9.3.2 File Sharingクライアントで発生した障害情報の取得
File Sharingの運用中に障害が発生した場合,障害の種類を切り分けたり障害の原因を究明したりするために,トレースなどのトラブルシュート情報を取得する必要があります。
File Sharingクライアントで発生した障害に関する障害情報を取得するには,File Sharingクライアントの障害情報取得コマンド(EDMGetRasCL)を使用できます。このコマンドを使用すると,必要なトラブルシュート情報を指定したディレクトリに退避できます。
ここでは,File Sharingクライアントの障害情報取得コマンド(EDMGetRasCL)を実行して取得できる障害情報の種類,構成および取得情報のカスタマイズ方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 取得できる障害情報の種類
- (2) 障害情報が出力されるファイル
(1) 取得できる障害情報の種類
File Sharingクライアントの障害情報取得コマンド(EDMGetRasCL)で取得できる障害情報について,次に示します。
なお,これらの情報のうち,どの情報を取得するかは,File Sharingクライアントの障害情報取得コマンド(EDMGetRasCL)実行時にオプションとして指定する収集種別によって指定できます。
- 環境変数「_HIEDMS_FTPDIR」で指定したディレクトリ¥spool下の全ファイル
ファイル転送サービスの保守情報を取得できます。
このディレクトリ下のファイルは,環境変数「_HIEDMS_FTPDIR」が設定されている場合だけ取得できます。
- 環境変数「_HIEDMS_FTPDIR」で指定したディレクトリ¥etc下の全ファイル
ファイル転送サービスのユーザ環境情報を取得できます。
このディレクトリ下のファイルは,環境変数「_HIEDMS_FTPDIR」が設定されている場合だけ取得できます。
- 環境変数「_HIEDMS_FTPDIR」で指定したディレクトリ¥tmp下の全ファイル
ファイル転送サービスのテンポラリファイルを取得できます。
このディレクトリ下のファイルは,環境変数「_HIEDMS_FTPDIR」が設定されている場合だけ取得できます。
- クライアントおよびファイル転送サービスのトレースファイル
クライアントおよびファイル転送サービスのトレースファイルを取得できます。
取得するトレースファイルは,次の順序で検索されます。
- 環境変数「_HIEDMS_TRACE_DIR」に指定したディレクトリ¥client
- 環境変数「DOCBROKERDIR」に指定したディレクトリ¥spool¥client
- {File Sharingクライアントのインストールディレクトリ}¥Client¥spool¥client
- カレントディレクトリ¥client
環境変数「_HIEDMS_TRACE_DIR」を設定していない場合は,File Sharingクライアントの障害情報取得カスタマイズファイル(getrascustom.ini)に出力先を指定することをお勧めします。
- 詳細エラーログファイル
クライアントが出力する詳細エラーログファイルを取得できます。
環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_DIR」が設定されている場合だけ取得できます。
- OS情報
次の情報を取得できます。
- verコマンドの実行結果情報
- 環境変数「SystemRoot」で指定したディレクトリ¥system32¥drivers¥etc¥Hosts
- 環境情報
setコマンドによって出力される情報を取得できます。
- イベントログ(Application.log,System.log)
システムログおよびアプリケーションログを取得できます。
- TPBrokerのトレース(環境変数「VBROKER_ADM」で指定したディレクトリ¥..¥log下の全ファイル)
TPBrokerのトレース情報を取得できます。この情報は,TPBrokerの環境変数「VBROKER_ADM」が設定されている場合だけ取得できます。なお,この環境変数が設定されていない場合,取得できません。
- File Sharingクライアントの障害情報取得カスタマイズファイル(getrascustom.ini)の[Path]セクションで指定されたファイル
getrascustom.iniの[Path]セクションで指定されたファイルを取得できます。
詳細については,「5.3.8 File Sharingクライアントの障害情報取得カスタマイズファイル(getrascustom.ini)」を参照してください。
- FileSharingクライアントの内部情報
File Sharingクライアントの内部情報を取得できます。
(2) 障害情報が出力されるファイル
障害情報は,コマンド実行時にオプションとして指定した出力先ディレクトリ下に作成される,次のディレクトリに格納されます。
EDMCL_<コンピュータ名>_ <YYYYMMDDhhmmss>ディレクトリ
また,EDMGetRasCLコマンド内で発行されるOSコマンドの実行結果は,コマンド実行時にオプションとして指定した出力先ディレクトリ下に作成される,次のファイルに出力されます。
EDM_<コンピュータ名>_<YYYYMMDDhhmmss>.txt
ディレクトリ名およびファイル名の文字列の意味は次のとおりです。
- <コンピュータ名>
- コマンドを実行したコンピュータ名を表す文字列です。
- <YYYYMMDDhhmmss>
- コマンドを実行した時刻を表す文字列です。
- YYYY:西暦年号(4けた),MM:月(2けた),DD:日(2けた),hh:時(2けた),mm:分(2けた),ss:秒(2けた)で構成されます。