1.1.3 File Sharingのクライアントとサーバ

ここでは,File Sharingのクライアントとサーバについて説明します。

File Sharingで構築するシステムは,File Sharingクライアント,File Sharingサーバおよびデータベースサーバで構成されます。このシステムに対して,インターネットまたはイントラネット上のCollaborationのクライアントからアクセスします。

Collaborationのクライアントからファイルとフォルダを操作するには,[ファイル共有]ポートレットを使用します。また,Collaborationのクライアントからファイル実体の格納先であるファイルシステムの情報を設定するためには,[ファイル共有設定]ポートレットを使用します。File Sharingで管理するファイルとフォルダ,ならびにその操作方法の詳細は,マニュアル「Collaboration - File Sharing ユーザーズガイド」を参照してください。

File Sharingのクライアントとサーバの位置づけとデータおよび制御の流れを次の図に示します。

図1-2 File Sharingのクライアントとサーバの位置づけとデータおよび制御の流れ

[図データ]

<この項の構成>
(1) File Sharingを構成するクライアントとサーバ
(2) アクセスの流れ

(1) File Sharingを構成するクライアントとサーバ

File Sharingを構成するクライアントとサーバについて説明します。なお,これらのクライアントとサーバは,システムの規模や用途に応じて,同じマシンまたは別のマシンに配置できます。

Collaborationのクライアント
Collaborationのユーザが操作するクライアントです。Webブラウザを使用して,File Sharingシステムにアクセスします。
File Sharingクライアント
File Sharingのクライアントです。また,Collaborationのクライアントに対しては,サーバ(Collaborationのサーバ)に当たります。
File Sharingクライアントには,次に示す機能があります。
  • ポートレット機能
    File Sharingで管理されるファイルとフォルダを[ファイル共有]ポートレットで操作する機能です。また,ファイル実体を格納するファイルシステムの情報を[ファイル共有設定]ポートレットから設定する機能もあります。
  • ファイル転送機能
    File SharingサーバとFile Sharingクライアントが異なるマシン上に存在する場合に,File SharingサーバとFile Sharingクライアントの間のファイル転送を実現する機能です。
  • オブジェクト操作ツール
    File Sharingのメンテナンス用のコマンドです。ベースパス情報や最大許容サイズ情報を設定したり,ルートフォルダを削除したりするときに使用します。
  • File Sharingクライアント運用コマンド
    File Sharingのメンテナンス用のコマンドです。グループルートフォルダを作成したり,グループフォルダの運用者やアクセス権を設定したりするときに使用します。
File Sharingサーバ
File Sharingのサーバです。File Sharingを使用して共有するフォルダとファイルを管理します。
File Sharingを使用して共有するファイルの実体は,File Sharingサーバから接続可能なファイルシステムに格納されます。File Sharingサーバは,ファイルとフォルダの管理に使用する文書空間を管理し,アクセス制御機能および運用コマンドを提供します。
データベースサーバ
File Sharingでは,データベースサーバとしてHiRDBを使用します。データベースには,Collaborationシステムの中でファイルとフォルダを管理するために必要な,ファイルとフォルダの属性情報が格納されます。
参考
データベースに格納されたファイルとフォルダの属性情報は,オブジェクト指向のクラスおよびプロパティの概念を使用して管理されます。
クラスは,ファイルまたはフォルダの種類に対応した属性情報を作成するためのひな形です。それぞれのクラスには,ファイルとフォルダの管理に必要な個々の情報を格納するためのプロパティが定義されています。File Sharingでファイルやフォルダを登録すると,クラスを基に,ファイルやフォルダの属性情報を表すオブジェクトが作成されます。データベース上では,クラスはHiRDBの表に,プロパティはHiRDBの表の列に,それぞれ対応しています。オブジェクトは,HiRDBの表の行に対応しています。このため,[ファイル共有]ポートレットからファイルやフォルダを操作すると,ファイルやフォルダの属性情報を格納した表内の,該当する行のデータが更新されます。
ただし,File Sharingでは,運用上必要なクラスやプロパティの詳細情報,定義情報,インデクス情報などを記述した定義ファイルを提供しています。これらの定義ファイルをそのまま使用できるため,ユーザがデータベースの表や列を意識して,個別にクラスやプロパティについて設計したり,追加したりする必要はありません。

(2) アクセスの流れ

CollaborationのクライアントからFile Sharingのシステムへのアクセスは,[ファイル共有]ポートレット,または[ファイル共有設定]ポートレットから実行します。各ポートレットからの処理要求は,File Sharingクライアントのポートレット機能が受け付けます。

処理要求を受け付けたFile Sharingクライアントによって,File Sharingサーバへのアクセスが実行されます。なお,File SharingクライアントとFile Sharingサーバが別マシンにある場合には,ファイル実体の転送に,ファイル転送機能を使用する必要があります。

File Sharingサーバでは,File Sharingのファイルやフォルダを操作するためのメモリ空間である,文書空間を管理しています。File Sharingクライアントから要求されたファイルやフォルダの操作は,文書空間上で実行されます。

File Sharingサーバの文書空間上での操作結果は,ファイル実体と属性情報の格納先である,ファイルシステムおよびデータベースに反映されます。