ここでは,環境設定で設定する項目について説明します。実際の設定手順については「18.4.2 クラスタシステムの環境設定の手順」で説明します。
(1) 共有ディスクへの共有ファイルの作成
実行系・待機系の切り替え時に情報を共有するために,ディレクトリやファイルを共有ディスク上に作成します。作成するディレクトリの種類とディレクトリ名を次の表に示します。これらディレクトリは,jp1ajs2_setup_cluster実行時に-dオプションで指定した「共有ディレクトリ名/jp1ajs2」の下に自動的に作成されます。
表18-2 共有ディレクトリに作成するディレクトリの種類とディレクトリ名(JP1/AJS2 - Manager)
共有ディレクトリの種類 | ディレクトリ名 |
---|---|
構成定義ファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/conf |
ジョブ実行環境ファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/database |
ジョブ情報ファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/jobinf |
ログファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log |
システムファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/sys |
作業ファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp |
バックアップファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/backup |
JP1/AJS2 Console Managerのデータディレクトリ | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2cm/database※ |
表18-3 共有ディレクトリに作成するディレクトリの種類とディレクトリ名(JP1/AJS2 - Agent)
共有ディレクトリの種類 | ディレクトリ名 |
---|---|
構成定義ファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/conf |
ログファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log |
システムファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/sys |
作業ファイル | 共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp |
共有ディレクトリは,JP1/Baseで論理ホストの環境設定時に指定したディレクトリを指定してください。論理ホストが異なる場合は,別のディレクトリを割り当ててください。論理ホストごとに割り当てたディレクトリ下に,共有するディレクトリやファイルを作成します。
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/conf
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/database
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/jobinf
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/log
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/sys
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/tmp
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2/backup
/shdsk/node0/jp1ajs2/jp1ajs2cm/database
(2) 通信方式の設定
通信で使用するTCP/IPソケットにIPアドレスをバインドする方法が設定されます。クラスタシステムで多重起動をする場合は,物理ホストも含めてすべてIPアドレスにバインドする方式を使用します。「18.4.2 クラスタシステムの環境設定の手順」に従うと,IPアドレスにバインドする方式が自動的に設定されます。
スケジューラーサービスの多重起動の設定でジョブ状態通知ポートのサービス名に対するポート番号を追加している場合は,ポート番号の設定をしてください。
(3) 共通定義情報の設定
JP1/AJS2,JP1/Base,JP1/IMでは,論理ホストごとの情報を共通定義情報としてローカルディスク上に持っており,論理ホストごとに同じ内容にしておく必要があります。
引き継がれる情報は,構成定義ファイルやジョブ実行環境ファイルなどです。