JP1/Network Printing System(Windows(R)用)
[環境設定]ダイアログボックスを表示するには,Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[JP1_Network Printing System]−[環境設定]を選択します。
なお,[環境設定]ダイアログボックスで設定した環境設定情報は,Windowsの再起動後に有効になります。そのため,環境設定後は,必ずWindowsを再起動してください。環境設定後にWindowsを再起動しない場合,JP1/NPSまたはJP1/NPS/Clientの動作を保証できません。
[環境設定]ダイアログボックスを次の図に示します。
図4-1 [環境設定]ダイアログボックス
次に,[環境設定]ダイアログボックスの各タブについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) [構成定義情報]タブ
- (2) [印刷ジョブ管理情報]タブ
- (3) [保守情報]タブ
- (4) スプールジョブ消滅防止機能
- (5) リカバリ印刷高速化機能
- (6) LAN Printer
- (7) リモート印刷
(1) [構成定義情報]タブ
このタブでは,構成管理サーバおよび通信プロトコル情報について設定します。
(a) 構成定義情報
プリンタ仕様を問い合わせる構成管理サーバ名を指定します。構成管理サーバとは,各プリンタのハードウェア特有の仕様を管理しているサーバです。JP1/NPSでは,構成管理サーバを自コンピュータにするか,他コンピュータにするかについて設定できます。他コンピュータを構成管理サーバにした場合,およびJP1/NPS/Clientでは,構成管理サーバとするサーバ名を設定します。
なお,JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientで設定する構成管理サーバは,一つのシステム内ですべて同じ名称にしておく必要があります。
次に,構成管理サーバに関する注意事項を示します。
- 構成管理サーバが起動していない状態でプリンタ情報の変更またはプリンタ情報をデフォルト情報に戻す操作をした場合,構成管理サーバが起動するまでプリンタ情報は変更されません。
- 構成管理サーバを変更する場合は,プリントサーバ内にローカルプリンタが定義されていないことを確認してください。プリンタが定義されている場合は,すべてのプリンタのプリンタ情報をデフォルト情報に戻す必要があります。この場合,Windowsを再起動してから,デフォルト情報に戻したプリンタ情報を再設定してください。
プリンタ情報が存在する状態で構成管理サーバを変更してしまった場合,プログラムの動作を保証できません。誤って構成管理サーバを変更してしまった場合は,構成管理サーバを変更前の状態に戻してください。
(b) 通信プロトコルの選択
通信プロトコルを指定します。サーバとクライアントは,RPC(Remote Procedure Call)を使用して通信しています。また,通信プロトコルは標準でTCP/IPを使っています。したがって,スタンドアロンで使用する場合を除いて,すべて[TCP/IP]に統一してください。統一しない場合,正しく通信できなくなります。
なお,スタンドアロンで使う場合で,LANボードがないときは,「名前付きパイプ」を指定してください。
(2) [印刷ジョブ管理情報]タブ
このタブでは,印刷ジョブの操作やリカバリ印刷で必要な印刷ジョブ管理情報を保存するフォルダ(印刷ジョブ管理フォルダ)および印刷ジョブ操作イベントの出力について設定します。
(a) 印刷ジョブ管理情報
印刷ジョブ管理フォルダを指定します。このフォルダは,印刷ジョブが多ければ多いほどファイル容量が増加するため,システムドライブ以外のドライブに設定することをお勧めします。
なお,JP1/NPSの運用中に印刷ジョブ管理フォルダを変更しないでください。変更した場合,JP1/NPSおよびJP1/NPS/Clientの動作を保証できません。印刷ジョブ管理フォルダを変更する場合は,プリンタにスプールされているすべての印刷ジョブを削除したあとで変更してください。
次に,印刷ジョブ管理フォルダに関する注意事項を示します。
- 印刷ジョブ管理フォルダにローカルコンピュータ以外のフォルダや誤った形式のフォルダを設定しないでください。設定した場合,印刷を保証できません。
- プリンタセットアップ後に[環境設定]ダイアログボックスで印刷ジョブ管理フォルダを変更しないでください。変更した場合,動作を保証できません。
- 印刷ジョブ管理フォルダにはWindowsで予約されている次の文字は使用できません。使用した場合,印刷ができません。
/ : , ; * ? “ < > |
(b) 印刷ジョブ操作イベント
このオプションでは,印刷ジョブ操作でのイベント出力について設定します。
- マネージャ操作によるテスト印刷開始・再印刷開始イベントの設定
[JP1/NPSマネージャ]ウィンドウからテスト印刷または再印刷した場合にイベントを出力させたいときに選択します。このラジオボタンを選択した場合,次に示す発行契機でイベントが出力されます。
- テスト印刷開始イベント
[JP1/NPSマネージャ]ウィンドウから,印刷待ちまたは保留状態の印刷ジョブを選択して,[テスト印刷]を実行し,正常にジョブが登録された場合。
- 再印刷開始イベント
[JP1/NPSマネージャ]ウィンドウから,印刷済み状態の印刷ジョブを選択して,[再印刷]を実行し,正常にジョブが登録された場合。
- マネージャ操作による印刷ジョブ操作系イベントの設定
[JP1/NPSマネージャ]ウィンドウで印刷ジョブを操作した場合に出力されるイベント情報内のユーザ名を,操作したユーザ名で記録できます。
操作したユーザ名で記録できるイベントを次の表に示します。
表4-1 操作したユーザ名で記録できるイベント
イベント名称 イベントID
(Windowsイベント)イベントID
(JP1イベント)テスト印刷開始イベント 31 00003131 再印刷開始イベント 33 00003133 印刷ジョブ削除イベント 41 00003141 印刷ジョブの別プリンタ移動イベント 42 00003142 印刷ジョブのコピーイベント 43 00003143 印刷ジョブキャンセルイベント 44 00003144
(3) [保守情報]タブ
このタブでは,保守情報の取得に関する設定をします。
(a) イベントログオプション
障害を調査する場合に,付加的な情報を出力する設定ができます。このオプションを指定すると,イベントログにアプリケーションログとして詳細なエラー情報を出力します。
「障害ログ出力レベル」の値の意味を次に示します。デフォルトは「無効」です。なお,通常の運用時は,「無効」を設定してください。
- 「無効」:出力しない
- 「1」:少量のログを出力する
- 「2」:多量のログを出力する
(b) イベントログ取得対象
このオプションは通常の運用時には指定しないでください。このオプションを指定すると,障害レベルの設定に関係なく,JP1/NPSの詳細なエラー情報を出力できます。
(4) スプールジョブ消滅防止機能
このタブでは,印刷ジョブが消える場合の処置を設定します。通常の運用時は「無効」を選択してください。
Windowsのスプールフォルダは,デフォルトのスプールフォルダとは別のフォルダに変更してください。変更した場合でも,次に示す操作でスプールフォルダから印刷ジョブが消えるときは,このオプションを設定します。
- ネットワークプリンタへ接続した時
- プリンタフォルダの表示,印刷,印刷ジョブの移動など,接続しているネットワークプリンタにアクセスした時
スプールフォルダの変更方法は,「4.3.2(2)Windowsのスプールフォルダ」を参照してください。
この機能はWindowsの再起動後に有効になります。ただし,この機能を有効にしている状態でも,ネットワークプリンタへ接続した場合などに,印刷ジョブが消えることがあります。
(5) リカバリ印刷高速化機能
このタブでは,プリンタ障害発生時にリカバリ印刷(テスト印刷,再印刷,または印刷ジョブのキャンセル)を速やかに実行する設定をします。通常の運用時は[有効]を選択してください。
ただし,リカバリ印刷高速化機能を有効にしている状態でも,プリンタのプロパティで[印刷後ドキュメントを残す]をチェックしていない場合,この機能は有効になりません。
[印刷後ドキュメントを残す]をチェックした設定のプリンタで印刷後,印刷ジョブを削除したい場合は,プリンタプロパティの[プリンタオプション1]タブで[印刷済みジョブの保存時間]を1分に設定してください。
なお,リカバリ印刷高速化機能を有効にしている状態で,リカバリ印刷が正常に動作しない場合は,この機能を無効にしてください。
(6) LAN Printer
このタブでは,通信ポートで障害が発生した場合の処理を設定します。
- 通信ポート確保失敗時の再試行までのインターバル
LAN接続プリンタへの印刷要求が受け付けられなかった場合,一定間隔で再試行します。再試行回数を超えても印刷要求が受け付けられなかった場合,プリンタ障害が検知されます。再試行までのインターバルは,0〜60秒で指定します。デフォルトは3秒です。
- 通信ポート確保失敗時の再試行回数
LAN接続プリンタへの印刷要求が受け付けられなかった場合,一定間隔で再試行します。再試行回数を超えても印刷要求が受け付けられなかった場合,プリンタ障害が検知されます。再試行の回数は,0〜9999回の範囲で指定します。デフォルトは1200回です。
(7) リモート印刷
このタブでは,データが存在しない印刷ジョブをリモート印刷した場合の動作について設定します。この機能は,EMFスプーリングされた印刷ジョブについてだけ有効です。
- [エラーメッセージを表示して応答を待つ]
データが存在しない印刷ジョブをリモート印刷したとき,エラーメッセージを表示して応答を待つ場合に選択します。エラーメッセージに応答すると,リモート印刷を中止して印刷ジョブをキャンセルします。
- [エラーメッセージを表示せずに印刷ジョブをキャンセルする]
データが存在しない印刷ジョブをリモート印刷したとき,エラーメッセージを表示しないでリモート印刷を中止して印刷ジョブをキャンセルする場合に選択します。
デフォルトは,[エラーメッセージを表示して応答を待つ]です。
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