16.2 転送元ファイルの検索パスを定義する

転送元ファイルの検索パスを定義すると,相対パス指定でもパス解決ができます。

検索パスの定義方法を次に示します。

<この節の構成>
(1) 定義手順
(2) 定義パラメーター一覧
(3) 定義内容
(4) 定義例

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS2のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※1
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
    # /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlstop※2
    # /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlstatus※2

    注※1
    自動停止の設定が行われていることを確認してください。
    注※2
    キューレスジョブを使用している場合だけ実行する必要があります。
  2. viなどのエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した検索パス定義ファイルを作成する。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 検索パス定義ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. 手順1で停止したサービスを再起動する。
    設定した内容が反映されます。
    注意
    要求を行うホスト上で設定してください。例えば,jpqjobsubコマンドでジョブをサブミットする場合は,コマンドを実行するホスト上で設定してください。
    なお,結果ファイルに対して,この機能は有効ではありません。

(2) 定義パラメーター一覧

表16-3 転送元ファイルの検索パスの定義パラメーター一覧

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥PathEnv]"All Users"=転送元ファイルの検索パスの定義
"JP1ユーザー名"=転送元ファイルの検索パス
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(3) 定義内容

"JP1ユーザー名"=検索パス名
ジョブを実行するJP1ユーザーごとに検索パス名を指定します。
"All Users"=検索パス名
すべてのJP1ユーザーに対して検索パス名を指定します。

JP1ユーザーごとの設定と,すべてのJP1ユーザーに対する設定の順序は任意です。

設定が重複した場合の優先度は次のとおりです。

(4) 定義例

条件
JP1ユーザー共通の検索パス:/home/user1/trans1,/home/user1/trans2
転送元ファイル名:/home/user1/trans1/TransFile1
定義例
  • ジョブ中の転送元ファイルの定義

    転送元ファイル名=TransFile1

  • サブミット要求元での検索パスの定義

    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥PathEnv]
    "All Users"="/home/user1/trans1::/home/user1/trans2"

    {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
この定義によって,サブミット要求元ホストでは,転送元ファイルとして「/home/user1/trans1/TransFile1」が設定されます。