15.4.1 JP1/AJS2起動時の動作を一時的に変更する

JP1/AJS2 - Manager,またはJP1/AJS2 - Agentの起動時の動作を一時的に変更する場合の手順を,次に説明します。

なお,JP1/AJS2 - Managerで常に起動時の動作を指定するには,Windowsホストの場合は[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[スケジューラーオプション]タブでサービス起動モードを設定してください。UNIXホストの場合は「/etc/opt/jp1ajs2/conf/Schedule.conf」で「"STARTMODE"=」を設定し,jbssetcnfコマンドで設定を反映してください。

設定方法の手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.1.1 スケジューラーサービス環境の設定手順」を参照してください。

<この項の構成>
(1) Windowsの場合
(2) UNIXの場合
(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態
(4) エージェントホストを再起動する場合のマネージャーホスト上でのジョブの状態

(1) Windowsの場合

  1. [コントロールパネル]ウィンドウで[サービス]を選択する,または[管理ツール]-[サービス]を選択する。
  2. 起動させたいJP1/AJS2のサービス名を選択する。
  3. [スタートアップ パラメータ]に起動モードを指定する。
    指定できるオプションを次の表に示します。

    表15-1 [スタートアップ パラメータ]に指定できるオプション

    オペランド起動時の動作
    -coldコールドスタートする。
    -warmウォームスタートする。
    -hotホットスタートする。
    -disasterディザスターリカバリーモードでスタートする。
    注※
    JP1/AJS2システムにJP1/AJS2 - Datareplicatorを導入している場合に使用するオプションです。抽出側の拠点で大規模災害があり,反映側の拠点に運用を切り替えるとき,この引数を使って,反映側のJP1/AJS2をディザスターリカバリーモードでスタートします(ジョブの実行が抑止された状態で反映側のJP1/AJS2 - Managerが起動します)。
    JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用ができるようにセットアップされたJP1/AJS2 - Managerだけで,このオプションを使用できます。JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用ができるようにセットアップされていないJP1/AJS2 - Managerでこのコマンドを実行すると,エラーメッセージが出力され,JP1/AJS2は起動しません。
    JP1/AJS2 - Datareplicatorによる運用切り替えの手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 - Datareplicator」を参照してください。
    なお,-disasterは,ディザスターリカバリー時にだけ[スタートアップ パラメーター]に指定できるオプションです。常にディザスターリカバリーモードでJP1/AJS2 - Managerを起動するように指定することはできません。

  4. [開始]ボタンをクリックする。

なお,「net startサービス名」コマンドを実行した場合には,一時的な起動時の動作変更はできません。

注意事項
  • 一時的に指定したサービス起動モードと,セットアップ時に設定したサービス起動モードが異なる場合,一時的に指定したサービス起動モードが優先されます。
  • JP1/AJS2 - Managerでオプションを省略した場合,セットアップ時に設定したサービス起動モードで起動します。
  • JP1/AJS2 - Agentでオプションを省略した場合,「-warm」が仮定されます。

指定したサービス起動モードによって,ジョブネットおよびジョブの状態が異なります。サービス起動モードによるジョブネットおよびジョブの状態の詳細については,「(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態」を参照してください。

(2) UNIXの場合

  1. jajs_spmdコマンドに引数を指定して実行する。
    指定できるオプションを次の表に示します。

    表15-2  jajs_spmdコマンドに指定できるオプション

    オペランド起動時の動作
    -coldコールドスタートする。
    -warmウォームスタートする。
    -hotホットスタートする。
    -disasterディザスターリカバリーモードでスタートする。
    注※
    JP1/AJS2システムにJP1/AJS2 - Datareplicatorを導入している場合に使用するオプションです。抽出側の拠点で大規模災害があり,反映側の拠点に運用を切り替えるとき,この引数を使って,反映側のJP1/AJS2をディザスターリカバリーモードでスタートします(ジョブの実行が抑止された状態で反映側のJP1/AJS2 - Managerが起動します)。
    JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用ができるようにセットアップされたJP1/AJS2 - Managerだけで,このオプションを使用できます。JP1/AJS2 - Datareplicatorの運用ができるようにセットアップされていないJP1/AJS2 - Managerでこのコマンドを実行すると,エラーメッセージが出力され,JP1/AJS2は起動しません。
    JP1/AJS2 - Datareplicatorによる運用切り替えの手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 - Datareplicator」を参照してください。
    なお,-disasterは,ディザスターリカバリー時にだけjajs_spmdコマンドに指定できるオプションです。常にディザスターリカバリーモードでJP1/AJS2 - Managerを起動するように指定することはできません。

注意事項
  • 一時的に指定したサービス起動モードと,セットアップ時に設定したサービス起動モードが異なる場合,一時的に指定したサービス起動モードが優先されます。
  • JP1/AJS2 - Managerでオプションを省略した場合,セットアップ時に設定したサービス起動モードで起動します。
  • JP1/AJS2 - Agentでオプションを省略した場合,「-warm」が仮定されます。

指定したサービス起動モードによって,ジョブネットおよびジョブの状態が異なります。サービス起動モードによるジョブネットおよびジョブの状態の詳細については,「(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態」を参照してください。

(3) 起動モード別のジョブネットおよびジョブの状態

JP1/AJS2では,マネージャーホスト上のJP1/AJS2のサービスを再起動する場合,JP1/AJS2サービスの起動モードによって,ジョブネットおよびジョブの状態が異なります。エージェントホスト上のJP1/AJS2サービスを再起動する場合,JP1/AJS2サービスの起動モードによって,エージェントホスト上のジョブの状態が異なります。

マネージャーホスト上のJP1/AJS2サービスを再起動する場合と,エージェントホスト上のJP1/AJS2サービスを再起動する場合とに分けて,再起動後のジョブネットおよびジョブの状態を,次に説明します。

(a) マネージャーホストのJP1/AJS2サービスを再起動する場合

マネージャーホストのJP1/AJS2サービスを再起動した場合のジョブネットおよびジョブの状態を,起動モード別に示します。なお,表中の「条件」は,JP1/AJS2サービス停止後の実際の状態やJP1/AJS2での確認状況など,ジョブネットおよびジョブの状態が変化する要因を示しています。

ホットスタートの場合のジョブネットおよびジョブの状態

マネージャーホストのJP1/AJS2サービスをホットスタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態を次の表に示します。

表15-3 ホットスタート(-hot)した場合のジョブネットおよびジョブの状態

ジョブネットワーク要素JP1/AJS2停止前の状態条件JP1/AJS2起動後の状態
ジョブネット先行終了待ちなし先行終了待ち※1
開始時刻待ち(ルート)なし開始時刻待ち※2,※3
開始時刻待ち(ネスト)なし開始時刻待ち※1
保留中(ルート)なし保留中※2
保留中(ネスト)なし保留中※1
実行中なし実行中※4
警告検出実行中なし警告検出実行中※9
異常検出実行中なし異常検出実行中
監視中なし監視中
終了状態なし変更なし
リモートジョブネット先行終了待ちなし先行終了待ち※1
開始時刻待ち(ルート)なし開始時刻待ち※2,※3
開始時刻待ち(ネスト)なし開始時刻待ち※1
保留中(ルート)なし保留中※2
保留中(ネスト)なし保留中※1
実行中(ルート)なし異常検出終了
実行中(ネスト)なし異常検出終了
終了状態なし変更なし
ジョブ(標準ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ)先行終了待ちなし先行終了待ち※1
保留中なし保留中※1
実行待ち
  • ジョブがキューイング状態である
キューイング
  • ジョブが他ホストで実行され終了前にJP1/AJS2サービスが停止した
実行中
  • ジョブが自ホストで実行され終了前にJP1/AJS2サービスが停止した
強制終了
  • ジョブが終了状態である
終了状態※5
  • サーバがダウンするなどにより,JP1/AJS2サービスの停止処理が正しく行われず,ジョブ状態が管理できなくなった場合
  • ジョブの状態取得に失敗した場合
    ・JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
    ・ジョブ情報の保存日数を過ぎたため,ジョブ情報がすでに削除されていた場合※6
終了状態不明
キューイング
  • ジョブがキューイング状態である
キューイング
  • ジョブが他ホストで実行され終了前にJP1/AJS2サービスが停止した
実行中
  • ジョブが自ホストで実行され終了前にJP1/AJS2サービスが停止した
強制終了
  • ジョブが終了状態である
終了状態※5
  • サーバがダウンするなどにより,JP1/AJS2サービスの停止処理が正しく行われず,ジョブ状態が管理できなくなった場合
  • ジョブの状態取得に失敗した場合
    ・JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
    ・ジョブ情報の保存日数を過ぎたため,ジョブ情報がすでに削除されていた場合※6
終了状態不明
実行中
  • 実行先が他ホストである
実行中
  • 実行先が自ホストである
強制終了
  • ジョブが終了状態になっている
終了状態※5
  • サーバがダウンするなどにより,JP1/AJS2サービスの停止処理が正しく行われず,ジョブ状態が管理できなくなった場合
  • ジョブの状態取得に失敗した場合
    ・JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
    ・ジョブ情報の保存日数を過ぎたため,ジョブ情報がすでに削除されていた場合※6
終了状態不明
終了状態なし変更なし
キューレスジョブ先行終了待ちなし先行終了待ち※1
保留中なし保留中※1
実行待ち
  • キューレスエージェントサービスに設定している最大同時ジョブ実行数を超えたため,ほかのキューレスジョブの終了を待っている
実行待ち
  • キューレスジョブが実行中になっている
実行中
  • キューレスジョブが終了状態になっている
終了状態※5,※7
  • JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
  • JP1/AJS2サービス再起動時に,キューレスジョブ機能が無効になっている
終了状態不明
実行中
  • キューレスジョブが実行中になっている
実行中
  • キューレスジョブが終了状態になっている
終了状態※5,※7
  • JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
  • JP1/AJS2サービス再起動時に,キューレスジョブ機能がアンインストールされている
終了状態不明
終了状態なし変更なし
イベントジョブジョブネット中先行終了待ちなし先行終了待ち※1
保留中なし保留中※1
キューイング,実行中
  • 実行先が他ホストである
  • 実行先が,他ホストまたは自ホストで,システムダウンしたあとの再起動である
キューイング,実行中
  • 実行先が自ホストである
異常検出終了※8
終了状態なし変更なし
起動条件中先行終了待ちなし先行終了待ち
キューイング,実行中
  • イベントジョブが実行中である
実行中
  • イベントジョブが終了状態である
終了状態※5
終了状態なし変更なし
ジョブネットコネクタ先行終了待ちなし先行終了待ち※1
実行中
  • 接続先のジョブネットが正常終了になっている
正常終了
  • 接続先のジョブネットが警告検出終了になっている
警告検出終了
  • 接続先のジョブネットが実行中になっている
実行中
  • 接続先のジョブネットが警告検出実行中になっている
警告検出実行中
  • 接続先のジョブネット配下に異常終了扱いになったユニットがある
異常検出実行中
警告検出実行中
  • 接続先のジョブネットが警告検出終了になっている
警告検出終了
  • 接続先のジョブネットが警告検出実行中になっている
警告検出実行中
  • 接続先のジョブネット配下に異常終了扱いになったユニットがある
異常検出実行中
異常検出実行中なし異常検出実行中
終了状態なし変更なし
注※1
先行ユニットが異常終了扱いになった場合は,未実行終了です。
注※2
ホットスタートした時刻がジョブネットの打ち切り時間を過ぎていた場合は,「繰り越し未実行」状態になります。
注※3
ホットスタートした時刻がジョブネットの打ち切り時間を過ぎていなくて,開始予定時刻を超過している場合は,「実行中」状態になります。
注※4
配下に異常終了扱いになったユニットがある場合は,異常検出実行中,または異常検出終了です。
配下に異常終了扱いになったユニットがなく,警告検出実行中,または警告検出終了のユニットがある場合は,警告検出実行中,または警告検出終了です。
注※5
終了状態は,次のどれかの状態です。
  • 正常終了
  • 警告検出終了
  • 異常検出終了
  • 強制終了
  • 起動失敗
注※6
例えば,ジョブ情報の保存日数に0日を設定していて,JP1/AJS2サービスを再起動するまでの間にジョブの保存時間(デフォルトは10分)を過ぎてしまってジョブ状態を管理するために必要なジョブ情報がすでに削除されていた場合などです。
ジョブ情報の保存日数を0日にする場合は,JP1/AJS2サービスの停止から起動までの所要時間を見積もり,ジョブ情報の保存時間に所要時間以上の値を設定してください。また,見積もりができない場合は,保存日数を1日以上にしてください。ジョブ情報の保存日数の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 4.2.1 マネージャー環境の設定」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.2.2 マネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)で設定する内容」(UNIXの場合)を参照してください。
注※7
キューレスジョブで使用するステータスファイルを作成しておく必要があります。ステータスファイルが作成されていない場合,ジョブの状態は「終了状態不明」となります。
注※8
システムダウンによるフェールオーバーの場合,またはイベントジョブ実行継続オプションを有効にしている場合は「実行中」となります。
注※9
配下に異常終了扱いになったユニットがある場合は,異常検出実行中,または異常検出終了です。

ウォームスタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態

マネージャーホストのJP1/AJS2サービスをウォームスタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態を次の表に示します。

表15-4 ウォームスタート(-warm)した場合のジョブネットおよびジョブの状態

ジョブネットワーク要素JP1/AJS2停止前の状態条件JP1/AJS2起動後の状態
ジョブネット先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
開始時刻待ち(ルート)なし開始時刻待ち※2,※3
開始時刻待ち(ネスト)なし未実行終了
保留中(ルート)なし保留中※2,※4
保留中(ネスト)なし未実行終了
実行中なし中断※5
警告検出実行中なし中断※5
異常検出実行中なし中断※5
監視中なし監視中
終了状態なし変更なし
リモートジョブネット先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
開始時刻待ち(ルート)なし開始時刻待ち※2,※3
開始時刻待ち(ネスト)なし未実行終了
保留中(ルート)なし保留中※2,※4
保留中(ネスト)なし未実行終了
実行中(ルート)なし中断
実行中(ネスト)なし中断
終了状態なし変更なし
ジョブ(標準ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ)先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
保留中なし未実行終了
実行待ち
  • ジョブがキューイング状態である
未実行終了
  • ジョブが終了状態である
終了状態※6
  • ジョブがキューイング状態になる前に,JP1/AJS2サービスが停止した
  • ジョブが実行中である
  • ジョブの状態取得に失敗した場合
    ・JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
    ・ジョブ情報の保存日数を過ぎたため,ジョブ情報がすでに削除されていた場合※7
終了状態不明
キューイング
  • ジョブがキューイング状態である
未実行終了
  • ジョブが終了状態である
終了状態※6
  • ジョブが実行中である
  • ジョブ情報の保存日数を過ぎたため,ジョブ情報がすでに削除されていた場合※7
終了状態不明
実行中
  • ジョブが実行中である
  • ジョブ情報の保存日数を過ぎたため,ジョブ情報がすでに削除されていた場合※7
終了状態不明
  • ジョブが終了状態である
終了状態※6
終了状態なし変更なし
キューレスジョブ先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
保留中なし未実行終了
実行待ち
  • キューレスジョブが終了状態である
終了状態※6,※8
  • キューレスエージェントサービスに設定している最大同時ジョブ実行数を超えたため,ほかのキューレスジョブの終了を待っている
終了状態不明
実行中
  • キューレスジョブが終了状態である
終了状態※6,※8
  • キューレスジョブが実行中である
  • JP1/AJS2サービス再起動時に,メモリー不足や通信障害が発生してジョブの状態取得に失敗した場合
  • JP1/AJS2サービス再起動時に,キューレスジョブ機能が無効になっている
終了状態不明
終了状態なし変更なし
イベントジョブジョブネット中先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
保留中なし未実行終了
キューイングなし終了状態不明
実行中なし終了状態不明
終了状態なし変更なし
起動条件中先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
キューイング,実行中
  • イベントジョブが実行中である
実行中
  • イベントジョブが終了状態である
終了状態※6
終了状態なし変更なし
ジョブネットコネクタ先行終了待ち
  • ルートジョブネットが開始時刻待ちまたは保留中である
変更なし
  • ルートジョブネットが実行中状態である※1
未実行終了
実行中なし終了状態不明
警告検出実行中なし終了状態不明
異常検出実行中なし終了状態不明
終了状態なし変更なし
注※1
実行中状態は,次のどれかの状態です。
  • 実行中
  • 警告検出実行中
  • 異常検出実行中
注※2
スケジューラーサービスの設定で[ジョブネットのスキップ](OVERSCHEDULE)に[当日予定](plan)を設定した場合は,当日実行予定のスケジュールは「繰り越し未実行」状態となります。[予定時刻超過](skip)を指定した場合,またはジョブネットの実行登録時に[デーモン起動時に予定時刻超過]で[次回から実行する]を選択した場合は,スケジューラーサービスの起動時より前に実行を予定していたジョブネットは,「繰り越し未実行」状態となります。
また,スケジューラーサービスを起動した時刻がジョブネットの打ち切り時間を過ぎている場合も,「繰り越し未実行」状態になります。
注※3
ウォームスタートした時刻が,開始予定時刻を超過していて,注※2のケースに該当しない場合,ジョブネットの状態は「実行中」になります。
注※4
スケジュールを再計算するため,いったん状態が「開始時刻待ち」になってから「保留中」になります。
注※5
サービスの停止前に,ジョブネット配下のジョブが「実行待ち」状態または「実行中」状態である場合,すべてのジョブが終了状態に遷移してからジョブネットは「中断」状態になります。
注※6
終了状態は,次のどれかの状態です。
  • 正常終了
  • 警告検出終了
  • 異常検出終了
  • 強制終了
  • 起動失敗
注※7
例えば,ジョブ情報の保存日数に0日を設定していて,JP1/AJS2サービスを再起動するまでの間にジョブの保存時間(デフォルトは10分)を過ぎてしまってジョブ状態を管理するために必要なジョブ情報がすでに削除されていた場合などです。ジョブ情報の保存日数を0日にする場合は,JP1/AJS2サービスの停止から起動までの所要時間を見積もり,ジョブ情報の保存時間に所要時間以上の値を設定してください。また,見積もりができない場合は,保存日数を1日以上にしてください。ジョブ情報の保存日数の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 4.2.1 マネージャー環境の設定」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.2.2 マネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)で設定する内容」(UNIXの場合)を参照してください。
注※8
キューレスジョブで使用するステータスファイルを作成しておく必要があります。ステータスファイルが作成されていない場合,ジョブの状態は「終了状態不明」となります。

コールドスタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態

マネージャーホストのJP1/AJS2サービスをコールドスタート(-cold)した場合,登録済みのジョブネットはすべて未登録状態となり,前回までのジョブネット,およびジョブの実行結果がすべて削除された状態で,JP1/AJS2サービスが起動されます。

ディザスターリカバリーモードでスタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態

マネージャーホストのJP1/AJS2サービスをディザスターリカバリーモード(-disaster)でスタートした場合のジョブネットおよびジョブの状態については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 - Datareplicator」を参照してください。

起動モードの指定を省略した場合のジョブネットおよびジョブの状態

マネージャーホストのJP1/AJS2サービスの起動モードの指定を省略した場合,セットアップ時に設定したサービス起動モードで起動されます。セットアップ時に設定が省略されている場合,ウォームスタートと同様になります。

イベントリセット時のジョブネットおよびジョブの状態

イベントリセットを行った場合のジョブネットおよびジョブの状態は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス jpomanevreset」を参照してください。

(b) エージェントホストのJP1/AJS2サービスを再起動する場合

エージェントホストのJP1/AJS2サービスを再起動したときの,エージェントホスト上のジョブの状態は,起動モードおよびジョブの種類によって異なります。

なお,エージェントホストのJP1/AJS2サービスの起動モードの指定を省略した場合は,ウォームスタートと同様になります。

各起動モードでJP1/AJS2を起動したときのジョブの状態を,ジョブの種類別に次の表に示します。

表15-5 エージェントホストのJP1/AJS2起動時の起動モードとジョブの状態

起動モードPCジョブ,UNIXジョブ,QUEUEジョブイベントジョブ起動条件中に指定されたイベントジョブ
ウォーム
スタート
マネージャーホストにジョブの状態を報告できなかったジョブは,マネージャーホストで異常検出終了となります。ただし,jpqjobsubコマンドの-rsオプションを利用し,ジョブの回復状態を指定した場合は,指定した状態になります。強制終了となります(マネージャーホスト上でのジョブの状態は,異常検出終了となります)。
ただし,イベントジョブ実行継続オプションを使用している場合は,表15-7に示す状態になります。イベントジョブ実行継続オプションについては,「8.5.8 JP1/AJS2のサービスが停止してもイベントジョブの実行を継続させる」を参照してください。
JP1/AJS2が停止する前にエージェントホストで検知したイベント情報のうち,マネージャーホストに通知できなかったイベント情報は,エージェントホスト起動後にマネージャーホストに通知します(マネージャーホスト上でのジョブの状態は,監視中のままです。エージェントホストの再起動時に引き続き実行されます)。
ホット
スタート
コールド
スタート
エージェントホストの再起動時に引き続き実行されます。
JP1/AJS2が停止する前にエージェントホストで検知したイベント情報のうち,マネージャーホストに通知できなかったイベント情報は破棄されます(マネージャーホスト上でのジョブの状態は,監視中のままです)。

(4) エージェントホストを再起動する場合のマネージャーホスト上でのジョブの状態

マネージャー・エージェント構成で,エージェントホストのJP1/AJS2サービスを再起動する場合,次に示す状況で,マネージャーホスト上のジョブの状態が異なります。

停止したエージェントホストを再起動する場合の,マネージャーホスト上でのジョブの状態を表15-6に示します。システムダウンしたエージェントホストを再起動する場合の,マネージャーホスト上でのジョブの状態を表15-7に示します。

表15-6 停止したエージェントホストを再起動する場合のマネージャーホスト上でのジョブの状態

ユニットの種類エージェントホストが
停止する前の状態
エージェントホスト
が停止したあとの状態
ジョブ※1先行終了待ち先行終了待ち
保留中保留中
キューイング中キューイング中※2
実行中強制終了※3
その他の状態変更なし
キューレスジョブ先行終了待ち未実行終了※4
保留中保留中※4
実行待ち終了状態不明※4
実行中終了状態不明※4
その他の状態変更なし
イベントジョブジョブ
ネット中
先行終了待ち先行終了待ち
保留中保留中
キューイング中キューイング中
実行中異常検出終了※5
その他の状態変更なし
起動条件中先行終了待ち先行終了待ち
キューイング中キューイング中
実行中実行中
その他の状態変更なし
注※1
ジョブとは,標準ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブを示します。
注※2
シャットダウン処理中にジョブ実行要求を受け付けた場合,ジョブプロセスの起動に失敗して起動失敗となることがあります。また,エージェントホストがジョブ実行要求に対してマネージャーホストへ応答する前に停止した場合は,ジョブ実行要求はタイムアウトエラーとなります。その後,マネージャーホストからのポーリングによる状態確認の結果,強制終了になります。
注※3
ジョブを強制終了するときの動作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 解説 10.2.10 実行中のジョブネットやジョブを強制終了する」を参照してください。
注※4
エージェントホスト起動後,状態が変更されるまで時間が掛かる場合があります。
注※5
イベントジョブ実行継続オプションを有効にしている場合は,「実行中」となります。

表15-7 システムダウンしたエージェントホストを再起動する場合のマネージャーホスト上でのジョブの状態

ユニットの種類エージェントホストが
システムダウンする前の状態
エージェントホスト
が停止したあとの状態
ジョブ※1先行終了待ち先行終了待ち
保留中保留中
キューイング中キューイング中
実行中強制終了※2
その他の状態変更なし
キューレスジョブ先行終了待ち未実行終了※3
保留中保留中※3
実行待ち終了状態不明※3
実行中終了状態不明※3
その他の状態変更なし
イベントジョブジョブ
ネット中
先行終了待ち先行終了待ち
保留中保留中
キューイング中キューイング中
実行中実行中
その他の状態変更なし
起動条件中先行終了待ち先行終了待ち
キューイング中キューイング中
実行中実行中
その他の状態変更なし
注※1
標準ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ
注※2
ジョブを強制終了するときの動作については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 解説 10.2.10 実行中のジョブネットやジョブを強制終了する」を参照してください。
注※3
エージェントホスト起動後,状態が変更されるまで時間が掛かる場合があります。