JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス
形式
ajsstart
[-c|-o|-t]
[-F サービス名]
[-s {none|EXEC}]
[-w]
[-R]
機能
JP1/AJS2のスケジューラーサービスを起動します。その後,実行登録済みのジョブネットを実行します。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-c
すべてのジョブネットの実行登録を強制的に解除して,スケジューラーサービスを起動します(コールドスタートします)。
コールドスタートが必要な場合を次に示します。
- JP1/AJS2のスケジューラーの,データベースのテーブル構造が変更された場合。
- スケジューラーサービスが起動できない場合。
スケジューラーサービスをコールドスタートした場合,スケジューラーサービスの起動後に,ジョブネットを再実行登録してください。
なお,スケジューラーサービスをコールドスタートすると,すべてのジョブネットの前世代までの実行結果がすべて削除されます。コールドスタートする前に,必要な履歴情報を保存しておくことをお勧めします。
このオプションは-Rオプションと同時には指定できません。
-o
その日に実行予定のあるジョブネットの場合で,実行開始予定時間がスケジューラーサービスの起動時間より前のジョブネットは,スケジューラーサービス起動時に実行しません。
このオプションを省略した場合,実行開始予定時間がスケジューラーサービスの起動時間より前のジョブネットを,スケジューラーサービス起動時に自動的に実行します。
-Rオプションと同時に指定した場合,このオプションは無効です。
-t
その日に計画実行するように予定されているジョブネット,またはその日に確定実行するように予定されているジョブネットを実行しません。
-Rオプションと同時に指定した場合,このオプションは無効です。
-F サービス名
処理対象とする,スケジューラーサービスのサービス名を指定します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
省略した場合,デフォルトサービス名が仮定されます。
-s {none|EXEC}
ジョブネットおよびジョブの実行を抑止するか,または抑止を解除するかを指定します。
- none
ジョブネットとジョブの実行抑止を解除します。
- EXEC
ジョブネットとジョブの実行を抑止します。現在実行中のジョブネットおよびジョブの実行が終了したあとは,新たにジョブネットおよびジョブは起動されません。
-w
スケジューラーサービスが起動したあと,コマンドを終了します。
-R
スケジューラーサービスの前回の停止時に実行中状態であったジョブネットおよびジョブの実行を継続します(ホットスタートします)。
- ジョブネットの場合
- スケジューラーサービス停止時の状態から継続実行します。
- また,開始予定時刻を超過しているジョブネットを,スケジューラーサービス起動直後に実行します。
- ジョブの場合
- スケジューラーサービス停止時のジョブ状態を求め,その状態から継続実行します。
このオプションは-cオプションと同時には指定できません。
注意事項
- このコマンドを実行する前に,JP1/AJS2を起動しておく必要があります。
Windowsの場合は,[サービス]ダイアログボックスや[サービス]ウィンドウを使って,JP1/AJS2サービスを起動しておいてください。
UNIXの場合は,jajs_spmdコマンドを使って,JP1/AJS2のプロセスを起動しておいてください。
- システムの日付や時刻を前に戻した場合は,JP1/AJS2全体をコールドスタートしてください。
- ajslocaldateコマンドでスケジューラーサービスのローカル日時を変更した場合は,変更したスケジューラーサービスをコールドスタートしてください。
- スケジューラーサービスがすでに起動している場合,このコマンドは異常終了します。
- -cオプションおよび-Rオプションのどちらも指定しなかった場合は,スケジューラーサービスをウォームスタートします。
- トラブルが発生した場合にスケジューラーサービスをコールドスタートするときは,必要な履歴情報を採取したあとに実施することをお勧めします。ログ情報の採取方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 17.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」,および「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 17.4 資料の採取方法」を参照してください。
- 環境設定※が不適切であった場合,スケジューラーサービスは起動されません。
- 注※
- Windowsの場合は,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの定義内容。
- UNIXの場合は,スケジューラーサービス環境設定ファイル(Schedule.conf)の定義内容。
- データベースの種類にISAMを設定しているスケジューラーサービスをコールドスタートする場合,データベースには何もアクセスしてない状態(JP1/AJS2 - ViewからログオフしてJP1/AJS2のコマンドを使用していない状態)でコールドスタートしてください。データベースへのアクセスが残っていると,登録済みの情報の消去処理に失敗してサービスが起動できません(syslogファイル,またはWindowsイベントログファイルにエラーメッセージ(KAVS0218-E)が出力されて異常終了します)。
- JP1/AJS2をディザスターリカバリーモードで起動している場合,ajsstartコマンドに-s noneを指定しても無視され,ジョブネットおよびジョブの実行を抑止してスケジューラーサービスを起動します。
- -Rオプションを指定してスケジューラーサービスをホットスタートした際またはウォームスタートした際に,ジョブの状態を取得できなかった場合は,ジョブの状態を「終了状態不明」に遷移させ,ジョブの実行を終了することがあります。ジョブの状態を取得できない条件の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 15.4.1(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態」の「表15-3 ホットスタート(-hot)した場合のジョブネットおよびジョブの状態」または「表15-4 ウォームスタート(-warm)した場合のジョブネットおよびジョブの状態」の「ジョブ(標準ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ)」の欄を参照してください。
- このコマンドでスケジューラーサービスを起動した場合,環境設定パラメーターOVERSCHEDULEの値は有効になりません。このコマンドの動作に従って実行されます。環境設定パラメーターOVERSCHEDULEとこのコマンドのオプションとの対応を次の表に示します。
表1-42 環境設定パラメーターとajsstartコマンドのオプションとの対応表
パラメーターの設定 ajsstartコマンドのオプション
- UNIXの場合
- OVERSCHEDULEに「exec」を設定する。
- Windowsの場合
- [マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブネットのスキップ]で[しない]を設定する。
-tおよび-oを指定しない。
- UNIXの場合
- OVERSCHEDULEに「skip」を設定する。
- Windowsの場合
- [マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブネットのスキップ]で[予定時刻超過]を設定する。
-oオプションを指定する。
- UNIXの場合
- OVERSCHEDULEに「plan」を設定する。
- Windowsの場合
- [マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブネットのスキップ]で[当日予定]を設定する。
-tオプションを指定する。
- Windows Server 2008のホストでこのコマンドを実行する際には,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを起動する際は,Windowsの[スタート]メニューの[コマンドプロンプト]を右クリックし,ショートカットメニューから[管理者として実行]を選択してください。UAC機能が無効の場合は,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要はありません。
戻り値
0 正常終了。 4〜124で4の倍数値 異常終了。
使用例
スケジューラーサービスをコールドスタートします。
ajsstart -c
Copyright (C) 2006, 2010, Hitachi, Ltd.
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