付録D.6 Collaboration - Bulletin board 01-35からCollaboration - Bulletin board 01-90に移行する場合の作業

Collaboration - Bulletin board 01-35からCollaboration - Bulletin board 01-90に移行する場合の作業を次に示します。

<この項の構成>
(1) バックアップ
(2) インストール
(3) 環境構築

(1) バックアップ

Collaboration - Bulletin boardを移行する前に,運用ディレクトリおよびデータベースのバックアップを取得してください。

(a) ファイルのバックアップ

Collaboration - Bulletin board 01-35の運用ディレクトリ¥confに格納されている次に示すプロパティファイルのバックアップを取得します。

なお,運用ディレクトリすべてのバックアップを取得する場合は,個別に前記のプロパティファイルのバックアップを取得する必要はありません。

(b) データベースのバックアップ

Collaboration - Bulletin board 01-35で使用しているデータベースのバックアップを取得します。バックアップの取得方法の詳細は,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(Windows(R)用)」,およびマニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(Windows(R)用)」を参照してください。

バックアップは,HiRDBシステム全体だけでなく,RDエリア単位でも取得できます。バックアップ取得方法の一つの例を次の表に示します。

表D-27 バックアップ取得方法の例(Collaboration - Bulletin board 01-35)

項番バックアップ取得方法RDエリア単位でバックアップを取得する方法
1データベース複写ユティリティ(pdcopy)コマンド-rオプションを指定
2HiRDB Control Managerの使用「RDエリア」または「表/インデクス」を選択

移行によって更新されるテーブルが格納されているRDエリアだけのバックアップを取得するための情報として,更新されるテーブルとテーブルの処理対象RDエリアを次の表に示します。

表D-28 更新されるテーブルと処理対象RDエリア(Collaboration - Bulletin board 01-35)

項番更新されるテーブル処理対象RDエリア関連するインデクスRDエリア
1パラメタ管理テーブルCBBRDDATA70CBBRDINDX50

なお,バックアップを取得するRDエリアは処理対象のRDエリアだけでなく,処理によって更新されるRDエリア(データディクショナリ用RDエリアなど)のバックアップを取得する必要があります。同時にバックアップを取得する必要があるRDエリアについては,マニュアル「ノンストップデータベース HiRDB Version 9 システム運用ガイド(Windows(R)用)」を参照してください。

(2) インストール

上書きインストールができます。

定義ファイルなどは,すべて運用ディレクトリにコピーされているため,すべてのファイルが上書きされます。

(3) 環境構築

次に示すことを実行します。

(a) データベースサーバのバージョンアップ

データベースサーバをバージョンアップします。

なお,SQLファイルは,データベースのカラム,インデクス,レコードを追加および更新するため,現在使用しているバージョンに従って「HiRDBコマンドプロンプト」でコマンドを実行します。テーブル定義などのSQL文を実行するため,接続ユーザ(認可識別子)をCollaboration - Bulletin boardで使用している接続ユーザ(認可識別子)に変更してください。

接続ユーザを変更するには,次のコマンドを実行します。

> set PDUSER=認可識別子/パスワード

データベースサーバのバージョンアップに必要な作業を説明します。

SQLファイルを実行することで,追加および更新されるデータベースのレコードを次の表に示します。

表D-29 追加および更新されるデータベースのインデクス(Collaboration - Bulletin board 01-35)

項番テーブル名インデクスID項目内容
1掲示板テーブルidx_forum1上位掲示板ID,掲示板状態追加
2掲示板テーブルidx_forum2掲示板状態追加
3掲示板テーブルidx_forum3最上位掲示板ID,掲示板状態追加
4採番1テーブルidx_sequence1種類追加
5採番2テーブルidx_sequence2種類追加

表D-30 追加されるデータベースのレコード(Collaboration - Bulletin board 01-35)

項番テーブル名キー名称
1パラメタ管理テーブルdef_orgcol※1[記事一覧]画面の所属組織名の表示位置デフォルト値(ワークプレースモード)
2def_orgcoldgt※1[記事一覧]画面の所属組織名の表示位置デフォルト値(レイアウトモード)
3def_yetterminfoview※1未読の記事を新着として扱う期間
4def_noticeurl※2[記事参照]画面を参照するURL
5def_collapse_disp※3掲示板一覧の折り畳み表示有無
注※1
hptl_clb_cbb_shift_0150.sqlの実行で追加されます。
注※2
hptl_clb_cbb_shift_0183.sqlの実行で追加されます。
注※3
hptl_clb_cbb_shift_0187.sqlの実行で追加されます。

表D-31 追加されるRDエリア(Collaboration - Bulletin board 01-35)

項番RDエリア格納されるインデクス内容
1CBBRDINDX60
  • idx_forum1
  • idx_forum2
  • idx_forum3
追加
2CBBRDINDX70
  • idx_sequence1
  • idx_sequence2
追加
(b) RDエリアの拡張

各RDエリアで必要なセグメント数を計算します。

計算方法の詳細は,「2.3.2(1) データベース容量の見積もり」を参照してください。

計算した値より現在使用しているRDエリアのセグメント数が小さい場合は,pdmodコマンドを実行して,不足しているRDエリアのセグメント数の分だけ拡張してください。

pdmodコマンドの実行例を次に示します。

>pdmod -a D:¥work¥expand.txt

D:¥work¥expand.txtの内容の例を次に示します。

expand rdarea CBBRDDATA10
      file name "D:¥Hitachi¥hirdb_s¥area¥cbb¥CBBRDDATA10-2"
      initial 500 segments ;

なお,次に示すRDエリアは,RDエリアのセグメント数だけでなくAvailable Work Areaの容量も確認する必要があります。

Available Work Areaの容量が不足している場合は拡張してください。

Available Work Areaの容量の確認方法,および拡張方法については,「● Available Work Areaの拡張」を参照してください。

●Available Work Areaの拡張

次の見積もり式を使用して,本文テーブル(全文検索用テキストデータ)のインデクス,および添付ファイル(全文検索用テキストデータ)のインデクスのAvailable Work Areaの容量を算出します。なお,Available Work Areaの容量の単位はバイトです。

本文テーブル(全文検索用テキストデータ)のインデクスのAvailable Work Areaの見積もり式
200×1024×1024+CMN×RRN×(CSB+CTX+UNJ+UNE+4)×PUU×7
添付ファイル(全文検索用テキストデータ)のインデクスのAvailable Work Areaの見積もり式
200×1024×1024+PFN×PFP×CMN×RRN×PTS×PUU×7
見積もり式で使用している記号の意味
PUU:本文,主題,人の名前,および添付ファイルの内容に含まれるWindows Vistaで拡張された文字(JIS X0213)の割合(範囲:0.0~1.0 例:12.3%の場合は0.123)
これ以外の記号の詳細は,「付録C.2 値の説明で使用する記号」を参照してください。

算出した値より現在使用しているAvailable Work Areaの容量の方が少ない場合は,pdmodコマンドを使用して,次に示すRDエリアを不足している分だけ拡張してください。

pdmodコマンドの実行例を次に示します。

>pdmod -a D:¥work¥expandlob.txt

D:¥work¥expandlob.txtの内容を次に示します。

expand rdarea CBBRDLOBI10
      file name "D:¥Hitachi¥hirdb_s¥area¥cbblob¥CBBRDLOBI10-2"
      initial 500 segments ;
expand rdarea CBBRDLOBI20
      file name "D:¥Hitachi¥hirdb_s¥area¥cbblob¥CBBRDLOBI20-2"
      initial 500 segments ;

拡張した値は,すべてAvailable Work Areaに割り当てられます。

なお,現在使用しているAvailable Work Areaの容量を確認するには,インデクス情報の取得ユティリティ(phnidxls)を使用します。

phnidxlsのオプションは,次のように指定します。

-d オプション
Available Work Areaの容量を確認したいインデクスのインデクス識別子を指定します。idx_contents2,またはidx_apdfile2を指定してください。
-r オプション
-d オプションに指定したインデクスが存在するRDエリア名を指定します。CBBRDLOBI10,またはCBBRDLOBI20を指定してください。
指定例
本文テーブル(全文検索用テキストデータ)のインデクスの場合

phnidxls -d idx_contents2 -r CBBRDLOBI10

添付ファイル(全文検索用テキストデータ)のインデクスの場合

phnidxls -d idx_apdfile2 -r CBBRDLOBI20

インデクス情報の取得ユティリティ(phnidxls)の詳細は,マニュアル「HiRDB 全文検索プラグイン HiRDB Text Search Plug-in Version 9」,およびマニュアル「HiRDB 全文検索プラグイン HiRDB Text Search Plug-in Version 9(32)」を参照してください。

(c) インデクス情報の変更

インデクス情報変更ユティリティ(phnmodidx)を使用して,次のインデクスの情報をUCS2からUCS4に変更します。

phnmodidxのオプションは,次のように指定します。

-d オプション
情報を変更するインデクスのインデクス識別子を指定します。idx_contents2,またはidx_apdfile2を指定してください。
-v オプション
変更するインデクス定義項目を指定します。"INDEX_TYPE=UCS4"を指定してください。
指定例
本文テーブル(全文検索用テキストデータ)のインデクス情報を変更する場合

phnmodidx -d idx_contents2 -v "INDEX_TYPE=UCS4"

添付ファイル(全文検索用テキストデータ)のインデクス情報を変更する場合

phnmodidx -d idx_apdfile2 -v "INDEX_TYPE=UCS4"

インデクス情報変更ユティリティ(phnmodidx)の詳細は,マニュアル「HiRDB 全文検索プラグイン HiRDB Text Search Plug-in Version 9」,およびマニュアル「HiRDB 全文検索プラグイン HiRDB Text Search Plug-in Version 9(32)」を参照してください。

(d) グローバルバッファの割り当て

グローバルバッファを割り当てるための記述をHiRDBのシステム定義ファイルに追加します。グローバルバッファに割り当てるサイズについては,「2.3.2(2)(b) グローバルバッファの計算方法」を参照してください。

グローバルバッファとRDエリアを一対一で割り当てる場合のHiRDBのシステム定義ファイルへの記述例は,次に示すファイルを参照してください。

Collaboration - Bulletin boardインストールディレクトリ¥sys¥hptl_clb_cbb_pdsys_shift_0150.txt

(e) アプリケーションサーバのバージョンアップ

次に示すことを実施します。

Collaboration - Bulletin board 01-35からCollaboration - Bulletin board 01-90に移行する場合の運用ディレクトリの更新内容を次の表に示します。

表D-32 Collaboration - Bulletin board 01-35からCollaboration - Bulletin board 01-90に移行する場合の運用ディレクトリの更新内容

項番ディレクトリファイル名更新内容
1運用ディレクトリ¥confhptl_clb_cbb_engine.properties上書き※1
2hptl_clb_cbb_command.properties上書き※2
3hptl_clb_cbb_sysrange.properties上書き
4hptl_clb_cbb_view.properties上書き
5運用ディレクトリ¥libhptl_clb_cbb_command.jar上書き
6運用ディレクトリ¥bincbbcmdsetup.exe上書き
7cbbcmdsetup.exe.manifest追加
注※1
付録D.6(1)(a)でバックアップを取得したhptl_clb_cbb_engine.propertiesの内容を,運用ディレクトリのhptl_clb_cbb_engine.propertiesに反映します。更新内容の詳細は,図D-11を参照してください。
注※2
付録D.6(1)(a)でバックアップを取得したhptl_clb_cbb_command.propertiesの内容を,運用ディレクトリのhptl_clb_cbb_command.propertiesに反映します。更新内容の詳細は,図D-12を参照してください。

hptl_clb_cbb_engine.propertiesの更新内容を図D-11に,hptl_clb_cbb_command.propertiesの更新内容を図D-12に示します。

図D-11 hptl_clb_cbb_engine.propertiesの更新内容(プロパティの追加)

hptl_clb_cbb_work_dir_path =
hptl_clb_cbb_work_dir_num = 1000

図に示すプロパティが追加されます。

図D-12 hptl_clb_cbb_command.propertiesの更新内容(プロパティの追加)

hptl_clb_cbb_notice_message_count = 100
hptl_clb_cbb_notice_identifier_max_num = 10000
hptl_clb_cbb_notice_max_num = 2000
def_orgcol = 0
def_orgcoldgt = 0
def_yetterminfoview = 0
def_collapse_disp = 0

図に示すプロパティが追加されます。

(f) ユティリティ

次に示すことを実施します。