JP1/File Transmission Server/FTP(UNIX(R)用)
- <この項の構成>
- (1) FTPクライアントの自IPアドレスの指定を有効にする
- (2) FTPサーバで送信する応答メッセージ内のFTPサーバホスト名を,接続を受けたホストまたはアドレスにする
- (3) JP1イベント送信先を指定する
(1) FTPクライアントの自IPアドレスの指定を有効にする
クライアント側からファイル伝送するときに,FTPクライアントの自IPアドレスを指定できるようになります。
FTPクライアントの自IPアドレスの指定を有効にするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)にspecify client localhostを定義します。指定値の意味は次のとおりです。
- YES:自IPアドレスの指定を有効にします。
- NO:自IPアドレスの指定を無効にします。
自IPアドレスの指定を有効にした場合,FTPクライアントの自IPアドレスを指定できます。
自IPアドレスの指定を無効にした場合,FTPクライアントの自IPアドレスはOSが自動割り当てしたアドレスになります。
自IPアドレスの指定を有効にして,ホスト名を指定しなかった場合は,物理アドレス(OSのhostnameコマンドで返されるホスト名)を使用します。
機能の有効/無効と,FTPクライアントの自IPアドレス指定内容によるファイル伝送時の自IPアドレスの関係を次の表に示します。
表3-21 機能の有効/無効と自IPアドレス指定の組み合わせで決定するファイル伝送時の自IPアドレス
コマンドまたはAPI ホスト名指定の有無 機能が有効の場合 機能が無効の場合 ftstranコマンド ホスト名指定 指定されたホスト名のアドレス OS自動割り当てのアドレス ホスト名指定省略 物理アドレス OS自動割り当てのアドレス fts_ftp_open()関数 ホスト名指定 指定されたホスト名のアドレス OS自動割り当てのアドレス NULL指定 物理アドレス OS自動割り当てのアドレス なお,自IPアドレス指定で指定するホスト名は,ftstranコマンドまたはfts_ftp_open()関数を呼び出すユーザプログラムが動作するホストのホスト名を指定してください。
- (例)
- FTPクライアントの自IPアドレス指定を有効にする例を次に示します。
- この場合,FTPクライアントの自IPアドレスは次のように指定します。
- ftstranコマンドの場合
- FTPクライアントの自IPアドレスとして使用するアドレスのホスト名を,-Hオプションに指定します。ftstranコマンドについては,「6. コマンド」の「ftstran−伝送の実行−」を参照してください。
- (例)伝送カードcard01に定義した伝送を,FTPクライアントlocalhostnameからファイル伝送する。
- APIの場合
- fts_ftp_open( char* hostname )関数で指定するJP1/FTPデーモンのホスト名(hostname)がFTPクライアントの自IPアドレスになります。fts_ftp_openについては,「7. APIライブラリ」の「fts_ftp_open()−JP1/FTPデーモンとのコネクション確立−」を参照してください。
(2) FTPサーバで送信する応答メッセージ内のFTPサーバホスト名を,接続を受けたホストまたはアドレスにする
FTPサーバが送信する応答メッセージ内の自ホスト名を,接続を受けたアドレスにできます。FTPサーバが送信する応答メッセージを次に示します。
- 制御コネクション確立直後
220 hostname FTP server (JP1/File Transmission Server/FTP VV-RR-SS month date year) ready.- STATコマンド受信後
211 hostname FTP server status:これらのメッセージ中のhostnameが,接続を受けたアドレスになります。
応答メッセージ内のFTPサーバホスト名を,接続を受けたホストまたはアドレスにするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)にresponse hostname reverse lookupを定義します。指定値の意味は次のとおりです。
- YES:機能を有効にします。IPアドレスからホスト名検索(ホスト名の逆引き)をして,接続を受けたアドレスのホスト名を応答メッセージに返します。
- NO:機能を有効にします。応答メッセージには接続を受けたアドレスのIPアドレスを返します。IPアドレスからのホスト名検索(ホスト名の逆引き)はしません。
- 指定なし:機能を無効にします。応答メッセージには物理アドレス(OSのhostnameコマンドで返されるホスト名)のホスト名を返します。
- (例)
- 接続を受けたアドレスのホスト名で応答メッセージを返す例を次に示します。
(3) JP1イベント送信先を指定する
JP1イベントの送信先を指定できます。各デーモン(JP1/FTPデーモン,ログデーモン,運用管理エージェント)の起動・停止のJP1イベント送信先を指定します。対象のイベントIDは00010D20〜00010D28です。
また,ファイル伝送終了時のJP1イベントは,伝送を実行した自ホストをイベント送信先とします。対象のイベントIDは00010D0B〜00010D0Dです。
JP1イベントの送信先の指定を有効にするには,定義ファイル(ftshostenv.conf)にjp1event hostを定義します。指定値の意味は次のとおりです。
- ホスト名|IPアドレス:指定のホストを各デーモンの起動・停止のJP1イベント送信先にします。ファイル伝送終了時のJP1イベントは,伝送を実行した自ホストをイベント送信先とします。
- 指定なし:各デーモンの起動・停止のJP1イベントおよびファイル伝送終了時のJP1イベントは,ともに物理アドレス(OSのhostnameコマンドで返されるホスト名)に送信します。
- (例)
- JP1イベントの送信先ホストにjp1eventhostを指定する例を次に示します。
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