各コマンドの共通引数の形式
ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式,およびインフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式について説明します。
(1)ジョブ制御機能のコマンドで共通の引数の形式
ジョブ制御機能のコマンドで共通の「R/3あて先情報」,「R/3ログオン情報」,および「リダイレクション情報」の詳細形式について説明します。
R/3あて先情報
R/3あて先情報は,R/3システムとの接続を確立するための引数です。R/3あて先情報の詳細形式を次に示します。
- R/3あて先情報
- -h ホスト名 [-s NN]|-d あて先
R/3あて先情報のオプションは,R/3システムへの接続方法に応じて次のように使い分けます。
- ホスト名を指定してR/3システムに接続する場合
ホスト名を指定してR/3システムに接続する場合は,「-h ホスト名 [-s NN]」を使用します。
- -h ホスト名
- 「ホスト名」に,R/3システムのホスト名を指定します。ホスト名には,次の形式の名称を使用できます。
- ・hostsアドレス(例:r3host1)
- ・IPアドレス(例:123.123.123.123)
- ・SAPルーターアドレス
- SAPルーターアドレスの形式については,R/3のマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。
- -s NN
- 「NN」に,R/3システムを識別するためのシステム番号を指定します。指定できる文字列の長さは,1~2バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。この項目を省略した場合,システム番号に0が設定されます。
- saprfc.iniファイルを使用してR/3システムに接続する場合
saprfc.iniファイルを使用してR/3システムに接続する場合は,「-d あて先」を使用します。
- -d あて先
- 「あて先」に,saprfc.iniファイルのDESTに指定した値を指定します。
- saprfc.iniファイルは次のように検索されます。なお,あて先は,使用するsaprfc.iniファイルのDESTにあらかじめ指定しておいてください。
-
- 環境変数RFC_INIにsaprfc.iniが指定されている場合
- 環境変数RFC_INIファイルに指定したsaprfc.iniファイルだけが検索されます。JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリにあるsaprfc.iniファイルは検索されません。
-
- 環境変数RFC_INIにsaprfc.iniが指定されていない場合
- JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリにあるsaprfc.iniファイルが検索されます。
-
- R/3あて先情報をコマンドラインの一部として指定しない場合
R/3あて先情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,すべてのオプションを省略して,r3defconファイルに指定したあて先情報(addressセクションの情報)を使用します。この場合,r3defconファイルの作成が必要です。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。
saprfc.iniファイル,r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。
R/3ログオン情報
R/3ログオン情報は,R/3システムにログオンするときのユーザー情報を指定するための引数です。R/3ログオン情報の詳細形式を次に示します。
- R/3ログオン情報
- -c R/3クライアント -u R/3ユーザー名 {-p パスワード | -p2 拡張パスワード} [-l 言語]
- -c R/3クライアント
- ログオン先のR/3システムで有効なR/3クライアントのクライアント番号を指定します。クライアント番号に指定できる文字列の長さは,1~3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,R/3クライアント番号をR/3システムに送るときには,1~2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。
- 例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,R/3システムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。
- -u R/3ユーザー名
- ログオン先のR/3システムで有効なR/3ユーザー名を指定します。
- 指定できるR/3 ユーザーについては「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
- R/3ユーザー名に指定できる文字列の長さは,1~12バイトです。
- R/3システムに対する制御は,このR/3ユーザーの権限で実行されます。
- -p パスワード
- -uオプションに指定したR/3ユーザーに対応するパスワードを指定します。
- パスワードに指定できる文字については「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
- パスワードに指定できる文字列の長さは,1~8バイトです。
- -p2 拡張パスワード
- -uオプションに指定したR/3ユーザーに対応する拡張パスワードを指定します。
- 拡張パスワードに指定できる文字については「2.2.9 ジョブ制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
- 拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1~40バイトです。
- -l 言語
- 使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。使用する言語には,R/3システムで使用できる言語を指定してください。「J」を指定すると,日本語が設定されます。「E」を指定すると,英語が設定されます。
- なお,次の場合,ログオン先のアプリケーションサーバで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。
- -lオプションを省略した場合
- ログオン先のアプリケーションサーバで定義されていない言語種別を指定した場合
なお,R/3ログオン情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,r3defconファイルに指定したログオン情報(logonセクションの情報)を使用します。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。
r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。
リダイレクション情報
コマンド実行時の標準出力先,および標準エラー出力先を指定するための引数です。リダイレクション情報の形式を次に示します。
- -so 標準出力ファイル名
- コマンド実行時の標準出力先を指定します。
- 標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとUNIX系OSとで異なります。
- Windowsの場合
標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~259バイトです。
- UNIX系OSの場合
標準出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~255バイトです。
- 標準出力ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。
- コマンド実行時の標準出力メッセージは,このファイルに追加書きで書き込みます。
- -se 標準エラー出力ファイル名
- コマンド実行時の標準エラー出力先を指定します。
- 標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,WindowsとUNIX系OSとで異なります。
- Windowsの場合
標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~259バイトです。
- UNIX系OSの場合
標準エラー出力ファイル名に指定できる文字列の長さは,1~255バイトです。
- 標準エラー出力ファイル名を絶対パスで指定しない場合,JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリにファイルが作成されます(JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリが設定されていない場合,カレントディレクトリにファイルが作成されます)。
- コマンド実行時の標準エラー出力メッセージは,このファイルに追加書きで書き込みます。
(2)インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式
インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の「SAP BWあて先情報」および「SAP BWログオン情報」の詳細形式について説明します。
SAP BWあて先情報
SAP BWあて先情報は,SAP BWシステムとの接続を確立するための引数です。SAP BWあて先情報の詳細形式を次に示します。
- SAP BWあて先情報
- -h ホスト名 [-s NN]|-d あて先
SAP BWあて先情報のオプションは,SAP BWシステムへの接続方法に応じて次のように使い分けます。
- ホスト名を指定してSAP BWシステムに接続する場合
ホスト名を指定してSAP BWシステムに接続する場合は,「-h ホスト名 [-s NN]」を使用します。
- -h ホスト名
- 「ホスト名」に,SAP BWシステムのホスト名を指定します。ホスト名には,次の形式の名称を使用できます。
- ・hostsアドレス(例:bwhost1)
- ・IPアドレス(例:123.123.123.123)
- ・SAPルーターアドレス
- SAPルーターアドレスの形式については,SAP BWのマニュアルおよびオンラインヘルプを参照してください。
- -s NN
- 「NN」に,SAP BWシステムを識別するためのシステム番号を指定します。指定できる文字列の長さは,1~2バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。この項目を省略した場合,システム番号に0が設定されます。
- saprfc.iniファイルを使用してSAP BWシステムに接続する場合
saprfc.iniファイルを使用してSAP BWシステムに接続する場合は,「-d あて先」を使用します。
- -d あて先
- 「あて先」に,saprfc.iniファイルのDESTに指定した値を指定します。
- saprfc.iniファイルは次のように検索されます。なお,あて先は,使用するsaprfc.iniファイルのDESTにあらかじめ指定しておいてください。
-
- 環境変数RFC_INIにsaprfc.iniが指定されている場合
- 環境変数RFC_INIファイルに指定したsaprfc.iniファイルだけが検索されます。JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリにあるsaprfc.iniファイルは検索されません。
-
- 環境変数RFC_INIにsaprfc.iniが指定されていない場合
- JP1/AJS2 for EAPの作業ディレクトリにあるsaprfc.iniファイルが検索されます。
-
- SAP BWあて先情報をコマンドラインの一部として指定しない場合
SAP BWあて先情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,すべてのオプションを省略して,r3defconファイルに指定したあて先情報(addressセクションの情報)を使用します。この場合,r3defconファイルの作成が必要です。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。
saprfc.iniファイル,r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。
SAP BWログオン情報
SAP BWログオン情報は,SAP BWシステムにログオンするときのユーザー情報を指定するための引数です。SAP BWログオン情報の詳細形式を次に示します。
- SAP BWログオン情報
- -c SAP BWクライアント -u SAP BWユーザー名 {-p パスワード | -p2 拡張パスワード} [-l 言語]
- -c SAP BWクライアント
- ログオン先のSAP BWシステムで有効なSAP BWクライアントのクライアント番号を指定します。クライアント番号に指定できる文字列の長さは,1~3バイトです。文字列に使用できるのは,数字だけです。なお,SAP BWクライアント番号をSAP BWシステムに送るときには,1~2バイトで指定したクライアント番号は3バイトに変換されます。
- 例えば,クライアント番号が「001」の場合,「1」,「01」,または「001」の3パターンの指定ができます。ただし,SAP BWシステムには,3バイト形式のクライアント番号「001」が送られます。
- -u SAP BWユーザー名
- ログオン先のSAP BWシステムで有効なSAP BWユーザー名を指定します。
- 指定できるSAP BWユーザーについては「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
- SAP BWユーザー名に指定できる文字列の長さは,1~12バイトです。
- SAP BWシステムに対する制御は,このSAP BWユーザーの権限で実行されます。
- -p パスワード
- -uオプションに指定したSAP BWユーザーに対応するパスワードを指定します。
- パスワードに指定できる文字については「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
- パスワードに指定できる文字列の長さは,1~8バイトです。
- -p2 拡張パスワード
- -uオプションに指定したSAP BWユーザーに対応する拡張パスワードを指定します。
- 拡張パスワードに指定できる文字については「2.3.9 インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御用のSAPユーザーを用意する」を参照してください。
- 拡張パスワードに指定できる文字列の長さは,1~40バイトです。
- -l 言語
- 使用する言語種別を1バイトの英字で指定します。使用する言語には,SAP BWシステムで使用できる言語を指定してください。「J」を指定すると,日本語が設定されます。「E」を指定すると,英語が設定されます。
- なお,次の場合,ログオン先のSAP BWシステムで定義されている言語種別のデフォルトが使用されます。
- -lオプションを省略した場合
- ログオン先のSAP BWシステムで定義されていない言語種別を指定した場合
なお,SAP BWログオン情報をコマンドラインの一部として指定しない場合は,r3defconファイルに指定したログオン情報(logonセクションの情報)を使用します。あらかじめ,コマンドを実行するユーザーのホームディレクトリ下にr3defconファイルを作成しておいてください。
r3defconファイルの作成については,「2. インストールとセットアップ」を参照してください。