2.2.1 状態取得による一覧表示

状態取得条件設定フレームで指定した条件を満たすジョブまたはジョブネットの情報を検索し,検索結果が一覧表形式で表示されます。状態取得対象のユニットは,ユニット名を使って指定します。

<この項の構成>
(1) 監視対象の指定
(2) 表示情報のフィルタリング
(3) 表示方法の選択
(4) 監視方法の選択
(5) 表示項目のソート

(1) 監視対象の指定

(a) ユニットの指定

監視対象のユニットを,ホスト名,サービス名,ユニット名で指定します。

ユニット名の指定方法には,絶対パス名でユニット名を指定する方法のほかに,ワイルドカードで指定する方法があります。ワイルドカードで指定する場合,次の表の正規表現を利用できます。

表2-1 ワイルドカード指定で利用できる正規表現

正規表現説明
*0文字以上の任意の文字列
?任意の一文字

なお,ユニット名の指定時に「¥」(円記号),「"」(ダブルクォーテーションマーク),「`」(バッククォーテーションマーク),「[」(開き大括弧),および「]」(閉じ大括弧)は使用できません。

(b) ユニット種別の選択

監視対象のユニットとして,指定ユニット配下のユニットも対象にするかどうかを選択できます。配下のユニットも対象にする場合,どの種別のユニットを対象にするかを選択できます。

表2-2 指定ユニット配下のユニット種別

ユニット種別説明
指定したユニットだけユニット名に指定したユニットだけを監視対象とします
指定したユニット以下全ユニットユニット名に指定したユニット配下の全ユニットを監視対象とします
指定したユニット以下ルートジョブネットだけユニット名に指定したユニット配下のルートジョブネットだけを監視対象とします
指定したユニット以下ジョブネットだけユニット名に指定したユニット配下のジョブネットだけを監視対象とします
指定したユニット以下ジョブだけユニット名に指定したユニット配下のジョブだけを監視対象とします

検索条件に指定するユニット種別と表示されるユニット種別の対応を次の表に示します。

表2-3 検索条件に指定するユニット種別と表示されるユニット種別の対応

ユニット種別検索条件に指定するユニット種別
指定したユニットだけ指定したユニット以下全ユニット指定したユニット以下ルートジョブネットだけ指定したユニット以下ジョブネットだけ指定したユニット以下ジョブだけ
ジョブグループ
ルートジョブネット(通常)
ルートリモートジョブネット(通常)
ルートジョブネット(プランニンググループ配下)
リモートルートジョブネット(プランニンググループ配下)
ネストジョブネット
ネストリモートジョブネット
マネージャジョブグループ
マネージャジョブネット
プランニンググループ
ジョブ
ホストリンクジョブネット
(凡例)
○:表示される
-:表示されない(対象とならない)
注※
該当するユニットを指定した場合

(2) 表示情報のフィルタリング

一覧の表示では,次の条件でのフィルタリングができます。

指定できる条件説明
状態実行状態
  • 実行中
  • 保留中
  • 閉塞
  • 結果
  • 監視中
  • 予定
指定した状態だけが表示されます。
一つも指定しない場合は,未登録以外のすべての状態が表示されます。
「実行中」および「結果」については,詳細状態として「すべて」「正常」「警告」「異常」「警告・異常」のどれかを選択できます。詳細状態を指定しない場合は,「すべて」になります。
遅延状態
  • 開始遅延あり
  • 終了遅延あり
開始遅延,終了遅延状態のユニットが表示されます。
保留予定保留予定のあるユニットだけが表示されます。
コメント文字列指定した文字列をコメント中に含むユニットだけが表示されます。
実行ホスト名指定したホスト名を実行先とするユニットだけが表示されます。

(a) 条件の組み合わせ方

(b) 指定する状態とJP1/AJS2 - Manager上の状態との対応

次の表に検索条件に指定する状態とJP1/AJS2 - Manager上の状態との対応を示します。

表2-4 検索条件として指定する状態とJP1/AJS2 - Manager上の状態との対応

JP1/AJS2 - Web Operation Assistantの検索条件JP1/AJS2 - Manager上の状態状態の存在有無
状態詳細状態ジョブネットジョブ
ルートネスト
実行中正常実行中
キューイング
警告警告検出実行中
異常異常検出実行中
保留中保留中
閉塞閉塞
結果正常正常終了
正常終了-偽
計画未実行
繰り越し未実行
監視正常終了
監視未起動終了
監視中断
警告警告検出終了
異常未実行終了
異常検出終了
順序不正
中断
強制終了
起動失敗
監視打ち切り終了
終了状態不明
監視中監視中
予定実行待ち
開始時刻待ち
先行終了待ち
(凡例)
○:状態が存在する。
-:状態が存在しない。

(3) 表示方法の選択

一括表示か分割表示が選択できます。

(4) 監視方法の選択

監視対象のジョブネットの世代のうち,どのような状態を優先して表示するか次の二つの監視方法から選択できます。

それぞれの監視方法の表示優先度について説明します。

(a) 表示優先度

監視対象の表示優先度には,結果を優先する場合と予定を優先する場合の2とおりがあります。

表2-5 監視方法と表示優先度

監視方法表示優先度
全世代時刻優先結果を優先的に表示する
全世代時刻予定優先予定を優先的に表示する

 

それぞれの場合の状態の表示優先度を次に示します。

 

 

表2-6と表2-7からわかるように,「実行中」の世代が最も優先して表示されます。また,同じ状態の世代が複数ある場合は,各状態の開始時刻,開始予定時刻,終了時刻などの時刻が現在時刻に最も近い世代を優先します。

同じ状態の世代が複数ある場合の表示例を次に示します。

図2-2 同じ状態の世代が複数ある場合の表示例

[図データ]

(b) 結果優先と予定優先の状態表示例

結果優先の場合と予定優先の場合の,当日対象および全世代対象の状態表示例を次に示します。

●ジョブネットの予実績とJP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態表示

監視の対象範囲にある各世代の状態(予実績)と,JP1/AJS2 - Web Operation Assistantで表示される状態を示します。

表2-8 各世代の状態(予実績)とJP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態表示

各世代の状態(予実績)JP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態表示
前日
以前
当日翌日
以降
結果優先予定優先
(表示なし)(表示なし)
結果結果結果
結果結果結果
実行中実行中実行中
予定予定予定
予定予定予定
結果1結果2実行中予定1予定2実行中実行中
結果1結果2結果2結果2
結果実行中実行中実行中
結果予定結果予定
結果予定結果予定
結果実行中実行中実行中
結果予定結果予定
結果予定結果予定
実行中予定実行中実行中
実行中予定実行中実行中
予定1予定2予定1予定1
結果1結果2実行中実行中実行中
結果1結果2予定結果2予定
結果1結果2予定結果2予定
結果実行中予定実行中実行中
結果実行中予定実行中実行中
結果予定1予定2結果予定1
結果実行中予定実行中実行中
結果実行中予定実行中実行中
結果予定1予定2結果予定1
実行中予定1予定2実行中実行中
結果1結果2実行中予定実行中実行中
結果1結果2実行中予定実行中実行中
結果1結果2予定1予定2結果2予定1
結果実行中予定1予定2実行中実行中
結果実行中予定1予定2実行中実行中
(凡例)
-:世代なし。

監視の対象範囲に世代(予実績)がない場合や,「起動条件待ち」の世代は,表示の対象外となります。

●起動条件が設定されているジョブネットの状態表示

監視対象のジョブネットに起動条件が設定されている場合の状態表示について次に示します。

表2-9 起動条件付きジョブネットの状態表示

起動条件の成立状態JP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態表示
起動条件ルート
ジョブネット
結果優先予定優先
不成立監視中起動条件待ち監視中監視中
監視未起動終了監視未起動終了監視未起動終了
または
開始時刻待ち
監視打ち切り終了監視打ち切り終了監視打ち切り終了
または
開始時刻待ち
監視中断監視中断監視中断
または
開始時刻待ち
成立監視中実行中
起動条件待ち
実行中実行中
結果
起動条件待ち
結果監視中
監視打ち切り終了実行中実行中実行中
監視打ち切り前結果監視打ち切り終了監視打ち切り終了
または
開始時刻待ち
監視打ち切り後結果結果結果
または
開始時刻待ち
監視中断結果監視中断監視中断
または
開始時刻待ち
監視正常終了実行中実行中実行中
結果結果結果
または
開始時刻待ち
(凡例)
-:世代なし。

●スケジュールスキップ,多重スケジュールが設定されているジョブネットの状態表示

監視対象のジョブネットにスケジュールスキップ,または多重スケジュール(多重起動なし)が設定されている場合の状態表示について次に示します。

図2-3 スケジュールスキップ・多重スケジュール(多重起動なし)の状態表示例

[図データ]

スケジュールスキップを設定しているジョブネットの場合,スキップされた世代は「繰り越し未実行」状態となりますが,スキップされた世代の前世代の結果の方が現在時刻に近いため,「繰り越し未実行」状態は表示されません。

また,多重スケジュール(多重起動なし)を設定しているジョブネットの場合は,前の世代が終了するまで「開始時刻待ち」状態となりますが,前世代の「実行中」の状態の方が優先度が高いため,「開始時刻待ち」状態は表示されません。

●再実行したジョブネットの状態表示

ジョブネットが終了状態になってから再実行した場合は,再実行開始時刻を用いて表示する世代を決定します。次の場合,「実行中2」の実行開始時刻よりも「実行中1」の再実行開始時刻の方が現在時刻に近いため,「実行中1」が表示されます。

図2-4 ルートジョブネットが終了状態になってから再実行した場合の動作

[図データ]

一方,ルートジョブネットの状態が実行中のときに再実行した場合は,実行開始時刻を用いて表示する世代を決定します。次の例の場合,「実行中1」の実行開始時刻よりも「実行中2」の実行開始時刻の方が現在時刻に近いため,「実行中2」が表示されます。

図2-5 ルートジョブネットが実行中のときに再実行した場合の動作

[図データ]

(5) 表示項目のソート

一覧表の列項目名をクリックすると,指定した項目をキーに行データがソートされます。表示情報が複数ホストにわたった場合でも,全ホストの情報がまとめてソートされます。分割表示中にソートした場合,全ページのデータがソートされ,ソート後の第一ページが表示されます。昇順,降順は次のように指定します。