8.1.5 PCジョブの注意事項
PCジョブ使用時の注意事項を次に示します。
- システムのリソース不足が発生した(Windowsの場合)
実行ホスト(エージェント)がWindowsの場合,ある数以上のジョブを同時に実行すると,システムの環境によってはシステムのリソース(デスクトップヒープ領域)不足が発生し,エラーになることがあります。この場合の対処方法を次に示します。
- ほかのアプリケーションとデスクトップヒープ領域を共用しない方法
JP1/AJS2サービスのアカウントをユーザーアカウントにしてください。JP1/AJS2サービスのアカウントを,ほかのサービスのアカウントやログオンユーザーと異なるユーザーアカウントにすれば,デスクトップヒープ領域を共用しないで運用できます。
- デスクトップヒープ領域の消費を少なくする方法
ジョブを実行するときによく使用するOSユーザーを,JP1/AJS2のサービスのアカウントと同じにすることで,デスクトップヒープ領域の消費を少なくできます。
- アプリケーションファイル名に空白文字が含まれている(Windowsの場合)
実行ホスト(エージェント)がWindowsの場合,ファイルタイプ(拡張子)に関連づけられているアプリケーションファイル名に空白文字が含まれる場合は,エクスプローラのファイルタイプの編集で確認し,アプリケーションファイル名を「"」(ダブルクォーテーションマーク)で囲んでください。
- ジョブの状態が「起動失敗」になる(Windowsの場合)
Windows版のJP1/AJS2を使用すると,ジョブの状態が「起動失敗」になることがあります。JP1/AJS2サービスのアカウントに,次に示すファイルの権限が設定されていることを確認してください。キューレスジョブの場合は,キューレスエージェントサービスのアカウントに設定されていることを確認してください。
- ジョブの実行ファイル名の読み取り権限および実行権限
- ジョブの環境変数ファイル名の読み取り権限
- ジョブの標準入力ファイル名の読み取り権限
- ジョブの標準出力ファイル名の読み取り権限および書き込み権限
- ジョブの標準エラー出力ファイル名の読み取り権限および書き込み権限
- ジョブの転送元ファイル名の読み取り権限
必要な権限が設定されていない場合は,必要な権限を設定してください。
- PCジョブにOSのシャットダウンコマンドを登録して実行しないでください。WindowsのシャットダウンはJP1/AJS2の停止完了を待ちません。JP1/AJS2が稼働中にシャットダウンを実行すると,JP1/AJS2のデータファイルが壊れるなど問題が発生するおそれがあります。このため,PCジョブにOSのシャットダウンコマンドを登録しては実行できません。ジョブの自動運用でシャットダウンを行いたい場合は,JP1/Power Monitorをインストールし,アクションジョブの「ローカル電源制御ジョブ」を実行する運用を検討してください。
- ジョブで指定したファイル名が長い(Windowsの場合)
次に示すファイル名に文字数が255文字以上のファイル名を指定した場合,ジョブが起動失敗または異常検出終了になることがあります。
- ジョブの実行ファイル名
- ジョブの環境変数ファイル名
- ジョブの標準入力ファイル名
- ジョブの標準出力ファイル名
- ジョブの標準エラー出力ファイル名
- ジョブの終了判定のファイル名
- ジョブの転送元ファイル名
- ジョブの転送先ファイル名
この現象は,キューレスジョブの場合にも起こります。上記のファイル名には,254文字以内のファイル名を指定してください。
- 詳細定義ダイアログボックスの[実行ファイル名]に,標準入力ファイルからのデータの入力に対応していないコマンドまたはプログラムを指定してジョブを実行する場合,[標準入力ファイル名],[標準出力ファイル名],および[標準エラー出力ファイル名]のすべてに「CON」を指定してください。この場合,JP1/AJS2では,標準入力からのデータの読み込みおよび標準出力,標準エラー出力に出力されたデータの取得を実施しません。このため,JP1/AJS2 - Viewの[実行結果詳細]ダイアログボックスにジョブの実行結果が表示されません。また,jpqjobgetコマンドで標準出力ファイルおよび標準エラー出力ファイルの情報を取得できません。
- (例)
- [実行ファイル名]にtimeoutコマンドを指定してジョブを実行すると,ジョブが異常検出終了となる。
なお,PCジョブが起動失敗の状態になったり,異常終了したりする場合の要因や注意事項については,「17.5.3 標準ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブの実行について」もあわせて参照してください。