11.9.3 複合レポートでの注意事項
複合レポートの注意事項を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) グラフ種類,グラフオプションに関する注意事項
- (2) グラフの描画順に関する注意事項
- (3) グラフの横軸(X軸),縦軸(Y軸)に関する注意事項
- (4) レポートのフィールド数に関する注意事項
- (5) 系列グループの設定に関する注意事項
- (6) レポートの対象期間に関する注意事項
- (7) ベースライン表示期間
(1) グラフ種類,グラフオプションに関する注意事項
「3Dで表示する」のグラフオプションは,常に設定可能ですが,「集合縦棒/積み上げ縦棒」以外のグラフ種類では無視されます。また,3Dで表示する場合は次の条件を満たすようにしてください。
- 表示対象の系列グループが1系列,または2系列で「Y軸の表示位置」が左右に振り分けられていること。
- 表示対象の系列グループの「グラフ種類」が次の組み合わせであること。
- 「集合縦棒/積み上げ縦棒」の1系列だけ,または,
- 「集合縦棒/積み上げ縦棒」と「折れ線」の2系列,または,
- 「集合縦棒/積み上げ縦棒」と「面/積み上げ面」の2系列
上記条件を満たしていない場合,3Dで表示すると正しく描画されないことがあります。
- 「グリッドを表示する」のグラフオプションは常に設定できますが,系列グループ1に対してだけ有効です。系列グループ1以外の系列グループに設定しても無視されます。
(2) グラフの描画順に関する注意事項
複合レポートのグラフは次の順序で描画されます。
- 系列グループ1から順番に描画し,以降の系列グループが上書き描画します。
- 系列グループ内では,系列グループに登録されている登録レポート順に描画し,以降の登録レポートが上書き描画していきます。
- 登録レポート内では,登録レポート内のフィールド順に描画し,以降のフィールドが上書き描画していきます。
グラフの描画順のイメージを次の図に示します。
図11-43 グラフの描画順のイメージ
![[図データ]](figure/zu111042.gif)
複合ブックマークの定義では,1.および2.は複合ブックマークの編集時に「系列グループの設定」で描画順序を決定できるため,描画されたグラフが隠れないように設定してください。また,3.についてはレポート定義画面で設定できます。
ただし,次のグラフ種類を持った系列グループは特殊な描画順序となります。
- グラフ種類が「折れ線」の場合は,最前面に描画されます。
- グラフ種類が「集合縦棒/積み上げ縦棒」で,かつ「3Dで表示する」場合は,最前面に描画されます。
(3) グラフの横軸(X軸),縦軸(Y軸)に関する注意事項
- 複合レポート全体での共通設定はできません。
複合レポートのY軸は,系列グループごとに自動スケール調整(実データの最大・最小に調整)と,手動スケール調整(最大値,最小値指定)ができます。また,当該軸ラベルの表示位置も左側,右側から任意に選択できます。
- 複合レポートのX軸は一つの時系列固定です。
対象期間の範囲や収集間隔が異なる場合は,欠損値とみなしてデータ補正されるので,描画が崩れることがあります。また,PDレコードは収集する場合,収集間隔にずれが生じることがあるため,積み上げのグラフを正常に表示できないことがあります。PDレコードの場合は,折れ線グラフで描画することを推奨します。
上記の問題を回避するために,PFM - Web Consoleのオプション機能で,レコードの収集時刻を補正してグラフを表示することができます。詳細については,初期設定ファイル(config.xml)の<graph-time-correction>タグの説明を参照してください。
(4) レポートのフィールド数に関する注意事項
- 複合レポートでは,レポート内のフィールド数は制限していませんが,フィールド数が多い場合,グラフや凡例が一部またはすべて見えなくなることがあります。その場合,グラフ倍率を上げて表示するか,次の方法で,表示するフィールド数を制限してください(20個程度推奨)。
- 複合ブックマークの編集画面で表示するレポートを減らす。
- 個々のレポート定義の編集画面でフィールドを減らし登録レポートを作成し直す。
- 個々のレポート定義の編集画面でフィルター条件を加えて登録レポートを作成し直す。
- 個々のレポート定義の編集画面でフィールドの表示名をデフォルトのフィールド名より短く設定し,登録レポートを作成し直す。
また,次の環境を超えると,グラフや凡例が一部またはすべて見えなくなったり,グラフが凡例の横に表示されたりする場合があります。
- 倍率100%:凡例20行程度
- 倍率200%:凡例30行程度
- 倍率400%:凡例40行程度
- 倍率600%:凡例50行程度
- 倍率800%:凡例60行程度
- 複合レポートでは,凡例の文字数が多い場合,凡例の一部が見えなくなることがあります。その場合,グラフ倍率を上げて表示するか,次の方法で,凡例の文字数を制限してください。
- レポート名を短くし登録レポートを作成し直す。
- 個々のレポート定義の編集画面で,フィールドの表示名をデフォルトのフィールド名より短く設定し,登録レポートを作成し直す。
- バインドするエージェント数を減らし登録レポートを作成し直す。
次の環境を超えると,凡例の一部が見えなくなる場合があります。
- 倍率100%:全角50文字程度,半角80文字程度
- 倍率200%:全角80文字程度,半角120文字程度
- 倍率400%:全角110文字程度,半角160文字程度
- 倍率600%:全角140文字程度,半角200文字程度
- 倍率800%:全角170文字程度,半角240文字程度
(5) 系列グループの設定に関する注意事項
系列グループには必ず一つ以上の登録レポートを設定してください。すべての系列グループに対して登録レポートが一つも設定されていないと,グラフは表示されません。また,ベースラインだけが設定されている場合もグラフは表示されません。
(6) レポートの対象期間に関する注意事項
レポートの対象期間を「過去~以内(1時間等)」に設定した場合は,レポート画面で「最新情報に更新」を選択すると,現在日時から設定した対象期間でレポートが更新されます。ただし,ベースライン開始日時は変わりません。
対象期間を「レポートの表示時に指定」に設定した場合は,レポート画面で「最新情報に更新」を選択しても,設定したレポートの開始/終了日時,およびベースライン開始日時は変わりません。
(7) ベースライン表示期間
- ベースライン表示期間の設定「開始日時」は,複合レポート起動時の現在日時から,レポート表示期間の設定「対象期間/レポート間隔」に合わせて自動的に決定されます。レポート表示期間の設定「対象期間/レポート間隔」を変更した場合は,レポート表示期間の設定「開始日時」に再設定されます。
- レポート画面で「最新情報に更新」を実行すると,「対象期間」の設定によって,レポート表示期間の設定「開始日時/終了日時」は変更されることがありますが,ベースライン表示期間の設定「開始日時」は変更されません。
- 複合レポートのグラフの始点・終点は,ベースライン表示期間の設定「開始日時」やベースラインのデータが変更されても影響しません。ただし,同時に表示される登録レポートのデータが一つ(始点と終点が同一となるデータ)である場合は,グラフの始点・終点がベースラインとして収集された範囲になることがあります。また,実際のグラフの表示期間は,レポート表示期間の設定「開始日時/終了日時」の範囲内で実在するデータに従い,始点・終点が決定されます。
- ベースライン表示期間の設定「開始日時」は,ベースラインごとに動作します。複数のフィールドを持ち,かつ各フィールドの開始日時が異なるデータが保持されたベースラインの場合は,ベースライン表示期間の設定「開始日時」に従って,時系列データの最も過去のフィールドデータを始点にして描画されます。それ以外のフィールドの開始日時は,ベースラインが保存されたときのデータを始点にして描画されます。
- 複数のフィールドの開始日時が異なるデータをベースラインとして登録した場合は,ベースライン表示期間の設定「開始日時」に従って,時系列データの最も過去のフィールドデータを始点にして描画されます。このとき,各フィールドの相対的な開始位置は保たれて描画されます。