10.1.2 パフォーマンスデータの保存条件を変更する(Storeバージョン2.0の場合)

データベースに記録するパフォーマンスデータの保存条件として,Storeバージョン2.0ではレコードの保存期間の設定を変更できます。

各レコードタイプと設定できる保存条件の対応を次の表に示します。

表10-6 レコードタイプと設定できる保存条件

レコードタイプ設定できる保存条件
PIレコードタイプレコードの保存期間
PDレコードタイプ
PLレコードタイプ

パフォーマンスデータの保存条件を変更するには,次の二つの方法があります。

それぞれについて説明します。

<この項の構成>
(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する
(2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

(1) 監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

監視コンソールでパフォーマンスデータの保存条件を変更する場合は,PFM - Web Consoleの[サービス階層]画面で行います。

手順を次に示します。

  1. 監視コンソールのブラウザーからPFM - Web Consoleにログインする。
    管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでログインします。[サービス階層]画面での操作には,管理ユーザー権限が必要です。
    ログインすると,PFM - Web Consoleの[メイン]画面が表示されます。
  2. [メイン]画面のナビゲーションフレームで,[サービス階層]タブを選択する。
    [サービス階層]画面が表示されます。
  3. [サービス階層]画面のナビゲーションフレームで,「Machines」フォルダの下位の階層を展開する。
    Performance Managementのサービスがインストールされているホストの名前が付いたフォルダが表示されます。また,ホスト名が付いたフォルダを展開すると,そのホストにインストールされているサービスが表示されます。各サービスの名前は,サービスIDで表示されます。
  4. パフォーマンスデータの保存条件を変更するホストの名前が付いたフォルダの下位の階層を展開し,Agent Storeサービスを選択する。
    Agent Storeサービスは,先頭文字が「P」以外で2文字目が「S」であるサービスを選択します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。
    サービスIDの詳細については,「付録B.1 (1) サービスID」および各PFM - Agentのマニュアルに記載されている識別子一覧を参照してください。
    選択したAgent Storeサービスにチェックマークが表示されます。
  5. メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択する。
    Agent Storeサービスのプロパティ画面に遷移し,プロパティが階層表示されます。
  6. 「RetentionEx」ノードを選択する。
    インフォメーションフレームの下部に「RetentionEx」ノードのプロパティが表示されます。

    図10-3 保存条件の設定例

    [図データ]

    プロパティの設定内容を変更します。各プロパティの説明および設定値を次の表に示します。

    表10-7 各プロパティの説明および設定値

    レコードタイプノード名プロパティ名設定値
    PIレコードタイプProduct Interval - PIレコードタイプのレコードIDPeriod - Minute Drawer (Day)PIレコードタイプのレコードIDごとに,分単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
    Period - Hour Drawer (Day)PIレコードタイプのレコードIDごとに,時間単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
    Period - Day Drawer (Week)PIレコードタイプのレコードIDごとに,日単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(週の数)を0~522の整数で指定します。
    Period - Week Drawer (Week)PIレコードタイプのレコードIDごとに,週単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(週の数)を0~522の整数で指定します。
    Period - Month Drawer (Month)PIレコードタイプのレコードIDごとに,月単位のパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(月の数)を0~120の整数で指定します。
    Period - Year Drawer (Year)PIレコードタイプのレコードIDごとに,年単位のパフォーマンスデータの保存期間を表示します。
    保存期間の制限はありません。
    PDレコードタイプProduct Detail - PDレコードタイプのレコードIDPeriod (Day)PDレコードタイプのレコードIDごとに,パフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
    PLレコードタイプProduct Log - PLレコードタイプのレコードIDPeriod (Day)PLレコードタイプのレコードIDごとに,パフォーマンスデータの保存期間を設定します。
    保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。

  7. [OK]ボタンをクリックする。
    設定が有効になります。

(2) コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更する

コマンドでパフォーマンスデータの保存条件を変更するための手順は,次のとおりです。

  1. jpcaspsv outputコマンドで,現在の保存条件に関する定義内容をXML形式のファイルに出力する
  2. 出力したXML形式のファイルを基に,保存条件に関する定義内容を変更する
  3. jpcaspsv updateコマンドで,保存条件の定義内容を,変更したXML形式のファイルの内容に更新する

それぞれの操作について説明します。

(a) jpcaspsv outputコマンドで保存条件の定義内容を出力する

PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv outputコマンドを実行します。jpcaspsv outputコマンドは,エージェントに接続して取得したStoreデータベースの保存条件に関する定義情報をXML形式のファイルに出力します。

手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。
    次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。
    • Windowsの場合
      Administrators権限
    • UNIXの場合
      rootユーザー権限
  2. jpcaspsv outputコマンドを実行する。
    例えば,サービスIDが「TS1host1」というPFM - AgentのStoreデータベースの保存条件に関する定義情報を「aspsv.xml」というパラメーターファイルに出力する場合は,次のように指定します。

    jpcaspsv output -o aspsv.xml TS1host1

    コマンドを実行すると,指定した出力ファイル(XML形式のファイル)に保存条件に関する定義内容が出力されます。
    出力例を次に示します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE pr-cli-parameters SYSTEM "aspsv_params.dtd">
    <pr-cli-parameters ver="0110">
    <agent-store-db-preserve-definition>
    <service id="TS1host1">
    <ex-product-interval>
    <ex-interval-record id="PI">
    <minute-drawer-days period="10"/>
    <hour-drawer-days period="10"/>
    <day-drawer-weeks period="10"/>
    <week-drawer-weeks period="10"/>
    <month-drawer-months period="10"/>
    <!-- year-drawer-years period="10" -->
    </ex-interval-record>
                :
    </ex-product-interval>
    <ex-product-detail>
    <ex-detail-record id="PD" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_THRD" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_ADRS" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_PDI" period="10"/>
    <ex-detail-record id="PD_PEND" period="10"/>
    </ex-product-detail>
    <ex-product-log>
    <ex-log-record id="PL" period="10"/>
    <ex-log-record id="RM" period="10"/>
    </ex-product-log>
    </service>
    </agent-store-db-preserve-definition>
    </pr-cli-parameters>

(b) jpcaspsv outputコマンドで出力した定義内容を変更する

jpcaspsv outputコマンドで出力したXMLファイルの,記録方法に関する定義内容を変更します。XMLファイルの内容は,テキストエディターやXMLエディターなどで編集できます。

ファイルの書式および各タグの設定内容について次に示します。必要に応じて編集してください。

4行目以降に定義するタグについて次の表に示します。各タグの定義は,表の記載順に指定してください。

表10-8 XML定義内容

タグ名必須説明および設定値
<agent-store-db-preserve-definition>・・・</agent-store-db-preserve-definition>Storeデータベース保存条件定義情報のルートのタグです。
<service id="サービスID">・・・</service>PFM - Agentを特定するサービスIDを指定します。
先頭文字が「P」以外で,2文字目が「S」であるサービスを指定します(「PS」で始まるサービスIDはMaster Storeサービスを示します)。
サービスIDの詳細については,「付録B.1 (1) サービスID」を参照してください。
<service>タグは,<ex-product-interval>タグ,<ex-product-detail>タグ,および<ex-product-log>タグを含みます。
<service>タグは,複数指定できます。
<ex-product-interval>・・・</ex-product-interval>PIレコードタイプのレコードの保存期間を指定するタグです。
<minute-drawer-days period=分ごとの保存期間>タグ,<hour-drawer-days period=時間ごとの保存期間>タグ,<day-drawer-weeks period=日ごとの保存期間>タグ,<week-drawer-weeks period=週ごとの保存期間>タグ,および<month-drawer-months period=月ごとの保存期間>タグを含みます。詳細については,「表10-9 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-interval>タグ)」を参照してください。
<ex-product-interval>タグは,一つの<service>タグ内に複数指定できます。
<ex-product-detail>・・・</ex-product-detail>PDレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。
<ex-detail-record>タグを含みます。
<ex-product-detail>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
詳細については,「表10-10 PDレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-detail>タグ)」を参照してください。
<ex-product-log>・・・</ex-product-log>PLレコードタイプの保存レコード数の上限値を指定するタグです。
<ex-log-record>タグを含みます。詳細については,「表10-11 PLレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-log>タグ)」を参照してください。
<ex-product-log>タグは,一つの<service>タグ内に一つだけ指定できます。
(凡例)
○:省略できない
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

<ex-product-interval>タグ(PIレコードタイプのレコードの保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。<ex-product-interval>タグに含まれるタグの定義は,表の記載順に指定してください。

表10-9 PIレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-interval>タグ)

タグ名必須設定値
<minute-drawer-days period="分ごとの保存期間">分ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
<hour-drawer-days period="時間ごとの保存期間">時間ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
<day-drawer-weeks period="日ごとの保存期間">日ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
保存期間(週の数)を0~522の整数で指定します。
<week-drawer-weeks period="週ごとの保存期間">週ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
保存期間(週の数)を0~522の整数で指定します。
<month-drawer-months period="月ごとの保存期間">月ごとのパフォーマンスデータの保存期間を設定します。
保存期間(月の数)を0~120の整数で指定します。
(凡例)
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

<ex-product-detail>タグ(PDレコードタイプのレコード保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。

表10-10 PDレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-detail>タグ)

タグ名必須設定値
<ex-detail-record id="レコードID" period="レコードの保存期間"/>PDレコードタイプのレコードIDごとに,レコード保存期間を指定します。
保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
<ex-detail-record>タグは,一つのPDレコードに対して一つだけ指定できます。
(凡例)
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

<ex-product-log>タグ(PLレコードタイプのレコードの保存期間)に含まれるタグと設定値について次の表に示します。

表10-11 PLレコードタイプのレコードの保存期間(<ex-product-log>タグ)

タグ名必須設定値
<ex-log-record id="レコードID" period="レコードの保存期間"/>PLレコードタイプのレコードIDごとに,保存レコードの保存期間を指定します。
保存期間(日数)を0~366の整数で指定します。
<ex-log-record>タグは,一つのPLレコードに対して一つだけ指定できます。
(凡例)
-:省略できる
注 省略した項目の値は更新されません。

(c) jpcaspsv updateコマンドで保存条件の定義内容を更新する

PFM - Web Consoleがインストールされているホストで,jpcaspsv updateコマンドを実行します。jpcaspsv updateコマンドは,Storeデータベースの保存条件に関する定義情報を,XML形式のファイルに指定した内容に更新します。

手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleがインストールされているホストにログインする。
    次のOSユーザー権限を持つユーザーでログインしてください。
    • Windowsの場合
      Administrators権限
    • UNIXの場合
      rootユーザー権限
  2. jpcaspsv updateコマンドを実行する。
    例えば,「aspsv.xml」というファイルに記述した保存条件の内容に定義情報を更新する場合は,次のように指定します。

    jpcaspsv update aspsv.xml