ここでは,File Sharingで使用するユーザ用RDエリアの容量の見積もりについて,見積もるための準備,および見積もり方法を説明します。ユーザ用RDエリアの容量の見積もりには,文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)を実行して出力される見積もり基礎情報ファイルを用います。
File Sharingで使用するユーザ用RDエリアを次の表に示します。
表2-6 File Sharingで使用するユーザ用RDエリア
ユーザ用RDエリアの種類 | 説明 |
---|---|
ユーザ表用RDエリア | 次の情報を格納します。
|
ユーザインデクス用RDエリア | 次の情報を格納します。
|
注※ File Sharingでフォルダやファイルなどの属性情報を格納する表を作成するためのひな形です。
ユーザ用RDエリアには,表とそのインデクス,およびFile Sharingのメタ情報とそのインデクスを格納します。これらの容量は,File Sharingが管理するフォルダとファイルの数などから算出します。
ユーザ用RDエリアの容量を見積もるための準備について説明します。ユーザ用RDエリアを見積もるための準備の手順を,次の図に示します。
図2-2 ユーザ用RDエリアの容量を見積もるための準備
各手順の詳細について説明します。
次のことを検討してください。検討した内容を基に,見積もり情報定義ファイルおよび文書空間情報ファイルを編集します。
データベース容量を見積もるために,ファイル,フォルダや文字列長などの見積もり情報を定義するファイルを,見積もり情報定義ファイルといいます。システム管理者は,見積もり情報定義ファイルの内容を,検討した運用方法に合わせて編集します。編集にはMicrosoft(R) Excelなどを使用して,CSV形式で保存してください。
見積もり情報定義ファイルの格納ディレクトリとファイル名を次に示します。なお,見積もり情報定義ファイルは,文書空間の文字コード種別に指定する文字コードによって,使用するファイルが異なります。指定する文字コードに合わせたファイルを編集してください。
見積もり情報定義ファイルの詳細については,「5.2.13 見積もり情報定義ファイル」を参照してください。
文書空間の定義および構築に必要な情報を定義するファイルを,文書空間情報ファイルといいます。システム管理者は,文書空間情報ファイルの内容を,検討した運用方法に合わせて編集します。編集にはテキストエディタを使用して,TXT形式で保存してください。
文書空間情報ファイルの格納ディレクトリとファイル名を次に示します。
{File Sharingサーバのインストールディレクトリ}¥Server¥sample¥CfsDocinfo.txt
文書空間情報ファイルの詳細については,「5.2.14 文書空間情報ファイル(CfsDocinfo.txt)」を参照してください。
見積もり情報定義ファイルと文書空間情報ファイルの編集が完了したあと,編集したファイルを入力として,文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)を実行します。
コマンドの実行例を次に示します。
実行例
EDMCDefDocSpace -f {File Sharingサーバのインストールディレクトリ}¥Server¥sample¥CfsEstimatedef_UTF-8.csv |
コマンドを実行すると,{File Sharingサーバのインストールディレクトリ}¥Server¥envに,見積もり基礎情報ファイル「EDMestimate.csv」が出力されます。出力された見積もり基礎情報ファイルを基に,ユーザ用RDエリアの容量を見積もります。
見積もり基礎情報ファイルの詳細については,「5.2.15 見積もり基礎情報ファイル」を参照してください。
ユーザ用RDエリアの容量を見積もる方法について説明します。文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)で出力された見積もり基礎情報ファイルを基にして,実際に使用するRDエリアの容量を算出してください。RDエリアの容量の算出方法については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
見積もり基礎情報ファイルには,次の値が出力されます。
見積もり基礎情報ファイルのRecord Countエントリに,表に格納するレコードの総数が出力されます。
ただし,表edmClass_VTCRelationshipについては,Record Countエントリに出力された値に関係なく,レコード総数を0として計算してください。
また,表edmClass_ACLおよび表edmClass_PublicACLについては,次に示す式からレコード数を見積もってください。
見積もり基礎情報ファイルのColumn Countエントリに,表に定義する列の総数が出力されます。
見積もり基礎情報ファイルのRecord Lengthエントリに,レコードのデータサイズが出力されます。
ただし,次の表に示す表については,見積もり式からレコードのデータサイズを見積もってください。
表2-7 レコードのデータサイズの見積もり式
表名 | レコードのデータサイズの見積もり式 |
---|---|
edmClass_ACL | 84+263×(m+n) 上限値:33,748,下限値:84 |
347×p | |
edmClass_PublicACL | 344+780+263×(m+n)+l 上限値:35,824,下限値:2,148 |
cfsClass_Folder | 3,995+l×4+o |
cfsClass_File_CH | 4,299+l×4+o |
cfsClass_File_DV | 3,604+l×4 |
cfsClass_Personal | 2,066+l |
cfsClass_Community | 2,322+l |
cfsClass_Group | 2,066+l |
cfsClass_Quota | 1,546+l |
cfsClass_AssignableDrive | 2,582+l |
cfsClass_Parameter | 1,548 |
見積もり基礎情報ファイルのColumn Lengthエントリに出力された列の定義長と,AvColumn Lengthエントリに出力された列の平均文字列長を基に,インデクスのキー長を算出してください。
なお,EDMS_META_で始まる名称の表には,次に示す複数列インデクスが一つ定義されます。
EDMSMETAREGENVIDの表には,次に示す単一列インデクスが一つ定義されます。
EDMSMETAclassdefの表およびEDMSMETAdocinfoの表には,次に示す単一列インデクスが一つ定義されます。
これを考慮してインデクスを算出してください。