4.1.1 論理ホスト共通の情報を定義する

論理ホスト共通の情報は,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[論理ホスト共通]タブで定義してください。

マネージャー環境で設定する[論理ホスト共通]タブを次に示します。

図4-1 [論理ホスト共通]タブ([マネージャー環境設定]ダイアログボックス)

[図データ]

各項目の定義内容を説明します。

デフォルトスケジューラーサービス名
デフォルトとなるスケジューラーサービスの名称を30バイト以内で指定します。この項目は必ず指定してください。デフォルトは「AJSROOT1」です。
ジョブ実行時などで,対象となるスケジューラーサービス名が指定されていない場合は,ここで指定したスケジューラーサービスを対象としてジョブが実行されます。
リモートジョブネットスケジューラーサービス名
リモートジョブネットを実行するスケジューラーサービスの名称を30バイト以内で指定します。この項目を設定しない場合は,リモートジョブネットの実行を他ホストから依頼されても,実行できません。
文字コード種別
ユニット名称や定義内容で使う文字コードを次の三つから選択します。
  • [Shift-JIS]
    シフトJISコード
  • [C]
    7ビットASCII文字コード
  • [EUC]
    EUC文字コード
デフォルトは[Shift-JIS]です。
なお,JP1/AJS2で業務を定義・実行しているときに文字コードを変更しないでください。JP1/AJS2運用中に文字コードを変更する場合は,ジョブネットをすべて登録解除し,ユニットを退避させてから変更してください。変更後は,JP1/AJS2サービスを再起動し,ユニットを回復し,ジョブネットを実行登録します。
スケジューラーサービスの再起動回数
スケジューラーサービスを構成するプロセスが異常終了した場合に,異常終了したプロセスを自動的に再起動する回数を指定します。指定した数の分だけスケジューラーサービスを再起動するため,0~3の間の指定をお勧めします。デフォルトは「3」です。
「0」を指定した場合,スケジューラーサービスは再起動されません。「1」を指定した場合,スケジューラーサービスは1回だけ再起動されます。
再起動回数をクリアするまでの時間
スケジューラーサービスを構成するプロセスが異常終了し,再起動された場合,再起動から再停止するまでの時間が一定時間を超えると,正常動作できたものとみなし,再起動回数をクリアーします。正常動作とみなす稼働時間を180(単位:秒)以上で指定します。デフォルトは「180」です。
スケジューラーサービス異常時の処理
一つのスケジューラーサービスが異常終了した場合に,すべてのスケジューラーサービスを停止し,ajsmasterdプロセスを異常終了させるかどうかを次のどちらかから選択します。
  • [スケジューラーサービスを終了する]
    すべてのスケジューラーサービスが終了し,ajsmasterdプロセスが異常終了します。この場合,ajsstartコマンドでスケジューラーサービスを再起動できません。JP1/AJS2サービスを再起動して,スケジューラーサービスを起動してください。
  • [スケジューラーサービスを終了しない]
    スケジューラーサービス全体は終了しません。この場合,ajsstartコマンドで異常終了したスケジューラーサービスを再起動できます。
デフォルトは[スケジューラーサービスを終了しない]です。
クラスタ運用時の論理ホストでは,論理ホストのスケジューラーサービスが異常終了した場合,次の動作となります。
  • [スケジューラーサービスを終了する]を指定した場合,スケジューラーサービスが異常終了した論理ホストのJP1/AJS2サービスを終了します。
  • [スケジューラーサービスを終了しない]を指定した場合,スケジューラーサービスが異常終了した論理ホストのJP1/AJS2サービスは終了しません。
なお,[スケジューラーサービスを終了する]を指定した場合でも,スケジューラーサービスの再起動回数で指定した回数の再起動を行います。指定した再起動回数に達したあとに異常終了した場合,すべてのスケジューラーサービスは終了します。
JP1/AJS2 - Monitorサービスの開始・終了ログ出力
JP1/AJS2 Monitorサービスの開始・終了メッセージを,イベントログおよびスケジューラーログに出力するかどうかについて設定します。
イベントログ
JP1/AJS2 Monitorサービスの開始・終了メッセージ,JP1/AJS2 Monitorサービスの受付処理開始・終了メッセージおよびモニターサーバの起動・終了メッセージを,Windowsイベントログおよび統合トレースログに出力するかどうかを次のどちらかから選択します。
  • [しない]
    JP1/AJS2 Monitorサービスおよびモニターサーバに関するメッセージを出力しません。
  • [すべて]
    JP1/AJS2 Monitorサービスの開始メッセージ(KAVS0530-I),終了メッセージ(KAVS0531-I),JP1/AJS2 Monitorサービスの受付処理開始メッセージ(KAVS0532-I),受付処理終了メッセージ(KAVS0533-I),モニターサーバの起動メッセージ(KAVS0534-I)および終了メッセージ(KAVS0535-I)を出力します。
デフォルトは[しない]です。
この項目は,JP1/AJS2の新規のインストール時および新規のセットアップ時に「すべて」が設定されます。
スケジューラーログ
スケジューラーサービスへの接続開始・終了メッセージをスケジューラーログに出力するかどうかを次のどちらかから選択します。
  • [しない]
    スケジューラーサービスへの接続開始・終了メッセージを出力しません。
  • [すべて]
    スケジューラーサービスへの接続開始・終了メッセージを出力します。
デフォルトは[しない]です。
JP1/AJS2 - Monitorサービスの認証ログ出力
ユーザー認証に関するメッセージを,イベントログおよびスケジューラーログに出力するかどうかについて設定します。
イベントログ
ユーザー認証に関するメッセージを,Windowsイベントログおよび統合トレースログに出力するかどうかを選択します。
  • [しない]
    ユーザー認証に関するメッセージを出力しません。
  • [すべて]
    ユーザー認証に関するメッセージを出力します。
デフォルトは[しない]です。
スケジューラーログ
ユーザー認証に関するメッセージを,スケジューラーログに出力するかどうかを選択します。
  • [しない]
    ユーザー認証に関するメッセージを出力しません。
  • [すべて]
    ユーザー認証に関するログを出力します。
デフォルトは[しない]です。
最大同時セション数
JP1/AJS2 - Viewの最大接続数を0~128の間で指定します。
デフォルトは「50」です。
この項目で指定した数を超えてJP1/AJS2 - Viewから接続しようとした場合,接続できません。
ログオンセションのプロセス起動方法
OSのユーザーアカウントでログオンして実行されるセションのプロセス起動方法を次のどちらかから選択します。
  • [ログオンの再利用を行う]
    同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションのログオン情報を保存して再利用します。この指定を行うことによって,同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションがデスクトップヒープを共有するようになり,デスクトップヒープ領域の消費を抑えることができます。
    同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションが同時に多数あり,デスクトップヒープ領域の不足によってプロセスが起動できない場合に指定してください。なお,この指定を行った場合,OSのユーザー情報を変更したときには,JP1/AJS2 Monitorサービスの再起動が必要になります。
  • [ログオンの再利用を行わない]
    同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションのログオン情報を再利用しません。
デフォルトは[ログオンの再利用を行わない]です。
この項目は,JP1/AJS2 Monitorサービスの起動時に有効になります。
この項目は,次に示す操作に伴うセションのプロセス起動に適用されます。
  • JP1/AJS2 - Viewの接続
  • コマンドのリモート実行
  • リモートジョブネットの実行
  • JP1/AJS2 - Definition Assistantからの操作
  • JP1/AJS2 - Scenario Operationからの操作
ログオン共有セション数
ログオンの再利用を行うとき,ログオン情報を共有するセションの数を1~128の間で指定します。
同一OSユーザーのセション数が,ここで指定する数を超えた場合,新たにデスクトップヒープを割り当てます。
デフォルトは「50」です。
[ユーザーアカウントセション起動方法]で[ログオンの再利用を行う]を選択した場合だけ指定できます。
この項目は,JP1/AJS2 Monitorサービスの起動時に有効になります。
[ログオン共有セション数]の見積もり方法
デスクトップヒープ領域が不足した場合は,[ログオン共有セション数]を次に示す範囲で調整してください。なお,非対話型プロセスに割り当てられるデスクトップヒープの大きさについては,OSのドキュメントを参照してください。

ログオン共有セション数 <
非対話型プロセスに割り当てられるデスクトップヒープの大きさ(キロバイト) / 10(キロバイト)