ここでは,運用開始前のベースパス情報の設定について,設定する画面,ベースパスの割り当てられ方,設定規則および設定例について説明します。
運用開始前のベースパス情報の設定は,[ファイル共有設定]ポートレットから表示される画面を使用して実行します。この設定は,ポータル管理グループに登録しているシステム管理者が実行します。
なお,[ファイル共有設定]ポートレットは,コミュニティのワークプレースからは使用できません。また,ポートレット機能を使用するためには,アプリケーションサーバが起動している必要があります。ポートレット機能を使用する前に,アプリケーションサーバの状態を確認してください。
デフォルトのベースパス情報を登録したあと,運用開始前にベースパス情報を設定します。運用開始前のベースパス情報の設定では,次に示す画面を使用します。
これらの画面では,次の表に示すベースパス情報の操作ができます。
表6-17 運用開始前に画面からできるベースパス情報の操作
項番 | 操作 | 操作する画面 | |
---|---|---|---|
1 | ベースパス情報の参照 |
| |
2 | ベースパス情報の追加 | デフォルトの新規登録 | × |
デフォルトの追加 | [ベースパス情報の追加]画面 | ||
デフォルト以外の追加 | [ベースパス情報の追加]画面 | ||
3 | ベースパス情報の削除 | デフォルトの削除※1 | [ベースパス情報操作]画面 |
デフォルト以外の削除 | [ベースパス情報操作]画面 | ||
4 | ベースパス情報の変更※2 | [プロパティ設定]画面 |
各画面の操作方法,および画面の詳細については,マニュアル「Collaboration - File Sharing ユーザーズガイド」を参照してください。
個人ルートフォルダ,コミュニティルートフォルダまたはグループルートフォルダを作成するときに,どのようにベースパスが割り当てられるかについて説明します。
個人フォルダを使用するユーザが,ポータルを経由して初めてFile Sharingにアクセスしたときに,個人ルートフォルダが作成され,ベースパスが割り当てられます。条件種別ごとの割り当てられ方を次に示します。
ユーザがコミュニティを作成するときに,コミュニティルートフォルダおよびワークプレースルートフォルダが作成され,ワークプレースルートフォルダにベースパスが割り当てられます。条件種別ごとの割り当てられ方を次に示します。
グループルートフォルダの作成コマンド(cfscrtgrpfldr)を実行してグループルートフォルダを作成したときに,ベースパスが割り当てられます。コマンド実行時の指定で代表組織の組織IDを指定するか,代表ユーザのユーザIDを指定するかで,割り当てられ方が異なります。コマンド実行時の指定ごとの割り当てられ方を次に示します。
ベースパス情報に設定する割り当て条件の指定規則について説明します。
割り当て条件には,種別ごとに条件種別,条件値,パス,最大予約可能容量および最大使用可能容量を指定します。パス,最大予約可能容量および最大使用可能容量の指定規則については,デフォルトのベースパス情報を登録する場合の指定方法と同じです。デフォルトのベースパス情報の登録については,「6.4 デフォルトのベースパス情報の登録」を参照してください。
条件種別および条件値を指定する場合の規則を次に示します。
運用開始前のベースパス情報の設定例について説明します。
デフォルトのベースパス情報を次のように登録している場合を考えます。デフォルトのベースパス情報の登録方法については,「6.4 デフォルトのベースパス情報の登録」を参照してください。
表6-18 デフォルトのベースパス情報を登録する例
項番 | 種別 | 条件種別 | 条件値 | パス | 最大予約可能容量 | 最大使用可能容量 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 個人フォルダ | デフォルト | G:¥FILE1 | 20GB | 20GB | |
2 | コミュニティフォルダ | デフォルト | G:¥FILE2 | 30GB | 30GB | |
3 | グループフォルダ | デフォルト | G:¥FILE3 | 50GB | 50GB |
デフォルトのベースパス情報を登録したあと,[ベースパス情報の追加]画面を使用して,デフォルト以外のベースパス情報を追加します。
表6-19 運用開始前にベースパス情報を追加する例
項番 | 種別 | 条件種別 | 条件値 | パス | 最大予約可能容量 | 最大使用可能容量 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 個人フォルダ | 所属組織 | A事業所 | E:¥FILE1 | 20GB | 20GB |
2 | 個人フォルダ | 所属組織 | B事業所 | F:¥FILE1 | 10GB | 10GB |
3 | グループフォルダ | 組織ID | A事業所の組織ID | H:¥FILE1 | 20GB | 20GB |
4 | グループフォルダ | 組織ID | B事業所の組織ID | I:¥FILE1 | 10GB | 10GB |
個人フォルダの場合,ユーザが所属する組織がA事業所であればE:¥FILE1,B事業所であればF:¥FILE1,A事業所およびB事業所以外であればデフォルトのG:¥FILE1が,個人ルートフォルダに対するベースパスとして割り当てられます。グループフォルダの場合,A事業所に所属するユーザのユーザIDまたは組織の組織IDを指定して作成するグループルートフォルダにはH:¥FILE1,B事業所に所属するユーザのユーザIDまたは組織の組織IDを指定して作成するグループルートフォルダにはI:¥FILE1,A事業所およびB事業所以外に所属するユーザまたは組織が作成するグループルートフォルダにはデフォルトのG:¥FILE3が,ベースパスとして割り当てられます。なお,コミュニティフォルダ下のワークプレースルートフォルダについては,デフォルトのベースパス情報だけを設定して使用することになります。
このように設定した場合の運用については,「6.2.3(1) 最大許容サイズを設定した運用の考え方」を参照してください。