JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド
スケジューラーサービス環境は,環境設定パラメーターを設定して定義することもできます。
- <この項の構成>
- (1) 設定手順
- (2) 環境設定パラメーター
(1) 設定手順
- Windowsの[コントロールパネル]の[管理ツール]から[サービス]を選択し,次に示すサービスを停止する。
- JP1/AJS2サービス
- JP1/AJS2 Monitorサービス
- メモ帳などのテキストエディターで,(2)の環境設定パラメーターを記述した設定ファイルを作成する。
- ファイルを保存し,次のコマンドを実行する。
jbssetcnfコマンドのパスは,「JP1/Baseのインストール先フォルダ\bin\jbssetcnf」です。
jbssetcnf 設定ファイル名
jbssetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- JP1/AJS2を再起動する。
設定ファイルの内容が構成定義に反映されます。
(2) 環境設定パラメーター
スケジューラーサービス環境で設定できる環境設定パラメーターの一覧を次の表に示します。なお,環境設定パラメーターの詳細については,「14.1.3 スケジューラーサービス環境設定パラメーターの定義内容」を参照してください。
表4-1 スケジューラーサービス環境で設定できる環境設定パラメーターの一覧(Windows)
定義キー 環境設定パラメーター 定義内容 [JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER] "MAXSESSION"=※1 最大同時セション数 "IPC_TIMEOUT"=※1 リモート通信タイムアウト時間 "IPC_LOCALTIMEOUT"=※1 ローカル通信タイムアウト時間 "IPCRETRYINTERVAL"=※1 リトライ間隔 "IPCRETRYCOUNT"=※1 リトライ回数 "DEFAULTSERVICENAME"=※1 デフォルトスケジューラーサービス名 "REMNETSERVICENAME"=※1 リモートジョブネットを実行するスケジューラーサービス名 "AUTORESTARTCOUNT"=※1 スケジューラーサービスの再起動回数 "RESTARTCLRTIME"=※1 再起動回数をクリアーするまでの時間 "MASTERDABEND"=※1 スケジューラーサービス異常時の処理 "TRACELOGFILE"=※1 スケジューラートレースログファイルの名称 "EVENTRETRY"=※1 イベントサービス接続失敗時の処理 "VRSHIFT_IMMINT"=※1 ジョブネット中断・強制終了時の即時停止の可否 "VRSHIFT_INTRERUN"=※1 中断したジョブネットの,後続ユニットの再実行の可否 "AJSINETDLOGSIZE"=※1 ajsinetd内部ログサイズ "MONLOG"=※1 JP1/AJS2 - ViewおよびJP1/AJS2 - Scenario Operationからスケジューラーサービスへの接続開始・終了メッセージの,スケジューラーログへの出力 "MONSYSLOG"=※1 JP1/AJS2 Monitorサービスおよびモニターサーバの開始・終了メッセージの,Windowsイベントログへの出力 "AUTHLOG"=※1 ユーザー認証に関するメッセージをスケジューラーログに出力するかしないかの設定 "AUTHSYSLOG"=※1 ユーザー認証に関するメッセージをWindowsイベントログおよび統合トレースログに出力するかしないかの設定 "REUSELOGON"=※1,※2 ログオンセッションのプロセス起動方法 "LOGONSHMAX"=※1,※2 ログオン共有セション数 [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER]※3 "LOGSIZE"= スケジューラーログファイルのサイズ "AJSLOGFILE1"= スケジューラーログファイル1の名称 "AJSLOGFILE2"= スケジューラーログファイル2の名称 "HIDEOTHERLHOST"= JP1/AJS2 - Viewのスケジューラーサービス表示 "LOGDLOG"= スケジューラーログ出力プロセス(ajslogd)の起動・停止の履歴をスケジューラーログに出力するかどうかの設定 "LOGDSYSLOG"= スケジューラーログ出力プロセス(ajslogd)の起動・停止の履歴をWindowsイベントログおよび統合トレースログに出力するかどうかの設定 "AJSLOGOUTPUTYEAR"= スケジューラーログの日付に「年」を出力するかしないかの設定 "AJSLOGOUTPUTEXTEND"= スケジューラーログの拡張出力の設定 [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名]※3 "AUTOSTART"= スケジューラーサービスの自動起動 "SESSIONTIMEOUT"= 接続打ち切り時間 "AJSSERVICEID"= スケジューラーサービスの識別番号 "AJSDBTYPE"= データベース種別 "AJSDBDIRECTORY"= データベースディレクトリ名 "ISAMWRITEMODE"= ISAMファイル更新時の書き込み方法 "TABLENAMEPREFIX"= テーブル名プリフィックス "TABLENAMEPOSTFIX"= テーブルID "RDBAUTHID"= RDB認可識別子 "RDBUSER"= RDBアクセスユーザー名 "RDBPASSWORD"= RDBユーザーパスワード "RDBCHECKINTERVAL"= RDBサーバ接続確認の間隔 "RDBHOST"= RDB接続先ホスト名 "RDBPORT"= RDB接続ポート番号 "RDBIPC"= HiRDBサーバとの通信方式 "RDBSENDMEMSIZE"= HiRDBプロセス間メモリー通信使用時の,送信用メモリーサイズ "RDBRECVMEMSIZE"= HiRDBプロセス間メモリー通信使用時の,受信用メモリーサイズ "RDBCONNECTWAITTIME"= RDBへの接続の最大待ち合わせ時間 "AJSCHARCODE"= 文字コード "AJSTMPDIR"= テンポラリーファイル用ディレクトリ名 "JOBINFDIR"= ジョブエラー情報ディレクトリ名 "AJSBKUROOT"= 退避情報ディレクトリ名 "HNTRLOGLEVEL"= 統合トレースログに出力するメッセージレベル "AJSSYSLOG"= スケジューラーサービスの起動・終了メッセージの,Windowsイベントログへの出力 "NETSYSLOG"= ジョブネット起動・終了メッセージの,Windowsイベントログへの出力 "JOBSYSLOG"= ジョブネット中のジョブの開始・終了メッセージの,Windowsイベントログへの出力 "AJSLOG"= スケジューラーサービスの起動・終了メッセージの,スケジューラーログファイルへの出力 "NETLOG"= ジョブネット起動・終了メッセージの,スケジューラーログファイルへの出力 "JOBLOG"= ジョブネット中のジョブの開始・終了メッセージの,スケジューラーログファイルへの出力 "OPELOG"= 操作履歴の出力 "LOGINFOALL"= ログの出力形式 "REFLOG"= 参照履歴の出力 "LOGHEADER"= 履歴情報にプロセスIDを付加して出力 "INFOLOG"= 情報用履歴の出力 "ROOTJOBNETSCHEDULERANGE"= ルートジョブネットのスケジュールの有効範囲 "VIEWSTATUSRANGE"= 状態取得の基にする世代情報の範囲(JP1/AJS2 - Viewの状態表示ための定義) "STARTMODE"= サービスの起動方法 "OVERSCHEDULE"= ジョブネットのスキップ方法 "SUPPRESS"= ジョブネット中のジョブ・ジョブネットの実行抑止方法 "EXECDEFER"= ジョブネットの繰り越し方法 "JOBSTATUSPORT"= ジョブ状態取得ポートのサービス名 "QUEUELESSMULTIREQ"= キューレスジョブリクエスト多重度 "MFPOLLINTERVAL"= JP1/AJS2 for Mainframeに状態を問い合わせるポーリング間隔 "MFUSERNAME"= JP1/AJS2 for Mainframeと連携する際に使用するJP1ユーザー名 "UNITDEFINERELOAD"= ジョブネット定義変更の即時反映の有無 "INHERITCONDHOLD"= 起動条件付きジョブネット保留属性の実行世代への引き継ぎ動作 "MAXSAVEGEN"= 最大保存世代数 "AJSPRINTNETSCHPRF"= ネストジョブネットの,スケジュールルールの扱い方 "SUBMITRETRYINTERVAL"= サブミット処理でのリトライ処理間隔 "CONDEXECDEFER"= 起動条件待ち世代の繰り越し未実行への遷移の可否 "JOBEXECIPCBUFSIZE"= スケジューラーサービスのジョブ実行情報通信バッファサイズ "BACKGROUNDLEAVE"= 登録解除や保存世代数管理による世代削除の処理方式 "WARMSTARTMSG"= スケジューラーサービスをウォームスタートで起動させたときに,実行中であったジョブまたはジョブネットの終了メッセージ,および終了イベントの出力有無の設定 "MONITORINGINVALIDHOLD"= 起動条件監視中世代に対する保留操作時の動作 "REQDAGTREQCONNECTTIMEOUT"= キューレスエージェントへの通信タイムアウト時間 "REQDAGTRECONNECTTIMEOUT"= キューレスエージェントとの通信回復処理の通信タイムアウト時間 "COMMANDEVENT"= コマンドまたはJP1/AJS2 - Viewからの操作時のJP1イベント発行有無の設定 "NONRELOADHOLDING"= 保留中状態のユニット定義再読み込み動作設定 "RJCUSE"=※4 ジョブネットコネクタで異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するかどうかの設定 "JOBDELAYWARNMSG"= スケジューラーサービスの停止中に,実行所要時間によって終了遅延を監視しているジョブがエージェントで実行開始した場合のメッセージを,スケジューラーサービス起動時に統合トレースログに出力するかどうかの設定 "FGRECONLMT"=※4 フロー制御プロセスとスケジューラーサービス間通信制御プロセスが通信接続できなかった場合の再接続回数
- 注※1
- この項目は必ず「[JP1_DEFAULT\JP1AJSMANAGER]」キーの直下に指定してください。
- 注※2
- この環境設定パラメーターはWindows版だけで指定できます。定義内容の詳細については,以降の説明を参照してください。
- 注※3
- {JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。
- 注※4
- 定義内容の詳細については,「4.7.11 ジョブネットコネクタで異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御するための設定」を参照してください。
- 注意
- スケジューラーサービスは,1台のマシンにつき物理ホストと論理ホストを合わせて20個まで作成できます。サービス名は,自ホストの物理ホストおよびすべての論理ホストで名称が重複しないように指定してください。サービス名は30バイト以内で指定し,半角英数字および次の記号が使用できます。
- 「!」,「#」,「$」,「%」,「+」,「-(ハイフン)」,「.(ピリオド)」,「_(アンダーバー)」
- 全角文字や半角カナ,および上記以外の記号は使用しないでください。
- 推奨しない文字を使用すると,コマンドインタープリターがコマンドラインを解析する際にスケジューラーサービス名を正しく認識できず,誤動作することがあります。
Windowsだけで使用できる環境設定パラメーターを次に説明します。
- "REUSELOGON"={"yes"|"no"}
- OSのユーザーアカウントでログオンして実行されるセションのプロセス起動方法を次のどちらかから選択します。
- yes
同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションのログオン情報を保存して再利用します。
この指定を行うことによって,同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションがデスクトップヒープを共有するようになり,デスクトップヒープ領域の消費を抑えることができます。
同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションが同時に多数あり,デスクトップヒープ領域の不足によってプロセスが起動できない場合に指定してください。なお,この指定を行った場合,OSのユーザー情報を変更したときには,JP1/AJS2 Monitorサービスの再起動が必要になります。
- no
同一のOSユーザーへマッピングし実行されるセションのログオン情報を再利用しません。
デフォルトは「no」です。
この項目は,JP1/AJS2 Monitorサービスの起動時に有効になります。
この項目は,次に示す操作に伴うセションのプロセス起動に適用されます。
・JP1/AJS2 - Viewの接続
・コマンドのリモート実行
・リモートジョブネットの実行
・JP1/AJS2 - Definition Assistantからの操作
・JP1/AJS2 - Scenario Operationからの操作
- "LOGONSHMAX"=dword:ログオン共有セション数
- ログオンの再利用を行うとき,ログオン情報を共有するセションの数を1〜128の間で指定します。
- 同一OSユーザーのセション数が,ここで指定する数を超えた場合,新たにデスクトップヒープを割り当てます。
- デフォルトは「dword:00000032」です。
- 環境設定パラメーターREUSELOGONを「yes」にした場合だけ指定できます。
- この項目は,JP1/AJS2 Monitorサービスの起動時に有効になります。
- 「ログオン共有セション数」の見積もり方法
- デスクトップヒープ領域が不足した場合は,「ログオン共有セション数」を次に示す範囲で調整してください。
- なお,非対話型プロセスに割り当てられるデスクトップヒープの大きさについては,OSのドキュメントを参照してください。
ログオン共有セション数 < 非対話型プロセスに割り当てられるデスクトップヒープの大きさ(キロバイト) / 10(キロバイト)
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