5.3.4 キューレスジョブ実行環境に関する環境設定について検討する

JP1/AJS2 - Managerホストのキューレスジョブ実行環境の環境設定項目について説明します。

Windowsの場合,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスで値を設定します。UNIXの場合,Queueless.conf(キューレスジョブ実行環境設定ファイル)に値を設定します。

次の表に示す,設定値を決定する理由や推奨値を参考にして,設定値を検討してください。

表5-20 [キューレスジョブ実行環境]タブの設定項目

設定内容とパラメーター(表示項目)設定値を決定する理由
(設定を変更する
必要がある場合)
推奨値設定が有効
になる時期
キューレスジョブのログフォルダ
Windows
[ログフォルダ名]
UNIX
AJSQL_LOGFILE
特に理由はありません。ディスク占有量見積もりと合わせ,運用によって決定してください。デフォルトで使用してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
ログファイルのサイズ
Windows
[ログファイルのサイズ]
UNIX
AJSQL_LOGSIZE
ジョブの実行状況を確認するためのログです。最低でも1日分のログが保存できるサイズを指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
ステータスファイル名
Windows
[ステータスファイル名]
UNIX
AJSQL_STATFILE
特に理由はありません。ディスク占有量見積もりと合わせ,運用によって決定してください。デフォルトで使用してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
ステータスファイルサイズ
Windows
[ステータスファイルサイズ]
UNIX
AJSQL_STATSIZE
キューレスジョブ実行中にキューレスジョブ要求元スケジューラーサービスに障害があった場合でも,ジョブ状態をマネージャー側で管理できます。信頼性を向上させたい場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
キューレスエージェントサービス内での最大同時ジョブ実行数
Windows
[キューレスサービス内での最大同時ジョブ実行数]
UNIX
AJSQL_JOBMAX
マシンリソースなどによって,同時に実行するキューレスジョブ数を制限したい場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
キューレスエージェントサービス内での最大待ちジョブ数
Windows
[キューレスサービス内での最大待ちジョブ数]
UNIX
AJSQL_JOBWAITMAX
キューレスジョブのピーク実行数が,最大同時ジョブ実行数を超える場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
キューレスエージェントの言語コード
Windows,UNIX
AJSQL_CHARCODE
マネージャーホストとエージェントホストの言語コードが異なる場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
ユーザープロファイル仕様有無
Windows
AJSQL_LOADUSERPROFILE
PCジョブ実行時に,OSユーザーのログオンセッションに設定されているユーザー情報を必要とする場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
キューレスエージェントのワークパス,およびテンポラリファイル用ディレクトリ
Windows,UNIX
AJSQL_AGTWORKPATH
キューレスジョブで使用するワークパス,およびテンポラリファイル用ディレクトリを変更したい場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless Agentサービスの再起動後
UTF-8環境のマネージャーからキューレスジョブを正しく実行するための設定
UNIX
QLMANCHARCODE
UTF-8環境のマネージャーで,UTF-8非対応(Linux以外のプラットフォームおよび08-00より前のバージョン)のエージェントにキューレスジョブを実行する場合に指定します。運用によって決定してください。JP1/AJS2 Queueless File Transferサービスの再起動後およびスケジューラーサービスの再起動後
キューレスジョブの文字コード変換について
キューレスエージェントの言語コード(AJSQL_CHARCODE)は,次に示す文字コード変換に使用されます。

図5-1 キューレスジョブの文字コード変換

[図データ]
(1)スケジューラーサービスおよびキューレスエージェントサービス
スケジューラーサービスの文字コードは,スケジューラーサービスの環境設定パラメーターAJSCHARCODEの設定値です。スケジューラーサービスでは文字コード変換しません
 
(2)キューレスエージェントサービス
次のデータを環境設定パラメーターAJSQL_CHARCODEの設定値に文字コード変換します。
  • スケジューラーサービスから受け付けたデータ
  • 転送ファイルデータ
また,次のデータを要求元スケジューラーサービスの環境設定パラメーターAJSCHARCODEの設定値に文字コード変換します。
  • スケジューラーサービスへの返信データ
  • 結果ファイルデータ
AJSQL_CHARCODEの設定値のデフォルトは「none」です。noneが設定されている場合,文字コード変換しません。
マネージャーとエージェントで文字コードが混在している場合,要求先キューレスエージェントサービスのAJSQL_CHARCODEの設定が必要です。
 
(3)キューレスエージェントサービスおよびキューレスファイル転送サービス
転送ファイルのデータはキューレスファイル転送サービスからキューレスエージェントサービスに送信され,キューレスエージェントサービスで文字コード変換されます。結果ファイルのデータは,キューレスエージェントサービスで文字コード変換したあと,キューレスファイル転送サービスに送信されます。キューレスファイル転送サービスでは文字コード変換しません
注※
Linuxの場合は,マネージャーの環境設定パラメーター「QLMANCHARCODE」の設定値によって文字コード変換する場合があります。
 
「QLMANCHARCODE」環境設定パラメーター
UTF-8環境のマネージャーからキューレスジョブを使用する運用で,UTF-8に対応していないエージェント(Linux以外のプラットフォームおよび08-00より前のバージョン)で正しくジョブを実行させるために設定します。この環境設定パラメーターは,UTF-8をサポートしているLinux版のJP1/AJS2 - Managerの場合だけ有効です。その他の環境で指定した場合は無視されます。
QLMANCHARCODEを指定した場合の有効範囲を次に示します。

図5-2 「QLMANCHARCODE」環境設定パラメーターの有効範囲

[図データ]
(1)スケジューラーサービス
AJSCHARCODEとQLMANCHARCODEが共にUTF-8の場合,文字コード変換します。変換対象はジョブの定義項目です。
AJSCHARCODEはスケジューラーサービス単位なのに対し,QLMANCHARCODEはマシン単位の設定です。キューレスジョブを使用する場合は,すべてのスケジューラーサービスでAJSCHARCODEを合わせてください。
 
(2)キューレスファイル転送サービス
QLMANCHARCODEがUTF-8の場合に文字コード変換します。変換対象は転送ファイルおよび結果ファイル(実行結果詳細)です。