9.8.4 定義情報のリカバリー

バックアップした次の定義情報をリカバリーします。

<この項の構成>
(1) ジョブ実行環境定義のリカバリー
(2) ジョブネット設定・カレンダー設定のリカバリー

(1) ジョブ実行環境定義のリカバリー

バックアップしたジョブ実行環境構成定義ファイル(jpqsetup.conf)を使って,ジョブ実行環境を作成します。

ジョブ実行環境定義をリカバリーする手順を次に示します。

  1. キュー情報データベース格納フォルダのファイルを削除する。
    (a) 物理ホストの場合
    # rm /var/opt/jp1ajs2/database/queue/*
    (b) 論理ホストの場合
    # rm 共有ディレクトリ/jp1ajs2/database/queue/*
  2. 次のコマンドを実行して,ジョブ実行環境を作成する。

    # jpqimport -dt isam -ci jpqsetup.conf [-mh 論理ホスト名]

    論理ホストの定義をリカバリーする場合は,-mhオプションで論理ホスト名を指定します。

(2) ジョブネット設定・カレンダー設定のリカバリー

ジョブネット設定およびカレンダー設定をリカバリーする手順を次に示します。

注意事項
  • ジョブネット設定およびカレンダー設定のリカバリーは,スケジューラーサービス(AJSROOT)単位で行われます。スケジューラーサービスごとに実施してください。
  • OSのスーパーユーザー権限を持つユーザーが実施してください。
  • JP1/AJS2 - Managerを起動させた状態で実施してください。
  • 論理ホスト環境のスケジューラーサービス情報をバックアップする際は,環境変数JP1_HOSTNAMEに論理ホスト名を設定してから実施してください。

  1. JP1/AJS2 - Managerを起動する。
    物理ホスト環境の場合は,起動コマンドを実行してJP1/AJS2 - Managerを起動してください。論理ホスト環境の場合は,クラスタソフトにJP1を登録してからJP1/AJS2 - Managerを起動してください。
  2. 環境変数JP1_HOSTNAMEを設定する。
    (例)shの場合
    # JP1_HOSTNAME=論理ホスト名 ; export JP1_HOSTNAME
    論理ホストをリカバリーする場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEを設定してください。
    リカバリーで実行するajsdefineコマンドなどのジョブネットワーク要素を操作するコマンドは,コマンドのオプションに直接指定するのではなく,環境変数JP1_HOSTNAMEに論理ホスト名を設定します。
    なお,クラスタ構成でない場合や物理ホスト環境へのリカバリーの場合,この操作は不要です。
  3. ジョブネット設定をリカバリーする。
    バックアップファイルを用意し,必要に応じて次のコマンドを実行して,ジョブネットやジョブ,基準時刻,コメントなどをリカバリーしてください。
    (a) すべてのユニットの定義情報のリカバリー
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)以下にあるすべてのユニットの定義情報をリカバリーします。定義情報には,各ユニットの基準時刻やコメントなどすべての定義が含まれます。
    ただし,ルートジョブグループ(/)の基準時刻,基準日,月区分などは含まれません。これらの情報は次に示す(b),(c)の手順でリカバリーしてください。
    # ajsdefine -F スケジューラーサービス名 unitbackup.txt
    (b) 基準時刻,基準日,および月区分のリカバリー
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)自身の基準時刻,基準日,および月区分をリカバリーします。
    # ajscalendar -F スケジューラーサービス名 `cat calopt.txt` /
    (c) コメント,所有者,およびグループのリカバリー
    次のコマンドを実行して,スケジューラーサービス(AJSROOT)自身のコメント,所有者,およびグループをリカバリーします。
    # ajschange -F スケジューラーサービス名 `cat chgopt.txt` /
    注意事項
    (b)および(c)で示したリカバリーコマンドは,バックアップした時点で定義がすべて設定されている場合に有効です。定義が設定されていなかった場合は,リカバリーは不要です。詳細については,バックアップの手順を参照してください。
  4. スケジューラーサービス(AJSROOT)のカレンダー設定をリカバリーする。
    次のコマンドを実行して,バックアップしたAJSROOTのカレンダー情報(運用日・休業日)をリカバリーします。

    # ajscalendar -F スケジューラーサービス名 -df rootcal.txt /

    注意事項
    このコマンドは,スケジューラーサービス(AJSROOT)自身のカレンダー設定をリカバリーします。
    rootcal.txtにカレンダー情報が出力されていなければ,リカバリーは不要です。バックアップの手順については,「9.8.1 定義情報のバックアップ」を参照してください。