4.3.2 そのほかのセットアップ

JP1/NPSの運用前に必要な設定について説明します。

<この項の構成>
(1) JP1/NPSサービスのアカウント
(2) Windowsのスプールフォルダ
(3) フォルダのアクセス権
(4) 外字の登録
(5) フォントの登録
(6) 用紙の設定
(7) Windowsのイベントログの設定
(8) ネットワークの設定

(1) JP1/NPSサービスのアカウント

JP1/NPSサービスは,障害発生時のリカバリ印刷やジョブの保存オプションなどの処理時に,プリンタや印刷ジョブを操作します。

JP1/NPSを初めてインストールしたあと,JP1/NPSサービスのアカウントはシステムアカウントになっているため,プリンタや印刷ジョブにアクセスできません。そのため,インストール完了直後にサービスプログラムのアカウントを設定する必要があります。アカウントはWindowsの[コントロールパネル]で,次に示すとおりに設定してください。

ただし,JP1/NPSをクライアントとして使う場合,クライアント側のアカウントとパスワードは,サーバ側と同じにする必要があります。

(2) Windowsのスプールフォルダ

Windowsのスプールフォルダを,次に示すデフォルトのスプールフォルダとは別のフォルダに変更してください。

Windowsが組み込まれているフォルダ:¥SYSTEM32¥SPOOL¥PRINTERS

スプールフォルダを変更しない場合,次のどちらかの操作で印刷ジョブが消えることがあります。

スプールフォルダは,Windowsのプリンタフォルダから変更します。

  1. [ファイル]-[サーバ-のプロパティ]を選択する。
    [プリントサーバーのプロパティ]が表示されます。
  2. [詳細設定]タブの[スプールフォルダ]にスプールフォルダを設定する。

Windowsのスプールフォルダを変更する場合は,プリンタおよびプリントサーバ上に印刷ジョブがないことを確認してから実行してください。また,変更後は必ずWindowsを再起動してください。印刷ジョブが存在する状態でスプールフォルダを変更した場合,JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientの動作を保証できません。

(3) フォルダのアクセス権

以下のフォルダのアクセス権は,「Everyone」を「フルコントロール」にしてください。

(4) 外字の登録

ネットワークプリンタに対して外字を印刷する場合,クライアント側コンピュータに登録してある外字を,サーバ側コンピュータにも同じコードで登録する必要があります。クライアント側コンピュータとサーバ側コンピュータの外字コードが異なる,またはサーバ側コンピュータに外字コードが登録されていない場合,正しい外字を印刷できません。なお,サーバ側コンピュータでユーザをログオンしていない場合も,正しい外字を印刷できません。

(5) フォントの登録

ネットワークプリンタに対して印刷する場合,クライアント側コンピュータに登録してあるフォントをサーバ側コンピュータにも登録する必要があります。クライアント側コンピュータとサーバ側コンピュータに同一のフォントを登録していない場合,正しく印刷できません。

コンピュータに登録されていないフォントが埋め込まれているPDFファイルをリモート印刷すると,正しく印刷できない,または印刷ジョブのプレビューで正しく表示されないことがあります。このような場合は,PDFファイルに埋め込まれているフォントを,クライアント側コンピュータおよびサーバ側コンピュータに登録する,またはプリントサーバ上で印刷してください。

PDFファイル以外でも,コンピュータに登録されていないフォントが埋め込まれているファイルをリモート印刷すると,正しく印刷できない,または印刷ジョブのプレビューで正しく表示されないことがあります。

(6) 用紙の設定

ネットワークプリンタに対してユーザ定義の用紙を使用して印刷する場合,クライアント側コンピュータに登録されている用紙とサーバ側コンピュータに登録されている用紙を合わせる必要があります。クライアント側コンピュータとサーバ側コンピュータで登録されている用紙が合っていないと,印刷できなかったり,正しい用紙サイズで印刷できません。

用紙を登録するには,次のプログラムを実行してください。

JP1/NPSのインストールフォルダ¥npsfrmst.exe

詳細については,次のファイルを参照してください。

JP1/NPSのインストールフォルダ¥npsfrmst.txt

(7) Windowsのイベントログの設定

印刷ジョブおよびプリンタ関連のイベントをアプリケーションログに出力するため,印刷量に見合ったアプリケーションログの最大サイズを指定することをお勧めします。

アプリケーションログの最大サイズは,Windowsの[イベントビューア]で設定します。

  1. Windowsの[管理ツール]から[イベントビューア]を選択する。
    [イベントビューア]が表示されます。
  2. [アプリケーションログ]を選択して,[操作]-[プロパティ]を選択する。
    [アプリケーション ログのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
  3. [全般]タブの[最大ログサイズ]を設定する。

なお,イベントログファイルが満杯状態のままでシステムを使用しないでください。不要にメモリ不足が発生することがあります。

(8) ネットワークの設定

JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientは,LAN接続プリンタとの通信,ほかのサーバやクラインアントとの通信にTCP/IPを使用します。Windowsの「インターネットプロトコル(TCP/IP)」を正しく設定してください。

なお,JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientは,ほかのサーバやクラインアントとの通信にRPCを使用します。RPCを使用するには,Windowsのhostsファイルの設定やネームサービスの設定などにより,通信先コンピュータ名を指定して通信できるネットワーク環境が必要です。