9.1.5 文書空間へのアクセスログ

File Sharingでは,文書空間へのアクセスを記録したアクセスログファイルが出力できます。指定した出力レベルに応じて,Writeレベル,Readレベル,Errorレベルのアクセスログ情報が出力されます。文書空間にアクセスする処理を実行しているときに障害が発生した場合,必要に応じて確認してください。

なお,アクセスログを出力するための設定は,File Sharingサーバの文書空間に定義しておく必要があります。

<この項の構成>
(1) 出力先ディレクトリとファイル名
(2) 出力方法
(3) 出力形式
(4) 出力情報

(1) 出力先ディレクトリとファイル名

アクセスログファイルの出力先ディレクトリとファイル名を次に示します(NO:出力ファイル通番)。

{File Sharingサーバのインストールディレクトリ}¥Server¥spool¥aclog¥EDMAccess_NO.log

(2) 出力方法

アクセスログを取得する場合の制御情報は,DocumentSpace構成定義ファイルの[Entry0001]セクションを構成する次のエントリの指定方法に依存します。

アクセスログの管理方法に従って,最適な設定をしてください。各エントリの指定方法については,「5.2.3 DocumentSpace構成定義ファイル(docspace.ini)」を参照してください。

ポイント
File Sharingサーバを再起動した場合,継続して最終更新ファイルにアクセスログを出力します。

(3) 出力形式

アクセスログファイルの出力形式を次に示します。

yyyy/mm/dd hh:mm:ss. ms UserID LogInformation

なお,LogInformation内は,スペースで区切られて出力されます。カラム位置は調整されません。次に,アクセスログの各項目を説明します。

yyyy/mm/dd
アクセスした日付(年,月,日)を示します。
hh:mm:ss. ms
アクセスした時間(時,分,秒,ミリ秒)を示します。
UserID
アクセスしたユーザのユーザ識別子を示します。
LogInformation
出力ログ情報を示します。

(4) 出力情報

File Sharingサーバの処理に対して出力される出力ログ情報について説明します。

(a) 出力ログ情報の一覧

出力ログ情報の一覧を次の表に示します。

表9-4 アクセスログの出力ログ情報

操作出力ログ情報出力レベル
セッションの確立CONNECT <文書空間識別子>W,R,E
セッションの切断DISCONNECTW,R,E
オブジェクトの作成CREATE OBJECT <OIID>W,R,E
オブジェクトの削除DELETE OBJECT <OIID>W,R,E
オブジェクト間の関連づけの設定LINK <上位オブジェクトのOIID> <下位オブジェクトのOIID>W,R,E
オブジェクト間の関連づけの解除UNLINK <上位オブジェクトのOIID> <下位オブジェクトのOIID>W,R,E
プロパティの取得GET PROPERTIES <OIID>R,E
プロパティの設定SET PROPERTIES <OIID>W,R,E
ファイルのダウンロードDOWNLOAD CONTENT <OIID>R,E
ファイルのアップロードUPLOAD CONTENT <OIID>W,R,E
オブジェクトの上位フォルダ一覧の取得LIST PARENTS <OIID>R,E
下位オブジェクト一覧の取得LIST CHILDREN <OIID>R,E
問い合わせの実行EXECUTE SEARCH <From句のクラス識別子の並び(16個まで)>R,E
問い合わせ結果の取得GET RESULTR,E
エラーERRORE
(凡例)
W:
Writeレベルです。セッションの確立/切断,オブジェクトの作成,削除,更新,オブジェクト間の関連づけなどのアクセスレベルについて,アクセスログへの出力を指定します。
R:
Readレベルです。Writeレベルの出力に加えて,プロパティ参照,検索などのアクセスレベルについて,アクセスログへの出力を指定します。
E:
Errorレベルです。Readレベルの出力に加えて,該当する処理でエラーが発生した場合についてもアクセスログへの出力を指定します。
(b) 出力ログ情報の詳細
文書空間識別子
文書空間の定義(DocumentSpace構成定義ファイルSerialIdエントリ)で設定した値です。
OIID
操作したオブジェクトのOIIDです。
上位オブジェクトのOIID
オブジェクト間の関連づけを設定・解除した上位フォルダのOIIDです。
下位オブジェクトのOIID
オブジェクト間の関連づけを設定・解除した下位オブジェクトのOIIDです。
From句のクラス識別子の並び(16個まで)
検索を実行する場合,検索条件として指定するFrom句のクラス識別子(36バイト)です。このクラス識別子は,連続して16個まで出力されます。出力されたそれぞれのクラス識別子の間には,半角スペース(1バイト)が入ります。出力形式(△を半角スペースとします)を次に示します。
クラス識別子△クラス識別子△・・・△クラス識別子