4.2.1 パフォーマンスデータとは
パフォーマンスデータとは,監視エージェントから収集した,稼働状況の詳細を表すデータです。システム管理者は,収集したパフォーマンスデータを,ブラウザーを使って確認できます。
Performance Managementでは,パフォーマンスデータを「レコード」という単位で収集します。どのような項目を監視できるかは,PFM - Agentによって決まっています。
パフォーマンスデータには,次の2種類があります。
- リアルタイムデータ
- 監視対象の現在の状況を示すパフォーマンスデータです。
- PFM - Web Consoleの画面で,刻々と変化するシステム状態の推移や問題点を確認するために使用します。
- 履歴データ
- 監視対象の過去から現在までの状況を示すパフォーマンスデータです。
- 主に,システムの傾向を分析するために使用します。履歴データは,データの特性に応じて次の二つの形式で監視エージェントのデータベースに格納されます。
- 要約レコード
監視エージェントが収集した値が自動計算され,分・時間・日・週・月・年単位に平均値や合計値などに要約されてStoreデータベースに格納されます。
システムコール数の推移や使用しているファイルシステム容量の推移など,システムの性能を長期間にわたって監視するレコードです。これらのレコードを,Product Intervalレコードタイプ(PIレコードタイプ)と呼びます。
- 非要約レコード
監視エージェントが収集したパフォーマンスデータがそのままStoreデータベースに格納されます。
現在起動しているプロセスの詳細情報など,ある時点でのシステムの状態を示すパフォーマンスデータが収集されるProduct Detailレコードタイプ(PDレコードタイプ)と,システムやアプリケーションのログやメッセージが収集されるProduct Logレコードタイプ(PLレコードタイプ)があります。
- 監視対象によっては,これらのレコードタイプ以外にも利用できるレコードタイプを持つものがあります。詳細については,各PFM - Agentマニュアルの,レコードについて説明している章を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) データモデルとは
- (2) 単数インスタンスレコード・複数インスタンスレコードとは
(1) データモデルとは
パフォーマンスデータは,レコード単位でStoreデータベースに格納されます。各レコードは,「フィールド」と呼ばれるさらに細かい単位に分けられます。
エージェントで収集できるパフォーマンスデータの総称を「データモデル」と呼びます。データモデルは,バージョンで管理されています。
データモデル,レコード,およびフィールドの概念図を次に示します。
図4-3 データモデル,レコード,およびフィールドの概念図
![[図データ]](figure/zu104003.gif)
(2) 単数インスタンスレコード・複数インスタンスレコードとは
Performance Managementで収集されたパフォーマンスデータのレコードは,監視項目によって次の二つの種類があります。
- 単数インスタンスレコード
- 1回で一つのレコードを収集するものを単数インスタンスレコードと呼びます。単数インスタンスレコードの例を次に示します。
図4-4 単数インスタンスレコードの例
![[図データ]](figure/zu104004.gif)
- 複数インスタンスレコード
- 1回で複数のレコードを収集するものを複数インスタンスレコードと呼びます。複数インスタンスレコードの例を次に示します。
図4-5 複数インスタンスレコードの例
![[図データ]](figure/zu104005.gif)
- ポイント
- 同じ時間に収集されたレコードを一つのグループとした集合を「データグループ」と呼びます。単数インスタンスレコードのデータグループは一つのレコードから成ります。複数インスタンスレコードのデータグループは,複数のレコードから成ります。