16.18 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の設定
ジョブを配信する際に,優先順位とエージェント使用率が同一のエージェントホストが複数ある場合,デフォルトではエージェントID※の大きいエージェントホストを選択してジョブを配信します。
例えば,実行時間が非常に短いジョブを複数実行する場合,ジョブはすぐに終了するためエージェント使用率はなかなか上昇せず,ジョブが配信されていないエージェントホストとエージェント使用率を比較した際に差異が出にくくなります。結果として,エージェントIDの大きい方に偏ってジョブを配信するため,エージェントIDの大きいエージェントで実行するジョブ数が多くなり,システムの使用率に偏りが生じることになります。
このような場合に,エージェントIDの代わりに未使用時間が最も長いエージェントホストを選択してジョブを配信する方式を設定することで,均等に負荷分散を行うことができます。
- 注※
- エージェントIDはjpqimportコマンドでジョブ実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)に指定したものです。また,jpqagtaddコマンドでエージェントを追加した場合は,使用していない番号から昇順に付加されます。jpqagtshowコマンドでエージェントの一覧を表示するとエージェントIDの昇順で表示されます。
ジョブを配信するエージェントホストの決定方式を設定するための手順を次に示します。
- <この節の構成>
- (1) 定義手順
- (2) 定義パラメーター一覧
- (3) 定義内容
(1) 定義手順
- JP1/AJS2のサービスを停止する。
次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。
# /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop※
# /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status
- 注※
- 自動停止の設定が行われていることを確認してください。
- viなどのエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
設定ファイルのファイル名は任意です。
- ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnf 設定ファイル名
jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- JP1/AJS2を再起動する。
設定ファイルに記述した内容が反映されます。
(2) 定義パラメーター一覧
表16-21 ジョブを配信するエージェントホストの決定方式定義パラメーター一覧
定義キー | 環境設定パラメーター | 定義内容 |
---|
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Agent]※ | "LeastRecentlyUsed"= | ジョブを配信するエージェントホストの決定方式の定義 |
- 注※
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
(3) 定義内容
- "LeastRecentlyUsed"=dword:設定値
- ジョブを配信するエージェントホストの決定方式を指定します。
- 0
- 複数の接続エージェントが同じ優先順位で,さらにエージェント使用率が同じであった場合に,エージェントIDが大きいものをジョブの配信先エージェントホストに決定します。
- 1
- 複数の接続エージェントが同じ優先順位で,さらにエージェント使用率が同じであった場合に,ジョブを最後に配信してから最も未使用時間が長いエージェントホストをジョブの配信先エージェントホストに決定します。
- デフォルトは「0」です。