2.4.1 PDF変換エラーの対処に備えたジョブネットの定義方法

PDF変換でエラーが発生した場合,PDF変換する前のファイルの内容を確認して対処することがあるため,PDF変換する前のファイルを削除しないで残しておく配慮が必要です。

PDF変換する前のファイルは,ジョブ実行ホストに「入力フォルダ」というフォルダを作成して格納します。入力フォルダに格納しているファイルを自動的に削除しないようにジョブネットを定義してください。

推奨しない定義例を次に示します。

図2-2 推奨しない定義例

[図データ]

この定義では,PDF変換ジョブの終了判定を「常に正常」としているため,PDF変換ジョブの実行結果が正常でも異常でも,入力ファイル削除ジョブが実行されます。したがって,PDF変換する前のファイルが自動的に削除されてしまいます。このような定義は避けてください。

 

推奨する定義例を次の図に示します。

図2-3 推奨する定義例-1 ジョブネットを中断させる定義

[図データ]

この定義では,PDF変換ジョブの定義で,終了判定に「しきい値による判定」を指定し,PDF変換ジョブの終了コード0で正常,終了コード1で警告,終了コード2以上で異常と判定されるよう設定しています。

これによって,PDF変換ジョブの実行結果が異常の場合,入力ファイル削除ジョブ以降のジョブが実行されないため,PDF変換前のファイルを残せます。

終了コードの詳細は,「4.4.2 JP1/AJS2 for 活文PDFstaffの終了コード」を参照してください。

 

また,PDF変換に失敗しても後続ジョブを実行したい場合,次の定義例を推奨します。

図2-4 推奨する定義例-2 PDF変換に失敗したら入力ファイルの削除処理だけをスキップする定義

[図データ]

この定義では,終了コード2の場合は警告となり,入力ファイル削除ジョブがスキップされ,後続ジョブだけが実行されます。

終了コード0の場合は正常となり,正常の場合だけ入力ファイル削除ジョブが実行されます。また,後続ジョブも実行されます。

なお,終了コードが2を超えた場合は異常となり,判定ジョブ以降のジョブは実行されません。