スケジューラーデータベースとして,組み込みDBを使用する場合,JP1/AJS2の起動時にスケジューラーサービスを自動起動する設定にしていると,スケジューラーサービスが異常終了してしまう場合があります。
これは,組み込みDBの起動完了よりも,スケジューラーサービスの起動の方が早く処理されてしまうケースがあるために発生します。
スケジューラーサービスのデータベースに,組み込みDBを使用し,かつJP1/AJS2の起動時にスケジューラーサービスを自動起動する設定にする場合は,RDB接続待ち合わせ機能を使用してください。
この機能は,指定された時間だけRDBの接続を待ち合わせ,スケジューラーサービスがデータベースにアクセスできるようにする機能です。
RDB接続待ち合わせ機能の設定方法については,Windowsホストの場合はマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 4.1.3 スケジューラーファイルの構成を定義する」を,UNIXホストの場合はマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.7.2 JP1/AJS2サービスの自動起動および自動終了の設定」の「RDB接続待ち合わせ機能の設定を変更し,JP1/AJS2サービス(JP1/AJS2 - Manager)の自動起動を設定する」を参照してください。
07-11以降のバージョンで,スケジューラーサービスのデータベースに組み込みDBを使用している場合,この機能はデフォルトで有効となります。
スケジューラーサービスのデータベースに新規に組み込みDBを設定する場合は,ajsembdbsetupに-ctオプションを指定することで,最大待ち合わせ時間を任意の値に設定することができます。
ajsembdbsetup -F AJSROOT1 -ct 5
最大待ち合わせ時間に0を指定すると,RDB接続待ち合わせ機能を無効にすることができます。
ajsembdbsetupのオプションの詳細についてはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 20. セットアップ時に使用するコマンド ajsembdbsetup」を参照してください。
最大待ち合わせ時間は,0から60までの値を指定してください。これ以外の値を指定した場合,JP1/AJS2起動時にKAVS1003-Eエラーが出力され,デフォルト値である1分で動作します。
最大待ち合わせ時間の値を大きくし,JP1/AJS2の起動やスケジューラーサービスの起動時間が長くなってしまう場合,jajs_spmd_stopに-killオプション,またはajsstopに-fオプションと-cオプションまたは-kオプションを指定して実行することで,RDB接続待ち合わせ機能を中断し,処理を停止することができます。オプションの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド jajs_spmd_stop」,およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド ajsstop」を参照してください。