JP1/Automatic Job Management System 2 for Enterprise Applications
形式1
jbwipsta [SAP BWあて先情報]
[SAP BWログオン情報]
{-ip インフォパッケージID | -pc プロセスチェーンID}
[-wait [-time 監視時間]
[-ival 監視間隔]
[-qmwait_time 待ち時間]]
形式2
jbwipsta -help
機能
SAP BWシステム上にあらかじめ定義されたインフォパッケージまたはプロセスチェーンを開始します。
- インフォパッケージ開始の場合
インフォパッケージの開始が成功すると,SAP BWシステムでは,インフォパッケージの依頼を識別するための依頼番号が割り当てられます。この依頼番号は,メッセージの一部として標準出力に出力されます。ユーザーはこの依頼番号を使用して,SAPフロントエンドソフトウェアでインフォパッケージの状態を確認できます。
- プロセスチェーン開始の場合
プロセスチェーンの開始が成功すると,SAP BWシステムでは,プロセスチェーンの実行ログを識別するためのログIDが割り当てられます。このログIDは,メッセージの一部として標準出力に出力されます。ユーザーはこのログIDを使用して,SAPフロントエンドソフトウェアでプロセスチェーンの状態や実行ログを確認できます。
引数
SAP BWあて先情報
開始対象のインフォパッケージまたはプロセスチェーンが登録されているSAP BWシステムを指定します。SAP BWあて先情報の形式については,「(2)インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。
SAP BWログオン情報
開始対象のインフォパッケージまたはプロセスチェーンが登録されているSAP BWシステムで有効なログオン情報を指定します。SAP BWログオン情報の形式については,「(2)インフォパッケージまたはプロセスチェーン制御機能のコマンドで共通の引数の形式」を参照してください。
-ip インフォパッケージID
開始させるインフォパッケージのIDを指定します。IDに指定できる文字列の長さは,30バイト(固定)です。
-ipまたは-pcオプションのどちらかを必ず指定します。同時には指定できません。
-pc プロセスチェーンID
開始させるプロセスチェーンのIDを指定します。IDに指定できる文字列の長さは,1〜25バイトです。
-ipまたは-pcオプションのどちらかを必ず指定します。同時には指定できません。
-wait
開始したインフォパッケージまたはプロセスチェーンが終了するまでインフォパッケージまたはプロセスチェーンを監視します(インフォパッケージまたはプロセスチェーンの実行が終了するまで,コマンドラインからコマンドを実行できなくなります)。
インフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了は,SAP BWシステムより次のステータスを取得して判断しています。
- インフォパッケージの終了監視
トランザクションRSMONの[モニター]ツリーで確認できるインフォパッケージの依頼のステータス(「ステータス」タブに表示される[合計],および[技術]のステータス)。
- プロセスチェーンの終了監視
トランザクションRSPCの[ログビュー]画面で確認できるプロセスチェーンのステータス。
-time 監視時間
インフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了を監視する時間(単位:分)を指定します。監視時間に指定した時間,インフォパッケージまたはプロセスチェーンの終了を監視できます。監視時間は,-ivalオプションで指定した監視間隔より長くなるように指定してください。監視時間に指定できる値は,1〜65,535です。-timeオプションの指定を省略した場合,監視時間は無限になります。
なお,指定した監視時間内にインフォパッケージまたはプロセスチェーンが終了しない場合は,インフォパッケージまたはプロセスチェーンの監視がタイムアウトになり,インフォパッケージまたはプロセスチェーンの状態に関係なくコマンドが終了します。
-timeオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。
-ival 監視間隔
インフォパッケージまたはプロセスチェーンを監視する時間間隔(単位:秒)を指定します。インフォパッケージまたはプロセスチェーンが終了するまで,監視間隔に指定した周期でインフォパッケージまたはプロセスチェーンを監視できます(インフォパッケージまたはプロセスチェーンのポーリング監視)。監視間隔に指定できる値は,1〜65,535です。-ivalオプションの使用時に監視間隔の指定を省略した場合,監視間隔に5が設定されます。
なお,デフォルトの監視間隔(5秒)は,環境設定ファイルで変更できます。
-ivalオプションは,-waitオプションを指定した場合に有効です。
-qmwait_time 待ち時間
インフォパッケージが正常終了してからそのインフォパッケージを実行するジョブが終了するまでの時間(待ち時間,単位:秒)を指定します。JP1/AJS2 for EAPでは,インフォパッケージのデータロード後に実行される,QMアクション(ロードしたデータの有効化処理)やインフォパッケージの後続処理(重複依頼の削除など)の終了は監視できません。これらの処理の終了を待って後続ジョブを実行したい場合には,この待ち時間を設定します。待ち時間に指定できる値は0〜65,535です。-qmwait_timeオプションの指定を省略した場合,環境設定ファイルのQMActionWaitTimeキー(Commandセクション)で設定された秒数が仮定されます。
-qmwait_timeオプションは,-ipおよび-waitオプションを指定した場合に有効です。
-help
このコマンドの使用方法を表示します。
戻り値
- -waitオプションを指定していない場合
- 0
- インフォパッケージまたはプロセスチェーンの開始に成功した
- 1以上の整数
- インフォパッケージまたはプロセスチェーンの開始に失敗した
- -ipおよび-waitオプションを指定した場合
- 0
- インフォパッケージが正常終了した
- 1
- インフォパッケージが異常終了した
- 2
- インフォパッケージの終了を検出する前にタイムアウトした
- 3以上の整数
- コマンドの異常終了(インフォパッケージの開始失敗,または終了監視の失敗)
- -pcおよび-waitオプションを指定した場合
- 0
- プロセスチェーンが正常終了した
- 1
- プロセスチェーンが異常終了または強制終了した
- 2
- プロセスチェーンの終了を検出する前にタイムアウトした
- 3以上の整数
- コマンドの異常終了(プロセスチェーンの開始失敗,または終了監視の失敗)
注意事項
- インフォパッケージ開始の場合
- このコマンドで開始するインフォパッケージは,事前にSAP BW上に定義し,正常に動作することを確認しておく必要があります。
- このコマンドでインフォパッケージを開始するためには,インフォパッケージをバックグラウンド処理で開始できるように定義しておく必要があります。そのためには,インフォパッケージのスケジューラーの定義で「バックグラウンド処理」を選択し,インフォパッケージをバックグラウンド処理で開始するときの開始条件を「即時実行」としてください。
- このコマンドでインフォパッケージの終了を監視するためには,インフォパッケージが警告終了した場合に,信号が青信号または赤信号に遷移するように設定しておく必要があります。そのためには,アドミニストレータワークベンチのモニター画面から[設定→依頼の評価(信号)]メニューを選択したときに表示される画面で,「システムにデータがない場合の依頼の表示方法」および「処理中の依頼で警告が発生した場合の表示方法」を「正常終了(青信号)」または「異常終了(赤信号)」に設定してください。
- プロセスチェーン開始の場合
- このコマンドで開始するプロセスチェーンは,事前にSAP BW上に定義し,正常に動作することを確認しておく必要があります。
- このコマンドでプロセスチェーンを開始するためには,プロセスチェーンをSAP BW以外のシステムから即時実行できるように定義しておく必要があります。そのためには,プロセスチェーンの開始プロセスで,「メタチェーンまたはAPIによる開始」をチェックしてください。
- JP1/AJS2からプロセスチェーンを実行するジョブを再実行すると,プロセスチェーンは,異常が発生したプロセスからではなく,プロセスチェーンの先頭から再実行されます。そのため,JP1/AJS2からプロセスチェーンを実行するジョブを再実行する場合は,プロセスチェーンは再実行可能な最小単位で作成することをお勧めします。
使用例
- 次の条件で,インフォパッケージを開始します。
- SAP BWあて先情報を指定する(ホスト名:bw20b01,システム番号:00)
- SAP BWログイン情報を指定する(クライアント番号:100,ユーザー名:JP1,パスワード:bw2001,言語:J)
- インフォパッケージを指定する(インフォパッケージID:ZPAK_54QRO40UDA09WUQDLD92RSYRL)
- インフォパッケージの終了監視を行う(監視時間:10分,監視間隔:10秒)
このときのjbwipstaコマンドのコマンドラインを次に示します。
jbwipsta -h bw20b01 -s 00 -c 100 -u JP1 -p bw2001 -l J -ip ZPAK_54QRO40UDA09WUQDLD92RSYRL -wait -time 10 -ival 10- 次の条件で,プロセスチェーンを開始します。
- SAP BWあて先情報を指定する(ホスト名:bw35001,システム番号:00)
- SAP BWログイン情報を指定する(クライアント番号:100,ユーザー名:JP1,パスワード:bw35001,言語:J)
- プロセスチェーンを指定する(プロセスチェーンID:ZPC_HRCALCMNTH)
- プロセスチェーンの終了監視を行う(監視時間:30分,監視間隔:5秒)
このときのjbwipstaコマンドのコマンドラインを次に示します。
jbwipsta -h bw35001 -s 00 -c 100 -u JP1 -p bw35001 -l J -pc ZPC_HRCALCMNTH -wait -time 30 -ival 5
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