5.2.3 電源制御装置を設定する

Windowsの他ホストの電源をオン・オフする場合,エージェントホストに電源制御装置を設定します。電源制御装置の設定方法を機種ごとに説明します。マネージャーホストとエージェントホストで必要な設定をしたあと,エージェントホストのJP1/Power Monitorで,エージェントホストの電源をオン・オフできるか確認してください。確認方法については,「5.1.10 動作を確認する」を参照してください。

注意
各電源制御装置で,シャットダウンに掛かる時間より長い時間を,猶予時間として設定してください。まず,ホストの終了処理を開始してからOSのシャットダウンが完了するまでの時間を調査し,それより長い時間を,猶予時間として設定します。シャットダウンに掛かる時間より猶予時間が短い場合,OSがシャットダウンする前にホストの電源がオフになり,ハードディスクに障害を引き起こす可能性があります。
<この項の構成>
(1) SVPボードをホストに接続する場合の設定
(2) 日立製作所製の無停電電源装置とSNMPアダプターをホストに接続する場合の設定
(3) ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(4) ISA社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(5) ジリオン・ネットワークス社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(6) APC社製ソフトウェア「PowerChute(R) Business Edition」をサポートする無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(7) 山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置をホストに接続する場合の設定
(8) 上記以外の電源制御装置の設定

(1) SVPボードをホストに接続する場合の設定

SVPボードを接続したマネージャーホストまたはエージェントホストを使う場合,マネージャーホストとエージェントホストのほかに,System Managerのマネージャーサービスホストが必要です。設定手順をホストごとに説明します。

(a) System Managerのマネージャーサービスホストの設定

System Managerのマネージャーサービスホストは,JP1/Power Monitorのマネージャーホストと同じホストでもかまいません。ただし,JP1/Power Monitorのエージェントホストと同じホストにしないでください。System Managerのマネージャーサービスホストが停止すると,SVPボードが接続されたエージェントホストが操作できなくなります。

  1. System ManagerのマネージャーサービスホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
    組み込み方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  2. System Managerをインストールする。
    • System Managerのマネージャー製品を使う場合
      必ず,System Manager - Management ConsoleまたはSystem Manager - Server Agentからマネージャーサービスをインストールしてください。
    • Server Conductorのマネージャー製品を使う場合
      必ず,Server Conductor -Managerからマネージャーサービスをインストールします。
    • JP1/Server Conductorのマネージャー製品を使う場合
      必ず,JP1/Server Conductor/Managerからマネージャーサービスをインストールします。
  3. System Managerの環境設定をする。
    System Managerの環境設定の内容については,System Managerのマニュアルを参照してください。
    Server Conductorの環境設定の内容については,マニュアル「ServerConductor/Blade Server Manager ServerConductor/Server Manager システム管理者ガイド」を参照してください。
    JP1/Server Conductorの環境設定の内容については,マニュアル「JP1/Server Conductor/Blade Server Manager系」を参照してください。
  4. ホストを再起動する。

(b) エージェントホストの設定

Blade Symphony以外のサーバの設定
  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. SVPボードを組み込む。
    組み込み方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. System Managerをインストールし,SVPボードなどの環境設定をする。
    System Manager - Server AgentまたはServer Conductor - Agentのエージェントサービス,およびSystem Manager - Advanced AgentまたはServer Conductor - Advanced Agentをインストールします。SVPボードのIPアドレスを必ず設定してください。
    System Managerを使う場合,JP1/Power Monitorをインストールしたあとに,「System Managerインストール先フォルダ¥Program」に格納されている「msvcrt.dll」および「mfc42.dll」を「JP1PWパス¥bin」にコピーしてください。
    Server Conductorを使う場合,JP1/Power Monitorをインストールしたあとに,「Server Conductorインストール先フォルダ¥Program」の下に,「msvcrt.dll」,「mfc42.dll」,「mfc70.dll」および「msvcr70.dll」のファイルがあるか確認してください。ある場合は,これらのファイルを「JP1PWパス¥bin」にコピーしてください。
    ファイルをコピーするときは,JP1/BaseおよびJP1/Power Monitorのサービスを起動しないでください。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。
Blade Symphonyサーバの設定
  1. ネットワークの設定を含むハードウェアの設定をする。
    設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  2. JP1/Server Conductorをインストールし,環境設定をする。
    JP1/Server Conductor/Server AgentおよびJP1/Server Conductor/Advanced Agentをインストールします。インストールおよび環境設定の方法については,製品のマニュアルを参照してください。
    なお,Blade Symphony上では,自ホストの電源を自動的にオンにする連携は対象外です。

(c) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. System Manager - Management Console,Server Conductor - Manager,またはJP1/Server Conductor/Managerをインストールし,環境設定をする。
    エージェントホストと通信するためにインストールおよび環境設定します。インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。環境設定が終わったら,System Managerのコンソールサービスで,SVPボードを接続したWindowsサーバが制御できる状態にあるか確認してください。
  3. Windowsの「Services」ファイルに次の記述を追加する。

    jp1aomsvpcntl XXXXX/tcp #JP1/PW SVP REMOTE CONTROL

    「XXXXX」には,任意の値を指定してください。ほかで指定されている値と同じ値にならないようにしてください。「jp1aomsvpcntl」は,すべて半角小文字で記述してください。「jp1aomsvpcntl」の最後の「l」は,小文字の「L」です。

ここから先は,JP1/Power Monitorをインストールしてから設定してください。

  1. System Managerインストール先フォルダ¥Program」に格納されている「svmcom.dll」,「msvcrt.dll」および「mfc42.dll」を「JP1PWパス¥bin」にコピーする。
    JP1/Server Conductorを使用している場合は,「JP1/Server Conductorインストール先フォルダ¥Program」の下に格納されている「svmcom07.dll」を「JP1PWパス¥bin」にコピーしてください。さらに,「JP1/Server Conductorインストール先フォルダ¥Program」の下に「msvcrt.dll」,「mfc42.dll」,「mfc70.dll」および「msvcr70.dll」のファイルがある場合は,これらのファイルを「JP1PWパス¥bin」にコピーしてください。
    コピーするときは,JP1/BaseおよびJP1/Power Monitorのサービスを起動しないでください。
  2. コマンドプロンプトで,JP1/Power Monitorをインストールしたフォルダにカレントディレクトリを移動する。
  3. RmPtEtr.exe -rを実行してホストを再起動する。

(2) 日立製作所製の無停電電源装置とSNMPアダプターをホストに接続する場合の設定

日立製作所製の無停電電源装置およびSNMPアダプターを接続したホストを制御するときのセットアップを説明します。

(a) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. ホストに日立製作所製の無停電電源装置とSNMPアダプターを接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. PowerMonitorH,またはPowerMonitorH for Networkをインストールし,環境設定をする。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。環境設定では,電源制御装置のSNMPアダプターのIPアドレスなどを設定します。
    環境設定をしたあと,PowerMonitorH,またはPowerMonitorH for Networkを起動して,正常に制御できるかどうか確認してください。

(b) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. エージェントホストの電源制御装置を制御するためのPowerMonitorH,またはPowerMonitorH for Networkのコマンドをインストールする。
    マネージャーホスト自身に日立製作所製の無停電電源装置を接続している場合は,PowerMonitorH,またはPowerMonitorH for Networkをすべてインストールし,環境設定してください。

(3) ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置を接続したホストを制御するときのセットアップを説明します。

(a) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置をホストに接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. POWERVISORv3をインストールし,環境設定をする。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。環境設定では,電源制御装置のIPアドレスなどを設定します。
    環境設定をしたあと,POWERVISORv3を起動して,正常に制御できるかどうか確認してください。

(b) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. エージェントホストの電源制御装置を制御するためのPOWERVISORv3のコマンドをインストールする。
    マネージャーホスト自身にジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置を接続している場合は,POWERVISORv3をすべてインストールし,環境設定してください。

(4) ISA社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

ISA社製の無停電電源装置を接続したホストを制御するときのセットアップを説明します。

(a) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. ホストにISA社製の無停電電源装置を接続する。
    ISA社製の無停電電源装置本体で,IPアドレスを設定してください。その他の接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. PMDUtilityをインストールし,環境設定をする。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。環境設定をしたあと,PMDUtilityを起動して,正常に制御できるかどうか確認してください。

(b) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. エージェントホストの電源制御装置を制御するためのPMDUtilityのコマンドをインストールする。
    マネージャーホストでは,PMDUtilityの環境設定をしないでください。
    マネージャーホスト自身にISA社製の無停電電源装置を接続している場合は,PMDUtilityをすべてインストールし,環境設定してください。

(5) ジリオン・ネットワークス社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

ジリオン・ネットワークス社製の無停電電源装置を接続したホストを制御するときのセットアップを説明します。

(a) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. ホストにジリオン・ネットワークス社製の無停電電源装置を接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. PSS設定ツールおよびPowerMonitor for Networkをインストールし,環境設定をする。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。環境設定では,電源制御装置のIPアドレスなどを設定します。
    環境設定をしたあと,PowerMonitor for Networkを起動して,正常に制御できるかどうか確認してください。

(b) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. エージェントホストの無停電電源装置を制御するためにPowerMonitor for Networkをインストールする。
    マネージャーホスト自身にジリオン・ネットワークス社製の無停電電源装置を接続している場合は,PowerMonitor for Networkの環境設定をしてください。マネージャーホスト自身にジリオン・ネットワークス社製の無停電電源装置を接続していない場合は,PowerMonitor for Networkの環境設定をする必要はありません。

(c) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. ホストに日立製作所製の無停電電源制御装置H-777EシリーズとSNMPアダプターを接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. PowerMonitorH for Network (H-777E対応版) をインストールし,環境設定をする。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。環境設定では,電源制御装置のSNMPアダプターのIPアドレスなどを設定します。
    環境設定をしたあと,PowerMonitorH for Network (H-777E対応版) を起動して,正常に制御できるかどうか確認してください。

(d) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. エージェントホストの電源制御装置を制御するためのPowerMonitorHまたはPowerMonitorH for Networkのコマンドをインストールする。

(6) APC社製ソフトウェア「PowerChute(R) Business Edition」をサポートする無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

APC社製ソフトウェア「PowerChute(R) Business Edition」をサポートする無停電電源装置をホストに接続するときのセットアップを説明します。

(a) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. ホストに無停電電源装置を接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. PowerChute Business Editionエージェントをインストールし,環境設定をする。
    • SNMPアダプターのIPアドレスなどを設定する
    • PowerChute Business Editionエージェントをインストールする
    • PowerChute Business Editionに対応したUPSSLEEP.EXEをインストールする
      製品によっては,UPSSLEEP.EXEが標準でインストールされている場合があります。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  4. 次の二つを確認する。
    • UPSSLEEP.EXEがインストールされている
    • UPSSLEEP.EXEがインストールされているフォルダが,システム環境変数PATH内に設定されている
  5. PowerChute Business Editionを再起動する。
  6. PowerChute Business Editionで無停電電源装置が認識されているかどうか確認する。
  7. UPSSLEEP.EXEコマンドを実行する。
    無停電電源装置を正常に制御できるかどうか確認してください。

(b) マネージャーホストの設定

ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をします。

(7) 山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置をホストに接続する場合の設定

山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置を接続したホストを制御するときのセットアップを説明します。

(a) エージェントホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. 山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置をホストに接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  3. SAN GUARD IV Liteをインストールし,環境設定をする。
    インストールおよび環境設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。
    環境設定では,無停電電源装置または電源制御装置にIPアドレスなどを設定します。
    SAN GUARD IV Liteを電源制御装置とシリアル接続する場合は,電源制御装置側で「ネットワーク環境を使用する」設定にしてください。
    環境設定をしたあと,SAN GUARD IV Liteを起動して,正常に制御できるかどうか確認してください。

(b) マネージャーホストの設定

  1. ホストにLANボードを組み込み,ネットワークの設定をする。
  2. エージェントホストの電源制御装置を制御するための電源制御コマンドsgctlcmd.exeおよび電源制御コマンド起動バッチファイルsgctlcmd_remote.batをコピーする。
    マネージャーホストに山洋電気社製の無停電電源装置または電源制御装置を接続している場合は,SAN GUARD IV Liteをインストールし,環境設定をしてください。

(8) 上記以外の電源制御装置の設定

上記以外の電源制御装置の設定方法については,各製品のマニュアルを参照してください。電源制御装置を制御するコマンドについては,「5.2.4 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。電源制御装置を設定したあと,正常に制御できるかどうか,動作を確認してください。