クライアントサイドデータ通信を実現する際には,データの保管場所として,userData領域とポータルクリップボードウィンドウを使用できます。
(1) データ保管領域の設定
データ保管領域の設定は,PortalResources.propertiesファイルで行います。
(a) データ格納方式の設定
クライアントサイドデータ通信機能では,次に示す方式でデータを格納できます。
データ格納方式は,PortalResources.propertiesファイルのjp.co.hitachi.soft.portal.csdc.datatype.userData項目で指定します。PortalResources.propertiesファイルの詳細は,マニュアル「uCosminexus Portal Framework システム管理者ガイド」を参照してください。
(b) 転送データサイズの設定
データの保管場所としてuserData領域とポータルクリップボードウィンドウを併用する場合,データの保管場所にuserData領域を使用するか,またはポータルクリップボードウィンドウを使用するかは,保管するデータが転送データサイズの指定値以内かどうかで決まります。
転送データサイズは,PortalResources.propertiesファイルのjp.co.hitachi.soft.portal.csdc.datasize.threshold項目で指定します。PortalResources.propertiesファイルの詳細は,マニュアル「uCosminexus Portal Framework システム管理者ガイド」を参照してください。保管するデータが,転送データサイズの指定値以内かどうかによって次のようになります。
なお,HTTPS環境でクライアントサイドデータ通信機能を使用している場合,転送データサイズが指定値を超えると,セキュリティに関する警告ダイアログボックスが2回表示されます。
(2) userData領域
userData領域は,クライアントサイドデータ通信を実現する際に使用するデータの保管場所です。コピー処理では,通常userData領域をデータの保管場所として使用します。
userData領域には文字列だけ格納できます。そのため,データ格納時には,ポートレットで指定したJavaScript連想配列オブジェクトはシリアライズされ,データ取得時には,userData領域から取得した文字列はデシリアライズされます。
userData領域へのデータの格納に失敗した場合,次のようになります。
(3) ポータルクリップボードウィンドウ
ポータルクリップボードウィンドウは,HTML上で開かれる一般のウィンドウで,データを保管する場所としての機能だけを持ちます。
ポータルクリップボードウィンドウは,csdc.jsをインクルードするタイミングで開かれます。そのため,ポートレット開発者は,ポータルクリップボードウィンドウを開いたり閉じたりする処理を意識する必要はありません。
ポータルクリップボードウィンドウは,コピーしたデータを貼り付けるまで開かれている必要があります。エンドユーザの操作向上およびエンドユーザによって閉じられることを抑止するため,ポータルクリップボードウィンドウは,Window画面の表示領域外に表示されます(エンドユーザには見えないウィンドウとして表示します)。なお,ポータルクリップボードウィンドウが表示されていない状態でデータ転送をした場合には,再操作を促すダイアログボックスが表示されます。
ポータルクリップボードウィンドウが表示されている間,タスクバーには次のように表示されます。
図9-5 ポータルクリップウィンドウが表示されている間のタスクバー