2.4.2 PDF変換ジョブを同時に複数実行する場合の注意事項
JP1/AJS2は,同時に実行するジョブの数の最大値「ジョブ実行多重度」を定義することで,複数のジョブを同時に実行できます。PDF変換ジョブも,JP1/AJS2でジョブ実行多重度を設定しておけば,次の図のように同時に複数のPDF変換ジョブを実行できます。
図2-5 PDF変換ジョブの同時実行
![[図データ]](figure/zup02060.gif)
ただし,ジョブ実行多重度を設定する場合は,次の事項に従ってください。
- 1台のジョブ実行ホストに設定できるジョブ実行多重度を見積もる
- 同じファイルが同時に変換されないようにする
それぞれについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) ジョブ実行多重度を見積もる
- (2) 同じファイルが同時に変換されないようにする
(1) ジョブ実行多重度を見積もる
PDF変換ジョブのジョブ実行多重度は,次の見積もり式で算出してください。
ジョブ実行多重度(単位:整数)=
(活文PDFstaffが受け付けられるPDF変換ファイル数※1
÷ 活文PDFstaffに同時に接続するジョブ実行ホスト数)
÷ 4※2 |
- 注※1
- (活文PDFstaffが同時にPDF変換できるファイル数+PDF変換を待機できるファイル数)を指します。デフォルト値は24です。ただし,活文PDFstaffの設定によって異なります。詳細は,活文PDFstaffのマニュアルを参照してください。
- 注※2
- 一つのジョブの実行で,活文PDFstaffに一度に依頼できる変換ファイル数が,4ファイルであることを示します。
PDF変換ジョブのジョブ実行多重度の考え方を,1台の活文PDFstaffに3台のジョブ実行ホストが接続する例で説明します。
図2-6 PDF変換ジョブのジョブ実行多重度の考え方
![[図データ]](figure/zup02070.gif)
図中のフローの順番に沿って説明します。
- 活文PDFstaffが受け付けられるPDF変換ファイル数
まず,活文PDFstaffが一度に受け付けられるPDF変換ファイル数を調査してください。
活文PDFstaffが受け付けられるPDF変換ファイル数は,同時にPDF変換できるファイル数(デフォルト:4)とPDF変換を待機できるファイル数(デフォルト:20)の合計で,デフォルトは24です。
- 24÷3(活文PDFstaffに同時に接続するジョブ実行ホスト数)=8
次に,ジョブ実行ホストが,活文PDFstaffに同時にPDF変換依頼できるファイル数を考えます。
ジョブ実行ホスト数が3台だとすると,1台のジョブ実行ホストが同時に活文PDFstaffに依頼できるPDF変換ファイルの数は,24(ファイル)÷3(台)=8(ファイル)となります。
- 8÷4(一つのジョブの実行で,一度に活文PDFstaffに依頼できる変換ファイル数)=2
最後に,1台のジョブ実行ホストに設定できるジョブ実行多重度を考えます。
一つのPDF変換ジョブの実行で,同時に活文PDFstaffに依頼できる変換ファイル数は,4ファイルと決まっています。
1台のジョブ実行ホストが活文PDFstaffに同時に依頼できるファイル数は8ファイルなので,8(ファイル)÷4(ファイル)=2(ジョブ)となります。したがって,1台のジョブ実行ホストに設定できるジョブ実行多重度は2となります。
なお,この例では,ジョブ実行ホスト3台ともジョブ実行多重度を2としましたが,すべて同じである必要はありません。例えば,1台目のジョブ実行多重度を1(4ファイル),2台目のジョブ実行多重度を3(12ファイル),3台目のジョブ実行多重度を2(8ファイル)と設定しても,活文PDFstaffに依頼するファイル数は,計24ファイルです。最終的に,活文PDFstaffが受け付けられるファイル数と,ジョブ実行ホストから依頼するファイル数が一致していれば問題ありません。
(2) 同じファイルが同時に変換されないようにする
PDF変換ジョブに定義する,PDF変換対象ファイルおよびフォルダは,排他制御されません。同じPDF変換対象ファイルおよびフォルダが指定されたPDF変換ジョブが同時に実行されないように,ジョブネットを定義してください。