17.2.1 システム障害通知ログ

システム障害通知ログとは,システム側のトラブルを通知する,システム管理者向けのログ情報のことです。

このログ情報は,共通メッセージログおよび統合トレースログに出力されます。

注※
統合トレースログは統合トレースログファイルに出力されます。統合トレースログの採取方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
なお,UNIXの場合,統合トレースログに出力するシステム障害通知ログの種類を指定することもできます。出力するログの種類は,スケジューラーサービス環境設定ファイル(Schedule.conf)のHNTRLOGLEVELパラメーターに指定してから,jbssetcnfコマンドで設定を反映してください。
JP1/AJS2 Consoleの場合は,JP1/AJS2 Consoleの環境設定ファイル(ajs2cm.conf, ajs2ca.conf)のHNTRLOGLEVELパラメーターに指定します。HNTRLOGLEVELパラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 4.6 JP1/AJS2 Console環境の設定」,またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.5 JP1/AJS2 Console環境の設定」を参照してください。
<この項の構成>
(1) 共通メッセージログ
(2) 統合トレースログ

(1) 共通メッセージログ

共通メッセージログは,Windowsの場合はWindowsイベントログに,UNIXの場合はsyslogファイルに出力されます。

(2) 統合トレースログ

統合トレースログとは,各プログラムが出力するトレース情報を,統合トレース機能(HNTRLib2)を通じて,一つの出力先ファイルにまとめて採取するログ情報のことです。共通メッセージログより詳しい内容のメッセージが出力されます。

統合トレースログのデフォルトの出力先は次のとおりです。

Windowsの場合
システムドライブ¥Program Files¥Hitachi¥HNTRLib2¥spool¥hntr2{1|2|3|4}.log
注※
64ビット版環境の場合は,「Program Files」を「Program Files (x86)」と読み替えてください。
UNIXの場合
/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2{1|2|3|4}.log

統合トレースログファイルは,任意のテキストエディターで参照できます。統合トレースログファイルの出力例を次に示します。

図17-2 統合トレースログファイルの出力例

[図データ]

統合トレースログファイルに出力されるヘッダー情報と出力項目の説明を次に示します。

表17-1 統合トレースログファイルのヘッダー情報

ヘッダー情報説明
OS情報統合トレース機能が起動しているOSの情報が出力されます。
ホスト名統合トレース機能が起動しているホスト名が出力されます。
タイムゾーン
Windowsの場合
OSのタイムゾーンが出力されます。
UNIXの場合
統合トレースログの環境変数TZが出力されます。
環境変数TZが設定されていない場合は,Unknownと出力されます。
統合トレースログ機能起動時刻統合トレース機能を起動した時刻が出力されます。

表17-2 統合トレースログファイルの出力項目

出力項目説明
番号(4けた)トレースレコードの通し番号。
番号はログを出力したプロセスごとに採番されます。
日付(10バイト)トレースの取得日付:yyyy/mm/dd(年/月/日)。
時刻(12バイト)トレースの取得時刻(ローカル時刻):hh:mm:ss.sss(時:分:秒.ミリ秒)。
AP名
(16バイト以内)
アプリケーションを識別するための名称(アプリケーション識別名)。
JP1/AJS2で出力される主なAP名は次のとおりです。
  1. JP1/AJS2サービス:JAJS_SPMD
  2. スケジューラーのプロセス:ajsmasterd
  3. フロー制御プロセス:ajsflowd(Windowsはajsflowd.exe)
  4. ジョブサブミットプロセス:ajssubd(Windowsはajssubd.exe)
  5. ジョブ完了待ちプロセス:ajssubwd(Windowsはajssubwd.exe)
  6. ジョブ実行制御状態通知プロセス:jpqnfyfd(Windowsはjpqnfyfd.exe)
  7. スケジュール制御プロセス:ajsschd
  8. イベント・アクション制御マネージャープロセス:jpomanager
  9. イベント・アクション制御エージェントプロセス:jpoagent
  10. 実行間隔制御用プロセス:jpocwttmMain
  11. イベント(JP1イベントやログトラップなど)の監視用プロセス:jpoeventwatch
  12. イベントジョブ受付用プロセス:jpomgrsub
  13. ジョブ実行制御のプロセス:jpqmon
  14. ジョブ実行制御のマネージャープロセス:jpqman
  15. ジョブ実行制御のエージェントプロセス:jpqagt
  16. JP1/AJS2 Monitorサービス(ネットワーク制御プロセス):ajsinetd
  17. JP1/AJS2 - Viewに接続されたときに起動するプロセス:ajsmonsvr
  18. JP1/AJS2 - Queueless Agentサービス(キューレスエージェントプロセス):ajsqlagtd
  19. JP1/AJS2 - Queueless File Transferサービス(キューレスファイル転送プロセス):ajsqlftpd
  20. JP1/AJS2 Check Managerサービス:ajschkmand(Windowsはajschkmand.exe)
  21. JP1/AJS2 Check Agentサービス:ajschkagtd
  22. JP1/AJS2 Console Manager サービス:ajscminetd
  23. JP1/AJS2 Console Agentサービス:ajscainetd
  24. その他のプロセスおよびコマンド:プロセス名およびコマンド名
pidプロセスID。OSが付けるプロセスID。
16進数で出力されます。
tidスレッドID。スレッドを識別するためのID。
16進数で出力されます。
メッセージID「JP1/Automatic Job Management System 2 メッセージ 1.2.1 メッセージの出力形式」で説明したメッセージID。この製品で使用するメッセージID。
メッセージテキスト統合トレースログに出力されるメッセージのテキスト。この製品から出力されるメッセージテキスト。

注意
統合トレースログに出力されるログの時刻は,出力したプロセスのタイムゾーンでフォーマットされます。そのため,環境変数TZを変更したユーザーなどがサービスを起動したり,コマンドを実行したりすると,OSに設定されているタイムゾーンと異なる時刻が出力されることがあります。