5.1.2 プリンタ情報およびデフォルト情報を設定する

プリンタ情報とは,各プリンタに設定・変更する情報です。プリンタ障害発生時のリカバリ印刷の方法や仕様適合プリンタの検索に必要な情報などを設定します。デフォルト情報とは,プリンタ情報の設定を省略したプリンタに対して適用される情報です。

プリンタ情報を設定すると,そのプリンタは仕様適合プリンタの検索時の対象プリンタになりますが,デフォルト情報を適用しているプリンタは仕様適合プリンタの検索時の対象プリンタになりません。

プリンタ情報を変更するには,そのプリンタに対して「フルコントロール」アクセス権が必要です。プリンタに対するアクセス権は,Windowsのプリンタプロパティで設定してください。また,デフォルト情報を変更するには,Administratorsグループのメンバーとしてログオンしておく必要があります。

<この項の構成>
(1) プリンタ情報およびデフォルト情報を設定する

(1) プリンタ情報およびデフォルト情報を設定する

プリンタ情報は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティで設定します。プリンタプロパティは,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウでプリンタ情報を設定したいプリンタを選択して,[プリンタ]-[プロパティ]を選択すると表示されます。また,デフォルト情報は,[NPSデフォルト設定プロパティ]で設定します。[NPSデフォルト設定プロパティ]は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウで[プリンタ]-[デフォルト情報の変更]を選択すると表示されます。

プリンタプロパティの例を次の図に示します。

図5-32  プリンタプロパティの例

[図データ]

プリンタプロパティおよび[NPSデフォルト設定プロパティ]には,次に示すタブがあります。

次に,プリンタ情報およびデフォルト情報で設定する項目について説明します。

(a) ジョブの保存オプションを設定する

印刷が終了した印刷ジョブをプリンタキューにどのくらいの間保存しておくかを設定できます。印刷済みのジョブを保存しておくと,印刷ジョブが正常に出力されなかった場合に,再度印刷ジョブを実行することなく再印刷できます。印刷ジョブを保存する必要がない場合は,保存時間を1分に設定してください。また,プリンタキューに保存されている印刷済みの印刷ジョブを,設定した日時に定期的に削除することもできます。デフォルトは,[印刷済みジョブの保存時間]が「0分」です。

ジョブの保存オプションは,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[プリンタオプション1]タブで設定します。

(b) ジョブの自動コピーオプションを設定する

印刷が正常終了したあと,印刷ジョブを任意のプリンタへ自動的にコピーできます。また,コピーが正常に終了した場合はイベントを出力することもできます。ジョブの自動コピーオプションは,印刷ジョブを保存する目的でも使用できます。なお,ほかのコンピュータに接続しているプリンタにコピーする場合は,コピー先のコンピュータにJP1/NPSがインストールされていることが必要です。デフォルトは,「印刷が正常終了した後に印刷ジョブをコピーする」はチェックされていません。

ジョブの自動コピーオプションは,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[プリンタオプション2]タブで設定します。

(c) プリンタ仕様を設定する

プリンタの用紙サイズと解像度の仕様を設定できます。設定した仕様は構成管理サーバに登録されます。したがって,プリンタ仕様を設定すると,[JP1/NPSマネージャ]ウィンドウから印刷ジョブをどのプリンタで印刷できるかを容易に検索できます。また,設定した仕様は,仕様適合プリンタとして適当かどうかを判断する情報となります。

用紙サイズは複数指定できますが,通常使用する頻度が高い仕様だけを設定することをお勧めします。用紙サイズを設定しない場合は,プリンタの検索時にすべての用紙サイズに適合するプリンタとして定義できます。

プリンタ仕様は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティの[プリンタ仕様]タブで設定します。

(d) 仕様適合プリンタ検索時の検索キーワードを設定する

プリンタ仕様で設定した仕様のうち,仕様適合プリンタ検索時に適合する必要がある項目を設定します。用紙サイズと解像度のどちらかまたは両方を設定できます。設定した検索キーワードは構成管理サーバに登録されます。

なお,仕様適合プリンタの検索時に,ここで設定した検索キーワードとは異なるキーワードを設定することもできます。

検索キーワードは,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティの[検索キーワード]タブで設定します。

(e) プリンタ障害発生時の障害通知障害通知先を設定する

プリンタ障害が発生した場合,[障害通知]ダイアログボックスを表示できます。また,障害通知先のコンピュータも設定できます。障害通知先のコンピュータは複数設定できます。なお,「CREATOR OWNER」を指定すると,印刷ジョブを実行したコンピュータに[障害通知]ダイアログボックスが表示されます。デフォルトは,「障害通知する」で,障害通知先が「CREATOR OWNER」です。

障害通知および障害通知先は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[障害通知]タブで設定します。

(f) プリンタ障害発生時のリカバリ指示を設定する

プリンタ障害発生時に[リカバリ指示]ダイアログボックスを表示して,対話形式でリカバリ印刷できます。また,[リカバリ指示]ダイアログボックスに対する応答の監視時間も設定できます。ここで設定した監視時間を超えても[リカバリ指示]ダイアログボックスに応答がない場合は,自動リカバリの処理が実行されます。なお,[リカバリ指示応答先]に「CREATOR OWNER」を指定すると,印刷ジョブを実行したコンピュータに[リカバリ指示]ダイアログボックスが表示されます。デフォルトは,「リカバリ指示する」,[リカバリ指示応答先]が「CREATOR OWNER」,[監視時間]が「0分」です。

リカバリ指示は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[リカバリ指示]タブで設定します。

(g) プリンタ障害発生時の自動リカバリを設定する

対話形式のリカバリ印刷をしない場合,[リカバリ指示]ダイアログボックスに対する監視時間を超過した場合,または[リカバリ指示]ダイアログボックスを表示できない場合に自動リカバリできます。自動リカバリする前に,設定した時間,印刷続行を試行することもできます。印刷続行を試行した場合は,設定した時間が経過してもプリンタ障害が回復されないときに,自動リカバリの処理を実行します。

自動リカバリの処理は,印刷ジョブのキャンセル,または他プリンタでの再印刷のどちらかを指定します。他プリンタでの再印刷を指定する場合は,[再印刷プリンタの定義]ウィザードでプリンタを定義します。デフォルトは,「印刷ジョブキャンセル」,「保留属性で再登録」,「プリンタを一時停止する」です。

自動リカバリは,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[自動リカバリ]タブで設定します。

(h) 印刷開始前の用紙確認を設定する

印刷ジョブの用紙サイズがプリンタ情報に登録された用紙サイズ,または一つ前に印刷された用紙サイズと異なる場合,[用紙確認指示]ダイアログボックスを表示できます。また,[用紙確認指示]ダイアログボックスに対する応答の監視時間および用紙確認の方法も設定できます。なお,[用紙確認応答先]に「CREATOR OWNER」を指定すると,印刷ジョブを実行したコンピュータに[用紙確認指示]ダイアログボックスが表示されます。

用紙サイズの確認は,プリンタ情報に登録されている用紙サイズと比較する方法,または一つ前に印刷されたジョブの用紙サイズと比較する方法のどちらかを選択できます。なお,デフォルト情報では,プリンタ情報に登録されている用紙サイズと比較する方法は選択できません。デフォルトは,「用紙確認する」はチェックされていません。

用紙サイズの確認は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[用紙確認]タブで設定します。

(i) 印刷完了通知を設定する

印刷が終了したときに,[印刷完了通知]メッセージボックスを表示できます。通知先や通知するメッセージの種別も設定できます。なお,[印刷完了メッセージ通知先]に「CREATOR OWNER」を指定すると,印刷ジョブを実行したコンピュータに[印刷完了通知]メッセージボックスが表示されます。

[印刷完了通知]メッセージボックスには,「正常終了」と「警告終了」の2種類があります。

正常終了
正常に印刷が終了した場合にメッセージボックスを表示します。
警告終了
リカバリ印刷などで代替印刷された,などの特殊な状態で印刷が終了した場合にメッセージボックスを表示します。

デフォルトは,「印刷完了メッセージを通知する」はチェックされていません。

印刷完了の通知は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのプリンタプロパティまたは[NPSデフォルト設定プロパティ]の[印刷完了通知]タブで設定します。