5.2.14 文書空間情報ファイル(CfsDocinfo.txt)

文書空間情報ファイルは,文書空間の定義および構築で使用する情報を定義するファイルです。作成したファイルは,文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)の-sオプションで指定します。システム管理者がテキストエディタなどを使用して編集して,TXT形式で保存してください。

文書空間情報ファイルの格納ディレクトリとファイル名を次に示します。

{File Sharingサーバのインストールディレクトリ}¥Server¥sample¥CfsDocinfo.txt

<この項の構成>
(1) 文書空間情報ファイルの想定値
(2) 文書空間情報ファイルのエントリ一覧
(3) 文書空間情報ファイルの記述形式
(4) 文書空間情報ファイルの詳細
(5) 文書空間情報ファイルの記述例

(1) 文書空間情報ファイルの想定値

文書空間情報ファイルの初期設定値は,次の表に示す想定値を前提として設定されています。この表の値を参考に,運用環境に合わせた値を設定してください。

表5-16 文書空間情報ファイルの初期設定値の前提

項目想定値
ユーザ総数1,000
コミュニティ総数200
グループルートフォルダの総数40
フォルダの総数38,440
ファイルの総数192,200
個人フォルダで管理するファイルの総数100,000
最大許容サイズ情報の設定数3
ベースパス情報の設定数3
個人フォルダで管理するファイルに参照権を設定する平均ユーザ数16
個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数1,000
コミュニティフォルダで更新権,作成権/削除権を設定する平均役割数16
グループフォルダの運用者に設定するユーザ数と組織数の平均値2
グループフォルダで管理するフォルダに参照権,作成権,更新権および削除権を設定するユーザ数と組織数の平均値16
グループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数240

(2) 文書空間情報ファイルのエントリ一覧

文書空間情報ファイルで指定するエントリを示します。各エントリの詳細は,「(4) 文書空間情報ファイルの詳細」を参照してください。

(a) [System]セクション

システム全体のパラメタを定義します。[System]セクションを構成する各エントリを次の表に示します。

表5-17 [System]セクションのエントリ一覧

設定項目エントリ指定内容指定方法
アクセス制御機能の使用の有無AccessControlアクセス制御機能の使用の有無固定
パブリックACLPublicACLCountパブリックACLの作成オブジェクト数変更要
AvBindPublicACLCountパブリックACLの平均バインド数固定
ローカルACLAvLocalACECountローカルACLのACE数変更要
セキュリティACLAvSecurityACECountセキュリティACLの平均ACE数固定
リファレンスファイル管理機能の使用の有無ReferenceFileリファレンスファイル管理機能の使用の有無固定
文書空間の文字コード種別DocSpaceCharacterSet文書空間の文字コード種別変更要
(凡例)
固定:文書空間情報ファイルの初期設定値を変更してはならない項目です(必須)。
変更要:文書空間情報ファイルの初期設定値を実行環境に応じて変更する項目です(必須)。

(b) [RdAreaName]セクション

RDエリア名を定義します。[RdAreaName]セクションを構成する各エントリを次の表に示します。

表5-18 [RdAreaName]セクションのエントリ一覧

設定項目エントリ指定内容指定方法
メタ情報格納用のRDエリアMetaTblNameメタ情報の表を格納するRDエリアのRDエリア名任意
MetaIdxNameメタ情報の表に定義されるインデクスを格納するRDエリアのRDエリア名任意
システム用RDエリアSysTblNameシステムが定義する表を格納するRDエリアのRDエリア名任意
SysIdxNameシステムが定義する表に定義されるインデクスを格納するRDエリアのRDエリア名任意
ユーザ用RDエリアUsrTblNameユーザが定義する表を格納するRDエリアのRDエリア名任意
UsrIdxNameユーザが定義する表に定義されるインデクスを格納するRDエリアのRDエリア名任意
LOB列格納用RDエリアDocTblName文書用LOBエリアを格納するRDエリアのRDエリア名任意
SgmlTblNameSGML用LOBエリアを格納するRDエリアのRDエリア名任意
(凡例)
任意:任意で指定する項目です(省略可)。

(3) 文書空間情報ファイルの記述形式

[セクション名]
   エントリ名 = 値

(4) 文書空間情報ファイルの詳細

文書空間情報ファイルは,次に示す二つのセクションと各セクションに指定するエントリによって構成されます。

以降,文書空間情報ファイルを構成する各セクションとセクションごとに指定するエントリについて説明します。

(a) [System]セクション

システム全体のパラメタを定義します。[System]セクションを構成する各エントリは次のとおりです。

AccessControlエントリ
アクセス制御機能の使用の有無を指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「ON」(アクセス制御機能を使用する)です。この値は変更しないでください。
PublicACLCountエントリ
パブリックACLを作成するオブジェクト数を0~2,147,483,647の範囲で指定します。文書空間情報ファイルの初期設定値は3,560です。
オブジェクト数は次の計算式で求めます。
オブジェクト数
=ユーザ総数×2+個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数+コミュニティ総数+グループルートフォルダの総数×3+グループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数
AvBindPublicACLCountエントリ
パブリックACLの平均バインド数を指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は1です。この値は変更しないでください。
AvLocalACECountエントリ
ローカルACLの平均ACE数を0~64の範囲で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は4です。
ローカルACLの平均ACE数は次の計算式で求めます。
ローカルACLの平均ACE数
=((A+9)×B+C+D×E+F×G+I×(J+K)+L×J)÷(B×2+C×3+H+I×4+L+M+N×2+O+P)
変数の意味を次に示します。
変数意味
Aコミュニティで更新権または作成/削除権を設定する平均役割数
Bコミュニティ総数
Cユーザ総数
D個人フォルダで管理するファイルの総数
E個人フォルダで管理するファイルに参照権を設定する平均ユーザ数
F個人フォルダで管理するフォルダの総数
G個人フォルダで管理するフォルダに参照権を設定する平均ユーザ数
H個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数
Iグループルートフォルダの総数
Jグループフォルダで参照権,作成権,更新権および削除権を設定するユーザ数と組織数の平均
Kグループフォルダに設定する運用者のユーザ数と組織数の平均
Lグループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数
Mフォルダの総数
Nファイルの総数
Oベースパス情報の設定数
P最大許容サイズ情報の設定数
AvSecurityACECountエントリ
セキュリティACLの平均ACE数を指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は1です。この値は変更しないでください。
ReferenceFileエントリ
リファレンスファイル管理機能の使用の有無を指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「ON」(リファレンスファイル管理機能を使用する)です。この値は変更しないでください。
DocSpaceCharacterSetエントリ
文書空間の文字コード種別を指定します。
[ファイル共有]ポートレットで日本語および英語だけを使用する運用の場合は,文書空間の文字コード種別をUTF-8(推奨)またはShift-JISとしてください。また,日本語および英語以外の言語も使用する運用の場合は,文書空間の文字コード種別をUTF-8としてください。
  • UTF-8
    文書空間の文字コード種別をUTF-8とします。
  • SJIS
    文書空間の文字コード種別をShift-JISとします。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「UTF-8」です。エントリの指定を省略した場合,「SJIS」が仮定されます。
(b) [RdAreaName]セクション

RDエリア名を定義します。[RdAreaName]セクションを構成する各エントリは次のとおりです。

MetaTblNameエントリ
メタ情報の表(「EDMS_META」で始まる表)を格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_METATBL」です。
エントリの指定を省略した場合,「METATBL」が仮定されます。
MetaIdxNameエントリ
メタ情報の表(「EDMS_META」で始まる表)に定義されるインデクスを格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_METAIDX」です。
エントリの指定を省略した場合,「METAIDX」が仮定されます。
SysTblNameエントリ
「dmaClass」または「edmClass」で始まる表を格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_SYSTBL」です。
エントリの指定を省略した場合,「SYSTBL」が仮定されます。
SysIdxNameエントリ
「dmaClass」または「edmClass」で始まる表に定義されるインデクスを格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_SYSIDX」です。
エントリの指定を省略した場合,「SYSIDX」が仮定されます。
UsrTblNameエントリ
「cfsClass」で始まる表を格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_USRTBL」です。
エントリの指定を省略した場合,「USRTBL」が仮定されます。
UsrIdxNameエントリ
「cfsClass」で始まる表に定義されるインデクスを格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_USRIDX」です。
エントリの指定を省略した場合,「USRIDX」が仮定されます。
DocTblNameエントリ
文書用LOBエリアを格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_DOC01」です。
エントリの指定を省略した場合,「DOC」が仮定されます。
SgmlTblNameエントリ
SGML用LOBエリアを格納するRDエリアのRDエリア名を,1~23(バイト)の文字列で指定します。
文書空間情報ファイルの初期設定値は「CFS_SGML01」です。
エントリの指定を省略した場合,「SGML」が仮定されます。
注意
  • RDエリア名には,すでに使われているRDエリア名を指定しないでください。
    すでに使われているRDエリア名を指定した場合も,エラーかどうかはチェックされません。
  • RDエリア名には,空白または「-」(ハイフン)を含む名称は指定しないでください。
    空白を含むRDエリア名を指定した場合,文書空間の構築コマンド(EDMCBuildDocSpace)実行時にKMBR16920-Eのメッセージ(要因コード:rc=5)またはKMBR10226-Wのメッセージが出力されてエラーとなるか,またはデータベース定義ユティリティ実行時にデータベースのエラーとなります。
    「-」(ハイフン)を含むRDエリア名を指定した場合,文書空間の構築コマンド(EDMCBuildDocSpace)実行時,またはHiRDBのデータベース定義ユティリティ実行時にデータベースのエラーとなります。
  • DocTblNameエントリとSgmlTblNameエントリには,重複しないRDエリア名を指定してください。

(5) 文書空間情報ファイルの記述例

文書空間情報ファイルの次に示すエントリ(記述例の太字の個所)を,実行環境に応じて変更してください。

文書空間情報ファイルの記述例を次に示します。

[System]
AccessControl = ON
PublicACLCount = 1560
AvBindPublicACLCount = 1
AvLocalACECount = 4
AvSecurityACECount = 1
ReferenceFile = ON
DocSpaceCharacterSet = UTF-8

[RdAreaName]
MetaTblName = CFS_METATBL
MetaIdxName = CFS_METAIDX
SysTblName = CFS_SYSTBL
SysIdxName = CFS_SYSIDX
UsrTblName = CFS_USRTBL
UsrIdxName = CFS_USRIDX
DocTblName = CFS_DOC01
SgmlTblName = CFS_SGML01