Performance Managementは,クラスタシステムで稼働監視を行うことができます。ここでは,Performance Managementをクラスタ構成にするための設計について説明します。
(1) HAクラスタシステムでの構成の検討
ここでは,Performance Managementのクラスタ構成について説明します。Performance Managementのプログラムを,HAクラスタシステムの論理ホスト環境で運用することを「論理ホスト運用」といいます。
(a) PFM - Managerのクラスタ構成
PFM - Managerは,アクティブ・スタンバイ構成のクラスタシステムに対応し,論理ホストで運用できます。
PFM - Managerを実行している実行系ノードで障害が発生しても待機系ノードにフェールオーバーすることで,稼働監視を継続します。
PFM - Managerを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクに定義情報やイベントデータを格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,一つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。
PFM - Managerを論理ホスト運用するときの構成を次に示します。
図15-3 PFM - Managerのクラスタ構成
一つのノードで同時に実行できるPFM - Managerは,一つだけです。
(b) PFM - Web Consoleのクラスタ構成
PFM - Web Consoleは,アクティブ・スタンバイ構成のクラスタシステムに対応し,論理ホストで運用できます。
PFM - Web Consoleを実行している実行系ノードで障害が発生しても待機系ノードにフェールオーバーすることで,稼働監視を継続します。
PFM - Web Consoleを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクにブックマークの定義を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,一つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。
PFM - Web Consoleを論理ホスト運用するときの構成を次に示します。
図15-4 PFM - Web Consoleのクラスタ構成
一つのノードで同時に実行できるPFM - Web Consoleは,一つだけです。
(c) PFM - Baseのクラスタ構成
PFM - Baseは,アクティブ・アクティブ構成のクラスタシステムに対応しています。論理ホスト運用できるPFM - Agentと同じホストに同居している場合,論理ホストで運用できます。
(d) PFM - Agentのクラスタ構成
PFM - Agentの対応するクラスタシステムは,PFM - Agentによって異なります。PFM - Agentの種類によっては,監視対象プログラムが論理ホスト環境で動作している場合に,論理ホスト運用できるPFM - Agentもあります。
PFM - Agentを論理ホスト運用する場合は,共有ディスクに定義情報やパフォーマンスデータを格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。なお,一つの論理ホストに複数のPerformance Managementがある場合は,各Performance Managementが同じ共有ディレクトリを使用します。
PFM - Agent for Oracleを論理ホスト運用して,クラスタ構成のOracleを監視する構成の例を次に示します。
図15-5 PFM - Agentのクラスタ構成(PFM - Agent for Oracleの場合)
(2) 負荷分散クラスタシステムでの構成の検討
ここでは,負荷分散クラスタシステムでのPerformance Managementのクラスタ構成について説明します。
(a) PFM - Managerのクラスタ構成
PFM - Managerは,複数ノードで分散して処理することはできません。
PFM - Managerは,負荷分散クラスタシステムではなく,物理ホストまたはHAクラスタシステムで運用してください。
(b) PFM - Web Consoleのクラスタ構成
PFM - Web Consoleは,複数ノードで分散して実行できません。
PFM - Web Consoleは,負荷分散クラスタシステムではなく,物理ホストまたはHAクラスタシステムで運用してください。
(c) PFM - Baseのクラスタ構成
同じホストに同居するPFM - Agentに準じます。
(d) PFM - Agentのクラスタ構成
PFM - Agent for Platformを,負荷分散クラスタシステムの各ノードで運用する例を説明します。
PFM - Agent for PlatformはOSのパフォーマンスを監視します。そのため,クラスタシステムであっても物理ホストで実行し,各物理ホストのOSを監視します。このため,通常の非クラスタシステムと同じように運用してください。クラスタシステムで運用する場合も,クラスタソフトには登録しません。
図15-6 PFM - Agentのクラスタ構成(PFM - Agent for Platformの場合)
PFM - Agentのクラスタ構成の詳細については,PFM - Agentマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。