4.1.5 スケジューラーオプションを定義する

スケジューラーサービスの起動方法やスケジュールのオプション情報は,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[スケジューラーオプション]タブで定義してください。

マネージャー環境で設定する[スケジューラーオプション]タブを次に示します。

図4-6 [スケジューラーオプション]タブ([マネージャー環境設定]ダイアログボックス)

[図データ]

各項目の定義内容を説明します。

(スケジューラーサービス名)の設定
スケジューラーオプションを設定したいスケジューラーサービス名を選択します。リストには,環境設定開始時に指定した論理ホストに登録されているスケジューラーサービスがすべて表示されます。
サービス起動モード
JP1/AJS2サービス起動時に起動されるスケジューラーサービスの起動モードを次の三つから選択します。
なお,起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 15.4.1(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態」を参照してください。
  • [コールド]
    スケジューラーサービスが前回終了したときの登録状態を解除して,スケジューラーサービスが起動します。
  • [ウォーム]
    スケジューラーサービスが前回終了したときの登録状態を保持したまま,スケジューラーサービスが起動します。ただし,スケジューラーサービス終了時に実行中だったジョブネットは終了状態になり,スケジューラーサービスを起動した日の予定に従って実行されます。
  • [自動継続]
    スケジューラーサービスが前回終了したときの登録状態を保持したまま,スケジューラーサービスが起動します。
デフォルトは[ウォーム]です。
ジョブネットのスキップ
スケジューラーサービスを起動した日に実行予定があるジョブネットの,スケジューラーサービス起動時に,すでに実行開始予定時刻を過ぎていた場合の実行方法を次の三つから選択します。なお,上記の[サービス起動モード]が[自動継続]の場合,このオプションおよび実行登録時のオプションに関係なく,すべてのジョブネットが実行されます。
  • [しない]
    当日実行予定があるジョブネットを実行します。スケジューラーサービスの起動時より前に実行を予定していたジョブネットは,スケジューラーサービスの起動と同時に開始されます。ただし,次の場合は実行されません。
    ・実行登録時に,JP1/AJS2 - Viewの[実行登録]ダイアログボックスで[デーモン起動時に予定時刻超過]に[次回から実行する]を選択したジョブネットの実行予定時刻が過ぎていたとき。
    ・実行登録時に,ajsentryコマンドに-oオプションを指定したジョブネットの実行予定時刻が過ぎていたとき。
  • [予定時刻超過]
    当日実行予定があるジョブネットを実行します。ただし,スケジューラーサービスの起動時より前に実行を予定していたジョブネットは,繰り越し未実行状態になり実行されません。また,次の場合も実行されません。
    ・実行登録時に,JP1/AJS2 - Viewの[実行登録]ダイアログボックスで[デーモン起動時に予定時刻超過]に[すぐに実行する]を選択したジョブネットの実行予定時刻が過ぎていたとき。
    ・実行登録時に,ajsentryコマンドに-oオプションを指定しなかったジョブネットの実行予定時刻が過ぎていたとき。
  • [当日予定]
    当日実行予定があるジョブネットは,すべて繰り越し未実行状態になり実行されません。実行登録時のオプションにも関係なく,スケジューラーサービスの起動日に実行予定のあるジョブネットは,すべて実行されません。
デフォルトは[しない]です。
抑止機能の設定
ジョブネット中のジョブおよびジョブネットの実行を抑止するかどうかを選択します。
[実行抑止]を選択すると,サービスの起動と同時にジョブおよびジョブネットは実行されません。
デフォルトは[抑止しない]です。
繰り越し方法
実行登録したルートジョブネットが開始予定日時を過ぎても実行されなかった場合,いつまで待って繰り越し未実行状態にするのかを次の三つから選択します。この項目は,実行登録の方法に関係なく有効です。
  • [1日]
    予定日を1日超えた場合,ジョブネットを繰り越し未実行状態にします。
  • [2日]
    予定日を2日超えた場合,ジョブネットを繰り越し未実行状態にします。
  • [繰り越さない]
    予定日を過ぎても,ジョブネットを開始時刻待ちまたは保留中のままとします。
デフォルトは[1日]です。
即時実行登録の場合は,登録した日時を開始予定日時として扱います。
ルートジョブネットのスケジュール
ルートジョブネットのスケジュールの有効範囲を次のどちらかから選択します。
なお,一度指定した内容を変更する場合,変更前と変更後ではルートジョブネットの実行スケジュールが異なるため,コールドスタートおよびジョブネットのスケジュールを見直す必要があります。
  • [24時間]
    ルートジョブネットのスケジュールの有効範囲を24時間とします。
  • [48時間]
    ルートジョブネットのスケジュールの有効範囲を48時間とします。
    なお,[48時間]は,[Viewの状態取得範囲]に[すべての情報から]を指定している場合だけ選択できます。
デフォルトは[24時間]です。
Viewの状態取得範囲
JP1/AJS2 - Viewに状態を表示する場合に,状態取得の基にする世代情報の範囲を次のどちらかから選択します。
  • [当日分の情報だけ]
    基準時刻の範囲で,当日分の世代情報から表示する状態を決定します。
    [当日分の情報だけ]は,[ルートジョブネットのスケジュール]に[24時間]を指定している場合だけ選択できます。[48時間]を指定している場合,[当日分の情報だけ]は選択できません。
  • [すべての情報から]
    当日分に限らず,すべての日にちを範囲として,実行中の世代または予定世代の情報から表示する状態を決定します。
デフォルトは[すべての情報から]です。
ユニット定義変更の即時適用
実行登録後にジョブおよびジョブネットの定義内容を変更した場合,変更した定義内容を実行直前に再読み込みし,変更内容を即時に有効にするかしないかを選択します。
  • [しない]
    ジョブおよびジョブネットの実行直前に定義を再読み込みしません(JP1/AJS2 06-51以前と同じ動作です)。
    この場合,定義変更時に実行中であった世代については,変更した最新の定義内容が有効になりません。
  • [する]
    ジョブおよびジョブネットの実行直前に定義を再読み込みします。
    この場合,定義変更時に実行中であった世代についても,変更した最新の定義内容が有効になります。
デフォルトは[しない]です。
この項目は,JP1/AJS2の新規のインストール時および新規のセットアップ時に[する]が設定されます。
注意
JP1/AJS2では,実行ファイル名,実行ホスト,保留属性などのユニットの実行に影響するユニット定義情報については実行登録中に変更できます。ただし,定義変更時に実行中であった世代については,変更した最新の定義内容が,有効になるユニット定義情報と,有効にならないユニット定義情報があります。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 15.12 実行登録中にユニット定義情報を変更する」を参照してください。
起動条件付きジョブネットの保留属性を引き継がない
起動条件付きジョブネット保留属性の実行世代への引き継ぎをするかどうかを指定します。
起動条件付きジョブネット保留属性の実行世代への引き継ぎをする場合,起動条件付きジョブネット実行世代の保留が,監視中世代の保留属性や起動条件成立タイミングの影響を受けます。
起動条件付きジョブネット保留属性の実行世代への引き継ぎをしない場合,起動条件付きジョブネット実行世代の保留が,保留中世代の保留属性や起動条件成立タイミングの影響を受けません。実行世代に対する保留属性変更に従って,保留状態に遷移します。
起動条件を使用する場合の保留動作を制御するためには,この項目にチェックを付けることをお勧めします。
この項目は,JP1/AJS2の新規のインストール時および新規のセットアップ時にチェックが付きます。
注意
JP1/AJS2 - Viewの保留属性表示機能と実際の動作を一致させるためには,ユニット定義変更の即時適用を「する」に設定し,起動条件付きジョブネットの保留属性を引き継がない設定にする必要があります。
Viewのスケジューラーサービス表示
論理ホスト対応のJP1/AJS2サービスを構築している環境で,JP1/AJS2 - Viewからログインしたときに表示されるスケジューラーサービスの範囲を次のどちらかから選択します。
  • [この論理ホストのスケジューラーサービスのみ]
    JP1/AJS2 - Viewからログインしたときに,指定したホスト名に対応するスケジューラーサービスだけが表示されます。
  • [すべてのスケジューラーサービス]
    ログインしたJP1ユーザーにマッピングされているOSユーザーが,Administrators権限を持つ場合,ログインしたマシンに構築されている定義済みのスケジューラーサービスがすべて表示されます。
    それ以外のJP1ユーザーでログインした場合,ログインしたマシンに構築されている定義済みのスケジューラーサービスのうち,ログインしたホストと同一のユーザー認証圏に属するホストのスケジューラーサービスがすべて表示されます。
    ただし,ログインした論理ホスト以外のスケジューラーサービスがフェールオーバーしてログインした物理ホスト上にない場合は,該当するスケジューラーサービスへアクセスしないようにしてください。
デフォルトは[この論理ホストのスケジューラーサービスのみ]です。