3.1 メッセージキューシステムとの連携の概要

この機能は,バージョン7との互換機能です。バージョン8以降では,以降の説明に記載してある「セットアップできる環境」で示す環境でだけ,メッセージキューシステムと連携できます。

「セットアップできる環境」以外の環境では,メッセージキューシステムと連携できません。

メッセージキューシステムと連携すると,メッセージの送信をジョブとして定義したり,メッセージの受信を契機としてジョブを開始したりできます。なお,JP1/AJS2のメッセージキューシステム連携は,ピーク時のメッセージトラフィックが1分間に1メッセージ程度の低いトラフィックを想定しています。

メッセージ受信機能の概要とメッセージ送信機能の概要を次に示します。

図3-1 メッセージ受信機能の概要

[図データ]

図3-2 メッセージ送信機能の概要

[図データ]

JP1/AJS2で受信できるメッセージは,メッセージキューマネージャー(メッセージキュー管理プログラム)が受信できるものに限ります。また,JP1/AJS2で作成したメッセージは,メッセージキューマネージャーからのメッセージを受信できる,ほかのシステムのアプリケーションプログラムで受信できます。

JP1/AJS2では,メッセージキューシステムとして,TP1/Message Queue,MQSeries,およびMSMQが使用できます。なお,MSMQはWindowsの場合だけ使用できます。

MQSeriesを使う場合の補足事項
MQSeriesを使う場合とTP1/Message Queueを使う場合の定義方法は同じです。JP1/AJS2では,項目名としてTP1/Message Queueの項目名を使用しています。MQSeriesを使う場合,MQSeriesの項目名をTP1/Message Queueの項目名に置き換えて定義してください。TP1/Message QueueとMQSeriesで異なる項目名の対応を次の表に示します。

表3-1 TP1/Message QueueとMQSeriesで異なる項目名の対応

TP1/Message Queueでの項目名MQSeriesでの項目名
キューマネージャーキュー・マネージャー,キュー管理プログラム
リモートキュー遠隔キュー
イニシエーションキュー開始キュー
転送キュー伝送キュー
デッドレターキュー送達不能キュー
メッセージ入力キューメッセージ受信キュー
システム・コマンドキュー応答キュー
問い合わせメッセージ要求メッセージ
メッセージ保持時間メッセージ期間満了時間
メッセージ永続性メッセージ持続性
メッセージ優先度メッセージ優先順位
メッセージデータフォーマット名メッセージデータ形式
メッセージ受信後に作成されるファイルの削除
メッセージ格納ファイル,引き継ぎ情報で作成されるファイルは,JP1/AJS2が自動的に削除することはありません。これらのファイルは,システムのディスク容量を圧迫する原因にもなるため,不要になったら手動で削除するようにしてください。
クラスタ運用時の注意事項
TP1/Message Queue連携時およびMQSeries連携時のメッセージキュー監視プロセスは,物理ホストに連携して動作します。また,メッセージ受信監視ジョブは,物理ホスト上のメッセージを監視します。
JP1/AJS2をクラスタ運用した場合,フェールオーバーしたあとも,JP1/AJS2のジョブネットやメッセージ受信監視ジョブは実行を継続します。しかし,メッセージ受信監視ジョブが監視しているのは,物理ホスト上のメッセージであり,論理ホスト上のメッセージは監視できません。
また,メッセージキューシステム連携は物理ホスト上のメッセージを監視する機能なので,一つのコンピュータ上で複数のメッセージキューシステムと連携することはできません。メッセージキューシステムの環境設定([マネージャー環境設定]ダイアログボックスでの定義や,イベント・アクション定義ファイル(EVAction.conf)での定義)では,一つのメッセージキューシステムとだけ連携するように設定してください。