4.7.1 スケジューラーサービスの多重起動の設定
スケジューラーサービスの多重起動を設定するためには,まず,追加するサービスの名称などの情報を設定します。次に,そのサービス用のデータベースを新規に作成します。
スケジューラーサービスの多重起動の設定手順および追加したスケジューラーサービスの削除手順を次に示します。
論理ホストへのスケジューラーサービスの追加,および論理ホストに追加したスケジューラーサービスの削除については,「9.4.7 論理ホストのスケジューラーサービスの多重起動の設定」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) スケジューラーサービスを多重起動する
- (2) 追加したスケジューラーサービスを削除する
(1) スケジューラーサービスを多重起動する
スケジューラーサービスの多重起動の設定手順を次に示します。
- Windowsの[コントロールパネル]の[サービス]で,次に示すサービスを停止する。
- JP1/AJS2サービス
- JP1/AJS2 Monitorサービス
- JP1/Baseサービス
- JP1/Base Control Serviceサービス
- JP1/Base Eventサービス
- JP1/Base LogTrapサービス
- エクスプローラなどで,次に示すフォルダを作成する。
- データベースフォルダ
- 一時ファイル用フォルダ
- ジョブエラー情報フォルダ
- 退避情報フォルダ
なお,退避情報フォルダ以外は,自ホスト内(物理ホストとすべての論理ホスト)に設定されている,ほかのスケジューラーサービスが使用するフォルダと重複しないようにしてください。また,ほかのスケジューラーサービスが使用するフォルダの配下にも作成しないでください。
- Windowsの[スタート]メニューから[プログラム]-[JP1_Automatic Job Management System 2 - Manager]-[環境設定]を選択する。
[マネージャー環境設定]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスの定義項目の詳細については,「4.1 スケジューラーサービス環境の設定」,「4.2.1(1) ジョブ実行環境を定義する」および「4.3.1(1) イベント起動を定義する」を参照してください。
- [スケジューラーサービスの制御]タブで,[追加]ボタンをクリックする。
[サービスの設定]ダイアログボックスが表示されます。
- スケジューラーサービスの多重起動のために必要な項目を入力する。
- (例)
- 「AJSROOT2」というサービスを追加する場合
- スケジューラーサービスの追加
- 「AJSROOT2」と入力します。
- スケジューラーサービスの識別番号
- 「2」と入力します。スケジューラーサービスの識別番号は,自ホスト内の物理ホストおよびすべての論理ホストで使用している識別番号と重複しない番号を指定してください。
- ジョブ状態通知ポートのサービス名
- 「jp1ajs2report2」と入力します。ジョブ状態通知ポートのサービス名には,現在作成中の論理ホスト内の,ほかのスケジューラーサービスで使用しているサービス名と重複しない名称を指定してください。
- [次へ]ボタンをクリックする。
[ディレクトリ名の設定]ダイアログボックスが表示されます。
- 各項目に,手順2で作成したフォルダを指定する。
- [次へ]ボタンをクリックする。
[ログの設定]ダイアログボックスが表示されます。
- ログの設定内容に問題がないことを確認する。
- [完了]ボタンをクリックする。
[ログの設定]ダイアログボックスが閉じます。
- [マネージャー環境設定]ダイアログボックスで,[OK]ボタンをクリックする。
[マネージャー環境設定]ダイアログボックスが閉じます。
- 次のファイルをメモ帳などのエディターで開く。
システムフォルダ¥system32¥drivers¥etc¥Services
- 手順5で指定したジョブ状態通知ポートのサービス名に対するポート番号を設定する。
- (例)
- ポート番号を「20248」として設定する場合
-
- jp1ajs2report2 20248/tcp
-
- 注意
- 設定するポート番号は既存の番号と重ならないようにしてください。また,Windowsファイアウォールを設定した環境で運用する場合は,設定したポート番号(上記の例ではサービス名:jp1ajs2report2,ポート番号:20248)をWindowsファイアウォールの規則へ登録して,ファイアウォールを透過できるようにしてください。
- 次のコマンドを実行して,追加したスケジューラーサービス用のJP1/AJS2データベースを作成する。
ajssetup -F [スケジューラーサービス名]
- (例)
- 「AJSROOT2」サービス用のJP1/AJS2データベースを作成する場合
-
- ajssetup -F AJSROOT2
-
- キューレスジョブを利用する場合は,キューレスジョブのセットアップをする。
次のコマンドを実行します。
ajsqlsetup -F [スケジューラーサービス名]
- 組み込みDBを使用する場合は組み込みDBに移行する。
組み込みDBセットアップツール(ajsembdbsetupスクリプト)を使用して,標準データベースを組み込みDBに移行します。
組み込みDBの移行手順については「5. スケジューラーデータベースに組み込みDBを使用する場合のセットアップ」を参照してください。
- JP1/BaseおよびJP1/AJS2サービスを再起動する。
設定した内容でスケジューラーサービスが追加され,起動します。
再起動後,JP1/AJS2 - Viewなどで,追加したサービス名が付けられたマネージャージョブグループが表示されていることを確認してください。
- 多重起動時のコマンド実行についての補足事項
- スケジューラーサービスを多重起動している場合,「-F サービス名」オプションを指定しないでコマンドを実行すると,デフォルトのスケジューラーサービスに対する操作となります。
- 環境変数AJSCONFにサービス名を指定しておくと,-Fオプションを省略できます。
(2) 追加したスケジューラーサービスを削除する
追加したスケジューラーサービスの削除手順を次に示します。
- JP1/AJS2サービスおよびJP1/AJS2 Monitorサービスを停止する。
論理ホストのJP1/AJS2 - Managerも含め,すべてのJP1/AJS2サービスを停止してください。
- スケジューラーサービスを追加したときに作成したフォルダを削除する。
- [マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[スケジューラーサービスの制御]タブで,削除したいサービスを選択し,[削除]ボタンをクリックする。
追加したスケジューラーサービスが削除されます。