付録F 用語解説

(英字)
Acknowledgmentメッセージ
受信側のMSHが送信側のMSHに対して,ビジネスメッセージを受信したことを通知する,送達確認のMSHシグナルです。
At Least Once
ebMS仕様で定められている,QoSレベルのうちの一つです。ビジネスメッセージの正確な配信を保証します。
Once and Only Onceがビジネスメッセージの再送および重複除去を保証するレベルなのに対して,At Least Onceでは,再送だけを保証します。uCosminexus Message Service for ebXMLでは,QoSレベルがAt Least Onceの場合もビジネスメッセージの重複除去をしますが,完全に重複除去できるという保証はしていません。
Best Effort
ebMS仕様で定められている,QoSレベルのうちの一つです。ビジネスメッセージの高信頼配信をしません。
ビジネスメッセージ受信時にMSHシグナルを送らないため,送信側のMSHは,送信したビジネスメッセージが正確に相手に配信できたかどうかを判断できません。
CLOSED状態
ビジネスメッセージの送受信処理が終了した状態を示します。運用支援GUIから参照できるビジネスメッセージの送受信状態のうち,次の状態がCLOSED状態です。
  • 送信処理完了(成功)
  • 送信処理完了(B)
  • 送信処理完了(失敗)
  • 受信処理完了
  • 受信失敗
  • 強制終了
CPAファイル
ebXMLのCPPA仕様で決められている定義ファイルです。ビジネスメッセージを交換するときに使用する技術について取引企業間で合意した内容を,XML文書で記述します。
ebMS(ebXML Message Service)
ebXMLのうち,取引企業間でビジネスメッセージを交換するための標準仕様です。実際にビジネスメッセージを交換するときに使用できる技術,交換するビジネスメッセージの形式,ビジネスメッセージの交換手順などについて定義しています。
uCosminexus Message Service for ebXMLは,ebMS Version 2.0に準拠しています。
ebXML(Electronic Business using eXtensible Markup Language)
米国の業界団体OASISと国連機関のUN/CEFACTとが母体となって策定した,XMLを用いた企業間電子商取引のための標準仕様です。BPSS,CC,R&R,CPPA,およびMSの五つの仕様が定められています。
ebXMLメッセージ
ビジネスメッセージと,ビジネスメッセージを高信頼配信する場合に送受信されるMSHシグナルとを合わせた呼び方です。
Errorメッセージ
ビジネスメッセージの受信に失敗した場合に,受信側のMSHが送信側のMSHに対して,ビジネスメッセージの受信に失敗したことを通知するMSHシグナルです。
HTTPベーシック認証
ユーザーIDおよびパスワードを平文で送信して認証させる,HTTPプロトコルでの最も簡易な認証方式です。
MSH(Message Service Handler)
ebMS仕様に準じてビジネスメッセージを交換するプログラムです。uCosminexus Message Service for ebXMLは,MSHです。
MSHシグナル
ビジネスメッセージの高信頼配信をする場合に,受信側のMSHが送信側のMSHに送る,MSHレベルのシグナルです。送信側のMSHは,ビジネスメッセージの再送要否をMSHシグナルによって決定します。MSHシグナルには次の種類があります。
  • Acknowledgmentメッセージ
  • Errorメッセージ
MSH実行環境
ebXMLサーバ内で,uCosminexus Message Service for ebXMLが稼働する環境のことです。
Once and Only Once
ebMS仕様で定められている,QoSレベルの一つです。ビジネスメッセージを正確にかつ重複しないで配信することを保証するレベルです。
ビジネスメッセージの受信失敗時は,送信側のMSHが送信メッセージを再送します。ビジネスメッセージの重複受信時は,受信側のMSHが重複したビジネスメッセージを除去します。
OPEN状態
ビジネスメッセージの送受信処理が終了していない状態を示します。運用支援GUIから参照できるビジネスメッセージの送受信状態のうち,次の状態がOPEN状態です。
  • 送信中
  • 送信済み
  • 送信済み(B)
  • 送信失敗
  • 受信中
  • 受信済み
  • 一時停止
QoSレベル
ebMS仕様で規定する高信頼配信のレベルのことです。全部で四つのレベルがあり,このうちuCosminexus Message Service for ebXMLでサポートしているのは三つです。
UOC(User Own Coding)
業務APのうち,業務内容に応じてユーザーが作成する部分のことです。
UTF-8
Unicodeの文字を表現する文字エンコーディングの一つです。8bit単位の情報の組み合わせで文字を表記します。ebMS仕様では,UTF-8が一般的に使用されます。
XML電子署名
ビジネスメッセージにXML形式の署名を添付することでビジネスメッセージ作成者の身元を証明し,また,そのビジネスメッセージの改ざんを検出するための技術です。
(ア行)
暗号化通信
証明書および公開鍵暗号技術に基づいて,通信を暗号化してデータを送信する技術です。暗号化通信の認証方法には,サーバ認証とクライアント認証があります。
永続化メッセージ
ビジネスメッセージの高信頼配信を実現するために,uCosminexus Message Service for ebXMLがデータベースに保存したビジネスメッセージのことです。高信頼配信では,永続化メッセージは配信エラー時に自動で再送されます。また,ユーザーは永続化メッセージの情報を運用支援GUIから参照できます。
永続期限
重複受信を監視して高信頼配信を実現するために,永続化メッセージをデータベースサーバ内で保持する期限です。
(カ行)
高信頼配信
ebMS仕様で規定されている,信頼性の高いメッセージ交換をするための仕様です。QoSレベルによって,四つのレベルに分けられます。
(タ行)
タイマー監視
ビジネスメッセージを確実に送受信して高信頼配信を実現し,送信結果をユーザーに通知するための,uCosminexus Message Service for ebXMLのシステム内部を監視する機能です。タイマー監視には次の種類があります。
  • 送信タイマー
    ビジネスメッセージの再送タイミングを監視します。
  • AP通知タイマー
    ビジネスメッセージの重複受信がないかを監視します。また,送信したビジネスメッセージの送信結果をユーザーに通知します。
同期型メッセージ交換
ビジネスメッセージ受信側のMSHがHTTPレスポンスを返すときに,MSHシグナルやビジネスメッセージなどの応答メッセージを同時に返すメッセージ交換方式です。同時に返す応答メッセージの種類によって四つの交換方式に分かれていて,ebMS仕様で定義されています。
uCosminexus Message Service for ebXMLでは,四つの交換方式のうちmshSignalsOnlyをサポートしています。
(ハ行)
ビジネスメッセージ
ebMS仕様を適用した電子商取引をする場合に,企業間で送受信されるXML形式のメッセージをビジネスメッセージと呼びます。実際の取引データは,ビジネスメッセージにペイロードとして添付され,送受信されます。
非同期型メッセージ交換
ビジネスメッセージ受信側のMSHが,HTTPレスポンスとは別コネクションでMSHシグナルやビジネスメッセージを返すメッセージ交換方式です。1コネクション内では,MSHはHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスだけを返します。
ペイロード
ビジネスメッセージに添付される,取引データそのものを指します。ペイロードとして添付する取引データの形式は任意なので,ユーザーは添付したいデータ形式を選択できます。
(マ行)
メッセージングコンテキスト識別子
uCosminexus Message Service for ebXMLが永続化メッセージを一意に特定するために生成する識別子です。