JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド

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17.6.8 トラブル調査のために必要な情報

原因を調査するために必要な資料は,大別すると,OSの情報と組み込みDBの情報に分かれます。OSの情報はOSのコマンドなどで採取します。組み込みDBの情報は組み込みDBのコマンドなどで採取します。

問題解決支援のサポートサービスを利用する場合,原因調査に必要な情報をトラブルの形態ごとに次の表に示します。優先順位が最も高い場合を1として,7段階で示しています。

各トラブル形態の詳細は,次のとおりです。

  1. 性能
    次の処理および操作の所要時間が長い場合
    • 組み込みDBシステムの開始(正常開始,再開始,障害除去後開始を含む)
    • 組み込みDBシステムの停止(正常停止,強制停止を含む)
    • 組み込みDB操作コマンドの実行
  2. 無応答
    次の処理および操作時に応答が返らない場合
    • 組み込みDBシステムの開始(正常開始,再開始,障害除去後開始を含む)
    • 組み込みDBシステムの停止(正常停止,強制停止を含む)
    • 組み込みDB操作コマンドの実行
  3. 異常終了
    次のうち,どれか一つ以上発生した場合
    • 組み込みDBシステムの異常終了
    • 組み込みDBプロセスの異常終了
    • 組み込みDB操作コマンドの異常終了

 

表17-24 障害調査のために必要な情報

項番 区分 取得する情報 取得方法 性能 無応答 異常終了
1 OS
 
 
 
Windowsの場合:イベントログ
UNIXの場合:syslogファイル
OSの機能(コマンド)で取得します。 1 1 1
2 CPU利用率およびデバイス状況 Windowsの場合:
パフォーマンスモニタで取得します。
UNIXの場合:
OSのコマンド(sarコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
3 4 3
3 プロセスのCPU稼働・メモリー状態 UNIXの場合に取得します。
OSのコマンド(topコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
3 4 3
4 仮想メモリー情報 UNIXの場合に取得します。
OSのコマンド(vmstatコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
3 4 3
5 ネットワークステータス情報 UNIXの場合に取得します。
OSのコマンド(netstatコマンドなど)で取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。
3 4 3
6 組み込みDB 組み込みDB障害情報 次のディレクトリ下にあるファイルをDATなどに取得してください。
  • Windowsの場合:組み込みDB運用ディレクトリ\spool,組み込みDB運用ディレクトリ\tmp
  • UNIXの場合:組み込みDB運用ディレクトリ/spool,組み込みDB運用ディレクトリ/tmp
上記のディレクトリ下にはエラーログファイル,コマンドログファイル,リモート系コマンド情報ファイル,および系切り替え機能情報ファイルが出力されます。
2 2 2
7 エラーログファイル Windowsの場合:
組み込みDB運用ディレクトリ\spool\errlog下のファイルに出力されます。
UNIXの場合:
組み込みDB運用ディレクトリ/spool/errlog下のファイルに出力されます。
2 2 2
8 コマンドログファイル Windowsの場合:
組み込みDB運用ディレクトリ\spool\cmdlog下のファイルに出力されます。
UNIXの場合:
組み込みDB運用ディレクトリ/spool/cmdlog下のファイルに出力されます。
2 2 2
9 仕様差吸収ライブラリエラー情報ファイル Windowsの場合に取得します。
組み込みDB運用ディレクトリ\UXPLDIR\SPOOL\uxpllog1およびuxpllog2に出力されます。
2 2 2
10 リモート系コマンド情報ファイル Windowsの場合に取得します。
組み込みDB運用ディレクトリ\spool\pdrshs1およびpdrshs2に出力されます。
2 2 2
11 系切り替え機能情報ファイル Windowsの場合に取得します。
組み込みDB運用ディレクトリ\spool\pdshs1およびpdshs2に出力されます。
2 2 2
12 組み込みDBシステム定義の情報 Windowsの場合:
組み込みDB運用ディレクトリ\conf下のファイルをDATなどに取得してください。
UNIXの場合:
組み込みDB運用ディレクトリ/conf下のファイルをDATなどに取得してください。
4 5 4
13 SQLトレースファイルおよびエラーログファイル 出力されたファイルをDATなどに取得してください。ファイル名はpderrまたはpdsqlで始まっています。 6 5
14 システムログファイル ajsembdboplogでシステムログをアンロードします。アンロードログファイルをDATなどに取得してください。 6 7 6

(凡例)
−:情報を取得する必要はありません。

リダイレクトで追加書きするファイルはファイル容量が単調増加するため,ディスク容量を圧迫します。したがって,Windowsの場合はファイルを切り替えて一定世代で再使用するbatファイルを,UNIXの場合はファイルを切り替えて一定世代で再使用する汎用シェルスクリプトを作成してください。

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