14.6 JP1/AJS2共通情報の設定

JP1/AJS2共通情報の設定は,マネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)とエージェント環境(JP1/AJS2 - Agent)で共通です。

JP1/AJS2共通情報のセットアップに使用する構成定義ファイル(共通情報環境設定ファイル(Common.conf))には,環境設定に必要な情報が定義されています。情報を変更したい場合は,構成定義ファイルの内容(環境設定パラメーターの定義内容)を書き換えてください。

<この節の構成>
(1) JP1/AJS2共通情報の設定手順
(2) 共通情報環境設定ファイルの環境設定パラメーター一覧
(3) 定義内容

(1) JP1/AJS2共通情報の設定手順

  1. 次のファイルをエディターで開く。

    /etc/opt/jp1ajs2/conf/Common.conf

  2. 必要に応じて,JP1/AJS2共通情報を変更する。
  3. 編集した構成定義ファイルを保存する。
  4. 次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf /etc/opt/jp1ajs2/conf/Common.conf

    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
    設定ファイルの内容が構成定義に反映されます。

(2) 共通情報環境設定ファイルの環境設定パラメーター一覧

共通情報環境設定ファイルで定義する環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。

表14-13 環境設定パラメーター一覧(Common.conf)

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1AJS2COMMON]"SYSLOGJOBMSG"=ジョブ・イベントジョブのエラーメッセージをsyslogにも出力するかどうかの設定
"MACROCHANGEFAIL"=イベントジョブ,および実行登録時に指定したマクロ変数の展開失敗時の動作
"LARGEFILEUSE"=ラージファイル対応の動作
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(3) 定義内容

"SYSLOGJOBMSG" ="{none|error}"
ジョブ・イベントジョブのジョブ実行時に発生するエラーメッセージをsyslogにも出力するかどうかを指定します。
none
ジョブ・イベントジョブのジョブ実行時に発生するエラーメッセージをsyslogに出力しません。JP1/AJS2の状態は,日立統合トレースログで監視します。
error
ジョブ・イベントジョブのジョブ実行時に発生するエラーメッセージをsyslogに出力します。JP1/AJS2のエラー状態は,syslogで監視します。なお,このオプションを指定しても,日立統合トレースログプロセスは停止しないでください。
デフォルトは「none」です。
なお,スケジューラーサービスの設定でJOBSYSLOG(ジョブ実行開始・終了メッセージのsyslogへの出力)が指定されていない場合に,"SYSLOGJOBMSG"="error"を指定したときはsyslogへメッセージが出力されます。動作としては"JOBSYSLOG"="abend"(ジョブの異常終了メッセージ(KAVS0265-E)を出力)が仮定されます。また,すでにJOBSYSLOGに値が指定されていた場合は,JOBSYSLOGの値が優先されます。
"MACROCHANGEFAIL"="{yes|no}"
ジョブ実行時,マクロ変数の引き継ぎ情報の展開に失敗した場合に,状態を「起動失敗」にするかどうかを指定します。
yes
ジョブ実行時,マクロ変数の引き継ぎ情報の展開に失敗した場合に,状態を「起動失敗」にし,展開に失敗したマクロ変数が確認できるエラーメッセージを日立統合ログおよび実行結果詳細に出力します。
no
ジョブ実行時,マクロ変数の引き継ぎ情報の展開に失敗しても,マクロ変数に定義した情報をそのまま文字列として扱い,処理を続行します。
デフォルトは「no」です。
"LARGEFILEUSE"="{yes|no}"
ファイル監視ジョブでラージファイルを監視,および判定ジョブでラージファイルを判定するかどうかを指定します。
yes
ファイル監視ジョブでサイズが2ギガバイト以上のファイルを監視,および判定ジョブでサイズが2ギガバイト以上のファイルの有無を判定できます。
no
ファイル監視ジョブで,サイズが2ギガバイト以上のファイルは監視できません。「no」を指定して,2ギガバイト以上のファイルを監視対象に指定した場合,ファイル監視ジョブの実行時にエラーメッセージが統合トレースログに出力され,ジョブは異常終了します。ただし,実行ホストのOSがLinux(IPF)の場合,エラーメッセージの出力やジョブの異常終了はしませんが,ファイル変更の誤検知などの不正な動作をするおそれがあります。このため,監視対象ファイルには2ギガバイト以上のファイルを指定しないでください。
判定ジョブでサイズが2ギガバイト以上のファイルの有無を判定できません。「no」を指定して,2ギガバイト以上のファイルを判定条件で指定した場合,OSがLinux(IPF)以外の場合は常にファイルがないものとして判定されます。
デフォルトは「no」です。