6.3.1 ネットワーク構成の変更

ネットワーク構成を変更したときの,Performance Managementの設定を変更する手順を説明します。

なお,コマンドについては,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドについて説明している章を参照してください。また,PFM - ManagerとPFM - Web Console間またはPFM - ManagerとPFM - Agent間のファイアウォールを通過させるための設定および注意事項については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,付録に記載されているポート番号一覧を参照してください。

<この項の構成>
(1) PFM - ManagerホストおよびPFM - Agentホストでの作業手順

(1) PFM - ManagerホストおよびPFM - Agentホストでの作業手順

PFM - ManagerホストおよびPFM - Agentホストでのネットワークの設定変更手順を説明します。

(a) IPアドレスを設定する

複数のLANに接続されたネットワーク環境でPerformance Managementを運用するときに使用するIPアドレスを指定したい場合は,IPアドレスを設定します。

IPアドレスを設定したい場合は,jpchostsファイルの内容を直接編集します。

注意
jpchostsファイルを設定した場合,jpchostsファイルに定義したホスト名については,hostsファイルやDNSの定義を参照しません。したがって,ホスト名から取得されるIPアドレスを,jpchostsファイルに定義しておく必要があります。

手順を次に示します。

  1. テキストエディターなどで,jpchostsファイルを開く。
    jpchostsファイルは,/opt/jp1pcに格納されています。
  2. jpchostsファイルを編集する。
    例えば,ホスト名がhostAでIPアドレスが20.108.41.1であるホストと,ホスト名がhostBでIPアドレスが20.108.41.2と20.108.41.3であるホストのIPアドレスを次のように設定します。

    hostA 20.108.41.1
    hostB 20.108.41.2, 20.108.41.3

    IPアドレスが20.108.41.1であるホストに,エイリアス名aliasAを付与する場合,次のように設定します。

    aliasA 20.108.41.1

    • 一つのホストに複数のIPアドレスを設定している場合は,先に指定したIPアドレスが優先されます。
    • 次の条件に当てはまる場合,IPアドレス設定は無効です。
      ・ホスト名の長さが33バイト以上の場合
      ・ホスト名がlocalhostの場合
      ・10進ドット表記のIPアドレス(例:172.16.233.12)をホスト名として使用している場合
      ・「-」で始まるホスト名の場合
      ・次の文字または空白を含むホスト名の場合
      ¥ / : , ; * ? “ > < | . =
    • IPアドレス10進ドット表記(例:172.16.233.12)で指定してください。
    • 一つのホストに対して指定できるIPアドレスの数は16個です。
  3. 注意2に従い,jpchostsファイルをコピーする。
  4. Performance Managementを再起動する。
    Performance Managementを再起動すると,設定したjpchostsファイルの情報が有効になります。
注意1
1番目に設定しているIPアドレスが使用できなくなった場合,それ以降2番目のIPアドレスを使用し続けるというものではありません。次回以降の通信でも,まず1番目のIPアドレスから順に通信を試みます。
注意2
jpchostsへのPFM - Managerホストの設定追加の要否
  1. PFM - ManagerホストがNIC一枚の場合
    PFM - Managerのjpchosts:設定の必要はありません。
    PFM - Managerに接続しているPFM - Agentのjpchosts:設定の必要はありません。
  2. PFM - ManagerホストがNIC二枚以上の場合
    PFM - Managerのjpchosts:PFM - Managerで使用したいIPアドレスを指定します。
    PFM - Managerに接続しているPFM - Agentのjpchosts:PFM - Managerで使用したいIPアドレスを指定します。
jpchostsへのPFM - Agentホストの設定追加の要否
存在するPFM - Agentホストごとに確認します。
  1. PFM - AgentホストがNIC一枚の場合
    PFM - Managerのjpchosts:設定の必要はありません。
    確認対象のPFM - Agentのjpchosts:設定の必要はありません。
    その他のPFM - Agentのjpchosts:設定の必要はありません。
  2. PFM - AgentホストがNIC二枚以上の場合
    PFM - Managerのjpchosts:PFM - Agentで使用したいIPアドレスを指定します。
    確認対象のPFM - Agentのjpchosts:PFM - Agentで使用したいIPアドレスを指定します。
    その他のPFM - Agentのjpchosts:設定の必要はありません。
    注 確認対象のPFM - Agentと他のPFM - Agentホスト間でjpcctrlコマンドなどを使用して通信する場合は,確認対象のPFM - Agentの設定を追加する必要があります。

(b) ポート番号を設定する

PFM - ManagerとPFM - Web Console間またはPFM - ManagerとPFM - Agent間のファイアウォールを通過させたい場合など,Performance Managementシステムで使用するポート番号を固定して運用したい場合は,各サービスに対して固定のポート番号を設定してください。

各サービスに対して固定のポート番号を設定する場合や,一度設定したポート番号を変更する場合は,jpcnsconfig portコマンドを使用します。PFM - Web Console側のポート番号は,初期設定ファイル(config.xml)で設定します。PFM - Web Consoleホストでconfig.xmlファイルを変更する手順については,「6.4.6 PFM - Web Consoleの設定変更」を参照してください。

補足
運用での混乱を避けるため,Performance Managementシステム全体でポート番号とサービス名の対応を統一してください。

ポート番号を設定する手順を次に示します。

  1. jpcnsconfig portコマンドを実行する。
    例えば,すべてのサービスに対してポート番号を固定値に設定する場合,次のようにコマンドを指定して実行します。

    jpcnsconfig port define all

  2. 個々のサービスに対してポート番号を設定する。
    jpcnsconfig portコマンドを実行すると,現在設定されているポート番号またはデフォルトのポート番号が表示されます。
    例えば,Name Serverサービスに対する,現在のポート番号が22285の場合,次のように表示されます。

    Component[Name Server]
    ServiceID[PN1001]
    Port[22285]
        :

    ポート番号をどのように設定したいかによって,操作が異なります。設定内容と操作を次の表に示します。システム内でポート番号が重複しないかぎり,jpcconfig portコマンドで表示されるポート番号をそのまま使用してください。
    設定内容操作
    表示されている番号を,サービス固定のポート番号としてそのまま使用する場合リターンキーを押す。
    ポート番号を,表示されている番号から変更する場合1024~65535の範囲内でポート番号を入力する。
    ただし,現在システムで使用されているポート番号は指定できない。
    ポート番号を固定しない場合「0」を入力する。
    ただし,次のサービスは,ポート番号を固定しないように設定することはできない。「0」を入力した場合は,デフォルト値が設定される。
    • Name Serverサービス
    • View Serverサービス(PFM - Web ConsoleとView Serverサービス間)
    • NNM Object Managerサービス
    • Status Serverサービス
    注意
    • ポート番号設定時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合,サービスを停止してからjpcnsconfig portコマンドを実行してください。ポート番号の設定が終わったあと,手動でサービスを起動してください。
    • jpcnsconfig portコマンドの実行中に,Ctrl+Cキーで中断すると,ポート番号は正しく設定されません。jpcnsconfig portコマンドを再実行して,ポート番号を設定し直してください。
  3. 再度,jpcnsconfig portコマンドを実行して,ポート番号が正しく設定されたかどうかを確認する。
    例えば,すべてのサービスのポート番号を表示する場合,次のようにコマンドを指定して実行します。

    jpcnsconfig port list all

    Services欄またはPort欄に<error>と表示された場合は,正しく設定されていません。ポート番号を設定し直してください。エラーとなった場合,次の要因が考えられます。
    • ポート番号がservicesファイルに登録されていない。
    • servicesファイルに同じポート番号が重複して登録されている。