5.2.11 ネットワークリソース情報ファイルnetaccess.ini

ネットワークリソース情報ファイルは,ネットワーク上のファイルシステムにファイル実体を格納する場合に,格納先のベースパスをUNC形式で指定してアクセスするための情報を定義するファイルです。ベースパスをUNC形式で指定すると,それぞれのマシンでネットワークドライブを割り当てる必要がありません。

また,ネットワークリソース情報ファイルには,ファイル実体を格納しているマシンにログインするためのユーザIDとパスワードを指定します。このため,このファイルのセキュリティは確実に管理してください。

なお,ファイル実体の格納先をUNC形式で指定しない場合,このファイルを編集する必要はありません。ネットワークリソース情報ファイルが存在しない場合,またはネットワークリソース情報ファイルに[コンピュータ名]セクションが存在しない場合,File Sharingサーバは,UNC形式で指定されていないものとして動作します。

ネットワークリソース情報ファイルの格納ディレクトリとファイル名を次に示します。

{File Sharingサーバのインストールディレクトリ}¥Server¥etc¥netaccess.ini

<この項の構成>
(1) ネットワークリソース情報ファイルの記述形式
(2) ネットワークリソース情報ファイルの詳細

(1) ネットワークリソース情報ファイルの記述形式

[セクション名]
   エントリ名 = 値

(2) ネットワークリソース情報ファイルの詳細

ネットワークリソース情報ファイルは,次に示す2種類のセクションとセクションに指定するエントリによって構成されます。

以降,ネットワークリソース情報ファイルを構成する各セクションとセクションごとに指定するエントリについて説明します。

(a) [Network]セクション

ネットワークリソース情報で共通の情報を指定します。1行2,047バイト以内で指定してください。

[Network]セクションを構成する各エントリは次のとおりです。

ConnectionScopeエントリ
ネットワークへの接続期間を指定します。Serviceを指定します。ネットワークリソース情報ファイルに記述されているデフォルトは「Service」です。
  • Service
    File Sharingサーバの起動時にネットワークリソースに接続します。接続は,File Sharingサーバの停止時に切断されます。
BufferSizeエントリ
File Sharingサーバのマシンとファイルシステムが存在するマシン間のファイル転送で使用するデータ転送サイズを指定します。指定できる値の範囲は,4,096~2,147,483,647バイトです。
このエントリの記述を省略した場合は,ファイルを分割しないで転送します。
このエントリは,ファイル操作の負荷が高くなったときに,ネットワーク接続による性能劣化をチューニングするために使用します。
(b) [コンピュータ名]セクション

セクション名には,ネットワークリソースとして使用する共有名に該当するコンピュータ名またはIPアドレスを指定します。255バイト以内で指定してください。

このセクションで指定した定義は,セクション名で示すコンピュータの共有名がベースパス情報として設定された場合に有効になります。

[コンピュータ名]セクションを構成する各エントリは次のとおりです。

UserNameエントリ
セクション名で指定したコンピュータの共有名に接続してファイルを操作するユーザのユーザ名を,「"」(引用符)で囲んで指定します。セクション名で記述したコンピュータにログインできるユーザ名,かつ使用する共有名にアクセスできるユーザ名を指定してください。
[コンピュータ名]セクションを指定した場合,このエントリの指定は省略できません。省略すると,[Collaboration - File Sharing Server]サービスを起動するときに,ネットワークリソース情報ファイルの読み込みでエラーになります。
認証するドメイン名を指定する場合,ドメイン名とユーザ名の間を1バイトの「¥」で区切って,「ドメイン名¥ユーザ名」のように指定してください。なお,使用しているOSがWindows Server 2008 x86,Windows Server 2008 x64およびWindows Server 2008 R2以降の場合,ドメイン名またはコンピュータ名を必ず指定してください。
Passwordエントリ
UserNameエントリで指定したユーザ名でネットワークリソースに接続するためのパスワードを,「"」(引用符)で囲んで指定します。指定を省略した場合は,パスワード指定なしでネットワーク接続処理が実行されます。
(c) ネットワークリソース情報ファイルの記述例

ネットワークリソース情報ファイルの記述例を次に示します。この例の場合は,ネットワークリソースへの接続および接続の切断が,File Sharingサーバが起動または停止したときに実行されます。また,ファイルシステムとして「Server1」というコンピュータ名のマシンと「10.210.64.99」というIPアドレスを持つマシンに接続します。Server1にはユーザ名「domain¥user」,パスワード「password」でログインします。10.210.64.99には,ユーザ名「Guest」,パスワード指定なしでログインします。

 

[Network]
ConnectionScope = Service
BufferSize = 4096
 
[Server1]
UserName = "domain¥user"
Password = "password"
 
[10.210.64.99]
UserName = "Guest"

(d) ネットワークリソース情報ファイルの注意事項

ネットワークリソース情報ファイルを編集して,ネットワークリソースに接続する場合の注意事項を次に示します。