5.5.1 [環境設定]ダイアログボックスの設定項目について検討する

JP1/AJS2 - Viewの[環境設定]ダイアログボックスの設定項目について説明します。運用が始まったらすぐに,運用形態に合わせてJP1/AJS2 - Viewを使用できるようにするために,次の表に示す内容について事前に検討しておきます。

表5-33 検討しておく[環境設定]ダイアログボックスの設定項目

タブ名項目
起動自動ログイン
メインアイコン表示色
状態/結果のカラーイメージ
ジョブグループの状態表示
ジョブネットをダブルクリック
ジョブネットモニタ起動時の監視モード
ジョブネットエディタ起動時の排他編集
エディタ・モニタユニット名の改行
コメントの表示
スケジュール初回実行時間
[デイリースケジュール]ウィンドウのスケジュールエリアの表示時間
[マンスリースケジュール]ウィンドウでのシミュレーションの有無
[デイリースケジュール]ウィンドウおよび[マンスリースケジュール]ウィンドウのツリーエリアでの,ユニットの表示順序
表示するスケジュール情報がないルートジョブネットの表示
プランニンググループの表示
全般アイコン表示色の変更
遅延表示色の優先度
その他トレースレベル
ログファイルの上限値
<この項の構成>
(1) [起動]タブ
(2) [メイン]タブ
(3) [エディタ・モニタ]タブ
(4) [スケジュール]タブ
(5) [全般]タブ
(6) [その他]タブ

(1) [起動]タブ

JP1/AJS2 - Viewの起動時に,自動的にJP1/AJS2 - Managerにログインするかどうかを検討します。[ログイン]画面でログイン操作を省略したい場合に設定します。

だたし,ログイン操作を省略すると,どんな人でもJP1/AJS2 - Managerにログインできてしまいます。セキュリティ上に問題がある場合は使用しないでください。また,[起動]タブで指定した値は,JP1/AJS2のローカルファイルに保存されます。このローカルファイルには,特別なセキュリティは掛かっていません。自動ログイン機能を使用する場合は,OSのセキュリティを前提とした環境で使用してください。

なお,JP1/IM - ViewからJP1/AJS2 - Viewにログインする場合は,自動ログインの設定は無効となります。JP1/IM - ViewへログインしたJP1ユーザー名とパスワードでJP1/AJS2 - Viewにログインします。なお,表示される[ログイン]画面には,JP1/IM - ViewへログインしたときのJP1ユーザー名とパスワードが設定されます。

(2) [メイン]タブ

次に示す内容について検討します。

アイコン表示色
リストエリアの[名前]カラムに表示されるアイコンの色を,ユニットの状態に従って表示するのか,結果に従って表示するのかを選択できます。
実行中の世代の状態を知りたい場合には,[状態に従う]を選択します。
例えば,異常終了したジョブネットで,次の実行予定がない(未計画状態)場合,ユニットの状態に従って表示すると,ジョブネットアイコンは灰色で表示されます。ユニットの結果に従って表示すると,ジョブネットアイコンは薄い赤色で表示されます。
状態/結果のカラーイメージ
[状態]と[結果]カラムに,テキストで表示されている状態に対応する状態色を表示することができます。[JP1/AJS2 - View]ウィンドウでも視覚的に状態や実行結果を確認したい場合に設定すると便利です。
ジョブグループの状態表示
リストエリアに表示されるジョブグループのアイコンの背景に,状態色を表示することができます。状態色には,ジョブグループ内のジョブネットの状態を表す色が付けられます。また,[状態]と[結果]カラムに,ジョブグループの状態や実行結果が表示されます。
ジョブグループ内に複数のジョブネットがあり,その中に異常終了したジョブネットが一つでもあれば,ジョブグループにも異常終了を表す色が付けられます。また,ネストジョブグループ内のジョブネットが異常終了している場合も,上位ジョブグループには異常終了を表す色が付けられます。ジョブネットの状態色が最上位のジョブグループへ伝わります。そのため,[JP1/AJS2 - View]ウィンドウで,ジョブグループ内のジョブネットの状態がどのようになっているか視覚的に確認したい場合に設定すると便利です。ジョブグループをクリックして開く操作をしなくても,ジョブグループ内の状態をつかむことができます。ただし,ジョブグループの配下にジョブネットやジョブが大量にある場合は,表示性能が低下しますので,大量のユニットがあるときは使用しないでください。
下位のジョブネットの状態が上位のジョブグループに伝わるときのルール(ジョブグループの状態表示)については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド 13.3.27 [環境設定]ダイアログボックス」を参照してください。
ジョブネットをダブルクリックしたときの動作
リストエリアでジョブネットをダブルクリックしたときに表示されるウィンドウを次の中から選択できます。
  • 状態を[ジョブネットモニタ]ウィンドウで表示する
  • 結果を[ジョブネットモニタ]ウィンドウで表示する
  • [ジョブネットエディタ]ウィンドウを表示する
ジョブネットやジョブなどの業務フローを定義する端末としてJP1/AJS2 - Viewを使用するホストでは,ジョブネットの定義情報を編集する画面である,[ジョブネットエディタ]ウィンドウを表示するような設定をお勧めします。
業務の監視用端末としてJP1/AJS2 - Viewを使用するホストでは,ジョブネットの編集が主目的ではないので,ジョブネットの状態や結果を参照する画面である,[ジョブネットモニタ]ウィンドウを表示するような設定をお勧めします。
[ジョブネットエディタ]ウィンドウ起動時の排他編集
[ジョブネットエディタ]ウィンドウでジョブネットを編集するには,情報が二重に更新されないように,ジョブネットの定義情報を排他状態にする必要があります。そのため,ジョブネットの定義を編集することを目的とするJP1ユーザーには,[ジョブネットエディタ]ウィンドウの起動と同時に,排他編集になるようにする設定をお勧めします。
[ジョブネットモニタ]ウィンドウ起動時の監視モード
[JP1/AJS2 - View]ウィンドウから[ジョブネットモニタ]ウィンドウを呼び出したときに,どのような内容を表示させるのかを次の中から選択できます。
固定監視
[ジョブネットモニタ]ウィンドウを起動したときに,[JP1/AJS2 - View]ウィンドウのリストエリアで表示されていた世代だけを表示します。この場合,[ジョブネットモニタ]ウィンドウを表示したあとでジョブネットの状態などが変化していても,[ジョブネットモニタ]ウィンドウに表示されている内容に変更はありません。
最新の状態・結果を監視
[JP1/AJS2 - View]ウィンドウでの表示内容に関係なく,最新の状態または結果が表示されます。複数の世代が生成されるジョブネットを監視しても,現在日時にいちばん近い世代の状態または結果が表示できます。

(3) [エディタ・モニタ]タブ

[ジョブネットエディタ]ウィンドウおよび[ジョブネットモニタ]ウィンドウのマップエリアでの,ユニットの表示方法について検討します。

ユニット名の改行
[ジョブネットエディタ]ウィンドウ,および[ジョブネットモニタ]ウィンドウのマップエリアに表示されるユニット名は,半角文字で10バイトの位置で改行されるようになっています。そのため,[ジョブネットモニタ]ウィンドウでユニットの状態や結果を監視するとき見にくい場合があります。ユニット名を任意の位置で改行するように設定すれば,マップエリアでユニット名を確認しやすくなります。入力するユニット名の命名規則などを考慮して,必要に応じて改行する位置を検討してください。
コメントの表示
ユニット名の下にコメントを表示したい場合は,コメントの先頭からの文字数を指定します。指定した文字数分のコメントが表示されます。
コメントを表示したくない場合は,コメントの先頭に識別用文字を指定します。先頭に識別用文字が指定されたコメントは,マップエリアには表示されません。
ジョブネットやジョブの処理サイクルなどのルールを,コメントとして表示するようにしておくと,ユニットが管理しやすくなります。日本語処理名を全角(80バイト以内)で記入しておくと便利です。
また,わざわざジョブネットやジョブを定義するダイアログボックスを表示しなくても,コメントの内容を確認できます。
なお,[エディタ・モニタ]タブで表示しないを選択しても,コメントはツールチップで表示させることもできます。

(4) [スケジュール]タブ

実行予定算出のための設定や,[デイリースケジュール]ウィンドウの表示などの設定を検討します。検討する内容を次に示します。

初回実行時間
初回実行時間とは,初めてジョブネットやジョブを実行するときに,終了予定時刻を計算するために使う時間です。2回目以降の終了予定時刻の算出では,前に実行されているジョブネットやジョブの実行時間の平均値を使って計算されます。
あらかじめ,予想される実行時間を入力しておくことで,テストの場合などでも,実運用に近い形の実行時間でスケジュールの動きや結果が確認できます。なお,初回実行時間は1~86,400(単位:秒)の間で指定できます。デフォルトは「1,200」です。
デイリー表示時間
[デイリースケジュール]ウィンドウの日時エリアを,24時間分(当日分)表示するのか,48時間分(当日と翌日分)で表示するのかを選択できます。巨大なデータを一括して実行するなどで,日またがりの(日付の境を超えて実行される)スケジュールを設定している場合には,48時間表示にしておくと実行予定や結果が見やすくなります。
シミュレーションの有無
マンスリー実行シミュレーションとは,計画登録したジョブネットの実行予定を算出し,[マンスリースケジュール]ウィンドウに表示させる機能です。この機能を使うかどうかを選択できます。
計画実行登録したジョブネットは,ジョブネット実行を開始した時点で,次回実行予定が算出されます。マンスリー実行シミュレーションを実行すると,ジョブネットの実行登録時に,ジョブネットの登録情報と実行情報,およびその時点での定義情報を基に,すべてのスケジュール(実行予定)が算出されます。実運用に近い形で実行開始日時などを確認したい場合に設定します。
表示順序
[デイリースケジュール]ウィンドウ,および[マンスリースケジュール]ウィンドウのツリーエリアに表示されるユニット名の表示順序を選択します。ユニット名を名称順で表示するか,または実行時刻順で表示するかを選択できます。
名称順で表示する場合,ユニット名を基準にして,ツリーエリアのユニット名を昇順で表示します。並び順は,JP1/AJS2 - Managerに設定されている文字コード種別に依存します。業務単位,部署単位,または処理単位でユニット名を付けている場合,そのまとまりごとに実行予定や結果を確認したい場合に名称順を選択します。
実行時刻順で表示する場合,画面に表示されている最も古い実行開始日時を基準にして,ツリーエリアのユニット名を昇順で表示します。時系列でユニットの実行予定や結果を確認したい場合に実行時刻順を選択します。
表示するスケジュール情報がないルートジョブネット
[デイリースケジュール(階層表示)]ウィンドウ,および[マンスリースケジュール]ウィンドウで,表示するスケジュール情報がないルートジョブネット,およびプランニンググループをツリーエリアに表示するかどうかを選択します。
実行登録されていないルートジョブネットでも,ジョブグループの下にあるルートジョブネットなら表示できます。
また,プランニンググループの下にあるジョブネットで,スケジュール情報がない(実行する期間ではない)ジョブネットも表示できます。そのため,プランニンググループの下にどのようなジョブネットがあるかを確認したい場合に設定します。
プランニンググループの表示
プランニンググループのスケジュール情報を[マンスリースケジュール]ウィンドウで表示する場合,プランニンググループの下にあるユニットのスケジュール情報がスケジュールエリアにマージされて表示されるようにできます。プランニンググループの下にあるジョブネットを一つのジョブネットのように見立てて表示したい場合に選択します。

(5) [全般]タブ

各ウィンドウで表示されるユニットの,状態を表す色について検討します。デフォルトのまま使用する場合は,検討する必要はありません。デフォルトで用意されている表示色を変更したい場合,またはユーザー自身が新しい色を作成して,その色を状態表示色として表示したい場合に検討します。

色の作成については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 操作ガイド 10.3.3 実行状態,実行結果,遅延の表示色を作成する」を参照してください。

また,実行したユニットが,異常終了,警告終了,または終了遅延している場合で,かつ,複数の結果に該当する場合に,どの終了状態で表示させるのかを次の中から選択できます。

例えば,終了遅延し,かつ,異常終了したジョブネットの場合,「異常>警告>遅延」を選択していると,ジョブネットの表示色は異常終了を表す薄い赤になります。また,「遅延>異常>警告」を選択していると,ジョブネットの表示色は終了遅延を表す橙になります。

終了遅延の状態をどのくらい優先して監視するか,という点から選択してください。業務全体の実行に影響を与えるユニットの終了遅延を最優先で監視したい場合には,「遅延>異常>警告」を選択します。

(6) [その他]タブ

JP1/AJS2 - Viewのログファイルに関する設定を検討します。JP1/AJS2 - Viewでの操作履歴がログに出力されます。トレースレベルとログファイルの上限値について設定します。

トレースレベル
ログファイルに出力する情報のレベルを選択します。指定できる値は,1,3,5です。値が大きいほど出力レベルが詳細になり,大量のログが出力されます。ログファイルの切り替えが頻繁に発生し,JP1/AJS2 - Viewホストの処理速度が遅くなるおそれがあります。処理速度を遅くしたくない場合は,3以下を選択してください。
デフォルトは3です。
各トレースレベルの内容については,次のとおりです。
  • トレースレベル[1]
    エラー発生時の情報をログ出力する。
  • トレースレベル[3]
    エラー発生時の情報と,ユーザーがどのような操作をしたかを識別できる情報をログ出力する。
  • トレースレベル[5]
    エラー発生時の情報,ユーザーがどのような操作をしたかを識別できる情報,送受信データの内容についてログ出力する。
ログファイルの上限値
ログファイルサイズを設定できます。1~512(単位:メガバイト)の間で設定できます。ここで設定した値を超えた場合,二つ目のログファイルが自動的に作成されます。二つ目のログファイルのサイズも,ここで設定した値になります。二つ目のログファイルも設定した値を超えた場合は,一つ目のログファイルに上書きされます。
ログファイルサイズの見積もりについては,「4.4.9 JP1/AJS2 - Viewのログファイルのサイズを見積もる」を参照してください。