ジョブ実行環境を設定する場合に,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスで定義する項目および環境設定パラメーターでの設定方法を説明します。
各項目の推奨値と設定が有効になる時期については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 5.3.2 ジョブ実行環境に関する環境設定について検討する」を参照してください。
(1) ジョブ実行環境を定義する
ジョブ実行時に必要な情報は,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブ実行環境]タブで定義してください。
マネージャー環境で設定する[ジョブ実行環境]タブを次に示します。
図4-7 [ジョブ実行環境]タブ([マネージャー環境設定]ダイアログボックス)
各項目の定義内容を説明します。
(2) ジョブ実行環境を変更する
ジョブ実行環境は,デフォルトで実行ホスト(エージェント)が一つ,ローカルホストに作成されます。しかし,システムによっては,ジョブの実行環境を変更する(ジョブ実行環境に構成定義情報を追加する)必要があります。例として次の場合があります。
ジョブの実行環境を変更する(ジョブ実行環境に構成定義情報を追加する)必要がある場合は,次に示すどちらかの方法で,新たに実行ホスト(エージェント),キュー,または排他実行リソースの構成定義情報を追加する必要があります。
ジョブの実行環境を一括で定義したい場合は,jpqimportコマンドを使用してください。このコマンドを使用すると,ジョブ実行環境のデータベースが再作成され,ジョブ実行環境を一括定義できます。
また,jpqagtadd,jpqqueaddなどのコマンドを使用して,データベース作成後にエージェントやキューなどを追加,削除,変更することもできます。
jpqimportコマンドの詳細については,「20. セットアップ時に使用するコマンド jpqimport」を参照してください。その他のコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド」を参照してください。
運用中にジョブ実行環境を変更したい場合は,jpqagtadd,jpqqueadd,jpqresaddなどのコマンドを使用してください。
(a) ジョブ実行環境に構成定義情報を一括で追加する
ここでは,jpqimportコマンドを使用して,ジョブの実行環境を一括定義する方法を説明します。
図4-8 ジョブ実行環境構成定義ファイルの記述例
(b) 運用中にジョブ実行環境の構成定義情報を動的に追加する
jpqagtadd,jpqqueaddなどのコマンドを使用してJP1/AJS2の運用中にエージェントやキューなどを追加,削除,または変更できます。運用中に,ジョブ実行環境に構成定義情報を追加する場合は,jpqagtadd,jpqqueadd,jpqresaddなどのコマンドを使用してください。また,運用中にジョブ実行環境の構成定義情報を変更する場合は,jpqagtalt,jpqquealtなどのコマンドを使用してください。各コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド」を参照してください。
jpqagtaddコマンドで実行ホスト(エージェント)を追加する手順を次に示します。
jpqagtadd -ah エージェント名 -cp ジョブ実行多重度の設定
jpqqueopen -ah エージェント名 -en
jpqquealt -ah エージェント名 -mj ジョブ数の最大値 -wj ジョブ数の警告値
jpqagtlink -ah エージェント名 -lh エージェント名 -clp 接続先エージェントの優先順位
jpqagtshow -ah エージェント名
jpqqueshow -ah エージェント名
(3) 環境設定パラメーターで定義する
ジョブ実行環境は,環境設定パラメーターを設定して定義することもできます。
(a) 設定手順
jbssetcnf 設定ファイル名
(b) 環境設定パラメーター
ジョブ実行環境で設定できる環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。なお,環境設定パラメーターの詳細については,「14.2.2 マネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)で設定する内容」を参照してください。
表4-2 環境設定パラメーター一覧(JP1/AJS2 - Manager)(Windows)
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|---|---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Process]※1 | "WorkPath"= | マネージャープロセス実行時のワークディレクトリ名 |
"IsHA"= | マネージャープロセスのクラスタ環境設定の定義 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Database]※1 | "DatabasePath"= | データベース格納ディレクトリ名 |
"PreserveTerm"= | ジョブ情報の保存日数 | |
"StandardTime"= | ジョブ情報削除の基準時刻 | |
"FlashOption"= | データファイル更新モード | |
"DeleteFlashOption"= | ジョブ情報削除処理非同期オプション | |
"PreserveMinute"= | ジョブ情報保存日数0日指定時のジョブ情報の保存時間 | |
"StartUpDelete"= | JP1/AJS2サービス起動時のジョブ情報削除処理抑止オプション | |
"ColdStartMode"= | JP1/AJS2サービスのコールドスタート時のデータベース初期化 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Queue]※1 | "MaximumQueue"= | キューの最大定義数 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Job]※1 | "MaximumContentJob"= | システム内の最大ジョブ数 |
"AlartContentJob"= | システム内の警告ジョブ数 | |
"ReceiveFileSizeStatus"= | ファイルサイズが上限値に達したときの動作 | |
"LimitReceiveFileSize"= | ファイルサイズの上限値 | |
"ReceiveFileOption"= | ジョブ結果ファイルの二重受信防止の定義 | |
"QueuingJobRecoveryTime"= | キューイング中のジョブに対するエージェントの障害回復待ち時間 | |
"ExecutingJobRecoveryTime"= | 実行中のジョブに対するエージェントの障害回復待ち時間 | |
"MaximumExecJobLogOption"= | ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定 | |
"MaximumExecJobLogInterval"= | ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する間隔 | |
"PreventChangeJobOrder"= | サブミットジョブの実行順序の入れ替わりを防止する設定 | |
"EnumJobSaveMemory"= | ジョブ情報列挙時にジョブ実行制御マネージャーのメモリー消費量を少なくする設定 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Network]※1 | "ConnectTimeout"=※2 | ジョブ実行制御マネージャーのTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義 |
"CommunicateRetryCount"=※2 | ジョブ実行制御マネージャーのTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義 | |
"CommunicateRetryInterval"=※2 | ジョブ実行制御マネージャーのTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Agent]※1 | "MaximumAgent"= | エージェントの最大定義数 |
"ObserveInterval"= | エージェント監視インターバル | |
"AutoCreate"= | ジョブサブミット時のエージェント自動定義の制御フラグ | |
"AutoCreateExecJobs"= | エージェント自動定義時のジョブの実行多重度 | |
"AutoCreateMaxJobs"= | エージェント自動定義時のジョブ数の最大値 | |
"AutoCreateWarnJobs"= | エージェント自動定義時のジョブ数の警告値 | |
"AutoCreatePriority"= | エージェント自動定義時のエージェント優先順位 | |
"LeastRecentlyUsed"= | ジョブを配信するエージェントホストの決定方式 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Resource]※1 | "MaximumResource"= | 排他実行リソースの最大定義数 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Process]※1 | "WorkPath"= | エージェントプロセス実行時のワークディレクトリ名 |
"IsHA"= | エージェントプロセスのクラスタ環境設定の定義 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Job]※1 | "IsExecFindExecutable"=※3 | ジョブをロングファイル名で実行するための定義 |
"LoadUserProfile"=※3 | ユーザープロファイルを読み込むかどうかの定義 | |
"IsAccessTokenCache"=※3 | ジョブ実行時にアクセストークンを再利用するための設定 | |
"DISABLE_FS_REDIRECTION"=※3 | ジョブの実行先サービスに[JP1/AJS2]を指定している場合に,WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定 | |
"MergeEnvMode"= | システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合に,ジョブ定義の環境変数を有効にするかどうかの設定 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Network]※1 | "NotfyJobStateInterval"= | ジョブの結果ファイルの再送間隔 |
"NotfyJobStateCount"= | ジョブの結果ファイルの再送回数 | |
"ConnectTimeout"=※2 | ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義 | |
"CommunicateRetryCount"=※2 | ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義 | |
"CommunicateRetryInterval"=※2 | ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Variable]※1 | "変数名"=※4 | 変数名に対応した実行プログラムの,そのホストでのインストールディレクトリ。 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥PathEnv]※1 | "All Users"=※5 | 転送元ファイルの検索パス |
"JP1ユーザー名"=※5 | 転送元ファイルの検索パス | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Network]※1 | "ConnectTimeout"=※2 | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義 |
"CommunicateRetryCount"=※2 | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義 | |
"CommunicateRetryInterval"=※2 | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義 | |
"CommunicateTimeout"=※6 | ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Process]※1 | "MacroOptionReplaceMode"= | マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定 |
"IsHA"= | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のクラスタ環境設定の定義 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQNOTIFY¥Network]※1 | "ConnectTimeout"=※2 | ジョブ実行制御状態通知プロセスのTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義 |
"CommunicateRetryCount"=※2 | ジョブ実行制御状態通知プロセスのTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義 | |
"CommunicateRetryInterval"=※2 | ジョブ実行制御状態通知プロセスのTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義 | |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQNOTIFY¥Process]※1 | "IsHA"= | ジョブ実行制御状態通知プロセスのクラスタ環境設定の定義 |
Windowsだけで使用できる環境設定パラメーターを次に説明します。