JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド
システム障害通知ログとは,システム側のトラブルを通知する,システム管理者向けのログ情報のことです。
このログ情報は,共通メッセージログおよび統合トレースログ※に出力されます。
- 注※
- 統合トレースログは統合トレースログファイルに出力されます。統合トレースログの採取方法については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
- なお,UNIXの場合,統合トレースログに出力するシステム障害通知ログの種類を指定することもできます。出力するログの種類は,スケジューラーサービス環境設定ファイル(Schedule.conf)のHNTRLOGLEVELパラメーターに指定してから,jbssetcnfコマンドで設定を反映してください。
- JP1/AJS2 Consoleの場合は,JP1/AJS2 Consoleの環境設定ファイル(ajs2cm.conf, ajs2ca.conf)のHNTRLOGLEVELパラメーターに指定します。HNTRLOGLEVELパラメーターについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 4.6 JP1/AJS2 Console環境の設定」,またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 セットアップガイド 14.5 JP1/AJS2 Console環境の設定」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 共通メッセージログ
- (2) 統合トレースログ
共通メッセージログは,Windowsの場合はWindowsイベントログに,UNIXの場合はsyslogファイルに出力されます。
統合トレースログとは,各プログラムが出力するトレース情報を,統合トレース機能(HNTRLib2)を通じて,一つの出力先ファイルにまとめて採取するログ情報のことです。共通メッセージログより詳しい内容のメッセージが出力されます。
統合トレースログのデフォルトの出力先は次のとおりです。
- Windowsの場合
- システムドライブ\Program Files※\Hitachi\HNTRLib2\spool\hntr2{1|2|3|4}.log
- 注※
- 64ビット版環境の場合は,「Program Files」を「Program Files (x86)」と読み替えてください。
- UNIXの場合
- /var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2{1|2|3|4}.log
統合トレースログファイルは,任意のテキストエディターで参照できます。統合トレースログファイルの出力例を次に示します。
図17-2 統合トレースログファイルの出力例
統合トレースログファイルに出力されるヘッダー情報と出力項目の説明を次に示します。
表17-1 統合トレースログファイルのヘッダー情報
ヘッダー情報 説明 OS情報 統合トレース機能が起動しているOSの情報が出力されます。 ホスト名 統合トレース機能が起動しているホスト名が出力されます。 タイムゾーン
- Windowsの場合
- OSのタイムゾーンが出力されます。
- UNIXの場合
- 統合トレースログの環境変数TZが出力されます。
- 環境変数TZが設定されていない場合は,Unknownと出力されます。
統合トレースログ機能起動時刻 統合トレース機能を起動した時刻が出力されます。 表17-2 統合トレースログファイルの出力項目
出力項目 説明 番号(4けた) トレースレコードの通し番号。
番号はログを出力したプロセスごとに採番されます。日付(10バイト) トレースの取得日付:yyyy/mm/dd(年/月/日)。 時刻(12バイト) トレースの取得時刻(ローカル時刻):hh:mm:ss.sss(時:分:秒.ミリ秒)。 AP名
(16バイト以内)アプリケーションを識別するための名称(アプリケーション識別名)。
JP1/AJS2で出力される主なAP名は次のとおりです。
- JP1/AJS2サービス:JAJS_SPMD
- スケジューラーのプロセス:ajsmasterd
- フロー制御プロセス:ajsflowd(Windowsはajsflowd.exe)
- ジョブサブミットプロセス:ajssubd(Windowsはajssubd.exe)
- ジョブ完了待ちプロセス:ajssubwd(Windowsはajssubwd.exe)
- ジョブ実行制御状態通知プロセス:jpqnfyfd(Windowsはjpqnfyfd.exe)
- スケジュール制御プロセス:ajsschd
- イベント・アクション制御マネージャープロセス:jpomanager
- イベント・アクション制御エージェントプロセス:jpoagent
- 実行間隔制御用プロセス:jpocwttmMain
- イベント(JP1イベントやログトラップなど)の監視用プロセス:jpoeventwatch
- イベントジョブ受付用プロセス:jpomgrsub
- ジョブ実行制御のプロセス:jpqmon
- ジョブ実行制御のマネージャープロセス:jpqman
- ジョブ実行制御のエージェントプロセス:jpqagt
- JP1/AJS2 Monitorサービス(ネットワーク制御プロセス):ajsinetd
- JP1/AJS2 - Viewに接続されたときに起動するプロセス:ajsmonsvr
- JP1/AJS2 - Queueless Agentサービス(キューレスエージェントプロセス):ajsqlagtd
- JP1/AJS2 - Queueless File Transferサービス(キューレスファイル転送プロセス):ajsqlftpd
- JP1/AJS2 Check Managerサービス:ajschkmand(Windowsはajschkmand.exe)
- JP1/AJS2 Check Agentサービス:ajschkagtd
- JP1/AJS2 Console Manager サービス:ajscminetd
- JP1/AJS2 Console Agentサービス:ajscainetd
- その他のプロセスおよびコマンド:プロセス名およびコマンド名
pid プロセスID。OSが付けるプロセスID。
16進数で出力されます。tid スレッドID。スレッドを識別するためのID。
16進数で出力されます。メッセージID 「JP1/Automatic Job Management System 2 メッセージ 1.2.1 メッセージの出力形式」で説明したメッセージID。この製品で使用するメッセージID。 メッセージテキスト 統合トレースログに出力されるメッセージのテキスト。この製品から出力されるメッセージテキスト。
- 注意
- 統合トレースログに出力されるログの時刻は,出力したプロセスのタイムゾーンでフォーマットされます。そのため,環境変数TZを変更したユーザーなどがサービスを起動したり,コマンドを実行したりすると,OSに設定されているタイムゾーンと異なる時刻が出力されることがあります。
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