ここでは,ユーザ用RDエリアの容量を見積もる例について説明します。
見積もり例では,文書空間の文字コード種別がUTF-8の場合の見積もり情報定義ファイルのデフォルト値および文書空間情報ファイルのデフォルト値を前提としています。各ファイルのデフォルト値については,「5.2.13(1) 見積もり情報定義ファイルの想定値」および「5.2.14(1) 文書空間情報ファイルの想定値」を参照してください。
見積もりの前提とする値を見積もり情報定義ファイルおよび文書空間情報ファイルに指定して,文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)を実行します。文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)の実行で出力された見積もり基礎情報ファイルから,ユーザ用RDエリアに必要な容量を求めます。
なお,ユーザ用RDエリアは,ユーザ表用RDエリアとユーザインデクス用RDエリアから構成されます。ここでは,ユーザ表用RDエリアに格納する,クラスに対応する表とFile Sharingのメタ情報に対応する表の容量を算出します。それぞれの表のインデクスの容量については,見積もり基礎情報ファイルに出力された内容を基に,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照して算出してください。
クラスに対応する表の容量は,「dmaClass」または「edmClass」で始まる表の容量と「cfsClass」で始まる表の容量の和で求められます。
ここで示す見積もり例では,「dmaClass」または「edmClass」で始まる表の容量が463,541,608バイト,「cfsClass」で始まる表の容量が3,287,195,648バイトとなり,クラスに対応する表としては3,750,737,256バイト(約3,577MB)の容量が必要なことがわかります。
「dmaClass」または「edmClass」で始まる表の容量は,見積もり情報定義ファイルで,Kindエントリが「SystemTable」の行の値から求めます。また,Record Lengthエントリにデータサイズが,Record Countエントリにレコード数が出力されます。表ごとの容量として,データサイズとレコード数の積を算出します。
算出例を次の表に示します。
表2-8 KindエントリのSystemTableに出力された結果と算出例
表名 (Table Nameエントリの値) | データサイズ (Record Lengthエントリの値(バイト)) | レコード数 (Record Countエントリの値) | 容量 (データサイズ×レコード数(バイト)) |
---|---|---|---|
edmClass_OIID※1 | 20 | 1 | 20 |
dmaClass_ConfigHistory | 930 | 0 | 0 |
dmaClass_VerDescription | 180 | 192,200 | 34,596,000 |
dmaClass_Rendition | 380 | 0 | 0 |
dmaClass_ContentReference | 596 | 0 | 0 |
dmaClass_ContentTransfer | 605 | 0 | 0 |
dmaClass_Container | 878 | 0 | 0 |
dmaClass_DCRelationship | 172 | 229,400 | 39,456,800 |
dmaClass_RCRelationship | 172 | 0 | 0 |
edmClass_IndPersistence | 774 | 0 | 0 |
edmClass_ContainerVersion | 882 | 0 | 0 |
edmClass_VTCRelationship | 280 | 0※2 | 0 |
edmClass_SgmlComponentInfo | 1,308 | 0 | 0 |
edmClass_VTContainer | 878 | 0 | 0 |
edmClass_Relationship | 176 | 0 | 0 |
edmClass_VTRelationship | 496 | 0 | 0 |
edmClass_ContentReference | 1,112 | 192,200 | 213,726,400 |
edmClass_ACL※3 | 見積もりに使用しません。 | 見積もりに使用しません。 | 見積もり式から算出します。 |
edmClass_PublicACL※3 | 見積もりに使用しません。 | 見積もりに使用しません。 | 見積もり式から算出します。 |
edmClass_BindRelationship | 68 | 424,086 | 28,837,848 |
dmaClass_DocVersion | 1,275 | 0 | 0 |
edmClass_VTDocVersion | 1,275 | 0 | 0 |
edmClass_CompoDocVersion | 1,275 | 0 | 0 |
edmClass_VTCompoDocVersion | 1,275 | 0 | 0 |
dmaClass_VersionSeries | 656 | 192,200 | 126,083,200 |
edmClass_ConceptSgmlDoc | 641 | 0 | 0 |
表2-9 表edmClass_ACLの容量の算出例
フォルダの種類 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
個人フォルダ | データサイズ×個人フォルダで管理するほかのユーザに参照権を設定するファイルの総数 | 4,555×500 | 2,277,500 |
コミュニティフォルダ | データサイズ×コミュニティルートフォルダの総数 | 4,818×200 | 963,600 |
グループフォルダ | データサイズ×グループルートフォルダの総数 | 5,607×40 | 224,280 |
表2-10 表edmClass_PublicACLの容量
フォルダの種類 | 見積もり方法 | 見積もり式 | 容量(バイト) |
---|---|---|---|
個人フォルダ | データサイズ×(個人ルートフォルダの総数+個人フォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数) | 6,619×(1,000+1,000) | 13,238,000 |
コミュニティフォルダ | データサイズ×コミュニティルートフォルダの総数 | 6,882×200 | 1,376,400 |
グループフォルダ | データサイズ×(グループルートフォルダの総数×3+グループフォルダで管理する親フォルダのアクセス権を引き継がないフォルダの総数) | 7,671×(40×3+240) | 2,761,560 |
「dmaClass」または「edmClass」で始まる表の容量の合計は,463,541,608バイト(約442MB)になります。これが「dmaClass」または「edmClass」で始まる表に必要な容量です。
「cfsClass」で始まる表の容量は,見積もり式から求めたデータサイズと,見積もり情報定義ファイルのレコード数から求めます。表ごとにデータサイズとレコード数の積から容量を求め,各表の容量を合計することで,「cfsClass」で始まる表の容量を求められます。
データサイズの見積もり式については,「2.4.2(3)(c) 各列のデータサイズ」を参照してください。
レコード数は,見積もり情報定義ファイルのKindエントリが「UserTable」の行の,Record Countエントリに出力された値を使用します。
算出例を次の表に示します。
表2-11 KindエントリのUserTableに出力された結果と算出例
表名 (Table Nameエントリの値) | データサイズ | レコード数(Record Countエントリの値) | 容量 (データサイズ×レコード数(バイト)) | |
---|---|---|---|---|
見積もり式 | 値(バイト) | |||
cfsClass_Folder | 3,995+1,024×4+10,304 | 18,395 | 38,440 | 707,103,800 |
cfsClass_File_CH | 4,299+1,024×4+10,304 | 18,699 | 192,200 | 3,593,947,800 |
cfsClass_File_DV | 3,604+1,024×4 | 7,700 | 192,200 | 1,479,940,000 |
cfsClass_Personal | 2,066+1,024 | 3,090 | 1,000 | 3,090,000 |
cfsClass_Community | 2,322+1,024 | 3,346 | 200 | 669,200 |
cfsClass_Group | 2,066+1,024 | 3,090 | 40 | 123,600 |
cfsClass_Quota | 1,546+1,024 | 2,570 | 3 | 7,710 |
cfsClass_AssignableDrive | 2,582+1,024 | 3,606 | 3 | 10,818 |
cfsClass_Parameter | 1,548 | 1,548 | 1 | 1,548 |
合計は,5,784,894,476バイト(約5,517MB)になります。これが「cfsClass」で始まる表に必要な容量です。
File Sharingのメタ情報に対応する表の容量は,見積もり情報定義ファイルで,Kindエントリが「MetaTable」の行の値から求めます。Record Lengthエントリにデータサイズが,Record Countエントリにレコード数が出力されます。表ごとの容量として,データサイズとレコード数の積を算出します。
算出例を次の表に示します。
表2-12 KindエントリのMetaTableに出力された結果と算出例
表名 (Table Nameエントリの値) | データサイズ (Record Lengthエントリの値(バイト)) | レコード数 (Record Countエントリの値) | 容量 (データサイズ×レコード数(バイト)) |
---|---|---|---|
EDMS_METAINI | 158 | 2,436 | 384,888 |
EDMS_META_edms | 527 | 971 | 511,717 |
EDMS_META_edmsys | 527 | 100 | 52,700 |
EDMS_META_ssysobj | 527 | 50 | 26,350 |
EDMS_META_edmnmclass | 527 | 108 | 56,916 |
EDMS_META_edmnmprop | 527 | 236 | 124,372 |
EDMS_META_dsclass | 527 | 1,566 | 825,282 |
EDMS_META_dmaclass | 527 | 1,800 | 948,600 |
EDMS_META_edmclass | 527 | 1,519 | 800,513 |
EDMS_META_dsqop | 527 | 1,500 | 790,500 |
EDMS_META_edmqop | 527 | 600 | 316,200 |
EDMS_META_edmsysclass | 527 | 400 | 210,800 |
EDMS_META_dsprop | 527 | 1,500 | 790,500 |
EDMS_META_dmaprop | 527 | 3,200 | 1,686,400 |
EDMS_META_edmprop | 527 | 3,548 | 1,869,796 |
EDMS_META_dmaproto | 527 | 500 | 263,500 |
EDMS_META_edmsysprop | 527 | 200 | 105,400 |
EDMS_METAMETA | 33 | 1 | 33 |
EDMSMETAdocinfo | 260 | 21 | 5,460 |
EDMSMETAclassdef | 260 | 1,180 | 306,800 |
EDMSMETAREGENVID※ | 558 | 見積もりに使用しません。 | 見積もり式から算出します。 |
メタ情報に対応する表の総容量は,10,077,285バイトになり,約9.6MBになります。