JP1/AJS2は,外部から入力するデータのサイズ,件数などに制限を設け,制限を超えたデータを破棄することができます。また,データ件数など徐々に増加する項目では,制限に近づいていることを示す警告メッセージを出力できます。これによって,一部のジョブの処理でシステム全体に影響が出ないように運用することができます。
JP1/AJS2がサポートしている,外部的要因によって増減する項目に対して制限できる項目を次の表に示します。
表8-5 外部的要因によって増減する項目に対して制限できる項目
対象 | 項目 | 制限できる項目 | 制限到達時の処理 |
---|---|---|---|
ジョブ | 結果ファイル(標準出力ファイル/エラー出力ファイル)サイズ (マネージャー側) | 結果ファイル(標準出力ファイル/エラー出力ファイル)のサイズ | 警告メッセージの出力,受信ファイルの破棄 |
ジョブ数 | システム内の最大ジョブ数,システム内の警告ジョブ数 | 警告値を超えた場合,警告メッセージの出力,最大値を超えた場合,起動失敗となる | |
キュー単位のジョブ数 | キュー内のジョブ数の最大値 | 警告値を超えた場合,警告メッセージの出力,最大値を超えた場合,起動失敗となる | |
キューの数 | キューの最大定義数 | 定義エラーとなる | |
エージェントの数 | エージェントの最大定義数 | 定義エラーとなる | |
排他実行リソースの数 | 排他実行リソースの最大定義数 | 定義エラーとなる | |
転送ファイルサイズ (マネージャー側) | 転送ファイルのサイズ | 警告メッセージの出力,受信ファイルの破棄 | |
ジョブ実行時間 | 打ち切り時間 | ジョブを打ち切り強制終了状態となる | |
ユーザージョブ | プロセスごとの最大データセグメントサイズなど (UNIXだけ) | ユーザージョブの動作に従う | |
通信時間 | 通信タイムアウト時間 | リトライ仕様に従ってリトライする | |
イベントジョブ | 起動条件成立数 | 監視条件(発行元ユーザー名やメッセージなどの条件を詳細に指定することで,想定外のイベントを制限する) | 想定外のイベントに対して起動条件が成立しない |
起動条件イベント | 起動条件の有効範囲 | 監視正常終了 | |
監視時間 | 打ち切り時間 | 異常検出終了,起動条件は監視未起動終了 | |
ファイル | 各種ログファイルサイズ | ログファイルのサイズ | 次のログファイルにラップアラウンドする |
受信するファイルのファイルサイズなどに制限を掛けるための設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 7.16 ファイル受信制限をするための設定」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 16.13 ファイル受信制限をするための設定」(UNIXの場合)を参照してください。