14.2.3 エージェント環境(JP1/AJS2 - Agent)で設定する内容
この項では,エージェント環境(JP1/AJS2 - Agent)で設定するジョブ実行環境設定ファイル(Queue.conf)について説明します。
各パラメーターの推奨値と設定が有効になる時期については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 5.4.1 ジョブ実行環境に関する環境設定について検討する」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) ジョブ実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Agent)の環境設定パラメーター一覧
- (2) ジョブ実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Agent)の環境設定パラメーターの定義内容
- (3) ジョブ実行環境のリソースを制限する場合の注意事項
(1) ジョブ実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Agent)の環境設定パラメーター一覧
ジョブ実行環境設定ファイルで定義する環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。
表14-5 環境設定パラメーター一覧(Queue.conf・JP1/AJS2 - Agent)
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Process]※1 | "WorkPath"= | エージェントプロセス実行時のワークディレクトリ名 |
"IsHA"= | エージェントプロセスのクラスタ環境設定の定義 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Job]※1 | "IsLimitCoreSize"= | プロセスごとの最大コアファイルサイズの制限フラグ |
"LimitCoreSize"= | プロセスごとの最大コアファイルサイズ |
"IsLimitDataSize"= | プロセスごとの最大データセグメントサイズの制限フラグ |
"LimitDataSize"= | プロセスごとの最大データセグメントサイズ |
"IsLimitFileSize"= | プロセスごとの最大パーマネントファイルサイズの制限フラグ |
"LimitFileSize"= | プロセスごとの最大パーマネントファイルサイズ |
"IsLimitMemorySize"= | プロセスごとの最大メモリーサイズの制限フラグ |
"LimitMemorySize"= | プロセスごとの最大メモリーサイズ |
"IsLimitStackSize"= | プロセスごとの最大スタックセグメントサイズの制限フラグ |
"LimitStackSize"= | プロセスごとの最大スタックセグメントサイズ |
"IsLimitCpuTime"= | プロセスごとの最大CPU時間の制限フラグ |
"LimitCpuTime"= | プロセスごとの最大CPU時間 |
"IsLimitWorkSize"= | プロセスごとの最大ワーキングセットサイズの制限フラグ |
"LimitWorkSize"= | プロセスごとの最大ワーキングセットサイズ |
"IsLimitNoFile"= | プロセスごとの最大ファイルディスクリプタ数の制限フラグ |
"LimitNoFile"= | プロセスごとの最大ファイルディスクリプタ数 |
"PipeComTimeout"= | エージェントのパイプ通信タイムアウト値の定義 |
"AfterForkPipeTimeout"= | ジョブプロセス実行準備完了通知時のタイムアウト値の定義 |
"IsCacheCmdSearchPath"= | コマンド検索パスの値のキャッシング指定フラグ |
"IsUseWorkPath"= | ジョブ実行時のワーク(カレント)パスの変更フラグ |
"IsSigchldDefault"= | JP1/AJS2から起動される子プロセスを,SIGCHLDシグナルを受信する設定(SIG_DFL)に変更する定義 |
"FileAccessPermissionMode"=※2 | UNIXジョブ実行時のファイルのアクセス権限をチェックする方法の設定 |
"GetPasswd_RetryCount"= | OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする回数 |
"GetPasswd_RetryInterval"= | OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする間隔 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Network]※1 | "NotfyJobStateInterval"= | ジョブの結果ファイルの再送間隔 |
"NotfyJobStateCount"= | ジョブの結果ファイルの再送回数 |
"ConnectTimeout"=※3 | ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義 |
"CommunicateRetryCount"=※3 | ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義 |
"CommunicateRetryInterval"=※3 | ジョブ実行制御エージェントのTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQAGENT¥Variable]※1 | "変数名"=※4 | 変数名に対応した実行プログラムの,そのホストでのインストールディレクトリ |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥PathEnv]※1 | "All Users"=※5 | 転送元ファイルの検索パス |
"JP1ユーザー名"=※5 | 転送元ファイルの検索パス |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Network]※1 | "ConnectTimeout"=※3 | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続タイムアウト値の定義 |
"CommunicateRetryCount"=※3 | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続エラーのリトライ回数の定義 |
"CommunicateRetryInterval"=※3 | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のTCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔の定義 |
"CommunicateTimeout"= | ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間 |
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQCLIENT¥Process]※1 | "MacroOptionReplaceMode"= | マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定 |
"IsHA"= | ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のクラスタ環境設定の定義 |
- 注※1
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
- 注※2
- 定義内容の詳細については,「16.32 ジョブ実行時のファイル権限チェックでアクセス制御リストやセカンダリーグループの設定を有効にする」を参照ください。
- 注※3
- 定義内容の詳細については,「16.17 TCP/IP通信接続エラーのリトライ間隔・回数の変更」を参照してください。
- 注※4
- 定義内容の詳細については,「16.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する」を参照してください。
- 注※5
- 定義内容の詳細については,「16.2 転送元ファイルの検索パスを定義する」を参照してください。
(2) ジョブ実行環境設定ファイル(JP1/AJS2 - Agent)の環境設定パラメーターの定義内容
環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。
なお,環境設定パラメーターのデフォルトは,環境設定パラメーターを省略した場合の仮定値です。
また,詳細の記載がないパラメーターは保守用のパラメーターです。値は変更しないでください。
- "WorkPath"="エージェントプロセス実行時のワークディレクトリ名"
- このホストでジョブを実行する場合のワークディレクトリの名称を180バイト以内で指定します。
- ディレクトリ名はフルパスで指定します。
- デフォルトは「/var/opt/jp1ajs2/tmp」です。
- "IsHA"=dword:エージェントプロセスのクラスタ環境設定の定義
- ジョブ実行制御エージェントプロセスのクラスタ環境設定の定義を指定します。このパラメーターは,クラスタ運用をやめる場合だけ設定してください。
- 00000000
- クラスタ運用しない場合に指定します。
- 00000001
- クラスタ運用する場合に指定します。クラスタシステム運用時のセットアップを実行すると,この値が自動的に設定されます。
- デフォルトは「00000000(クラスタ運用しない)」です。
- "IsLimitCoreSize"=dword:プロセスごとの最大コアファイルサイズの制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのコアファイルサイズを制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのコアファイルサイズを制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのコアファイルサイズを制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitCoreSize"=dword:プロセスごとの最大コアファイルサイズ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大コアファイルサイズを16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:バイト)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大コアファイルサイズの制限として「"IsLimitCoreSize"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitDataSize"=dword:プロセスごとの最大データセグメントサイズの制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのデータセグメントサイズを制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのデータセグメントサイズを制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのデータセグメントサイズを制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitDataSize"=dword:プロセスごとの最大データセグメントサイズ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大データセグメントサイズを16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:バイト)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大データセグメントサイズの制限として「"IsLimitDataSize"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitFileSize"=dword:プロセスごとの最大パーマネントファイルサイズの制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのパーマネントファイルサイズを制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのパーマネントファイルサイズを制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのパーマネントファイルサイズを制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitFileSize"=dword:プロセスごとの最大パーマネントファイルサイズ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大パーマネントファイルサイズを16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:バイト)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大パーマネントファイルサイズの制限として「"IsLimitFileSize"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitMemorySize"=dword:プロセスごとの最大メモリーサイズの制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのメモリーサイズ(物理メモリーとスワップとの合計サイズ)を制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのメモリーサイズを制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのメモリーサイズを制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitMemorySize"=dword:プロセスごとの最大メモリーサイズ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大メモリーサイズ(物理メモリーとスワップとの合計サイズ)を16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:バイト)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大メモリーサイズの制限として「"IsLimitMemorySize"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitStackSize"=dword:プロセスごとの最大スタックセグメントサイズの制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのスタックセグメントサイズを制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのスタックセグメントサイズを制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのスタックセグメントサイズを制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitStackSize"=dword:プロセスごとの最大スタックセグメントサイズ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大スタックセグメントサイズを16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:バイト)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大スタックセグメントサイズの制限として「"IsLimitStackSize"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitCpuTime"=dword:プロセスごとの最大CPU時間の制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのCPU時間を制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのCPU時間を制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのCPU時間を制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitCpuTime"=dword:プロセスごとの最大CPU時間
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大CPU時間を16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:秒)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大CPU時間の制限として「"IsLimitCpuTime"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitWorkSize"=dword:プロセスごとの最大ワーキングセットサイズの制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのワーキングセットサイズ(プロセスが使用する物理メモリーのサイズ)を制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのワーキングセットサイズを制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのワーキングセットサイズを制限します。
- デフォルトは「0」です。
- 注意
- Solarisを使用している場合,このフラグは指定しないでください。JP1/AJS2が起動できなくなるおそれがあります。
- "LimitWorkSize"=dword:プロセスごとの最大ワーキングセットサイズ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大ワーキングセットサイズ(プロセスが使用する物理メモリーのサイズ)を16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)(単位:バイト)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大ワーキングセットサイズの制限として「"IsLimitWorkSize"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "IsLimitNoFile"=dword:プロセスごとの最大ファイルディスクリプタ数の制限フラグ
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとのファイルディスクリプタ数を制限するかどうかを指定します。
- 0
- ジョブのプロセスごとのファイルディスクリプタ数を制限しません。
- 1
- ジョブのプロセスごとのファイルディスクリプタ数を制限します。
- デフォルトは「0」です。
- "LimitNoFile"=dword:プロセスごとの最大ファイルディスクリプタ数
- JP1/AJS2から実行するジョブのプロセスごとの最大ファイルディスクリプタ数を16進数で指定します。
- 0~0x7FFFFFFF(10進数で0~2,147,483,647)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:0x7FFFFFFF」(10進数で2,147,483,647)です。
- このパラメーターで指定した値は,最大ファイルディスクリプタ数の制限として「"IsLimitNoFile"=dword:1」を指定した場合に有効になります。
- 注意
- 0~0x7FFFFFFFという指定範囲は,論理上の指定範囲です。実際の指定範囲は,OSのシステムコールsetrlimit()の設定範囲に依存します。
- 「dword:0x7FFFFFFF」を指定した場合,システムに設定されている上限値が上限になります。
- また,「dword:0x7FFFFFFF」より小さくても,その値がシステムの上限値よりも大きい場合は,システムの上限値が上限になります。
- 設定に失敗した場合はメッセージが出力され,制限値は変更されません。
- "PipeComTimeout"=dword:エージェントのパイプ通信タイムアウト値
- パイプ通信タイムアウト時間(単位:秒)を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は0x0000012C~0x7FFFFFFF(10進数で300~2,147,483,647)です。
- デフォルトは「dword:0000012C」(10進数で300)です。
- 詳細については,「16.4 エージェントのパイプ通信タイムアウト値の変更」を参照してください。
- "AfterForkPipeTimeout"=dword:ジョブプロセス実行準備完了通知時のタイムアウト値
- ジョブプロセス実行準備完了通知のタイムアウト時間(単位:秒)を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は0x00000384~0x00015180(10進数で900~86,400)です。
- 最大値の0x00015180(10進数で86,400秒)は1日の秒数です。デフォルトは「dword:00000384」(10進数で900)です。詳細については,「16.5 ジョブプロセス実行準備完了通知時のタイムアウト値の設定」を参照してください。
- "IsCacheCmdSearchPath"=dword:コマンド検索パスの値のキャッシング指定フラグ
- ジョブ起動時に使用するコマンド検索パスの値をキャッシングするかどうかを指定します。
- 0
- コマンド検索パスの値をキャッシングしません。
- 1
- コマンド検索パスの値をキャッシングします。
- デフォルトは「1」です。
- 「0」または「1」のどちらかではない値を指定した場合は,「1」が指定された場合と同じ動作になります。
- キャッシングする場合,検索パスの取得処理に時間が掛からないため,ジョブ起動時の性能が改善されます。ただし,キャッシングしていると,パスを変更したときに直ちに変更が反映されません。キャッシングする設定でコマンド検索パスを変更した場合は,5分以上経過してからジョブを起動することをお勧めします。
- なお,06-71以前のバージョンの動作に合わせたい場合は,「dword:00000000」を指定してください。
- 補足事項
- コマンド検索パスは,実行OSユーザーのログインスクリプトに設定されている環境変数PATHです。
- "IsUseWorkPath"=dword:ジョブ実行時のワークパスの変更フラグ
- ジョブ実行時のワークパスをJP1/AJS2のエージェントプロセス実行時のワークディレクトリにするかどうかを指定します。
- 0
- ジョブ実行時のワークパスをエージェントプロセス実行時のワークディレクトリにしません(設定を無効にします)。
- 1
- ジョブ実行時のワークパスをエージェントプロセス実行時のワークディレクトリにします。
- デフォルトは「0」です。
- 補足事項
- UNIXで実行するジョブの場合,ワークパス名の指定(jpqjobsubコマンドでは-wオプションの作業用パス名)を省略すると,実行ユーザーのホームディレクトリが仮定されます。ホームディレクトリが未定義の場合は,「/」(ルート)が仮定されます。
- ジョブの実行時,ワークパスにはJPQ_EXECで始まる名称のファイルが一時ファイルとして作成されます(それ以外のファイルは作成されません)。ワークパス名の指定を省略していてジョブが異常終了した場合は,ジョブ実行ユーザーのホームディレクトリにこれらのファイルが残ってしまいます。ジョブ実行ユーザーのホームディレクトリにこれらのファイルが残らないようにするには,ジョブ実行時のワークパスをJP1/AJS2のエージェントプロセス実行時のワークディレクトリに変更する必要があります。
- "IsSigchldDefault"=dword:JP1/AJS2から起動される子プロセスを,SIGCHLDシグナルを受信する設定(SIG_DFL)に変更する定義
- SIGCHLDシグナルを受信するデフォルト(SIG_DFL)で実行するかどうかを指定します。
- 0
- SIGCHLDシグナルを無視します。
- 1
- SIGCHLDシグナルを受信するデフォルト(SIG_DFL)で実行します。
- デフォルトは「0」です。
- このパラメーターは,JP1/AJS2の新規のインストール時および新規のセットアップ時に「1」が設定されます。
- 詳細については,「16.26 JP1/AJS2から起動される子プロセスを,SIGCHLDシグナルを受信する設定(SIG_DFL)に変更する方法」を参照してください。
- "FileAccessPermissionMode"=dword:UNIXジョブ実行時のファイルのアクセス権限をチェックする方法の設定
- UNIXジョブ実行時の,次に示すファイルのアクセス権限についてチェックする方法を指定します。
- スクリプトファイル
- 環境変数ファイル
- 標準入力ファイル
- 標準出力ファイル
- 標準エラー出力ファイル
- 転送先ファイル
- 0
- 各ファイルのアクセス権限について,ファイルパーミッションの設定に基づいてチェックします。アクセス制御リストやセカンダリーグループの設定に基づくチェックは行いません。
- 1
- スクリプトファイルのアクセス権限について,ファイルパーミッション,アクセス制御リスト,およびセカンダリーグループの設定に基づいてチェックします。
- スクリプトファイル以外のファイルのアクセス権限については,ファイルパーミッションに基づくチェックだけ行います。
- 2
- 各ファイルのアクセス権限について,ファイルパーミッション,アクセス制御リスト,およびセカンダリーグループの設定に基づいてチェックします。
- デフォルトは「0」です。
- 詳細については,「16.32 ジョブ実行時のファイル権限チェックでアクセス制御リストやセカンダリーグループの設定を有効にする」を参照してください。
- "GetPasswd_RetryCount"= dword:OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする回数
- OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする回数を16進数で指定します。
- 0~0x000000A(10進数で0~10)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:00000002」(10進数で2)です。
- 「0」を指定した場合は,リトライしません。
- 通常,この値は変更する必要はありません。詳細については,「16.37 ユーザー情報取得時のリトライを変更する設定」を参照してください。
- "GetPasswd_RetryInterval"= dword:OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする間隔
- OSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする間隔(単位:ミリ秒)を16進数で指定します。
- 0~0x0002710(10進数で0~10,000)の間で指定します。
- デフォルトは「dword:000003E8」(10進数で1,000)です。
- 「0」を指定した場合は,すぐにリトライします。
- 通常,この値は変更する必要はありません。詳細については,「16.37 ユーザー情報取得時のリトライを変更する設定」を参照してください。
- "NotfyJobStateInterval"=dword:ジョブの結果ファイルの再送間隔
- ジョブの結果ファイルの再送間隔(単位:秒)を16進数で指定します。0~0x00015180(10進数で0~86,400)の間で指定します。最大値の0x00015180(10 進数で86,400 秒)は1日の秒数です。デフォルトは「dword:0000012C」(10進数で300)で5分です。結果ファイルの再送を行わないようにするには0を指定してください。詳細については,「16.15 ジョブの結果ファイルの再送間隔・再送回数の変更」を参照してください。
- "NotfyJobStateCount"=dword:ジョブの結果ファイルの再送回数
- ジョブの結果ファイルの再送回数を16進数で指定します。1~0x00000800(10進数で1~2,048)の間で指定します。デフォルトは「dword:00000120」(10進数で288)で288回です(デフォルトでは5分間隔で24時間再送します)。詳細については,「16.15 ジョブの結果ファイルの再送間隔・再送回数の変更」を参照してください。
- "CommunicateTimeout"=dword:設定値
- 通信タイムアウト時間を16進数で指定します(単位:ミリ秒)。
- 指定できる範囲は000927c0~0036EE80(10進数で600000~3600000)です。
- デフォルトは「000927c0(10進数で600000(10分))」です。
- 詳細については,「16.29 ジョブ実行制御のマネージャープロセスに対する通信タイムアウト時間の変更」を参照してください。
- "MacroOptionReplaceMode"=dword: マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定
- 前後に文字列がないマクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合に,マクロ変数名をNULL文字列に置き換えるかどうかを指定します。
- 0
- マクロ変数名をNULL文字列に置き換えないで,指定されたマクロ変数名をそのままの文字列として使用します。
- 1
- マクロ変数名をNULL文字に置き換えます。
- デフォルトは「0」です。
- 詳細については,「16.20 マクロ変数の引き継ぎ情報がNULL文字列の場合の置き換え方法の設定」を参照してください。
- "IsHA"=dword:ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のクラスタ環境設定の定義
- ジョブ実行に使用するコマンドおよびスケジュール制御のクラスタ環境設定の定義を指定します。このパラメーターは,クラスタ運用をやめる場合だけ設定してください。
- 00000000
- クラスタ運用しない場合に指定します。
- 00000001
- クラスタ運用する場合に指定します。クラスタシステム運用時のセットアップを実行すると,この値が自動的に設定されます。
- デフォルトは「00000000(クラスタ運用しない)」です。
(3) ジョブ実行環境のリソースを制限する場合の注意事項
ジョブ実行制御から実行するジョブのリソースを制限する場合,環境設定パラメーターに指定する値によっては,ジョブが正常に実行できなくなることがあるため,注意が必要です。例えば,スタックセグメントサイズの上限を0に設定すると,ジョブが実行できなくなる場合があります。
このため,余裕のある制限値を指定するか,または制限を設けないでください。制限を設ける場合は,事前にpsコマンドを実行し,セグメントサイズやCPU時間などを計測してから,指定する値を決定してください。
ただし,制限を設けない場合でも,リソースに対する制限がまったくなくなるわけではありません。この場合,JP1/AJS2が明示的に制限値を設定しないだけであり,システムのデフォルトの制限値(JP1/AJS2起動時の制限値)が有効になります。
なお,環境設定パラメーターの中にはOSによって制限をしていないものもあります。
デフォルトの制限値を超える値を指定した場合は,ジョブ実行ユーザーに適切な権限(スーパーユーザー権限)が必要です。ジョブ実行ユーザーに適切な権限(スーパーユーザー権限)がないときは,ジョブ実行時にリソース制限に失敗し,統合トレースログに警告メッセージKAVU3587-Wが出力されます。この場合,ジョブはデフォルトの制限値で実行されます。
なお,リソースの制限は,ジョブプロセスが生成した子プロセスにも反映されます(ただし,子プロセス側で独自に制限する場合は除きます)。
また,AIXおよびLinuxの場合,ジョブの実行ユーザーに対して,/etc/security/limits(Linuxの場合は/etc/security/limits.conf)でリソースの制限値の定義をしても,ジョブ実行時に値は有効になりません。JP1/AJS2起動時のユーザー(root)に対してリソース制限値を定義してください。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 8.1.18 UNIXジョブ実行時のリソース制限値についての注意事項」を参照してください。