ここでは,UNIX版JP1/Baseの設定情報およびイベントデータベースのバックアップとリカバリーについて説明します。
(1) 設定情報のバックアップ
JP1/Baseの設定情報には以下のものがあります。
クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をバックアップしてください。
(a) 定義ファイルのバックアップ
JP1/Baseでは,ユーザーが設定する定義ファイルとして以下のファイルがあります。これらのファイルのバックアップをしてください。バックアップの手段には,tarやcpi,またはより高度なバックアップコマンドがあります。任意の方法でバックアップしてください。
表2-7 JP1/Baseのバックアップ対象ファイル
ファイル名 | 内容 |
---|---|
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_env.conf | JP1/Base環境定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_param.conf JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_param_V7.conf | JP1/Baseパラメーター定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_spmd.conf | JP1/Baseプロセス管理定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_service_0700.conf | 拡張起動プロセス定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/route/以下のファイル | 構成定義ファイル (JP1/IMで使用) |
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_Passwd | JP1ユーザー定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_Group | JP1グループ定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_UserLevel | JP1権限レベル定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_AccessLevel | JP1資源グループ定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/JP1_Accountaccess | JP1アカウントアクセス情報ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/user_acl/jp1BsUmap.conf | ユーザーマッピング定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/evtgw/imevtgw.conf | SNMPトラップ変換用動作定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/evtgw/snmpfilter.conf | SNMPトラップ変換用フィルターファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/event/index | イベントサーバインデックスファイル |
Eventディレクトリ※4/conf | イベントサーバ設定ファイル |
Eventディレクトリ※4/forward | 転送設定ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/event/api | API設定ファイル |
任意のファイル※2 または JP1/Baseディレクトリ※1/jevlog.conf | ログファイルトラップ用動作定義ファイル |
Eventディレクトリ※4/[jev_forward.conf | 任意のファイル]※3 | 配布定義ファイル(転送設定ファイル用) |
JP1/Baseディレクトリ※1/[jev_logtrap.conf | 任意のファイル]※3 | 配布定義ファイル(ログファイルトラップ機能の動作定義ファイル用) |
JP1/Baseディレクトリ※1/event/[jev_ntevent.conf | 任意のファイル]※3 | 配布定義ファイル(イベントログトラップ機能の動作定義ファイル用) |
/opt/jp1base/plugin/conf/*.conf | アダプタコマンド設定ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/jbshc/jbshc.conf | ヘルスチェック定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1hosts | jp1hosts定義ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_ipany.conf | 通信方式設定ファイル |
JP1/Baseディレクトリ※1/logical_ipany.conf | |
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_recovery_0651.conf | |
JP1/Baseディレクトリ※1/logical_recovery_0651.conf | |
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_anyany.conf | |
JP1/Baseディレクトリ※1/physical_ipip.conf | |
JP1/Baseディレクトリ※1/logical_ipip.conf | |
JP1/Baseディレクトリ※1/jp1bs_baselog_setup.conf | 操作ログ定義ファイル |
注※1 「JP1/Baseディレクトリ」の部分は,次のディレクトリに置き換えてください。
注※2 ログファイルトラップ用動作定義ファイルは任意の名称に設定できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,ログファイルトラップ機能を使用していない場合には,このファイルは存在しません。
注※3 配布定義ファイルはデフォルトのファイル名または任意の名称で作成できます。使用しているファイルを,忘れずにバックアップしてください。なお,定義情報の収集および配布機能を使用していない場合には存在しません。
注※4 「Eventディレクトリ」の部分は,次のディレクトリに置き換えてください。
なお,クラスタ運用している場合は,クラスタシステム用の設定をした際に指定したディレクトリ内から上記表に該当する定義ファイルをバックアップしてください。
(b) 共通定義情報のバックアップ
JP1/Baseでは,定義ファイルだけでなく,共通定義情報もバックアップする必要があります。なお,この共通定義情報には,JP1/Baseのほかに,JP1/IM,JP1/AJS2の定義情報も含まれています。ただし,個々の製品の定義情報を別々に取得することはできません。
次のコマンドを実行してください。
jbsgetcnf > 退避ファイル
なお,クラスタ運用している場合は,次に示すようにコマンドを実行してください。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル
(2) イベントデータベースのバックアップ
イベントデータベースのバックアップは次の2種類あります。
(a) リカバリーを目的としたバックアップ
イベントデータベースファイルのバックアップ手順を次に示します。
(b) 障害レポートとしてのバックアップ
障害レポートとしてバックアップする場合は,jevexportコマンドを使用してイベントデータベースの内容をcsvファイルに出力します。
なお,イベントデータベースは,イベントサーバごとに二つ存在し,一つが上限値(デフォルトでは10MB)を超えると,もう一方のイベントデータベースに切り替わります。この際,使用するイベントデータベースの内容は消去されます。イベントデータベースの容量を定期的に確認して,イベントデータベースが切り替わる前にjevexportコマンドを実行してください。
(3) 設定情報のリカバリー
JP1/Baseのリカバリーについて説明します。クラスタ運用している場合は,物理ホスト,論理ホストの順番で,各環境をリカバリーしてください。
(a) 定義ファイルのリカバリー
下記の条件を確認した上で,バックアップファイルを,元の位置にリカバリーしてください。
(b) 共通定義情報のリカバリー
「(a) 定義ファイルのリカバリー」に加えて,共通定義情報をリカバリーする必要があります。
次に示すコマンドを実行してください。
jbssetcnf 退避ファイル名
退避ファイル名にはjbsgetcnfコマンドで取得した退避ファイルを指定します。
(4) イベントデータベースのリカバリー
バックアップしたイベントデータベースファイルをリカバリーした場合に,動作保証できる条件を次に示します。
イベントデータベースファイルのリカバリー手順を次に示します。