3.3.3 ネットワーク構成の検討

システム管理者は,稼働監視システムをどのようなネットワーク構成で構築するかを検討します。

ポイント
Performance Managementでは,監視エージェントで収集されたパフォーマンスデータは監視エージェント自身に蓄積されます。そのため,ネットワーク上に,大量のパフォーマンスデータが定期的に送信されることはありません。
<この項の構成>
(1) Performance ManagementをLAN環境で使用する例
(2) Performance ManagementをWAN環境で使用する例
(3) Performance Managementを同名のホストが複数ある環境で使用する例

(1) Performance ManagementをLAN環境で使用する例

Performance Managementでは,複数のLANボードを持つホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,またはPFM - Agentをインストールし,そのホストから複数のLANに接続してPerformance Managementを運用するシステム構成に対応しています。

例えば,PFM - ManagerおよびPFM - Agentのそれぞれで複数のLANボードを持ち,複数のIP経路がある場合で,一部の経路ではネットワークに接続できないときは,接続IP経路を切り替えることができます。接続IP経路の切り替えができるシステム構成例を次の図に示します。

図3-5 接続IP経路の切り替えができるシステム構成例

[図データ]

複数のLANに接続されたネットワーク環境で運用する場合,IPアドレスを設定する必要があります。IPアドレスの設定方法については,「5. インストールとセットアップ(Windowsの場合)」または「6. インストールとセットアップ(UNIXの場合)」を参照してください。

(2) Performance ManagementをWAN環境で使用する例

Performance Managementでは,ファイアウォールを挟んでPFM - Manager,PFM - Web Console,またはPFM - Agentを配置できます。

Performance Managementは,1対1のアドレス変換をする静的NAT(Basic NAT)に対応しています。また,Performance Managementが使用するポート番号は,環境に合わせて任意な番号に変更できます。

Performance ManagementをWAN環境で使用する例を次の図に示します。

図3-6 Performance ManagementをWAN環境で使用する例

[図データ]

ポート番号の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の付録に記載されている,ポート番号一覧を参照してください。

(3) Performance Managementを同名のホストが複数ある環境で使用する例

Performance Managementでは,複数のドメインにまたがる場合など,同じホスト名を持つホストが複数ある環境でも使用できます。このような環境では,各ホストにエイリアス名を付与して,ホスト名が重複しないようにします。

Performance Managementでは,ホスト名として,実ホスト名を使用するか,エイリアス名を使用するかを選択できます。ホスト名としてどちらを使用するかの設定については,Windowsの場合は「5.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の設定」を,UNIXの場合は「6.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の設定」を参照してください。

参考
論理ホスト環境のホスト名としてはエイリアス名は使用できません。