7.6 個人フォルダとコミュニティフォルダの運用

ここでは,[ファイル共有]ポートレットで操作する,個人フォルダとコミュニティフォルダの運用方法について説明します。個人フォルダとコミュニティフォルダの操作方法については,マニュアル「Collaboration - File Sharing ユーザーズガイド」を参照してください。

個人ルートフォルダとコミュニティルートフォルダの運用・保守には,オブジェクト操作ツールを使用します。オブジェクト操作ツールとは,File Sharingサーバで管理している文書空間およびデータベースに格納されているオブジェクト(フォルダ,ユーザ情報など)をコマンドによって直接操作するためのツールです。

ここでは,オブジェクト操作ツールを使用した運用の手順について説明します。使用するコマンドの詳細は,「8.6 オブジェクト操作ツールのコマンドの詳細」を参照してください。

個人フォルダおよびコミュニティフォルダの作成・削除の契機を次の表に示します。

表7-3 個人フォルダおよびコミュニティフォルダの作成・削除の契機

種別ファイルまたはフォルダの種類作成・削除の契機
個人フォルダ個人ルートフォルダ
  • 該当するユーザがポータルを経由して初めてFile Sharingサーバにログインするときに自動的に作成されます。
  • セキュリティ管理者※1がオブジェクト操作ツールのコマンドを使用して削除します。手順の詳細は,「7.6.1 個人ルートフォルダの削除」を参照してください。
そのほかのファイルおよびフォルダ該当するユーザがポートレットを使用して作成・削除します。
また,セキュリティ管理者が個人ルートフォルダの削除と同時に削除することもできます。
コミュニティフォルダコミュニティルートフォルダ
  • Collaboration - Online Community Managementの[コミュニティ管理]ポートレットでワークプレースが作成されたときに,自動的に作成されます。※2
  • コミュニティ管理者によるコミュニティの削除操作のあとに,セキュリティ管理者※1がオブジェクト操作ツールのコマンドを使用して削除します。手順の詳細は,「7.6.2 コミュニティルートフォルダの削除」を参照してください。
ワークプレースルートフォルダ
  • Collaboration - Online Community Managementの[コミュニティ管理]ポートレットでワークプレースが作成されたときに,コミュニティルートフォルダの下に自動的に作成されます。※2
  • セキュリティ管理者※1がオブジェクト操作ツールのコマンドを使用して削除します。手順の詳細は,「7.6.2 コミュニティルートフォルダの削除」を参照してください。
そのほかのファイルおよびフォルダ該当するコミュニティで,ファイルおよびフォルダを作成・削除できる権限が設定されている役割に属するメンバが,ポートレットを使用して作成・削除※3します。
また,セキュリティ管理者がコミュニティルートフォルダの削除と同時に削除することもできます。
注※1
セキュリティ管理者の詳細は,「3.5.2 セキュリティ管理者の定義」を参照してください。
注※2
コミュニティの作成時にFile Sharingで障害が発生してもコミュニティは作成されますが,コミュニティルートフォルダまたはワークプレースルートフォルダは作成されない場合があります。この場合,そのコミュニティではFile Sharingを使用できなくなるため,障害の要因を取り除いたあとに,そのコミュニティを削除してから再作成してください。
注※3
[コミュニティ管理]ポートレットでコミュニティが削除されたときは,そのコミュニティのワークプレースルートフォルダ以下が「参照不可」になります。[ファイル共有]ポートレットを操作するユーザからは,ワークプレースに属するすべてのファイルとフォルダが削除されたように見えます。しかし,実際は,フォルダ,ファイルの属性情報およびファイル実体は残っているため,それらが不要な場合はデータベース上やファイルシステム上から削除する必要があります。なお,ワークプレースが削除された時点で,そのワークプレースに属するファイルとフォルダに対するアクセス権は,セキュリティ管理者の権限を持つユーザだけに設定されます。

フォルダの運用上の作業
作成済みの個人ルートフォルダまたはコミュニティルートフォルダの情報を取得する場合,cfslstfldrコマンドを使用します。cfslstfldrコマンドについては,「8.8 File Sharingクライアント運用コマンドの詳細」の「cfslstfldr(ルートフォルダの情報の一覧表示)」を参照してください。
参考
以降で説明する手順で,OIIDおよびパブリックACLを扱います。それぞれの意味は次のとおりです。
  • OIID
    すべてのオブジェクトにプロパティとして付けられている識別子です。OIIDは,文書空間識別子,文書空間特有のオブジェクトの識別子などから構成され,「dma://」で始まるURLの形式で定義されています。
    OIIDの例を次に示します。…は,途中の省略を示します。
    dma:///07a17522-a626-11d0-b11f-0020af27a837/…00000000001
  • パブリックACL
    File Sharingが管理する複数のファイルやフォルダに対して,同じアクセス権を設定するために使用されるアクセス制御リストです。パブリックACLには個人用とコミュニティ用の2種類があります。それぞれ,個人ルートフォルダまたはワークプレースルートフォルダの作成と同時に自動的に作成されるため,ユーザが個別に作成する必要はありません。
<この節の構成>
7.6.1 個人ルートフォルダの削除
7.6.2 コミュニティルートフォルダの削除