8.3.9 イベントジョブを実行したままサービスを再起動する場合の注意事項
イベントジョブ(起動条件に設定しているものも含む)を実行したまま次の操作をした場合,スケジュール制御とイベント・アクション制御間で,実行中のイベントジョブについて互いの管理状態の整合を取るための通信,および関連の処理をします。そのため,イベントジョブを大量に実行している場合,それらの処理量が多くなり,高い負荷が掛かります。
- 高負荷状態になる操作
- スケジューラーサービスを停止し,ウォームスタートまたはホットスタートする。
- マネージャーホストのJP1/AJS2サービスを停止し,ウォームスタートまたはホットスタートする。
- エージェントホストのJP1/AJS2サービスを停止し,再起動する。
- jajs_maintainコマンドを実行する。
高負荷状態を回避するためには,次のように操作してください。
- 回避方法
- 高負荷状態になる操作をする前にイベントジョブを使用したジョブネットを強制終了し,操作後に再実行する。
- 高負荷状態になる操作をする前にイベントジョブを強制終了し,操作後に再実行する。
- 高負荷状態になる操作後は,30分~1時間程度の時間を置いてからジョブを操作する。
- 高負荷状態になる操作後は,30分~1時間程度の時間を置いてから監視対象イベントが発生するようにする。
なお,高負荷状態になると次に示す現象が発生するおそれがあります。
- 高負荷状態によって発生する現象
- 高負荷状態になる操作直後に実行登録したイベントジョブ(起動条件に設定しているものも含む)が「実行中」状態になるまでに長時間掛かる。※1
- 「実行中」状態のイベントジョブや「監視中」状態の起動条件付きジョブネットを強制終了しても,終了するまでに長時間掛かる。※1
- 「実行中」状態のイベントジョブの状態を変更しても,状態が変わるまでに長時間掛かる。※1
- 監視条件が成立しても,イベントを検知するまでに長時間掛かる。※1
- 高負荷状態になる操作直後に実行登録したイベントジョブ(起動条件に設定しているものも含む)が「キューイング」状態のままとなる。※2
- 「実行中」状態のイベントジョブや「監視中」状態の起動条件付きジョブネットを強制終了しても,終了しない。※2
- 監視条件が成立しても,イベントを検知しない。※2
- 注※1
- 現象1~4は,イベント・アクション制御の制限値に近い状態で高負荷状態になる操作をすると発生するおそれがあります。イベント・アクション制御の制限値については,「付録D(6) イベント・アクション制御の制限値」を参照してください。
- 注※2
- 現象5~7は,イベント・アクション制御の制限値を超えた状態で高負荷状態になる操作をすると発生するおそれがあります。イベント・アクション制御の制限値については,「付録D(6) イベント・アクション制御の制限値」を参照してください。
- イベントジョブを大量に実行したまま高負荷状態になる操作をすると,スケジュール制御とイベント・アクション制御の間で大量の通信が発生し,通信エラー時のリトライに備えて生成・管理する未通知情報の数が増加します。保持できる未通知情報の数には上限を設けています。これは,未通知情報を上限なく保持してしまうと,その処理による高負荷が生じてほかの処理ができなくなり,ジョブの実行やイベントの検知の遅れが発生するためです。未通知情報の数が上限を超過した場合は,古い未通知情報から順に破棄されます。破棄された未通知情報の内容によって,現象5~7のどれかが発生します。
- なお,JP1/AJS2では未通知情報の数の上限を公開していません。高負荷状態になる操作によって発生する未通知情報の数からイベント・アクション制御の制限値を算出しています。制限値を超えないように運用してください。
上記の現象が発生した場合は,次に示す回復方法で回復してください。
- 回復方法
- 現象1~4の場合
処理が終わるまで待ってください。ジョブ数にもよりますが,目安としては30分~1時間程度掛かります。
- 現象5の場合
該当するイベントジョブまたはジョブネットを強制終了し,実行登録し直してください。
- 現象6の場合
イベントジョブの場合は,状態変更して終了してください。起動条件付きジョブネットの場合は,再度強制終了してください。
- 現象7の場合
該当するイベントジョブまたは起動条件付きジョブネットを強制終了し,実行登録し直してください。そのあと,再度監視対象のイベントを発生させてください。