16.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する

PCジョブ,UNIXジョブ,およびQUEUEジョブの詳細定義では,次の項目のワークパスを変数で定義できます。この変数はエージェントホストごとに異なる値を定義できるため,エージェントホストごとに異なるワークパスでジョブが実行できます。

表16-1 ジョブ定義の変数指定可能項目一覧

ジョブ定義時の指定項目使用可否
コマンド文(UNIX限定)
実行ファイル名(Windows限定)
スクリプトファイル名(UNIX限定)
パラメーター
環境変数×
環境変数ファイル名×
ワークパス×
標準入力ファイル名
標準出力ファイル名
標準エラー出力ファイル名
転送元ファイル名×
転送先ファイル名×
(凡例)
○:指定できる。
×:指定できない。
注※
スクリプトファイルの中身は対象外。

ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する手順を次に示します。

<この節の構成>
(1) 定義手順
(2) 定義パラメーター一覧
(3) 定義内容
(4) 定義例
(5) 注意事項

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS2のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※1
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
    # /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlstop※2
    # /opt/jp1ajs2/bin/ajsqlstatus※2

    注※1
    自動停止の設定が行われていることを確認してください。
    注※2
    キューレスジョブを使用している場合だけ実行する必要があります。
  2. viなどのエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
    設定ファイルのファイル名は任意です。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 設定ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. 手順1で停止したサービスを再起動する。
    設定ファイルに記述した内容が反映されます。

(2) 定義パラメーター一覧

表16-2 ジョブ実行時のワークパス変数定義パラメーター一覧

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Variable]"変数名"=変数名に対応したワークパスを入力します。
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(3) 定義内容

"変数名"="値"
変数名
「$変数名$」で指定する文字列を入力します。なお,ここで定義した変数名は,ファイルパス名やパラメーターで使用できます。
変数名に対応した実行プログラムの,そのホストでのインストールパスを入力します。
注意事項
環境設定パラメーターを誤って設定した場合は,「付録E 誤った環境設定パラメーターを設定したときの回復方法」を参照し,手順に従って回復してください。

(4) 定義例

例えば,「prog1」という名称のジョブプログラムのインストールパスがホストごとに異なっていて,Agent1ホストでは「/usr/i1/pp1/bin」に,Agent2ホストでは「/usr/i2/pp1/bin」に,それぞれインストールされているとします。この場合,次のように定義します。

この定義によって,Agent1ホストでは「/usr/i1/pp1/bin/prog1」が実行され,Agent2ホストでは「/usr/i2/pp1/bin/prog1」が実行されます。

(5) 注意事項

「JP1」から始まる文字列はシステムで使用するため,指定しないでください。