16.16 ジョブ結果ファイルの二重受信防止の設定

標準ジョブまたはアクションジョブを実行する際,ジョブの終了時にエージェントホストからマネージャーホストに対して結果ファイル(標準出力・標準エラー出力ファイル)を転送します。エージェントホストからファイルの転送を行う際は,通常,マネージャーホストからの応答を10分間待ちますが,ファイルサイズが大きい場合は,マネージャーホストでのファイル解析に時間が掛かり,応答のタイムアウトが発生します。この場合,エージェントホストでは結果ファイルの転送が成功するまで再送を繰り返します。マネージャーホストでは結果ファイルの再送を受け付けると,負荷の掛かる解析処理を多重に行うことになりCPUの使用率が非常に高くなり,他の要求を受け付けられなくなるといった問題が発生します。

次のオプションを指定すると,エージェントホストからの結果ファイルの再送を受け付けなくなり,マネージャーホストに掛かる負荷を抑えることができます。また,結果ファイルの再送を行うかどうかはエージェントホスト側でも設定することもできます。その場合はエージェントホストごとに設定する必要があり,エージェント台数が多数あるような大規模な運用には向きません。エージェントホスト側での設定に関しては,「16.15 ジョブの結果ファイルの再送間隔・再送回数の変更」も参照してください。

次のオプションでは,マネージャーホスト側だけの設定で一括して再送を防止することができます。ジョブ結果ファイルの二重受信防止の設定手順を次に示します。

<この節の構成>
(1) 定義手順
(2) 定義パラメーター一覧
(3) 定義内容

(1) 定義手順

  1. JP1/AJS2のサービスを停止する。
    次のコマンドを実行して,プロセスがすべて停止していることを確認します。

    # /etc/opt/jp1ajs2/jajs_stop
    # /opt/jp1ajs2/bin/jajs_spmd_status

    注※
    自動停止の設定が行われていることを確認してください。
  2. viなどのエディターで,「(2) 定義パラメーター一覧」の定義パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
    設定ファイルのファイル名は任意です。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。

    jbssetcnf 設定ファイル名

    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
  4. JP1/AJS2を再起動する。
    設定ファイルに記述した内容が反映されます。

(2) 定義パラメーター一覧

表16-18 ジョブ結果ファイルの二重受信防止定義パラメーター一覧

定義キー環境設定パラメーター定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}¥JP1NBQMANAGER¥Job]"ReceiveFileOption"=ジョブ結果ファイルの二重受信防止の定義
注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,「JP1_DEFAULT」または「論理ホスト名」を指定してください。

(3) 定義内容

"ReceiveFileOption"=dword: 00000000|00000001
ジョブ結果ファイルの二重受信防止を行うかどうかを指定します。
0
ジョブ結果ファイルの二重受信防止を行いません。
1
ジョブ結果ファイルの二重受信防止をします。
デフォルトは「0」です。