付録E.2 ツリー情報ファイル

ツリー情報ファイルは,FDL又はMDLの内容をツリー形式で出力し,各種属性の情報を記述したファイルです。ツリー情報ファイルは,FDLエディタ又はMLDエディタの外部出力コマンドで出力します。FDLエディタの場合は,フォーマット情報ファイルの一部として出力されます。MDLエディタの場合は,フォーマット情報ファイルの一部として出力するか,ツリー情報ファイルだけ出力するかを指定できます。フォーマット情報ファイルについては,「付録E.3 フォーマット情報ファイル」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 記述形式
(2) フォーマット部
(3) 変数部
(4) ツリー部
(5) 値
(6) 記述例

(1) 記述形式

ツリー情報ファイルは,FDL又はMDLのフォーマット単位に記述されます。1フォーマット分の記述形式を次に示します。

図E-1 ツリー情報ファイルの記述形式

[図データ]

フォーマット部には,フォーマット名とそのフォーマットの属性が出力されます。

変数部には,1行に1変数の情報が,変数の数だけ出力されます。

ツリー部には,1行に1コンポーネントのコンポーネント情報が出力されます。ツリーには,MDLエディタと同様,ルート構造以下が表示されます。FDLのフォーマットの場合,ルート構造からつながっていない型や構造などは出力されません。

(2) フォーマット部

フォーマット部の記述形式を次に示します。

フォーマット名(TAB)フォーマット属性

(凡例)
(TAB):タブを表します。
 

フォーマット属性として出力される項目を,出力される順番に次に示します。なお,項目間はスペースで区切られます。

表E-2 フォーマット属性として出力される項目

項目出力内容説明備考
入出力種別(i)入力専用入出力兼用の場合は,出力されません。
(o)出力専用
規格種別CII規格種別が「なし」の場合は,出力されません。
CII3
EDIFACT
EDIFACT4
SNACCSSea-NACCS(旧)
SNACCS2Sea-NACCS
SNEDIFACTSea-NACCS用EDIFACT(旧)
SNEDIFACT2Sea-NACCS用EDIFACT
XMLDTDXML
CSV
データ形式(big)ビッグエンディアン
(little)リトルエンディアン
文字コード1バイト文字列:2バイト文字列:混在文字列:数値:セパレータ各文字コードは,コード指定子です。コード指定子については,「6.3.1 トランスレータが扱う文字コード」を参照してください。
サイズ系指定(byte)バイト数
(char)文字数
不正文字コード置換(spron)ON
(sproff)OFF
溢れカット(cuton)ON
(cutoff)OFF
不要文字削除(delon)ON
(deloff)OFF
(凡例)
-:特にありません。

(3) 変数部

フォーマット部の記述形式を次に示します。

(indent)@ 変数名(TAB)初期値

(凡例)
(indent):インデントを表します。1階層分のインデントは,スペース2文字分です。
(TAB):タブを表します。

(4) ツリー部

ツリー部の記述形式を次に示します。

(凡例)
(indent):インデントを表します。1階層分のインデントは,スペース2文字分です。最上位構造(ルート)は1階層分,その他は階層数分のインデントです。
(TAB):タブを表します。
[補助情報]:次の条件に該当する場合だけ,次の内容が出力されます。
 選択構造の場合:(P)
 未使用指定がある場合:(NOUSE)
[出現数]:次の内容が出力されます。ただし,1回固定のコンポーネントに対しては出力されません。nは最小,mは最大の意味です。
 固定の場合:[n]
 可変の場合:[n:m]
 可変(無限大)の場合:[n:]
 動的指定ある場合:[出現数](dep)
 

属性として出力される項目を,出力される順番に次に示します。なお,項目間は基本的にスペースで区切られますが,複数の項目を連続して記述する場合もあります。また,定義されていない項目,及びFDLエディタで「フォーマットの指定に従う」を指定した項目は出力されません。

表E-3 構造属性として出力される項目

項目出力内容説明備考
セパレータ<SEPA> (b)開始文字 (p)中間区切り(要素前) (i)中間区切り(要素間) (a)終了文字 (r)解放文字開始文字,中間区切り,終了文字,及び解放文字は,「値」又は「セパレータ名(値)」です。(値)はそのセパレータの値です。セパレータを定義した場合だけ出力されます。
予約セパレータの場合,(値)は出力されません。
順序決定式<ORDER>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
条件式<CHECK>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
規格情報(CII3)<<MSG>>BPID INFOメッセージ構造
  • BPID:サブ機関,版を含むBPIDです(8桁)。
  • INFO:情報区分です(4桁)。
メッセージ構造及びマルチ明細構造以外は出力されません。
<<MULTI>>NOマルチ明細構造
  • NO:マルチ明細番号です。拡張マルチは「0x」が付いた16進文字列,その他は文字です。
規格情報(EDIFACT4)<<SEG>>Segment
<<CMP>>Component(S001,S004を含む)
<<REP>>Repetition
<<UNA>>UNA Segment
(凡例)
-:特にありません。

表E-4 型属性として出力される項目

項目出力内容説明備考
主属性int整数
num実数
imp暗黙的小数部付数値
fdゾーン形式数値
fdpパック形式数値
s1符号付2進整数(1バイト)
s2符号付2進整数(2バイト)
s3符号付2進整数(3バイト)
s4符号付2進整数(4バイト)
us1符号無2進整数(1バイト)
us2符号無2進整数(2バイト)
us3符号無2進整数(3バイト)
us4符号無2進整数(4バイト)
str11バイト文字列
str22バイト文字列
str混在文字列
stmバイト列
date日付
time時刻
datetime日付時刻
サイズn固定
 n:最小
主属性がint,num,imp,str1,str2,str,stm,date,time,又はdatetimeの場合だけ出力されます。
n:m可変
 n:最小
 m:最大(省略時は出力されません)
n:m(dep)動的指定
 n:最小
 m:最大(省略時は出力されません)
サイズ系指定(byte)バイト数主属性がstr1,str2,str,date,time,又はdatetimeの場合だけ出力されます。
(char)文字数
文字コードコード指定子主属性がint,num,imp,fd,str1,str2,str,date,time,又はdatetimeの場合だけ出力されます。
コード指定子については,「6.3.1 トランスレータが扱う文字コード」を参照してください。
数値桁数
符号
指数部
桁セパレータ
符号カウント指定
(place)(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8) (9) (10)(1):先頭符号(-:負だけ,*:常にあり)
(2):桁数(全体)
(3):小数点文字「.」
(4):桁数(小数部)
(5):末尾符号(-:負だけ,*:常にあり)
(6):指数記号
(7):指数部符号(-:負だけ,*:常にあり)
(8):桁数(指数部)
(9):桁セパレータ
(10):符号カウント指定「(c)」
主属性がint,num,imp,fd,又はfdpの場合だけ出力されます。
(1)~(10)に該当する内容がない場合は出力されません。
日付/時刻書式YYYYMMDD8桁の日付表示主属性がdate又はtimeの場合だけ出力されます。
YYMMDD6桁の日付表示
HHMMSS6桁の時刻表示
日付時刻書式(1)(2)(3)(1):先頭文字列
(2):パート書式
 CCYY:西暦年
 CC:西暦年上位2桁
 YY:年(西暦年下2桁)
 MM:月
 DD:日
 hh:時
 mm:分
 ss:秒
 ZZ:ゾーン部
(3):後続文字列
主属性がdatetimeの場合だけ出力されます。
桁寄せ
埋め字
不要文字削除
(1)(2)(3)(1):桁寄せ
 (l):左寄せ
 (r):右寄せ
(2):埋め字の値
(3):不要文字削除
 (delon):ON
 (deloff):OFF
 (delon_poff):全体ON,パート値OFF
 (deloff_pon):全体OFF,パート値ON
主属性がint,num,imp,str1,str2,str,date,time,又はdatetimeの場合だけ出力されます。
(1)は,文字列/日時が左寄せ,又は数値が右寄せの場合は出力されません。
(2)は,文字列/日時がスペース,又は数値が0の場合は出力されません,ただし,バイト列定義の場合は出力されます。
値定義<VALUE>(nochk)(nochk)は「他の値が現れてもエラーにしない」を指定した場合だけ出力されます。
個々の値は出力されません。
規格情報(CII3)<<TFD>>(1)(2)(1):タグ番号
(2):属性種別
 (9):9属性
 (N):N属性
 (Y):Y属性
 (X):X属性
 (K):K属性
 (B):B属性
TFD以外は出力されません。
(凡例)
-:特にありません。

表E-5 XML属性として出力される項目

項目出力内容説明備考
属性型CDATA
ID
IDREF
IDREFS
NMTOKEN
NMTOKENS
ENTITY
ENTITIES
NOTATION
ENUMERATION列挙型
デフォルト値タイプ#req#REQUIRED
#imp#IMPLIED
#fix#FIXED
#valデフォルト値
列挙値<VALUE>個々の値は出力されません。
デフォルト値<DEFAULT>値
(凡例)
-:特にありません。

表E-6 コンポーネント属性として出力される項目

項目出力内容説明備考
グループ単位出力指定(io)nn:ラベル
カウンタ(clear)初期化指定
(increment)インクリメント指定
順序決定値<CASE>値
出現回数決定式<EXISTCOUNT>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
条件式<CHECK>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
トランスレータ指示<PRAGMA>定義文字列この情報は辞書で設定される情報です。FDLエディタ及びMDLエディタでは操作できません。
サイズ決定式<SIZE>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
デフォルト式<DEFAULT>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
マップ式<MAP>式文字列文字列定数部,及び%delay部を除く式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。
子マップ式<CHILDMAP>式文字列文字列定数部,及び%delay部を除く式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。
複数式ある場合は,次のように式と式の間にスペース文字が入ります。
<xxxxx>式文字列1 式文字列2 式文字列3…
なお,この情報は辞書で設定される情報です。FDLエディタ及びMDLエディタでは操作できません。
変数式<VAR>式文字列式文字列中のスペース,タブ,及び改行コードは削除されます。ただし,文字列定数部は除きます。
複数式ある場合は,次のように式と式の間にスペース文字が入ります。
<xxxxx>式文字列1 式文字列2 式文字列3 ・・・
(凡例)
-:特にありません。

(5) 

各属性の「値」(定数値)は,次のように出力されます。

数値:浮動小数形式
例 1.5
文字列:ダブルクォーテーション囲み
例 "abc"
バイト列:「0x」付き16進文字列
例 x0d0a

(6) 記述例

ツリー情報ファイルの記述例を次に示します。

[図データ]