File Sharingクライアントを使用するために必要な環境変数を次の表に示します。
表4-1 File Sharingクライアントの環境変数一覧
環境変数名 | 内容 | 必須/任意 |
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DBR_CONNECTSV_ENVID | 接続先の実行環境識別子 | 同一文書空間に複数の実行環境を構築する場合だけ必要です。 |
DBR_CON_TIMEOUT | File Sharingサーバへの接続要求に対するFile Sharingクライアントでの接続確立待ち時間 | 設定は任意です。 |
DBR_DETAIL_ERRORLOG | 詳細メッセージ取得の有無 | 設定は任意です。 |
DBR_DETAIL_ERRORLOG_DIR | 詳細エラーログファイルの出力先パス名 | 設定は任意です。 |
DBR_DETAIL_ERRORLOG_NUM | ラップアラウンドする詳細エラーログファイルの個数 | 設定は任意です。 |
DBR_DETAIL_ERRORLOG_SIZE | 詳細エラーログファイルの容量の上限値 | 設定は任意です。 |
EDMCLASSDEFPATH | クラス定義情報ファイルの格納先 | 設定が必要です。 |
次に,環境変数の詳細を示します。
- DBR_CONNECTSV_ENVID
環境変数「DBR_CONNECTSV_ENVID」には,接続先の実行環境識別子を設定します。同一文書空間に実行環境が複数作成されていて,それらが同時に稼働しているFile Sharingサーバに接続する場合に,File Sharingクライアントで接続先を選択するときに設定します。
設定できる値は,0~254です。
同一文書空間の実行環境として複数のFile Sharingサーバが存在している場合で,この環境変数を設定しないときは,File Sharingクライアントで接続するFile Sharingサーバを選択しません。設定できる値以外の値を設定した場合は,値が設定されていないものとして動作します。
File Sharingクライアントで接続先を選択する場合は,接続先のDocumentSpace構成定義ファイルのSelectServerInMultiServerエントリにYesを指定しておく必要があります。
- DBR_CON_TIMEOUT
環境変数「DBR_CON_TIMEOUT」には,File Sharingサーバへの接続要求に対するFile Sharingクライアントでの接続確立待ち時間(秒)を設定します。
設定できる値は,0~2,147,483,647です。
0を設定した場合,TCP/IPで固有のサーバへの接続確立待ち時間(秒)が設定されます。
設定できる値以外の値を設定した場合は,0が仮定されます。
- DBR_DETAIL_ERRORLOG
環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG」は,詳細メッセージを取得する場合に指定します。詳細メッセージを取得する場合には,ONを指定してください。
- DBR_DETAIL_ERRORLOG_DIR
環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_DIR」には,詳細メッセージを取得する場合に詳細エラーログファイルを出力するためのパス名を指定します。詳細エラーログファイルは,指定したパス名のディレクトリ下に,EDMErrTraceCLXXXXX_1.log(XXXXXはプロセスID番号)のファイル名で出力されます。
なお,詳細エラーログファイルにはエラーが発生していない場合もログが出力されるので,必要に応じて詳細エラーログファイルを削除するようにしてください。
詳細エラーログファイルに出力される内容については,マニュアル「Collaboration - File Sharing メッセージ」を参照してください。
- DBR_DETAIL_ERRORLOG_NUM
環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_NUM」には,詳細メッセージを取得する場合に使用する,ラップアラウンドする詳細エラーログファイルの個数を指定します。2,147,483,647以下の値を指定してください。デフォルト値は2です。また,2未満の値を指定した場合も,2が仮定されます。
- DBR_DETAIL_ERRORLOG_SIZE
環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_SIZE」には,詳細メッセージを取得する場合に使用する詳細エラーログファイルの容量の上限値(バイト)を指定します。2,147,483,647以下の値を指定してください。デフォルト値は10,000です。
0以下の値を設定した場合,または1回の出力データ量よりも小さい値を指定した場合には,詳細メッセージは出力されません。
- EDMCLASSDEFPATH
環境変数「EDMCLASSDEFPATH」には,クラス定義情報ファイルの格納先を指定します。File Sharingクライアントのインストール時には,この環境変数の値として「{File Sharingクライアントのインストールディレクトリ}¥Client¥etc」が設定されています。クラス定義情報ファイルの詳細は,「5.3.1 クラス定義情報ファイル」を参照してください。
- 注意
- 環境変数の値と詳細エラーログファイルのラップアラウンド処理
- 1プロセスで長時間に及ぶ処理を実行する場合,出力される詳細エラーログファイルの容量が過剰に大きくなるおそれがあります。
- 詳細エラーログファイルが必要以上の容量に増加するのを防ぐため,詳細エラーログファイルはラップアラウンド処理されます。詳細エラーログファイルの容量が環境変数で指定した最大容量に達した場合,ラップアラウンド処理されて,詳細メッセージのログは最初の詳細エラーログファイルに出力されます。
- 最大容量は,次の計算式で計算します。
- (詳細エラーログファイルのサイズ(DBR_DETAIL_ERRORLOG_SIZEの指定値))×(詳細エラーログファイルの個数(DBR_DETAIL_ERRORLOG_NUMの指定値))
- 詳細エラーログファイルの出力処理は,次のようになります。
- 環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_DIR」に指定したディレクトリに,次の名称で詳細エラーログファイルが作成されます。
EDMErrTraceCLXXXXX_N.log
(XXXXXはプロセスID,Nはプロセス内のファイル番号)
- ファイルの容量が環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_SIZE」で指定した容量になったら,次の詳細エラーログファイルが作成されます。
- 環境変数「DBR_DETAIL_ERRORLOG_NUM」に指定した個数のファイルがすべて最大容量になったら,ラップアラウンドして再び先頭のファイルにログが出力されます。