1.1 uCosminexus Portal Frameworkで使用できるポートレット
uCosminexus Portal Frameworkとは,企業ポータルを構築および運用するフレームワークです。企業の内外にある多種多様なコンテンツ・業務システムの情報を集約する機能や,集約した情報をユーザ一人一人に対して最適な情報になるように組み合わせて提供する機能などを備えています。これらの機能によって,効果的な企業ポータルを構築できます。
uCosminexus Portal Frameworkでは,構築した企業ポータルに設定するポートレットを開発する必要があります。このマニュアルでは,ポートレットの開発方法について説明します。
uCosminexus Portal Frameworkでは,次のポートレットを使用できます。
- カスタムポートレット
- Fileポートレット※
- Webポートレット
- 分散ポートレット
- Webコンテンツポートレット
注※ 正式名称はMulti File Portletですが,このマニュアルではFileポートレットと表記します。
uCosminexus Portal Frameworkが各種ポートレットを取り込んで表示する処理を次の図に示します。
図1-1 ポートレットの取り込み
![[図データ]](figure/zu010100.gif)
それぞれのポートレットの特長を示します。
- カスタムポートレット
- カスタムポートレットは,JSPやサーブレットの技術を用いて独自のポートレットを作成するポートレットです。動的なページを作成したり,企業独自の業務システムをポータルに統合したり,既存のアプリケーションと連携したりできます。例えば,既存のメールシステムをポータルに統合することで,ユーザはポータルからメールを読めます。また,携帯電話(iモードおよびEZweb)からアクセスできるポートレットも作成できます。
- カスタムポートレットには次の2種類があります。
- 日立APIポートレット
uCosminexus Portal FrameworkのAPIを用いてJSPおよびサーブレットで作成するポートレットです。
- 標準APIポートレット
Java Portlet Specification 1.0またはStrutsフレームワークに従って作成するポートレットです。
- カスタムポートレットのコンテンツを開発する場合は,ポートレットの開発方法,開発時に使用するAPIの知識が必要です。ポートレットの開発方法,開発時に使用するAPIの知識の詳細は,「2. ポートレット全般の前提知識」,「3. カスタムポートレットの作成」および「14. ライブラリ」を参照してください。また,日立APIポートレットで,uCosminexus Portal Frameworkの特定の機能に対応する開発をしたい場合は,次の個所を参照してください。
- Fileポートレット
- Fileポートレットは,HTML,CHTML,またはHDMLのどれかで記述されたファイルをポートレットとして表示します。例えば,イントラネット上の各部署のお知らせを,一つのFileポートレットに統合できます。携帯電話(iモードおよびEZweb)からアクセスできるポートレットも作成できます。
- このポートレットのコンテンツを開発するには,HTML,CHTML,またはHDMLについての知識が必要です。
- このポートレットを開発する場合は,「2. ポートレット全般の前提知識」および「4. Fileポートレットの作成」を参照してください。
- Webポートレット
- Webポートレットは,HTMLで記述されたWebページをポータルに取り込むポートレットです。ポータルプロジェクト内のローカルコンテンツ,および外部のWebサーバのコンテンツをポータルに統合できます。Webページをポートレットとしてポータルに統合することで,ベーシック認証,プロキシ認証,およびフォーム認証に対してシングルサインオンができるようになります。また,コンテンツをフィルタリングしてWebページの一部分をポータルに取り込めます。例えば,顧客情報などのインターネットの情報をポータルに取り込めます。また,携帯電話(iモード,およびEZweb)からアクセスできるポートレットも作成できます。
- このポートレットは,コンテンツを開発する必要はありません。Portal Managerでポータルに登録するときに,WebページのコンテンツのURLなどを設定することでポートレットが作成されます。このポートレットを作成するには,Webサイト開発についての知識が必要です。Portal ManagerでWebポートレットをポータルに登録する方法については,マニュアル「uCosminexus Portal Framework システム管理者ガイド」の「Webポートレットの設定」の説明を参照してください。
- このポートレットを作成する場合は,「2. ポートレット全般の前提知識」,および「5. Webポートレットの作成」を参照してください。
- 分散ポートレット
- 分散ポートレットは,ほかのポータル上に配置されたポートレットを自ポータルに取り込むポートレットです。例えば,他事業所で構築しているポータル上のポートレットを,自ポータルに取り込めます。
- このポートレットは,コンテンツを開発する必要はありません。Portal Managerでポータルに登録するときに,取り込む分散ポートレットを配置しているサーバのサーバアドレスなど設定することでポートレットが作成されます。このポートレットを作成するには,ポータルサイトの開発についての知識が必要です。Portal Managerで分散ポートレットをポータルに登録する方法については,マニュアル「uCosminexus Portal Framework システム管理者ガイド」の「分散ポートレットの設定」の説明を参照してください。
- このポートレットを作成する場合は,「2. ポートレット全般の前提知識」,および「6. 分散ポートレットの作成」を参照してください。
- Webコンテンツポートレット
- Webコンテンツポートレットは,外部のWebサーバからコンテンツを取得し,取得したデータの表示方法を加工してポータルに表示するポートレットです。取得できるコンテンツは,HTML,RSS,またはXMLで記述されたページです。
- Webコンテンツポートレットは,運用管理ポートレットでコンテンツの取得先や加工の方法などを設定することで,ポートレットが作成されます。登録の作業は必要ありません。
- 運用管理ポートレットでWebコンテンツポートレットを作成する方法については,マニュアル「uCosminexus Portal Framework 運用管理者ガイド」の「Webコンテンツポートレットを作成する」の説明を参照してください。