jajs_spmd(UNIX限定)
形式
jajs_spmd
[-h 論理ホスト名]
[-hot|-warm|-cold[-q {clear|noclear}]|-disaster]
[-HA]
機能
JP1/AJS2のプロセスを起動します。
実行権限
スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
/opt/jp1ajs2/bin/
引数
-h 論理ホスト名
クラスタシステムで運用している場合に,プロセスを起動する論理ホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1~255(単位:バイト)です。
省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名(hostnameコマンドで求まるホスト名)が仮定されます。
-hot|-warm|-cold|-disaster
JP1/AJS2プロセスの起動モードを指定します。起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 15.4.1 JP1/AJS2起動時の動作を一時的に変更する」の起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態の説明を参照してください。
JP1/AJS2 - Managerを使用している場合でこのオプションを省略したとき,スケジューラーサービス環境設定ファイル(Schedule.conf)のSTARTMODEパラメーターの値が仮定されます。
- -hot
JP1/AJS2をホットスタートします(前回プロセス終了時の状態を保持したまま,プロセスが起動します)。
- -warm
JP1/AJS2をウォームスタートします(前回プロセス終了時の状態を保持したまま,プロセスが起動します。ただし,プロセス終了時に実行中だったジョブネットは終了状態になり,プロセスを起動した日の予定に従って実行されます)。
- -cold
JP1/AJS2をコールドスタートします(前回プロセス終了時の状態を解除して,プロセスが起動します)。
- -disaster
JP1/AJS2システムにJP1/AJS2 - Datareplicatorを導入している場合に使用するオプションです。抽出側の拠点で大規模災害があり,反映側の拠点に運用を切り替えるとき,このオプションを使って,反映側のJP1/AJS2をディザスターリカバリーモードでスタートします。ディザスターリカバリーモードは,ジョブの実行が抑止された状態で反映側のJP1/AJS2 - Managerを起動します。
なお,DBの種別にかかわらずジョブの実行は抑止された状態で起動します。
JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用ができるようにセットアップされたJP1/AJS2 - Managerだけで,このオプションを使用できます。JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用ができるようにセットアップされていないJP1/AJS2 - Managerでこのコマンドを実行すると,エラーメッセージが出力され,JP1/AJS2は起動しません。
反映側の拠点でJP1/AJS2のディザスターリカバリーが完了し,引き続き反映側の拠点で通常の運用をする場合は,JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用をアンセットアップしてください。このオプション以外の起動モードでJP1/AJS2 - Managerが起動できるようになります。
JP1/AJS2 - Datareplicatorによる運用切り替えの手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 - Datareplicator」を参照してください。
-q {clear|noclear}
コールドスタート時にジョブ実行環境データベースのジョブ情報を初期化するかどうかを選択します。
-coldオプションとだけ同時に指定できます。
省略した場合,ジョブ実行環境設定ファイル(Queue.conf)のColdStartModeパラメーターの値が仮定されます。省略した場合,かつ,ジョブ実行環境設定ファイルのColdStartModeパラメーターの値がデフォルト状態の場合は,ジョブ実行環境データベースのジョブ情報は初期化されます。
- clear
コールドスタート時にジョブ実行環境データベースのジョブ情報を初期化します。ただし,自動起動しない設定のスケジューラーサービスが存在する場合は初期化しません。
- noclear
コールドスタート時にジョブ実行環境データベースのジョブ情報を初期化しません。
-HA
JP1/AJS2のプロセスで異常が発生した場合,縮退運転ではなく,JP1/AJS2サービスのすべてのプロセスを終了します。
JP1/AJS2の一部のプロセスが異常時に,クラスタシステムの系切り替えを行う場合などに指定してください。
注意事項
- このコマンドはUNIXだけで実行できます。Windowsでは実行できません。
Windowsを使用している場合でプロセスを起動したいときは,[コントロールパネル]で[サービス]アイコンを選択し,表示される[サービス]ダイアログボックスを使ってプロセスを起動してください。
- このコマンドではajsinetdプロセスは起動できません。
- このコマンドを,jajs_start,またはjajs_start.clusterコマンドと同時に実行しないでください。JP1/AJS2が正しく起動しないおそれがあります。
- このコマンドは,プロセスの起動完了を待たずに終了します。JP1/AJS2のプロセスが起動したかどうかは,jajs_spmd_statusコマンドで確認してください。
- JP1/Power Monitorとの連携運用中で,かつ,JP1/Power Monitorからシステム終了処理を実行している間は,このコマンドを実行しないでください。
- データベースの種類にISAMを指定しているスケジューラーサービスを自動起動する設定にしてコールドスタートする場合,データベースには何もアクセスしてない状態(JP1/AJS2 - ViewからログオフしてJP1/AJS2のコマンドを使用していない状態)でコールドスタートしてください。データベースへのアクセスが残っていると,登録済みの情報の消去処理に失敗してこのスケジューラーサービスが起動できません(syslogファイル,またはWindowsイベントログファイルにエラーメッセージ(KAVS0218-E)が出力されて異常終了します)。
- 同一論理ホスト上でjajs_spmd_xxxxコマンドを同時に複数実行することはできません。
- このコマンドをリモートシェルコマンドで実行する場合は,標準入力,標準出力,および標準エラー出力を切断(標準入力,標準出力,および標準エラー出力に/dev/nullを割り当てる)しておいてください。切断しないでコマンドを実行した場合,JP1/AJS2のプロセスの起動が完了しても,リモートシェルコマンドが終了しないおそれがあります。
- このコマンドを実行してJP1/AJS2サービスを起動したときは,コマンドを実行したときのカレントディレクトリを削除しないでください。JP1/AJS2サービスを起動したカレントディレクトリを削除する場合は,あらかじめJP1/AJS2サービスを終了してください。
戻り値