システム導入支援機能を使用しない場合のユーザ用RDエリアの容量の見積もりについて説明します。
ここでは,ユーザ用RDエリアの容量を見積もるための目安として,File Sharingの表ごとに,各レコードのデータサイズ,および各表に格納するレコード数の見積もり方法を説明した一覧を示します。この一覧を参照して,どのようにRDエリアの容量を見積もるかについては,「(2) ユーザ用RDエリアの容量の見積もり方法」で説明します。
ユーザ用RDエリア分のデータベースリソースの所要量を次の表に示します。
表D-2 ユーザ用RDエリア分のデータベースリソースの所要量
表名 | 列数 | データサイズ(バイト) | レコード数または見積もり方法 |
---|---|---|---|
cfsClass_AssignableDrive | 20 | 2,582+l | ベースパス情報の総数 |
cfsClass_Community | 19 | 2,322+l | コミュニティ総数 |
cfsClass_File_CH | 37 | 4,299+l×4+o | ファイル総数 |
cfsClass_File_DV | 33 | 3,604+l×4 | ファイル総数 |
cfsClass_Folder | 36 | 3,995+l×4+o | フォルダ総数 |
cfsClass_Group | 18 | 2,066+l | グループルートフォルダの総数 |
cfsClass_Parameter | 13 | 1,548 | パラメタ定義数 |
cfsClass_Personal | 18 | 2,066+l | 個人フォルダを利用するユーザの総数 |
cfsClass_Quota | 14 | 1,546+l |
|
dmaClass_DCRelationship | 4 | 172 | フォルダ総数+ファイル総数-(個人ルートフォルダの総数+コミュニティルートフォルダの総数+グループルートフォルダの総数) |
dmaClass_VerDescription | 6 | 180 | ファイル総数 |
dmaClass_VersionSeries | 11 | 656 | ファイル総数 |
edmClass_ACL | 6 | 84+263×(m+n) 上限値:33,748 下限値:84 | ほかのユーザに参照権を設定する個人フォルダのファイル数+コミュニティルートフォルダの総数×2+グループルートフォルダの総数 |
edmClass_BindRelationship | 2 | 68 | 個人ルートフォルダの総数×2+個人フォルダで管理するフォルダの総数×2+個人フォルダで管理するファイルの総数×4+コミュニティフォルダで管理するフォルダの総数+コミュニティフォルダで管理するファイルの総数×2+グループルートフォルダの総数×2+グループフォルダで管理するフォルダの総数×2+グループフォルダで管理するファイルの総数×4 |
edmClass_ContentReference | 8 | 1,112 | ファイル総数 |
edmClass_OIID | 3 | 20 | 実行環境の数 |
edmClass_PublicACL | 14 | 344+780+263×(m+n)+l 上限値:35,824 下限値:2,148 | 個人ルートフォルダの総数+個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数+コミュニティルートフォルダの総数+グループルートフォルダの総数×3+グループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数 |
EDMS_META_dmaclass | 5 | 527 | 1,800 |
EDMS_META_dmaprop | 5 | 527 | 3,200 |
EDMS_META_dmaproto | 5 | 527 | 500 |
EDMS_META_dsclass | 5 | 527 | 1,566 |
EDMS_META_dsprop | 5 | 527 | 1,500 |
EDMS_META_dsqop | 5 | 527 | 1,500 |
EDMS_META_edmclass | 5 | 527 | 1,517 |
EDMS_META_edmnmclass | 5 | 527 | 108 |
EDMS_META_edmnmprop | 5 | 527 | 235 |
EDMS_META_edmprop | 5 | 527 | 3,505 |
EDMS_META_edmqop | 5 | 527 | 600 |
EDMS_META_edms | 5 | 527 | 969 |
EDMS_META_edmsys | 5 | 527 | 100 |
EDMS_META_edmsysclass | 5 | 527 | 400 |
EDMS_META_edmsysprop | 5 | 527 | 200 |
EDMS_META_ssysobj | 5 | 527 | 50 |
EDMS_METAINI | 3 | 158 | 2,431 |
EDMS_METAMETA | 3 | 33 | 1 |
EDMSMETAREGENVID | 6 | 558 | 実行環境の数 |
ここでは,ユーザ用RDエリアの容量を見積もるための方法について説明します。ここで算出した値を基にして,実際に使用するディスク占有量を算出してください。ディスク占有量の算出方法については,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。
ユーザ用RDエリアの容量を見積もるためには,あらかじめFile Sharingの運用方法について検討しておく必要があります。
次のことを検討してください。
これらの検討結果と「(1) ユーザ用RDエリアが使用するデータベースリソースの所要量」の表D-2の内容を参考にして,値を算出してください。
表D-2のデータサイズおよびレコード数の見積もり方法を参考にして,File Sharingが管理するフォルダとファイルの数などから,各表に格納するレコードの総数を算出してください。
表D-2に示す列数をそのまま使用して算出してください。
表D-2に示すデータサイズをそのまま使用して算出してください。
オブジェクトのプロパティに定義されるインデクスの算出については,データベース定義文出力コマンド(EDMCrtSql)によって出力されるデータベース定義文を参考にしてください。
なお,表D-2に示すEDMS_META_で始まる名称の表には,次に示す複数列インデクスが一つ定義されます。
表D-2に示すEDMSMETAREGENVIDの表には,次に示す単一列インデクスが一つ定義されます。
これを考慮してインデクスを算出してください。
ここでは,ユーザ用RDエリア容量の見積もり例について説明します。
見積もり例では,次の値を前提とします。なお,この例は,最大許容サイズを設定する場合の例です。
表D-3 ユーザ用RDエリアの容量の見積もりの前提
項目 | 前提とする値 |
---|---|
文書空間の文字コード種別 | UTF-8 |
ファイルの総数 | 192,200 |
フォルダの総数 | 38,440 |
個人ルートフォルダの総数(ユーザ総数) | 1,000 |
個人フォルダで管理するファイルの総数 | 100,000 |
個人フォルダで管理するフォルダの総数 | 13,400 |
個人フォルダで管理するほかのユーザに参照権を設定するファイルの総数 | 500 |
個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数 | 1,000 |
コミュニティルートフォルダの総数(コミュニティ総数) | 200 |
コミュニティフォルダで管理するファイルの総数 | 46,100 |
コミュニティフォルダで管理するフォルダの総数 | 12,600 |
グループルートフォルダの総数 | 40 |
グループフォルダで管理するファイルの総数 | 46,100 |
グループフォルダで管理するフォルダの総数 | 12,440 |
グループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数 | 240 |
ベースパス情報の設定数 | 3 |
最大許容サイズ情報の設定数(最大許容サイズを設定する運用の場合) | 3 |
パラメタ管理数 | 1 |
なお,ユーザ用RDエリアは,ユーザ表用RDエリアとユーザインデクス用RDエリアから構成されます。ここでは,ユーザ表用RDエリアに格納する,クラスに対応する表とFile Sharingのメタ情報に対応する表の容量を算出します。それぞれの表のインデクスの容量については,算出した表の容量を基に,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照して算出してください。
クラスに対応する表の容量は,File Sharingで管理・共有するファイル数や使用するフォルダ数などによって決まります。また,アクセス権の設定方法によって,必要な容量は異なります。
クラスに対応する表には,次の情報を格納します。
次に,それぞれの情報を格納するために必要な容量を,前提とする値に従って算出していきます。
表D-4 ファイルの属性情報を格納するために必要な容量の算出例
表名 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
cfsClass_File_CH | データサイズ×総ファイル数 | 18,699バイト×192,200 | 3,593,947,800 |
cfsClass_File_DV | 7,700バイト×192,200 | 1,479,940,000 | |
dmaClass_VerDescription | 180バイト×192,200 | 34,596,000 | |
dmaClass_VersionSeries | 656バイト×192,200 | 126,083,200 | |
edmClass_ContentReference | 1,112バイト×192,200 | 213,726,400 |
表D-5 フォルダの属性情報,およびフォルダとファイルまたはフォルダを関連づける情報を格納するために必要な容量の算出例
表名 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
cfsClass_Folder | データサイズ×フォルダの総数 | 18,395バイト×38,440 | 707,103,800 |
dmaClass_DCRelationship | データサイズ×(フォルダの総数+ファイル総数-(個人ルートフォルダの総数+コミュニティルートフォルダの総数+グループルートフォルダの総数)) | 172バイト×(38,440+192,200-(1,000+200+40)) | 39,456,800 |
算出例を次の表に示します。
表D-6 コミュニティ情報,個人情報,およびグループ情報を格納するために必要な容量の算出例
表名 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
cfsClass_Community | データサイズ×コミュニティ総数 | 3,346バイト×200 | 669,200 |
cfsClass_Personal | データサイズ×ユーザ総数 | 3,090バイト×1,000 | 3,090,000 |
cfsClass_Group | データサイズ×グループフォルダの総数 | 3,090バイト×40 | 123,600 |
合計は,3,882,800バイト(約3.7MB)になります。これが,コミュニティ情報,個人情報,およびグループ情報を格納するために必要な容量です。
表D-7 アクセス制御情報を格納するために必要な容量の算出例
表名 | フォルダの 種類 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|---|
edmClass_ACL | 個人フォルダ | データサイズ×個人フォルダで管理するほかのユーザに参照権を設定するファイル数 | 4,555バイト×500 | 2,277,500 |
コミュニティフォルダ | データサイズ×コミュニティルートフォルダの総数 | 4,818バイト×200 | 963,600 | |
グループフォルダ | データサイズ×グループルートフォルダの総数 | 5,607バイト×40 | 224,280 | |
edmClass_PublicACL | 個人フォルダ | データサイズ×(個人ルートフォルダの総数+個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数) | 6,619バイト×(1,000+1,000) | 13,238,000 |
コミュニティフォルダ | データサイズ×コミュニティルートフォルダの総数 | 6,882バイト×200 | 1,376,400 | |
グループフォルダ | データサイズ×(グループルートフォルダの総数×3+グループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数) | 7,671バイト×(40×3+240) | 2,761,560 | |
edmClass_BindRelationship | - | データサイズ×(個人ルートフォルダの総数×2+個人フォルダで管理するフォルダの総数×2+個人フォルダで管理するファイルの総数×4+コミュニティフォルダで管理するフォルダの総数+コミュニティフォルダで管理するファイルの総数×2+グループルートフォルダの総数×2+グループフォルダで管理するフォルダの総数×2+グループフォルダで管理するファイルの総数×4) | 68バイト×(1,000×2+13,400×2+100,000×4+12,600+46,100×2+40×2+12,440×2+46,100×4) | 50,521,280 |
表D-8 ベースパス情報を格納するために必要な容量の算出例
表名 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
cfsClass_AssignableDrive | データサイズ×ベースパス情報の設定数 | 3,606バイト×3 | 10,818 |
表D-9 最大許容サイズ情報を格納するために必要な容量の算出例
表名 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
cfsClass_Quota | データサイズ×最大許容サイズ情報の設定数 | 2,570バイト×3 | 7,710 |
情報ごとに算出した値を合計すると,クラスに対応する表の容量が算出できます。ここでは,6,270,119,516バイトとなり,約5,980MBの容量が必要なことがわかります。
File Sharingのメタ情報に対応する表の容量は,表D-2に示した表のうち,「EDMS_META_」で始まる表,および表EDMSMETAREGENVIDのデータサイズとレコード数から算出します。
File Sharingで利用する「EDMS_META_」で始まる表に必要な容量は,固定です。表D-2の表ごとに,データサイズにレコード数を掛けたものの総容量を算出します。これに,「558バイト(表EDMSMETAREGENVIDのデータサイズ)×実行環境数」を加えると,メタ情報に対応する表の容量を算出できます。ここでは,実行環境を1として,558バイトを加えます。
メタ情報に対応する表の総容量は,9,738,939バイトになり,約9.2MBになります。