17.5.1 サービスの起動やセットアップについて
サービスの起動やセットアップに関するトラブルの対処方法を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) JP1/AJS2のサービスが起動しない
- (2) JP1/AJS2のセットアップが正常に終了しない
- (3) JP1/AJS2のサービスの起動に時間が掛かる
(1) JP1/AJS2のサービスが起動しない
- 統合トレースログに,「KAVU4250-E データベース(論理ホスト名)が正しく作成されていません(要因番号: 0xe00b0004)」のメッセージが出力される場合
ジョブ実行環境データベースが正しく作成されていないおそれがあります。
jpqimportコマンドで,ジョブ実行環境データベースを再作成してください。
データベースの再作成の流れは次のとおりです。
- JP1/AJS2が停止していることを確認する。
- データベースを再作成する前に,ジョブ実行環境データベースディレクトリにあるすべてのファイルを削除する。
データベースディレクトリは次のとおりです。
Windowsの場合
[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブ実行環境]タブにある[データベース格納ディレクトリ名]に指定したフォルダです。デフォルトは「JP1/AJS2のインストール先フォルダ¥database¥queue」です。
UNIXの場合
ジョブ実行環境設定ファイル(Queue.conf)の[論理ホスト名¥JP1NBQMANAGER¥Database]のDatabasePathパラメーターに指定したディレクトリです。デフォルトは,「/var/opt/jp1ajs2/database/queue」です。
- jpqimportコマンドで,ジョブ実行環境データベースを再作成する。
- データベースの再作成が完了したら,JP1/AJS2を再起動する。
- 統合トレースログに,メッセージ「KAVU5284-E システム資源が不足しています(要因個所)」のメッセージが出力される場合
JP1/AJS2の運用に必要なシステム資源(セマフォなど)が不足しているおそれがあります。
システム資源の見積もりを確認してください。そのあと,JP1/AJS2を再起動してください。
- メモリー不足の状況でJP1/AJS2サービスを起動すると,「KAVU1203-E エージェントプロセス起動に失敗しました(要因番号:12)」や「KAVU1204-E マネージャープロセス起動に失敗しました(要因番号:12)」がログに出力される場合があります。その場合は,メモリーの見積もりを見直してください。また,ほかの不要なアプリケーションが起動されている場合はアプリケーションを停止したあと,JP1/AJS2サービスを再起動してください。
- JP1/AJS2サービスを起動すると,「KAVU1203-E エージェントプロセス起動に失敗しました(要因番号:0xffffffff)」や「KAVU1204-E マネージャープロセス起動に失敗しました(要因番号:0xffffffff)」が統合トレースログに出力される場合があります。その場合は,JP1/AJS2サービスの初期化に失敗しているおそれがあります。統合トレースログで直前に出力されているメッセージを参照し,要因を取り除いたあとで,JP1/AJS2サービスを再起動してください。
- JP1/AJS2サービスが異常終了したあとでサービスを再起動すると,「KAVU1103-I 同じ論理ホスト(論理ホスト名)上でプロセス監視モニターが起動中です」が統合トレースログに出力される場合があります。JP1/AJS2サービスが異常終了したときにJP1/AJS2のプロセスが停止できないで残っているおそれがあります。この場合は次に示す方法で,JP1/AJS2のプロセスを強制終了したあと,JP1/AJS2サービスを再起動してください。
- Windowsの場合
- jajs_spmd_statusコマンドで確認してプロセス名称で「queue」が停止しない状態の場合は,システムを再起動してください。
- UNIXの場合
- jajs_spmd_statusコマンドで確認してjpqmonプロセスが停止しない状態の場合は,次に示すコマンドでjpqmanプロセスを強制終了してください。
- # ps -ef | grep jpqman
- # kill -KILL 前述のコマンドで出力されたjpqmanのプロセスID
- 注
- jpqagtプロセスが存在する場合は同じ方法でjpqagtプロセスを強制終了してください。また,JP1/AJS2 - Agentの場合は,jpqagtプロセスだけを強制終了してください。
(2) JP1/AJS2のセットアップが正常に終了しない
- 「KAVU5921-E 環境設定が不正かもしくは論理ホスト名が不正です」のメッセージが出力される場合
JP1/Baseをセットアップしていないか,またはクラスタ運用のためのセットアップで指定した論理ホスト名が不適切であるおそれがあります。
セットアップ手順を確認し,再セットアップしてください。クラスタ運用のためのセットアップでは,jpqimportコマンドに-mhオプションとともに論理ホスト名を必ず指定してください。
- 「KAVU5950-E 同じ識別子またはオブジェクト名が指定されています(行番号)」のメッセージが出力される場合
ジョブ実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)中のエージェント定義($agent),キュー定義($queue),排他実行リソース定義($res)が不適切であるおそれがあります。
ジョブ実行環境構成定義ファイルの定義内容を確認してください。そのあと,JP1/AJS2を再セットアップしてください。
ジョブ実行環境構成定義ファイルの格納場所は次のとおりです。
- Windowsの場合
- JP1/AJS2のインストール先フォルダ¥conf¥jpqsetup.conf
- UNIXの場合
- /etc/opt/jp1ajs2/conf/jpqsetup.conf
ジョブ実行環境構成定義ファイルの定義内容については,次の点を確認してください。
- 「$agent $an(nはエージェントID)」を定義する際,同じIDを複数定義していないこと。
- 「def_queue $qn(nはデフォルトキューのID)」と「$queue $qn(nはキューID)」に同じIDを定義していないこと。
- 「$queue $qn(nはキューID)」を定義する際,同じIDを複数定義していないこと。
- 「$res $rn(nは排他実行リソースID)」を定義する際,同じIDを複数定義していないこと。
- 同じ名称のエージェントを複数定義していないこと。
- 同じ名称のキューを複数定義していないこと。
- 同じ名称の排他実行リソースを複数定義していないこと。
ジョブ実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)の定義内容の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 20. セットアップ時に使用するコマンド jpqimport」を参照してください。
(3) JP1/AJS2のサービスの起動に時間が掛かる
JP1/AJS2は,起動時に,認証サーバに対して初期化処理を要求します。その際,認証サーバが起動していなくてもJP1/AJS2は起動しますが,起動に時間が掛かります。
このような現象を回避する場合,認証サーバが起動したあとに,JP1/AJS2を起動してください。