5.1.3 ポート情報を設定する
ポート情報とは,各ポートに設定・変更する情報です。LAN接続プリンタ用ポートに対して,通信処理実行時のタイムアウト値などの情報を設定します。ポート情報の設定を省略した場合は,ポート情報のデフォルト情報が適用されます。
なお,ポート情報およびポート情報のデフォルト情報を変更するには,Administratorsグループのメンバーとしてログオンしておく必要があります。
- <この項の構成>
- (1) ポート情報を設定する
(1) ポート情報を設定する
ポート情報は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウのポートのプロパティで設定します。ポートのデフォルト情報は,[NPSデフォルト設定プロパティ]で設定します。
[JP1/NPS構成定義]ウィンドウで[表示]-[LAN接続ポート一覧]を選択すると,[プリンタ]ウィンドウに,JP1/NPSが管理するLAN接続用ポートの一覧が表示されます。ポートのプロパティは,ポート情報を設定したいポートを選択して,[プリンタ]-[プロパティ]を選択すると表示されます。また,[NPSデフォルト設定プロパティ]は,[JP1/NPS構成定義]ウィンドウで[プリンタ]-[デフォルト情報の変更]を選択すると表示されます。
ポートのプロパティの例を次の図に示します。
図5-33 ポートのプロパティの例
![[図データ]](figure/zu050300.gif)
ポートのプロパティおよび[NPSデフォルト設定プロパティ]には,次に示すタブがあります。
- ポート情報(ポートのプロパティだけ)
- 通信設定
- 障害キーワード(「#NPS_XDPx:」および「#NPS_LPDx:」ポートだけ)
次に,ポートのプロパティで設定する項目について説明します。
(a) ポート情報を設定する
ポートのIPアドレス,コメント,および論理プリンタ名が表示されます。また,ポートのコメントを変更できます。なお,「#NPS_JETx:」ポートの場合,論理プリンタ名は表示されません。
(b) 通信設定を設定する
送信バッファサイズ,プリンタ状態監視インターバル,通信処理実行時のタイムアウト,およびプリンタの状態監視を設定します。なお,「#NPS_JETx:」ポートの場合は,通信処理実行時のタイムアウトだけ設定できます。次に,設定項目について説明します。
- [送信バッファサイズ]
- プリンタ装置に印刷データを送信する場合の,1回当たりのデータ量を設定します。
- 送信バッファサイズを大きく設定することで,印刷データの送信効率が向上するとは限りません。印刷データの送信効率やネットワークに与える負荷などは,ご使用のコンピュータやネットワークの環境に依存します。送信バッファサイズは,4~32キロバイトで指定します。デフォルトは4キロバイトです。
- [プリンタ状態監視インターバル]
- プリンタの状態を監視する間隔を設定します。
- プリンタ状態監視インターバルの値を大きくすると,監視間隔が広がるため,印刷処理の負荷やネットワーク負荷を軽減できますが,印刷完了やプリンタ障害を検知するまでに時間が掛かるようになります。プリンタ状態監視インターバルは,1~999秒で指定します。デフォルトは10秒です。
- [通信処理実行時のタイムアウト]
- プリンタとの通信処理でのタイムアウト時間を設定します。設定した時間内にプリンタから応答が得られなかった場合は,プリンタ障害として「プリンタからの応答がありませんでした」を報告します。なお,プリンタ電源断,または回線障害が発生している場合は,通信処理実行時のタイムアウトに設定された時間を超えて(最大で,指定した値の約2倍)監視することがあります。通信処理実行時のタイムアウトは,0~9999秒で指定します。デフォルトは45秒です。
- なお,次のようなプリンタ装置を使用する場合は,通信処理実行時のタイムアウトに45秒より大きい値を設定してください。
- ウォームアップやスリープ状態から印刷可能状態に変わるまでに時間が掛かる。
プリンタ装置が印刷可能状態に変わるまでの時間を考慮して,値を設定してください。
- 受信バッファの割り当てがない,または受信バッファが小さい。
プリンタ装置の受信バッファのサイズはプリンタ装置に依存します。また,受信バッファに記憶されるデータは印刷データにも依存するため,印刷環境に合った値を設定してください。
- なお,通信処理実行時のタイムアウトを45秒より小さい値に設定すると,「プリンタからの応答がありませんでした」が報告されることがあります。
- プリンタの状態監視[印刷モード]
- 「#NPS_XDPx:」および「#NPS_LPDx:」ポートの場合は,印刷結果または印刷効率のどちらを優先するかで,プリンタの状態監視の印刷モードを設定します。デフォルトは[同期モード]です。
- [同期モード]
- プリンタに印刷要求してから印刷ジョブの最後のページを出力し終えるまでプリンタを監視します。プリンタ障害を検知できますが,一つの印刷ジョブに掛かる時間は長くなります。
- 印刷結果を重視したい場合は,このモードを選択してください。
- [非同期モード]
- プリンタに印刷要求してからプリンタ装置に登録し終えるまでプリンタを監視します。一つの印刷ジョブに掛かる時間は同期モードより短くなりますが,プリンタ装置に登録したあとにプリンタ障害が発生した場合,検出できないことがあります。
- [非監視モード](「#NPS_LPDx:」ポートだけ)
- 印刷ジョブをプリンタ装置に登録した時点で印刷完了とします。
- このときは,プリンタの状態を監視しないので,一つの印刷ジョブに掛かる時間は最も短くなります。
- プリンタの状態監視[監視モード](「#NPS_LPDx:」ポートだけ)
- 「#NPS_LPDx:」ポートの場合は,プリンタ装置によって,プリンタ状態監視の監視モードを設定します。選択する監視モードは,JP1/NPSをインストールしたフォルダ内のNpsPrint.htmを参照してください。デフォルトは[標準]です。
- [標準]
- 通常はこのモードを選択してください。
- [L-モード]
- 通常は選択しないでください。
- L-モードで動作確認しているプリンタを使用する場合だけ選択してください。
- [E-モード]
- 通常は選択しないでください。
- E-モードで動作確認しているプリンタを使用する場合だけ選択してください。
- [C-モード]
- 通常は選択しないでください。
- C-モードで動作確認しているプリンタを使用する場合だけ選択してください。
(c) 障害キーワードを設定する
プリンタ障害を判断するキーワードを設定します。プリンタの状態とここで設定したキーワードが一致した場合,プリンタ障害が検出されます。
障害キーワードは,プリンタに合ったキーワードを設定してください。誤ったキーワードを設定したり,必要なキーワードが設定されていなかったりする場合は,プリンタ障害を検出できなくなります。デフォルトは,DP300用の定義です。
なお,障害キーワードは,「#NPS_XDPx:」ポート,および監視モードが標準,L-モード設定の「#NPS_LPDx:」ポートの場合だけ定義してください。「#NPS_JETx:」ポート,および監視モードがE-モード,C-モード設定の「#NPS_LPDx:」ポートを使用する場合は,障害キーワードの定義は不要です。
障害キーワード「HITACHI PC-PB20301」を設定する手順を次に示します。
- ポートのプロパティで,[障害キーワード]タブを選択する。
図5-34 ポートのプロパティ[障害キーワード]タブ
![[図データ]](figure/zu050029.gif)
- 表示されているキーワードをすべて選択して,[削除]をクリックする。
障害キーワードが削除されます。
- [インポート]をクリックする。
[障害キーワードのインポート]ダイアログボックスが表示されます。
図5-35 [障害キーワードのインポート]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/zu050030.gif)
- [NPS標準定義からインポートする]を選択して,[標準定義]コンボボックスから「HITACHI PC-PB20301」を選択して[OK]をクリックする。
- [障害キーワード一覧]に障害キーワードが表示されたことを確認して[OK]をクリックする。