15.2.2 組み込みDB環境の構築

組み込みDBの環境構築手順について次に示します。

  1. 各サービスを停止する。
    物理ホストおよびすべての論理ホストで,JP1/AJS2サービス,JP1/AJS2 MonitorサービスおよびJP1/AJS2 Console Agentサービスを含め,スケジューラーデータベースにアクセスするサービスはすべて停止してください。
  2. 共用メモリー上の環境設定情報を削除する。
    ajsshmdelコマンドを実行して,共用メモリー上の環境設定情報を削除します。

    ajsshmdel >/dev/null 2>&1

  3. 組み込みDB環境構築コマンドを実行する。
    ajsembdbbuildコマンドを使用して,組み込みDBの環境を構築します。
    ajsembdbbuildコマンドを実行すると,次に示す処理が実行されます。
    • 組み込みDBの定義情報作成
    • 組み込みDBの領域作成
    • 組み込みDBシステムの起動

大規模の組み込みDB環境を構築する場合のajsembdbbuildコマンドの指定例を次に説明します。表15-2および表15-3の項番の組み合わせについても示します。

指定例では次に示す設定値が設定,およびディレクトリが存在することと仮定します。

また,指定例で使用するデータ領域作成ディレクトリおよびシステムファイル領域作成ディレクトリを次に示します。

領域種別ファイル種別
通常ファイルRAWファイル
データ領域作成ディレクトリ/RDArea_JA0/dev/rdb_JA0
システムファイル領域作成ディレクトリ1/SYSArea1_JA0/dev/rsys1_JA0
システムファイル領域作成ディレクトリ2/SYSArea2_JA0/dev/rsys2_JA0

●システムファイルを二重化しないで,システムログを使用した運用をしない場合

データ領域およびシステムファイル領域を通常ファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが9-A)

ajsembdbbuild -l -d "/RDArea_JA0,/SYSArea1_JA0"
-i /opt/HiRDB_J -id _JA0

データ領域およびシステムファイル領域をRAWファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが11-A)

ajsembdbbuild -l
-a "ajssys01=/dev/rdb_JA0,ajssys11=/dev/rsys1_JA0"
-d /WorkArea_JA0
-i /opt/HiRDB_J -id _JA0

●システムファイルを二重化しないで,システムログ運用(アンロードレス運用)をする場合

データ領域およびシステムファイル領域を通常ファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが9-B)

ajsembdbbuild -l
-d "/RDArea_JA0,/SYSArea1_JA0" -bs -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

データ領域およびシステムファイル領域をRAWファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが11-B)

ajsembdbbuild -l
-a "ajssys01=/dev/rdb_JA0,ajssys11=/dev/rsys1_JA0"
-d /WorkArea_JA0
-bs -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

●システムファイルを二重化しないで,アンロードログ運用をする場合

データ領域およびシステムファイル領域を通常ファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが9-C)

ajsembdbbuild -l
-d "/RDArea_JA0,/SYSArea1_JA0" -bs -bl /Unload_Log_JA0
-i /opt/HiRDB_J -id _JA0

データ領域およびシステムファイル領域をRAWファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが11-C)

ajsembdbbuild -l
-a "ajssys01=/dev/rdb_JA0,ajssys11=/dev/rsys1_JA0"
-d /WorkArea_JA0
-bs -bl /Unload_Log_JA0 -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

●システムファイルを二重化し,システムログ運用(アンロードレス運用)をする場合

データ領域およびシステムファイル領域を通常ファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが10-B)

ajsembdbbuild -l
-d "/RDArea_JA0,/SYSArea1_JA0,/SYSArea2_JA0"
-br -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

データ領域およびシステムファイル領域をRAWファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが12-B)

ajsembdbbuild -l
-a "ajssys01=/dev/rdb_JA0,ajssys11=/dev/rsys1_JA0,
ajssys17=/dev/rsys2_JA0" -d /WorkArea_JA0
-br -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

●システムファイルを二重化し,アンロードログ運用をする場合

データ領域およびシステムファイル領域を通常ファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが10-C)

ajsembdbbuild -l
-d "/RDArea_JA0,/SYSArea1_JA0,/SYSArea2_JA0"
-br -bl /Unload_Log_JA0 -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

データ領域およびシステムファイル領域をRAWファイルで作成する場合(表15-2表15-3の組み合わせが12-C)

ajsembdbbuild -l
-a "ajssys01=/dev/rdb_JA0,ajssys11=/dev/rsys1_JA0,
ajssys17=/dev/rsys2_JA0" -d /WorkArea_JA0
-br -bl /Unload_Log_JA0 -i /opt/HiRDB_J -id _JA0

ajsembdbbuildコマンドの詳細については,「20. セットアップ時に使用するコマンド ajsembdbbuild」を参照してください。

補足事項
  • システムファイルを二重化し,システムログを使用した運用をしない(表15-2表15-3の組み合わせが2-A,4-A,6-A,8-A,10-A,12-A)場合,環境を構築できません。
  • バージョンアップ作業で,環境構築時に実行したajsembdbbuildコマンドの指定内容が必要になるため,指定内容を記録しておいてください。
注意事項
  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名を,hostsファイルまたはDNSに登録してください。
  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名をjp1hosts定義ファイルに登録しても,組み込みDBで使用するホスト名として有効になりません。
  • 組み込みDB環境を構築するホストのホスト名には,エイリアス名を使用しないでください。
  • 組み込みDBが稼働できるホストのホスト名は,最大32バイトです。したがって,組み込みDB環境を構築するホストの物理ホスト名を1~32バイトで設定してください。