3.8.3 JP1/AJS2 - Web Operation Assistant側の設定

JP1/AJS2 - Web Operation Assistantは,監視先スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBまたはHiRDBの場合,状態取得時にJP1/AJS2 - Web Operation Assistant内のHiRDBクライアントを使用して,監視先スケジューラーサービスで使用している組み込みDBまたはHiRDBサーバに接続します。

HiRDBクライアントの動作環境は,クライアント環境定義によりカスタマイズが可能です。JP1/AJS2 - Web Operation Assistant内のHiRDBクライアントが参照するクライアント環境定義は,RDB接続定義ファイル(RDBINF.conf)で設定できます。

<この項の構成>
(1) RDB接続定義ファイルのセットアップ手順
(2) RDB接続定義ファイル
(3) RDB接続定義ファイル定義時の注意事項

(1) RDB接続定義ファイルのセットアップ手順

RDB接続定義ファイルを使用した,通信に関するセットアップの手順を示します。

  1. HTTPサーバーを停止する。
    Windowsの[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]で,次に示すサービスを停止します。
    JP1/AJS2 WOA HTTP Server
  2. アプリケーションサーバーを停止する。
    Windowsの[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]で,次に示すサービスを停止します。
    JP1/AJS2 WOA Web Application Server
  3. 次のRDB接続定義ファイルのモデルファイルを,同じフォルダにコピーする。

    JP1/AJS2 - Web Operation Assistantインストール先フォルダ¥conf¥dbclient¥RDBINF.conf.model

  4. 手順3でコピーしたファイルの名称を「RDBINF.conf」に変更する。
  5. 手順3と手順4で作成したファイルをメモ帳などのテキストエディターで開き,ネットワーク構成に応じて監視先ホストごとにクライアント環境定義に値を設定する。
    クライアント環境定義の設定値については,監視先スケジューラーサービスのデータベースに組み込みDBをご使用の場合は「3.8.3(2)RDB接続定義ファイル」を,HiRDBをご使用の場合は,ご使用のHiRDBのマニュアルを参照してください。
  6. アプリケーションサーバーを起動する。
    Windowsの[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]で,手順2で停止した次のサービスを起動します。
    JP1/AJS2 WOA Web Application Server
  7. HTTPサーバーを起動する。
    Windowsの[コントロールパネル]-[管理ツール]-[サービス]で,手順1で停止した次のサービスを起動します。
    JP1/AJS2 WOA HTTP Server

(2) RDB接続定義ファイル

(a) RDBINF.conf.modelの内容

RDB接続定義ファイルのモデルファイルの内容を次に示します。

[OBSERVE_HOSTNAME]
GETSTATUSMODE=
OBSERVESRVTYPE=
[OBSERVE_HOSTNAME:OBSERVE_SCHEDULERSERVICENAME]
PDSERVICEPORT=
PDSERVICEGRP=
PDFESHOST=
PDSRVTYPE=
PDCLTRCVPORT=
PDCLTRCVADDR=

(b) RDB接続定義ファイルの形式

RDB接続定義ファイルには,パラメーターとクライアント環境定義を設定します。RDB接続定義ファイルの記述形式を次に示します。

JP1/AJS2 - Web Operation Assistantが同時に複数の監視先に接続する場合,監視先ごとに設定してください。

[図データ]

(c) RDB接続定義ファイルのパラメーター一覧

ここでは,監視先スケジューラーサービスのパラメーターの内容を説明します。

監視先の指定方法を次に示します。

表3-4 監視先の指定方法(RDBINF.conf)

パラメーター内容備考
OBSERVE_HOSTNAME監視先ホスト名を指定します。検索条件設定フレームで指定された監視先のホスト名と同じ値を指定します。
監視先ホストをFQDN名で指定する場合は,FQDN形式のホスト名を指定してください。
OBSERVE_SCHEDULERSERVICENAME状態取得時に参照するスケジューラーサービス名を指定します。検索条件設定フレームで指定された監視先のサービス名と同じ値を指定してください。英字は大文字と小文字が区別されます。

監視先スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBの場合に設定するクライアント環境定義の内容を次に示します。監視先スケジューラーサービスのデータベースにHiRDBをご使用の場合は,ご使用のHiRDBのマニュアルを参照してください。

表3-5 RDB接続定義ファイルのパラメーター一覧(RDBINF.conf)

パラメーター内容
GETSTATUSMODE監視先への状態取得モードを指定します。
OBSERVESRVTYPE監視先の組み込みDB サーバまたはHiRDBサーバのサーバ種別(WSまたはPC)を指定します。
PDSERVICEPORT監視先の組み込みDBサーバ上の,クライアント接続用ポート番号を指定します。
PDSERVICEGRP監視先の組み込みDBサーバの,シングルサーバ名を指定します。
PDSRVTYPE監視先の組み込みDBサーバの,サーバ種別を指定します。
PDCLTRCVPORTJP1/AJS2 - Web Operation Assistantサーバ上の,クライアントの受信ポート番号を指定します。
PDCLTRCVADDRJP1/AJS2 - Web Operation AssistantホストのIPアドレスまたはホスト名を指定します。

(d) RDB接続定義ファイルの設定内容

●パラメーターの設定内容

RDB接続定義ファイルで設定する,パラメーターの設定内容を次に示します。

GETSTATUSMODE={0|1}
状態取得モードを指定します。
0
従来と同様の状態取得モードにします。
1
大規模運用時に,運用規模全体サイズに依存しないようにし,性能低下を抑制できる状態取得モードにします。
監視先スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBまたはHiRDB(ただしVersion 7以降)の場合に指定してください。「1」を指定した場合は,OBSERVESRVTYPEパラメーターを必ず設定してください。
デフォルトは「0」です。
OBSERVESRVTYPE={WS|PC}
監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバのサーバ種別を指定します。この指定値は,GETSTATUSMODEパラメーターに「1」を指定した場合だけ有効です。
WS
監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバがHP-UX,Solaris,AIXで稼働する場合に指定します。
PC
監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバがLinuxまたはWindowsで稼働する場合に指定します。
注意事項
  • GETSTATUSMODEパラメーターに「1」を指定し,OBSERVESRVTYPEパラメーターを指定しない場合は,JP1/AJS2 WOA Web ApplicationServerサービス起動時にエラーが発生して,状態取得できないため必ず指定してください。
  • サーバ種別の指定が監視先ホストのサーバ種別と異なる場合,ユニットの状態が正常に取得できないため,サーバ種別は正しく指定してください。

●クライアント環境定義の設定内容

RDB接続定義ファイルで設定する,クライアント環境定義の設定内容を次に示します。

PDSERVICEPORT=クライアント接続用ポート番号 [,待機系のクライアント接続用ポート番号]
~〈符号なし整数〉((5001~65535))
JP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態取得のための検索要求受け付けに使用する,監視先の組み込みDBサーバ上のポート番号を指定します。
監視先の組み込みDBサーバ側に,次の環境が両方とも設置されている場合に指定します。
  • パケットフィルタリング
  • NAT
接続する組み込みDBサーバのシステム定義pd_service_portオペランドで指定した値を指定してください。pd_service_portオペランドについては,監視先にVersion7のJP1/AJS2 - Manager を使用している場合は,マニュアル「JP1 Version 7i JP1組み込みデータベース操作ガイド」を,Version8のJP1/AJS2 - Manager を使用している場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」を参照してください。
注意事項
監視先がクラスタ運用をしていて,実行系,待機系のシステム定義のpd_service_portオペランドでそれぞれ異なるポート番号を指定している場合,待機系のクライアント接続用ポート番号も一緒に指定してください。ポート番号については,「付録C ポート番号一覧」を参照してください。
PDSERVICEGRP=サーバ名
~〈文字列〉((最大30バイト))
監視先の組み込みDBサーバの,シングルサーバ名を指定します。監視先が組み込みDBの場合,または監視先のHiRDBサーバをJP1/AJS2 - Managerのデフォルトのセットアップスクリプトでセットアップした場合,「ajs2」を指定してください。それ以外の場合は,セットアップ時に指定したシングルサーバ名を指定してください。
監視先の組み込みDBサーバ側に,次の環境が両方とも設置されている場合に指定します。
  • パケットフィルタリング
  • NAT
PDSRVTYPE={WS|PC}
監視先の組み込みDBサーバのサーバ種別を指定します。
WS
監視先の組み込みDBサーバがHP-UX,Solaris,AIXで稼働する場合に指定します。
PC
監視先の組み込みDBサーバがLinuxまたはWindowsで稼働する場合に指定します。
PDCLTRCVPORT=クライアントの受信ポート番号
~〈符号なし整数〉((5001~65535))
JP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態取得時に監視先スケジューラーサービスで使用している組み込みDBサーバからの検索結果データ受信に使用するJP1/AJS2 - Web Operation Assistantサーバ上のポート番号を指定します。
JP1/AJS2 - Web Operation Assistant側に,次の環境が設置されている場合に指定します。
  • パケットフィルタリング
注意事項
  • 複数の監視先スケジューラーサービスに対して同時に状態取得する場合,各監視先で設定した値が重複しないようにポート番号を指定してください。
  • OSが自動的に割り当てるポート番号の範囲に含まれないポート番号を指定してください。なお,OSが自動的に割り当てるポート番号の範囲は,OSごとに異なります。
  • ほかのプログラムが使用していないポート番号を指定してください。
ポート番号については,「付録C ポート番号一覧」を参照してください。
PDCLTRCVADDR={クライアントのIPアドレス|クライアントのホスト名}
~〈符号なし整数〉または〈識別子〉((最大256バイト))
JP1/AJS2 - Web Operation Assistantの状態取得時に監視先スケジューラーサービスで使用している組み込みDBサーバからの検索結果データ受信に使用するJP1/AJS2 - Web Operation AssistantホストのIPアドレスまたはホスト名を指定します。ホスト名にはFQDN形式のホスト名を指定することも可能です。
JP1/AJS2 - Web Operation Assistant側に,次の環境が設置されている場合に指定します。
  • NAT
IPアドレス
バイトごとにピリオドで区切られた10進数で指定します。
(指定例)PDCLTRCVADDR=172.18.131.34
FQDN
FQDNとは,ホスト名とドメイン名とを,ピリオドで結んだ名称のことをいいます。
(指定例)PDCLTRCVADDR=host1.soft.hitachi.co.jp
注意事項
この環境変数に不正なIPアドレスまたはホスト名を指定した場合,状態取得時に組み込みDBサーバからの応答が受け付けられないため,5分間のタイマー監視後にKAVI3250-Eのエラーとなります。

(3) RDB接続定義ファイル定義時の注意事項