ここでは,環境設定で設定する項目について説明します。実際の設定手順については「9.4.2 クラスタシステムの環境設定の手順」で説明します。
(1) 共有ディスクへの共有ファイルの作成
実行系・待機系の切り替え時に情報を共有するために,フォルダやファイルを共有ディスク上に作成します。作成するフォルダの種類とフォルダ名を次の表に示します。これらフォルダは,jp1ajs2hasetup.exe実行時に[実行系論理ホストの設定]ダイアログボックスの[ファイルフォルダ]で指定したフォルダの下に自動的に作成されます。作成されたフォルダの権限は,[ファイルフォルダ]で指定したフォルダの権限を継承して設定されます。作成されたフォルダ,および上位のフォルダに,ジョブやコマンドを実行するOSユーザーのアクセス権限が不足していると,ジョブやコマンドが異常終了する場合があります。
表9-2 共有ディスクに作成するフォルダの種類とフォルダ名(JP1/AJS2 - Manager)
共有フォルダの種類 | フォルダ名 |
---|---|
構成定義ファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥conf |
ジョブ実行環境ファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥database |
ジョブ情報ファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥jobinf |
ログファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥log |
システムファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥sys |
作業ファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥tmp |
バックアップファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥backup |
JP1/AJS2 Console Managerのデータディレクトリ | 共有フォルダ名¥jp1ajs2cm¥database※ |
表9-3 共有ディスクに作成するフォルダの種類とフォルダ名(JP1/AJS2 - Agent)
共有フォルダの種類 | フォルダ名 |
---|---|
構成定義ファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥conf |
ログファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥log |
システムファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥sys |
作業ファイル | 共有フォルダ名¥jp1ajs2¥tmp |
共有フォルダは,JP1/Baseで論理ホストの環境設定時に指定したフォルダを指定してください。論理ホストが異なる場合は,別のフォルダを割り当ててください。論理ホストごとに割り当てたフォルダ下に,共有するフォルダやファイルを作成します。
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥conf
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥database
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥jobinf
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥log
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥sys
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥tmp
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2¥backup
e:¥shdsk¥node0¥jp1ajs2cm¥database
(2) 通信方式の設定
通信で使用するTCP/IPソケットにIPアドレスをバインドする方法が設定されます。クラスタシステムで多重起動をする場合は,物理ホストも含めてすべてIPアドレスにバインドする方式を使用します。「9.4.2 クラスタシステムの環境設定の手順」に従うと,IPアドレスにバインドする方式が自動的に設定されます。
スケジューラーサービスの多重起動の設定でジョブ状態通知ポートのサービス名に対するポート番号を追加している場合は,ポート番号の設定をしてください。
(3) 共通定義情報の設定
JP1/AJS2,JP1/Base,JP1/IMでは,論理ホストごとの情報を共通定義情報としてローカルディスク上に持っており,論理ホストごとに同じ内容にしておく必要があります。
引き継がれる情報は,構成定義ファイルやジョブ実行環境ファイルなどです。
(4) サービスの登録
論理ホスト対応のサービスを登録します。サービスは,次の名称で登録されます。
表示名称:JP1/AJS2_論理ホスト名
サービス名:JP1_AJS2_論理ホスト名