8.1 ログ情報の採取方法
- <この節の構成>
- (1) 環境設定手順
- (2) 資料採取ツールの注意事項
(1) 環境設定手順
Windowsの場合,ログ情報を採取するための「資料採取ツール」をJP1/AJS2 - Manager,JP1/AJS2 - AgentまたはJP1/AJS2 - Viewで提供します。
資料採取ツールは,JP1/AJS2 - Manager,JP1/AJS2 - Agent,JP1/AJS2 - Viewをインストールしたあと,別のフォルダにコピーしてから使用してください。
Windowsの[エクスプローラ]などを使ってフォルダをコピーすることによって,必要なログ情報だけを採取することもできます。
- 注意
- JP1/AJS2 Consoleを使用する場合,JP1/AJS2 - ManagerおよびJP1/AJS2 - Viewの資料採取ツールの環境設定をしていれば,JP1/AJS2 Console AgentおよびJP1/AJS2 Console Viewでの設定は不要です。
- 資料採取ツールの環境設定をしていない場合は,次の手順に従って設定をしてください。
資料採取ツールを使用するための環境設定手順を次に示します。
- [エクスプローラ]などを使って,次に示す資料採取ツールを任意のフォルダにコピーする。
- JP1/AJS2 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Agentの場合
JP1/AJS2 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Agentのインストール先フォルダ¥tools¥_04.bat
この資料採取ツールを実行すると,同一ホスト上のJP1/AJS2 - Viewのログ情報も採取できます。
- JP1/AJS2 - Viewの場合
JP1/AJS2 - Viewのインストール先フォルダ¥tools¥_04.bat
この資料採取ツールを実行すると,同一ホスト上のJP1/AJS2 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Agentのログ情報も採取できます。
- コピーした資料採取ツールを編集して,ユーザー固有のファイル名に変更する。
資料採取ツールの編集にはエディターを使用してください。
次に資料採取ツールに記述されているデフォルト値を示します。このデフォルト値と異なる場合,資料採取ツールの記述を変更してください。
- @set INST_DIR_HNTRLIB=%PROGRAMFILES_DIR%¥hitachi¥HNTRLib
HNTRLibのインストール先フォルダを指定します。
- @set INST_DIR_HNTRLIB2=%PROGRAMFILES_DIR%¥hitachi¥HNTRLib2
HNTRLib2のインストール先フォルダを指定します。
- @set INST_DIR_DATABASE=%INST_DIR_MANAGER%¥hitachi¥JP1AJS2¥database
JP1/AJS2用データベース格納フォルダを指定します。※1
- @set LOG_DIR_AJS2CONSOLE_DATABASE=%INST_DIR_AJS2CONSOLE%¥database
JP1/AJS2 Console Managerのデータフォルダを指定します。
- @set LOG_DIR_AJSPDDIR=%INST_DIR_MANAGER%¥tmp¥schedule
JP1/AJS2用一時ファイル格納フォルダを指定します。
- @set LOG_DIR_JOBINF=%INST_DIR_MANAGER%¥jobinf
JP1/AJS2用ジョブエラー情報格納フォルダを指定します。
- @set LOG_DIR_DRWTSN=%ALLUSERSPROFILE%¥Documents¥DrWatson
ワトソン博士のログファイルパスを指定します。※2
- @set LOG_DIR_USERDUMP=%Systemroot%¥*.dmp
メモリーダンプのファイルパスを,ファイル名を含めて指定します。※2
- @set LOG_DIR_WTSNDUMP=%LOG_DIR_DRWTSN%¥*.dmp
クラッシュダンプのファイルパスを,ファイル名を含めて指定します。※2
- @rem @set DIR_ADD=
追加取得を行うフォルダを記述します。「@rem」を削除し,フォルダを絶対パスで記述してください。スケジューラーログファイル1,スケジューラーログファイル2,スケジューラートレースログファイルの出力先を変更している場合は,次の例のように空白区切りで記述してください。また,絶対パスに空白を含む場合は,「"」で囲んで入力してください。
(例)
@set DIR_ADD=[変更したスケジューラーログ出力フォルダ]¥JP1AJS2¥log "[変更したスケジューラートレースログ出力フォルダ]¥sys"
- @set DIR_BACKLOG=%TEMP%¥jp1ajs2¥backlog
資料採取ツールで採取した情報の退避先を指定します。
- 注※1
- スケジューラーサービスおよびジョブ実行環境のデータベースに,このフォルダの配下にないフォルダを設定している場合は採取されません。
- 各データベースファイルを任意のフォルダ下に配置し,そのフォルダまでの絶対パスを指定するようにしてください。
- 注※2
- Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合は,取得できません。
資料採取ツールにデフォルトで記述されている各ログファイルの格納フォルダについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 17.2.4 ログファイルおよびディレクトリ一覧」およびマニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の付録に記載されている,ファイルまたはフォルダの一覧を参照してください。
また,トラブルが発生した場合にメモリーダンプまたはクラッシュダンプが必要となることがあります。トラブル発生時にこれらのダンプを採取する場合は,あらかじめメモリーダンプまたはクラッシュダンプが出力されるように,次の設定をしてください。
- メモリーダンプの出力設定
- Windows 2000の場合
- コントロールパネルの[システム]をダブルクリックする。
- [詳細]タブの[起動/回復]ボタンをクリックする。
- [デバッグ情報の書き込み]で[完全メモリ ダンプ]をチェックし,[ダンプ ファイル]に出力先のファイルを指定する。
- Windows XP ProfessionalおよびWindows Server 2003の場合
- コントロールパネルの[システム]をダブルクリックする。
- [詳細設定]タブの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
- [デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリ ダンプ]を選択し,[ダンプ ファイル]に出力先のファイルを指定する。
- 注意
- メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細については,Windowsのヘルプの「STOPエラー」の項目を参照してください。
- クラッシュダンプの出力設定
- Windowsの[スタート]メニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
[ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスが表示されます。
- [名前]に「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[ワトソン博士]ダイアログボックスが表示されます。
- [クラッシュ ダンプ ファイルの作成]をチェックし,[クラッシュ ダンプ]に出力先のファイルを指定する。
- [OK]ボタンをクリックする。
- 注意
- クラッシュダンプに出力される情報はJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保しておいてください。
- Windows VistaおよびWindows Server 2008上で資料を採取する場合の注意事項
- Windows VistaおよびWindows Server 2008では,ワトソンログを取得できません。また,クラッシュダンプやメモリーダンプを自動取得できないため,これに相当する情報については別途,採取する必要があります。採取方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 17.4.1(3) ユーザーダンプを採取する(Windows VistaおよびWindows Server 2008の場合)」および「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 17.4.1(4) 問題レポートを採取する(Windows VistaおよびWindows Server 2008限定)」を参照してください。
- 64ビット版Windows上で資料を採取する場合の注意事項
- 64ビット版Windowsを使用し,Windows on Windows 64環境下でJP1/AJS2の資料採取ツールで資料採取する場合,資料採取ツールを修正する必要があります。次のように修正してください。
- 資料採取ツールを任意のフォルダにコピーする。
- テキストエディターを使用して,コピーしたバッチファイルを次のように編集し,任意のファイル名で保存する。
![[図データ]](figure/zui08010.gif)
(2) 資料採取ツールの注意事項
- 07-10以降の資料採取ツールと07-10より前のバージョンの資料採取ツールでは,次の表に示す相違があります。
表8-1 資料採取ツールの相違点
機能 | 07-10以降 | 07-10より前のバージョン |
---|
次の資料の採取
- Windowsレジストリー情報
- Windowsイベントログ情報
- マシン構成情報
- サービス起動されているPP一覧
- データベース格納フォルダのファイルリスト情報
- JP1/Baseのファイルリスト情報
- core解析に必要な情報
| 採取する。 | 採取しない。 |
論理ホストの指定 | 資料採取ツールの実行時に論理ホスト名を指定する。 | 資料採取ツールの環境設定で,論理ホストごとの情報格納フォルダを設定する。 |
初期調査ファイルの分離 | 初期調査ファイルを専用フォルダに保存する。 | 初期調査に必要なファイルが分散して出力される。 |
JP1/AJS2サービス起動中でのログの採取 | 資料採取ツール実行時に-sオプションを指定する。 | 採取不可。 |
- 07-10より前のバージョンの資料採取ツールをカスタマイズして,既存の情報以外の情報を取得していた場合,07-10以降にバージョンアップしても07-10以降の資料採取ツールには反映されません。