14.2.5 送信するSNMPトラップをカスタマイズする
- <この項の構成>
- (1) 送信元ホスト名をカスタマイズする場合
- (2) 認証用コミュニティ名をカスタマイズする場合
(1) 送信元ホスト名をカスタマイズする場合
JP1/AJS2オブジェクト用のSNMPトラップを送信する際,通常は,送信元ホストとして物理ホストの名称およびIPアドレスが設定されますが,SNMPトラップを送信するホストが複数のIPアドレスを持つ場合,SNMPトラップの送信元ホスト名の明示的な指定が必要になることがあります。SNMPトラップの送信元ホスト名は,次のような場合に設定してください。
- NNMで論理ホストを認識しない設定をしていて,クラスタ運用をしているJP1/AJS2のノードから論理ホスト名を送信元ホスト名としたSNMPトラップが送信される場合,SNMPトラップの送信元ホスト名に物理ホスト名を設定する。
- NNMで論理ホストのノードを認識する運用をしていて,クラスタ運用をしているJP1/AJS2のノードから物理ホスト名を送信元ホスト名としたSNMPトラップが送信される場合,SNMPトラップの送信元ホスト名に論理ホスト名を設定する。
送信するSNMPトラップの送信元ホスト名をカスタマイズする場合は,SNMPトラップ送信時にカスタマイズ情報を参照するよう,JP1/Baseの共通定義情報に設定する必要があります。設定手順を次に示します。
- エディターで,次に示す内容を記述したファイルを作成する。
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AOMAGENT¥ov_link]
"SNMPTRAPCUSTOM"=dword:{0|1|2}
"TRAPAGENTADDRHOST"="エージェントホスト名"
"TRAPAGENTADDRIP"="IPアドレス"
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,「JP1_DEFAULT」か,または「論理ホスト名」を指定します。
SNMPTRAPCUSTOMパラメーターには,SNMPトラップ送信時にカスタマイズ情報を参照するかどうかを指定します。送信元ホスト名を参照する場合は「1」を,カスタマイズ情報を参照しない場合は「0」を指定します。デフォルトは「1」です。
TRAPAGENTADDRHOSTパラメーターには,SNMPトラップ送信元ホストの名称を255バイト以内で指定します。デフォルトは,SNMPトラップを送信する物理ホストの名称です。
TRAPAGENTADDRIPパラメーターには,SNMPトラップ送信元ホストのIPアドレスを指定します。デフォルトは,SNMPトラップを送信する物理ホストのIPアドレスです。
ファイル名は任意です。
- 次に示すコマンドを実行する。
JP1/Baseインストール先フォルダ¥bin¥jbssetcnf ファイル名
手順1で作成したファイルが登録されます。
(2) 認証用コミュニティ名をカスタマイズする場合
JP1/AJS2オブジェクト用のSNMPトラップでは,認証用コミュニティ名に"public"を使用しています。送信するSNMPトラップの認証用コミュニティ名をカスタマイズする場合は,SNMPトラップ送信時にカスタマイズ情報を参照するよう設定する必要があります。
(a) 状態を監視される側(JP1/AJS2がインストールされている側)のSNMPトラップの認証用コミュニティ名をカスタマイズする場合
状態を監視される側(JP1/AJS2がインストールされている側)のJP1/AJS2オブジェクト用SNMPトラップの認証用コミュニティ名をカスタマイズする場合,JP1/Baseの共通定義情報に,カスタマイズ情報を参照する設定を行います。設定手順を次に示します。
- エディターで,次に示す内容を記述したファイルを作成する。
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AOMAGENT¥ov_link]
"SNMPTRAPCUSTOM"=dword:{0|1|2}
"CUSTOMCOMMUNITY"="認証用コミュニティ名"
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,「JP1_DEFAULT」か,または「論理ホスト名」を指定します。
SNMPTRAPCUSTOMパラメーターには,SNMPトラップ送信時にカスタマイズ情報を参照するかどうかを指定します。認証用コミュニティ名を参照する場合は「2」を指定します。デフォルトは「1」です。
CUSTOMCOMMUNITYパラメーターには,認証用コミュニティの名称を255バイト以内で指定します。デフォルトは,"public"です。
ファイル名は任意です。
- 次に示すコマンドを実行する。
JP1/Baseインストール先フォルダ¥bin¥jbssetcnf ファイル名
手順1で作成したファイルが登録されます。
- 注意事項
- 送信元ホスト名と認証用コミュニティ名の両方をカスタマイズする場合,SNMPTRAPCUSTOMパラメーターには「2」を指定し,TRAPAGENTADDRHOSTとTRAPAGENTADDRIPパラメーターのどちらかと,CUSTOMCOMMUNITYパラメーターを指定してください。
- カスタマイズしたSNMPトラップをWindowsホストのNNMで受信する場合,NNMを「WinSNMPを使用しない」状態に設定しておく必要があります。詳細については,「NNMランタイムヘルプ」の「ovtrapd」に関する説明を参照してください。
(b) 状態を監視する側(NNMがインストールされている側)のSNMPトラップの認証用コミュニティ名をカスタマイズする場合
状態を監視する側(NNMがインストールされている側)のJP1/AJS2オブジェクト用SNMPトラップのコミュニティ名を変更する場合,次のように,JP1/Cm2またはhp OpenView連携用環境定義ファイル(JP1/AJS2インストール先フォルダ¥conf¥jpoov.conf)にコミュニティ名を255バイト以内で指定します。
[SETSYMBOLCOMMUNITY]=認証用コミュニティ名
256バイト以上の名称を指定した場合,255バイト目までがコミュニティ名として使用されます。設定されたコミュニティ名は即時に有効になります。コミュニティ名のデフォルトは"public"です。
- 注意事項
- カスタマイズしたSNMPトラップをWindowsホストのNNMで受信する場合,NNMを「WinSNMPを使用しない」状態に設定しておく必要があります。詳細については,「NNMランタイムヘルプ」の「ovtrapd」に関する説明を参照してください。