムでPFM - Agentを起動する場合について

Performance Managementを起動するときは,通常,PFM - Managerを起動させてから,PFM - AgentやPFM - Baseを起動させます。複数のサーバから構成される大規模システムでは,これらサーバ間でサービス起動順序を制御することによって,正常に起動できます。

PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが,起動していない状態でも,PFM - AgentやPFM - Baseを先に起動して,パフォーマンスデータを収集できます。

PFM - AgentやPFM - Baseが単独で起動している状態を「スタンドアロンモード」と呼びます。

注意
PFM - AgentがPFM - Managerと同一ホストにインストールされている場合は,PFM - Agent単独で起動できません。
<この項の構成>
(1) スタンドアロンモードの概要
(2) スタンドアロンモードで使用できる機能
(3) スタンドアロンモードで使用できるコマンド

(1) スタンドアロンモードの概要

PFM - AgentやPFM - Baseを起動する際,PFM - ManagerのMaster ManagerサービスおよびName Serverサービスが起動されていない場合,PFM - AgentやPFM - Baseはスタンドアロンモードで起動して,パフォーマンスデータを収集します。

スタンドアロンモードでは5分間に一度PFM - Managerへの接続確認を行っています。PFM - AgentやPFM - Baseがスタンドアロンモードで起動したあとにPFM - Managerが起動して,PFM - AgentやPFM - Baseからの接続確認に成功した場合,PFM - AgentやPFM - Baseではスタンドアロンモードを終了してPFM - Manager と接続した通常のモードへと移行されます。このとき,スタンドアロンモードで起動していた期間にPFM - Agent で蓄積したパフォーマンスデータは,履歴レポートで参照できます。

ただし,スタンドアロンモードでPFM - AgentやPFM - Baseが起動している場合,Performance Managementの機能や実行できるコマンドに一部制約があります。

図7-4 スタンドアロンモードの概要

[図データ]

注意
  • PFM - Agentをスタンドアロンモードで起動している場合,発生したアラームイベントをPFM - Managerに通知できません。この場合,アラーム定義ごとにアラームイベントが保持され,PFM - Managerが起動されるまでアラームイベントの通知を繰り返します。保持しているアラームイベントが三つ以上発生すると,古い順にアラームイベントが上書きされます。また,PFM - Agentを停止すると,保持されているアラームイベントはすべて削除されます。
  • PFM - Managerに通知済みのアラームイベントは,PFM - Managerが起動されたときに一度リセットされます。そのあと,PFM - Agentにアラームイベントの状態を確認して,PFM - Managerにアラームイベントを通知し直します。
  • ブラウザーの表示で赤色点滅していたアラームは,PFM - Managerが起動された直後は緑色に戻りますが,そのあと,赤色点滅の状態に戻ります。

(2) スタンドアロンモードで使用できる機能

スタンドアロンモードで起動した場合に,使用できる機能と使用できない機能を次の表に示します。

表7-2 スタンドアロンモードで実行できる機能

機能の内容対応サービス名
サービスの起動,停止,および稼働状況確認Agent Store,Agent Collector,Action Handler
履歴データの収集Agent Store,Agent Collector
レポートの表示やODBC準拠のアプリケーションプログラムからの接続×Agent Store
エージェントの起動を知らせるアラームの発行Agent Collector
アラームによるパフォーマンスデータの監視×Agent Collector
アラームイベントに対するアクションの実行×Action Handler
サービスのステータスの管理Status Server
(凡例)
○:使用できる
×:使用できない

(3) スタンドアロンモードで使用できるコマンド

スタンドアロンモードで起動した場合に,コマンドで実行できる機能と実行できない機能を次の表に示します。

表7-3 スタンドアロンモードで実行できるコマンド

コマンド機能対応
jpcctrl backupMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスのデータベースに格納されているデータのバックアップファイルの作成
jpcctrl clearMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスのデータベースに格納されているデータの消去×
jpcctrl deletePerformance Managementに登録されているエージェントのサービス情報の削除×
jpcctrl dumpMaster StoreサービスまたはAgent Storeサービスのデータベースに格納されているデータのエクスポート
jpcctrl list(hostオプションを指定しない場合)自ホストのサービス稼働状況の確認
jpcctrl list(hostオプションで他ホストを指定する場合)Performance Managementプログラムのサービスの構成および状態の表示×
jpcctrl registerPerformance Managementプログラムのサービス情報の再登録×
jpcdbctrl setupAgent Storeサービスに対する拡張機能のセットアップ
jpcdbctrl unsetupAgent Storeサービスに対するアンセットアップ
jpcdbctrl importバックアップデータのインポート
jpcdbctrl dmconvertバックアップデータのデータモデルのコンバート
jpcdbctrl displayAgent Storeサービスまたはバックアップデータの情報表示
jpcdbctrl configAgent Storeサービスのディレクトリ設定変更
jpcrasPFM - ManagerまたはPFM - Agentのトラブルシュート資料の採取
jpcstartサービスの起動
jpcstopサービスの停止
jpcstsetupステータス管理機能およびヘルスチェック機能を有効または無効にする
(凡例)
○:実行できる
×:実行できない
注※
-aloneオプションを指定した場合だけコマンドを実行できます。