ajschkdef

形式

ajschkdef
    [-F サービス名]
    [{-s|-a}]
    [-O][-M][-P][-H][-D][-U][-A]
    [-u 登録ユーザー名]
    [-o 出力ファイル名]
    [-R]
    [-L]
    [-T]
    [-N]
    [-J]
    ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名...

機能

定義内容の事前チェックの実行開始,実行状態表示を行います。

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限

UNIXの場合:スーパーユーザー権限

格納先ディレクトリ

Windowsの場合
JP1/AJS2 - Managerのインストール先フォルダ¥bin¥
UNIXの場合
/opt/jp1ajs2/bin/

引数

-F サービス名

定義内容の事前チェック対象となるユニットが定義されているスケジューラーサービス名を指定します。

指定できる文字数は,1~30(バイト)です。

省略した場合は,環境変数AJSCONFの値が仮定されます。環境変数AJSCONFが設定されていない場合は,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。

論理ホストのスケジューラーサービス名を指定する場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEに論理ホスト名を指定してください。

環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,自ホスト名が仮定されます。

-s

定義内容の事前チェックの実行を開始します。

-a

定義内容の事前チェックの実行状態を標準出力ファイルに出力します。出力する実行状態の状態名称を次の表に示します。

実行状態出力する状態名称意 味
未実行stop
  • 定義内容の事前チェックは実行可能
  • 定義内容の事前チェック結果格納ファイルは更新完了
実行中run
  • 定義内容の事前チェックは実行不可能
  • 定義内容の事前チェック結果格納ファイルは更新中

-O-M-P-H-D-U-A

定義内容の事前チェックでチェックする項目を指定します。

同時に複数のチェック項目を指定することもできます。各オプションのチェック内容,およびチェック順序(チェック順序は,関連線どおりとは限りません)を次の表に示します。

チェック順序オプションチェック項目
1-O実行順序
2-Mジョブネット詳細定義
3-P空ジョブ定義
4-H実行ホスト名
5-Uユーザーマッピング
6-Dジョブ詳細定義
7-A実行ファイル権限

なお,オプションの指定順に関係なく,上記の表の順にチェックされます。また,「実行ファイル権限」を指定した場合,実行ファイル権限チェックにジョブ実行OSユーザーの情報が必要なため,「ユーザーマッピング」も前提としてチェックされます。また,「空ジョブ」チェック以降(チェック順序の3~7)は,エージェントとの接続が前提になります。このため,-Hの指定に関係なく「実行ホスト名」のチェックが事前に実施されます。

省略した場合は,すべてのオプション(-O,-M,-P,-H,-D,-U,-A)が仮定されます。

各オプションとも,-aオプションと同時には指定できません。

-u 登録ユーザー名

本番運用で実際にジョブネットを実行登録するJP1ユーザーを指定します。

指定できる文字数は,1~31(バイト)です。

ジョブ定義で実行ユーザー種別が登録ユーザーのときに,指定したJP1ユーザーでユーザーマッピングのチェックを行います。

省略した場合は,このコマンドの実行ユーザーが仮定されます。

このオプションは,-aと同時には指定できません。

-o 出力ファイル名

定義内容の事前チェック結果格納ファイル名を絶対パスで指定します。定義内容の事前チェック結果格納ファイル名の形式は,「出力例」を参照してください。

指定できる文字数は,1~255(バイト)です。

指定した出力ファイルと同じ名称のファイルが存在する場合は上書きします。

ディレクトリのパスがない場合はエラーになります。

省略した場合は,環境設定パラメーター"AJSCHK_CHECKFILE"に指定したファイル名が仮定されます。環境設定パラメーター"AJSCHK_CHECKFILE"の指定がない場合は次のファイル名が仮定されます。

このオプションは,-aと同時には指定できません。

-R

指定したジョブネットワーク要素に含まれるすべてのジョブネットまたはジョブに対して定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションを,-L,-T,-N,-Jオプションと同時に指定した場合,各オプションの指定内容に従って,ジョブネットおよびジョブに対して定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションは,-aと同時には指定できません。

-L

実行登録していないジョブネットおよびジョブに対して定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションを,-T,-N,-Jオプションと同時に指定した場合,未登録のジョブネットについて,各オプションの指定内容に従って定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションは,-aと同時には指定できません。

-T

ルートジョブネットに対して定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションは,-a,-Jオプションと同時には指定できません。

-N

ジョブネットに対して定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションは,-a,-Jオプションと同時には指定できません。

-J

ジョブに対して定義内容の事前チェックを実行します。

このオプションは,-a,-T,-Nオプションと同時には指定できません。

ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名

定義内容の事前チェックを実行するジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名を指定します。

指定したユニットの配下ユニットが定義内容の事前チェック対象(チェックの起点)となります。

指定できる文字数は,1~930(バイト)です。

ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名は,複数指定できます。ルートジョブグループ「/」も指定できます。

なお,ジョブ名,ジョブネット名,またはジョブグループ名に,論理ホスト名,スケジューラーサービス名,および実行IDは指定できません。

このオプションは,-aと同時には指定できません。

注意事項

戻り値

0正常終了。
0以外の値異常終了。

使用例

次の条件で,定義内容の事前チェックを行います。

ajschkdef -F AJSROOT1 -s -u USER1 -RLJ /GROUP1/NET1

出力例

使用例に基づき,定義内容の事前チェックを行った結果,/GROUP1/NET1/JOB1でManager側ホスト名解決エラー,/GROUP1/NET1/JOB2で空ジョブ定義エラーが検出された場合の出力例を次の図に示します。

[図データ]

出力項目の説明

(1)CHECKUNIT=ユニット完全名[,ユニット完全名...]
定義内容の事前チェックの実行時に指定したユニット名をユニット完全名の形式で出力します。複数指定した場合は,コンマ区切りで複数出力します。
(2)CHECKSERVICE=スケジューラーサービス名
定義内容の事前チェックの実行時に指定したスケジューラーサービス名を出力します。
(3)CHECKUSER=登録ユーザー名
定義内容の事前チェックの実行時に指定した登録ユーザー名を出力します。
(4)CHECKOPT=指定オプション
定義内容の事前チェックの実行時に指定したオプション(-O/-M/-P/-H-/-D/-U/-A/-R/-L/-T/-N/-J)をコンマ区切りで出力します。
(5)CHECKSTARTTIME=実行開始日時
定義内容の事前チェックの実行日時を「YYYYH/MM/DD hh:mm:ss」の形式で出力します。
(6)空行
(7)チェック結果情報(ユニット名,パス名,エラー区分,エラー詳細)
定義内容の事前チェック実行の結果,エラーを検出したユニットについてチェック結果情報をコンマ区切りの一覧形式で出力します。
ユニット名
チェックの結果エラーが検出されたユニットのユニット名を出力します。
パス名
チェックの結果エラーが検出されたユニットのパス名(親ユニット完全名)を出力します。
エラー区分
チェックの結果エラーが検出されたエラーの区分を出力します。
出力するエラー区分については次の表を参照してください。
エラー詳細
チェックの結果エラーが検出されたエラー区分ごとのエラー内容の詳細を出力します。
出力するエラー詳細については,次の表を参照してください。
開始時に指定した
チェック項目
エラー区分
(下段は言語種別が英語の場合)
エラー詳細
実行順序実行順序がループして関連定義されています
  • 08-10以前
    (なし)
  • 08-50以降
    unit=ユニット名※1
The execution order is looped in the relation definitions.
判定ジョブに対して従属ジョブが定義されていません
  • 08-10以前
    (なし)
  • 08-50以降
    unit=ユニット名;ユニット名;...※2
A dependent job has not been defined for a judgment job.
従属ジョブに条件接続以外の関連定義がされています
  • 08-10以前
    (なし)
  • 08-50以降
    unit=ユニット名;ユニット名;...※3
A relation definition other than a conditional connection has been defined for a dependant job.
実行ホスト名Manager側からAgentのホスト名が解決できませんAGENT_HOST=Agentホスト名
The host name of the Agent cannot be resolved from the Manager side.
Agent側からManagerのホスト名が解決できませんMANAGER_HOST=
Managerホスト名
The host name of the Manager cannot be resolved from the Agent side.
Agent側からManagerホストのIPアドレス解決ができませんMANAGER_IP=
ManagerホストIPアドレス
The host IP address of the Manager cannot be resolved from the Agent side.
ジョブネット詳細定義接続範囲の指定が接続先のジョブネットと異なりますunit=接続先のジョブネット名※4
The specified connection range is different from the jobnet for the connection destination.
指定したホストに接続できませんnchn=接続ホスト名
Cannot connect to the specified host.
指定したスケジューラーサービスは存在しませんncsv=接続サービス名
Specified Scheduler service not exist.
接続先のジョブネットが指定されていません(なし)
Jobnet name for the connection destination is not specified.
接続先のジョブネットの指定が不正ですncr=接続先のジョブネット名
The specification of jobnet for the connection destination is not collect.
接続先のジョブネットが実行順序制御する設定になっていませんunit=接続先のジョブネット名※4
The jobnet for the connection destination is not configured for controlling the execution order.
接続先のジョブネットに指定した接続ホスト名で接続できませんunit=接続先のジョブネット名※4
Cannot connect with the connection host name specified in the jobnet for the connection destination.
接続先のジョブネットに指定した接続サービス名が誤っていますunit=接続先のジョブネット名※4
The connection service name specified in the jobnet for the connection destination is incorrect.
接続先のジョブネットに指定したジョブネットコネクタ名が誤っていますunit=接続先のジョブネット名※4
The jobnet connector name specified at jobnet for the connection destination is wrong.
ジョブ詳細定義指定したユーザーは存在しませんun=実行ユーザー名
The specified user does not exist.
指定したファイル・ディレクトリは存在しませんsc=スクリプトファイル名(実行ファイル名)
ev=環境変数ファイル名
wkp=作業用パス名
si=標準入力ファイル名
ts1=転送元ファイル名
td1=転送先ファイル名
ts2=転送元ファイル名
td2=転送先ファイル名
ts3=転送元ファイル名
td3=転送先ファイル名
ts4=転送元ファイル名
td4=転送先ファイル名
The specified file or directory does not exist.
指定したファイル・ディレクトリに対する権限がありませんsc=スクリプトファイル名(実行ファイル名)
ev=環境変数ファイル名
wkp=作業用パス名
si=標準入力ファイル名
so=標準出力ファイル名
se=標準エラー出力ファイル名
ts1=転送元ファイル名
td1=転送先ファイル名
ts2=転送元ファイル名
td2=転送先ファイル名
ts3=転送元ファイル名
td3=転送先ファイル名
ts4=転送元ファイル名
td4=転送先ファイル名
You do not have permission to access the specified file or directory.
プラットフォーム種別の指定が不正ですpfm=プラットフォーム種別
The specified platform type is invalid.
イベントIDに指定した値の形式が不正ですevwid=イベントID
The format of the value specified for the event ID is invalid.
検索前時間に範囲外の値を指定していますevesc=検索前時間
The value specified for "Find event before exec." is outside the valid range.
監視対象ファイル名の形式が不正ですflwf=監視対象ファイル名
The format of the name of the file to be monitored is invalid.
ユーザーマッピングユーザーマッピングの指定に誤りがありますJP1_USER=JP1ユーザー名
The specified user mapping is invalid.
実行元ホストのマッピングが不正ですJP1_USER=JP1ユーザー名
Mapping of an execution host is invalid.
OSユーザーのマッピングが不正ですOS_USER=OSユーザー名
Mapping of a OS user is invalid.
実行ファイル権限指定したスクリプトファイルまたは実行ファイルに対して実行権限がありませんOS_USER=JP1ユーザー名
FILE_AUTH=ファイル権限※5
You do not have permission to execute the specified script file or executable file.
空ジョブ定義スクリプトファイル,実行ファイル,またはイベントIDの指定がありません(なし)
The script file or executable file or event ID is not specified.
注※1
実行順序関係がループして関連定義されているユニット名を一つだけ出力します。
注※2
従属ジョブが条件接続されていない判定ジョブ名を出力します。
エラー個所が複数ある場合は,「;(セミコロン)」で区切ってすべてのユニット名を出力します。
注※3
条件接続以外の関連定義がされている従属ジョブ名を出力します。
エラー個所が複数ある場合は「;(セミコロン)」で区切ってすべてのユニット名を出力します。
注※4
[接続範囲]で[別サービス]を指定している場合は,「ホスト名:スケジューラーサービス名:ユニット名」を出力します。
注※5
ファイル権限については,次の表を参照してください。
ファイル権限はaugo形式で出力します(例:0644)。

アクセス権種別値の説明
特別なアクセス権(a)1000プログラムコードをスワップに維持
2000実行時にグループIDを設定
4000実行時にユーザーIDを設定
同じUIDのユーザー(u)100実行
200書き込み
400読み込み
同じGIDのグループ(g)10実行
20書き込み
40読み込み
その他のユーザー(o)1実行
2書き込み
4読み込み
(8)空行
(9)CHECKENDTIME=実行終了日時
定義内容の事前チェックの終了日時を「YYYY/MM/DD hh:mm:ss」の形式で出力します。
(10)NUMBER OF CHECKUNITS=チェックが完了したユニット数/チェックの対象となったユニット数,NUMBER OF ERRORS=チェックの結果エラーを検出した項目の数
定義内容の事前チェックの結果出力サマリーを表示します。サマリーとしては,チェックしたユニット数と,チェックの結果エラーを検出した項目の数が出力されます。エラーを検出しなかった場合は0が出力されます。
チェックの対象となったユニット数とチェックが完了したユニット数が異なる場合は,次の要因が考えられます。
  • チェック中に定義内容の事前チェックプロセスのエラーが発生した
チェック中に定義内容の事前チェックプロセスのエラーが発生した場合は,統合トレースログにエラー内容が出力されます。
JP1/AJS2のマネージャーホストとエージェントホストが異なるマシンの場合は,まずマネージャーホストの統合トレースログを参照してください。マネージャーホストの統合トレースログにエラーが出力されていない場合は,エージェントホストの統合トレースログを参照してください。

(1)から(5)の定義内容の事前チェック実行情報と,(9)から(10)の実行終了日時,サマリーは,一回の実行で一回だけ出力されます。(7)のチェック結果情報は,検出されたエラーの個数分出力されます。