4.3.1 [環境設定]ダイアログボックスでのセットアップ

[環境設定]ダイアログボックスを表示するには,Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]-[JP1_Network Printing System]-[環境設定]を選択します。

なお,[環境設定]ダイアログボックスで設定した環境設定情報は,Windowsの再起動後に有効になります。そのため,環境設定後は,必ずWindowsを再起動してください。環境設定後にWindowsを再起動しない場合,JP1/NPSまたはJP1/NPS/Clientの動作を保証できません。

[環境設定]ダイアログボックスを次の図に示します。

図4-1 [環境設定]ダイアログボックス

[図データ]

次に,[環境設定]ダイアログボックスの各タブについて説明します。

<この項の構成>
(1) [構成定義情報]タブ
(2) [印刷ジョブ管理情報]タブ
(3) [保守情報]タブ
(4) スプールジョブ消滅防止機能
(5) リカバリ印刷高速化機能
(6) LAN Printer
(7) リモート印刷

(1) [構成定義情報]タブ

このタブでは,構成管理サーバおよび通信プロトコル情報について設定します。

(a) 構成定義情報

プリンタ仕様を問い合わせる構成管理サーバ名を指定します。構成管理サーバとは,各プリンタのハードウェア特有の仕様を管理しているサーバです。JP1/NPSでは,構成管理サーバを自コンピュータにするか,他コンピュータにするかについて設定できます。他コンピュータを構成管理サーバにした場合,およびJP1/NPS/Clientでは,構成管理サーバとするサーバ名を設定します。

なお,JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientで設定する構成管理サーバは,一つのシステム内ですべて同じ名称にしておく必要があります。

次に,構成管理サーバに関する注意事項を示します。

(b) 通信プロトコルの選択

通信プロトコルを指定します。サーバとクライアントは,RPC(Remote Procedure Call)を使用して通信しています。また,通信プロトコルは標準でTCP/IPを使っています。したがって,スタンドアロンで使用する場合を除いて,すべて[TCP/IP]に統一してください。統一しない場合,正しく通信できなくなります。

なお,スタンドアロンで使う場合で,LANボードがないときは,「名前付きパイプ」を指定してください。

(2) [印刷ジョブ管理情報]タブ

このタブでは,印刷ジョブの操作やリカバリ印刷で必要な印刷ジョブ管理情報を保存するフォルダ(印刷ジョブ管理フォルダ)および印刷ジョブ操作イベントの出力について設定します。

(a) 印刷ジョブ管理情報

印刷ジョブ管理フォルダを指定します。このフォルダは,印刷ジョブが多ければ多いほどファイル容量が増加するため,システムドライブ以外のドライブに設定することをお勧めします。

なお,JP1/NPSの運用中に印刷ジョブ管理フォルダを変更しないでください。変更した場合,JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientの動作を保証できません。印刷ジョブ管理フォルダを変更する場合は,プリンタにスプールされているすべての印刷ジョブを削除したあとで変更してください。

次に,印刷ジョブ管理フォルダに関する注意事項を示します。

(b) 印刷ジョブ操作イベント

このオプションでは,印刷ジョブ操作でのイベント出力について設定します。

操作したユーザ名で記録できるイベントを次の表に示します。

表4-1 操作したユーザ名で記録できるイベント

イベント名称イベントID
(Windowsイベント)
イベントID
(JP1イベント)
テスト印刷開始イベント3100003131
再印刷開始イベント3300003133
印刷ジョブ削除イベント4100003141
印刷ジョブの別プリンタ移動イベント4200003142
印刷ジョブのコピーイベント4300003143
印刷ジョブキャンセルイベント4400003144

(3) [保守情報]タブ

このタブでは,保守情報の取得に関する設定をします。

(a) イベントログオプション

障害を調査する場合に,付加的な情報を出力する設定ができます。このオプションを指定すると,イベントログにアプリケーションログとして詳細なエラー情報を出力します。

「障害ログ出力レベル」の値の意味を次に示します。デフォルトは「無効」です。なお,通常の運用時は,「無効」を設定してください。

(b) イベントログ取得対象

このオプションは通常の運用時には指定しないでください。このオプションを指定すると,障害レベルの設定に関係なく,JP1/NPSの詳細なエラー情報を出力できます。

(4) スプールジョブ消滅防止機能

このタブでは,印刷ジョブが消える場合の処置を設定します。通常の運用時は「無効」を選択してください。

Windowsのスプールフォルダは,デフォルトのスプールフォルダとは別のフォルダに変更してください。変更した場合でも,次に示す操作でスプールフォルダから印刷ジョブが消えるときは,このオプションを設定します。

スプールフォルダの変更方法は,「4.3.2(2)Windowsのスプールフォルダ」を参照してください。

この機能はWindowsの再起動後に有効になります。ただし,この機能を有効にしている状態でも,ネットワークプリンタへ接続した場合などに,印刷ジョブが消えることがあります。

(5) リカバリ印刷高速化機能

このタブでは,プリンタ障害発生時にリカバリ印刷(テスト印刷,再印刷,または印刷ジョブのキャンセル)を速やかに実行する設定をします。通常の運用時は[有効]を選択してください。

ただし,リカバリ印刷高速化機能を有効にしている状態でも,プリンタのプロパティで[印刷後ドキュメントを残す]をチェックしていない場合,この機能は有効になりません。

[印刷後ドキュメントを残す]をチェックした設定のプリンタで印刷後,印刷ジョブを削除したい場合は,プリンタプロパティの[プリンタオプション1]タブで[印刷済みジョブの保存時間]を1分に設定してください。

なお,リカバリ印刷高速化機能を有効にしている状態で,リカバリ印刷が正常に動作しない場合は,この機能を無効にしてください。

(6) LAN Printer

このタブでは,通信ポートで障害が発生した場合の処理を設定します。

(7) リモート印刷

このタブでは,データが存在しない印刷ジョブをリモート印刷した場合の動作について設定します。この機能は,EMFスプーリングされた印刷ジョブについてだけ有効です。

デフォルトは,[エラーメッセージを表示して応答を待つ]です。