5.3.4 動作環境定義ファイルconf.properties

File Sharingクライアントの動作については,動作環境定義ファイルに定義します。動作環境定義ファイルには,デフォルトの文書空間識別子およびトレースファイルに関する情報が定義できます。

動作環境定義ファイルの格納ディレクトリとファイル名を次に示します。

{File Sharingクライアントのインストールディレクトリ}¥Client¥etc¥conf.properties

動作環境定義ファイルは,環境に応じて編集してください。なお,動作環境定義ファイルはJ2EEサーバの起動時に一度だけ参照されます。ポートレットの動作中に動作環境定義ファイルを編集した場合は,その内容をポートレットに反映するためにJ2EEサーバを再起動してください。

<この項の構成>
(1) 動作環境定義ファイルの記述形式
(2) 動作環境定義ファイルの詳細

(1) 動作環境定義ファイルの記述形式

キー名称 = 値

(2) 動作環境定義ファイルの詳細

以降,動作環境定義ファイルに指定するプロパティについて説明します。

(a) File Sharingサーバへの接続時に必要な文書空間識別子(DefaultDocSpaceId

File Sharingサーバへの接続時に必要な文書空間識別子を,8けた-4けた-4けた-4けた-12けたの文字列で指定します。指定を省略した場合,「673d2be0-d1fd-11d0-ab59-08002be29e1d」が仮定されます。

(b) トレース出力ディレクトリのパスTracePath

トレース出力ディレクトリのパスを,印刷可能なASCIIコードで指定します。

指定を省略した場合,「{File Sharingクライアントのインストールディレクトリ}¥Client¥log」が仮定されます。

なお,トレースファイル名は「DBJComTrace0xPID_NO.log」です。「PID」はプロセス識別子で,「NO」はファイル通番です。

(c) トレースの切り替えファイル数TraceNumber

トレースファイルのサイズが上限を超えた場合に,切り替えるファイルの数を1~16の範囲の数値で指定します。切り替えるファイルの数の上限を超えると,最初のファイルに戻って出力されます。このとき,ファイルは上書きされます。

指定を省略した場合,2が仮定されます。

(d) トレースファイルの最大サイズTraceSize

トレースファイルの最大サイズを4,096~2,147,483,647(バイト)の範囲の数値で指定します。

指定を省略した場合,1,000,000が仮定されます。

(e) APトレースおよびコマンドトレースの出力ディレクトリのパスAPTracePath

次に示すトレースおよびエラーログが出力されるディレクトリのパスを指定します。印刷可能なASCIIコードで,260バイト以内で指定してください。

指定を省略した場合,または不正なパスが指定された場合は,「{File Sharingクライアントのインストールディレクトリ}¥Client¥log」が仮定されます。

トレースまたはエラーログのファイル名は次のとおりです。「PID」はプロセス識別子,「NO」はファイル通番を示します。

(f) APトレースおよびコマンドトレースの出力レベルAPTraceLevel

次に示す出力情報の出力レベルを0~30の範囲の数値で指定します。

[ファイル共有]ポートレットおよび[ファイル共有設定]ポートレットが出力するAPトレースと,File Sharingクライアント運用コマンドが出力するコマンドトレースの出力レベルの指定は共通です。

指定を省略した場合,または不正な値が指定された場合は,10が仮定されます。

出力レベルと出力情報を次の表に示します。

表5-19 APトレースの出力レベルと出力情報

種別APTraceLevelの指定値トレースレベル出力情報
APトレースおよびコマンドトレース0~9ERROR
  • すべてのエラー
10~19MANAGE
  • トレースレベルが「ERROR」の場合の出力情報
  • 内部処理の呼び出し/リターン
  • 重要な内部メソッドの入口/出口
20~29HINT
  • トレースレベルが「MANAGE」の場合の出力情報
  • 下位の内部メソッドのエラー
  • 外部から与えられたデータ
  • 重要な引数
30DEBUG
  • トレースレベルが「HINT」の場合の出力情報
  • 内部メソッドの入口・出口
  • 引数
J2EEサーバの起動プロセス標準出力または標準エラー出力0~9ERROR
  • [ファイル共有]ポートレットの開始/終了
  • [ファイル共有]ポートレットのユーザが対処できないエラー
10~19MANAGE
  • トレースレベルが「ERROR」の場合の出力情報
20~29HINT
  • トレースレベルが「MANAGE」の場合の出力情報
  • 重要な内部メソッドの入口/出口
  • 外部から与えられたデータ
30DEBUG
  • トレースレベルが「HINT」の場合の出力情報
(g) APトレースおよびコマンドトレースの切り替えファイル数APTraceNumber

[ファイル共有]ポートレットおよび[ファイル共有設定]ポートレットが出力するAPトレースファイルのサイズ,およびFile Sharingクライアント運用コマンドが出力するコマンドトレースファイルのサイズが上限を超えた場合に,切り替えるファイルの数を0~16の範囲の数値で指定します。

0を指定した場合は,APトレースおよびコマンドトレースは出力されません。切り替えるファイルの数の上限を超えると,最初のファイルに戻って出力されます。このとき,ファイルは上書きされます。

指定を省略した場合,または不正な値が指定された場合は,2が仮定されます。

(h) APトレースファイルおよびコマンドトレースファイルの最大サイズAPTraceSize

[ファイル共有]ポートレットおよび[ファイル共有設定]ポートレットが出力するAPトレースファイル,およびFile Sharingクライアント運用コマンドが出力するコマンドトレースファイルの最大サイズを4,096~2,147,483,647(バイト)の範囲の数値で指定します。

指定を省略した場合,または不正な値が指定された場合は,1,000,000が仮定されます。

(i) APエラーログおよびコマンドエラーログの切り替えファイル数APErrorLogNumber

[ファイル共有]ポートレットおよび[ファイル共有設定]ポートレットが出力するAPエラーログ,およびFile Sharingクライアント運用コマンドが出力するコマンドエラーログのファイルサイズが上限を超えた場合に,切り替えるファイルの数を1~16の範囲の数値で指定します。切り替えるファイルの数の上限を超えると,最初のファイルに戻って出力されます。このとき,ファイルは上書きされます。

指定を省略した場合,または不正な値が指定された場合は,2が仮定されます。

(j) APエラーログおよびコマンドエラーログの最大サイズAPErrorLogSize

[ファイル共有]ポートレットおよび[ファイル共有設定]ポートレットが出力するAPエラーログ,およびFile Sharingクライアント運用コマンドが出力するコマンドエラーログの最大サイズを4,096~2,147,483,647(バイト)の範囲の数値で指定します。

指定を省略した場合,または不正な値が指定された場合は,1,000,000が仮定されます。

(k) J2EEサーバの起動プロセス標準出力および標準エラー出力の出力先PromptOutput

J2EEサーバの起動プロセス標準出力の出力先を指定します。

指定を省略した場合,または「STDOUT」,「STDERR」以外の値が指定された場合は,「STDOUT」が仮定されます。