2.3.2 メール受信監視ジョブのための環境設定をする
JP1/AJS2での環境設定の手順と,UNIXホストでメール受信監視ジョブを使用するために必要な設定内容を説明します。なお,JP1/AJS2をインストールした直後の状態では,メールシステム連携機能は無効になっています。メール受信監視ジョブを使用する場合は,必ずこの作業を実行してください。
- <この項の構成>
- (1) 環境設定の手順
- (2) イベント・アクション定義ファイルの設定手順
- (3) イベント・アクション定義ファイルに設定する内容
(1) 環境設定の手順
環境設定の手順を次に示します。
- イベント・アクション定義ファイル(EVAction.conf)でメール受信監視ジョブのための環境設定をする。
イベント・アクション定義ファイル(EVAction.conf)でのメール受信監視ジョブのための環境設定については,「(2) イベント・アクション定義ファイルの設定手順」を参照してください。
- メール配信機能をセットアップする。
メール配信機能のセットアップについては,「2.3.3 メール配信機能をセットアップする」を参照してください。
- 必要に応じて,メールフィルターアプリケーション(コード変換ツール)を用意し,セットアップする。
漢字などのマルチバイト文字を使用しているメールやMIMEなどのエンコードがされているメールを受信監視できるようにするには,メールフィルターアプリケーションを別途用意し,メールシステム連携で使用できるようにセットアップする必要があります。メールフィルターアプリケーションについては,「2.4 メールフィルターアプリケーションの仕様」を参照してください。
- コマンド実行後,JP1/AJS2を再起動する。
設定した内容でメールシステム連携機能が開始されます。
(2) イベント・アクション定義ファイルの設定手順
メール受信監視ジョブの環境設定に必要な情報は,イベント・アクション定義ファイル(EVAction.conf)に定義されています。定義を変更したい場合は,イベント・アクション定義ファイルの内容(環境設定パラメーターの定義内容)を書き換えてください。
ここでは,ファイルの内容(環境設定パラメーターの定義内容)を変更する手順を説明します。
なお,イベント・アクション定義ファイル(EVAction.conf)の内容については,「(3) イベント・アクション定義ファイルに設定する内容」を参照してください。
(a) 初期状態の構成定義情報を変更する場合の手順
イベント・アクション定義ファイルは,初期状態では推奨値で定義されています。初期状態の登録情報の変更手順を次に示します。
- 次のファイルをエディターで開く。
/etc/opt/jp1ajs2/conf/EVAction.conf
- 必要に応じて,メール受信監視ジョブに関する設定を変更する。
デフォルトでは,メール受信監視ジョブを使用しない設定になっています。メール受信監視ジョブを使用する場合は,ExecModeパラメーターに「U」を指定します。
- 編集したファイルを保存する。
- 次のコマンドを実行する。
jbssetcnf ファイル名
jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
ファイルの内容が構成定義に反映されます。
(b) 設定済みの構成定義情報を利用して変更する場合の手順
イベント・アクション定義ファイルは,現在設定されている登録情報から作成することもできます。現在設定されている登録情報の変更手順を次に示します。
- 次のコマンドを実行する。
jbsgetcnf [-h 論理ホスト名] > 退避ファイル名
jbsgetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbsgetcnf」です。
jbsgetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
現在設定されている定義情報が退避ファイルに退避されます。
- 手順1で取得した退避ファイルをviなどのエディターで開く。
- 環境設定パラメーターを変更または追加し,保存する。
- 次のコマンドを実行する。
jbssetcnf 退避ファイル名
jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
(3) イベント・アクション定義ファイルに設定する内容
ここでは,イベント・アクション定義ファイル(EVAction.conf)の設定内容のうち,メール受信監視ジョブに関連する設定内容について説明します。
イベント・アクション定義ファイルで定義する環境設定パラメーターを次の表に示します。なお,イベント・アクション全般に関する環境設定パラメーターは,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.3.2 マネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)で設定する内容」に記載しています。必要に応じて参照してください。
なお,マニュアルに記載されていないパラメーターは保守用のパラメーターです。値は変更しないでください。
表2-2 メール受信監視ジョブに関連した環境設定パラメーター一覧(EVAction.conf)
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AOMAGENT¥mail_link]※ | "ReceiveIntervalC"= | メールの受信を監視する時間間隔 |
"UserName"= | ユーザー名 |
"MailFileDir"= | メールファイルディレクトリ名 |
"MailFileName"= | メール保存先ファイル名 |
"NotMatchMailDir"= | 不一致メール退避先ファイルを保存するディレクトリ名 |
"ExecMode"= | メールシステム連携機能を使用するかどうか |
- 注※
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,「JP1_DEFAULT」または「論理ホスト名」を指定してください。
環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。
- "ReceiveIntervalC"=dword:時間間隔
- メールの受信を監視する時間間隔を指定します。指定できる値は,1~1,440(単位:分)です。省略した場合,10が仮定されます。
- "UserName"="ユーザー名"
- そのユーザーのメールの受信を監視する場合に,ユーザー名を指定します。指定できる文字数は,1~256(単位:バイト)です。
- なお,受信を監視するメールは,ここで指定したユーザー名と同じファイル名で,環境設定パラメーターMailFileDirで指定するディレクトリに格納されます。
- "MailFileDir"="メールファイルディレクトリ名"
- 環境設定パラメーターUserNameで指定したユーザーのメールが格納される,メールファイル用のディレクトリ名を指定します。指定できる文字数は,1~180(単位:バイト)です。JP1/AJS2では,メール配信機能を使ってメールを受信するため,必ず「/var/opt/jp1ajs2/tmp/mailbox」を指定してください。省略した場合は,「/var/opt/jp1ajs2/tmp/mailbox」が仮定されます。
- メール配信機能の設定については,「2.3.3 メール配信機能をセットアップする」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 20. セットアップ時に使用するコマンド jpomailrecv(UNIX限定)」を参照してください。
- "MailFileName"="メール保存先ファイル名"
- 監視条件に一致したメールを保存する,メール保存先ファイルの名称をフルパスで指定します。指定できる文字数は,1~255(単位:バイト)です。
- 環境設定パラメーターMailFileDirおよびUserNameで指定したメールファイルと同じファイル名ではなく,別のファイル名を指定してください。
- "NotMatchMailDir"="不一致メール退避先ファイルを保存するディレクトリ名"
- 監視条件に一致しなかったメールを保存する,不一致メール退避先ファイルを保存するディレクトリ名をフルパスで指定します。指定できる文字数は,1~180(単位:バイト)です。ただし,環境設定パラメーターMailFileDirに指定するディレクトリと同じディレクトリではなく,別のディレクトリを指定してください。省略した場合,監視条件に一致しないメールは破棄されます。
- "ExecMode"="{U|N}"
- メールシステム連携機能を使用するかどうかを指定します。
- U
- メールシステム連携機能を使用します。
- N
- メールシステム連携機能を使用しません。