14.4.3 キューレスジョブ実行環境設定ファイルの環境設定パラメーターの定義内容

環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。

なお,詳細の記載がないパラメーターは保守用のパラメーターです。値は変更しないでください。

"QLMANCHARCODE"="{none|UTF-8}"
UTF-8環境のマネージャーからキューレスジョブを使用する運用で,UTF-8に対応していないエージェント(08-00より前のバージョンおよびLinux以外のプラットフォーム)で正しくジョブを実行させるために設定します。この環境設定パラメーターは,UTF-8をサポートしているLinux版のJP1/AJS2 - Managerの場合だけ有効です。その他の環境で指定された場合は無視されます。
08-00より前のバージョンおよびLinux以外のプラットフォームのキューレスエージェントでは,文字コード変換対象としてUTF-8をサポートしていません。この環境設定パラメーターに「UTF-8」を指定した場合,08-00より前のバージョンおよびLinux以外のプラットフォームのキューレスエージェントでも文字コードが正しく処理できるように,マネージャー側で文字コードの変換が実行されます。
なお,変換対象はキューレスジョブに関連するデータだけです。
none
マネージャー側で文字コード変換を行いません。すべての実行先キューレスエージェントが,UTF-8環境の場合にだけ指定してください。
UTF-8
マネージャー側でキューレスエージェントが対応している文字コードに変換して,キューレスエージェントと通信します。実行先キューレスエージェントに1台でもUTF-8以外の環境がある場合に指定してください。
デフォルトは「none」です。
また,キューレスジョブを一度もセットアップしていないLinux環境でajsqlsetupコマンドを実行すると,「UTF-8」が設定されます。
注意事項
  • この環境設定パラメーターに「UTF-8」を指定した場合,同一ホストで次に示す環境設定パラメーターを指定する必要があります。
    [JP1_DEFAULT¥JP1QLAGENT]
    "AJSQL_CHARCODE"=UTF-8
  • AJSCHARCODEはスケジューラーサービス単位で設定するのに対し,QLMANCHARCODEはマシンに一つ設定します。キューレスジョブを使用する場合は,すべてのスケジューラーサービスでAJSCHARCODEの設定を合わせて運用してください。
"AJSQL_JOBMAX"=dword:キューレスエージェントサービス内での最大同時ジョブ実行数
キューレスエージェントサービス内での最大同時ジョブ実行数を16進数で指定します。
0~400(10進数で0~1,024)の間で指定します。
デフォルトは「dword:400」(10進数で1,024)です。
ここで指定した値を超えた場合,超えた分については待ち状態になります(キューレスエージェントのメモリーに貯められます)。待ち状態にできるジョブの数の指定については,"AJSQL_JOBWAITMAX"=を参照してください。
"AJSQL_CHARCODE"="{none|C|SJIS|EUC|UTF-8}"
ジョブ情報やジョブ出力結果を表示する文字コードを指定します。
none
7ビットASCII文字コードを指定します。マネージャー・エージェント間で文字コード変換をしません。
C
7ビットASCII文字コードを指定します。マネージャー・エージェント間で文字コード変換をしません。
SJIS
シフトJISコードを指定します。
EUC
EUC文字コードを指定します。
UTF-8
UTF-8文字コードを指定します。
デフォルトは「none」です。
なお,ジョブ実行時の環境変数LANGはキューレスエージェントサービス起動時の環境変数LANGになります。
"AJSQL_JOBWAITMAX"=dword:キューレスエージェントサービス内での最大待ちジョブ数
キューレスエージェントサービス内での最大待ちジョブ数を16進数で指定します。
0~19000(10進数で0~102,400)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000000」です。
"AJSQL_NOATTACHREQ"="{exec|error}"
アタッチされていない論理ホストに対して実行要求があった場合の処理を指定します。
exec
物理ホストで処理します
error
エラーにします
デフォルトは「exec」です。
"AJSQL_EXECCURRENTSCRIPT"="{yes|no}"
相対パスでスクリプトファイルを指定した場合にジョブ実行時のカレントパス上に存在するスクリプトファイルの実行有無を指定します。
カレントパスとは,[ワークパス]指定時は指定したワークパス上,[ワークパス]未指定時はジョブ実行OSユーザーのホームディレクトリ上になります。
yes
カレントパス上に存在するスクリプトファイルを優先して実行します。
no
ジョブ実行時の環境変数PATH上から実行するスクリプトファイルを検索して実行します。
デフォルトは「no」です。
注意事項
"yes"を指定した場合,カレントパス上のスクリプトファイルを検索するため,ハードディスク障害などによってスクリプトファイルの存在チェックに失敗するとジョブは起動失敗となります。
"AJSQL_TRACELOGFILE"="トレースログファイル名"
キューレスエージェントのトレースログファイルの名称を255バイト以内の文字列で指定します。
ファイル名はフルパスで指定します。
セットアップ時に,次のファイル名で設定されます。

/var/opt/jp1ajs2/log/tracelog.ql

セットアップ後,トレースログファイル名に何も指定しないように設定を変更した場合は,トレース情報は出力されません。
"AJSQL_VARDQUOTEADD"="{yes|no}"
「$JP1AJS2_JPQTEMPxx$」変数変換時に,変換後の変数値を「"」で囲むかどうかを選択します。
yes
変換後の変数値を「"」で囲みます。
no
変換後の変数値を「"」で囲みません。
デフォルトは「yes」です。
このパラメーターの設定は物理ホスト,およびすべての論理ホストに対して有効になります。
"AJSQL_CONNECTTIMEOUT"=dword:通信接続タイムアウト時間
キューレスファイル転送サービスへの通信接続タイムアウト時間を16進数の00000000~00000258(10進数で0~600)(単位:秒)の間で指定します。
デフォルトは「dword:0000000A」(10進数で10)です。
「dword:00000000」を指定した場合は,OSの通信接続タイムアウト時間に依存して制御されます。
"AJSQL_CONNECTCOUNT"=dword:通信接続リトライ回数
キューレスファイル転送サービスへの通信接続処理で,通信エラーが発生したときの通信接続リトライ回数を16進数の00000000~00000064(10進数で0~100)(単位:秒)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000003」(10進数で3)です。
"AJSQL_CONNECTINT"=dword:通信接続リトライ間隔
キューレスファイル転送サービスへの通信接続処理で,通信エラーが発生したときの通信リトライ間隔を16進数の00000000~0000003C(10進数で0~60)(単位:秒)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000001」(10進数で1)です。
"AJSQL_EXECLOG"="{yes|no}"
キューレスジョブ実行内部ログ出力機能を有効にするかどうかを指定します。
yes
キューレスジョブ実行内部ログ出力機能を有効にします。
no
キューレスジョブ実行内部ログ出力機能を無効にします。
デフォルトは「yes」です。
"AJSQL_EXECLOG_FTPPATH"="キューレスファイル転送サービスが出力する内部ログを格納するディレクトリ名"
キューレスファイル転送サービスが出力する内部ログデータを格納するディレクトリの名称を,200バイト以内の文字列で指定します。
ディレクトリ名はフルパスで指定します。
デフォルトは「/var/opt/jp1ajs2/log」です。
注意事項
ローカルディスク上のディレクトリ名称を指定してください。
"AJSQL_GETPASSWD_FTPRETRYCOUNT"= dword:リトライ回数
キューレスファイル転送サービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする回数を16進数で指定します。
00000000~0000000A(10進数で0~10)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000002」(10進数で2)です。
「dword:00000000」を指定した場合は,リトライしません。
通常,この値は変更する必要はありません。
詳細については「16.37 ユーザー情報取得時のリトライを変更する設定」を参照してください。
"AJSQL_GETPASSWD_FTPRETRYINTERVAL"= dword:リトライ間隔
キューレスファイル転送サービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする間隔を16進数で指定します。
00000000~00002710(10進数で0~10,000)(単位:ミリ秒)の間で指定します。
デフォルトは「dword:000003E8」(10進数で1,000)です。
「dword:00000000」を指定した場合は,すぐにリトライします。
通常,この値は変更する必要はありません。
詳細については,「16.37 ユーザー情報取得時のリトライを変更する設定」を参照してください。
"AJSQL_LOGFILE"="ログフォルダ名"
実行したジョブの開始・終了メッセージを出力するログフォルダの名称を,180バイト以内の文字列で指定します。
フォルダ名はフルパスで指定します。
セットアップ時に,次のファイルが仮定されます。
  • 物理ホストの場合

    /var/opt/jp1ajs2/log

  • 論理ホストの場合

    共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log

この項目を設定しない場合も,上記ファイルが仮定されます。
"AJSQL_LOGSIZE"=dword:ログファイルサイズ
ログファイルのサイズを16進数で指定します。
0または4~1E8480(10進数で0または4~2,000,000)(単位:キロバイト)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00002000」(10進数で8,192)です。
ログファイルとして,ここで指定したサイズのファイルを2面(ファイル1,ファイル2)使用します。
注意
ここで指定したサイズの上限までファイル1に情報が書き込まれると,それ以上の情報はファイル2に書き込まれます。さらにファイル2でもサイズの上限まで情報が書き込まれると,再びファイル1に戻って情報を書き込みます。ファイル1→ファイル2→ファイル1→ファイル2を繰り返し,古い情報から上書きされていきますので,サイズの指定には注意が必要です。
"AJSQL_STATFILE"="ステータスファイル名"
実行中のジョブ情報を記憶するステータスファイルの名称を,255バイト以内の文字列で指定します。
ファイル名はフルパスで指定します。
キューレスエージェントのセットアップ時に,次のファイル名が設定されます。
  • 物理ホストの場合

    /var/opt/jp1ajs2/log/ajsqlstat.dat

  • 論理ホストの場合

    共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log/ajsqlstat.dat

    この項目を設定しない場合も,上記ファイルが仮定されます。
"AJSQL_STATSIZE"=dword:ステータスファイルサイズ
実行中のジョブ情報を記憶するステータスファイルのサイズを16進数で指定します。
ステータスファイルを使用した場合,実行元マネージャーにジョブ終了結果を伝える前に,実行元スケジューラーサービスおよび実行先キューレスエージェントで系切り替えが発生した場合でも,再起動後に実行元マネージャーにジョブの終了結果を伝えることができます。
0または4~1E8480(10進数で0または4~2,000,000)(単位:キロバイト)の間で指定します。1キロバイト当たり,約12ジョブの情報を保持します。
デフォルトは「dword:00000800」(10進数で2,048)です。
注意
この項目に0を設定した場合は,実行中のジョブ情報が記憶されないため,ジョブ実行中に実行元スケジューラーサービスで系切り替えが発生した場合などは,ジョブの状態が終了状態不明となります。
0以外を設定した場合,該当ジョブ自体は正常終了していても,ジョブの状態が「異常検出終了」となることがあります。これは,該当ジョブが標準エラー出力へ出力した内容を,エージェントホストからマネージャーホストへ転送する処理に失敗しているためです。この現象を避けるためには,エラー発生時以外での標準エラー出力への出力を行わないようにしてください。
"AJSQL_ATTACH"="{yes|no}"
キューレスエージェントサービス起動時に設定されている論理ホストをアタッチするかどうかを指定します。
yes
論理ホストをアタッチします。
no
論理ホストはアタッチしません。
使用する場合はサービス起動後にajsqlattachコマンドでアタッチしてください。
デフォルトは「no」です。
この項目は,論理ホストキーに指定がある場合だけ有効です。
"AJSQL_EXECLOG_AGTPATH"="キューレスエージェントサービスが出力する内部ログを格納するディレクトリ名"
キューレスエージェントサービスが出力する内部ログデータを格納するディレクトリの名称を,200バイト以内の文字列で指定します。
ディレクトリ名はフルパスで指定します。
デフォルトは次のとおりです。
  • 物理ホストの場合
    /var/opt/jp1ajs2/log
  • 論理ホストの場合
    共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log
注意事項
ローカルディスク上のディレクトリ名称を指定してください。
クラスタ運用時は,名称が次のようになります。

キューレスエージェントサービスが出力する内部ログを格納するディレクトリ名称/ajsqlexeclog-[論理ホスト名]

ログファイル名称が256バイト以上である場合,[論理ホスト名]は論理ホスト名の先頭から30バイトとなります。
上記の条件を満たし,先頭から30バイトが同一名称である論理ホストが複数ある場合,該当する論理ホストの内部ログは,同一のファイルに出力されます。複数の論理ホストが同一のファイルに内部ログを出力する場合,キューレスジョブ起動性能の劣化,および内部ログの出力に失敗するおそれがあります。
複数の論理ホストが同一のファイルに内部ログを出力する場合は,それぞれの論理ホストのAJSQL_EXECLOG_AGTPATHに異なるディレクトリパスを指定し,異なるファイルに内部ログを出力させてください。なお,AJSQL_EXECLOG_AGTPATHをデフォルト以外の値に変更した場合,資料採取ツールの内容を編集する必要があります。詳細については,「17.1 ログ情報の採取方法」を参照してください。
"AJSQL_GETPASSWD_AGTRETRYCOUNT"= dword:リトライ回数
キューレスエージェントサービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする回数を16進数で指定します。
00000000~0000000A(10進数で0~10)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000002」(10進数で2)です。
「dword:00000000」を指定した場合は,リトライしません。
通常,この値は変更する必要はありません。
詳細については,「16.37 ユーザー情報取得時のリトライを変更する設定」を参照してください。
"AJSQL_GETPASSWD_AGTRETRYINTERVAL"= dword:リトライ間隔
キューレスエージェントサービスでOSのパスワードファイルからユーザー情報の取得に失敗した場合にリトライする間隔を16進数で指定します。
00000000~00002710(10進数で0~10,000)(単位:ミリ秒)の間で指定します。
デフォルトは「dword:000003E8」(10進数で1,000)です。
「dword:00000000」を指定した場合は,すぐにリトライします。
通常,この値は変更する必要はありません。
詳細については,「16.37 ユーザー情報取得時のリトライを変更する設定」を参照してください。
"AJSQL_AGTWORKPATH"="キューレスジョブで使用するワークパスおよびテンポラリーファイル用ディレクトリ名"
キューレスジョブで使用するワークパス,およびテンポラリーファイル用ディレクトリの名称を,100バイト以内の文字列で指定します。
ディレクトリ名はフルパスで指定します。
デフォルトは次のとおりです。
  • 物理ホストの場合
    /var/opt/jp1ajs2/tmp
  • 論理ホストの場合
    共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp
"AJSQL_CJOBMAX"=dword:クラス内での最大同時ジョブ実行数
そのクラスで同時実行を許すジョブの最大数を16進数で指定します。
00000000~00000400(10進数で0~1,024)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000400」(10進数で1,024)です。
詳細については,「7.15 キューレスジョブ環境でクラスを指定したジョブを実行するための設定」(Windowsの場合)または「16.12 キューレスジョブ環境でクラスを指定したジョブを実行するための設定」(UNIXの場合)を参照してください。
"AJSQL_CJOBWAITMAX"=dword:クラス内での最大待ちジョブ数
そのクラスでの最大同時ジョブ実行数を超えたときに,キューレスエージェント上のメモリーに蓄えておくジョブの最大数を16進数で指定します。
0~19000(10進数で0~102,400)の間で指定します。
デフォルトは「dword:00000000」です。
詳細については,「7.15 キューレスジョブ環境でクラスを指定したジョブを実行するための設定」(Windowsの場合)または「16.12 キューレスジョブ環境でクラスを指定したジョブを実行するための設定」(UNIXの場合)を参照してください。