5.4.4 複数スケジューラーデータベースの組み込みDBへの移行

ここでは,複数のスケジューラーデータベースを組み込みDBへ移行する方法について説明します。

<この項の構成>
(1) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する
(2) 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースを移行する

(1) スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する

複数のスケジューラーサービスが定義されていて,スケジューラーサービスごとに異なる組み込みDB環境を構築する場合,次に示す領域を別に準備してください。

上記の領域のうち,アンロードログファイル作成ディレクトリについては,必要に応じて準備してください。

待機系の環境構築時は,データ領域およびシステムファイル領域は作成しません。データ領域およびシステムファイル領域は,実行系の環境構築時,共有ディスク上に作成します。

組み込みDB環境構築の際,使用するポート番号および組み込みDBセットアップ識別子が組み込みDB間で重複しないように指定する必要があります。そのため,ajsembdbbuildコマンド実行時には,ポート番号を指定するオプション(-p)および組み込みDBセットアップ識別子を指定するオプション(-id)に,異なる値を指定してください。

セットアップ例を次に示します。なお,この例は「5.4.2 組み込みDB環境の構築」で示した環境がすでに構築されていることを前提に記載します。

組み込みDBの環境内容
追加する組み込みDBの環境内容を次に示します。
  • データ領域作成ディレクトリ:q:¥EmbDB¥RDArea
  • システムファイル領域作成ディレクトリ1:r:¥EmbDB¥SYSArea1
  • システムファイル領域作成ディレクトリ2:s:¥EmbDB¥SYSArea2
  • アンロードログファイル作成ディレクトリ:t:¥EmbDB¥Unload_Log
  • 組み込みDB作業領域:u:¥ EmbDB¥WorkArea
  • 組み込みDBインストールフォルダ:c:¥win32app¥hitachi¥hirdb_e_JAB
  • スケジューラーサービス名:AJSROOT5
  • 組み込みDBポート番号:22203
  • 組み込みDBセットアップ識別子:_JAB
  • 実行系物理ホスト名:physical_host
  • 論理ホスト名:logical_host
ajsembdbbuildコマンドの指定内容
ajsembdbbuildコマンドの指定内容を次に示します。

ajsembdbbuild -l
-d "q:¥EmbDB¥RDArea,r:¥EmbDB¥SYSArea1,s:¥EmbDB¥SYSArea2"
-ld u:¥ EmbDB¥WorkArea -br -bl t:¥EmbDB¥Unload_Log
-i c:¥win32app¥hitachi¥hirdb_e_JAB -p 22203
-id _JAB -f -mh logical_host -eh physical_host

組み込みDBへの移行方法
組み込みDBへの移行方法については,「5.4.3 組み込みDBへの移行」で示した指定例を参照してください。

ajsembdbbuildコマンドおよびajsembdbsetupコマンドの詳細については,「20. セットアップ時に使用するコマンド」を参照してください。

(2) 一つの組み込みDB環境に複数のスケジューラーデータベースを移行する

5.4.3 組み込みDBへの移行」を参照してください。