6.7 運用開始前の最大許容サイズ情報の設定

ここでは,運用開始前の最大許容サイズ情報の設定について,設定する画面,最大許容サイズの割り当てられ方,設定規則および設定例について説明します。

<この節の構成>
(1) 運用開始前に最大許容サイズ情報を設定する画面
(2) 最大許容サイズの割り当てられ方
(3) 最大許容サイズ情報の割り当て条件の指定規則
(4) 最大許容サイズ情報の運用開始前の割り当て条件の設定例

(1) 運用開始前に最大許容サイズ情報を設定する画面

最大許容サイズを設定する運用の場合,デフォルトの最大許容サイズ情報を登録したあと,運用開始前に最大許容サイズ情報を設定します。運用開始前の最大許容サイズ情報の設定では,次に示す画面を使用します。

これらの画面では,次の表に示す最大許容サイズ情報の操作ができます。

表6-20 運用開始前に画面からできる最大許容サイズ情報の操作

項番操作操作する画面
1最大許容サイズ情報の参照
  • [ファイル共有設定]ポートレット
  • [最大許容サイズ情報操作]画面
2最大許容サイズ情報の追加デフォルトの追加×
デフォルト以外の追加[最大許容サイズ情報の追加]画面
3最大許容サイズ情報の削除デフォルトの削除×
デフォルト以外の削除[最大許容サイズ情報操作]画面
(凡例)
×:操作できません。

なお,最大許容サイズ情報を変更したい場合は,変更したい最大許容サイズ情報を削除してから,変更した最大許容サイズ情報を新しく追加してください。

各画面の操作方法,および画面の詳細については,マニュアル「Collaboration - File Sharing ユーザーズガイド」を参照してください。

(2) 最大許容サイズの割り当てられ方

個人ルートフォルダ,コミュニティルートフォルダまたはグループルートフォルダを作成するときに,どのように最大許容サイズが割り当てられるかについて説明します。

(a) 個人ルートフォルダの場合

個人フォルダを使用するユーザが,ポータルを経由して初めてFile Sharingにアクセスしたときに,個人ルートフォルダが作成され,最大許容サイズが割り当てられます。条件種別ごとの割り当てられ方を次に示します。

条件種別が役職のとき
最大許容サイズ情報を役職単位に割り当てる設定の場合,個人フォルダを使用するユーザのユーザ情報で役職に設定されている値と一致する条件値の最大許容サイズ情報の最大許容サイズが,個人ルートフォルダに割り当てられます。
条件種別が所属組織のとき
最大許容サイズ情報を所属組織単位に割り当てる設定の場合,個人フォルダを使用するユーザのユーザ情報で所属組織に設定されている値と一致する条件値の最大許容サイズ情報の最大許容サイズが,個人ルートフォルダに割り当てられます。
(b) ワークプレースルートフォルダの場合

ユーザがコミュニティを作成するときに,コミュニティルートフォルダおよびワークプレースルートフォルダが作成され,ワークプレースルートフォルダに最大許容サイズが割り当てられます。条件種別ごとの割り当てられ方を次に示します。

条件種別が役職のとき
最大許容サイズ情報を役職単位に割り当てる設定の場合,コミュニティを作成したユーザのユーザ情報で役職に設定されている値と一致する条件値の最大許容サイズ情報の最大許容サイズが,ワークプレースルートフォルダに割り当てられます。
条件種別が所属組織のとき
最大許容サイズ情報を所属組織単位に割り当てる設定の場合,コミュニティを作成したユーザのユーザ情報で所属組織に設定されている値と一致する条件値の最大許容サイズ情報の最大許容サイズが,ワークプレースルートフォルダに割り当てられます。
(c) グループルートフォルダの場合

グループルートフォルダの作成コマンド(cfscrtgrpfldr)を実行してグループルートフォルダを作成したときに,最大許容サイズが割り当てられます。コマンド実行時の指定で代表組織の組織IDを指定するか,代表ユーザのユーザIDを指定するかで,割り当てられ方が異なります。コマンド実行時の指定ごとの割り当てられ方を次に示します。

代表組織の組織IDを指定するとき
代表組織の組織IDを指定してグループルートフォルダを作成すると,代表組織の組織IDまたは代表組織が属する組織の組織IDと一致する条件値の最大許容サイズ情報の最大許容サイズが割り当てられます。代表組織が属する組織の組織IDと一致する条件値の最大許容サイズ情報が複数ある場合は,いちばん下位にある組織の組織IDを条件値とする最大許容サイズ情報の最大許容サイズが割り当てられます。
代表ユーザのユーザIDを指定するとき
代表ユーザのユーザIDを指定してグループルートフォルダを作成すると,代表ユーザが所属する組織の組織IDと一致する条件値の最大許容サイズ情報の最大許容サイズが割り当てられます。代表ユーザが所属する組織の組織IDと一致する条件値の最大許容サイズ情報が複数ある場合は,いちばん下位にある組織の組織IDを条件値とする最大許容サイズ情報の最大許容サイズが割り当てられます。

(3) 最大許容サイズ情報の割り当て条件の指定規則

最大許容サイズ情報に設定する割り当て条件の指定規則について説明します。

割り当て条件には,種別ごとに条件種別,条件値,および最大許容サイズを指定します。最大許容サイズ情報の指定規則については,デフォルトの最大許容サイズ情報を登録する場合の指定方法と同じです。デフォルトの最大許容サイズ情報を登録する方法については,「6.5 デフォルトの最大許容サイズ情報の登録」を参照してください。

条件種別および条件値を指定する場合の規則を次に示します。

条件種別の指定規則
  • 種別ごとに条件種別を一つだけ指定できます。
  • 個人ルートフォルダまたはワークプレースルートフォルダに最大許容サイズ情報を設定する場合,指定できる条件種別は役職または所属組織です。
  • グループルートフォルダに最大許容サイズ情報を設定する場合,指定できる条件種別は組織IDです。
条件値の指定規則
  • 条件種別に役職を指定する場合,条件値には,ルートフォルダを作成するユーザのユーザ情報から参照できる役職と同じ値を指定します。
    ユーザ情報から参照できる役職は,Collaboration - Directory Accessのプロパティファイルで指定した役職に相当する属性名です。
  • 条件種別に所属組織を指定する場合,条件値には,ルートフォルダを作成するユーザのユーザ情報から参照できる所属組織と同じ値を指定します。
    ユーザ情報から参照できる所属組織は,Collaboration - Directory Accessのプロパティファイルで指定した所属組織に相当する属性名です。
  • 条件種別に組織IDを指定する場合,条件値には,ルートフォルダを作成するときに指定する代表組織の組織ID,または代表ユーザが所属する組織の組織IDを指定します。
    組織IDは,Collaboration - Directory Accessのプロパティファイルで指定した組織IDに相当する属性名です。

(4) 最大許容サイズ情報の運用開始前の割り当て条件の設定例

運用開始前の最大許容サイズ情報の設定例について説明します。

デフォルトの最大許容サイズ情報を次のように登録している場合を考えます。デフォルトの最大許容サイズ情報の登録方法については,「6.5 デフォルトの最大許容サイズ情報の登録」を参照してください。

表6-21 デフォルトの最大許容サイズ情報を登録する例

項番種別条件種別条件値最大許容サイズ
1個人フォルダデフォルト10MB
2コミュニティフォルダデフォルト100MB
3グループフォルダデフォルト50MB

デフォルトの最大許容サイズ情報を登録したあと,[最大許容サイズ情報の追加]画面を使用して,デフォルト以外の最大許容サイズ情報を追加します。

表6-22 運用開始前に最大許容サイズ情報を追加する例

項番種別条件種別条件値最大許容サイズ
1個人フォルダ役職課長30MB
2個人フォルダ役職主任20MB
3グループフォルダ組織IDA事業所の組織ID80MB
4グループフォルダ組織IDB事業所の組織ID40MB

個人フォルダの場合,役職が課長であれば30MB,主任であれば20MB,課長または主任以外であればデフォルトの10MBが,個人ルートフォルダの最大許容サイズとして割り当てられます。グループフォルダの場合,A事業所に所属するユーザのユーザIDまたは組織の組織IDを指定して作成するグループルートフォルダには80MBが,B事業所に所属するユーザのユーザIDまたは組織の組織IDを指定して作成するグループルートフォルダには40MBが,最大許容サイズとして割り当てられます。なお,コミュニティフォルダ下のワークプレースルートフォルダについては,デフォルトの最大許容サイズだけを設定して使用することになります。

このように設定した場合の運用例については,「6.2.3(1) 最大許容サイズを設定した運用の考え方」を参照してください。