16.2.2 セットアップ
ここでは,JP1/IMと連携する場合のセットアップ方法について説明します。
なお,Performance Managementの監視ホスト名が実ホスト名とは異なる場合,JP1/IMのホスト情報ファイル(jcs_hosts)に監視ホスト名の情報を追記する必要があります。また,ファイルの変更後は,次の手順で情報を反映させる必要があります。
- ホスト情報のインポート
jcshostsimport -o 〈ホスト情報ファイル〉
- JP1/IMのリロード
jco_spmd_reload
ホスト情報ファイルおよびJP1/IMのコマンドの詳細については,「JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド」または「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス」を参照してください。
セットアップの流れは次のとおりです。
- アラームイベントとレポートの定義
PFM - Web Consoleのブラウザーで,JP1/IMで監視したいアラームイベントおよび稼働レポートを定義します。JP1/IMのイベントコンソールから,発生しているJP1イベントに対応するアラームについてのレポートを表示させたい場合は,アラームの定義時にレポートを関連づけておく必要があります。また,Performance Managementのアラームイベントを監視するには,Performance Managementでアラームを定義するとき,アラームが発生したときのアクションとしてJP1イベントを発行するように設定しておく必要があります。
- 連携のための定義ファイルの編集・コピー
Performance Managementが提供するJP1/IM連携のための定義ファイルを環境に合わせて編集し,JP1/IMのディレクトリに格納します。
- 監視オブジェクト連携コマンドの実行
Performance Managementが提供するJP1/IMと連携するためのコマンド(jpcimsetupコマンド)を実行します。
図16-3 セットアップの流れ
![[図データ]](figure/zu116003.gif)
- 注意
- 統合スコープで監視するためには,JP1/IMのPerformance Management用システム監視オブジェクトとの連携が必要です。システム監視オブジェクトの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド」を参照してください。
JP1/IMと連携するときのセットアップ手順を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) アラームイベントとレポートの定義
- (2) 連携のための定義ファイルの編集・コピー
- (3) 監視オブジェクト連携コマンドの実行
(1) アラームイベントとレポートの定義
PFM - Web Consoleの[アラーム階層]画面で次の項目を設定します。
- アクションとしてJP1イベントの発行を設定する
アラームが発行されたときのアクションとして,JP1イベントを発行するように設定します。
- アラームとレポートを関連づける
JP1/IMのイベントコンソールから,PFM - Web Consoleの画面でレポートを表示できるようにします。
ここでは,主にJP1イベントを発行するように設定する操作,およびアラームとレポートを関連づける操作について説明します。
手順を次に示します。
- 管理ユーザー権限を持つユーザーアカウントでPFM - Web Consoleにログインする。
- [メイン]画面のナビゲーションフレームで[アラーム階層]タブを選択する。
[アラーム階層]画面が表示されます。
- [アラーム階層]画面のナビゲーションフレームで,JP1イベントを発行させたいアラーム定義を選択する。
選択したアラームにチェックマークが表示されます。
- メソッドフレームで,[編集]メソッドを選択する。
[編集 > 基本情報]画面がインフォメーションフレームに表示されます。
- [次へ >]ボタンで[編集 > アクション]画面まで遷移させる。
- [実行するアクション]で,[コマンド]をチェックする。
[コマンド]の,JP1イベントを発行させたいアラームの状態([異常],[警告],および[正常])をチェックします。
- [表示するレポート]で[参照]ボタンをクリックし,アラームに関連づけるレポートを選択する。
- [次へ >]ボタンをクリックする。
[編集 > アクション定義]画面に遷移します。
- [JP1イベント設定]ボタンをクリックする。
[新規アラーム > アクション定義 > JP1イベント設定]画面に遷移します。
- イベントIDなどを設定する。
- 注意
- JP1/IMの監視オブジェクトと連携する場合は,JP1イベントの属性を変更しないでください。
- [完了]ボタンをクリックする。
アラームのアクションとしてJP1イベント発行が定義され,選択したレポートが関連づけられます。
- JP1イベントを発行するホストのAction Handlerサービスを選択する。
[JP1イベント設定]で設定を行うと[アクションハンドラ]の設定がPFM - Managerホスト上のAction Handlerサービスに変更されます。PFM - Managerホスト以外のホストでJP1イベントを発行する場合は,[アクションハンドラ]の設定を変更してください。
- [完了]ボタンをクリックする。
アラーム定義の詳細については「12. アラームによる稼働監視」を参照してください。
(2) 連携のための定義ファイルの編集・コピー
JP1/IMを使用してJP1イベントの監視をするには,Performance Managementが提供するJP1/IMの定義ファイルを環境に合わせて編集し,JP1/IMの対応するディレクトリにそれぞれコピーしておく必要があります。
- ポイント
- JP1/IMの定義ファイルの修正を有効にするためには,JP1/IMの再起動が必要となる場合があります。定義ファイルの再起動のタイミングおよび定義ファイルが有効になるタイミングについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 機能拡張」を参照してください。
Performance Managementが提供するJP1/IMの定義ファイルは,次のフォルダに格納されています。
PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ¥sample¥imconf
JP1/IMの各定義ファイルのファイル名,編集項目およびコピー先を次に示します。
(a) JP1/IM - Managerで必要な定義ファイル
- イベント拡張属性定義ファイル
JP1イベントの拡張属性を定義します。
- ファイル名
- hitachi_jp1_pfmWebCon_attr_ja.conf(日本語環境用)
- hitachi_jp1_pfmWebCon_attr_en.conf(英語環境用)
- 編集項目
- order idの値を,JP1イベント発行コマンドで設定したイベントIDに変更してください。なお,JP1/IMからレポートの表示を行う場合,指定したイベントIDをモニター画面呼び出し定義ファイルにも設定する必要があります。
- 例えば,イベントIDが「00001234」の場合,次のように指定します。
![[図データ]](figure/zu116004.gif)
- コピー先
- 編集したイベント拡張属性定義ファイルを,JP1/IM - Managerがインストールされているホストの,次に示すディレクトリにコピーしてください。
- 物理ホストの場合
- Windowsの場合
JP1/IM - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥console¥attribute
- UNIXの場合
/etc/opt/jp1cons/conf/console/attribute
- 論理ホストの場合
- Windowsの場合
共有フォルダ¥jp1cons¥conf¥console¥attribute
- UNIXの場合
共有ディレクトリ/jp1cons/conf/console/attribute
詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 機能拡張」を参照してください。
- モニター画面呼び出し定義ファイル
モニター画面呼び出しの設定を定義します。モニター画面呼び出し定義ファイルは,JP1/IM - Viewのイベントコンソール画面から,イベント発行元などのモニター画面を呼び出すための定義ファイルです。JP1イベントからPFM - Web Consoleのレポート画面を表示する場合に設定する必要があります。
- ファイル名
hitachi_jp1_pfmWebCon_mon_ja.conf
- 編集項目
- EVENT_IDの値を,JP1イベント発行コマンドで設定したイベントIDに変更してください。また,PATHのホスト名とポート番号を,PFM - Web Consoleのホスト名とポート番号に変更してください。なお,指定したイベントIDは,イベント拡張属性定義ファイルにも定義する必要があります。
- 例えば,イベントIDが「00001234」,ホスト名が「PFM-WebCon」,ポート番号が「20358」の場合,次のように指定します。
![[図データ]](figure/zu116005.gif)
- コピー先
- 編集したモニター画面呼び出し定義ファイルを,JP1/IM - Managerがインストールされているホストの,次に示すディレクトリにコピーしてください。
- 物理ホストの場合
- Windowsの場合
JP1/IM - Managerのインストール先フォルダ¥conf¥console¥monitor
- UNIXの場合
/etc/opt/jp1cons/conf/console/monitor
- 論理ホストの場合
- Windowsの場合
共有フォルダ¥jp1cons¥conf¥console¥monitor
- UNIXの場合
共有ディレクトリ/jp1cons/conf/console/monitor
詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 機能拡張」を参照してください。
- 複数のPFM - Managerに対してPFM - Web Consoleのレポート画面を表示させる例
- 注意
- PFM - Managerの台数に対応する台数分PFM - Web Consoleが必要になります。例えば,PFM - Managerが2台の場合,PFM - Web Consoleも2台必要です。
複数のPFM - Managerに対してPFM - Web Consoleのレポート画面を表示させる場合,それぞれ異なるイベントIDを使用する必要があります。
例えば,イベントIDに「00000000」と「00001111」を使用する場合,イベント拡張属性定義ファイルおよびモニター画面呼び出し定義ファイルは次のように指定します。
- イベント拡張属性定義ファイル
![[図データ]](figure/zu116006.gif)
- モニター画面呼び出し定義ファイル
![[図データ]](figure/zu116007.gif)
上記の例では,イベントID「00000000」に対応するPFM - Web Consoleのホスト名は「PFM-Webcon1」,ポート番号は「8080」となります。また,イベントID「00001111」に対応するPFM - Web Consoleのホスト名は「PFM-Webcon2」,ポート番号は「20358」となります。
(b) JP1/IM - Viewで必要な定義ファイル
統合機能メニューを定義します。統合機能メニュー定義ファイルは,JP1/IM - Viewの[統合機能メニュー]画面に表示させるツリー構造や表示項目などを定義するためのファイルです。[統合機能メニュー]画面からPFM - Web Consoleの画面を表示させる場合に,統合機能メニュー定義ファイルの設定が必要となります。
- ファイル名
hitachi_jp1_pfmWebCon_tree.conf
- 編集項目
- argmentsのホスト名とポート番号を,PFM - Web Consoleのホスト名とポート番号に変更してください。
- PFM - Web Consoleのホスト名が「PFM-WebCon」,ポート番号が「20358」の場合,次のように指定します。
![[図データ]](figure/zu116008.gif)
- コピー先
- 編集した統合機能メニュー定義ファイルを,JP1/IM - Viewがインストールされているホストの,次に示すフォルダにコピーしてください。
JP1/IM - Viewのインストール先フォルダ¥conf¥function¥ja
- 異なる複数のPFM - Managerに対して,それぞれのPFM - Web Consoleの画面を起動させる例
異なる複数のPFM - Managerに対して,それぞれPFM - Web Consoleの画面を起動させる場合,統合機能メニュー定義ファイル内でそれぞれのPFM - Managerに対応するブロックを定義する必要があります。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager 機能拡張」を参照してください。
統合機能メニュー定義ファイルの設定例と統合機能メニューの表示例を次に示します。
![[図データ]](figure/zu116009.gif)
上記の例では,[統合機能メニュー]画面の「サーバ稼働管理1」をダブルクリックすると,ホスト名が「PFM-WebCon1」,ポート番号が「20358」のPFM - Web Consoleに接続し,画面を起動します。また,「サーバ稼働管理2」をダブルクリックすると,ホスト名が「PFM-WebCon2」,ポート番号が「32222」のPFM - Web Consoleに接続し,画面を起動します。
(3) 監視オブジェクト連携コマンドの実行
JP1/IMの監視オブジェクト機能と連携して,Performance Management上でのシステムの稼働状態をアイコンで監視する場合,PFM - Managerホストで,jpcimsetupコマンドを実行します。これは,JP1/IMがPerformance Managementの定義情報を収集するために必要です。
JP1/IMとの連携を開始する場合は,PFM - Managerホストで,jpcimsetupコマンドを次のように実行します。
jpcimsetup -i
JP1/IMとの連携を停止する場合はコマンドを次のように実行します。
jpcimsetup -u