(1) アラームの評価時刻について
アラームに複数のレコードの監視条件を設定し,その監視間隔およびオフセットが異なる場合,アラームは収集スケジュールが同じ時刻となるときだけ評価されます。必要に応じて,収集間隔の設定を見直してください。
(2) アラームで評価するレコードの保存について
アラームの条件として選択したレコードは,Storeデータベースに記録する必要はありません。
(3) アラーム数の制限について
一つのアラームテーブルに登録できるアラームの数は50個までです。また,一つのエージェントにバインドできるアラームテーブルの数は50個までです。
Performance Managementのシステム内でPFM - Agentにアラームを多数バインドすると,PFM - ManagerやPFM - Agentの処理に遅延が発生する場合があります。
バインドするアラームの数は以下の値を超えないように設定することをお勧めします。
(4) 文字コード種別の変更について
アラームを作成する際,全角文字や半角かたかなを使用した場合,PFM - Managerの文字コード種別は変更しないでください。途中で文字コード種別を変更すると,以前に定義したアラームやレポートが実行されなくなります。
文字コード種別を変更する場合は,一度アンインストールして,環境を再構築してください。
(5) 値の存在を監視するアラームを設定する場合の注意について
[値の存在を監視するアラームとする]をチェックした場合,アラーム通知時は収集されたデータに条件式で指定した値が存在しません。このためメッセージテキストやMail Subjectに変数%CVSを指定しても,空文字に変換されるので注意してください。
(6) アラームの発生数によるPFM - Agentの接続数への影響について
Performance Managementでは,PFM - ManagerがPFM - Agentから発行されるアラームを受信し,順次Storeデータベース(Master Store)に格納するなどの処理をします。アラームの発行が頻繁になったり多数のPFM - Agentから同時にアラームが発行されたりすると,PFM - Managerの処理に遅延が発生することがあります。遅延が発生すると,処理されていないアラームはPFM - Managerホストのメモリーに蓄積されるため,メモリー使用量が増加したり,システムの性能が低下したりするおそれがあります。
そのため,PFM - Managerが単位時間当たりに処理できるアラーム数を超えないように,アラームの発生頻度を考慮してアラームを定義することをお勧めします。また,あらかじめPFM - Managerに接続するPFM - Agent数を決めておくことをお勧めします。アラームの発生頻度とPFM - Managerに接続するPFM - Agent数の関係については,「付録A.1 システム構成」を参照してください。
(7) アラームの発生数によるシステムリソースへの影響について
アクションが設定されたアラームが,同時に多数発行されると,その数だけアクションが実行され,システムリソースを消費してシステムが不安定になることがあります。
(8) アラームの発生頻度の設定について
CPU使用率など,一時的に値が変化するレコードを監視する場合は,[アラームウィザード - 基本情報]ダイアログボックスの[高度な設定]タブで[発生頻度]を設定しておくことをお勧めします。
例えば,次のような異常と警告のしきい値を設け,3インターバル中,2回しきい値を超えた場合にアラームイベントを発行するように設定すると,実際には次の表のようにアラームイベントが発行されます。
例を次に示します。
インターバル数 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
CPU使用率(状態) | 56%(正常) | 95%(異常) | 93%(異常) |
警告のしきい値超え回数 | 0 | 1 | 2 |
異常のしきい値超え回数 | 0 | 1 | 2 |
アラームイベントの発行 | なし | なし | 異常 |
この場合,3インターバル時に,異常のアラームイベントが発行されます。なお,3インターバル時には,異常のしきい値と同様に警告のしきい値も2回超えていますが,より重要度の高い異常のアラームイベントが発行されます。
インターバル数 | 1 | 2 | 3 |
---|---|---|---|
CPU使用率(状態) | 31%(正常) | 84%(警告) | 93%(異常) |
警告のしきい値超え回数 | 0 | 1 | 2 |
異常のしきい値超え回数 | 0 | 0 | 1 |
アラームイベントの発行 | なし | なし | 警告 |
この場合,3インターバル時に,警告のアラームイベントが発行されます。なお,異常のしきい値を超えたのは1回であるため,異常のアラームイベントは発行されません。
インターバル数 | 1 | 2 | 3 | 4 |
---|---|---|---|---|
CPU使用率(状態) | 96%(異常) | 84%(警告) | 93%(異常) | 30%(正常) |
3インターバル中の警告のしきい値超え回数 | 1 | 2 | 3 | 2 |
3インターバル中の異常のしきい値超え回数 | 1 | 1 | 2 | 1 |
アラームイベントの発行 | なし | 警告 | 異常 | なし |
この場合,2インターバル時に警告,3インターバル時に異常のアラームイベントが発行されます。4インターバル時に状態が正常となる場合,2,3インターバル時の2回警告のしきい値を超えますが,4インターバル時の状態は警告や異常ではないため,アラームイベントは発行されず,5インターバル時の状態に応じてアラームイベントが発行されます。