JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス
形式
jpqagtalt
[-mh マネージャーホスト名]
-ah エージェントホスト名
-cp 時刻-時刻=ジョブ実行多重度...
[-em]
機能
同時に実行できるジョブ数(ジョブ実行多重度)を変更します。
実行権限
次に示すJP1権限レベルを与えられたユーザー
- JP1_JPQ_Admin権限
ただし,-emオプションを指定する場合は次の権限が必要です(JP1_JPQ_Admin権限は必要ありません)。
- Windowsの場合:Administrators権限
- UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-mh マネージャーホスト名
ジョブ実行多重度を変更したいエージェントホストが接続されている,マネージャーホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
省略した場合,自ホスト名が仮定されます。
-emオプションと同時に指定する場合,指定できるホスト名は,ローカルホスト名またはローカルホスト上の論理ホスト名だけです。それ以外の値が指定された場合はエラー(エラーコード25)となります。また,この場合,-mhオプションにエイリアスホスト名を指定することはできません。
-ah エージェントホスト名
ジョブ実行多重度を変更したいエージェントホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
-cp 時刻-時刻=ジョブ実行多重度
ジョブ実行多重度を変更する期間と,その期間のジョブ実行多重度を指定します。
ジョブ実行多重度を指定することによって,このエージェントホストで同時に実行できるジョブ数を制限できます。同時実行数が制限されるジョブは,標準ジョブ(UNIXジョブ,PCジョブ,QUEUEジョブ),アクションジョブ,およびカスタムジョブです。同時に実行しようとしたジョブ数が,実行多重度に達した場合,実行多重度を超えた分のジョブは,実行中のジョブが終了するまでキューイング(実行待ち)の状態になります。
期間は,時刻と時刻とを「-(ハイフン)」でつないで指定します。時刻は30分単位で「hh:mm」の形式で指定します。
hhに指定できる値は,0または00〜23(単位:時)です。
mmに指定できる値は,0,00,または30(単位:分)です。
実行多重度に指定できる値は,0〜4,294,967,295です。
コマンド投入時刻を含む期間を指定した場合,実行多重度はすぐに変更されます。
期間と実行多重度は複数指定できます。ただし,期間を重複して指定した場合は,あとで指定した値が反映されます(例えば,「-cp 1:00-2:30=5 2:00-4:00=10」と指定した場合,重複している2:00〜2:30の実行多重度は10です)。
後述の「補足事項」に,ジョブ実行多重度の指定例が記載されています。必要に応じて参照してください。
-em
緊急実行時に指定します。
このオプションを指定すると,通常とは異なる通信経路に対して要求するため,障害時などに緊急で実行できるようになります。
なお,このオプションを指定する場合,マネージャーホスト名にIPアドレスは指定できません。
注意事項
- このコマンドは,JP1/NQSEXECおよびJP1/OJE for VOS3との連携には使用できません。
- このコマンドで指定するジョブ実行多重度には,イベントジョブの実行多重度は含まれません。
- ジョブ実行多重度を指定しなかった期間には,実行多重度0が仮定されます(例えば,「-cp 10:00-22:00=10」だけ指定した場合,00:00〜10:00の実行多重度は0,10:00〜22:00の実行多重度は10,22:00〜00:00の実行多重度は0になります)。
- -emオプションは,エージェント障害から復旧する目的でだけ指定してください。常に-emオプションを指定した運用をする場合,障害発生時に対応できなくなるおそれがあります。
- Windows Server 2008のホストで,-emオプションを指定してこのコマンドを実行する際には,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを起動する際は,Windowsの[スタート]メニューの[コマンドプロンプト]を右クリックし,ショートカットメニューから[管理者として実行]を選択してください。UAC機能が無効の場合は,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要はありません。
- 標準入力ファイル,標準出力ファイル,標準エラー出力ファイル,または転送ファイルに含まれるデータ中に使用できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 5.6.1(2) 使用できる文字の範囲」を参照してください。
戻り値
0 正常終了。 1 引数の指定が不適切である。 2 ジョブ実行多重度の変更依頼側の内部的要因で,ジョブ実行多重度の変更に失敗した。 5 初期化に失敗した。
- 論理ホスト名の定義または環境設定に誤りがある。
6 ジョブ実行多重度の変更依頼側でメモリー不足が発生した。 7 ジョブ実行多重度の変更依頼側で論理不正が発生した。 25 マネージャーホスト名の指定にローカルホスト名および論理ホスト名以外を指定した。 100 TCP/IP通信でマネージャーホストに接続できない。
- TCP/IPが正しく設定されていないため,マネージャーホストに接続できない。
- マネージャーホスト名に誤りがある。または,マネージャーホストがプロセス停止状態である。
102 マネージャーホスト名によるIPアドレスの解決に失敗した。 200 マネージャーホストがジョブ実行多重度の変更を受け付けない。
- マネージャーホストが運用開始処理中,運用停止処理中,運用停止中,または縮退運転中である。
201 指定したエージェントホストが使用できない。
- 指定したエージェントホストがない。
202 マネージャーホストから応答がない。 203 マネージャーホスト側の内部的要因で,ジョブ実行多重度の変更に失敗した。 206 ジョブ実行多重度を変更する権限がない。 219 マネージャーホストがビジー状態である。 220 マネージャーホスト側でメモリー不足が発生した。 222 致命的なエラーが発生した。
- システムコールでエラーが発生した。
223 マネージャーホスト側で論理不正が発生した。 224 JP1/AJS2以外のホストに要求した。 226 実行環境が不適切である。
ジョブ実行多重度の指定例を次に示します。
- 1:00〜5:00のジョブ実行多重度を1にする場合
-cp 01:00-05:00=1- 23:00〜24:00のジョブ実行多重度を1にする場合
24:00は,00:00または0:0と指定します。
-cp 23:00-00:00=1
- 23:00〜24:00および翌日の00:00〜05:00のジョブ実行多重度を1にする場合
日をまたいでジョブ実行多重度を設定できます。
-cp 23:00-05:00=1
- 1日のジョブ実行多重度を1にする場合
-cp 00:00-00:00=1
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