これまでの例では,データの構造を定義してきました。FDLエディタでは,データの構造を定義する以外に,データなどに対する条件を設定できます。データに対する条件を定義する式を「条件式」と呼びます。
フォーマット「FIX」を例にして,条件式について説明します。フォーマット「FIX」の構造を図3-37に示します。
図3-37 フォーマット「FIX」の構造
![[図データ]](figure/zu043440.gif)
例えば,ヘッダ部の受信者の値が「HITACHI0」以外の場合は,データ不正としてエラー処理することとします。このような条件は,コンポーネントの条件として記述できます。
- コンポーネント「受信者」の[コンポーネントのプロパティ]ダイアログで[条件式]ボタンをクリックします
[条件式]ダイアログが表示されます。
図3-38 [条件式]ダイアログ
![[図データ]](figure/zu043450.gif)
- コンポーネントに対する条件式を記述します
ここでは,コンポーネント「受信者」の値は「HITACHI0」である,という条件を定義します。条件式を定義するコンポーネント自身を指定する場合は,通常,自コンポーネントを表す略記法として記号「#」を使用します。記号は直接入力したり,ダイアログから選択したりできます。ここでは,ダイアログから選択します。
- [記号]ボタンをクリックします
[特殊記号]ダイアログが表示されます。
図3-39 [特殊記号]ダイアログ
![[図データ]](figure/zu043451.gif)
条件式に使用する記号を選択し,[OK]ボタンをクリックします。ここでは,自コンポーネントを表す「#」を選択します。選択した記号が条件式に挿入されます。
自コンポーネント「受信者」の値は「HITACHI0」である,という条件を定義します。文字列定数はダブルクォーテーションで囲んでください。条件式を次に示します。
# == "HITACHI0"
この場合,フォーマットの実際のデータで受信者の値が「HITACHI0」以外の場合は,トランスレータは評価規則が不正であるとして,エラー処理します。以上で条件式が定義できました。