7.32 ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間の変更

ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対して次の要求をする際,要求する側は通信タイムアウト時間(デフォルト10分)を設定してマネージャープロセスと通信します。

ジョブ実行制御のマネージャープロセスとの通信処理で時間が掛かり,通信タイムアウトが発生すると,ジョブの実行やコマンド要求が失敗します。

通信タイムアウトが発生する要因には,主に次のものがあります。

ジョブネット(スケジューラー)によるジョブの登録,キャンセル,およびジョブの状態確認の際に通信タイムアウトが発生すると,ジョブが異常終了します。この場合,統合トレースログには,次のメッセージが出力されます。

注※
イベントジョブおよびジョブの実行先サービスに[JP1/AJS2 Queueless Agent]を指定した場合を除きます。

KAVU0220-E マネージャーからの応答が返ってきません

jpqxxxxコマンドで通信タイムアウトが発生すると,標準エラー出力に次のメッセージが出力されます。

KAVU0953-E マネージャーからの応答が返ってきません

通信タイムアウトによるコマンド要求やジョブの実行失敗は,通信タイムアウト時間を長く設定することで回避できることがあります。ジョブネット(スケジューラー)によるジョブの登録,キャンセル,またはジョブの状態確認の際に通信タイムアウトを回避するには,ジョブを登録するマネージャーホストで通信タイムアウト時間を長く設定してください。また,ジョブの実行に使用するコマンドや関数の場合は,コマンドや関数を実行するクライアントホストで通信タイムアウト時間を長く設定してください。

通信タイムアウト時間を変更する設定方法について説明します。

<この節の構成>
(1) 定義手順
(2) 定義パラメーター一覧
(3) 定義内容
(4) 注意事項

(1) 定義手順

  1. Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]で[サービス]を選択し,次のサービスを停止する。
    • JP1/AJS2サービス
  2. メモ帳などのテキストエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
    設定ファイルのファイル名は任意です。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 設定ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ¥bin¥jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. JP1/AJS2を再起動する。
    設定ファイルに記述した内容が反映されます。

(2) 定義パラメーター一覧

表7-34 ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間の設定の定義パラメーター

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Network]"CommunicateTimeout"=ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間(単位:ミリ秒)
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(3) 定義内容

"CommunicateTimeout"=dword:設定値
通信タイムアウト時間を16進数で指定します(単位:ミリ秒)。
指定できる範囲は000927c0~0036EE80(10進数で600000~3600000)です。
デフォルトは「000927c0(10進数で600000(10分))」です。

(4) 注意事項

通信タイムアウト時間を長く設定すると,通信処理中にコマンドやジョブに異常が発生した場合の障害検知までの時間も長くなります。そのため,後続ジョブの実行の遅延などが発生しやすくなります。通信タイムアウト時間を変更する場合は,設定値を十分に検証した上で設定してください。