ルートフォルダを作成すると,ディスクの容量のうち,ルートフォルダに設定されている最大許容サイズ分の容量が予約されます。しかし,ルートフォルダ単位の使用率が低いと,予約されるだけで使用されていない領域ができてしまいます。このような予約されるだけで使用されていない領域が増えて,予約量が最大予約可能容量に達してしまったときは,ベースパス情報の最大予約可能容量を拡張して,最大使用可能容量よりも大きな値を最大予約可能容量に設定します。
運用を開始したあとに,ベースパス情報の最大予約可能容量を拡張して,最大使用可能容量よりも大きな値を最大予約可能容量に設定する場合の,最大予約可能容量の見積もりについて説明します。
なお,ベースパス情報の最大予約可能容量を拡張して,最大使用可能容量よりも大きな値を最大予約可能容量に設定する場合の運用の例については,「6.2.4(2) ベースパス情報の最大予約可能容量を拡張し,使用量を監視する運用例」を参照してください。
最大予約可能容量は,次の手順で見積もります。
x=↑UC×MUS÷US↑ |
C=↑RS÷UC×x↑ |
VS>=ΣC |
見積もり式と条件式の変数および記号の意味は次のとおりです。
変数および記号 | 意味 |
---|---|
C | ベースパス情報の最大予約可能容量です。 |
MUS | ベースパス情報の最大使用可能容量です。 |
RS | ベースパス情報の予約量です。 |
UC | ベースパス情報の使用数です。 |
US | ベースパス情報の使用量です。 |
VS | ベースパス情報に設定するパスが含まれるディスクを将来的に拡張できる容量です。 |
x | 最大使用可能容量の範囲で作成できるルートフォルダの総数です。 |
Σ | 変数Cの値を集計することを意味します。 |
↑ ↑ | 小数点以下の値を切り上げることを意味しています。 |
見積もった最大予約可能容量は,[プロパティ設定]画面から変更してください。
なお,ベースパス情報の最大予約可能容量に最大使用可能容量よりも大きな値を設定する場合,予約量が最大使用可能容量を超えることがあります。このようなときは,ベースパス情報の使用量の確認コマンド(cfschkusdspc)を定期的に実行して,使用量が最大使用可能容量を超えていないかを確認する必要があります。このコマンドの実行回数の見積もりについては,「7.5.2 ベースパス情報の使用量の監視」を参照してください。
最大使用可能容量よりも大きな値を設定する場合の,ベースパス情報の最大予約可能容量の見積もり例について説明します。
この例での前提を次に示します。
項番 | 種別 | 名前 | 条件種別 | 条件値 | パス | 最大予約可能容量 | 最大使用可能容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 個人 | 1課 | 所属組織 | 1G | E:¥FILE1¥1G | 30GB | 15GB |
2 | 個人 | 2課 | 所属組織 | 2G | E:¥FILE1¥2G | 40GB | 20GB |
3 | 個人 | 3課 | 所属組織 | 3G | E:¥FILE1¥3G | 60GB | 30GB |
項番 | 名前 | 最大予約可能容量 | 予約量 | 最大予約可能容量に対する空き容量 | 最大使用可能容量 | 使用量 | 最大使用可能容量に対する空き容量 | 使用数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1課 | 30GB | 18GB | 12GB | 30GB | 10GB | 20GB | 36 |
2 | 2課 | 40GB | 40GB | 0GB | 40GB | 16GB | 24GB | 80 |
3 | 3課 | 60GB | 24GB | 36GB | 60GB | 18GB | 42GB | 48 |
見積もり例の前提から,最大予約可能容量に対する空き容量が0GBになっている,名前「2課」のベースパス情報の最大予約可能容量を見積もります。
手順に従って,最大予約可能容量を算出します。
x=↑80個×40GB÷16GB↑ |
C=↑40GB÷80個×200個↑ |
200GB>30GB+100GB+60GB |