2.3.2 データベースサーバの構築

Collaboration - Bulletin boardを利用する上で,データベースサーバの構築が必要です。ここではデータベースサーバの構築方法について説明します。

<この項の構成>
(1) データベース容量の見積もり
(2) パラメタの設定
(3) ユーザ権限の設定
(4) 文字コードの変更
(5) RDエリアの作成
(6) HiRDB Text Search Plug-inの設定
(7) テーブルおよびインデクスの作成
(8) マスタレコードの作成

(1) データベース容量の見積もり

Collaboration - Bulletin boardでは次に示す条件ごとのモデルケースを提供しています。

次の条件をすべて満たす場合は,「付録B モデルケースごとのデータベース容量」に示すモデルケースを使用して,データベースを構築してください。

これらの条件を一つでも満たさない場合は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)」に記載されている見積もり式に「付録C データベース容量の見積もりで使用する値」に示す値を代入して,データベース容量を見積もってください。

(2) パラメタの設定

ここでは,パラメタの設定について説明します。

(a) 環境変数グループの登録

Collaboration - Bulletin boardは,uCosminexus Portal Framework上で動作するアプリケーションの一つです。このため,HiRDBに対する設定が,ほかのアプリケーションと干渉しないようにHiRDBの環境変数グループを使用します。この環境変数グループをuCosminexus Application Serverに引き継ぎます。詳細は,「2.3.4(2) J2EE Resourcesのデータソースへの指定」を参照してください。この環境変数グループの名称は,「HPTLCLBCBB」としてください。

HiRDBクライアント環境変数登録ツールを使用してシステムグループに登録する項目を次の表に示します。

表2-1 HiRDBクライアント環境変数登録ツールを使用して登録する項目

項番項目機能設定内容
1PDCLTCNVMODE文字コードを変換しないで,データをそのまま受け渡します。「NOUSE」を指定します。
2PDBLKFHiRDBサーバからHiRDBクライアントに検索結果を転送するときの,1回の転送処理で送られる行数を指定します。「50」を指定します。
性能測定を実施し,性能チューニング項目として設定します。
3PDISLLVLSQL文のデータ保証レベルを指定します。「0」(ダーティーリード)を指定します。
4PDLOCKSKIP無排他条件判定をするかどうかを指定します。「YES」を指定します。
5PDIPCサーバとクライアントが同一ホストにある場合,プロセス間の通信方法を指定します。アプリケーションサーバとデータベースサーバが同一マシンの場合,「MEMORY」を指定します。
6PDSWATCHTIMEトランザクション外のHiRDBサーバが,HiRDBクライアントからの要求に応答してから,次にHiRDBクライアントから要求があるまでのHiRDBサーバの最大待ち時間を指定します。「0」(HiRDBクライアントからの要求があるまでHiRDBサーバが待ち続ける)を指定します。
7PDCWAITTIMEHiRDBクライアントがHiRDBサーバに要求をしてから,応答が戻ってくるまでのHiRDBクライアントの最大待ち時間を指定します。「180」を指定します。
8PDSWAITTIMEトランザクション中のHiRDBクライアントに,HiRDBサーバが応答してから,次に要求があるまでの最大待ち時間を指定します。「180」を指定します。
9PDCLTPATHHiRDBクライアントが作成するSQLトレースファイルおよびエラーログファイルの格納先ディレクトリを指定します。任意で指定します。
値を指定する場合は,コネクション単位で指定してください。

PDHOSTなどのデータベースの接続に必要な項目は,ご使用の環境に合わせて設定してください。

なお,HiRDBクライアント環境変数登録ツールの詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 UAP開発ガイド」を参照してください。

(b) グローバルバッファの計算方法

グローバルバッファの計算方法を次に示します。ここでは,グローバルバッファの設定条件を決定してからHiRDBシステム共通定義を作成するまでの例を示しています。なお,ここでは,グローバルバッファとRDエリアを一対一で割り当てる場合の例を示します。

グローバルバッファの計算方法の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム導入・設計ガイド(Windows(R)用)」を参照してください。

(3) ユーザ権限の設定

Collaboration - Bulletin boardの利用に合わせて,使用するユーザ権限を設定してください。

ユーザ権限の設定方法の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(Windows(R)用)」を参照してください。

(4) 文字コードの変更

Collaboration - Bulletin boardの文字コードはUTF-8を前提としています。このため,データベースを構築する前に,HiRDBの動作環境の設定(pdntenv)コマンドで,使用する文字コードをUTF-8に変更してください。HiRDBの動作環境の設定(pdntenv)コマンドの詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)」を参照してください。

(5) RDエリアの作成

(a) RDエリアの設定条件

ここでは,次に示す条件でRDエリアを設定します。

(b) RDエリアの分類

表2-2から表2-4に示すグローバルバッファについては,「2.3.2(2)(b) グローバルバッファの計算方法」を例にしています。

(c) RDエリアの作成

HiRDBのデータベース構成変更ユティリティ(pdmod)を使用して,容量を計算の上,RDエリアの分類に示したRDエリアを作成します。RDエリアを作成する場合には,RDエリア作成SQL(Collaboration - Bulletin boardインストールディレクトリ¥sys¥hptl_clb_cbb_area.sql)を使用してください。

パラレルサーバ使用時にRDエリアを作成する場合は,RDエリア作成SQLにcreate rdarea文のserver nameオペランドを追加し,RDエリアを管理するサーバを指定してください。create rdarea文の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)」を参照してください。

また,次の項目はユーザ環境に合わせて変更してください。

なお,初期セグメント数には,次に示す最小セグメント数以上の値を指定してください。

表2-5 RDエリアの最小セグメント数

項番RDエリア最小セグメント数
1CBBRDDATA101
2CBBRDDATA201
3CBBRDDATA301
4CBBRDDATA401
5CBBRDDATA501
6CBBRDDATA601
7CBBRDDATA7015
8CBBRDINDX1016
9CBBRDINDX201
10CBBRDINDX304
11CBBRDINDX401
12CBBRDINDX5019
13CBBRDINDX603
14CBBRDINDX702
15CBBRDLOBB101
16CBBRDLOBD10587
17CBBRDLOBD20587
18CBBRDLOBI1048,861
19CBBRDLOBI2048,861

データベース構成変更ユティリティ(pdmod)の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)」を参照してください。

(6) HiRDB Text Search Plug-inの設定

(a) 使用するプラグイン

Collaboration - Bulletin boardでは,記事の件名や,添付ファイルなどの全文検索には,HiRDB Text Search Plug-inを使用します。HiRDB Text Search Plug-in設定時の注意事項を次に示します。

なお,SGMLプラグイン,およびn-gramインデクスプラグインの設定方法の詳細は,マニュアル「HiRDB 全文検索プラグイン HiRDB Text Search Plug-in Version 9」,およびマニュアル「HiRDB 全文検索プラグイン HiRDB Text Search Plug-in Version 9(32)」を参照してください。

(b) プラグインコンフィグで指定するパラメタ

Collaboration - Bulletin boardを利用するために,SGMLプラグインとn-gramインデクスプラグインの環境定義ファイルで指定するパラメタを次の表に示します。

表2-6 SGMLプラグインの定義項目

項番パラメタ項目
1phs_search_wait「nowait_with_update」を指定します。

表2-7 n-gramインデクスプラグインの定義項目

項番パラメタ項目
1phn_lock_pool_sizeHiRDB Text Search Plug-inの見積もり式に従って算出した値(単位:KB)を指定します。
2phn_mem_build添付されるファイルの平均サイズの10倍を目安に値(単位:KB)を指定します。
3phn_mem_search検索で使用するメモリサイズ(単位:KB)を指定します。
使用できる物理メモリ÷同時実行数を目安にメモリを指定します。ただし,メモリが十分に確保できない場合は,不足分を補うため,ワークファイルを使用してください。この場合は,phn_opt_searchパラメタおよびphn_dir_searchパラメタも指定してください。
4phn_opt_search「file」を指定します。
5phn_dir_searchワークファイルの作成ディレクトリを指定します。

(7) テーブルおよびインデクスの作成

HiRDBのデータベース定義ユティリティ(pddef)コマンドを使用して,テーブルおよびインデクスを作成します。テーブルおよびインデクスを作成する場合には,テーブル・インデクス作成SQL(Collaboration - Bulletin boardインストールディレクトリ¥sys¥hptl_clb_cbb_table.sql)を使用してください。

データベース定義ユティリティ(pddef)の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)」を参照してください。

(8) マスタレコードの作成

HiRDBの会話型SQL実行ユティリティ(pdsql)を使用してマスタレコードを作成します。マスタレコードを作成する場合には,マスタレコードファイル(Collaboration - Bulletin boardインストールディレクトリ¥sys¥hptl_clb_cbb_master.sql),およびシーケンスマスタレコードファイル(Collaboration - Bulletin boardインストールディレクトリ¥sys¥hptl_clb_cbb_master_sequence.sql)を使用してください。なお,シーケンスマスタレコードファイルは再登録しないでください。

HiRDB SQL Executerを所有していない場合は,データベース作成ユティリティ(pdload)コマンドで使用できるマスタレコードファイルを使用します。

会話型SQL実行ユティリティ(pdsql),およびデータベース作成ユティリティ(pdload)の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)」を参照してください。