17.5.11 ジョブ実行環境について

ジョブ実行環境に関するトラブルの対処方法を次に示します。

<この項の構成>
(1) 既存のエージェントホストで障害が発生した,または構成定義を変更できるエージェントホストが遠隔地にある
(2) ISAMファイルの状態確認および再作成の手順

(1) 既存のエージェントホストで障害が発生した,または構成定義を変更できるエージェントホストが遠隔地にある

jpqimportコマンドでジョブ実行環境の構成を定義して,jpqagtaddコマンドやjpqqueopenコマンドなどで,新しいエージェントを使用できるようにしてください。

また,セットアップ時に,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブ実行環境]タブで[エージェントを自動定義する]をチェックしておいた場合,ジョブのサブミット時に代替のエージェントが自動的に追加され,追加されたエージェントでジョブを実行することもできます。

エージェントの自動定義の設定は,エージェントの障害などの緊急時を事前に想定して,システム管理者がセットアップ時に実施してください。エージェントの自動定義の設定を有効にするときは,JP1_JPQ_User権限だけでなく,JP1_JPQ_Admin権限を持つJP1ユーザーで実施してください。また,次のエラーが発生するおそれがあるので,事前に確認してください。

次に示す手順に従ってエージェントの自動定義を設定し,ジョブを実行してください。

Windowsの場合
  1. セットアップ時に[マネージャー環境設定]ダイアログボックスを表示する。
  2. [ジョブ実行環境]タブの[エージェントを自動定義する]をチェックする。
    エージェントに障害が発生した場合に,次の手順を実施してください。
  3. ジョブを実行する。
    JP1/AJS2 - Viewの場合
    ジョブの[詳細定義]ダイアログボックスの[実行ホスト]に自動定義したいエージェントホスト名を指定したあと,実行登録します。
    jpqjobsubコマンドの場合
    -ahオプションに,自動定義したいエージェントホスト名を指定してコマンドを実行します。
UNIXの場合
  1. セットアップ時に次のファイルをエディターで開く。
    /etc/opt/jp1ajs2/conf/Queue.conf
  2. 次の環境設定パラメーターを指定する。
    "AutoCreate"=dword:1
    エージェントに障害が発生した場合に,次の手順を実施してください。
  3. ジョブを実行する。
    jpqjobsubコマンドの場合
    -ahオプションに,自動定義したいエージェントホスト名を指定してコマンドを実行します。
注意事項
  • エージェントはジョブのサブミット時に追加されます。そのため,ジョブの実行開始に失敗した場合でも,エージェントは追加された状態になっています。削除したい場合は,jpqagtdelコマンドで削除してください。
  • JP1/AJS2の運用中にエージェントの自動定義の設定を有効にした場合,JP1/AJS2を再起動する必要があります。
補足事項
自動的に追加されたエージェントのデフォルトキューの設定値は,セットアップ時のデフォルトと同じ値です。デフォルトキューの設定値のデフォルトを次の表に示します。

表17-19 追加されたエージェントのデフォルトキューの設定項目とデフォルト

デフォルトキューの設定項目設定値のデフォルト
ジョブ実行多重度を変更する期間と実行多重度00:00-00:00=5(24時間,実行多重度は5)
ジョブ数の最大値100
ジョブ数の警告値80
ジョブの受付口の状態open
ジョブの取出口の状態open
接続するエージェント自エージェントホスト
エージェントの優先順位1

デフォルトキューの設定値は,次のコマンドで変更できます。

コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド」を参照してください。

(2) ISAMファイルの状態確認および再作成の手順

ISAMファイルの状態を次に示す手順で確認し,不正な状態になっている場合はISAMファイルを再作成してください。

(a) ISAMファイルの状態確認の手順

  1. JP1/AJS2サービスを停止する。
  2. Jischkコマンドを実行し,ISAMファイルが不正な状態になっていないかを確認する。
    Windowsホストの場合
    Jischk -l 3 ジョブ実行環境のデータベース格納ディレクトリ名¥JPQ*
    注意事項
    ジョブ実行環境のデータベース格納ディレクトリ名は[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[ジョブ実行環境]タブの[データベース格納ディレクトリ名]に設定しているものを指定してください。
    デフォルトは「JP1/AJS2 - Managerのインストール先フォルダ¥database¥queue」です。
    UNIXホストの場合
    /opt/jp1base/bin/Jischk -l 3 /var/opt/jp1ajs2/database/queue/JPQ*
    注意事項
    論理ホストの場合は「共有ディレクトリ名/jp1ajs2/database/queue/JPQ*」となります。
  3. 出力されたメッセージを確認する。
    次のメッセージが出力された場合,ISAMファイルが不正な状態です。
    • KAIU013-E キー定義ファイルの不正を検出しました。
    • KAIU014-E キーファイルの不正を検出しました。
    • KAIU015-E データファイルの不正を検出しました。

Jischkコマンドおよび出力メッセージの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(b) ISAMファイルの再作成手順

ISAMファイルの再作成手順については,「17.5.8(2) ジョブ実行環境データベース再作成手順」を参照してください。