14.4.1 シンボルを作成する
監視先のJP1/AJS2ホストからSNMPトラップを受信している場合,[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルは,NNMでovwコマンドを実行したときに自動生成されます(SNMPトラップはUDPプロトコルで実現されています。したがって,SNMPトラップ送受信の信頼性はUDPプロトコルに依存します)。
JP1/AJS2 - Managerをクラスタシステムで運用している場合は,一つのJP1/AJS2 - Managerホストに対して物理ホストを表す[JP1AJS2]シンボルと,論理ホストを表す[JP1AJS2]シンボルの二つが作成されます。また,JP1/Cm2状態通知ジョブを使用している場合は,[AJS2USER]シンボルが作成されます。なお,[AJS2USER]シンボルは一つのJP1/AJS2 - Managerホストに対して一つ作成されます。JP1/Cm2状態通知ジョブは,物理ホストと論理ホストにかかわらず,一つのシンボルで状態を表示します。
各シンボルを次の図に示します。なお,実行系・待機系ともに同じ構成のシンボルが表示されます。
図14-5 [JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボル
![[図データ]](figure/zul14050.gif)
一方,ovwコマンドを実行したあとにSNMPトラップを受信した場合は,[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルは自動生成されません。この場合,シンボルを手動で作成する必要があります。
シンボルの作成方法には,次の3種類があります。
- 指定したホストに作成する
指定したホストにシンボルを明示的に作成できます。そのホストからSNMPトラップを受信する前でも,ノード・サブマップにシンボルが表示されます。
- すべてのホストに作成する
SNMPトラップを受信したすべてのホストにシンボルを作成できます。そのホストからSNMPトラップを受信する前は,ノード・サブマップにシンボルは表示されません。
- ovwコマンドを再度実行する
- 注意
- 「指定したホストに作成する」方法で作成できるシンボルは,物理ホストを表す[JP1AJS2]シンボルと[AJS2USER]シンボルです。
- 論理ホストを表す[JP1AJS2]シンボルを作成する場合,「すべてのホストに作成する」または「ovwコマンドを再度実行する」方法で作成してください。このとき,シンボルを作成する前に,クラスタシステムで運用している実行系・待機系両ノードの論理ホストからSNMPトラップを受信している必要があります。
シンボルの作成手順を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) 指定したホストに[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルを作成する
- (2) すべてのホストに[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルを作成する
(1) 指定したホストに[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルを作成する
- NNMのovwコマンドを実行する。
IP Mapが表示されます。
- シンボルを作成したいホストのシンボルをクリックする。
クリックしたシンボルが選択状態で表示されます。
- [管理]-[JP1/AJS2の管理]-[シンボルの作成]-[指定ホストに]を選択する。
手順2で選択したホストに[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルが作成されます。
- 手順2で選択したホストのシンボルをダブルクリックする。
ノード・サブマップが表示されます。
- [JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルが作成されていることを確認する。
[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルは,作成した直後は認識不能状態を表す色で表示されます。JP1/AJS2からSNMPトラップを受信すると,シンボルは通知された状態を表す色で表示されます。[JP1AJS2]シンボルについては,「14.5.1 ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの見方」を参照してください。[AJS2USER]シンボルについては,「14.6.1 ノード・サブマップに表示される[AJS2USER]シンボルの見方」を参照してください。
なお,[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルは両方同時に作成されますので,不要なシンボルは削除してください。詳細は,「14.4.2 シンボルを削除する」を参照してください。
(2) すべてのホストに[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルを作成する
- NNMのovwコマンドを実行する。
IP Mapが表示されます。
- [管理]-[JP1/AJS2の管理]-[シンボルの作成]-[すべてのホストに]を選択する。
SNMPトラップを受信したすべてのホストに,受信したSNMPトラップに対応する[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルが作成されます。この操作時点で受信していないSNMPトラップに対応するシンボルは作成されません。
- SNMPトラップを受信したホストのシンボルをダブルクリックする。
ノード・サブマップが表示されます。
- [JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルが作成されていることを確認する。
[JP1AJS2]シンボルおよび[AJS2USER]シンボルは,通知された状態を表す色で表示されます。[JP1AJS2]シンボルについては,「14.5.1 ノード・サブマップに表示される[JP1AJS2]シンボルの見方」を参照してください。[AJS2USER]シンボルについては,「14.6.1 ノード・サブマップに表示される[AJS2USER]シンボルの見方」を参照してください。
- 注意事項
- SNMPトラップを受信していないホストにはシンボルは作成されません。例を挙げて説明します。
図14-6 [すべてのホストに]メニューコマンドの実行例
![[図データ]](figure/zul14060.gif)
- この例では,監視元ホストはhostAおよびhostBからのSNMPトラップを受信しているため,[すべてのホストに]メニューコマンドを実行すると,hostAおよびhostBのノード・サブマップにシンボルが表示されます。しかし,hostCからはSNMPトラップを受信していないため,hostCのノード・サブマップにはシンボルは表示されません。