12.8.1 アラーム作成時の注意事項

<この項の構成>
(1) アラームの評価時刻について
(2) アラームで評価するレコードの保存について
(3) アラーム数の制限について
(4) 文字コード種別の変更について
(5) 値の存在を監視するアラームを設定する場合の注意について
(6) アラームの発生数によるPFM - Agentの接続数への影響について
(7) アラームの発生数によるシステムリソースへの影響について
(8) アラームの発生頻度の設定について

(1) アラームの評価時刻について

アラームに複数のレコードの監視条件を設定し,その監視間隔およびオフセットが異なる場合,アラームは収集スケジュールが同じ時刻となるときだけ評価されます。必要に応じて,収集間隔の設定を見直してください。

(2) アラームで評価するレコードの保存について

アラームの条件として選択したレコードは,Storeデータベースに記録する必要はありません。

(3) アラーム数の制限について

一つのアラームテーブルに登録できるアラームの数は50個までです。また,一つのエージェントにバインドできるアラームテーブルの数は50個までです。

Performance Managementのシステム内でPFM - Agentにアラームを多数バインドすると,PFM - ManagerやPFM - Agentの処理に遅延が発生する場合があります。

バインドするアラームの数は以下の値を超えないように設定することをお勧めします。

(4) 文字コード種別の変更について

アラームを作成する際,全角文字や半角かたかなを使用した場合,PFM - Managerの文字コード種別は変更しないでください。途中で文字コード種別を変更すると,以前に定義したアラームやレポートが実行されなくなります。

文字コード種別を変更する場合は,一度アンインストールして,環境を再構築してください。

(5) 値の存在を監視するアラームを設定する場合の注意について

[値の存在を監視するアラームとする]をチェックした場合,アラーム通知時は収集されたデータに条件式で指定した値が存在しません。このためメッセージテキストやMail Subjectに変数%CVSを指定しても,空文字に変換されるので注意してください。

(6) アラームの発生数によるPFM - Agentの接続数への影響について

Performance Managementでは,PFM - ManagerがPFM - Agentから発行されるアラームを受信し,順次Storeデータベース(Master Store)に格納するなどの処理をします。アラームの発行が頻繁になったり多数のPFM - Agentから同時にアラームが発行されたりすると,PFM - Managerの処理に遅延が発生することがあります。遅延が発生すると,処理されていないアラームはPFM - Managerホストのメモリーに蓄積されるため,メモリー使用量が増加したり,システムの性能が低下したりするおそれがあります。

そのため,PFM - Managerが単位時間当たりに処理できるアラーム数を超えないように,アラームの発生頻度を考慮してアラームを定義することをお勧めします。また,あらかじめPFM - Managerに接続するPFM - Agent数を決めておくことをお勧めします。アラームの発生頻度とPFM - Managerに接続するPFM - Agent数の関係については,「付録A.1 システム構成」を参照してください。

(7) アラームの発生数によるシステムリソースへの影響について

アクションが設定されたアラームが,同時に多数発行されると,その数だけアクションが実行され,システムリソースを消費してシステムが不安定になることがあります。

(8) アラームの発生頻度の設定について

CPU使用率など,一時的に値が変化するレコードを監視する場合は,[アラームウィザード - 基本情報]ダイアログボックスの[高度な設定]タブで[発生頻度]を設定しておくことをお勧めします。

例えば,次のような異常と警告のしきい値を設け,3インターバル中,2回しきい値を超えた場合にアラームイベントを発行するように設定すると,実際には次の表のようにアラームイベントが発行されます。

例を次に示します。

5インターバル時の状態
  • 正常の場合
    正常のアラームイベントが発行されます。
  • 警告の場合
    警告のアラームイベントが発行されます。
  • 異常の場合
    前回に発行したアラームイベントが異常であるため,アラームイベントは発行されません。