JP1/File Transmission Server/FTP(Windows(R)用)
- ファイル伝送中には,該当ファイルに対して排他処理をしています。送信の場合には,該当ファイルに対して読み出しはできますが,書き込みはできません。受信の場合には,該当ファイルに対して読み出しも書き込みもできません。
- ファイル受信中の強制終了や伝送エラーなどで伝送が中断した場合,不完全なファイルが作成される場合があります。上書きで受信中に中断しても,ファイルは元に戻りません。
- クラスタシステム(HA構成の系切り替え)構成上で,JP1/FTPクライアントとして送受信する場合,障害時にはファイル伝送の自動リトライなどによる再伝送はできません。
なお,クラスタシステムとは,これまでJP1のマニュアルで「系切り替えシステム」と呼ばれていたものと同じです。
- JP1/FTPでは,ネットワークドライブのファイルという意識は持っておりません。単なるWindowsの1ファイルとして扱いますので,Windowsのファイルとして正常に扱える環境または操作の範囲内で使用してください。
ネットワークドライブの固有の問題,また,その設定や環境構築上の問題によって,伝送に失敗したり,伝送が正常に完了したりしても,伝送ファイルの内容が正常に書き込まれない場合があります。
- JP1/FTPは,IPv6には対応していません。
- IPアドレスの変換(NAT変換やIPマスカレードなど)を行うネットワーク中継機器(ルータやファイアウォールなど)を使用している場合は,FTPプロトコル上,それらを経由したファイル伝送ができないときがあります。使用している機器がFTPプロトコルに対応しているか確認してください。
ただし,運用管理コンソール機能については,IPアドレスの変換を行う環境では使用できません。
- 運用管理コンソールを別マシンの運用管理エージェントと接続する場合,接続する運用管理エージェントは同一LAN上にある必要があります。ただし,同一LAN上に運用管理エージェントがある場合でも,運用管理エージェント側の物理ホスト(hostnameコマンドで返るホスト)が,運用管理コンソールと同一LAN上アドレスでないとき(ループバックアドレスなどを含む)には,接続することができません。
- 運用管理コンソールと運用管理エージェントとの間で,JP1/FTPのバージョンが異なっていても,運用管理機能は使用できます。
- JP1/FTPで使用するIPアドレスは次のとおりになります。
表G-1 使用するIPアドレス
項番 用途 使用するIPアドレス 1 クライアント 制御コネクションのIPアドレス OSが自動的に割り当てるIPアドレス 2 データコネクションのIPアドレス 制御コネクションのIPアドレス 3 サーバ 制御コネクションのIPアドレス 接続を受け付けたIPアドレス 4 データコネクションのIPアドレス 制御コネクションのIPアドレス 5 運用管理エージェントのIPアドレス 物理IPアドレス(OSのコマンドhostnameなどで返されるホスト名に対応するIPアドレス) 6 運用管理コンソールのIPアドレス OSが自動的に割り当てるIPアドレス - JP1/FTPをクラスタシステム(HA構成の系切り替え)構成で使用する場合の注意事項を次に示します。
- フェールオーバには対応していません。
- 物理IPアドレス(OSのコマンドhostnameなどで返されるホスト名に対応するIPアドレス)は有効にしてください。
- JP1/FTPがFTPサーバ(着信)として動作する場合,FTPクライアント(発信)が接続先に論理IPアドレスを指定しても,物理IPアドレスを指定してもファイル伝送は可能です。
- JP1/FTPがFTPクライアント(発信)として動作する場合,コネクションのIPアドレスはOSが自動的に割り当てるため,通常は物理IPアドレスとなります。
- FTPカスタムジョブによるファイル伝送は可能です。
- JP1イベントとIMイベントは,物理IPアドレス(OSのコマンドhostnameなどで返されるホスト名に対応するIPアドレス)に送ります。
- JP1/FTPがFTPサーバ(着信)として動作する場合,制御コネクションの接続時に返す220メッセージ内のホスト名は物理ホスト名(OSのコマンドhostnameなどで返されるホスト名)となります。
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