1.3.1 基本プロセス構成

File Sharingサーバの基本プロセス構成を次の表に示します。

表1-2 File Sharingサーバの基本プロセス構成

プロセス名機能概要
サービス起動制御プロセスEDMSrvCtrl.exeサーバ監視プロセスを起動または停止します。
起動プロセスEDMStart.exeFile Sharingサーバを起動します。
停止プロセスEDMStop.exeFile Sharingサーバを停止します。
サーバ監視プロセスEDMDaemon.exeFile Sharingサーバを監視します。
サービスプロセス監視プロセスEDMSrvMgr.exeサービスプロセスの動作を監視します。
サービスプロセスEDMService.exeFile Sharingクライアントへ文書空間のサービスを供給します。

各プロセスについて説明します。

<この項の構成>
(1) サービス起動制御プロセス(EDMSrvCtrl.exe)
(2) 起動プロセス(EDMStart.exe)
(3) 停止プロセス(EDMStop.exe)
(4) サーバ監視プロセス(EDMDaemon.exe)
(5) サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr.exe)
(6) サービスプロセス(EDMService.exe)

(1) サービス起動制御プロセスEDMSrvCtrl.exe

サーバ監視プロセスを制御するプロセスです。

コントロールパネルの[管理ツール]-[サービス]の[サービス]ダイアログで,サービス[Collaboration - File Sharing Server]を開始することによって生成され,サーバ監視プロセスを生成します。

また,サービス[Collaboration - File Sharing Server]を停止することによって終了し,終了時に,サーバ監視プロセスに対して終了を要求します。

(2) 起動プロセスEDMStart.exe

File Sharingサーバを起動するプロセスです。システム管理者がFile Sharingサーバを起動した(EDMStartコマンドの実行)時点で生成されます。起動プロセスは,サービス起動制御プロセスに対して,File Sharingサーバの起動を要求します。

(3) 停止プロセスEDMStop.exe

File Sharingサーバを終了するプロセスです。システム管理者がFile Sharingサーバを終了した(EDMStopコマンドの実行)時点で生成されます。停止プロセスは,サービス起動制御プロセスに対して,File Sharingサーバの終了を要求します。

(4) サーバ監視プロセスEDMDaemon.exe

File Sharingサーバを監視するプロセスです。サービスプロセス監視プロセスの動作状況を監視して,サービスプロセス監視プロセスが終了した場合は,このプロセスが監視しているサービスプロセスをすべて強制終了させてから,サービスプロセス監視プロセスの再起動を実行します。このとき,強制終了したサービスプロセスに接続していたクライアントにはエラーが返却されて,サービスの提供を受けられなくなります。サーバ監視プロセスは,サービス起動制御プロセスによって生成され,サービス起動制御プロセスからの終了要求によってサービスプロセス監視プロセスへ停止要求を通知します。

(5) サービスプロセス監視プロセスEDMSrvMgr.exe

定義されている数だけサービスプロセスを生成して,そのサービスプロセスの状態を管理するプロセスです。サービスプロセスの動作状況も監視して,サービスプロセスが終了した場合は,サービスプロセスを再起動します。サービスプロセス監視プロセスは,サーバ監視プロセスによって生成され,サーバ監視プロセスからの停止要求によってサービスプロセスへ停止要求を通知します。

(6) サービスプロセスEDMService.exe

クライアントへ文書空間のサービスを供給するプロセスです。サービスプロセスは,DocumentSpace構成定義ファイルに指定されている数だけサービスプロセス監視プロセスによって生成されます。システム管理者がFile Sharingサーバを終了(EDMStopコマンドの実行)した場合,またはサービス[Collaboration - File Sharing Server]を停止した場合は,サービスプロセス監視プロセスからの停止要求によって,すべてのサービスプロセスは終了します。また,障害などによってサービスプロセスが終了した場合は,サービスプロセス監視プロセスによって再起動されます。

サービスプロセスは,1プロセス当たり複数クライアントに対してサービスを供給できます。ただし,サービスプロセスがダウンした場合,ダウンしたプロセスに接続していたクライアントにはエラーが返却されて,接続できなくなります。したがって,クライアントからの再接続が必要となります。

File Sharingサーバを長時間連続して運転すると,サービスプロセスのサイズが大きくなり,メモリ不足による障害などが起きるおそれがあります。このため,File Sharingサーバでは,サービスプロセスをリフレッシュするコマンド(EDMRefresher)を提供しています。リフレッシュとは,File Sharingサーバを停止することなく,File Sharingクライアントからの要求に対して文書空間へのサービスを供給しながら,サービスプロセスを順次再起動することです。WindowsのATコマンドなどを利用して,このコマンドを定期的に実行することで,File Sharingサーバを連続して運転できます。

EDMRefresherコマンドの詳細については,「8.2 File Sharingサーバのコマンドの詳細」の「EDMRefresher(サービスプロセスのリフレッシュ)」を参照してください。