(1) 資料採取ツールを実行する
資料採取ツールを実行します。資料採取ツールのセットアップについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 17. ログ情報の採取」を参照してください。
資料採取ツールの実行例を次に示します。
# /home/jp1ajs2/trouble.sh
資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「/tmp/jp1ajs2/trouble/」の配下に次のファイルが出力されます。これらのファイルをバックアップしてください。
資料採取ツールは,クラスタシステム運用時,論理ホスト名を指定して資料を採取できます。また,採取する資料を限定するオプションも提供しています。次に資料採取ツールの文法について説明します。
_04
[-h 論理ホスト名]
[-f 格納ディレクトリ]
[-s]
[-t]
[-u]
[追加ファイル]
0 | 正常終了。 |
0以外の値 | 異常終了。 |
メッセージ | 動作 | 意味/オペレーターの取る処置 |
---|---|---|
Directory ディレクトリ名 is created | 処理を継続します。 | ディレクトリを作成しました。 |
Overwrite file (ファイル名) ok? | ユーザーの応答を待ちます。 | (ファイル名)を上書きしてよろしいですか? 処理を継続する場合は「y」を,中止する場合は「n」を押してください。 |
[CAUTION] When a target program is not installed, or when file access fails because some other process is using the file or because a necessary file-access permission is lacking, a message might be output that states that file access failed or a directory or file does not exist. Such a message does not indicate a problem. | 処理を継続します。 | 資料採取中に使用中またはファイルがない場合にこのメッセージが出力されますが,問題ありません。 |
Output file name :(ファイル名) | 処理を終了します。 | (ファイル名)を作成しました。 |
Write permission error (ディレクトリ名) | 処理を終了します。 | 書き込み権限がありません。次の要因が考えられます。
|
Make directory (ディレクトリ名) is unsuccessful | 処理を終了します。 | ディレクトリが作成できませんでした。次の要因が考えられます。
|
Read permission error(ファイル名) | 処理を終了します。 | 読み込み権限がありません。次の要因が考えられます。
|
File ファイル名 is not found | 処理を終了します。 | 追加ファイルに指定したディレクトリ,またはファイルがありません。 正しいパスを設定し,再度実行してください。 |
[ -s ] [ -f output-file ] [ -h Logical-Host-Name ] [ -t ] [ -u ] [ add-in-file ... ] | 処理を終了します。 | オプションの設定が誤っています。 正しく設定し,再度実行してください。 |
_04
_04 -h cluster
_04 -f /tmp/trouble /tmp/core
(2) coreファイルを採取する
coreファイルが出力されている場合は,coreファイルを採取してください。
coreファイルは,次のディレクトリのうちのどれかに出力されます。
また,core解析に必要な情報だけを採取したい場合はajs2collectcoreコマンドを使用します。ajs2collectcoreコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド ajs2collectcore(UNIX限定)」を参照してください。
(3) プロセスの状態を確認する
psコマンドを使ってプロセスの動作状態を確認してください。
JP1/AJS2のプロセスの情報については,「付録B.3 プロセス一覧(UNIXの場合)」を参照してください。
(4) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
表17-16 UNIXのマシン構成の調査に使用するコマンドの一覧
OS | OSのバージョンを 調査するコマンド | ホストに搭載されている 物理メモリー量を 調査するコマンド | プロセス情報および メモリー所要量を 調査するコマンド |
---|---|---|---|
HP-UX | /usr/bin/uname -a | /usr/sbin/dmesg | /usr/bin/ps -elf |
Solaris | /usr/bin/uname -a | /usr/sbin/prtconf | /usr/bin/ps -elf |
AIX | /usr/bin/uname -a | /usr/sbin/bootinfo -r | /usr/bin/ps -elf |
Linux | /bin/uname -a | /usr/bin/free (または, /bin/cat/proc/meminfo) | /bin/ps -elf |
(5) 採取資料一覧
資料採取ツール(_04)では次の資料が採取できます。
採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 | 内容 |
---|---|
/etc/hosts | hostsファイル |
/etc/passwd | passwdファイル |
/etc/services | servicesファイル |
/etc/.hitachi/pplistd/pplistd | インストール済みの日立製品情報 |
| 環境設定ファイル格納ディレクトリ |
/opt/HIRDB_J/spool/pdlckinf | 組み込みDBのデッドロックタイムアウト情報ファイル |
/opt/jp1/hcclibcnf/regdir | 共通定義情報 |
| パッチ情報 |
| syslogファイルおよびsyslogファイル格納ディレクトリ |
| 統合トレースログ |
/var/opt/jp1ajs2/jobinf | ジョブ情報格納ディレクトリ |
/var/opt/jp1ajs2/log | ログファイル格納ディレクトリ |
/var/opt/jp1ajs2/log/_04.filelist | ファイルリスト |
/var/opt/jp1ajs2/log/_04.osinfo | OS関連情報 |
/var/opt/jp1ajs2/log/_04.processlist | プロセスリスト |
/var/opt/jp1ajs2/log/ajsqlstatus.txt | ajsqlstatusコマンドの実行結果 |
/var/opt/jp1ajs2/log/_04.backtrace | バックトレース情報 |
/var/opt/jp1ajs2/log/jpomanevshow.txt | jpomanevshowコマンドの実行結果 |
/var/opt/jp1ajs2/sys | システムファイル格納ディレクトリ |
/var/opt/jp1ajs2/tmp/schedule/pd*.trc | 組み込みDBトレース情報 |
| ログファイル格納ディレクトリ |
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB/_JA*※2/conf | 組み込みDB定義ファイル |
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB/_JA*※2/spool | 組み込みDB障害調査ファイル |
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB/_JA*※2/etc | その他,調査に必要な組み込みDB情報 |
採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 | 内容 |
---|---|
| ISAMおよびスケジューラーが使用する共有メモリー情報,コアダンプファイル,共有ライブラリー情報 |
| データベース格納ディレクトリ |
/var/opt/jp1ajs2rp/sys | システムファイル格納ディレクトリ |
/追加採取資料※4 | 追加採取資料 |
採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 | 内容 |
---|---|
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2/backup | バックアップファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2/conf | 構成定義ファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2/jobinf | ジョブ情報ファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2/log | ログファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2/sys | システムファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2/tmp | 作業ファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1base/conf | 構成定義ファイル格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1base/log | ログファイル格納ディレクトリ |
| jpomanevshowコマンドの実行結果 |
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB_論理ホスト名/_JA*※2/conf | 組み込みDB定義ファイル |
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB_論理ホスト名/_JA*※2/spool | 組み込みDB障害調査ファイル |
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/EMBDB_論理ホスト名/_JA*※2/etc | その他,調査に必要な組み込みDB情報 |
採取された資料のディレクトリ名・ファイル名 | 内容 |
---|---|
/tmp/jp1ajs2/trouble※1/CARDIR_論理ホスト名/ProgMon.shmdump | 共有メモリーダンプ |
| データベース格納ディレクトリ |
/共有ディレクトリ名/jp1ajs2rp/sys | システムファイル格納ディレクトリ |