6.2.2 最大許容サイズ情報の検討

最大許容サイズ情報を検討するために,最大許容サイズ情報とは何か,最大許容サイズを設定する利点,および最大許容サイズ情報を構成する項目について説明します。

<この項の構成>
(1) 最大許容サイズ情報とは
(2) 最大許容サイズを設定する利点
(3) 最大許容サイズ情報を構成する項目

(1) 最大許容サイズ情報とは

最大許容サイズ情報とは,ルートフォルダで使用できるサイズの上限(最大許容サイズ)を設定するための情報です。最大許容サイズは,ルートフォルダ単位に割り当てられます。最大許容サイズ情報は,運用方法に応じて設定してください。

なお,最大許容サイズを設定した運用の場合,ベースパス情報ごとにFile Sharingで使用するディスクの総容量を設定して,空き容量を管理できます。ベースパス情報と最大許容サイズ情報の設定を組み合わせた運用の考え方については,「6.2.3 ファイルシステムの運用の考え方」を参照してください。

最大許容サイズを設定して運用する場合は,少なくとも次の3種類の最大許容サイズ情報を設定する必要があります。

このほか,最大許容サイズは,個人ルートフォルダおよびワークプレースルートフォルダの場合,Collaboration - Directory Accessから取得できる所属組織単位または役職単位で設定することもできます。例えば,「営業部のユーザの個人ルートフォルダに対しては30MBずつ,それ以外のユーザの個人ルートフォルダに対しては10MBずつ割り当てる」という運用をしたり,「課長の個人ルートフォルダには20MB,それ以外の個人ルートフォルダには10MBずつ割り当てる」という運用をしたりできます。

ただし,一つのフォルダの種別に対して,所属組織単位または役職単位のどちらかの最大許容サイズ情報しか設定できません。例えば,営業部や設計部などの所属組織に対して最大許容サイズ情報を設定したシステムでは,部長や課長などの役職に対しての最大許容サイズ情報は設定できません。

また,グループルートフォルダの場合は,Collaboration - Directory Accessで設定する,組織IDを表すディレクトリサーバの属性の値で設定することもできます。例えば,「A事業所のグループルートフォルダに対しては10GBずつ,B事業所のグループルートフォルダに対しては5GBずつ割り当てる」という運用をできます。

(2) 最大許容サイズを設定する利点

最大許容サイズを設定する利点を次に示します。

最大許容サイズを設定した運用では,ルートフォルダを作成しようとした場合に,ベースパスを設定するデフォルト以外のベースパス情報で,空き容量が設定する最大許容サイズより小さいときの動作を指定できます。指定できる動作および動作指定方法については,「5.3.5 環境設定用プロパティファイル(hptl_clb_cfs.properties)」を参照してください。

最大許容サイズ情報の設定方法については,「6.5 デフォルトの最大許容サイズ情報の登録」および「6.7 運用開始前の最大許容サイズ情報の設定」を参照してください。

(3) 最大許容サイズ情報を構成する項目

最大許容サイズ情報は,次の表に示す項目から構成されます。

表6-2 最大許容サイズ情報を構成する項目

項番項目説明
1種別最大許容サイズ情報を設定するルートフォルダの種別のことです。種別には,個人フォルダ,コミュニティフォルダ,またはグループフォルダがあります。
2条件種別最大許容サイズ情報を設定するための条件のことです。
種別が個人フォルダおよびコミュニティフォルダの場合は,条件種別には役職単位または所属組織単位があります。
種別がグループフォルダの場合は,組織ID単位があります。
3条件値最大許容サイズ情報の条件種別に対する条件値のことです。
種別が個人フォルダおよびコミュニティフォルダの場合は,Collaboration - Directory Accessから取得できる役職名または所属組織名を指定します。
種別がグループフォルダの場合は,Collaboration - Directory Accessで,組織IDを表すディレクトリサーバの設定値として指定したディレクトリサーバの属性の値を指定します。
4最大許容サイズ個人ルートフォルダ,グループルートフォルダまたはワークプレースルートフォルダに設定する最大許容サイズのことです。