16.5 非クラスタ環境での論理ホスト運用
論理ホストは,JP1をクラスタシステムで運用するとき実行環境となる論理的なサーバ環境です。論理ホスト上のJP1は,通常はクラスタシステムでクラスタソフトと連携して運用し,論理ホスト単位でフェールオーバーします。
しかし,論理ホストに専用のIPアドレスとディスク領域を用意し,JP1の論理ホストとしてセットアップすることで,クラスタソフトと連携しないでフェールオーバーしない論理ホスト環境を作成できます。
複数の論理ホスト環境で,それぞれに対応したJP1をセットアップした場合,一つのサーバ上で同時に複数のJP1を起動・運用することができます。
このフェールオーバーしない論理ホストを使用して,次のようなシステム構成を構築することができます。
- 業務ごとにJP1を複数運用する
![[図データ]](figure/zud16600.gif)
- 1台のマシンで複数の業務を運用したい場合,それぞれに対応した業務に分け,論理ホストで運用を管理します。
- 論理ホスト名=物理ホスト名のクラスタ構成で物理ホスト用のJP1を運用する
![[図データ]](figure/zud16700.gif)
- 一部のクラスタシステムでは,論理ホスト名が物理ホスト名(hostnameコマンドの実行時に表示されるホスト名)と同じにする必要がある場合があります。このような構成の場合は,物理ホスト名を使って動作する物理ホスト環境のJP1は,運用することができません。
- このような構成で,各サーバでsyslogなどの監視や,JP1/AJS2の運用を行いたい場合は,サーバごとにフェールオーバーしない論理ホストで運用を管理します。ただし,論理ホスト名と物理ホスト名が同じ場合,キューレスジョブ実行機能および定義内容の事前チェック機能は使用できません。
なお,非クラスタ環境の論理ホストの設定・運用については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」も参照してください。
- <この節の構成>
- 16.5.1 非クラスタ環境の論理ホストを運用する場合の見積もり
- 16.5.2 非クラスタ環境で論理ホストを運用する場合の設定
- 16.5.3 非クラスタ環境の論理ホスト上での運用
- 16.5.4 注意事項