JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド

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14.7.12 ジョブネットコネクタで異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するための設定

異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御する場合,ジョブネットコネクタおよび接続先のジョブネットの各ホストでセットアップが必要です。次に示す設定手順に従ってセットアップしてください。

なお,このセットアップはマネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)で作業します。エージェント環境(JP1/AJS2 - Agent)で設定する作業はありません。

<この項の構成>
(1) スケジューラーサービス間通信制御プロセスの設定手順
(2) スケジューラーサービス間通信制御プロセスの設定変更
(3) 定義パラメーター一覧
(4) 定義内容

(1) スケジューラーサービス間通信制御プロセスの設定手順

スケジューラーサービス間通信制御プロセス(ajsgwd)の設定手順を次に示します。

  1. jp1ajs_spmd.confファイルを編集する。
    jp1ajs_spmd起動時にスケジューラーサービス間通信制御プロセス(ajsgwd)を起動させるため,jp1ajs_spmd.confファイルを編集します。
    スケジューラーの状態監視の設定をしていないときは,jp1ajs_spmd.confファイルのバックアップを作成し,jp1ajs_spmd_gw.conf.modelファイルをjp1ajs_spmd.confにリネームしてください。
    スケジューラーの状態監視の設定をしているときは,jp1ajs_spmd.confファイルのバックアップを作成し,jp1ajs_spmd_gw.conf.modelファイルの内容を参照してjp1ajs_spmd.confファイルに次の下線部分を追加します。
     
    jpqmon|/opt/jp1ajs2/bin/jpqmon|||1800|
    jpomanager|/opt/jp1ajs2/bin/jpomanager||jpqmon|1800|
    jpoagent|/opt/jp1ajs2/bin/jpoagent||jpomanager|1800|
    ajsovstatd|/opt/jp1ajs2/bin/ajsovstatd||jpoagent|1800|
    ajsmasterd|/opt/jp1ajs2/bin/ajsmasterd||jpoagent|1800|
    ajsgwmasterd|/opt/jp1ajs2/bin/ajsgwmasterd|||1800|
     
    なお,論理ホストのjp1ajs_spmd_gw.conf.modelファイルは上書きインストールの対象ではありませんので,物理ホストのjp1ajs_spmd_gw.conf.modelを参照してjp1ajs_spmd.confファイルを編集してください。
    jp1ajs_spmd_gw.conf.modelファイルおよびjp1ajs_spmd.confファイルの格納ディレクトリは,次のとおりです。

    物理ホストの場合
    /etc/opt/jp1ajs2/conf

    論理ホストの場合
    共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf
  2. スケジューラーサービス間通信制御プロセスが使用する通信ポートのサービス名(jp1ajs2gw)とポート番号(23160/tcp)をservicesファイルに設定する。
     
    jp1ajs2gw 23160/tcp
     
  3. jp1ajs_service_0700.confファイルを編集する。
    JP1/AJS2 - Managerを08-50より前のバージョンから上書きインストールして環境を構築する場合,次のようにjp1ajs_service_0700.confファイルを編集します。
    jp1ajs_service_0700.confの設定を変更していないときは,jp1ajs_service_0700.confファイルのバックアップを作成し,jp1ajs_service_0700.conf.modelファイルをjp1ajs_service_0700.confにリネームしてください。
    jp1ajs_service_0700.confの設定を変更しているときは,jp1ajs_service_0700.confファイルのバックアップを作成し,jp1ajs_service_0700.conf.modelファイルを参照してjp1ajs_service_0700.confファイルに次の下線部分を追加します。
     
    jpqmon|/opt/jp1ajs2/bin/jpqmon||0|3|3|21600|
    jpomanager|/opt/jp1ajs2/bin/jpomanager||0|3|3|21600|
    jpoagent|/opt/jp1ajs2/bin/jpoagent||0|3|3|21600|
    ajsovstatd|/opt/jp1ajs2/bin/ajsovstatd||0|3|3|21600|
    ajsmasterd|/opt/jp1ajs2/bin/ajsmasterd||0|3|3|21600|
    ajsgwmasterd|/opt/jp1ajs2/bin/ajsgwmasterd||0|3|3|21600|
     
    なお,論理ホストのjp1ajs_service_0700.conf.modelファイルは上書きインストールの対象ではありませんので,物理ホストのjp1ajs_service_0700.conf.modelを参照して編集してください。
    jp1ajs_service_0700.conf.modelファイルおよびjp1ajs_service_0700.confファイルの格納ディレクトリは,次のとおりです。

    物理ホストの場合
    /etc/opt/jp1ajs2/conf

    論理ホストの場合
    共有ディレクトリ/jp1ajs2/conf
  4. viなどのエディターで次に示す内容を記述した設定ファイルを作成する。
    異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するスケジューラーサービスに対して次の内容を設定してください。
     
    [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名]
    "RJCUSE"="yes"
     
    {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
  5. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
     
    jbssetcnf 設定ファイル名
     
    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
    なお,論理ホストで設定する場合は,実行系および待機系の両系のホストでこの設定が必要です。論理ホストでの設定方法については,「18.4.3 共通定義情報変更時の作業」を参照してください。
  6. JP1/AJS2のサービスを起動する。
    設定した内容が反映されます。

(2) スケジューラーサービス間通信制御プロセスの設定変更

スケジューラーサービス間通信制御プロセスについての設定を変更する手順を次に示します。

  1. JP1/AJS2のサービスを停止する。
    JP1/AJS2のサービスを停止して,プロセスがすべて停止していることを確認します。
  2. viなどのテキストエディターで,「(3) 定義パラメーター一覧」に示したパラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
  3. ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
     
    jbssetcnf 設定ファイル名
     
    jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
    jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
    なお,論理ホストで設定する場合は,実行系および待機系の両系のホストでこの設定が必要です。論理ホストでの設定方法については,「18.4.3 共通定義情報変更時の作業」を参照してください。
  4. JP1/AJS2のサービスを再起動します。
    変更した内容が反映されます。

(3) 定義パラメーター一覧

表14-15 異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するための定義パラメーター一覧

定義キー 定義パラメーター 定義内容
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名] "RJCUSE"= 異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するかどうかの設定
"FGRECONLMT"= フロー制御プロセスとスケジューラーサービス間通信制御プロセスが通信接続できなかった場合の再接続回数
[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\GATEWAY] "GWMAXCONNECTION"= スケジューラーサービス間通信制御プロセス(ajsgwd)が通信する際の最大同時接続数
"GWPROCESSHA"= スケジューラーサービス間通信制御プロセス(ajsgwd)が異常終了した場合に,スケジューラーサービス間通信制御プロセスを管理するプロセス(ajsgwmasterd)を終了するかどうかの設定
"GWRESTARTCOUNT"= スケジューラーサービス間通信制御プロセスが異常終了した場合に,自動的に再起動する回数

注※
{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

(4) 定義内容

"RJCUSE"="{yes|no}"
異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するかどうかを設定します。

yes
異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御する場合に指定します。

no
異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御しない場合に指定します。
デフォルトは「no」です。

"FGRECONLMT"=dword:再接続回数
フロー制御プロセスとスケジューラーサービス間通信制御プロセスが通信接続できなかった場合の再接続回数を16進数で指定します。
指定できる範囲は,0〜64(10進数で0〜100)です。
デフォルトは「dword:00000003」(10進数で3)です。

"GWMAXCONNECTION"=dword:最大同時コネクション数
スケジューラーサービス間通信制御プロセス(ajsgwd)が通信する際の,最大同時接続数を16進数で指定します。
指定できる範囲は,a〜400(10進数で10〜1,024)です。
デフォルトは「dword:a」(10進数で10)です。
システム内の,スケジューラーサービス間通信制御プロセスをセットアップしたJP1/AJS2 - Managerホストの数を指定してください(物理ホスト・論理ホストの両方を含む)。指定した値が実際の値より少ない場合,スケジューラーサービス間通信制御プロセスの通信に失敗する場合があります。

"GWPROCESSHA"="{yes|no}"
スケジューラーサービス間通信制御プロセス(ajsgwd)が異常終了した場合に,スケジューラーサービス間通信制御プロセスを管理するプロセス(ajsgwmasterd)を終了するかどうかを設定します。

yes
スケジューラーサービス間通信制御プロセスを管理するプロセス(ajsgwmasterd)を終了します。
jajs_spmdコマンドに-HAオプションを指定してJP1/AJS2サービスを起動している場合,およびクラスタ構成時の論理ホストの場合は,JP1/AJS2サービス全体が停止します。

no
スケジューラーサービス間通信制御プロセスを管理するプロセス(ajsgwmasterd)を終了しません。
jajs_spmdコマンドに-HAオプションを指定してJP1/AJS2サービスを起動している場合,およびクラスタ構成時の論理ホストの場合でもJP1/AJS2サービスを停止させないで,スケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序制御以外の機能を使用できます。
デフォルトは「no」です。

"GWRESTARTCOUNT"=dword:スケジューラーサービス間通信制御プロセス再起動回数
スケジューラーサービス間通信制御プロセスが異常終了した場合に,自動的に再起動する回数を16進数で指定します。
指定できる範囲は,0〜3(10進数で0〜3)です。
デフォルトは「dword:00000003」(10進数で3)です。

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