14.1.1 メンテナンスモードの処理概要

各メンテナンスモード中に,どのような処理が実行されているかを説明します。

<この項の構成>
(1) マネージャー機能縮退モードの処理概要
(2) スケジューラー縮退モードの処理概要

(1) マネージャー機能縮退モードの処理概要

マネージャー機能縮退モード中の処理について説明します。マネージャー機能縮退モード中は,JP1/AJS2 - Managerのマネージャー機能とデータベースとの接続が切り離されます。データベースとの接続が切り離されている間でも発生する,次に示す情報をメモリー中に保持します。

そのため,安全面およびリソース消費面から,業務運用のピーク時間帯を避けてメンテナンス作業を実施することをお勧めします。

マネージャー機能縮退モード中に実行される処理を次に示します。

  1. JP1/AJS2 - Viewから,メンテナンスの対象となるホストにあるデータベースへの接続を切り離します。
    データベースへの接続を切り離す場合で,すでにデータベースへの処理要求があったときは,その要求が終了するまで接続の切り離しを待ちます。
    データベースへの接続を切り離したあとに,JP1/AJS2 - Viewから再接続すると,メンテナンス中である旨のメッセージが出力されます。その場合は,時間を置いて(メンテナンスの終了を待って)再接続してください。
    また,ジョブネットワーク要素を操作するコマンドが,メンテナンスの対象となるホストで実行中の場合も,該当するコマンドの実行が終了するまで接続の切り離しを待ちます。
    これらの切断状況監視時間は,jajs_maintainコマンドの-cオプションで指定できます。
    また,JP1/AJS2 Console機能を使用している場合,監視対象ホストがメンテナンスモード中の間は,AJS2ユニット監視オブジェクトの状態が「状態不明」になります。
  2. 該当する物理ホストまたは論理ホストのスケジューラーサービスを停止します。
    スケジューラーサービスは,この時点で実行しようとしているすべてのジョブの実行依頼が完了してから停止します。
    スケジューラーサービスが停止している間,ジョブ実行制御からのジョブ実行結果情報やイベント・アクション制御からの条件成立情報をメモリー中に保持します。
  3. ジョブ実行環境マネージャーを縮退してデータベースを切り離します。
    ジョブ実行環境マネージャーが縮退している間は,新規のジョブは実行できません。キューイング中・実行中のジョブについては,データベースを切り離している間,メモリー中に情報を保持します。
  4. ジョブ実行環境のデータベースを再編成します。
  5. ジョブ実行環境の縮退モードを解除します。
  6. スケジューラーデータベースを再編成します。
  7. 再編成の終わったスケジューラーサービスから順次再起動され,縮退モードを解除します。

(2) スケジューラー縮退モードの処理概要

スケジューラー縮退モード中の処理について説明します。スケジューラー縮退モード中は,JP1/AJS2 - Managerのマネージャー機能とデータベースとの接続が切り離されます。データベースとの接続が切り離されている間でも発生する,イベント・アクション制御の条件成立情報をメモリー中に保持します。

そのため,安全面およびリソース消費面から,業務運用のピーク時間帯を避けてメンテナンス作業を実施することをお勧めします。

スケジューラー縮退モード中に実行される処理を次に示します。

  1. JP1/AJS2 - Viewから,メンテナンスの対象となるホストにあるデータベースへの接続を切り離します。
    データベースへの接続を切り離す場合で,すでにデータベースへの処理要求があったときは,その要求が終了するまで接続の切り離しを待ちます。
    データベースへの接続を切り離したあとに,JP1/AJS2 - Viewから再接続すると,メンテナンス中である旨のメッセージが出力されます。その場合は,時間を置いて(メンテナンスの終了を待って)再接続してください。
    また,ジョブネットワーク要素を操作するコマンドが,メンテナンスの対象となるホストで実行中の場合も,該当するコマンドの実行が終了するまで接続の切り離しを待ちます。
    これらの切断状況監視時間は,jajs_maintainコマンドの-cオプションで指定できます。
    また,JP1/AJS2 Console機能を使用している場合,監視対象業務が存在するスケジューラーサービスがメンテナンスモード中の間は,AJS2ユニット監視オブジェクトの状態が「状態不明」になります。
  2. 該当するスケジューラーサービスを停止します。
    スケジューラーサービスは,この時点で実行しようとしているすべてのジョブの実行依頼が完了してから停止します。
    スケジューラーサービスが停止している間,イベント・アクション制御からの条件成立情報をメモリー中に保持します。
  3. 該当するスケジューラーサービスのデータベースを再編成します。
  4. 該当するスケジューラーサービスの縮退モードを解除します。