3.3.2 クラスタ構成の検討

システム管理者は,システムの可用性を向上させるため,クラスタ構成にするかどうかを検討します。Performance Managementは,製品によって対応するクラスタ構成が異なります。次に対応するクラスタ構成を示します。

PFM - Managerのクラスタ構成
PFM - Managerは,アクティブ・スタンバイ構成のクラスタに対応しています。実行系ノードと待機系ノードのどちらか一つだけ実行できます。実行系ノードが障害のときは,フェールオーバーして待機系ノードに処理を引き継ぎます。
PFM - Web Consoleのクラスタ構成
PFM - Web Consoleは,アクティブ・スタンバイ構成のクラスタに対応しています。実行系ノードと待機系ノードのどちらか一つだけ実行できます。実行系ノードが障害のときは,フェールオーバーして待機系ノードに処理を引き継ぎます。
PFM - Baseのクラスタ構成
PFM - Baseは,アクティブ・アクティブ構成のクラスタに対応しています。PFM - BaseのホストにPFM - Agentがインストールされている場合,同居するPFM - Agentに応じたクラスタ環境を構築できます。
PFM - Agentのクラスタ構成
PFM - Agentのクラスタ構成は,監視対象プログラムによって異なります。例えば,Oracleデータベースを監視するPFM - Agent for Oracleは,アクティブ・スタンバイ構成に対応しているため,実行系ノードが障害のときは,フェールオーバーして待機系ノードに処理を引き継ぎます。一方,OSのサーバを監視するPFM - Agent for Platformは,クラスタ環境で動作できますが,PFM - Agent for Platform自身がフェールオーバーすることはできません。

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleのクラスタの詳細については,「15. クラスタシステムでの構築と運用」を参照してください。PFM - Agentのクラスタの詳細については,各PFM - Agentのマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。

注意
Performance Managementでは,次のようなクラスタ構成には対応していません。
  • 物理ホスト名と論理ホスト名を同じ名称にして運用するクラスタ構成
  • フェールオーバー時に物理ホスト名を変更するクラスタ構成
Performance Managementをクラスタシステム上で運用するためには,クラスタを構成するノードの物理ホスト名と論理ホスト名を異なる名称にする必要があります。
物理ホスト名と論理ホスト名を同じ名称にして運用するクラスタ上でPerformance Managementを動作させる場合は,監視ホスト名設定機能を使用して物理ホスト上のホスト名が一意な名称になるように設定してください。監視ホスト名設定機能については,Windowsの場合は「5.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の設定」を,UNIXの場合は「6.3.3 Performance Managementシステムでのホスト名の設定」を参照してください。