5.2.13 見積もり情報定義ファイル

見積もり情報定義ファイルは,文書空間を構築するためのデータベース容量を見積もるとき,および文書空間を新規に構築するときに使用する情報を定義するためのファイルです。作成したファイルは,文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)の-fオプションで指定します。システム管理者が,Excelなどを使用して編集して,CSV形式で保存してください。

見積もり情報定義ファイルの格納ディレクトリとファイル名を次に示します。なお,見積もり情報定義ファイルは,文書空間の文字コード種別に指定する文字コードによって,使用するファイルが異なります。指定する文字コードに合わせたファイルを編集してください。

<この項の構成>
(1) 見積もり情報定義ファイルの想定値
(2) 見積もり情報定義ファイルのエントリ一覧
(3) 見積もり情報定義ファイルの記述形式
(4) 見積もり情報定義ファイルの編集方法
(5) 見積もり情報定義ファイルの詳細

(1) 見積もり情報定義ファイルの想定値

見積もり情報定義ファイルの初期設定値は,次の表に示す想定値を前提として設定されています。この表の値を参考に,運用環境に合わせた値を設定してください。

表5-7 見積もり情報定義ファイルの初期設定値の前提

項目想定値
UTF-8Shift-JIS
ユーザ総数1,0001,000
コミュニティ総数200200
グループルートフォルダの総数4040
フォルダごとに格納するフォルダの平均数55
File Sharingで管理する全ルートフォルダからの平均階層数22
ファイル総数192,200192,200
平均ファイルサイズ(バイト)716,800716,800
ベースパス情報の設定数33
最大許容サイズ情報の設定数33
ユーザIDの平均文字列長(バイト)255(上限値)255(上限値)
コメントの平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
ファイル名の平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
フォルダ名の平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
ベースパスの平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
最大許容サイズ情報の条件値の平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
ベースパス情報の名前の平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
ベースパス情報の条件値の平均文字列長(バイト)1,024(上限値)512(上限値)
パラメタ管理キー数11
ごみ箱の利用率(%)1010
(凡例)
UTF-8:文書空間の文字コード種別にUTF-8を指定する場合の値です。
Shift-JIS:文書空間の文字コード種別にShift-JISを指定する場合の値です。

(2) 見積もり情報定義ファイルのエントリ一覧

見積もり情報定義ファイルで指定するエントリを次の表に示します。各エントリの詳細は,「(5) 見積もり情報定義ファイルの詳細」を参照してください。

表5-8 見積もり情報定義ファイルのエントリ一覧

種類エントリ指定内容指定方法
見積もり情報の定義InstanceCountオブジェクト数変更要
RootCntrCountルートフォルダ数変更要
AvCntrCountPerCntrフォルダごとに格納するフォルダの平均数変更要
AvCntrTreeHeightルートフォルダからの階層の平均数変更要
AvContentSizeファイルの平均サイズ変更要
AvLength文字列の平均長変更要
(凡例)
変更要:見積もり情報定義ファイルに記述されている初期設定値を実行環境に応じて変更する項目です(必須)。

(3) 見積もり情報定義ファイルの記述形式

見積もり情報定義ファイルは,ヘッダ,ボディ,およびコメントによって構成されます。ヘッダ,ボディ,およびコメントの形式について説明します。

ヘッダ
ヘッダは,エントリ名が列記されている行です。それぞれのエントリの詳細は,「(5) 見積もり情報定義ファイルの詳細」を参照してください。
ヘッダは,ボディより前の行に1行だけ記述されています。
ボディ
ボディは,設定する値の定義を記述する行です。
ボディは,ヘッダのエントリ名に対応して指定します。
コメント
コメントは,注釈を記述できる行です。次の場合,コメントとなります。
  • #(シャープ)で始まる行
  • ;(セミコロン)で始まる行

(4) 見積もり情報定義ファイルの編集方法

見積もり情報定義ファイルは,Excelなどを使用して編集して,CSV形式のファイルとして保存します。

また,見積もり情報定義ファイルで値を設定する個所を特定するには,「(5) 見積もり情報定義ファイルの詳細」の表5-10~表5-14および表5-16の「設定個所」に示す情報を使用してください。

表5-10~表5-14および表5-16の「設定個所」は,値を設定する個所を特定するためのエントリとそのエントリに設定されている値を示しています。

値を設定する個所には,「CHANGE=<File Sharingでの初期設定値>」が記述されています。この「CHANGE=<File Sharingでの初期設定値>」部分を環境に合わせた値に書き換えます。また,初期設定値を使用する場合は,「CHANGE=」を削除します。

値を設定する場合も,初期設定値を使用する場合も,必ず「CHANGE=」を削除してください。「CHANGE=」を削除しないと,文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)実行時にKMBR16821-EまたはKMBR16822-Eでエラーとなって,コマンドの処理は中止されます。

例えば,表5-10のInstantCountエントリにファイル総数「1000」を設定する場合,次に示す手順で値を設定します。

  1. 表5-10の「設定個所」から値を設定する個所を特定します。
    次に示す条件を基に値を設定する個所を特定します。
    • ObjTypeエントリの値:Class
    • AclibClassNameエントリの値:cfsClass_File
    • TargetTypeエントリの値:CH
    値を設定する個所には,「CHANGE=192200」が記述されています。

    [図データ]

  2. 「CHANGE=192200」を「1000」に書き換えます。
    設定する値を初期設定値と同じにする場合も,必ず「CHANGE=」の部分を削除してください。

    [図データ]

(5) 見積もり情報定義ファイルの詳細

見積もり情報定義ファイルのエントリについて説明します。

InstanceCountエントリ
オブジェクト数を1~2,147,483,647の範囲で指定します。対象クラスによって指定する内容が異なります。
InstanceCountエントリの設定個所と内容を次の表に示します。

表5-9 InstantCountエントリの設定個所と内容

設定個所内容初期設定値
ObjType
エントリ
AclibClassName
エントリ
TargetType
エントリ
ClasscfsClass_FileCHファイル総数CHANGE=192200
cfsClass_Personalユーザ総数CHANGE=1000
cfsClass_Communityコミュニティ総数CHANGE=200
cfsClass_Groupグループルートフォルダの総数CHANGE=40
cfsClass_Quota最大許容サイズ情報の設定数CHANGE=3
cfsClass_AssignableDriveベースパス情報の設定数CHANGE=3
(凡例)
-:該当しません。
RootCntrCountエントリ
ルートフォルダ数を1~2,147,483,647の範囲で指定します。
RootCntrCountエントリの設定個所と内容を次の表に示します。

表5-10 RootCntrCountエントリの設定個所と内容

設定個所内容初期設定値
ObjTypeエントリAclibClassNameエントリ
ClasscfsClass_Folderユーザ総数,コミュニティ総数,グループルートフォルダの総数の合計CHANGE=1240
AvCntrCountPerCntrエントリ
フォルダごとに格納するフォルダの平均数を1~2,147,483,647の範囲で指定します。
AvCntrCountPerCntエントリの設定個所と内容を次の表に示します。

表5-11 AvCntrCountPerCntエントリの設定個所と内容

設定個所内容初期設定値
ObjTypeエントリAclibClassNameエントリ
ClasscfsClass_Folderフォルダごとに格納するフォルダの平均数CHANGE=5
AvCntrTreeHeightエントリ
ルートフォルダからの階層の平均数を1~2,147,483,647の範囲で指定します。
AvCntrTreeHeightエントリの設定個所と内容を次の表に示します。

表5-12 AvCntrTreeHeightエントリの設定個所と内容

設定個所内容初期設定値
ObjTypeエントリAclibClassNameエントリ
ClasscfsClass_Folder全ルートフォルダからの平均階層数CHANGE=2
AvContentSizeエントリ
ファイルの平均サイズを0~2,147,483,647(バイト)の範囲で指定します。バイト単位で指定します。
AvContentSizeエントリの設定個所と内容を次の表に示します。

表5-13 AvContentSizeエントリの設定個所と内容

設定個所内容初期設定値
ObjTypeエントリAclibClassNameエントリTargetTypeエントリ
ClasscfsClass_FileCH平均ファイルサイズ(バイト)CHANGE=192200
AvLengthエントリ
次の文字列の平均長をバイト単位で指定します。
  • ユーザID
  • コミュニティID
  • グループID
  • コメント
  • ファイル名
  • フォルダ名
  • ベースパス
  • 最大許容サイズ情報の条件値
  • ベースパス情報の名称
  • ベースパス情報の条件値
  • 削除元のフォルダパス
AvLengthエントリへの指定値と指定できる値の範囲を次の表に示します。

表5-14 AvLengthエントリへの指定値と指定できる値の範囲

指定値指定できる値の範囲(バイト)
UTF-8Shift-JIS
ユーザIDの平均文字列長1~2551~255
コミュニティIDの平均文字列長1~401~40
グループIDの平均文字列長1~161~16
コメントの平均文字列長1~1,0241~512
ファイル名の平均文字列長1~1,0241~512
フォルダ名の平均文字列長1~1,0241~512
ベースパスの平均文字列長1~1,0241~512
最大許容サイズ情報の条件値の平均文字列長1~1,0241~512
ベースパス情報の名称の平均文字列長1~1,0241~512
ベースパス情報の条件値の平均文字列長1~1,0241~512
削除元のフォルダパスの平均文字列長
ごみ箱を使用する場合
1~10,304
ごみ箱を使用しない場合
0
ごみ箱を使用する場合
1~5,152
ごみ箱を使用しない場合
0
(凡例)
UTF-8:文書空間の文字コード種別にUTF-8を指定する場合の値の範囲です。
Shift-JIS:文書空間の文字コード種別にShift-JISを指定する場合の値の範囲です。

AvLengthエントリの設定個所と内容を次の表に示します。

表5-15 AvLengthエントリの設定個所と内容

設定個所内容初期設定値
ObjType
エントリ
AclibClass
Name
エントリ
TargetType
エントリ
PropertyName
エントリ
UTF-8Shift-JIS
PropcfsClass_
Folder
cfsProp_
Creator
ユーザIDの平均文字列長(バイト)CHANGE=255CHANGE=255
cfsProp_
Modifier
cfsProp_
Accessor
cfsProp_
CheckoutUser
cfsProp_
Comment
コメントの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
DisplayName
フォルダ名の平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
DisplayName_En
cfsProp_
EntityName
cfsProp_
OriginalFolderPath
ごみ箱の利用率(%)×(10+(フォルダ名の平均文字列長(バイト)+1)×ルートフォルダからの階層平均数)CHANGE=206CHANGE=104
cfsClass_
File
CHcfsProp_
Creator
ユーザIDの平均文字列長(バイト)CHANGE=255CHANGE=255
cfsProp_
Modifier
cfsProp_
Accessor
cfsProp_
CheckoutUser
cfsProp_
Identifier
ユーザID,コミュニティIDおよびグループIDの平均文字列長(バイト)CHANGE=255CHANGE=255
cfsProp_
Comment
コメントの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
DisplayName
ファイル名の平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
DisplayName_En
cfsProp_
EntityName
 cfsProp_
OriginalFolderPath
ごみ箱の利用率(%)×(10+(フォルダ名の平均文字列長(バイト)+1)×ルートフォルダからの階層平均数)CHANGE=206CHANGE=104
VRcfsProp_
Creator
ユーザIDの平均文字列長(バイト)CHANGE=255CHANGE=255
cfsProp_
Modifier
cfsProp_
Accessor
cfsProp_
Comment
コメントの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
DisplayName
ファイル名の平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
DisplayName_En
cfsProp_
EntityName
cfsClass_
Personal
cfsProp_
UseId
ユーザIDの平均文字列長(バイト)CHANGE=255CHANGE=255
cfsProp_
ContentBasePath
ベースパスの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsClass_
Community
cfsProp_
ContentBasePath
ベースパスの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsClass_
Group
cfsProp_
ContentBasePath
ベースパスの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsClass_
Quota
cfsProp_
ParameterValue
最大許容サイズ情報の条件値の平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsClass_
AssignableDrive
cfsProp_
Path
ベースパスの平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
Name
ベースパス情報の名称の平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
cfsProp_
ParameterValue
ベースパス情報の条件値の平均文字列長(バイト)CHANGE=1024CHANGE=512
edmClass_
PublicACL
cfsProp_
Name
ユーザIDの平均文字列長(バイト)CHANGE=255CHANGE=255
cfsProp_
Creator
cfsProp_
Modifier
(凡例)
UTF-8:文書空間の文字コード種別にUTF-8を指定する場合の値です。
Shift-JIS:文書空間の文字コード種別にShift-JISを指定する場合の値です。
-:該当しません。