9.8.1 定義情報のバックアップ

次の定義情報をバックアップします。

<この項の構成>
(1) ジョブ実行環境定義のバックアップ
(2) ジョブネット設定・カレンダー設定のバックアップ

(1) ジョブ実行環境定義のバックアップ

ジョブ実行環境定義をバックアップする手順を次に示します。

  1. 次のコマンドを実行し,ジョブ実行環境定義を出力する。

    # jpqexport -dt isam -co ファイル名 [-mh 論理ホスト名]

    「ファイル名」に指定したファイルにジョブ実行環境定義が出力されます。
    注意事項
    jpqexportコマンドで設定するファイルは,一元管理のためにjpqsetup.confを使用することをお勧めします。論理ホストの定義をバックアップする場合は,-mhオプションで論理ホスト名を指定します。
  2. 出力したファイルの内容をjpqsetup.confにコピーする。
    手順1で出力したファイルの内容をjpqsetup.confにコピーしてください。

(2) ジョブネット設定・カレンダー設定のバックアップ

ジョブネット設定およびカレンダー設定をバックアップする手順を次に示します。

注意事項
  • ジョブネット設定およびカレンダー設定のバックアップは,スケジューラーサービス(AJSROOT)単位で行われます。スケジューラーサービスごとに実施してください。
  • OSのスーパーユーザー権限を持つユーザーが実施してください。
  • 論理ホスト環境のスケジューラーサービス情報をバックアップする際は,環境変数JP1_HOSTNAMEに論理ホスト名を設定してから実施してください。

  1. 環境変数JP1_HOSTNAMEを設定する。
    (例)shの場合
    # JP1_HOSTNAME=論理ホスト名 ; export JP1_HOSTNAME
    論理ホストをバックアップする場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEを設定してください。
    バックアップで実行するajsprintコマンドなどのジョブネットワーク要素を操作するコマンドは,コマンドのオプションに直接指定するのではなく,環境変数JP1_HOSTNAMEに論理ホスト名を設定します。
    なお,クラスタ構成でない場合や物理ホスト環境のバックアップの場合,この操作は不要です。
  2. ジョブネット設定をバックアップする。
    必要に応じて次のコマンドを実行して,ジョブネット,ジョブ,基準時刻,コメントなどをバックアップします。
    なお,ジョブネット設定のバックアップについては,「12. ジョブネットの退避・回復」を参照してください。
    (a) すべてのユニットの定義情報のバックアップ
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)以下にあるすべてのユニットの定義情報をバックアップします。定義情報には,各ユニットの基準時刻やコメントなどすべての定義が含まれます。
    ただし,ルートジョブグループ(/)の基準時刻,基準日,月区分などは含まれません。これらの情報は次に示す(b),(c)の手順でバックアップしてください。
    # ajsprint -F スケジューラーサービス名 -a '/*' > unitbackup.txt
    スケジュールルールを持ったルートジョブネットをネストジョブネットにコピーして作成したジョブネットがある場合,環境設定パラメーター"AJSPRINTNETSCHPRF"="no"を指定してバックアップしてください。
    この設定は,JP1/AJS2 08-00以降を新規にインストールした場合,初期状態で設定されています。08-00より前のバージョンからバージョンアップインストールした場合で,この設定をしていなかった場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.1.1 スケジューラーサービス環境の設定手順」を参照してください。
    (b) 基準時刻,基準日,および月区分のバックアップ
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)自身の基準時刻,基準日,および月区分をバックアップします。
    # ajsprint -F スケジューラーサービス名 -f"-lt %st -ld %sd -md %md" / > calopt.txt
    (c) コメント,所有者,およびグループのバックアップ
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)自身のコメント,所有者,およびグループをバックアップします。
    # ajsprint -F スケジューラーサービス名 -f"-C %cm -o %ow -g %gr" / > chgopt.txt
  3. スケジューラーサービス(AJSROOT)のカレンダー設定をバックアップする。
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)のカレンダー情報(運用日・休業日)をバックアップします。

    # ajsprint -F スケジューラーサービス名 -d / > rootcal.txt

    注意事項
    rootcal.txtにカレンダー情報が出力されていなければ,リカバリーは不要です。