4.6.1 JP1/AJS2 Console Manager環境の設定

JP1/AJS2 Console Manager環境のセットアップに使用する構成定義ファイル(JP1/AJS2 Console Manager環境設定ファイル(ajs2cm.conf))には,環境設定に必要な情報が定義されています。情報を変更したい場合は,構成定義ファイルの内容(環境設定パラメーターの定義内容)を書き換えてください。

各項目の推奨値と設定が有効になる時期については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 5.3.5(1) JP1/AJS2 Console Managerの環境設定」を参照してください。

この項では,JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順および設定内容を説明します。

<この項の構成>
(1) JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順
(2) JP1/AJS2 Console Manager環境で設定する内容

(1) JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順

構成定義ファイル(環境設定パラメーター)は,初期状態では推奨値で定義されています。必要に応じて,JP1/AJS2 Console Managerの環境を設定し直してください。

JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順を次に示します。

  1. Windowsの[コントロールパネル]の[サービス]で,次に示すサービスを停止する。
    • JP1/AJS2 Console Managerサービス
  2. 次のファイルをメモ帳などのテキストエディターで開く。

    JP1/AJS2 Consoleのインストール先フォルダ¥conf¥ajs2cm.conf

  3. 必要に応じて,JP1/AJS2 Console Managerの環境を変更する。
  4. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ¥bin¥jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  5. JP1/AJS2 Console Managerを再起動する。
    設定ファイルの内容が構成定義に反映されます。

注意
JP1/Baseを前提製品とするJP1シリーズのプログラムが稼働中の場合には,jbssetcnfコマンドを実行する前に,JP1シリーズのプログラムを終了させてください。

(2) JP1/AJS2 Console Manager環境で設定する内容

(a) JP1/AJS2 Console Manager環境設定ファイルの環境設定パラメーター一覧

JP1/AJS2 Console Managerは,定義キー[JP1_DEFAULT¥JP1AJS2CONSOLEMANAGER]に構成定義情報を設定できます。論理ホストを使用する場合でも,DATADIRECTORYキー以外の構成定義パラメーターは,JP1_DEFAULTホストキーの値が使用されます。

JP1/AJS2 Console Manager環境設定ファイルで定義する環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。

表4-12 環境設定パラメーター一覧(ajs2cm.conf

環境設定パラメーター内容およびデフォルト値
"MAXSESSION"=最大同時セション数
デフォルトは「dword:00000010」(10進数で16)。
"IPC_TIMEOUT"=リモート通信タイムアウト時間
デフォルトは「dword:00000000」。
"IPCRETRYINTERVAL"=リトライ間隔
デフォルトは「dword:00000001」。
"IPCRETRYCOUNT"=リトライ回数
デフォルトは「dword:00000003」。
"SESSIONTIMEOUT"=接続打ち切り時間
デフォルトは「dword:00000078」(10進数で120)。
"CHARCODE"=ユーザー定義データに格納される情報の文字コード
セットアップを実行すると,「SJIS」が設定されます。
"HNTRLOGLEVEL"=統合トレースログに出力するメッセージレベル
デフォルトは「error」。
"DATADIRECTORY"=ルートスコープ用データディレクトリ名
デフォルトは「JP1/AJS2 Consoleのインストール先フォルダ¥database」。
"RECONNECTINTERVAL"=JP1/AJS2 Console Agentへの再接続間隔
デフォルトは「dword:0000012C」(10進数で300)。
"TRACELOGFILE"=JP1/AJS2 Console Managerのトレースログファイル名
デフォルトは「JP1/AJS2 Consoleのインストール先フォルダ¥log¥tracelog.cm」。
"IPC_CONNECTTIMEOUT"=リモート通信接続タイムアウト値
デフォルトは「dword:00000014」(10進数で20)。
注意
構成定義パラメーターのDATADIRECTORYの指定に誤りがある場合は,JP1/AJS2 Console Viewでのログイン時にエラーになります。DATADIRECTORY以外の構成定義パラメーターの指定に誤りがある場合は,JP1/AJS2 Console Managerの標準設定で動作します。

(b) JP1/AJS2 Console Managerの環境設定パラメーターの定義内容

環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。

なお,詳細の記載がないパラメーターは値を変更しないでください。

"MAXSESSION"=dword:最大同時セション数
JP1/AJS2 Console Viewの最大接続数を16進数で指定します。
指定できる範囲は,0~40(10進数で0~64)です。
デフォルトは「dword:00000010」(10進数で16)です。
JP1/AJS2 Console Viewの接続数がここで指定した値を超える場合は,エラーになります。
"IPC_TIMEOUT"=dword:通信タイムアウト時間
JP1/AJS2 Console Agentと通信するときのタイムアウト時間(秒)を16進数で指定します。
指定できる範囲は,0~258(10進数で0~600)です。
デフォルトは「dword:00000000」(10進数で0)です。
ここで指定した時間(秒)待っても通信できない場合は,エラーになります。なお,この場合OSのタイムアウト時間に依存して制御されます。
"IPCRETRYINTERVAL"=dword:リトライ間隔
通信エラー時のリトライ間隔(秒)を16進数で指定します。
指定できる範囲は,0~A(10進数で0~10)です。
デフォルトは「dword:00000001」(10進数で1)です。
リトライが発生するたびに,ここで指定した値分が加算されます。
"IPCRETRYCOUNT"=dword:リトライ回数
通信エラー時のリトライ回数を16進数で指定します。
指定できる範囲は,0~64(10進数で0~100)です。
デフォルトは「dword:00000003」(10進数で3)です。
"SESSIONTIMEOUT"=dword:接続打ち切り時間
JP1/AJS2 Console Viewとの通信が切れた場合にどのくらい待って(分)接続を打ち切るのかを16進数で指定します。
指定できる範囲は,0~78(10進数で0~120)です。
デフォルトは「dword:00000078」(10進数で120)です。
"CHARCODE"="{C|SJIS|EUC}"
ネスト業務スコープ・監視オブジェクトの名称や定義内容で使用する文字コードを指定します。
SJIS
シフトJISコード
C
7ビットASCII文字コード
EUC
EUC文字コード
文字コードは一つだけ定義してください。何も指定しなかった場合は,「C」が仮定されます。
"HNTRLOGLEVEL"="{none|error|warn|info}"
統合トレースログに出力するメッセージレベルを次の中から選択して指定します。
none
どのメッセージも出力されません。
error
エラーメッセージが出力されます。
warn
警告メッセージが出力されます。
info
情報メッセージが出力されます。
デフォルトは「error」です。
"DATADIRECTORY"="データディレクトリパス"
ルートスコープの定義情報を格納するディレクトリ名を191バイト以内で指定します。
ディレクトリ名は,完全名で指定します。
デフォルトは「JP1/AJS2 Consoleのインストール先フォルダ¥database」です。
変更する場合は,その時点ですでに存在するディレクトリを指定してください。新たなデータディレクトリを指定する場合は,先にディレクトリを作成してから指定してください。存在しないディレクトリを指定した場合は,JP1/AJS2 Console Viewのログイン時にエラーになります。
なお,ここで指定したディレクトリ内のファイルは,削除しないでください。
"RECONNECTINTERVAL"=dword:JP1/AJS2 Console Agentとの再接続間隔
JP1/AJS2 Console Agentと接続できなかった場合に再接続するまでの間隔(秒)を16進数で指定します。
指定できる範囲は,1E~E10(10進数で30~3,600)です。
デフォルトは「dword:0000012C」(10進数で300)です。
"TRACELOGFILE"="トレースログファイル名称"
トレースログファイル名称を完全名,かつ255バイト以内で指定します。
トレース情報を確実に記録できるように必ずローカルディスク上のファイル名として指定してください。
デフォルトは,「JP1/AJS2 Consoleのインストール先フォルダ¥log¥tracelog.cm」です。
なお,ファイルはトレース情報が出力されたときに新規作成されます。したがって,既存のファイル名と同じ名称は指定しないでください。
"IPC_CONNECTTIMEOUT"=dword:リモート通信接続タイムアウト値
JP1/AJS2 Console Agentに接続する場合などのリモート通信接続タイムアウト値を16進数で指定します。0~258(10進数で0~600)(単位:秒)の値を指定します。デフォルトは「dword:00000014」(10進数で20)です。
なお,OSで設定されているTCP/IPの接続タイムアウト値がこの値より短い場合,OSの設定が有効になります。