JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド
JP1/AJS2 Console Manager環境のセットアップに使用する構成定義ファイル(JP1/AJS2 Console Manager環境設定ファイル(ajs2cm.conf))には,環境設定に必要な情報が定義されています。情報を変更したい場合は,構成定義ファイルの内容(環境設定パラメーターの定義内容)を書き換えてください。
各パラメーターの推奨値と設定が有効になる時期については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド 5.3.5(1) JP1/AJS2 Console Managerの環境設定」を参照してください。
この項では,JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順および設定内容を説明します。
- <この項の構成>
- (1) JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順
- (2) JP1/AJS2 Console Manager環境で設定する内容
(1) JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順
構成定義ファイル(環境設定パラメーター)は,初期状態では推奨値で定義されています。必要に応じて,JP1/AJS2 Console Managerの環境を設定し直してください。
JP1/AJS2 Console Manager環境の設定手順を次に示します。
- JP1/AJS2 Console Managerのサービスを停止する。
次のコマンドを実行します。
# /etc/opt/jp1ajs2cm/ajscminetd_startstop stop- 次のファイルをviなどのエディターで開く。
/etc/opt/jp1ajs2cm/conf/ajs2cm.conf- 必要に応じて,JP1/AJS2 Console Managerの環境を変更する。
- ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnfコマンドのパスは,「/opt/jp1base/bin/jbssetcnf」です。
jbssetcnf ファイル名
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- JP1/AJS2 Console Managerサービスを再起動する。
次のコマンドを実行します。
変更した内容が構成定義に反映されます。
# /etc/opt/jp1ajs2cm/ajscminetd_startstop start
- 注意
- JP1/Baseを前提製品とするJP1シリーズのプログラムが稼働中の場合には,jbssetcnfコマンドを実行する前に,JP1シリーズのプログラムを終了させてください。
(2) JP1/AJS2 Console Manager環境で設定する内容
(a) JP1/AJS2 Console Manager環境設定ファイルの環境設定パラメーター一覧
JP1/AJS2 Console Managerは,定義キー[JP1_DEFAULT\JP1AJS2CONSOLEMANAGER]に構成定義情報を設定できます。論理ホストを使用する場合でも,DATADIRECTORYキー以外の構成定義パラメーターは,JP1_DEFAULTホストキーの値が使用されます。
JP1/AJS2 Console Manager環境設定ファイルで定義する環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。
表14-9 環境設定パラメーター一覧(ajs2cm.conf)
環境設定パラメーター 内容およびデフォルト値 "MAXSESSION"= 最大同時セション数
デフォルトは「dword:00000010」(10進数で16)。"IPC_TIMEOUT"= リモート通信タイムアウト時間
デフォルトは「dword:00000000」。"IPCRETRYINTERVAL"= リトライ間隔
デフォルトは「dword:00000001」。"IPCRETRYCOUNT"= リトライ回数
デフォルトは「dword:00000003」。"SESSIONTIMEOUT"= 接続打ち切り時間
デフォルトは「dword:00000078」(10進数で120)。"CHARCODE"= ユーザー定義データに格納される情報の文字コード
セットアップを実行すると,次の内容で設定されます。
Solaris:EUC
Linux:UTF-8
その他のOS:SJIS"SYSLOGCODE"= ログファイル出力時の文字コード "HNTRLOGLEVEL"= 統合トレースログに出力するメッセージレベル
デフォルトは「error」。"DATADIRECTORY"= ルートスコープ用データディレクトリ名
デフォルトは「/var/opt/jp1ajs2cm/database」。"RECONNECTINTERVAL"= JP1/AJS2 Console Agentへの再接続間隔
デフォルトは「dword:0000012C」(10進数で300)です。"TRACELOGFILE"= JP1/AJS2 Console Managerのトレースログファイル名
デフォルトは「/var/opt/jp1ajs2cm/log/tracelog.cm」。"IPC_CONNECTTIMEOUT"= リモート通信接続タイムアウト値
デフォルトは「dword:00000014」(10進数で20)。
- 注意
- 構成定義パラメーターのDATADIRECTORYの指定に誤りがある場合は,JP1/AJS2 Console Viewでのログイン時にエラーになります。DATADIRECTORY以外の構成定義パラメーターの指定に誤りがある場合は,JP1/AJS2 Console Managerの標準設定で動作します。
(b) JP1/AJS2 Console Managerの環境設定パラメーターの定義内容
環境設定パラメーターの定義内容の詳細を次に示します。
- "MAXSESSION"=dword:最大同時セション数
- JP1/AJS2 Console Viewの最大接続数を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は,0〜40(10進数で0〜64)です。
- デフォルトは「dword:00000010」(10進数で16)です。
- JP1/AJS2 Console Viewの接続数がここで指定した値を超える場合は,エラーになります。
- "IPC_TIMEOUT"=dword:通信タイムアウト時間
- JP1/AJS2 Console Agentと通信するときのタイムアウト時間(秒)を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は,0〜258(10進数で0〜600)です。
- デフォルトは「dword:00000000」(10進数で0)です。
- ここで指定した時間(秒)待っても通信できない場合は,エラーになります。なお,この場合OSのタイムアウト時間に依存して制御されます。
- "IPCRETRYINTERVAL"=dword:リトライ間隔
- 通信エラー時のリトライ間隔(秒)を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は,0〜A(10進数で0〜10)です。
- デフォルトは「dword:00000001」(10進数で1)です。
- リトライが発生するたびに,ここで指定した値分が加算されます。
- "IPCRETRYCOUNT"=dword:リトライ回数
- 通信エラー時のリトライ回数を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は,0〜64(10進数で0〜100)です。
- デフォルトは「dword:00000003」(10進数で3)です。
- "SESSIONTIMEOUT"=dword:接続打ち切り時間
- JP1/AJS2 Console Viewとの通信が切れた場合にどのくらい待って(分)接続を打ち切るのかを16進数で指定します。
- 指定できる範囲は,1〜78(10進数で1〜120)です。
- デフォルトは「dword:00000078」(10進数で120)です。
- "CHARCODE"="{C|SJIS|EUC|UTF-8}"
- ネスト業務スコープ・監視オブジェクトの名称や定義内容で使用する文字コードを指定します。
- SJIS
- シフトJISコード
- C
- 7ビットASCII文字コード
- EUC
- EUC文字コード
- UTF-8
- UTF-8文字コード
- 文字コードは一つだけ定義してください。何も指定しなかった場合は,「C」が仮定されます。
- "SYSLOGCODE"="{C|環境変数LANG}"
- syslogファイルに出力するメッセージの言語種別を指定します。
- C
- 英語ASCIIコードで出力されます。
- 環境変数LANG(「C」以外の文字列)
- JP1/AJS2 Console Managerサービスを起動したときの環境変数LANGの設定に従います。
- ただし,JP1/AJS2 Console Managerサービスの環境変数LANGに対応する言語種別のメッセージがsyslogファイルに出力されないシステムもあります。その場合は,このパラメーターには必ず「C」を指定してください。使用しているシステムで日本語出力ができるかどうかについては,loggerコマンドなどで日本語メッセージを出力し,syslogファイルに正しく出力されているかどうかを確認してください。
- 環境変数LANGの値はOSによって異なります。
- 指定できる環境変数LANGの値を次の表に示します。
表14-10 指定できる環境変数LANG(JP1/AJS2 Console Manager)
OS シフトJISを設定する
環境変数の値EUCを設定する
環境変数の値UTF-8を設定する
環境変数の値HP-UX ja_JP.SJIS ja_JP.eucJP 使用できません Solaris ja_JP.PCK ja 使用できません AIX Ja_JP ja_JP 使用できません Linux 使用できません ja_JP.eucJP ja_JP.UTF-8
- "HNTRLOGLEVEL"="{none|error|warn|info}"
- 統合トレースログに出力するメッセージレベルを次の中から選択して指定します。
- none
- どのメッセージも出力されません。
- error
- エラーメッセージが出力されます。
- warn
- 警告メッセージが出力されます。
- info
- 情報メッセージが出力されます。
- デフォルトは「error」です。
- "DATADIRECTORY"="データディレクトリパス"
- ルートスコープの定義情報を格納するディレクトリ名を191バイト以内で指定します。
- ディレクトリ名は,完全名で指定します。
- デフォルトは「/var/opt/jp1ajs2cm/database」です。
- 変更する場合は,その時点ですでに存在するディレクトリを指定してください。新たなデータディレクトリを指定する場合は,先にディレクトリを作成してから指定してください。存在しないディレクトリを指定した場合は,JP1/AJS2 Console Viewのログイン時にエラーになります。
- なお,ここで指定したディレクトリ内のファイルは,削除しないでください。
- "RECONNECTINTERVAL"=dword:JP1/AJS2 Console Agentとの再接続間隔
- JP1/AJS2 Console Agentと接続できなかった場合に再接続するまでの間隔(秒)を16進数で指定します。
- 指定できる範囲は,1E〜E10(10進数で30〜3,600)です。
- デフォルトは「dword:0000012C」(10進数で300)です。
- "TRACELOGFILE"="トレースログファイル名称"
- トレースログファイル名称を完全名,かつ255バイト以内で指定します。
- トレース情報を確実に記録できるように必ずローカルディスク上のファイル名として指定してください。
- デフォルトは「/var/opt/jp1ajs2cm/log/tracelog.cm」です。
- なお,ファイルはトレース情報が出力されたときに新規作成されます。したがって,既存のファイル名と同じ名称は指定しないでください。
- "IPC_CONNECTTIMEOUT"=dword:リモート通信接続タイムアウト値
- JP1/AJS2 Console Agentに接続する場合などのリモート通信接続タイムアウト値を16進数で指定します。0〜258(10進数で0〜600)(単位:秒)の値を指定します。デフォルトは「dword:00000014」(10進数で20)です。
- なお,OSで設定されているTCP/IPの接続タイムアウト値がこの値より短い場合,OSの設定が有効になります。
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