1.7 使用上の注意事項
この節では,JP1/AJS2 - Definition Assistantの使用上の注意事項について説明します。
- <この節の構成>
- (1) 環境に関する注意事項
- (2) 定義情報管理テンプレートを操作するときの注意事項
- (3) 操作時の注意事項
- (4) Excelに関する注意事項
(1) 環境に関する注意事項
- JP1/AJS2 - Definition Assistantは,表示言語を切り替えての使用はできません。
- JP1/AJS2 - Definition Assistantは内部でコマンドをリモート実行するため,接続先のマネージャーホストで文字コード種別が混在する場合は正常に動作しません。そのため,接続先の文字コード種別を統一してください。ここでいう接続先の文字コード種別とは,次のものです。
- [マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[論理ホスト共通]タブの[文字コード種別]で指定した内容(Windowsの場合)
- スケジューラーサービス環境設定ファイル(Schedule.conf)のAJSCHARCODEパラメーターに指定した文字コード種別(UNIXの場合)
- JP1/AJS2 Monitorサービス起動時のOS上の設定
- JP1/AJS2 - Definition Assistantが動作しているホストの名称やIPアドレスを変更する場合は,次の点に注意してください。
- 環境設定パラメーターのMANAGER-HOSTやSELECT-EXECHOSTに変更前のホスト名を設定していた場合は,変更後のホスト名に変更してください。
- [ユニット定義のインポート]ダイアログボックス,または[ユニット定義のエクスポート]ダイアログボックスの[文字コード種別]に「SJIS」,「EUC」,または「C」を指定した場合,接続先のJP1/Baseの設定の受信側バインド方式がIPバインド方式であっても,接続先ホストが物理ホスト,または論理ホストに関係なく,すべてのスケジューラーサービスに対して操作できます。JP1/AJS2 - ViewからJP1/AJS2 - Definition Assistantを起動する場合も,同様にすべてのスケジューラーサービスで起動できます。
- Windows Vista版 JP1/AJS2 - Definition Assistantは,JIS2004で追加された第3水準漢字および第4水準漢字には対応していません。Windows Vista版 JP1/AJS2 - Definition Assistantを操作する際は,これらの文字を使用しないでください。これらの文字を使用した場合,文字化けするおそれがあります。
(2) 定義情報管理テンプレートを操作するときの注意事項
- 定義情報管理テンプレートを開くときにマクロについての警告が表示された場合は,「マクロを有効にする」を選択してください。
- メモリーの消費量が多いので,なるべく定義情報管理テンプレートを複数開かないでください。
- セルの書式を変更しないでください。
セルには,定義項目に対応した書式があらかじめ設定されています。書式を変更すると,インポート,エクスポートの処理結果が不正になることがあります。
- 列を削除しないでください。
列を削除すると,インポート,エクスポートの処理が正しく行われません。不要な列がある場合は,カスタマイズで非表示にしてください。カスタマイズの方法については,「3.1.4 環境設定」および「3.2 環境設定パラメーター」を参照してください。
- セルをコピー,または切り取って別の場所に貼り付ける場合は,同じ列に貼り付けてください。別の列には貼り付けないでください。
別の列に貼り付けると,その列に設定されている入力規則と不一致になってエラーが発生したり,処理結果が不正になったりすることがあります。
- セルの値が256文字以上の場合,画面上では「#」で表示されますが,インポート,エクスポートの処理には問題ありません。
- 一つのセルに含まれている文字数が1,024文字を超えると先頭の1,024文字のみがセルに表示されます。1,024文字以降の文字を編集する場合はセルを選択したあと,数式バーを使用して編集してください。
- 大量の文字列が入力されているセルを編集しようとすると文字列の編集に時間が掛かる場合があるため注意してください。
- JP1/AJS2 - Definition Assistantを印刷する場合,一つのセルに含まれている文字数が1,024文字以上の場合は1,024文字以降の文字は印刷されないため注意してください。
- 値の入力がドロップダウンリストから選択できるセルに対して複数行の定義を行う場合,セルを選択したあと,数式バーを使用して編集してください。一つのセルに複数行の値が定義されているときにドロップダウンリストから値を選択すると,複数行の値が破棄されてしまいます。
- 以前のバージョンで作成した実行結果ファイルは,現在のバージョンのマクロ機能が使用できないため,現在のバージョンの実行結果ファイルに変換してから使用してください。実行結果ファイルを変換するには,次に示すコマンドを入力します。
ajsdaconvert -i 変換前実行結果ファイル格納フォルダ
-o 変換後実行結果ファイル格納フォルダ
ajsdaconvertコマンドの詳細については,「7. コマンド ajsdaconvert」を参照してください。
- セルに入力した値の先頭が「'」の場合,Excelの仕様では先頭の「'」が接頭辞として扱われるため,先頭の「'」だけ文字として認識できません。このため,先頭に「'」が指定されている定義情報をインポートすると,定義情報管理テンプレート上で先頭の「'」だけ認識できません。このインポート結果の実行結果ファイルを使ってマネージャーホストの定義情報に一括定義,単独定義,または変更でエクスポートすると,インポート時に認識できなかった「'」は失われてしまうため注意してください。
- 処理に時間がかかっている場合,ウィンドウのタイトルバーに「(応答なし)」と表示される場合がありますが,処理は継続されているため問題ありません。
(3) 操作時の注意事項
- 次に示す条件が重なると,インポートの処理結果が不正になることがあるため,インポートしないでください。
- 次のどれかの項目の2行目以降にunit=の文字列が定義されている。
・UNIXジョブの「コマンド文」
・メール受信監視ジョブの「本文一覧」
・Windowsイベントログ監視ジョブの「説明」
・メール送信ジョブの「本文」
・カスタムUNIXジョブの「コマンド文」
- ルートジョブグループ直下以外のユニットで,1.の条件を満たすジョブを配下に含むユニットと同階層のユニットをインポートする。
- インポートまたはエクスポート時に指定する文字コード種別には,接続先のJP1/AJS2のバージョンが07-00-/C以降の場合は,「AUTO」を指定してください。「AUTO」以外を指定する場合,または接続先のJP1/AJS2のバージョンが07-00-/B以前の場合は,必ず接続先のJP1/AJS2の環境設定パラメーター「AJSCHARCODE」に設定されている値を指定してください。異なる文字コード種別を指定すると,KAVZ0904-Eエラーの発生や,設定と異なる文字コードで接続先のJP1/AJS2のデータベースを更新してしまうなど,処理結果が不正になることがあります。
- 大量の定義情報が一つのセルに出力された場合,行の区分の色が変わりその行の最後にKAVZ0310-Wのメッセージが出力されることがあります。このメッセージが出力された行の区分に,一括か単独を指定してエクスポートを実行するとエラーが発生したり,定義情報が失われたりするため注意してください。エクスポートする場合は問題のセルの内容をすべて削除するか,修正してからエクスポートを実行してください。
- インポートやエクスポートの実行中,またはajsdaconvertコマンドの実行中に[ESC]キーを押さないでください。誤って[ESC]キーを押してしまうと継続または終了した処理の結果が不正になることがあります。
- インポートまたはエクスポートをした結果,JP1/AJS2 - Definition AssistantとJP1/AJS2 - Viewのデフォルトの表示方法が異なる場合があります。
- 接続先のマネージャーホストでサポートされていないユニット定義情報をエクスポートするとエラーが発生します。
サポートされていないユニット定義情報を削除してからエクスポートしてください。
このため,上位バージョンからインポートしたユニット定義情報を下位バージョンへエクスポートする場合は,接続先のマネージャーホストよりあとのバージョンでサポートされた項目を削除してから,エクスポートしてください。
- JP1/AJS2 - Definition Assistantは,接続先のマネージャーホストで,文字コード種別と異なる文字コードで定義されたユニット定義情報が混在する場合は正常に動作しません。
- JP1/AJS2 - Definition Assistantは,インポートまたはエクスポート時に内部的にJP1/AJS2のコマンドを実行します。コマンドの操作仕様やエラーの内容などについては,必要に応じてJP1/AJS2のマニュアルを参照してください。インポートまたはエクスポート時に使用するコマンドを次に示します。
インポート
エクスポート
- ajsprint
- 一括:ajsdefine
- 単独:ajsdefine,ajschgnet
- 変更:ajschange,ajschgnet,ajschgjob,ajscalendar
- 削除:ajsdelete
- ユニット定義情報にタブ文字を含むユニットをインポートすると,インポート処理結果が不正になる場合があります。ユニット定義情報にタブ文字を含むユニットはインポートしないでください。
ただし,「標準ジョブ定義情報部」の「コマンド文」または「その他の定義情報部」に設定される定義項目の場合,ユニット定義情報にタブ文字を使用しても不正になりません。「標準ジョブ定義情報部」の「コマンド文」または「その他の定義情報部」にタブ文字を使用している場合のインポート時の表示については,「5.1 定義情報一覧」を参照してください。
- 改行([Alt]+[Enter]キー)で複数の定義を指定できる定義項目を変更対象とする場合,空行を含めてセル内のすべての定義が変更対象となります。
- 「最終更新日時情報部」は,インポートした時点でのユニットの最終更新日時を確認するためのものです。よって,「最終更新日時情報部」では値を変更できず,エクスポートの対象外となります。
(4) Excelに関する注意事項
- Excelのマクロのセキュリティレベルが「高」の場合,定義情報管理テンプレートの一部の機能を使用できません。使用できるようセキュリティレベルを変更してください。
- Excelのオプションで「他のアプリケーションを無視する」を指定しないでください。このオプションが指定されていると,JP1/AJS2 - Definition Assistantが起動できません。
- JP1/AJS2 - Definition AssistantをExcel 2002上で起動した場合,一つのセルに310けた以上の数値を入力すると設定された値が制限値を超えていてもエラーメッセージが出力されない場合があります。一つのセルに310けた以上の数値を入力した場合は,セルにデータを入力したあとに必ず[Enter]キーを押して値を設定してください。
- JP1/AJS2 - Definition AssistantをExcel 2007で使用する場合,Excelのオプションの[セキュリティセンター]-[マクロの設定],または[セキュリティセンター]-[信頼できる場所]で,JP1/AJS2 - Definition Assistantが使用しているExcelのマクロが有効になるように設定してください。設定しない場合,JP1/AJS2 - Definition Assistantの一部の機能を使用できません。詳細については,「3.1.3 Excelのセキュリティレベルの確認」を参照してください。
- Excel 2007でマスターファイルや実行結果ファイルを開くと,タイトルバーに[互換モード]と表示されます。これは,マスターファイルがExcel 2007より前のバージョンのExcel形式で作成したものであることを示すもので,動作上の問題はありません。なお,JP1/AJS2 - Definition AssistantをExcel 2007で使用する場合,実行結果ファイルを編集して保存する際は,xls形式(従来の形式)で保存してください。xlsx形式(Excel 2007の形式)で保存した場合,JP1/AJS2 - Definition Assistantの機能が正しく動作しなくなります。