8.1.14 一部のジョブの処理でシステム全体に影響を及ぼさないための運用方法

JP1/AJS2は,外部から入力するデータのサイズ,件数などに制限を設け,制限を超えたデータを破棄することができます。また,データ件数など徐々に増加する項目では,制限に近づいていることを示す警告メッセージを出力できます。これによって,一部のジョブの処理でシステム全体に影響が出ないように運用することができます。

JP1/AJS2がサポートしている,外部的要因によって増減する項目に対して制限できる項目を次の表に示します。

表8-5 外部的要因によって増減する項目に対して制限できる項目

対象項目制限できる項目制限到達時の処理
ジョブ結果ファイル(標準出力ファイル/エラー出力ファイル)サイズ
(マネージャー側)
結果ファイル(標準出力ファイル/エラー出力ファイル)のサイズ警告メッセージの出力,受信ファイルの破棄
ジョブ数システム内の最大ジョブ数,システム内の警告ジョブ数警告値を超えた場合,警告メッセージの出力,最大値を超えた場合,起動失敗となる
キュー単位のジョブ数キュー内のジョブ数の最大値警告値を超えた場合,警告メッセージの出力,最大値を超えた場合,起動失敗となる
キューの数キューの最大定義数定義エラーとなる
エージェントの数エージェントの最大定義数定義エラーとなる
排他実行リソースの数排他実行リソースの最大定義数定義エラーとなる
転送ファイルサイズ
(マネージャー側)
転送ファイルのサイズ警告メッセージの出力,受信ファイルの破棄
ジョブ実行時間打ち切り時間ジョブを打ち切り強制終了状態となる
ユーザージョブプロセスごとの最大データセグメントサイズなど
(UNIXだけ)
ユーザージョブの動作に従う
通信時間通信タイムアウト時間リトライ仕様に従ってリトライする
イベントジョブ起動条件成立数監視条件(発行元ユーザー名やメッセージなどの条件を詳細に指定することで,想定外のイベントを制限する)想定外のイベントに対して起動条件が成立しない
起動条件イベント起動条件の有効範囲監視正常終了
監視時間打ち切り時間異常検出終了,起動条件は監視未起動終了
ファイル各種ログファイルサイズログファイルのサイズ次のログファイルにラップアラウンドする

受信するファイルのファイルサイズなどに制限を掛けるための設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 7.16 ファイル受信制限をするための設定」(Windowsの場合),またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 16.13 ファイル受信制限をするための設定」(UNIXの場合)を参照してください。