5.4.5 イベントジョブを使用する場合のオプションについて検討する

イベントジョブを使用する場合に,オプションとして設定できる項目の検討について説明します。運用する環境に合わせて設定を検討してください。

<この項の構成>
(1) イベントジョブのログ設定
(2) イベントが発生した順に条件を成立させる
(3) ファイル監視ジョブの状態を引き継がせる

(1) イベントジョブのログ設定

イベントジョブを使用する場合,イベントジョブの実行数や監視条件の成立数などの運用形態によって,出力されるログのサイズが異なります。そのため,少なくとも24時間分のログが保持できることを目安とし,1~3日分のログを保持できるように設定する必要があります。ログのサイズは,「4.4.4 イベントジョブが出力するログのサイズを見積もる」を参照して計算してください。

(2) イベントが発生した順に条件を成立させる

起動条件で監視している一つのイベントジョブのイベントが連続して発生する場合,通信の状態によって,イベントの成立順序が実際に発生した順序とは異なってしまうことがあります。引き継ぎ情報を使用しているなどで,成立するイベントの順序をイベントが実際に発生した順にしたい場合は,イベント順序保証オプションを使用してください。なお,イベント順序保証オプションは,イベントジョブを実行するすべてのエージェントホストで設定してください。設定については,Windowsホストの場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 7.9 イベント順序保証オプションの設定」を,UNIXホストの場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 16.7 イベント順序保証オプションの設定」を参照してください。

(3) ファイル監視ジョブの状態を引き継がせる

ファイル監視ジョブが監視対象ファイルを監視している間の情報を随時退避しておき,JP1/AJS2サービスが一時的に停止した場合でもジョブの状態を引き継ぐことができます。例えば,クラスタシステムで,ファイル監視ジョブの実行中にJP1/AJS2サービスが停止した場合,JP1/AJS2サービスの停止後,再度JP1/AJS2サービスが起動して,サービスが停止する前と同じファイル監視ジョブが実行されたときに,サービスが停止する前のファイル監視ジョブの監視状態を引き継いでジョブが実行されます。JP1/AJS2サービスが停止する前後で,ファイル監視ジョブの状態の整合性を保ちたい場合にこの設定を使用することをお勧めします。

なお,監視状態を引き継ぐには,ファイル監視ジョブが継続して動作している必要があります。ファイル監視ジョブが継続して動作するか,終了するかによって監視状態が引き継がれるかどうかが異なります。

監視状態が引き継がれる条件については,「8.3.2 ファイル監視ジョブの注意事項」のファイル監視ジョブの状態引き継ぎオプションについて説明している事項を参照してください。

設定については,Windowsホストの場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 7.12 ファイル監視ジョブの状態引き継ぎオプションの設定」を,UNIXホストの場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 16.8 ファイル監視ジョブの状態引き継ぎオプションの設定」を参照してください。