8.1.18 UNIXジョブ実行時のリソース制限値についての注意事項

UNIXの実行ホストでジョブ(キューレスジョブを含む標準ジョブ,アクションジョブ,およびカスタムジョブ)を実行するユーザーごとにリソースの制限値を変更したい場合,/etc/security/limitsファイルの値を変更してリソースの制限値を設定するときがあります。ただし,AIXおよびLinuxの場合,ジョブの実行ユーザーに対して/etc/security/limitsファイルでリソースの制限値を変更しても,ジョブ実行時に変更した値が有効になりません。JP1/AJS2起動時のユーザー(root)のリソース制限値のままでジョブが実行されます。

AIXおよびLinuxの場合,/etc/security/limitsファイルの設定が有効になるのは,telnet接続などで起動されるloginコマンド経由のプロセスだけです。JP1/AJS2から起動されるジョブはサービスから起動されるプロセスであるため,/etc/security/limitsファイルの設定が有効になりません。

注※
Linuxの場合,/etc/security/limits.confファイルとなります。

AIXおよびLinuxで実行するジョブに対して,リソースの制限値を設定したい場合は,JP1/AJS2の起動ユーザーであるrootユーザーに対して設定してください。

ファイルサイズの制限値を変更する例を次に示します。

  1. rootユーザーのログインプロファイル(通常は[/.profile]($HOME/.profile))に次に示す記述を設定する。
    fsizeには必要なファイルサイズを設定します。無制限にする場合は,unlimitedを設定してください。

    ulimit -f fsize

  2. rootユーザーでログインする。
  3. JP1/AJS2サービスをrootユーザーで起動する。
    fsizeの値が有効になります。

注意事項
JP1/AJS2サービスを自動起動している場合,rootユーザーのログインプロファイルは読み込みません。この場合,ジョブ実行環境の環境設定パラメーターでリソース制限値を設定してください。ジョブ実行環境の環境設定パラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.2.2 マネージャー環境(JP1/AJS2 - Manager)で設定する内容」またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.2.3 エージェント環境(JP1/AJS2 - Agent)で設定する内容」を参照してください。
また,JP1/AJS2の自動起動スクリプト(/etc/opt/jp1ajs2/jajs_start)に記載することもできます。その場合は,十分な検証を実施した上で運用してください。