3.3.2 DNS運用時にFQDN形式のホスト名で運用する例
ここでは,DNS運用時にFQDN形式のホスト名で運用する例を示します。
次のように,IPアドレスが100.0.0.20,ホスト名がHostAと200.0.0.20,ホスト名がHostAであるエージェントホストに対して,IPアドレスが100.0.0.10,ホスト名がHostMのマネージャーホストから「HostA.hitachi_1.co.jp」,「HostA.hitachi_2.co.jp」という実行ホスト名を指定したジョブを実行する場合に,FQDN形式のホスト名で運用する例を説明します。
なお,この例では,マネージャーホストおよびエージェントホスト上でhostnameコマンドがFQDN形式のホスト名を返す環境を想定しています。FQDN形式のホスト名での運用に切り替える設定については,「3.3.1 イベントジョブのFQDN形式のホスト名を使用した運用に切り替える要否」を参照してください。
図3-20 FQDN形式のホスト名で運用する例
![[図データ]](figure/zud03170.gif)
このような場合,マネージャー側とエージェント側のhostsファイルをそれぞれ次のように設定します。
- マネージャー側のhostsファイルの設定
HostAとの名前解決するために次のように設定する。
100.0.0.20 HostA.hitachi_1.co.jp
- エージェント側(hitachi_1.co.jpのHostA)のhostsの設定
HostMと名前解決するために次のように設定する
100.0.0.10 HostM.hitachi_1.co.jp
また,DNSサーバが互いのホスト名が解決できない環境の場合は,マネージャー側とエージェント側のDNSサーバのhostsファイルをそれぞれ次のように設定します。
- hitachi_1.co.jp側DNSサーバのhostsファイルの設定
200.0.0.20 HostA.hitachi_2.co.jp
- hitachi_2.co.jp側DNSサーバのhostsファイルの設定
100.0.0.10 HostM.hitachi_1.co.jp
以上のように設定すると,マネージャーホスト名の「HostM.hitachi_1.co.jp」が各エージェントに送られます。エージェントは「HostM.hitachi_1.co.jp」に対して返信します。
- 注意事項
- マネージャーは各エージェントの名前解決ができる環境で運用してください。また,各エージェントはマネージャーのFQDN形式のホスト名が解決できる環境で運用してください。
- マシン情報の検索順序はDNSとhostsでは,DNSの方を優先にしてください。DNSを優先にしないと,FQDN形式のホスト名を取得する際に,正常に取得できないことがあります。
- FQDN形式のホスト名での運用に切り替えると,イベントジョブを実行する際のマネージャーホストとエージェントホスト間の通信ではFQDN形式のホスト名が使用されます。しかし,jp1hostsファイルにショート名の自ホスト名を定義している場合は,DNSよりもjp1hostsファイルの設定が優先されるため,イベントジョブを実行する際のマネージャーホストとエージェントホスト間の通信ではショート名のホスト名が使用されます。そのため,エージェントホストのjp1hostsファイルにショート名の自ホスト名を定義する場合は,マネージャーホストでエージェントホストのショート名を解決できるようにしてください。同様に,マネージャーホストのjp1hostsファイルにショート名の自ホスト名を定義する場合は,エージェントホストでマネージャーホストのショート名を解決できるようにしてください。
- 同一ドメイン(hitachi_1.co.jp)内で運用する場合は,DNSEstablishがYでもNでもかまいません。ただし,マネージャーのホスト名が解決できる環境で運用してください。