コマンド使用時の注意事項
コマンドを実行する際の注意事項を次に示します。
コマンド共通の注意事項
- JP1/AJS2サービスの文字コードと異なる文字コードでコマンドを実行すると,統合トレースログにそれぞれの文字コードでメッセージが出力されるため,文字コードが混在して文字化けが発生するおそれがあります。
- システムで使用している文字コードがEUCの場合,コマンド実行結果として表示される文字列に日本語が含まれていると実行結果の表示がずれることがあります。
- UNIX上のJP1/AJS2 - Managerで,「/opt/jp1/hcclibcnf/regdir/HKEY_LOCAL_MACHINE.dat」ファイルに参照権限のないユーザーはコマンドを実行できません。このファイルに参照権限がない場合にコマンドを実行すると,次のエラーメッセージが出力されます。
- 06-00の場合:「KAVS0582-E 環境変数の指定に誤りがあります」
- 06-00/B以降の場合:「KAVS0582-E 環境変数の指定に誤りがあります:環境変数名」
- 06-51以降の場合:「KAVS1007-E ホスト名が解決できません(論理ホスト名)」
- コマンドの引数にファイル名を指定する場合は,ファイルの文字コードを環境設定パラメーターAJSCHARCODEに指定した文字コードに合わせる必要があります。
スケジューラーサービスに関するコマンドの注意事項
ジョブネットの登録解除処理(JP1/AJS2 - Viewからの操作も含む)は,保存世代数に応じて大量なデータベースの更新処理が発生するため,処理に時間が掛かることがあります。ほかの処理に影響を与えないようにするため,次のことに注意してください。
- 実行登録解除処理は多重実行を行わない。
- 業務量が少ない時間帯に実行登録解除を行う。
システムリソースを大量に消費するコマンド,または処理同士が競合するコマンドに関する注意事項
システムリソースを大量に消費したり処理同士が競合したりする,性能単価の高いコマンド(JP1/AJS2 - Viewからの操作も含みます)を使用する際は,次の運用をお勧めします。
- ジョブまたはジョブネットの実行に関する操作
- ジョブまたはジョブネットの実行に関する操作を連続的に行うと,サービスへの負荷が高くなり,運用に影響を与えるおそれがあります。ジョブまたはジョブネットの実行に関する操作は連続して行わずに,2~3秒の間隔を空けて実行してください。また,同時に操作を実行するとISAMファイルへのアクセスの競合が発生するため,4~5多重以上の実行は行わないでください。
- 該当するコマンド:ajsleave,ajsrerun,ajsplan,ajsintrptなど。
- 配下のユニット数の影響を受ける操作
- 操作によっては配下のユニット数に比例して処理対象となる情報数が多くなるため,運用に影響を与えるおそれがあります。配下のユニット数が500個を超える場合は業務量が少ない時間帯に実行してください。また,同時に操作を実行するとISAMファイルへのアクセスの競合が発生するため,4~5多重以上の実行は行わないでください。
- 該当するコマンド:ajsleave,ajsrerun,ajsplan,ajsintrptなど。
- 総称名指定や-Rオプションの指定による大量のユニットに対する操作
- 総称名指定や-Rオプションの指定でコマンドを実行すると,処理対象となる情報数が多くなるため,運用に影響を与えるおそれがあります。総称名指定や-Rオプションを指定する場合,-E,-L,または-Tオプションを一緒に併用して,操作対象のユニットを絞り込んでください。また,同時に操作を実行するとISAMファイルへのアクセスの競合が発生するため,4~5多重以上の実行は行わないでください。
- 該当するコマンド:ajsleave,ajsrerun,ajsplan,ajsintrptなど。
- 世代数の多いジョブネットの操作
- 世代数の多いジョブネットの操作を行うと,処理対象となる情報数が多くなるため,運用に影響を与えるおそれがあります。世代数の多いジョブネットの操作は,業務量が少ない時間帯に実行してください。また,オプションの指定によって操作の対象となる期間や世代を絞り込んでください。
- 該当するコマンド:ajsleave,ajsrerun,ajsplan,ajsintrptなど。
該当する操作一覧については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 1.4(2) JP1/AJS2の運用に影響を与えるおそれのある操作一覧」を参照してください。
コマンドを実行するコンソールでの操作に関する注意事項
OSには,コンソールで実行しているプロセスを一時停止させる機能があります。この機能を使用すると,タイミングによっては一時停止したプロセスが確保している資源が解放されなくなり,ほかのプロセスが待ち状態になったり,通信相手のプロセスがタイムアウトしたり,該当するコマンドが休眠して終了しなくなるなどの問題が発生します。コマンドを実行中に,次のような操作を行わないでください。
- Windowsの場合
- コマンドプロンプトで「簡易編集モード」を有効にしている場合,コマンドプロンプト画面上でマウスをクリックすると,タイトルバーに「選択」と表示されて画面出力が停止します。この操作を行うと,解除するまでコマンドの実行が停止されるため,「簡易編集モード」を使用しないことをお勧めします。
- コマンド実行中の出力を[Ctrl]+[S]キーで停止しないでください。解除するまでコマンドの実行が停止されます。
- UNIXの場合
コマンド実行中に,SIGTSTPシグナルでプロセスを一時停止させないでください。このシグナルは,標準で[Ctrl]+[Z]キーに割り当てられています。この操作を行って該当するコマンドが資源を確保したままになった場合,JP1/AJS2サービスやほかのコマンドが資源を確保できず,待ち状態になるおそれがあります。
文字コードUTF-8を使用している場合の注意事項
- 文字コードUTF-8を使用している場合,日本語などのマルチバイト文字は,その他の文字コードを使用する場合よりも多くのバイト数で表現されます。そのため,次のコマンドの実行時,表示させる情報に日本語が含まれている場合は出力カラムがずれて表示されます。
- 該当するコマンド
- ajsdbcond,ajsshow,jpqagtshow,jpqqueshow,jpqresshow,jpqendjobshow,jpqjobshow,jpqdbcond,jpqreguser
- 文字コードUTF-8を使用している場合,コマンド実行時に日本語などのマルチバイト文字を指定する際,その他の文字コードを使用する場合よりも使用できる文字数が少なくなることがあります。
- 文字コードUTF-8を使用しているホストから次のコマンドをリモート実行する際,実行先ホストのDB種別(AJSCHARCODE)もUTF-8である場合は,環境変数AJSCONVERTUTF8に「no」を指定する必要があります。
- 該当するコマンド
- ajschange,ajschgjob,ajschgnet,ajsentry,ajsintrpt,ajskill,ajsleave,ajsplan,ajsprint,ajsrerun,ajsshow,ajsstatus,ajssuspend
環境変数AJSCONVERTUTF8を指定しない,または「yes」を指定してコマンドをリモート実行した場合,表示結果に文字化けが発生したり,ユニットに対する処理が正しく行われなかったりします。
環境変数AJSCONVERTUTF8については,「環境変数一覧」の表1-6を参照してください。
Windows Server 2008でコマンドを使用する場合の注意事項
Windows Server 2008でコマンドを使用する場合は,次のことに注意してください。
- コマンドの引数には,JIS 2004で追加された第3水準漢字,第4水準漢字を使用しないでください。これらの文字を使用した場合,正常に動作しないおそれがあります。
- 管理者権限が必要なコマンドを実行する際には,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを起動する際は,Windowsの[スタート]メニューの[コマンドプロンプト]を右クリックし,ショートカットメニューから[管理者として実行]を選択してください。UAC機能が無効の場合は,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要はありません。
- UAC機能が無効の場合,Administrators権限のないユーザーで組み込みDBを操作するコマンドを実行すると,メッセージKFPO00107-E,KAVS2117-E,またはKAVS2103-Eが出力されてコマンドは異常終了します。Administrators権限のあるユーザーで,組み込みDBを操作するコマンドを再実行してください。