7.41 システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合にジョブ定義の環境変数を有効にするための設定
ジョブ※1の定義に指定した環境変数※2が小文字の英字を含み,大文字・小文字を区別しないと同名になる環境変数がシステム環境変数にある場合,小文字の英字を含む環境変数が有効にならないことがあります。
- 注※1
- ジョブは,PCジョブ(キューレスジョブを除く),またはjpqjobsubコマンドで実行するサブミットジョブのことです。
- 注※2
- 次のどれかが該当します。
- JP1/AJS2 - Viewの[詳細定義-[PC Job]]ダイアログボックスで[環境変数]に指定した環境変数,またはjpqjobsubコマンドの-envオプションに指定した環境変数
- JP1/AJS2 - Viewの[詳細定義-[PC Job]]ダイアログボックスで[環境変数ファイル名]に指定した環境変数ファイルの環境変数,またはjpqjobsubコマンドの-evオプションに指定した環境変数ファイルの環境変数
小文字の英字の有無と有効になる環境変数の関係を,次の表に示します。
表7-42 小文字の英字の有無と有効になる環境変数の関係
| ジョブ定義に指定した 環境変数 | システム環境変数 | 有効になる環境変数 |
---|
小文字の英字を含む例 | Aa=www AB=yyy | AA=xxx AB=zzz | AA=xxx AB=yyy |
小文字の英字を含まない例 | AA=www AB=yyy | AA=xxx AB=zzz | AA=www AB=yyy |
小文字の英字を含む例の場合,ジョブ定義に指定した環境変数「Aa」は小文字の英字「a」を含み,大文字・小文字を区別しないと同名になる環境変数「AA」がシステム環境変数にあります。この場合,システム環境変数「AA」が有効となり,ジョブ定義に指定した環境変数「Aa」は有効になりません。
ジョブ定義に指定した小文字の英字を含む環境変数を有効にするためには,次に示す手順でオプションを有効にしてください。大文字・小文字を区別しないと同名になる環境変数がシステム環境変数にない場合は,設定する必要はありません。
なお,このオプションはジョブの実行先ホスト上で設定してください。
- <この節の構成>
- (1) 定義手順
- (2) 定義パラメーター一覧
- (3) 定義内容
(1) 定義手順
- Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次のサービスを停止する。
- 注意事項
- クラスタシステムの場合は,クラスタの設定を確認し,論理ホストのJP1/AJS2サービスも停止してください。
- メモ帳などのテキストエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
設定ファイルのファイル名は任意です。
- ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnf 設定ファイル名
jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ¥bin¥jbssetcnf」です。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- JP1/AJS2を再起動する。
設定ファイルに記述した内容が反映されます。
(2) 定義パラメーター一覧
表7-43 システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合にジョブ定義の環境変数を有効にするための定義パラメーター
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Job]※ | "MergeEnvMode"= | システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合に,ジョブ定義の環境変数を有効にするかどうかの定義 |
- 注※
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定してください。
(3) 定義内容
- "MergeEnvMode"=dword:00000000|00000001
- システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合に,ジョブ定義の環境変数を有効にするかどうかを指定します。
- 0
- システム環境変数と重複するジョブ定義の環境変数を有効にしない場合に指定します。
- 1
- システム環境変数と重複するジョブ定義の環境変数を有効にする場合に指定します。
- デフォルトは「0」です。