4.2.2 エージェント環境の設定

ジョブ実行環境を設定する場合に,[エージェント環境設定]ダイアログボックスで定義する項目および環境設定パラメーターでの設定方法を説明します。

各項目の推奨値と設定が有効になる時期については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 5.4.1 ジョブ実行環境に関する環境設定について検討する」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ジョブ実行環境を定義する
(2) 環境設定パラメーターで定義する

(1) ジョブ実行環境を定義する

ジョブ実行時に必要な情報は,[エージェント環境設定]ダイアログボックスの[ジョブ実行環境]タブで定義してください。

エージェント環境で設定する[ジョブ実行環境]タブを次に示します。

図4-9 [ジョブ実行環境]タブ([エージェント環境設定]ダイアログボックス)

[図データ]

各項目の定義内容を説明します。

エージェントプロセス実行時のワークディレクトリ名
このホストでジョブを実行する場合のワークフォルダの名称を180バイト以内で指定します。フォルダ名はフルパスで指定します。デフォルトは「JP1/AJS2 - Agentのインストール先フォルダ¥tmp」です。

(2) 環境設定パラメーターで定義する

ジョブ実行環境は,環境設定パラメーターを設定して定義することもできます。

(a) 設定手順

  1. JP1/AJS2のサービスを停止する。
    Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]から[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止します。
    • JP1/AJS2サービス
    注意事項
    クラスタシステムの場合は,クラスタの設定を確認し,論理ホストのJP1/AJS2サービスも停止してください。
  2. メモ帳などのテキストエディターで,(2)の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
    設定ファイルのファイル名は任意です。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 設定ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ¥bin¥jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. JP1/AJS2を再起動する。
    設定ファイルに記述した内容が反映されます。

(b) 環境設定パラメーター

ジョブ実行環境で設定できる環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。なお,環境設定パラメーターの詳細については,「14.2.3 エージェント環境(JP1/AJS2 - Agent)で設定する内容」を参照してください。

表4-3 環境設定パラメーター一覧(JP1/AJS2 - Agent)(Windows)

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Process]※1"WorkPath"=エージェントプロセス実行時のワークディレクトリ名
"IsHA"=エージェントプロセスのクラスタ環境設定の定義
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Job]※1"IsExecFindExecutable"=※2ジョブをロングファイル名で実行するための定義
"LoadUserProfile"=※2ユーザープロファイルを読み込むかどうかの定義
"IsAccessTokenCache"=※2ジョブ実行時にアクセストークンを再利用するための設定
"DISABLE_FS_REDIRECTION"=2WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定
"MergeEnvMode"=システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合に,ジョブ定義の環境変数を有効にするかどうかの設定
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Network]1"NotfyJobStateInterval"=ジョブの結果ファイルの再送間隔
"NotfyJobStateCount"=ジョブの結果ファイルの再送回数
"ConnectTimeout"=※3ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義
"CommunicateRetryCount"=※3ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義
"CommunicateRetryInterval"=※3ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Variable]※1"変数名"=※4変数名に対応した実行プログラムの,そのホストでのインストールディレクトリ。
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥PathEnv]※1"All Users"=※5転送元ファイルの検索パス
"JP1ユーザー名"=※5転送元ファイルの検索パス
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Network]※1"ConnectTimeout"=※3ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義
"CommunicateRetryCount"=※3ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義
"CommunicateRetryInterval"=※3ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義
"CommunicateTimeout"=※6ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Process]※1"MacroOptionReplaceMode"=マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定
"IsHA"=ジョブ実行に使用するコマンドのクラスタ環境設定の定義
注※1
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
注※2
この環境設定パラメーターはWindows版だけで指定できます。定義内容の詳細については,以降の説明を参照してください。
注※3
定義内容の詳細については,「7.19 TCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔・回数の変更」を参照してください。
注※4
定義内容の詳細については,「7.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する」を参照してください。
注※5
定義内容の詳細については,「7.3 転送元ファイルの検索パスを定義する」を参照してください。
注※6
定義内容の詳細については,「7.32 ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間の変更」を参照してください。

Windowsだけで使用できる環境設定パラメーターを次に説明します。

"IsExecFindExecutable"=dword:設定値
ジョブの実行ファイルをショートファイル名に変換しないでロングファイル名で実行するかどうかを指定します。
0
変換してショートファイル名で実行します。
1
変換しないでロングファイル名で実行します。
デフォルトは「0」です。
詳細については「7.2 ジョブをロングファイル名で実行するための設定」を参照してください。
"LoadUserProfile"=dword:設定値
ジョブを実行するOSユーザーのユーザープロファイル情報をジョブ実行時に読み込むかどうかを指定します。
0
ユーザープロファイルを読み込みません。
1
ユーザープロファイルを読み込みます。
デフォルトは「0」です。
「1」を指定する場合は,IsAccessTokenCacheにも「1」を設定してください。
詳細については「7.6 ユーザープロファイルを必要とするジョブを実行するための設定」を参照してください。
"IsAccessTokenCache"=dword:設定値
ジョブ実行時にアクセストークンを再利用するかどうかを指定します。
0
ジョブを実行するごとにアクセストークンを取得し,実行終了後に解放します。
1
ジョブ実行時に「ユーザー名」「ドメイン名」「パスワード」が同一のアクセストークンが保存されている場合,アクセストークンを再利用してジョブを実行します。
デフォルトは「0」です。
LoadUserProfileに「1」を設定し,ユーザープロファイル情報を読み込む場合は,この値にも「1」を設定してください。
詳細については「7.26 ジョブ実行時にアクセストークンを再利用するための設定」を参照してください。
"DISABLE_FS_REDIRECTION"=dword:設定値
WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にするかどうかを指定します。
0
WOW64環境でジョブを実行する際に,ファイルシステムリダイレクトが有効になります。
1
WOW64環境でジョブを実行する際に,ファイルシステムリダイレクトが無効になります。
デフォルトは「0」です。
詳細については「7.28 WOW64環境でジョブを実行する際にファイルシステムリダイレクトを無効にする設定」を参照してください。
"MergeEnvMode"=dword:設定値
システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合に,ジョブ定義の環境変数を有効にするかどうかを指定します。
0
システム環境変数と重複するジョブ定義の環境変数を有効にしない場合に指定します。
1
システム環境変数と重複するジョブ定義の環境変数を有効にする場合に指定します。
デフォルトは「0」です。
詳細については「7.41 システム環境変数とジョブ定義の環境変数が重複した場合にジョブ定義の環境変数を有効にするための設定」を参照してください。