付録C.11 ポートレットグループの移行

uCosminexus Portal Framework 07-00では,従来のバージョンとポートレットグループの管理方法が変更になりました。このため,ポートレットグループを設定している場合は,ポートレットグループを移行する必要があります。ここでは,ポートレットグループの移行手順について説明します。

<この項の構成>
(1) ポートレットグループの管理方法の変更点(ポートレットグループの移行)
(2) ポートレットグループの移行手順
(3) portletgroupconv.propertiesの詳細

(1) ポートレットグループの管理方法の変更点(ポートレットグループの移行)

uCosminexus Portal Framework 07-00では,従来システム管理者がPortal Managerを使用して管理していたポートレットグループを,運用管理者または部門管理者が,運用管理ポートレットを使用して管理することになりました。これに伴って,ポートレットグループの設定情報の格納ファイルも変更されています。

uCosminexus Portal Framework 06-30以前,およびuCosminexus Portal Framework 07-00以降でのポートレットグループの管理方法の差異を次の表に示します。

表C-8 ポートレットグループの管理方法の差異

項番項目uCosminexus Portal Framework 06-30以前uCosminexus Portal Framework 07-00以降
1ポートレットグループを管理するユーザシステム管理者運用管理者または部門管理者
2ポートレットグループを管理するためのツールPortal Manager運用管理ポートレット
3共通情報共通情報として扱えない共通情報として扱える
4ポートレットグループ情報を格納する場所
  • ポートレットグループ定義ファイル(PortletGroup.xml)
  • ポートレット定義ファイル(jetspeed-config.jcfg)
共通情報として扱う場合
DB
共通情報として扱わない場合
ポータル管理グループ定義ファイル(EmPowerment.xml)
5ポートレット管理グループの階層化できないできる

ポートレットグループの移行では,新しい管理方法に対応するために,DBまたはポータル管理グループ定義ファイル(EmPowerment.xml)へ情報を追加します。ポートレットグループの移行を実施して作成されたポートレットグループの情報は,次のように設定されます。

表C-9 移行後のポートレットグループの設定

項番項目設定内容
1ポートレットグループID(半角英数字)自動採番
2ポートレットグループタイトル移行前のポートレットグループの,ポートレットグループ表示名称(PortletGroup.xmlの<portlet-group>タグのvalue属性)
3ポートレットグループタイトル(日本語以外)設定されない
4ポートレットグループの説明文設定されない
5ポートレットグループの階層ルートポートレットグループの下位
6下位のポートレットグループ設定されない
7ポートレットグループに所属するポートレット移行前のポートレットグループに所属していたポートレット

(2) ポートレットグループの移行手順

ポートレットグループの移行手順を次に示します。なお,リポジトリにDBを使用している場合は,ポートレットグループを移行する前に,DBのバックアップを取得してください。

  1. ポートレットグループ移行用定義ファイル(portletgroupconv.properties)を設定します。
    portletgroupconv.propertiesの格納ディレクトリ,および設定するプロパティについては,「(3) portletgroupconv.propertiesの詳細」を参照してください。
  2. ポートレットグループ移行ツール(portletgroupconv.bat)を実行します。
    ポートレットグループ移行ツール(portletgroupconv.bat)は次のディレクトリで実行してください。
    実行ディレクトリ
    {uCosminexus Portal Frameworkインストールディレクトリ}¥samples¥config¥empowermentdb
     
    実行するコマンドは,共通情報を使用している場合と使用していない場合で異なります。それぞれの場合のコマンドを示します。
    共通情報を使用している場合

    portletgroupconv.bat {DBのユーザ名} {DBのパスワード}

    共通情報を使用していない場合

    portletgroupconv.bat

    処理の実行中にエラーが発生した場合は,エラーメッセージの内容に従って対処してください。
    なお,ポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルは,portletgroupconv.propertiesのjp.co.hitachi.soft.portal.util.log.TraceFileに設定したディレクトリに出力されます。デフォルトの出力ディレクトリおよびファイル名は次のとおりです。なお,Xは1から始まる連番です。同名のファイルが存在する場合は,ファイルに追加出力します。
    ポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログのファイル名
    {uCosminexus Portal Frameworkインストールディレクトリ}¥samples¥config¥empowermentdb¥portletgroupconvX.log

(3) portletgroupconv.propertiesの詳細

ポートレットグループ移行ツールの動作を設定するportletgroupconv.propertiesについて説明します。

portletgroupconv.propertiesの格納ディレクトリを次に示します。

格納ディレクトリ
{uCosminexus Portal Frameworkインストールディレクトリ}¥samples¥config¥empowermentdb

 

portletgroupconv.propertiesで設定する項目について,次の表に示します。

表C-10 portletgroupconv.propertiesの属性一覧

属性名設定内容必須
empowerment.portletgroup.conv.tool.portalcommon.isdbusedポートレットグループ情報を共通情報として扱うかどうか
empowerment.portletgroup.conv.tool.inputproperty.directoryポートレットグループ移行ツールの入力情報となる設定ファイルが格納されているディレクトリ
empowerment.portletgroup.conv.tool.outputproperty.directoryポートレット移行ツールの内容チェックに使用する設定ファイル,および出力先となる設定ファイルが格納されているディレクトリ
empowerment.portletgroup.conv.tool.driverJDBCドライバの完全修飾名
empowerment.portletgroup.conv.tool.jdbcurlJDBC URL
empowerment.portletgroup.conv.tool.commit.countレコードの追加・削除処理でのコミット処理のしきい値
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.TraceFileポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルの出力先×
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.TraceLevelポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルの出力レベル×
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.FileNumポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルの面数×
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.FileSizeポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイル1個当たりの最大サイズ×

(凡例) ○:必須  ×:任意

注※ ポートレットグループ情報を共通情報として扱う場合だけ,必須の項目です。


各属性の詳細を次に説明します。

属性名:
empowerment.portletgroup.conv.tool.portalcommon.isdbused
型:String
説明:ポートレットグループ情報を共通情報として扱うかどうかを設定します。値の範囲はtrueまたはfalseです。範囲外の値を設定した場合には,デフォルト値が使用されます。
  • true:ポートレットグループ情報を共通情報として扱う
  • false:ポートレットグループ情報を共通情報として扱わない
共通情報を使用している場合は,trueを設定してください。
デフォルト値:false
属性名:
empowerment.portletgroup.conv.tool.inputproperty.directory
型:String
説明:ポートレットグループ移行ツールの入力情報となる,次の設定ファイルが格納されているディレクトリです。
  • PortletGroup.xml
  • jetspeed-config.jcfg
指定する値は次のとおりです。
Cosminexus Portal Framework 06-10以前のバージョンからバージョンアップする場合
{PROJECT_HOME}/WEB-INF/conf
uCosminexus Portal Framework 06-11以降のバージョンからバージョンアップする場合
{設定ファイル格納ディレクトリ}
属性名:
empowerment.portletgroup.conv.tool.outputproperty.directory
型:String
説明:ポートレットグループ情報をDBまたはファイルに書き込む際に,内容チェックに使用するjetspeed-config.jcfgファイルが格納されているディレクトリです。また,ポートレットグループ情報を共通情報として扱わない場合は,このディレクトリに格納されているEmPowerment.xmlファイルに情報を書き込みます。
指定する値は次のとおりです。
Cosminexus Portal Framework 06-10以前のバージョンからバージョンアップする場合
{PROJECT_HOME}/WEB-INF/conf
uCosminexus Portal Framework 06-11以降のバージョンからバージョンアップする場合
{設定ファイル格納ディレクトリ}
属性名:
empowerment.portletgroup.conv.tool.driver
型:String
説明:JDBCドライバの完全修飾名です。ポートレットグループ情報を共通情報として扱う場合は,必ず指定してください。
なお,empowerment.portletgroup.conv.tool.portalcommon.isdbusedpプロパティで「false」を設定している場合,このプロパティは無視されます。
属性名:
empowerment.portletgroup.conv.tool.jdbcurl
型:String
説明:JDBC URLです。記述は各ドライバに従ってください。ポートレットグループ情報を共通情報として扱う場合は,必ず指定してください。
なお,empowerment.portletgroup.conv.tool.portalcommon.isdbusedpプロパティで「false」を設定している場合,このプロパティは無視されます。
属性名:
empowerment.portletgroup.conv.tool.commit.count
型:int
説明:レコードの追加・削除処理を実行する際のコミット処理のしきい値です。追加・削除レコード数がこの値以上の場合に,コミット処理を行ないます。値の範囲は1~100,000,000の整数です。範囲外の値を設定した場合には,デフォルト値が使用されます。
ポートレットグループ情報を共通情報として扱う場合は,必ず指定してください。
なお,empowerment.portletgroup.conv.tool.portalcommon.isdbusedpプロパティで「false」を設定している場合,このプロパティは無視されます。
デフォルト値:1,000
属性名:
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.TraceFile
型:String
説明:ポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルの出力先です。出力先のフルパスとログファイルのプレフィックスを記述します。
なお,製品出荷時には次の値が指定されています。

${portal.install.dir}/samples/config/empowermentdb/portletgroupconv

デフォルト値:C:/tmp/portal
属性名:
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.TraceLevel
型:int
説明:ポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルの出力レベルです。値の範囲は,-1または0~1,000の整数です。範囲外の値を設定した場合には,デフォルト値が使用されます。
なお,製品出荷時には,「10」が設定されています。
デフォルト値:0
属性名:
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.FileNum
型:int
説明:ポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイルの面数です。値の範囲は1~16の整数です。範囲外の値を設定した場合には,ログが出力されません。
デフォルト値:1
属性名:
jp.co.hitachi.soft.portal.util.log.FileSize
型:int
説明:ポートレットグループ移行ツール実行時に出力されるログファイル1個当たりの最大サイズです。単位はバイトで,値の範囲は4,096~2,147,483,647の整数です。4,095以下の値を設定した場合には,ログが出力されません。また,2,147,483,648以上の値を設定した場合には,デフォルト値が使用されます。
デフォルト値:1,048,576