16.25 ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定

エージェントホストで実行中のジョブ数が,ジョブ実行多重度に達しているために後続のジョブの状態がキューイングのままとなり,ジョブが実行されるまでに時間が掛かることがあります。

ジョブ実行多重度に達しているためにジョブが登録できない場合に,次に示すメッセージを統合トレースログに出力するようにあらかじめ設定しておくことで,ジョブの実行に時間が掛かった要因がジョブ実行多重度到達であるかどうかを確認できます。

KAVU4310-I エージェント(エージェントホスト名)で実行中のジョブ数がジョブ実行多重度(ジョブ実行多重度)に達しています(ホスト名:ホスト名,ジョブ番号:ジョブ番号

この設定を行って,ジョブの状態がキューイングになっているにもかかわらず,このメッセージが出力されない場合は,次に示すどれかの要因が考えられますので,エージェントまたはキューの状態やジョブの実行先ホストの状態を確認してください。

ジョブ実行多重度の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 8.1.19 ジョブ実行多重度に関する注意事項」を参照してください。

ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力するための設定手順を次に示します。

<この節の構成>
(1) 定義手順
(2) 定義パラメーター一覧
(3) 定義内容

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS2のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※
    自動停止の設定が行われていることを確認してください。
  2. viなどのテキストエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
    設定ファイルのファイル名は任意です。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 設定ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. JP1/AJS2を再起動する。
    設定ファイルに記述した内容が反映されます。

(2) 定義パラメーター一覧

表16-30 ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定のための定義パラメーター一覧

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Job]"MaximumExecJobLogOption"=ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する設定
"MaximumExecJobLogInterval"=ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する間隔
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(3) 定義内容

"MaximumExecJobLogOption"=dword:設定値
ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力するかどうかを指定します。
0
ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力しません。
1
ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力します。
デフォルトは「0」です。
"MaximumExecJobLogInterval"=dword:設定値
ジョブ実行多重度到達を確認するメッセージを出力する間隔を16進数で指定します。
指定できる範囲は0000003C~00015180(10進数で60~86400)(単位:秒)です。
デフォルトは「00000258」(10進数で600)で10分です。
最初にKAVU4310-Iメッセージを出力したあと,この設定値の間隔(デフォルト10分)の間は,ジョブのキューイング状態が続いてもKAVU4310-Iメッセージは出力されません。この設定値に指定した時間を過ぎてもジョブのキューイング状態が続いている場合は,再度KAVU4310-Iメッセージがこの設定値の間隔で出力されます。