ここでは,File Sharingのディスク占有量の見積もりについて説明します。
なお,監査ログを出力する運用にする場合のディスク占有量の見積もりについては,マニュアル「Collaboration 導入ガイド」を参照してください。
File Sharingでは,フォルダとファイルの属性情報をデータベースシステムであるHiRDBに格納します。File Sharingサーバのディスク占有量として,HiRDBでデータベースシステムを構築するために必要なデータベースの容量,プログラムファイルの容量,およびファイル実体を格納するファイルシステムの容量を合計した量を確保してください。
File Sharingクライアントがファイルシステムに格納したりファイルシステムから取得したりするファイル実体は,一時的にFile Sharingクライアントの一時ディレクトリに作成されます。したがって,File Sharingクライアントのディスク占有量として,次に示す各一時ディレクトリのディスク容量を確保します。
それぞれの一時ディレクトリディスク容量の概算は,次に示す計算式で算出してください。
作成されたファイルは,一時ディレクトリに残る場合があります。この場合は,[ファイル共有]ポートレットを利用するユーザが該当ファイルを参照していないときに,一時ディレクトリからファイルを削除できます。なお,アプリケーションサーバまたはWebサーバにエラーが発生しているときは,各サーバを一時停止してから一時ディレクトリおよびファイルを削除してください。
一時ディレクトリが作成される場所を次に示します。
アクセス履歴を取得する場合は,アクセス履歴ファイルを格納するためのディスクを確保します。
File Sharingでは,アクセス履歴として[ファイル共有]ポートレットのファイル,フォルダに対して,ユーザが実行した操作の履歴を記録した情報を出力します。アクセス履歴ファイルに出力します。
アクセス履歴ファイルは,環境設定用プロパティファイル(hptl_clb_cfs.properties)で設定したディレクトリに出力します。
アクセス履歴を取得するためのディスク容量は,何日分のアクセス履歴を保存するかを考慮して確保します。例えば,1週間分のアクセス履歴を保存する運用の場合は,1週間分のアクセス履歴を保存できるディスク容量を確保する必要があります。1日当たりのアクセス履歴のサイズの見積もりを参考にして,必要な日数分のアクセス履歴を保存できるディスク容量を準備してください。
1日当たりのアクセス履歴のサイズを算出するために,まず,1操作当たりのアクセス履歴のサイズを算出します。
1操作当たりのアクセス履歴のサイズは,アクセス履歴として出力される情報のサイズを基に次の式から算出します。
変数に設定する値は,アクセス履歴として取得する情報や使用する環境に合わせて設定してください。変数に設定できる値の範囲を次の表に示します。
表2-4 1操作当たりのアクセス履歴のサイズの見積もり式に設定できる値の範囲
変数 | 設定できる値の範囲(単位:バイト) |
---|---|
アプリケーションサーバ識別子 | 3~258 |
コミュニティID | 最大40 |
ワークプレースID | 最大16 |
ユーザID | 1~254 |
操作識別子 | 5~11 |
操作元識別子 | 1 |
グループID | 16 |
付加情報1 | 2~1,026 |
付加情報2 | 0~52 |
付加情報3 | 0~52 |
区切り文字 | 7~9 |
算出した1操作当たりのアクセス履歴のサイズを基に,次の式から1日当たりのアクセス履歴のサイズを算出します。
算出した1日当たりのアクセス履歴のサイズを考慮して,ディスク容量を確保してください。
アクセス履歴を取得するための設定については「4.6 アクセス履歴を取得するための設定」を,アクセス履歴の運用方法については「7.11 アクセス履歴の取得」を参照してください。