JP1/File Transmission Server/FTP(UNIX(R)用)
インストール時にデフォルトの値が設定されます。必要な場合だけ変更してください。
[環境定義]ダイアログボックスで定義する方法と,ftsutilコマンドで定義する方法を説明します。
- <この項の構成>
- (1) [環境定義]ダイアログボックスで定義する
- (2) ftsutilコマンドで定義する
(1) [環境定義]ダイアログボックスで定義する
- [環境定義]ダイアログボックスの各項目の設定を変更し,[了解]をクリックする。
変更後は,メッセージに従って,サービスを再起動してください。
[環境定義]ダイアログボックスの各設定項目を,次の表に示します。
項目 設定内容 履歴情報保存件数
((0〜100000件))
《1000件》
(Linux(IPF版)の場合
((0〜1000000件))
《2000件》)履歴情報を保存する件数を指定します。1ファイルの伝送が1件と数えられ,ファイル伝送の数が保存件数を超えた場合は,古い情報から上書きされます。
1件のサイズは,1,500バイトで,「保存件数×1,500バイト」のファイルサイズを必要とします(Linux(IPF版)の場合は1,536バイトで,「保存件数×1,536バイト」のファイルサイズを必要とします)。
- 履歴情報保存件数を増やす場合
- 履歴情報保存件数を増やすと,履歴を表示するのに時間が掛かる場合があります。これはCPU,ハードディスクの性能や搭載メモリの量に依存します。履歴情報を長期間保存したい場合は,次に示す履歴情報ファイルをコピーして保存することをお勧めします。
- 履歴情報ファイル
- HP-UX,AIX,Linux:/var/opt/jp1_fts/sys/history
- Solaris:/usr/lib/jp1_fts/sys/history
プロトコルトレースのファイルサイズ
((4〜1000KB))
《4KB》
(Linux(IPF版)の場合
((4〜10000KB))《50KB》)ftpプロトコルのトレースを採取するファイルのサイズを指定します。プロトコルトレースファイルは,ftpレベルでのコマンドのやり取りを確認できます。トレース情報が指定サイズを超えた場合は,古い情報から上書きされます。
使用するディスク容量は,「指定したサイズ×最大同時伝送数×2」必要とします。最大同時伝送数については,「6. コマンド」の「ftsutil−環境情報の変更・表示−」を参照してください。
トレースファイルは,テキストエディターで参照できます。モジュールトレースのファイルサイズ
((4〜1000KB))
《4KB》
(Linux(IPF版)の場合
((4〜10000KB))《50KB》)モジュールトレースを採取するファイルのサイズを指定します。モジュールトレースは,保守情報として採取します。トレース情報が指定サイズを超えた場合は,古い情報から上書きされます。
使用するディスク容量は,「指定したサイズ×最大同時伝送数×2+指定したサイズ×10」必要とします。最大同時伝送数については,「6. コマンド」の「ftsutil−環境情報の変更・表示−」を参照してください。
モジュールトレースは参照できません。ホスト接続時のリトライ回数/間隔 ファイル伝送時のコネクション確立時,相手先ビジーなどによってコネクションを確立できなかったときのリトライ回数/間隔を指定します。サーバ(着信側)では,connect システムコールがエラーになった場合,クライアント(発信側)では,connect システムコールが次のエラーの場合だけ,リトライします。
ETIMEDOUT,ECONNREFUSED,ENETUNREACH,EADDRINUSE,EINPROGRESS,EALREADY,ENOBUFS,ENETDOWN
- ホスト接続時のリトライ回数((0〜100000回))《5回》
0を指定するとリトライしません。
- ホスト接続時のリトライ間隔((0〜86400秒))《2秒》
0を指定すると間隔を置かないでリトライします。
データ送信待ちタイムアウト
((1〜3600秒))
《60秒》データ送信時に,パケットを送信し,送信バッファが空く(伝送相手がパケットを受信する)までの監視時間を指定します。指定した時間を経過してもバッファが空かないときは,伝送は異常終了します。 データ受信待ちタイムアウト
((1〜3600秒))
《60秒》データ受信時に,パケットを受信する(伝送相手がパケットを送信してくる)までの監視時間を指定します。指定した時間を経過してもデータの受信がないときは,伝送は異常終了します。 サーバ(着信)/クライアント(発信)
- 送信/受信バッファのサイズ((512〜262144Bytes))《40960Bytes》
ファイル伝送(送信)するときのバッファ(メモリ)サイズをサーバ(着信側)/クライアント(発信側)でそれぞれ指定します。この値は,メモリが制限されるとき,伝送効率を上げたいときなどに変更します。伝送部分だけでは,バッファサイズを大きくするほど,伝送効率は上がりますが,回線の速度や利用状況,CPUの性能によって伝送効率は変動します。使用するシステムに合わせて,設定してください。
伝送バッファとしてメモリを最大「指定バッファサイズ×最大同時伝送数」確保します。送信と受信は同時には確保されません。また,伝送時にだけ確保します。確保できない場合,伝送は異常終了します。
- アイドルタイムアウト((30〜7200秒))《900秒》
一定時間,クライアント(発信側)から要求がない場合に,サーバ(着信側)がクライアント(発信側)へのコネクションを解放します。コネクションを解放するまでの時間を指定します。
- ファイル作成マスク((000〜777の8進数))《027》
受信ファイルのファイルモード作成マスクを指定します。新規にファイルが作成される場合は,この設定値が使用されます。すでに同じ名前のファイルがある場合は,ファイルモードは変わりません。
モードの詳細はumask,chmodコマンドのマニュアルを参照してください。実行パーミッション(x)を持ったファイルは作成できないので,注意してください。
- (例)
- user=rw, group=rw, other=rのファイルを作成する場合:113
- user=r, group=r, other=rのファイルを作成する場合:333
JP1/IMイベントの発行 JP1イベントを発行する場合に選択します。チェックするとサービスの状態の変化時や,伝送の終了時にJP1イベントを発行します。スーパーユーザでの伝送ではスーパーユーザ権限でイベントを発行し,一般ユーザでの伝送では一般ユーザ権限でイベントを発行します。JP1/IMと連携すると,JP1/IM上での状態監視ができるようになります。JP1/IMとの連携については,「5.2 JP1/IMとの連携」を参照してください。デフォルトでは,チェックされていません。 伝送結果のシスログ出力 ファイル伝送の結果(正常,異常,警告)をシスログに出力する場合に選択します。選択した場合,次に示すメッセージIDが出力されます。
システムログに出力されるメッセージIDのうち,上記以外のメッセージIDは,選択の有無にかかわらず,出力されます。
- KDJF2001-I
- KDJF2002-E
- KDJF2003-W
- KDJF3001-I
- KDJF3002-E
- KDJF3003-W
デフォルトでは,チェックされていません。標準値 環境定義の各値を,デフォルトの値に戻す場合に,クリックします。
- [履歴情報保存件数],[プロトコルトレースのファイルサイズ],[モジュールトレースのファイルサイズ]の各値についての注意事項
- 現在の値よりも小さな値を設定した場合,サービス再起動時に,該当する情報ファイルが削除されます。再起動前の情報が消えてしまいますので注意してください。なお,履歴情報ファイルは,次に示すファイルにバックアップされます。
- HP-UX,AIX,Linux:/var/opt/jp1_fts/sys/history.old
- Solaris:/usr/lib/jp1_fts/sys/history.old
(2) ftsutilコマンドで定義する
定義を変更するコマンドの例を,次に示します。
次の情報を変更します。
- -EH:履歴情報保存件数を「10000」
- -EL:伝送結果のシスログ出力を「CHECK(あり)」
定義の変更後に,JP1/FTPデーモンを再起動することで,変更内容が有効になります。
ftsutilコマンドについては,「6. コマンド」の「ftsutil−環境情報の変更・表示−」を参照してください。
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